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巴川治水対策、推進を 難波静岡市長 県予算編成に要望

 静岡市の難波喬司市長は20日、静岡県庁に川勝平太知事を訪ね、県の2024年度予算編成に対する要望書を提出した。重要事項として、県が管理する2級河川巴川の流域治水対策の推進と、政令市が対象外になっている市町向けの県単独助成事業の取り扱いの見直しを求めた。市によると、市長が県に対して予算の要望活動を行うのは05年に政令市に移行して以来初めて。

川勝平太知事(左)に予算要望書を手渡す静岡市の難波喬司市長=20日午後、静岡県庁
川勝平太知事(左)に予算要望書を手渡す静岡市の難波喬司市長=20日午後、静岡県庁

 巴川については、22年9月の台風15号に伴う豪雨で、流域で甚大な浸水被害が発生したことを踏まえ、麻機遊水地(静岡市葵区)第2工区や河口水門の早期整備を求めた。巴川の浸水被害を軽減するために県が整備を進めている麻機遊水地は全4工区のうち第1、3、4区の計約109ヘクタールの整備が完了し、10年から最も広大な第2工区93ヘクタールの整備を進めている。水門は河川整備計画で41年までの整備目標が明記されている。
 県単独助成事業の見直しについては難波市長は「静岡市民がほかの市町の県民と同様の県税を負担していることを鑑みると、この取り扱いは市民に説明できない」と述べ、今後県単独助成事業を新設する場合に政令市も助成対象に加えるよう求めた。浜松市の中野祐介市長も12日、同様の内容で川勝知事に要望した。
 川勝知事は巴川の対策については「しっかりとやりたい」と同調した。県単独助成事業の取り扱いの見直しに関しては、03年に静岡市と締結した基本協定書の内容であり、慎重な姿勢が必要との認識を示しつつ、「両(政令)市長から(要望が)来ている。膝をつき合わせて前向きに検討していく」と応じた。
 難波市長は要望後の取材で「県と政令市は率直に意見交換することが大事」と述べ、今後も予算要望を続ける考えを示した。

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