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静大・小山教授に火山学会賞 大臣表彰も ハザードマップなど評価

 静岡大防災総合センター副センター長の小山真人教授がこのほど、2023年度の日本火山学会賞と「科学技術分野の文部科学大臣表彰」のダブル受賞を果たした。両賞とも富士山ハザードマップの策定・改定や伊豆東部火山群の防災体制構築などによる住民啓発の貢献をたたえ、同学会賞では富士山や伊豆地域の火山研究の成果も評価された。

静岡大 小山真人教授
静岡大 小山真人教授

 同学会賞は火山学発展に長年貢献した個人・団体に授与される同学会の最高賞。小山教授は、研究面では遠い南海で誕生した海底火山群がプレート運動によって北上し、本州に衝突して伊豆半島が形成されたことや、衝突後に生まれた富士山や伊豆東部火山群の噴火史を解明した。
 一方、富士山や伊豆半島ではかつて、火山防災は観光客の足を遠のかせるとして対策が進まない時期があった。だが2000年に有珠山(北海道)、三宅島(東京都)で噴火が相次いだことで危機感が高まり、小山教授らは行政と連携して防災計画作りを進めた。
 大臣表彰は科学技術賞の理解増進部門での受賞。県内では希少な「地震・火山のホームドクター」として知識の普及啓発に努め、15市町で構成する伊豆半島ユネスコ世界ジオパークの設立につながったことが評価された。「富士山や伊豆半島の地形や温泉は『火山の恵み』。住民は恩恵とリスクの両面を正しく理解して観光客を迎えるべきだ」と小山教授。今後も住民に火山との共生を説いていく。

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