テーマ : 防災対策

要支援者の対応探る 地域防災の日 「訓練重ねることが大切」

 4日の「地域防災の日」の訓練では、近年の災害で犠牲者が相次ぐ高齢者や障害者など避難行動要支援者に重点を置いて避難誘導や安否確認を実践する地域があった。地域住民や福祉施設職員が要支援者を支援する手だてを試した。避難所に入りたがらない人の対応や、いかに迅速に避難してもらうかといった課題が浮き彫りになった。

避難するためバスに乗り込む入所者=4日午前、小山町須走のインマヌエル
避難するためバスに乗り込む入所者=4日午前、小山町須走のインマヌエル

 小山町須走地区の障害者支援施設「インマヌエル」は町と連携し、入所者の避難訓練を実施した。富士山噴火の兆候があり、噴火警戒レベル4の「高齢者等避難」が発令された状況を想定。車椅子利用者を含む49人が職員の誘導でバスや乗用車に乗り込み、指定避難所まで移動した。避難呼びかけ開始から出発までに約30分を要した。高橋頼太施設長(41)は「職員が少ない夜間は、もっと時間がかかる。避難情報を確実に届けてほしい」と求める。
 避難所到着時にバスから下りるのを嫌がり、車内で待機した入所者もいた。町の長田忠典住民福祉部長は「ストレスを最小限に抑える環境を用意する必要がある」と受け止めた。高橋施設長は、地域住民の理解を深める意味でも要支援者が参加する訓練を重ねることが大切だと指摘した。
 牧之原市の片浜区は要支援者の安否確認の訓練を初めて本格実施した。自治会役員と民生委員らが要支援者の情報を共有し、電話と戸別訪問で安否を聴取した。電話番号変更や対象者不在で確認できない場合の対応を今後の検討材料とした。大石茂生区長(68)は「自治会が状況を把握すれば消防や警察などの迅速な対応につなげられる」と話した。
 (御殿場支局・矢嶋宏行、榛原支局・足立健太郎)

 

いい茶0

防災対策の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞