テーマ : 防災対策

「世界津波の日」 全国各地で訓練 命守る「行動」 再確認

 国連が定める「世界津波の日」の5日、全国各地で、巨大地震での津波発生を想定した避難訓練が実施された。今年は関東大震災から100年となる節目の年でもあり、地域の防災力を高めるため、避難経路や住民同士の声かけなど、命を守る方法を再確認した。

津波避難訓練で列車から降りる小学生ら=5日午前、和歌山県広川町
津波避難訓練で列車から降りる小学生ら=5日午前、和歌山県広川町

 和歌山県広川町では南海トラフ巨大地震によって列車が停止したと想定した、JR西日本と町共催の津波避難訓練が行われた。地元の小学生ら約250人が、運転士の誘導で列車を降りて、高台へ走って避難した。
 訓練は、マグニチュード9・1の地震の発生を想定。踏切付近で緊急停止した列車のドアが開くと、子どもらは車外に出て、高台を目指して一斉に走り出した。乗務員は「早く逃げろ」「走れ」と呼びかけた。
 小学6年の山西愛蘭さん(12)は「(線路の)砂利が走りにくかった。本当に地震が来たらもっと焦ると思うので、今日練習できて良かった」と話した。
 東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市でも、大津波警報の発令を想定し住民らが高台を目指した。小学校の3階まで避難した小学4年の遠藤優太君(10)は「地震が起きた時に生かしたい」と話した。市内では、体育館で中学生らが簡易トイレや段ボールベッドを組み立てた。11月5日は、安政南海地震(1854年)が発生した日。現在の広川町の実業家が、住民避難に尽力した逸話がある。政府も、この日を「津波防災の日」と定めている。

 

いい茶0

防災対策の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞