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「後悔しないよう 地震への備えをして」 ⚽J3アスルクラロ・菅井選手 沼津・金岡小で震災体験語る

 サッカーJ3アスルクラロ沼津の菅井拓也選手(32)=仙台市出身=がこのほど、沼津市の金岡小で防災講話を行った。対象の6年生に、2011年の東日本大震災で被災、父を津波で亡くした経験を語り、「後悔しないよう、家族との時間や会話を大切にし、地震への備えをしてほしい」と訴えた。

児童らに被災時の経験を語る菅井選手=沼津市の金岡小
児童らに被災時の経験を語る菅井選手=沼津市の金岡小


 当時、菅井選手は仙台大1年生。地震発生時、サッカーの練習終わりで部室におり、揺れを感じてグラウンドに避難した。立ってはいられないほどの揺れで、グラウンドの照明がしなっていて、「自然と四つんばいになった。ものすごい恐怖を味わった」という。公共交通機関が止まり家に帰れず、ベンチコートにくるまって部室で一夜を明かした。「明かりもなく、雲のない星空はすごくきれいだったが、その空を見て切なさを感じた」と振り返った。
 次の日、自転車で約4時間かけて実家に帰ると、父の姿がなかった。津波に流され、帰らぬ人となった。「突然いなくなった。最後に何を話したかも覚えていない」と言葉を詰まらせ、「心配する母に『そのうち帰ってくるんじゃない?』と軽い言葉をかけてしまったことを後悔している」と語った。
 講話は同校と明電舎が、本年度から始めた地域の環境・エネルギー・防災について考える地域学校協働授業の一環。今後、児童らは登下校ルートを確認し、災害時の危険箇所を抽出する。金子心咲さん(12)は「防災グッズを家に置いたり、避難経路の確認をしたりして、今から準備を進めたい」と話した。
 (東部総局・天羽桜子)

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