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巨大地震でリニアは? 石橋氏「乗客の安全見直せ」 静岡

 地震学者の石橋克彦神戸大名誉教授の講演会「南海トラフ巨大地震でリニアはどうなる?」が24日、静岡市葵区の静岡労政会館で開かれた。石橋氏は、リニア中央新幹線は南海トラフ巨大地震で新たな災害を生み出す可能性があると指摘し、乗客の安全確保に向けて国の防災基本計画の内容を抜本的に見直すべきだと主張した。

石橋名誉教授(右奥)が南海トラフ巨大地震とリニア中央新幹線の関係性について解説した講演会=静岡市葵区の静岡労政会館
石橋名誉教授(右奥)が南海トラフ巨大地震とリニア中央新幹線の関係性について解説した講演会=静岡市葵区の静岡労政会館

 石橋氏は、リニア路線は多くの活断層を横切っているため、南海トラフ地震と連動すれば、リニアは東海道新幹線とともに大きな被害を受けると予想した。県内で事故が発生すれば、同時に被災している県民の救援活動にも支障を及ぼすとした。
 JR東海は、リニアと東海道新幹線による東京―大阪間輸送の二重系化は大規模災害への抜本的な備えになり、リニアの設備は「十分な耐震性を有するように設計している」と主張している。ただ、石橋氏は最近の新幹線施設の地震被害を例に挙げ、「リニアの土木構造物が確実に安全とは言えない」と反論した。
 リニア建設に反対する市民団体「リニア新幹線を考える県民ネットワーク」が企画し、約70人が聴いた。

 

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