テーマ : 防災対策

住民連携で備え確認 「地域防災の日」静岡県中部各地で訓練

 「地域防災の日」の4日、大地震など大規模災害を想定した防災訓練が静岡県中部の各地で行われた。参加住民らはさまざまな災害に備え、互いの連携のあり方を確認した。

ポイントに設定された防災倉庫前で記録を撮影する参加者=静岡市駿河区
ポイントに設定された防災倉庫前で記録を撮影する参加者=静岡市駿河区
簡易ベッドの組み立てを実演する中学生ら=藤枝市の葉梨西北小
簡易ベッドの組み立てを実演する中学生ら=藤枝市の葉梨西北小
受付で検温やリストバンドでの管理を行った避難所開設訓練=島田市の六合中
受付で検温やリストバンドでの管理を行った避難所開設訓練=島田市の六合中
住民を避難誘導する署員(左)=焼津市本町
住民を避難誘導する署員(左)=焼津市本町
ポイントに設定された防災倉庫前で記録を撮影する参加者=静岡市駿河区
簡易ベッドの組み立てを実演する中学生ら=藤枝市の葉梨西北小
受付で検温やリストバンドでの管理を行った避難所開設訓練=島田市の六合中
住民を避難誘導する署員(左)=焼津市本町


 静岡市駿河区・川原自治会連合会はゲーム形式で防災学習
 静岡市駿河区の川原自治会連合会は、地図に示されたポイントを巡りながらゲーム形式で防災を学ぶ「防災ロゲイニングinかわはら」を開催した。
 同市では初めての取り組みで、静岡大防災総合センターの村越真副センター長がディレクターを務めた。川原小校区の住民や長田南中生ら79チーム約240人が参加した。
 ポイントは地域の防災倉庫や津波避難タワーなど30カ所を設定。参加者はハザードマップと一体になった地図を片手に戦略を立ててコースを巡り、ポイント到達を写真で記録して得点を競った。防災倉庫では中にどのような用品が入っているのかも確認した。
 家族5人で参加した川原小3年の佐野ななかさん(9)は「疲れたけど防災の備えについて勉強になった」と満足げに話した。同連合会の白木康雄会長(72)は「今回を機に災害時には適切な行動をとってほしい」と期待した。

 静岡市駿河区・西豊田小では障害者支援に重点
 静岡市駿河区の西豊田小では感染症対策と障害者への支援に重点を置きながら、避難所の運営訓練を行った。
 西豊田学区の自治会役員や市社会福祉協議会職員ら約30人が避難所の運営側を担い、住民約100人が避難者として参加した。体育館では参加者が入り口で検温や体調確認などをしたほか、発熱者は他の住民と別の経路で隔離室に移動した。
 車椅子利用者の誘導を想定した訓練では、住民の中からサポート役を募った。可搬式スロープを使って段差を乗り越え、体育館に連れて行く流れを確認した。

藤枝・簡易ベッドを組み立て
 藤枝市の主会場となった葉梨西北小では、避難所の開設・運営やライフライン寸断時の対応の流れなどを確かめた。地元自治会役員や葉梨中の生徒ら約150人が参加した。
 箱形のパーティションや簡易ベッドの設置訓練では、中学生が実演後に参加者が組み立てを体験した。避難生活をイメージしながら設備を配置したり、ベッドに横たわって寝心地を確認したりした。
 校庭には給水車やトイレカー、人工知能(AI)搭載のシャワートラックが並んだ。専用のビニール容器を使って水を受け渡したほか、災害時支援車両の使い方を学んだ。

島田・感染症対策の避難所管理
 島田市の道悦島自治会は六合小・中の2会場で訓練を展開し、約1200人が参加した。感染症対策として避難所の受付では一人一人の体温をチェックし、体調を確認した上でリストバンドを装着した。
 体育館では市が新型コロナ対策の一環で全避難所に配備したパーティションを参加者が広げ、使用法を確かめた。炊き出しや消火訓練、倒れたブロック塀の下から人を助け出す訓練も行った。山本彰自治会長(71)は「ノウハウが途切れないよう実践を重ねることが大切」と話した。
 市全体で約90の自主防災組織が訓練を企画し、市職員を含め約1万9千人が参加した。

焼津・津波避難タワーへ住民を誘導
 焼津署は南海トラフ巨大地震を想定し、焼津市本町で津波避難タワーへの誘導訓練を行った。同署、市、地元自主防災会から約50人が参加し、津波災害への意識を高めた。
 午前9時に震度6強の地震が発生し、直後に大津波警報が発表される―という想定。巡回中の署員がサイレンを合図に家を飛び出してきた住民たちに「津波が来ます。早く逃げてください」などと声をかけながら、タワーへと誘導した。 上空には県警航空隊のヘリコプターが飛行し、避難を呼びかけた。

吉田・AED講習や初期消火の手順確認
 吉田町では地域の特性に応じ、自主防災会ごとに訓練が展開された。沿岸部に位置する住吉区の東浜自主防災会は津波避難タワーへの迅速な避難方法などを確認した。
 午前8時半に地震が発生し、その後に大津波警報が発令したとの想定。住民約300人は発令直後から自宅近くの津波避難タワーを目指して行動を始め、担当者が安否確認を行った。避難後は東浜公会堂で榛原総合病院のスタッフを招いた自動体外式除細動器(AED)の講習会や初期消火の訓練も実施した。
 同町によると、地域防災訓練には7990人が参加した。

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