テーマ : 防災対策

「流域治水」で被害軽減 静岡県、台風15号踏まえ強化

 静岡県は激甚化する豪雨災害に対応するため、流域全体で被害軽減を図る「流域治水」の考え方を取り入れた水害対策を強化する。昨年9月の台風15号による浸水被害を踏まえ、新たに県中部と西部の5流域を重点対策流域に追加した。従来型のハード整備だけにとどまらないさまざまな対策を組み合わせたプランをつくり、効果的な減災につなげる。

「重点対策流域」一覧
「重点対策流域」一覧

 5流域は興津川、庵原川、巴川、安倍川、都田川。地元自治体などと流域治水協議会を設置し、河川の氾濫を減らしたり、早期復旧を図ったりする「水災害対策プラン」を策定する。近年の豪雨被害を分析し、気候変動による氾濫リスクも加味して短期、長期の視点で対策をまとめる。
 全国各地で想定を上回る規模の豪雨災害が相次ぐ中、水害対策をダムや堤防だけに頼らず、避難態勢づくりや開発規制などを組み合わせる流域治水の考え方をプランに取り入れる。雨水を一時的にためたり、地中に浸透させたりして洪水を防ぐ施設の整備、河川改修、ハザードマップの周知、防災情報の共有化といったメニューを盛り込み、流域が一体となった効果的な治水につなげる。
 重点対策流域は以前から対策を進める10流域と合わせて計15流域となった。先行する流域では馬込川(浜松市)など既にプランを策定済みのところもあるが、台風15号被害を踏まえて見直し作業も進める。取り組みの実効性を高めるため、策定後も関係者の情報共有を図り、対策の進捗(しんちょく)状況を確認する。
 県によると、台風15号による床上浸水家屋数は1974年の七夕豪雨以降で最大規模の被害となった。河川企画課は「気候変動により水害が激甚化、頻発化している。早期にプランを策定し、被害の軽減を図っていく」としている。

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