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簡易除染など手順確認 静岡県原子力防災の実動訓練、3年ぶり開催 複合災害に懸念の声も

 静岡県原子力防災訓練の実動訓練が4日、浜松市内などで開かれた。新型コロナウイルス感染の影響で3年ぶりの開催。中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)で重大事故が発生した際の広域避難や放射線量測定、簡易除染など基本的な手順の確認に重点を置いた。初めて参加した住民が多く、南海トラフ地震との複合災害への対応を懸念する声もあった。

放射線量の測定検査を受ける住民(中央)=4日午前、浜松市北区の新東名高速道浜松サービスエリア下り
放射線量の測定検査を受ける住民(中央)=4日午前、浜松市北区の新東名高速道浜松サービスエリア下り

 午前9時過ぎ、浜松市北区の新東名高速道浜松サービスエリア下りに設けた避難退域時検査場所には島田市や焼津市など31キロ圏内の住民がバスで続々と到着。放射線量の測定で基準値を下回っていることを確認し、検査済証の交付を受けた。
 2021年度末に広域避難計画を公表した藤枝市は同訓練に住民が初めて参加。西益津第3自治会の青島博会長(76)は地震と原発事故が重なればより混乱すると懸念し、「住民が幅広く参加する訓練を繰り返す必要がある」と強調した。
 参加者からは自家用車で避難した場合の混雑や検査方法への不安の声も漏れた。県危機管理部の加藤晃一危機管理監代理は「交通事故のリスクなどを考えると実施の難しさはあるが、実際は車での避難が多く、いずれは取り入れていかなければならない」と述べた。

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