原発・原子力の記事一覧
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一時移転の“古里”御殿場市民が応援 パリ五輪に5人輩出、サッカーJFAアカデミー福島勢 活躍願い横断幕
【パリ=本社臨時支局・伊藤龍太】2023年度まで御殿場市と裾野市に一時移転していた「JFAアカデミー福島」。日本サッカー協会(JFA)のエリート選手育成機関として、今夏のパリ五輪にも男女計5人の出身者を送り込んだ。市民も卒業生の躍進を切望する。 「世界で輝く御殿場の星」「富士岡中の後輩として応援しています」-。6月下旬の御殿場市の市民サロン「けやきかん」。アカデミー出身者へのメッセージを募った横断幕には、活躍を願う“古里”からの応援の言葉があふれた。06年に福島県のJビレッジに開設された同アカデミーは東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故により、11年4月から2
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浜岡原発「基準津波」次回議論へ 規制委、堆積物評価を了承
原子力規制委員会は26日、中部電力浜岡原発3、4号機(御前崎市佐倉)の新規制基準適合性審査会合を開き、歴史記録や堆積物から過去に襲来した津波を調べる中電の評価を「概ね妥当な検討がなされた」と了承した。次回会合で、耐津波設計の目安となる想定最大津波高「基準津波」策定の議論に入る見通し。 中電はこれまでの審査で、同原発の敷地前面の想定最大津波高を25・2メートルとしている。最も厳しい条件の南海トラフ地震による津波と遠州灘沖1地点の海底地滑りによる津波が重なり合う場合の数値。6月の会合で規制委が了承したのを受け、この評価を基準津波として選定する方針だ。 堆積物を巡っては、論点となっていた敷地内
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処理水 協議加速で一致 上川氏「輸入規制撤廃を」 日中外相会談
【ビエンチャン共同】上川陽子外相(衆院静岡1区)は26日(日本時間同)、ラオスの首都ビエンチャンで中国の王毅外相と会談した。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、両氏は問題解決へ協議プロセスを加速させる考えで一致。上川氏は日本産食品輸入規制の即時撤廃を要求し、王氏は関係国が参加する処理水の長期的な国際モニタリング(監視)体制の構築を改めて主張した。 会談は昨年11月に韓国・釜山で実施して以来。両氏は「戦略的互恵関係」を推進し、外相同士の相互訪問を含め、重層的に粘り強く意思疎通を積み重ねると確認した。 上川氏は、中国による日本周辺での軍事活動の活発化や、南シナ海を巡る問題に深刻な懸念
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敦賀原発 新基準適合せず 直下に活断層 規制委が判断 再稼働審査 不合格へ
原子力規制委員会は26日、日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県)の審査会合を開き、原子炉直下に活断層が存在する可能性があるとして、原発の新規制基準に適合しないと結論付けた。不適合判断は規制委発足後初めて。今後の取り扱いは31日に委員全5人が出席する定例会合で検討するが再稼働は困難で、審査不合格となる公算が大きい。 原電は追加調査の意向を示し審査継続を求めたが、原発の新規制基準では活断層の上に重要施設を設置することを禁じており、廃炉を迫られる可能性もある。規制委は原電幹部からの意見聴取も検討する。 審査では①原子炉の北約300メートルにある「K断層」が活断層かどうか(活動性
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広島被爆者、スイスで惨状訴え 「今でも体や心を苦しめている」
【ジュネーブ共同】スイス西部ジュネーブで26日、核兵器の人道的影響に関するイベントが開かれ、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の児玉三智子事務局次長(86)=千葉県市川市=が「79年たった今でも原爆は被爆者の体や心、暮らしの全てを苦しめている」と惨状を訴えた。 ジュネーブで開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議第2回準備委員会に合わせたイベントで、フィリピンとニュージーランドが共催。世界各国から約70人の外交官らが出席した。 児玉さんは7歳の時に広島で被爆し、いとこ2人を失った。その後も就職や結婚などで差別や偏見を受けてき
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日中外相、処理水協議加速で一致 上川氏「輸入規制撤廃」を要求
【ビエンチャン共同】上川陽子外相は26日(日本時間同)、ラオスの首都ビエンチャンで中国の王毅外相と会談した。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、両氏は問題解決へ協議プロセスを加速させる考えで一致。上川氏は日本産食品輸入規制の即時撤廃を要求し、王氏は関係国が参加する処理水の長期的な国際モニタリング(監視)体制の構築を改めて主張した。 会談は昨年11月に韓国・釜山で実施して以来。両氏は「戦略的互恵関係」を推進し、外相同士の相互訪問を含め、重層的に粘り強く意思疎通を積み重ねると確認した。 上川氏は、中国による日本周辺での軍事活
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「廃炉は考えていない」と原電社長
原子力規制委員会が日本原子力発電敦賀原発2号機の審査会合で、原発の新規制基準に適合しないと結論付けたことを受け、原電の村松衛社長は26日、福井県美浜町で記者団の取材に応じ「追加調査を行う。廃炉は考えていない」と話した。
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敦賀原発2号機、新基準に不適合 規制委、活断層問題で結論
原子力規制委員会は26日、日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県)の審査会合を開き、原子炉直下に活断層があることを否定できず、原発の新規制基準に適合しないと結論付けた。今後の取り扱いは規制委で検討するが再稼働は困難で、初の審査不合格となる可能性がある。原電は追加調査した上で審査継続を求めたが、廃炉も想定される。 原発の新規制基準では活断層の上に重要施設の設置を禁じている。 審査では(1)原子炉の北約300メートルにある「K断層」が活断層かどうか(活動性)(2)原子炉直下を通る「D―1断層」がK断層と一体で動くかどう
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敦賀原発2号機「新規制基準適合せず」
原子力規制委員会は26日、日本原子力発電敦賀原発2号機の審査会合で、原子炉直下に活断層があることを否定できず、原発の新規制基準に適合しないと結論付けた。
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日中外相、処理水問題の協議加速で一致
【ビエンチャン共同】日中両外相は26日の会談で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、問題解決へ協議プロセスを加速させる考えで一致した。上川陽子外相は日本産食品輸入規制の即時撤廃を求めた。日本外務省が発表した。
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処理水「可能な限り早期解決」と中国外相
【ビエンチャン共同】中国の王毅外相は26日、ラオスでの上川陽子外相との会談後、記者団の取材に応じ、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に関し「可能な限り早期に解決方法を見つける必要がある」との認識を表明した。
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上川氏、中国外相と会談 「戦略的互恵」推進確認へ
【ビエンチャン共同】上川陽子外相は26日(日本時間同日午後)、ラオスの首都ビエンチャンで中国の王毅外相と会談した。日本外務省が同日、発表した。両外相は建設的で安定した日中関係の構築に向け「戦略的互恵関係」の推進を改めて確認する見通し。両外相の会談は昨年11月に韓国・釜山で実施して以来。 上川氏は東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡る日本政府の立場を伝え、中国による日本産水産物の輸入停止措置の撤廃を求める方針。日中外相の相互訪問も議題となるもようだ。 このほか中国当局に拘束されている邦人の早期解放を要求する構え。中国が沖縄県・
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敦賀原発2号機の審査会合始まる
原子力規制委員会は26日、福井県敦賀市にある日本原子力発電敦賀原発2号機の原子炉直下に活断層があるかどうかについて議論する審査会合を始めた。
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北朝鮮によるサイバー攻撃警告 米英韓の情報機関、各国の脅威
【ワシントン共同】米連邦捜査局(FBI)と英国や韓国の情報機関は25日、北朝鮮が核・ミサイル開発を推進するため、防衛や宇宙、原子力の分野の事業体を標的にサイバー攻撃を仕掛け、情報や知的財産を入手しようとしていると共同文書で警告した。日本を含む世界各国の「脅威であり続けている」と強調した。 北朝鮮の情報機関、偵察総局傘下のハッカー集団が小型衛星やミサイル防衛システム、ウラン濃縮などに関する情報の入手を狙ったとし、警戒を呼びかけた。 司法省は25日、中西部カンザス州の大陪審が航空宇宙局(NASA)や米軍基地のシステムに侵入して大量の
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原発の危険性、運転差し止め命じた元裁判長ら語る 浜松でシンポ
原発の危険性や再稼働について考えるシンポジウム「浜岡原発を問う!」(脱原発自然エネルギー推進静岡・議員の会など主催)がこのほど、浜松市中央区の市地域情報センターで開かれた。ともに原発の運転差し止めを命じる判決を出したことがある元福井地裁裁判長の樋口英明さん、元金沢地裁裁判長の井戸謙一さんらが講演した。 樋口さんは2014年、「原発事故は甚大な被害をもたらす一方、耐震性は極めて低い」として、関西電力大飯原発(福井県)の運転を差し止める判決を導いた。国防の観点からも意見を述べ、「原発が他国に占拠されれば、自国に向けられた核兵器と同じ」と強調した。 06年に北陸電力志賀原発(石川県)の運転差し
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敦賀原発2号機審査結論へ 規制委が断層判断、初の不合格か
原子力規制委員会は26日、日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県)の審査会合を開く。最大の焦点である、原子炉直下に活断層があるかどうかについて、結論を出す見通し。活断層があると判断されれば、原発の新規制基準に適合できず、初の不合格となる。 東京電力福島第1原発事故の教訓を取り入れた新規制基準では、活断層の上に原子炉など安全上重要な施設の設置を禁じており、廃炉を迫られる可能性も出てくる。 審査では、これまでに原子炉の北約300メートルにある「K断層」の活動性が否定できないと指摘。K断層が原子炉直下の「D―1断層」と一
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被爆80年に合わせて芸術活動 写真家の新井卓氏らが企画
被爆80年となる来夏に向け、国内外で活躍する写真家の新井卓氏や映画監督の竹田信平氏らが25日、オンラインで会見し、原爆や核をテーマとした展覧会やシンポジウムなど多様な芸術活動を複数のアーティストが広島や長崎、ドイツなどで展開すると発表した。 プロジェクト名は「爆心へ/To Hypocenter」。メンバーは現在4人だが、増やす予定。 バーチャル空間で被爆関連のモニュメントを鑑賞できるようにするなどデジタル技術も活用。若年層など関心の薄い層への浸透を図るとしている。 会見で、写真家の登竜門とされる木
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玄海原発の基準津波を見直し 九州電力、政府評価を反映
九州電力は25日、玄海原発(佐賀県玄海町)で、津波対策の目安となる基準津波を見直すと発表した。政府の地震調査研究推進本部が2022年に公表した海域活断層の長期評価を踏まえ、現在の約0・7メートルから約1・3メートルに引き上げる。 九電によると、玄海原発は敷地の高さが約11メートルあることなどから、安全性に影響はなく、追加工事は発生しないという。同日、原子力規制委員会に変更許可を申請した。 九電はこれまで、原発の西側にある二つの活断層群が連動して動く可能性を考慮し、基準津波を策定していた。ただ地震本部が示した長期評価は九電とは異な
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デブリ採取装置の設置完了
東京電力は25日、福島第1原発2号機で、デブリと呼ばれる溶融核燃料を試験的に採取する伸縮パイプ式装置を、原子炉格納容器に接続する作業を完了したと発表した。早ければ月内に原子力規制委員会の検査を受ける。
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日中外相26日にもラオスで会談 水産物輸入停止の撤廃求める方針
日中両政府は上川陽子外相(衆院静岡1区)と中国の王毅外相が26日にもラオスで会談する方向で調整に入った。両氏は同国で開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会合に出席する。会談が実現すれば、昨年11月に韓国・釜山での日中韓外相会談に合わせて実施して以来となる。関係者が25日、明らかにした。上川氏は同日、ラオスの首都ビエンチャンへ向けて出発した。 上川氏は王氏との会談で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けた日本産水産物の輸入停止措置撤廃や、拘束された邦人の早期解放を求める方針。中国が沖縄県・尖閣諸島付近の日本の排他的経済水域(EEZ)に設置したブイの撤去も要求するとみられる
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風評抑制できていると坂本農相 原発処理水放出から11カ月
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出開始から11カ月が過ぎた25日、坂本哲志農相は福島県いわき市で県漁業協同組合連合会の野崎哲会長らと会談し、風評被害を抑制できているとの見方を示した。 一方で日本産水産物の輸入停止措置を続ける中国などを念頭に「科学的な根拠に基づかない輸入規制に対し、安全性を強調してきた。規制国をはじめ多くの国々に訴えていきたい」と述べた。 東電は昨年8月24日以降、計7回の海洋放出を実施。野崎会長は「1回ごとに緊張感を必要とする」と述べ、トラブルがないよう国も尽力してほしいと訴えた。
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【非核の現在地】やめない、核廃絶の日まで 長崎座り込み、500回に 平和願い開始から45年
長崎の被爆者らが平和公園の平和祈念像前で毎月9日に座り込み、核兵器廃絶や戦争反対を訴える集会が500回を超えた。1979年の開始から45年たった今もなお、核は存在するばかりか使用の脅威が高まっている。「なくなるまでやめない」。憤りを示しながら、平和への思いを込め座り込みを続ける。 「大勢のけが人がぞろぞろと歩き、祖母に言わせると、幽霊の行列のようだった。核をなくさなければ人類は滅んでしまう」。500回目となった今年6月9日。日曜日と重なり、被爆者や労働組合員、高校生ら普段の約4倍となる参加者約420人に向けて、長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会の川野浩一議
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原爆惨状伝え、各国若者らと交流 長崎ユース代表団がイベント
【ジュネーブ共同】核問題を学ぶ学生でつくる「ナガサキ・ユース代表団」は24日、核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会が開かれているスイス・ジュネーブで、原爆投下後の写真を展示し惨状を伝えるイベントを開き、各国の若者らと交流した。 冒頭、非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のメリッサ・パーク事務局長が「核兵器禁止条約や若者らの力で核を廃絶する。歩みは止められない」と呼びかけた。 会場は長崎原爆投下の時刻で止まった時計や、黒焦げになった少年の写真などを展示。訪れた米国の大学生ボビー・バーヘイさ
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原発の新増設費、電気代上乗せ 電力会社支援案が浮上、反発必至
原発の新増設の建設費を電気料金に上乗せできるようにする支援制度案が政府内で浮上していることが24日分かった。東京電力福島第1原発事故を踏まえた安全対策などで巨額となる電力会社の投資の回収見通しを立てやすくし、建設を後押しする狙いがある。経済産業省は具体的な制度設計の検討に入るが、国民負担の増大に反発は必至だ。 政府が参考にするのは英国の支援策「RABモデル」。国が認可した原発の建設が始まった時点で建設費や維持費などを電気事業者の小売会社が負担し、電気料金に組み込んで回収する仕組みだ。建設費が当初計画より増えた場合でも必要経費と認められれば、料金に転嫁できるという。 政府が2024年度内を
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浜岡原発の敷地内断層調査現場見学 中部電力、7市町連絡会
中部電力と浜岡原発から半径31キロ圏(UPZ)の5市2町で構成する情勢連絡会は24日、定期の情報交換会を御前崎市佐倉の浜岡原子力館で開いた。再稼働に向けた原子力規制委員会の審査で重要課題になっている「敷地内断層の活動性評価」に係る調査現場も見学した。 各市町の担当者が原発敷地の北側約700メートル付近で掘られたトレンチ(溝)「BF1」の内部に入り、中電社員から地層の解説や調査の進み具合について説明を受けた。新規制基準では、将来的に地震を引き起こす可能性のある「活断層」の上に原子炉施設などを設置することを禁じている。中電は原発敷地内とBF1を通る断層が同じ系統であることから、BF1に古い地層
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核抑止なしの安全保障議論 広島県がイベント、NPT
【ジュネーブ共同】2026年核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会が開かれているスイス・ジュネーブで、広島県などは24日、核抑止に頼らない安全保障をテーマにしたサイドイベントを開いた。世界で緊張が高まる中、核兵器への依存をどう減らすか、各国の専門家と共に議論した。 広島県の湯崎英彦知事はあいさつで「核を廃絶しても、自然と平和な世界がつくられるわけではない。安全保障上の懸念や課題に対応するシステムが必要だ」と述べた。 ストックホルム国際平和研究所のティティ・エラスト上級研究員は「核抑止ではなく従来の同盟国による安全保
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志賀原発、変圧器復旧に2年超か 能登半島地震で故障、北陸電力
北陸電力は24日、能登半島地震の影響で故障した志賀原発2号機(石川県志賀町、停止中)の変圧器について、機器一式を取り換える必要があるとして、本格復旧に2年以上かかるとの見通しを明らかにした。非常用電源確保のための対策工事は、2025年度上半期までに完了するとした。 地震で2号機の変圧器が被害を受け、計5回線ある外部電源のうち2回線が使えなくなっている。北陸電は「残りの3回線を使って受電でき、使用済み核燃料プールの冷却などに支障はない」と説明している。 北陸電によると、新たな変圧器の製造に2年程度を要する。代替となる受電設備も、ケ
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能登の復興に願い込め七夕飾り 仙台で展示、被災地へ思い
東日本大震災で行方不明になった人の帰還を願って活動する「仙台かえりびなの会」が、能登半島地震の被災地復興への思いを込めた七夕飾りを作った。仙台市の「せんだい3・11メモリアル交流館」で展示している。見学無料で、8月16日まで。 会は行方不明者に思いを寄せたひな人形や七夕飾りを制作している。今年作った青色の七夕飾りには「能登半島地震の早期復興に願いを込めて」と記した。これまでの作品と合わせ、会場には計22本が並ぶ。 会の代表松崎翠さん(77)は、自身も震災で仙台市の自宅が全壊した経験があり「能登のことは人ごとではない」と話す。能登
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核なき世界へ「共に活動を」 被爆地の若者らが交流、NPT
【ジュネーブ共同】核兵器廃絶を目指す国内外の都市でつくる非政府組織「平和首長会議」は23日、スイス・ジュネーブでの核拡散防止条約(NPT)再検討会議第2回準備委員会でサイドイベントを開いた。広島や長崎の若者らが「被爆者の証言を直接聞ける最後の世代。共に活動しよう」と、各国の若者と核廃絶や平和に向けた取り組みを語り合った。 広島市立舟入高3年の岡田蓮さん(17)と森田嶺さん(18)は「すぐに世界は変わらないが、少しずつ良くできる。傍観ではなく行動が大切だ」と話した。「ナガサキ・ユース代表団」で活動する長崎大大学院2年の河辺桜さん(25)と長崎大2年の福浦知葉さん
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コラム窓辺 3・11(内田美紀子/女性活躍推進「るるキャリア」創業者)
能登半島地震から半年たちましたが、復興までに時間がかかっている状況に胸が痛みます。思い出すのが2011年3月11日。就職支援財団の事務局長として静岡駅近くのビル14階で一人で仕事をしていました。振り子のように大きくビルが揺れパニックに。非常階段で避難し、守衛室で東日本大震災が起きたことを知りました。 友人が福島第1原発で働いていたため、テレビで繰り返し流れる津波と黒煙の映像を見るのが怖かった日々。何か役に立てることがないかと思い、気仙沼へボランティアに行きました。 私の係は、体育館での支援物資の配給と、がれきの撤去作業で見つかった大量の写真を洗浄・修復した後のデータ化。写真に写る手掛かり
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敦賀原発活断層、26日結論へ 規制委 初の審査不合格可能性
原子力規制委員会は23日、日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県)の審査会合を26日に開くと発表した。規制委の審査チームは原子炉直下に活断層がある可能性を指摘しており、結論を出す方針。これまで原電は指摘を覆す証拠を示せておらず、活断層があると判断される公算が大きい。その場合は新規制基準に適合できず、初の不合格となる。 原発の新規制基準では活断層の上に原子炉など安全上重要な施設の設置を禁じており、廃炉になる可能性も出てくる。 審査では①原子炉の北約300メートルにある「K断層」が活断層かどうか(活動性)②原子炉直下を通る「D-1断層」がK断層と一体で動くかどうか(連続性)-が
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日中対話の重要性 森山、王毅氏 一致
【北京共同】自民党の森山裕総務会長は23日、訪問先の中国・北京の釣魚台迎賓館で王毅外相と会談し、日中関係の改善に向け、対話の重要性で一致した。森山氏は、日中首脳が昨年11月に確認した「戦略的互恵関係」の具体化が不可欠だとの認識を伝えた。王氏は日中の交流強化の必要性に言及した。会談で森山氏は「諸懸案について確かな進展を示し、協力分野では具体的成果を上げることが重要だ」と強調。日本産牛肉の対中輸出再開を求めた。 王氏は、日中間の懸案である東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡る問題解決に向けた協力を要請。経済分野での連携を呼びかけた。日本の国会議員による相次ぐ台湾訪問に懸念を伝達した。中国外務
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核廃絶へ「確実な進展を」 広島・長崎両市長が演説
【ジュネーブ共同】2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向け、スイス・ジュネーブで開かれている第2回準備委員会で23日、被爆地を代表し、広島市の松井一実市長と長崎市の鈴木史朗市長が演説した。両市長は核兵器への依存や核軍拡競争の加速に危機感を示し「核軍縮・不拡散措置の確実な進展を」と、各国へ誠実な取り組みを求めた。 両市長らは「NGOセッション」で、加盟国の政府関係者に向けて演説。最初に登壇した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の児玉三智子事務局次長(86)は、7歳の時に広島で被爆し、いとこ2人を失った。差別や偏見を受け「原爆は人として死ぬことも、人
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「核廃絶へリーダーシップ期待」 広島市長ら、国連・中満氏と面会
【ジュネーブ共同】2026年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けた第2回準備委員会に参加した広島市の松井一実市長は23日、開催地のスイス・ジュネーブで国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長と面会し「引き続き国連が核兵器のない世界の実現に向け、リーダーシップを発揮するよう期待している」と話した。 長崎市の鈴木史朗市長と、外務省の「ユース非核特使」の委嘱を受け広島から派遣された高校生8人も参加した。盈進高(広島県福山市)2年の大下真緒さん(17)と原田栞里さん(16)は「原爆投下から79年となる今もなお、核の脅威に苦しむ人がいる。この現実に目を向け、若者が被爆
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搬出先、次期エネ基で具体化 中間貯蔵の使用済み核燃料
斎藤健経済産業相は23日、宮下宗一郎青森県知事と経産省で面会し、今夏にも原発の使用済み核燃料が初めて搬入される計画の中間貯蔵施設(青森県むつ市)からの燃料の搬出先について、同県六ケ所村に建設中の再処理工場を念頭に、次期エネルギー基本計画で具体化を図る考えを示した。 中間貯蔵施設は原発から搬出した使用済み燃料を再処理するまで一時保管する施設。青森県、むつ市と燃料を搬出する東京電力、日本原子力発電は施設の立地に当たり、貯蔵期間を最長50年とする協定を締結している。ただ、貯蔵終了後の搬出先は明確になっておらず、地元からは懸念の声が出ている。
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生きづらい人の「居場所」開設 震災遺族、岩手・陸前高田に
東日本大震災で、妻とひきこもりだった次男を亡くした岩手県陸前高田市の佐々木善仁さん(74)が、生きづらさを抱える人のための居場所となる建物「虹っ子の家」を同市につくり、23日に開所式を行った。亡き家族への思いを胸に、心のよりどころになる場を目指す。 次男仁也さん=当時(28)=は中学時代に不登校になり、家にひきこもるようになった。津波が迫っても、家から出ようとしなかった。妻みき子さん=同(57)=は次男を支えながら、親の会を立ち上げ、活動していた。 当事者の親が悩みを共有する場はできても、当事者が思いをぶつける場はない―。佐々木
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敦賀原発活断層、26日結論へ 原子力規制委、初不合格の可能性
原子力規制委員会は23日、日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県)の審査会合を26日に開くと発表した。規制委の審査チームは原子炉直下に活断層がある可能性を指摘しており、結論を出す方針。活断層があると判断されれば新規制基準に適合できず、初の不合格となる。 原発の新規制基準では活断層の上に原子炉など安全上重要な施設の設置を禁じており、廃炉になる可能性も出てくる。 審査では(1)原子炉の北約300メートルにある「K断層」が活断層かどうか(活動性)(2)原子炉直下を通る「D―1断層」がK断層と一体で動くかどうか(連続性)―
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福島・双葉町、成人式典中止に 参加者減、長期避難が影響
東京電力福島第1原発事故による全町避難が11年5カ月続いた福島県双葉町は、例年1月に開く「はたちを祝う会」(旧成人式)を来年は実施しないと決めた。長期避難により町外で暮らす若者が多く、参加者数が減ったため。代わりに18~20歳に町を巡ってもらうツアーを開催する。町が23日、取材に明らかにした。 町によると、近年は対象者が居住地主催の式に出席し、日程が重なる双葉町主催の式に出ない傾向が強いという。郡山市などで場所を借りて開いていた10年ほど前は参加率8割を超えていたが、町内開催の今年は53人中9人しか出なかった。 新たな企画として
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【ロの核威嚇】止まらぬエスカレーション 核保有国の侵略に米欧慎重対抗
ウクライナ侵略を続けるロシアのプーチン大統領が、ウクライナを支援する米欧に対し「核の威嚇」を強めている。侵略当初から「核兵器使用」をちらつかせてけん制してきたが、米欧は慎重にウクライナへの軍事支援を増強して対抗。ロシアは威嚇を言葉から実際の行動に移してエスカレーション(緊張の高まり)をあおっている。 ウクライナ戦争は、核保有国が核使用の威嚇を前面に出して他国を侵略した史上初のケースだ。ロシアの「核抑止力」が戦争にどう影響しているのか検証した。 ▽核抑止の効果
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「戦略的互恵関係」の具体化要請 自民森山氏、中国外相と会談
【北京共同】自民党の森山裕総務会長は23日、訪問先の中国・北京の釣魚台迎賓館で王毅外相と会談し、日中首脳が昨年11月に確認した「戦略的互恵関係」の具体化が不可欠だとの認識を伝えた。王氏は日中の交流強化の必要性に言及した。 森山氏は「諸案件について確かな進展を示し、協力分野では具体的成果を出すことが重要だ」と強調した。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けた中国による日本産水産物の輸入停止措置の即時撤廃や、日本産牛肉の対中輸出再開を求めたい考えだ。 森山氏は22日に中国共産党の対外交流部門、中央対外連絡部の劉建超部長と会談。自
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米中外相、ラオスで会談へ ブリンケン氏6カ国歴訪
【ワシントン共同】ブリンケン米国務長官は24日~8月3日の日程で日本など6カ国を歴訪する。ラオスで中国の王毅外相と会談し、日本では28日、オースティン国防長官と共に外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)に参加する。クリテンブリンク国務次官補(東アジア・太平洋担当)が22日、明らかにした。 バイデン大統領が11月の大統領選から撤退した直後の外遊となる。クリテンブリンク氏によると、ブリンケン氏は同盟国に対し、米国のインド太平洋地域への関与は将来にわたって変わらないとのメッセージを伝える。 日本では28日、米国が核兵
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日中外務次官が戦略対話 4年半ぶり、山積課題協議
日中両政府は22日、外務次官による「戦略対話」を東京都内で開いた。2020年1月以来約4年半ぶりの開催で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出や中国での邦人拘束といった日中間に山積する課題に加え、ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮の核・ミサイル開発といった地域情勢も協議したとみられる。 日本から岡野正敬氏、中国から馬朝旭氏が出席。関係者によると、両氏は夕食も共にしながら、意見を交わした。日本外務省幹部は「両国間で時間をかけて、率直に意見交換する意義は大きい」と意思疎通の重要性を強調した。 日本政府は今週末、ラオスでの東南アジア諸国連
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日米、核抑止で閣僚会合初開催 28日、2プラス2も
政府は22日、日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)と、米国が核兵器と通常戦力で日本防衛に関与する「拡大抑止」に関する初の閣僚会合を28日に日本で開くと発表した。これに合わせて韓国から申源シク国防相が来日し、日米韓防衛相会談などを開催することも明らかにした。 日米2プラス2は2023年1月に米ワシントンで開いて以来。自衛隊と在日米軍の指揮・統制枠組みの見直しや、「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた日米同盟の抑止力・対処力向上へ連携を確認する。 2プラス2に関しては、4月に岸田文雄首相とバイデン米大統
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柏崎刈羽の再稼働、経済的恩恵を 自民新潟、経産相に要望
東京電力が再稼働を目指す柏崎刈羽原発(新潟県)について、自民党新潟県連幹部は22日、斎藤健経済産業相と面会し、再稼働によって県が企業誘致など経済的恩恵を受けられる取り組みの実施を求めた。 同省で面会した県連幹事長の岩村良一県議は、柏崎刈羽原発が首都圏に電力を供給している一方で「本県だけがリスクを背負っているという県民感情がある」と強調。企業などの誘致が進む仕組みを要望した。斎藤氏は、原発事故時の避難道路の充実などを内閣府と連携しながら取り組むと応じた。また「柏崎刈羽原発の再稼働は極めて重要な課題だ」と改めて理解を求めた。 斎藤氏
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長崎の被爆樹木を定期点検 山王神社のクスノキも
長崎市出身の歌手で俳優の福山雅治さんが曲のテーマにしたことで脚光を浴びた山王神社(同市)の巨樹「被爆クスノキ」など市内にある被爆樹木約50本の定期点検が22日、始まった。月内に完了する見込み。 被爆クスノキは高さ20メートル前後の2本の木で樹齢約500~600年。爆心地から約800メートルの境内入り口に立つ。熱線で黒こげになっても生き抜く姿が復興のシンボルとなった。樹木医の久保田健一さん(57)らは木の周囲を計測したり、木づちで木をたたいたりして樹勢を確認した。 2本の状況は良好で、久保田さんは「できるだけ長く、現状を維持できる
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福島、仮設住宅提供終了へ 第1原発立地2町、26年3月末
福島県は22日、重大事故を起こした東京電力福島第1原発が立地する同県大熊町、双葉町からの避難者を対象とした仮設住宅の提供を2026年3月末で終了すると決めた。災害公営住宅が完成するなど、生活環境が一定程度整う見通しとなったことが理由。福島県内からの避難者に対する仮設住宅の提供は全て終了することになる。 県によると、大熊、双葉両町からの避難者向けに今年4月1日時点で計593戸を提供し、966人が暮らす。福島県郡山市にあるプレハブ仮設の3戸4人のほか、民間住宅を借り上げたみなし仮設が福島県を含む26都府県にある。 入居者には今後の住
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福島県、原発事故避難者向け仮設住宅終了へ
福島県は22日、重大事故を起こした東京電力福島第1原発が立地する同県大熊町、双葉町からの避難者を対象とした仮設住宅の提供を2026年3月末で終了すると決めた。県内からの避難者に対する仮設住宅の提供が全て終了する。
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原爆被害、東京で伝える 有志運営の八王子の資料館
東京都八王子市にある「八王子平和・原爆資料館」が原爆の恐ろしさを訴え続けている。市役所近くのビルの一室にあり、被爆した瓦、熱線で溶けたガラス、被爆者の写真パネル、関連書籍などが並ぶ。有志が運営しており、共同代表の杉山耕太郎さん(74)は「広島や長崎に行かなくても原爆について学ぶことができる。多くの人に来てほしい」と話している。 資料館は地元の被爆者団体などが中心となり、1997年に開設された。被爆者で元中国新聞記者の永町敏昭さん=86歳で死去=が、八王子市の自宅に集めた原爆関連本を提供したことがきっかけだ。 資料館には、広島市の
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島根2号機、地元首長と意見交換 規制委「現行基準で適切な審査」
原子力規制委員会は20日、再稼働を控える中国電力島根原発2号機(松江市)の安全対策について、地元関係者と意見交換した。1月に起きた能登半島地震に関する質問が相次ぎ、規制委の山中伸介委員長は「現在のところ、現行の基準で適切な審査ができていると確信している」と述べた。 意見交換には島根県の丸山達也知事ら原発30キロ圏内2県6市の首長が参加。2010年に多数の点検漏れが発覚したことなど、過去にトラブルが相次いだ中国電の資質を問う意見や、規制委で検討されている原子力災害時の屋内退避の運用に関する質問も出た。 意見交換前、2号機の重大事故
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核ごみ直接処分でも技術活用可能 専門家「政策転換を視野に」
日本原子力研究開発機構の幌延深地層研究センター(北海道)で開発している、原発の使用済み核燃料を再処理してできる高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分技術は、使用済み燃料を再処理せずそのまま埋める「直接処分」でも活用できることが20日、機構への取材で分かった。 同センターは国内唯一の最終処分技術の地下研究施設で、岩盤や地下水の評価や廃棄物の密閉方法を研究している。 北海道と佐賀県の計3カ所で文献調査が進む最終処分場の選定は、高レベル放射性廃棄物の処分が前提。国が使用済み燃料を全て再処理する核燃料サイクル政策を堅持しているためだ
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被爆時に思いはせ原爆ドーム描く 広島市で夏休み子ども写生大会
広島市の平和記念公園で20日、被爆した建物を描く写生大会が開かれた。夏休み中の子どもが対象で、未就学児から中学生までの約50人が参加。17歳の時に被爆した江種祐司さん(96)の講話を聴いた後、当時の様子に思いをはせながら原爆ドームなどを描いた。 江種さんは原爆ドームが被爆前、産業奨励館だった頃の情景を語り「当時の様子を想像しながら、二度とない今日の瞬間を描き残してほしい」と子どもたちに伝えた。画用紙いっぱいに水性ペンを走らせていた広島市立小4年岡村洸希さん(9)は「ドームにらせん階段などが残っているのが改めてすごいと思った」と語った。
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未曽有の事態、断たれた絆を新たに紡ぐ 望郷の民と共に【生き抜く】「原発事故被災の医師」
「病院に残る者は死を覚悟せよという意味だと思いました」。2019年4月25日午後、福島県の医師、遠藤清次(67)は東京高裁にいた。同県南相馬市小高区の住民らが原発事故で「故郷を奪われた」として、東京電力に損害賠償を求めた控訴審で証言するためだ。 「3号機の爆発の映像がテレビで流れ(南相馬市立)総合病院の院長が職員全員を集めて『どういう状況か分からないが、とんでもないことが起こっている。これから先は避難するも病院に残るも、各自の判断で決めていい』と話しました」。遠藤は己の死を覚悟した。 ▽生と死の境界線
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玄海原発で点検遅れ 非常用発電機の動作確認
九州電力は19日、玄海原発4号機(佐賀県玄海町、出力118万キロワット)で、重大事故に備えた空冷式の非常用発電機などの点検遅れがあったと発表した。本来、動作確認を実施しなければならない期間を4日間超えていた。 原発の安全性に問題はなく、周辺の環境への影響はないという。
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関電社長、原発新増設に意欲 「国の政策見極め、検討進める」
関西電力の森望社長は19日、東京都内で記者会見し、原発の新増設や建て替えに前向きな姿勢を示した。新設には20年程度かかるとされ、既存原発の老朽化も踏まえ「国の政策を見極めながら、検討を進めないといけないタイミングに来ている」と述べた。 関電は運転可能な原発7基を全て稼働させており、森氏は「原発を将来にわたり活用し続けることが重要だ」と指摘。原発建設の巨額投資に対する事業の予見性を確保するため、国が一定程度支援する枠組みが必要だとの考えも示した。
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美浜・高浜原発訴訟が結審 来年3月判決、名古屋地裁
福井県や愛知県などの住民計141人が、関西電力の美浜原発3号機(福井県美浜町)と関電高浜1、2号機(同県高浜町)の運転延長許可取り消しを国に求めた2件の訴訟が19日、名古屋地裁で結審した。剣持亮裁判長は判決期日を来年3月14日に指定した。 いずれも運転開始から40年以上経過しており、原子炉の劣化状況を審査する基準の合理性が争点となっている。住民側の代理人弁護士は口頭弁論で、基準はデータが少なく、最新の知見も反映しておらず、不合理だと主張。国側は、多くの専門家によって取りまとめられており、信頼性は極めて高いと反論した。 両訴訟の原
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気候変動、日本が島しょ国支援 中国念頭に威圧反対、島サミット
日本と太平洋の島しょ国・地域による「第10回太平洋・島サミット」は18日、首脳宣言と共同行動計画を発表し閉幕した。島しょ国が「存続に関わる唯一最大の脅威」とする気候変動問題に関し、日本の支援強化を確認。覇権主義的行動を強める中国を念頭に、首脳宣言に「武力や威圧による一方的な現状変更の試みへの反対」や、国際法に沿ったルールに基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を明記した。 日本としては中国が影響力を拡大している現状を意識し、島しょ国との協力関係を再確認した形だ。岸田文雄首相は閉幕後の共同記者発表で「地域の平和と繁栄に向けた協働を確認した」と明言。共同議長を務めたクック諸島のブラウン首相も「パ
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中部電力側 審査状況説明 浜岡原発廃炉訴訟
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)3~5号機の廃炉を求めて地域住民らが起こした訴訟の第39回口頭弁論が18日、静岡地裁浜松支部(佐藤卓裁判長)で開かれた。中電側が新規制基準適合性確認審査の進捗(しんちょく)状況などを報告した。 審査会合は4~6月に計3回実施。「基準津波(想定される最大津波高)」策定に向けた検討が進められ、敷地前面の津波高を最大25・2メートルとする中電の評価について、原子力規制委員会から「おおむね妥当」と判断されたと報告した。 中電側は11月の次回期日で、耐震設計の目安となる最大の揺れ「基準地震動」に関する書面を提出する準備を進めるとした。
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日中外相会談 検討 政府、今月下旬のASEAN合わせ
日本政府が、今月下旬にラオスで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会合に合わせ、上川陽子外相(衆院静岡1区)と王毅外相の会談を検討していることが分かった。中国側の対応を見極めた上で、調整を本格化させたい考えだ。政府関係者が18日、明らかにした。 会談が実現すれば、昨年11月以来となる。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出や邦人拘束、外相間の相互訪問などが議題となる見通しだ。 上川氏は、処理水海洋放出を受けた日本産水産物の輸入停止措置撤廃や、拘束された邦人の早期解放を求める方針。中国が沖縄県・尖閣諸島付近の日本の排他的経済水域(EEZ)に設置したブイの撤去も要求するとみられる。
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原発の処理水放出「基準に適合」 IAEA、2回目報告書
国際原子力機関(IAEA)は18日、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出開始後に派遣した調査団による検証作業の報告書を公表し、放出が「国際的な基準に適合している」との見解を示した。昨年8月の放出開始後、調査団は2回来日。IAEAは今回を含め、検証結果をそれぞれ報告書としてまとめている。 調査団はIAEA職員や放出に反発する中国を含む海外の専門家らが参加。4月23~26日に、現地視察や設備の確認などを行った。処理水放出の管理や影響評価、規制当局の関与などが国際的な安全基準に合致していることを確認したという。 経済産業省の担当者は1
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処理水放出の継続説明求めたと島しょ国側
クック諸島のブラウン首相は共同記者発表で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に関し、科学的根拠に基づく透明性のある説明を継続するよう日本側に要請したことを明らかにした。
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処理水放出、科学的根拠重視で一致と首相
岸田首相は共同記者発表で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に関し「太平洋島しょ国の安心感を高めていくと説明し、科学的根拠に基づく対応を重視することで一致した」と述べた。
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女川原発、再稼働11月に延期 東北電力、仮設倉庫の撤去遅れ
東北電力は18日、女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働が11月ごろになると発表した。9月ごろを目標としていたが、敷地内の仮設倉庫の撤去に時間がかかっており延期する。核燃料の装填の時期も7月ごろから9月ごろに変更する。 東北電によると、再稼働前に行う大規模損壊事故を想定するなどした訓練が予定した7月の実施が難しくなり、スケジュールを見直すことにした。
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島サミット、島しょ国と連携決意 戦略7分野で重点協力
日本と太平洋の島しょ国・地域による「第10回太平洋・島サミット」の首脳会合が18日、東京都内で開かれた。岸田文雄首相は「気候変動など喫緊の課題への対応は待ったなしだ」として迅速な取り組みを強調。「太平洋島しょ地域との関係をさらなる高みに引き上げ、未来に向け共に歩む決意を新たにしたい」と訴えた。オセアニア地域の協力機構「太平洋諸島フォーラム(PIF)」が「2050年戦略」で掲げた経済開発など7分野を今後3年間の重点協力分野にすると表明した。 会合終了後、協力事項を盛り込んだ首脳宣言と共同行動計画を公表する。共同議長を務める岸田首相とクック諸島のブラウン首相が共同
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女川原発2号機再稼働を11月ごろに延期
東北電力は18日、女川原発2号機の再稼働が11月ごろになると発表した。9月ごろを目標としていたが、延期する。核燃料の装填の時期も7月ごろから9月ごろへ変更する。
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シアトル盗難「サダコ像」復元へ 地元キリスト教団体が募金開始
【ロサンゼルス共同】米西部ワシントン州シアトルの公園から、広島で被爆して12歳で亡くなった佐々木禎子さんが折り鶴を掲げる姿の銅像が盗まれたことを受け、地元のキリスト教団体は16日、復元のため募金の受け付けを始めたと明らかにした。像の大切さを知ってもらうため、広島原爆の日の8月6日に折り鶴を折る行事を開き、鶴を公園に飾るという。 募金の受け付けを始めたのは、反戦を掲げるキリスト教のクエーカー教徒団体で、禎子さんの存在が「平和な世界を目指す全ての人にとって大きな意味を持つ」と強調している。盗まれた「サダコ像」は1990年、クエーカー教徒らの尽力でシアトルの「平和公園」に置かれた。 米メディア
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衛星みちびき活用し防災体制支援 首相、太平洋7カ国と会談
岸田文雄首相は17日、フィジーのランブカ首相ら太平洋島しょ国7カ国の首脳と官邸で相次ぎ会談した。ランブカ氏に対しては内閣府運用の準天頂衛星みちびきを活用し、防災体制の構築を後押しすると伝達。各首脳に対し、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に関し「今後も安心を高めていく」と説明した。 フィジーでは、地震や津波などの災害情報を日本版の衛星利用測位システム(GPS)とも呼ばれるみちびき経由で送信する実証事業を行い、将来的な導入を目指す。 岸田首相はサモアのフィアメ首相との会談で、気象衛星ひまわりのデータ提供に言及。日本がサモアで建設を支援した「太平洋気候変動センター」との連携を深める。 パ
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リニアや浜岡原発 鈴木知事に実行力期待 中経連、静岡県幹部と懇談
静岡など中部5県を活動エリアとする中部経済連合会(会長・水野明久中部電力相談役)は17日、鈴木康友知事や県幹部との懇談会を静岡市葵区で開いた。水野会長は5月の知事選で当選した鈴木知事を祝福した上で、リニア中央新幹線静岡工区の早期着工、浜岡原発再稼働に向けた議論の推進に向け「強力なリーダーシップと実行力を発揮されることを期待している」と述べた。 非公開の意見交換でもリニア新幹線が話題に上がり、中経連からは水資源や自然環境を保全しつつ、関係者とのコミュニケーションを密に事業推進に尽力するよう要望が出たという。鈴木知事は「スピード感を持って取り組む」との姿勢を強調し、事業の必要性と課題解決への意
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「核なき世界実現遠のく」と強調 政策提言文書草案で、広島
国内外の核軍縮の専門家らによる会議「ひろしまラウンドテーブル」が17日、広島市で開かれ、核兵器保有国が国際合意を実行したかどうかを検証し政策提言する文書「ひろしまウォッチ」の草案を発表した。核を巡る昨年の各国の動向を「危険な後退の年」と位置付け、「核兵器のない世界の実現はこれまで以上に遠のいた」と強調した。 草案は各国が核への依存を強めており「実際に使用される可能性を高めることを認識すべきだ」と指摘。核兵器の増加や核実験再開のリスクにも触れ「米国とロシアの真剣な軍備管理交渉の再開と、中国への拡大が極めて重要だ」などと提唱した。最終文書は調整を経て8月5日に公表
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原爆「黒い雨」、長崎も救済要望 援護巡り八者協議会、厚労省に
広島、長崎両県市の知事・市長と議会議長でつくる広島・長崎原爆被爆者援護対策促進協議会(八者協議会)は17日、原爆投下直後の「黒い雨」に遭った人に関する被爆者認定の新基準は長崎が対象外になっているとして、広島と援護の差が生じないよう救済を求める要望書を厚生労働省に提出した。 広島原爆では2022年4月に新基準運用が始まり、11種類の疾病にかかっていることを認定要件とするが、要望は、これを外すよう求めた。国の指定地域外で長崎原爆に遭い被爆者と認められていない「被爆体験者」については、医療費助成の対象となる、がんの種類追加を挙げた。
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規制委、東電と意見交換 デブリ取り出し安全確保で
原子力規制委員会は17日の定例会合で、東京電力福島第1原発で計画されている本格的な溶融核燃料(デブリ)取り出しの安全確保策について、東電と原子力損害賠償・廃炉等支援機構と意見交換することを決めた。 東電は8月にも2号機で初めてデブリの試験的採取に着手する。数グラムから徐々に量を増やした後、2030年代に3号機で本格的な取り出しを始める計画。 機構は今年3月、デブリを露出させたまま取り出す「気中」と、充填剤で固めて掘削する「充填固化」の2工法の併用が有力との報告書を取りまとめている。東電は1~2年程度かけて具体的な設計を検討する。
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核廃絶運動の次世代継承を 福島と被爆地で原水禁大会
原水爆禁止日本国民会議(原水禁)は17日、今年の世界大会を28日から8月9日にかけて福島、広島、長崎で順次開催すると発表した。核廃絶運動の次世代継承や、国際社会の核軍縮を目指すことなどを柱とする。 原水禁の谷雅志事務局長は来年被爆80年を迎えることに触れ「これまで被爆者が果たしてくれていた役割を、どう受け継いでいくか。非常に大きなテーマとなる。多くの方に学んでもらえる大会としたい」と意気込んだ。 福島県郡山市で開かれる福島大会(28日)では、原発に頼らない社会の在り方を議題とする。広島大会(8月4~6日)では、海外在住の被爆者に
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首相、太平洋7カ国首脳と会談 海洋連携強化、処理水も議題に
岸田文雄首相は17日、パラオのウィップス大統領と官邸で会談した。この日は七つの太平洋島しょ国の首脳と面会。中国の影響力拡大を踏まえ、海洋分野での連携強化を図る。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出の安全性も改めて説明し、理解を求める考えだ。 首相は会談冒頭「太平洋島しょ国との絆をさらに強固なものにし、共に進む方向性を内外に発信したい」と呼びかけた。ウィップス氏は「協力し自由で開かれたインド太平洋を確保しなければならない」と強調した。 日本と太平洋の島しょ国・地域による「第10回太平洋・島サミット」が16日に東京で開幕。首相は参加
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英は「核のイスラム国家」 バンス氏
【ロンドン共同】米共和党の副大統領候補に選ばれたバンス上院議員が、英国が労働党政権下で「核兵器を持つイスラム教国家」になったと発言し、レーナー英副首相が16日、「そのような認識はない」と反論した。バンス氏の発言の真意は不明だが、英国と米共和党との関係がぎくしゃくしかねない。 英国は今月5日、保守党から労働党に政権が移った。一部の英メディアは、労働党所属のロンドン市長でイスラム教徒のサディク・カーン氏が過去に米共和党のトランプ前大統領を「差別主義者だ」と呼んだこととの関係を指摘した。 バンス氏はワシントンで先週開かれた保守派の会合
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太平洋・島サミット開幕 処理水「安心高める」 首相 マラソン会談
日本と太平洋の島しょ国・地域による「第10回太平洋・島サミット」が16日、東京で開幕した。18日までの日程で、気候変動や海洋分野を中心に議論し、連携を図る。岸田文雄首相は来日した5人の首脳らと個別に会い「マラソン会談」を開始。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に関し「今後も安心を高めていく」と伝えた。最終日に協力事項を盛り込んだ首脳宣言と共同行動計画を発表する。影響力を拡大する中国に対抗し、各国と協力を促進したい考えだ。 島サミットにはパラオやフィジーなど、オセアニア地域の協力機構「太平洋諸島フォーラム(PIF)」加盟18カ国・地域が招待され、首脳自らの参加は14人。岸田首相とクック諸
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島サミット参加5首脳と首相会談 処理水放出「安心高めていく」
岸田文雄首相は16日、日本と太平洋の島しょ国・地域による「第10回太平洋・島サミット」開幕に合わせて来日した5人の首脳らと個別に会い「マラソン会談」を開始した。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に関し「今後も安心を高めていく」と伝えた。マラソン会談は18日まで続く予定。影響力を拡大する中国に対抗し、各国と協力を促進したい考えだ。 台湾と外交関係を維持しているツバルのテオ首相との会談では「日本と島しょ国との絆をさらに強固にし、共に進む方向性を内外に発信したい」と強調。サイバー攻撃対策強化に向けた機材の供与を伝達した。 バヌアツの
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プルトニウム、44・5トン保有 23年末、日本の国内外総量
内閣府は16日、日本が2023年末時点で国内外に保有するプルトニウムの総量が前年から約0・6トン減少し、約44・5トン(うち核分裂性は約29・4トン)だったと国の原子力委員会に報告した。関西電力高浜原発3号機(福井県)で、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料をプルサーマル発電で消費したため。減少は3年連続。 国内保有は約8・6トン、海外保有は約35・8トンで、うち英国に約21・7トン、フランスに約14・1トンだった。 プルトニウムは原発の使用済み核燃料の再処理で取り出される。日本は英国とフランスに再処理を委託してきた。核
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福島第1原発停電は「軽微違反」 原子力規制委が暫定評価
原子力規制委員会は16日、東京電力福島第1原発の廃炉計画を監視する会合で、今年4月に作業員が誤って電源ケーブルを損傷し停電したトラブルは、廃炉手順を定めた実施計画の「軽微な違反」に当たるとの暫定評価を公表した。このトラブルでは作業員がやけどし緊急搬送され、停電のため処理水の海洋放出が約6時間半停止した。 規制委の担当者は「一歩間違えれば命に関わる可能性があり、労働災害の観点からも重大な過失があった」と東電を非難。一方で原発に安全上大きな影響はなかったとした。 作業員はコンクリート舗装をはがす掘削作業中、地下の高圧ケーブルを損傷し
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核保有国は建設的議論推進を 広島市長、NPT準備委出席前に
広島市の松井一実市長は16日の定例記者会見で、今月末からスイス・ジュネーブで始まる核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会への出席を前に「分断を乗り越えて平和な世界を実現するため、核保有国を中心に建設的な議論が進むことを期待する」と語った。 松井氏は現地で中満泉国連事務次長や各国の代表と面会し、核兵器の非人道性を訴える。23日に非政府組織(NGO)セッションでスピーチする予定で「対話による外交努力で核軍縮、不拡散を確実に進展させるよう求める」とし「核抑止論に頼るのは危険だと分かってほしい」と述べた。 広島県の湯崎英彦
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太平洋・島サミットが東京で開幕 気候変動、海洋で連携強化
日本と太平洋の島しょ国・地域による「第10回太平洋・島サミット」が16日、東京で開幕した。気候変動や海洋分野を中心に議論し、連携強化を図る。岸田文雄首相は、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出の安全性も改めて説明する見込み。協力事項を盛り込んだ首脳宣言と共同行動計画を発表する。18日まで。 パラオやパプアニューギニア、ツバルなど「太平洋諸島フォーラム(PIF)」加盟の18カ国・地域の首脳らが参加する。岸田首相とクック諸島のブラウン首相が共同議長を務める。岸田首相は16日の自民党役員会で、海洋や気候変動、防災分野をテーマに議論するとした上で「絆と協力関係を一層強
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所有者不明の墓石供養、双葉町 復興祈念公園の工事で処分前に
国、福島県が整備する東日本大震災の復興祈念公園の用地になっている同県双葉町中野地区の共同墓地跡地で16日、津波に流された後、集積されていた墓石など計423点を関係者らが供養した。墓石などは所有者が不明のため17日以降処分し、一帯は多目的広場の一部として芝生が敷かれる。 県が昨年9月、墓石などの遺失物届を県警に出し、持ち主を捜してきたが見つからなかった。復興祈念公園は双葉、浪江両町にまたがり、2025年度に完成する予定。
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屋内退避の国説明に不安、新潟 柏崎刈羽原発、住民説明会
内閣府は15日、東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の住民を対象に、自然災害と原発事故が重なる複合災害時の避難方針や政府の支援体制について説明した。参加した住民からは「本当に実行できるのか」といった不安や疑問の声が上がった。 説明会は同県長岡市で実施し、県内7カ所にサテライト会場を設けたほか、自宅などからオンラインでも視聴できるようにした。県によると計120人が参加した。 内閣府の担当者は、政府の原子力災害対策指針について、事故発生時は原発から半径5キロ圏内の住民は即時退避し、長岡市を含む5~30キロ圏内の住民は自宅や避難所で屋
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色鮮やかな船団、松島巡る 宮城・塩釜みなと祭
日本三大船祭りの一つとされる「塩釜みなと祭」が15日、宮城県塩釜市で開かれた。地元神社のみこしを載せた2隻の御座船「鳳凰丸」と「龍鳳丸」が、大漁旗などを掲げた80隻の船を従えて、日本三景・松島のある湾内を巡った。港に集まった観客は、鮮やかに装飾された船団に手を振り、歓声を上げた。 船団のそばを走る観光船から見物したという塩釜市の高橋恵美さん(52)は「祭りの船と一緒に巡れたのは貴重だった。すごく鮮やかで感動した」と笑顔で話した。 塩釜みなと祭は終戦間もない1948年に港町の復興を願って始まり、今回77回目。近年は東日本大震災や新
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原爆の「サダコ像」盗難、米国 シアトルの公園、高騰の銅狙いか
【ロサンゼルス共同】米西部ワシントン州シアトルの公園で、広島で被爆して12歳で亡くなった佐々木禎子さんをモデルにした銅像がなくなっているのが見つかり、市が警察に窃盗などの被害を届け出た。足首から上がなくなっており、専門家らは高騰している銅を狙って何者かが切断したとみている。米主要メディアが14日報じた。 なくなったのは1990年にシアトルの「平和公園」に設置された「サダコと千羽鶴」。高さ約150センチで、禎子さんが折り鶴を掲げた姿を表現している。12日に盗難が判明したという。 禎子さんは2歳で原爆に遭い、白血病を発症。回復を願っ
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仙台の海水浴場14年ぶり海開き 津波時の避難場所確保
東日本大震災の津波で被災し遊泳禁止になっていた仙台市若林区荒浜の深沼海水浴場が15日、14年ぶりに海開きした。周辺のかさ上げ工事などで、津波に備えた避難場所を確保して開設にこぎ着けた。青空の下、仙台市唯一の海水浴場には、家族連れや若者が訪れ歓声を上げていた。 震災後、市は海抜10メートルの「避難の丘」を整備したが、2022年に宮城県が公表した津波浸水想定で高さ不足と判明。避難の丘をかさ上げし直しているほか、近くにある震災遺構・荒浜小を活用して計約2千人分の避難場所を確保した。 近くに住む星貴範さん(45)は息子翔太さん(9)と一
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平和研究、広島から世界に 機構、設立記念行事でシンポ
広島市や広島大などが参画し、今年1月に設立した「ヒロシマ平和研究教育機構」は14日、設立記念行事として、今後の取り組みを伝えるシンポジウムを広島市の原爆資料館で開いた。海外の若手研究者の受け入れなどを通じて、広島ならではの平和研究を世界に発信する必要性を強調した。 冒頭で広島市の松井一実市長は「学術面から核兵器廃絶、恒久平和の実現を目指す組織にしていきたい」とあいさつ。広島平和文化センターの香川剛広理事長は若手研究者が発表する機会となる国際会議の開催や、広島と海外の大学の交流を通じた人材育成の役割に期待するとした。 同機構は被爆
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中国念頭「現状変更に反対」 島サミット 東京16日開幕 首脳宣言で原案 首相 開発支援表明へ
日本と太平洋の島しょ国・地域が16~18日に東京で開く「第10回太平洋・島サミット」の首脳宣言の原案が判明した。中国の覇権主義的行動を念頭に「世界のいかなる場所であれ、力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対する」と明記した。岸田文雄首相は開発協力のため、今後3年間で600億円以上の支援を表明する方向。太平洋地域で影響力を拡大する中国をけん制し、島しょ国の引き寄せを狙う。複数の関係者が13日、明らかにした。 原案では、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に言及。国際原子力機関(IAEA)と連携し、人の健康や海洋環境に影響を及ぼさないとの日本政府の約束を歓迎しつつ、今後のサミットで常
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島サミット首脳宣言の原案が判明 中国念頭、一方的な現状変更反対
日本と太平洋の島しょ国・地域が16~18日に東京で開く「第10回太平洋・島サミット」の首脳宣言の原案が判明した。中国の覇権主義的行動を念頭に「世界のいかなる場所であれ、力や威圧による一方的な現状変更の試みに強く反対する」と明記した。岸田文雄首相は開発協力のため、今後3年間で600億円以上の支援を表明する方向。太平洋地域で影響力を拡大する中国をけん制し、島しょ国の引き寄せを狙う。複数の関係者が13日、明らかにした。 原案では、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に言及。国際原子力機関(IAEA)と連携し、人の健康や海洋環境に影響を及ぼさないとの日本政府の約束を歓
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関電が美浜、大飯も申請 原発構内に乾式貯蔵施設
関西電力は12日、福井県の原発構内に計画している使用済み核燃料を保管する乾式貯蔵施設設置に向け、美浜原発(同県美浜町)と大飯原発(同県おおい町)の原子炉設置変更許可を原子力規制委員会に申請した。高浜原発(同県高浜町)はまず使用済み燃料約240トン分を3月に申請し、審査が進んでいる。 今回申請したのは、美浜、大飯両原発構内に設置する全3カ所の施設。計画では、大飯原発構内の2カ所、美浜原発構内の1カ所に設置し、計約350トンの収容量を確保する。高浜の残る約110トン分は申請に向けて準備中としている。 関電は昨年10月、県に使用済み燃
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被爆者衣服、原爆の悲惨さ訴え ポスター、広島市に贈呈
日本グラフィックデザイン協会広島地区などは12日、核兵器廃絶や平和を訴えるポスター「ヒロシマ・アピールズ」の今年の作品を広島市に贈呈した。アートディレクターの副田高行さんが制作。「遺品が訴えるもの」と題し、ちぎれてぼろぼろになった被爆者の衣服の写真をモチーフに、原爆の悲惨さを訴える。 副田さんは贈呈後、松井一実市長に写真家石内都さんの撮影した写真をポスターにしたと説明し「被爆の怖さを象徴的に表現する力を持っていると思った」と話した。 副田さんは福岡県生まれ。サントリーや新潮社、東京ガスなどの広告制作を手がけた。
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原爆納骨名簿を掲示、広島市 死没者813人の遺族捜す
広島市は12日、平和記念公園内の原爆供養塔に安置される約7万人の遺骨のうち、氏名が判明しながら引き取り手が見つかっていない813人の遺族を捜すため、死没者の氏名や年齢を記載したポスター「原爆供養塔納骨名簿」を市役所に掲示した。 ポスターは都道府県や全国の市町村、被爆者団体など2153カ所に送っており、市のホームページにも掲載。氏名だけが書かれた死没者がほとんどだが、住所や学校名などが載っている人もいる。
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米韓、核協議の協力深化へ合意 声明採択、北朝鮮に警告
【ワシントン共同】バイデン米大統領と韓国の尹錫悦大統領は11日、ワシントンで会談し、米韓が核戦略を定期的に話し合うため昨年設立した核協議グループ(NCG)に関し、協力深化を図る共同声明を出した。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、韓国に核攻撃を加えれば「即刻、圧倒的、決定的な対応に直面する」と警告した。 韓国大統領府の金泰孝・国家安保室第1次長は、米国の「核の傘」提供を軸とした拡大抑止が、米側のみが決定する運用から「韓国の組織や人力が共に運用する拡大抑止に転換した」と述べた。 米韓は11日、拡大抑止を維持するための原則や手続き
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社説(7月12日)原発の高経年運転 論点示し議論を深めよ
原子力規制委員会が6月、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)に対し、運転開始30年を超えて40年まで稼働させるために必要な「長期施設管理計画」を認可した。2023年5月成立のGX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法に基づき、60年を超えての運転が可能になる新制度導入に伴う全国初の認可となった。25年6月の新制度施行へ、他原発でも同様の動きが続くとみられる。 現行制度下でも全国で4基が既に40年超に入るなど、国内原発の高経年運転は常態化しつつある。ただ、前提となるはずの国民理解は得られていない。政府や事業者は、特に原子炉を中心とした重要設備・機器の健全性の確保策、新型炉へのリプレ
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浜岡原発の安全性向上対策を点検 静岡県と御前崎市
静岡県と御前崎市は11日、中部電力浜岡原発(同市佐倉)の安全性向上対策を定期点検した。原子力災害が起きた際、現地の緊急事態対策本部が設けられる建物「緊急時対策所」での火災防護の取り組みを確認した。 新規制基準では、緊急時対策所に2種類以上の火災感知設備の備え付けを求めていて、中電は2018年までに煙と熱の感知器を計約220個設置した。緊急時対策所には外部と遠隔会議を行うための通信モニターなどがあり、火災の早期感知と重要設備の損傷を防ぐ必要がある。中電によると、電源供給が絶たれた場合は蓄電池に自動的に切り替わるという。 県と同市の職員は中電社員の説明を受け、図面と天井を見ながら感知器の設置
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政府、気候変動対策で協力表明へ 16~18日、東京で島サミット
政府は11日、東京で16~18日に開く日本と太平洋の島しょ国・地域による「第10回太平洋・島サミット」の概要を発表した。岸田文雄首相は気候変動対策や海洋分野で連携を表明する。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出の安全性を改めて説明し、理解を得たい考え。協力事項をまとめた首脳宣言と共同行動計画を発表する見込みだ。 サミットには「太平洋諸島フォーラム(PIF)」に加盟する18カ国・地域の首脳らを招待。島しょ国は、アジアやオーストラリアをつなぐ重要な地域に位置する。近年中国が関与を強めており、日本にはサミットを通じて各国との関係を強化する狙いがある。
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原発の地盤隆起対応「問題なし」 規制庁、海水のくみ上げで
原子力規制庁は11日、全国の7原発で想定を超える地盤隆起が起きた際の対応について「実効性を確認した。全体を通して問題はなかった」と評価した。各電力会社が実施した訓練を通じ、原子炉や使用済み核燃料の冷却に必要な海水のくみ上げに支障はないと判断した。今年1月の能登半島地震で大規模な地盤隆起が発生しており、各社に対応を求めていた。 原発ではポンプで海水をくみ上げている。原子力規制委員会が策定した新規制基準では、地震で地盤変動が起きても海から取水できるように求めている。 訓練は規制庁職員が立ち会い、関西電力大飯原発(福井県)など再稼働済
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東電、また未許可スマホ持ち込み 新潟・柏崎刈羽原発の区域に
東京電力は11日、柏崎刈羽原発(新潟県)の重要施設の周辺にある「周辺防護区域」に、東電社員と協力企業作業員が3月、許可なくスマートフォンを持ち込んだと発表した。原子炉建屋など重要施設がある「防護区域」に入る際の点検で見つかった。昨年も同様の事案が複数件あり、再発防止策を講じたが、またも不適切事案が発覚した。 東電によると、協力企業作業員は3月19日、東電社員は同22日に持ち込んだ。いずれも、かばんの中に入れていることを失念していた。警備員が周辺防護区域に入る前に点検したが見落とした。 スマホを含むカメラはテロ対策のため持ち込みを
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イラン外相に知日派起用へ 核交渉経験のアラグチ氏
【テヘラン共同】イランのペゼシュキアン次期大統領は、新政権の外相に知日派の元駐日大使、アラグチ氏を起用する方針を固めた。周辺が11日、共同通信に明らかにした。ペゼシュキアン氏は米国の制裁で疲弊する経済の回復に向け、欧米との対立を深めたライシ政権の保守強硬路線を転換し、イラン核合意の再建を目指している。 欧米との核協議で交渉団を率いた経験があるアラグチ氏の起用で、停滞している核合意再建交渉を立て直したい考えだ。最高指導者ハメネイ師の事務所は10日、ペゼシュキアン氏が28日に大統領に就任すると発表した。 アラグチ氏は2008~11年
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被災地狙い詐欺未遂疑い、福島 屋根修理とうそか
東日本大震災や東京電力福島第1原発事故で被災した福島県沿岸部の住宅を狙い、屋根の修理代名目に現金をだまし取ろうとしたとして、県警は11日、詐欺未遂の疑いで埼玉県新座市野火止、会社役員田島拓巳容疑者(23)を逮捕した。県警によると、容疑を否認している。 県警は、容疑者が交流サイト(SNS)などでつながり活動する匿名・流動型犯罪グループ(匿流)のリーダー格とみている。同様の手口に関する被害申告や相談が計約50件あり関連を調べる。 逮捕容疑は5月下旬、何者かと共謀し福島県南相馬市原町区の40代男性宅を訪れ「中の木が腐っている」などとう
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韓国、NATO新加盟2国と会談 対ロシア北朝鮮で認識共有
【ワシントン共同】韓国の尹錫悦大統領は10日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議のため訪れたワシントンで、ロシアのウクライナ侵攻を受けNATOに加盟したフィンランドのストゥブ大統領、スウェーデンのクリステション首相とそれぞれ会談した。韓国大統領府によると、ロシアと北朝鮮の軍事協力は朝鮮半島と欧州の安全保障に深刻な脅威になるとの認識を共有した。 北朝鮮核問題に共同対処することでも一致し、防衛産業などでの連携を確認した。 韓国はロ朝が有事の軍事援助を規定した包括的戦略パートナーシップ条約に反発し、尹氏は9日「無謀な勢力」と非難。韓
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ウクライナ加盟実現へ決意 NATO「不可逆的な道」
【ワシントン共同】米欧の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)は10日、ワシントンでの首脳会議で宣言を発表し、ロシアの侵攻を受けるウクライナが加盟への「不可逆的な道」を歩むことを支援すると明記、加盟実現に向けた決意を示した。巨額支援の継続も表明。中国について、ロシアの侵攻に対する「決定的な支援者だ」と批判した。インド太平洋地域は米欧の安全保障に影響するとし、日本や韓国との協力強化を盛り込んだ。 NATOのストルテンベルグ事務総長は「不可逆的」との文言について「加盟実現のために協力するという強いメッセージだ」と語った。ただ首脳宣言は、加盟の具体的な道筋について「
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【東日本大震災13年】心の乱れも語る覚悟 津波生還の元消防署員 宮城・気仙沼伝承館長に
生き残った後ろめたさをまだ整理できない。それでも13年を経て、あの日のことを語ると決めた。東日本大震災当時、宮城県南三陸消防署員だった及川淳之助さん(69)が今春、同県気仙沼市の東日本大震災遺構・伝承館長に就任した。津波に流される直前まで一緒にいた3人を含め、同僚10人の命を奪った波の威力、自分だけ助かった負い目…。心の乱れもそのままに伝えていく。 2011年3月11日は非番だった。経験したことのない大きな揺れが収まった後、自宅から消防署へ急いだ。「今、波が水門を越えた」。指令室で情報を集めていると、約1キロ離れた南三陸町の防災対策庁舎から無線連絡が入った。そ
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「再稼働容認」2年連続優勢 浜岡原発近隣3市調査 慎重派増、能登地震影響か
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の再稼働の是非などを尋ねる市民意識調査で、掛川と菊川、牧之原の近隣3市の結果が10日、出そろった。全3市で「安全が確認できれば稼働した方がよい」と再稼働を容認する回答が「廃炉・停止」を上回った。3市とも容認が優勢になるのは2年連続。停止継続を求める慎重意見は各市で増加し、容認派との差が縮小した。1月の能登半島地震の発生に伴う不安の高まりが影響したとみられる。 掛川市が同日公表した調査結果は、容認が前年度と同水準の41・3%、廃炉・停止は前年度比0・7ポイント上昇の33・3%。10~30代の過半が再稼働を支持した。「どちらとも言えない」は前年度比2・1ポイント
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浜岡原発放射能 環境へ影響なし 静岡で協議会確認
静岡県と浜岡原発の地元4市(御前崎、牧之原、掛川、菊川)、中部電力などでつくる県原子力発電所環境安全協議会は10日、本会議を静岡市葵区で開き、2023年度の環境放射能調査結果について、浜岡原発からの環境への影響は認められなかったとする報告を確認した。平常時の変動幅の上限を超える測定結果が複数あったが、発電所内に異常がなかったとして浜岡原発の影響ではないと評価した。 調査結果によると、空間放射線量では御前崎市、掛川市、菊川市の3地点で平常の変動幅の上限を上回る時があった。測定地近隣の工場で行われたエックス線検査や降雨の影響とみられる。陸上や海で採取した試料では53地点のうち8地点で放射性物質
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震災語り部6割が支援「不十分」 資金難と人材不足、伝承の壁に
東日本大震災の教訓を伝える岩手、宮城、福島3県の語り部団体のうち約6割が、国や自治体からの公的な資金支援が「不十分」と考えていることが10日、民間団体の調査で分かった。また、3年後に語り部を確保できる見通しが立たないと答えた団体も半数に上った。資金難と人材不足が震災伝承の大きな壁になりかねず、具体的な対策が求められそうだ。 調査は宮城県石巻市の公益社団法人「3・11メモリアルネットワーク」が今年6月、3県の26団体を対象に実施した。 公的な資金支援について、10団体が「不十分」、6団体が「どちらかというと不十分」と回答。「どちら
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世界の宗教家、AI平和利用訴え 広島の会合で文書採択
人工知能(AI)を利用する際の倫理の問題について世界各地の宗教指導者らが議論する2日目の会合が10日、広島市で開かれ「AIが人類のためにのみ使用され、生命を破壊し傷つけるために使用されることがないよう、世界が誓約することを要請する」とする文書を採択した。 文書は1945年に、当時の最先端技術である原爆が広島に投下され、大きな悲劇をもたらしたとしつつ、現代の戦争ではAI技術が無人機などの自律型致死兵器システムに利用されていると指摘。「国際社会は、一刻も早くこの危険な事態に必要な措置を講ずるべきだ」と訴えた。 16歳で学徒動員先の工
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14日に浜岡原発講演会 浜松市中央区
脱原発自然エネルギー推進静岡・議員の会(三上元代表)などは14日、浜松市中央区の市地域情報センターで、講演会「浜岡原発を問う!」を開く。 過去に原発の運転や再稼働の差し止めを命じる判決を出した元金沢地裁裁判長の井戸謙一さんと元福井地裁裁判長の樋口英明さんのほか、市民活動家の北野進さん、京都大複合原子力科学研究所研究員の今中哲二さんが講師を務める。樋口さんを題材にした映画「原発をとめた裁判長」のダイジェスト版を上映し、4人への質問も受け付ける。 参加費は千円。定員150人。問い合わせ、申し込みはメールで三上代表<w9m7k5m3h1j0i39y39c@icloud.com>へ。
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原爆の町追う映画上映 広島、監督あいさつも
太平洋戦争中に米国で原爆開発のためつくられた町の現状を追うドキュメンタリー映画「リッチランド」の上映会が9日、広島市の映画館で開かれた。上映後にはアイリーン・ルスティック監督が登壇し「日本でも公開されるのは重要な機会だ」と話した。 映画は、米国の原爆開発計画「マンハッタン計画」に伴い、核燃料生産工場の労働者のベッドタウンとして建設された米ワシントン州のリッチランドで、住民らの言葉を通じて町の過去と現在を描く内容。 映画に出演した広島出身で被爆3世のアーティスト川野ゆきよさん=米国在住=もオンラインで参加した。
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東電、廃炉戦略室を8月新設 第1原発デブリ除去控え
東京電力ホールディングスは9日、福島第1原発の廃炉作業を担当する福島第1廃炉推進カンパニー内に「廃炉戦略室」を8月1日に新設すると発表した。廃炉の最難関、溶融核燃料(デブリ)の取り出しが、8~10月に2号機で試験的に始まることを踏まえた組織改編。室長には伝田康貴執行役員が就く。 デブリ取り出しに着手すると、廃炉の中長期ロードマップの期間区分が、廃炉終了までの第3期に進む。デブリは1~3号機に計約880トンもあるとみられ、工法の検討が続いている。東電は同室新設の理由を「作業が難易度の高い段階に移行するため、廃炉を一層戦略的に進める必要がある」と説明している。
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「国家間の疑心暗鬼を消し去る」 広島市、8月の平和宣言
広島市は9日、原爆の日の8月6日に開く平和記念式典で、松井一実市長が読み上げる平和宣言の内容を議論する懇談会の3回目の会合を非公開で開いた。終了後、松井氏が取材に応じ「(紛争の原因となる)国家間の疑心暗鬼が深まっている。市民社会が行動を起こしそれを消し去ろうと呼びかける」と話した。 松井氏によると、宣言は現下の世界情勢で「市民の安心安全をどう思いますか」との問いかけで始め、平和文化を世界に共有しようと訴える。海外の著名人の言葉を引用し、為政者の決意で危機を打開できると伝える。 世界情勢の例としてロシアのウクライナ侵攻の長期化とイ
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高浜原発の20年延長を容認 福井県、設備交換も了承
2025年に運転開始から40年となる関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の20年の運転期間延長を巡り、福井県の中村保博副知事は9日、関電の水田仁原子力事業本部長と県庁で面談し、安全対策などの方針を確認したとして「理解を示す」と容認の意向を伝えた。損傷が相次ぐ蒸気発生器の交換も了承した。 水田本部長は「日常的な点検や約1年ごとの検査で安全性を確保している」などと説明。地域振興や県民に理解を得るための活動にも言及した。中村副知事は「それぞれの取り組みを着実に進めてほしい。県も安全への投資など、事業者の対応を監視する」と応じた。
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AIの兵器利用に警鐘鳴らす 世界の宗教指導者ら、広島で議論
世界各地の宗教指導者らが人工知能(AI)を利用する際の倫理について議論する会合が9日、広島市で開かれた。世界宗教者平和会議の日本委員会などが主催。1945年8月に広島に投下された当時、最先端技術だった原爆が引き起こした惨禍を踏まえ、AIなど科学技術の兵器利用に警鐘を鳴らす狙い。 冒頭で日本委員会の戸松義晴理事長は「AIとの関わり方は、平和や人間の在り方に関係する。有意義な議論に期待している」と述べた。ローマ教皇庁のビンチェンツォ・パリア大司教は「広島に集まったのは、テクノロジーが最も暴力的な顔を見せた場所だからだ。知性は平和と正義のために使われなくてはならない
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核兵器使用「正当」34%に増加 ロシア世論調査
【モスクワ共同】ロシアの独立系世論調査機関レバダ・センターは、ウクライナ侵攻で「核兵器の使用が正当化されるか」との質問にロシア市民の34%が賛成したとの調査結果を発表した。賛成の割合が昨年4月から5ポイント増えた。調査は先月実施し今月4日発表した。 核攻撃を明確に支持したのは10%、どちらかと言えば支持が24%だった。「正当化されない」と答えたのは「明確に」と「どちらかと言えば」を合わせて52%で、昨年の56%から減少した。 プーチン大統領は先月、国家存立が脅かされた場合に核使用が容認されるとしたロシアの軍事ドクトリンに言及した
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広島平和式典、イスラエルも参加 過去最多115カ国とEU
広島市は8日、原爆の日の8月6日に平和記念公園で開催する「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)の概要を発表した。事実上の核保有国で、パレスチナ自治区ガザを攻撃するイスラエルも出席する意向という。現時点で115カ国と欧州連合(EU)の代表が出席の意向を示しており、実現すれば過去最多。 市によると、これまでの過去最多は2023年で、111カ国とEUの代表が出席した。
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鹿児島知事に塩田氏再選 2新人破る
任期満了に伴う鹿児島県知事選は7日投開票の結果、無所属の現職塩田康一氏(58)=自民、公明、国民推薦=が、元県議の新人米丸麻希子氏(49)と市民団体共同代表の新人樋之口里花氏(52)の無所属2新人を破り、再選を果たした。 塩田氏は、鹿児島市内の事務所で「県民からの熱い期待を感じ、決意を新たにした。地域を発展させるため基幹産業の『稼ぐ力』向上に取り組みたい」と力を込めた。 米丸氏は、県が約300億円を投じて鹿児島市内に体育館を整備する計画を見直し、事業費を子育て支援などに充てるべきだと主張。「女性知事誕生を」と県政刷新も訴えたが及ばなかった。樋之口氏は、馬毛島(西之表市)での自衛隊基地建設
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「核なき世界」短冊に願い 禁止条約採択7年で集会
核兵器禁止条約が国連で採択されて7年となった7日、長崎の被爆者らが、日本政府に条約参加や「核なき世界」に向けたリーダーシップを求める集会を長崎市の平和公園で開いた。七夕に合わせて短冊が用意され、数十人の参加者が平和を願うメッセージを記し、ササに飾り付けた。 被爆者4団体などでつくる「核兵器禁止条約の会・長崎」が主催し、被爆者や被爆2世、地元の親子連れが参加した。原爆がさく裂した午前11時2分に合わせて黙とう。子どもたちが短冊に「平和が毎日続きますように」などとしたためた。 禁止条約は核廃絶を掲げ、開発や保有、使用などを禁じる。2
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「イラン国民は体制に反対」 改革派当選受け、イスラエル外相
【エルサレム共同】イラン大統領選で改革派のペゼシュキアン元保健相が当選したことに関し、イランと敵対するイスラエルのカッツ外相は6日、「イラン国民は体制に反対し、変革を求める明確なメッセージを送った」と主張した。X(旧ツイッター)に投稿した。 イスラエルはイランの核開発を「生存の脅威」と捉える。カッツ氏は核計画の中止や「テロ組織」への支援停止を要求した。パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスや、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラが念頭にあるとみられる。 ヒズボラの指導者ナスララ師は、ペゼシュキアン氏の当選を祝福する声明を発表した
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核合意再建へ強硬路線転換 イランの次期大統領
【テヘラン共同】イランの改革派ペゼシュキアン次期大統領は6日、経済低迷の要因である米国の制裁の解除に向けて、イラン核合意再建の公約を守る意向を表明した。核開発問題で欧米と対立を深めたライシ政権の保守強硬路線を転換すると強調した。首都テヘラン郊外のホメイニ廟で支持者を前に「改革を実行する必要がある。交流と対話の道を歩む」と演説し、欧米との融和を図る方針を示した。 国政全般の決定権を握る最高指導者ハメネイ師はライシ師の路線継続を勧めており、外交路線の転換には困難が伴う。ペゼシュキアン氏は「選挙で偽りの約束をしなかった。私の責任は不適切な行動を正すことだ」と強調した
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「自由でも公正でもない」 米、イラン大統領選を批判
【ワシントン共同】米国務省の報道担当者は6日、改革派ペゼシュキアン元保健相が当選したイラン大統領選について「自由でも公正でもなかった。かなりの数のイラン国民が参加しないことを選んだ」と批判した。「イランの行動に対する懸念は変わらない」とし、制裁を科すなど強硬な対イラン政策に変更はないと強調した。 報道担当者は「今回の選挙が、イランの方針転換や人権尊重につながるとは期待していない」とし、決定権は最高指導者ハメネイ師にあると指摘した。一方で「米国の利益につながるなら、外交に力を尽くす」とした。 米国はイラン国内のウラン濃縮設備の増強
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イラン大統領に19年ぶり改革派 ペゼシュキアン氏、強硬派破る
【テヘラン共同=渡会五月】イラン大統領選の決選投票で内務省は6日、改革派マスード・ペゼシュキアン元保健相(69)が、保守強硬派サイード・ジャリリ最高安全保障委員会元事務局長(58)を破り、当選したと発表した。改革派の大統領としてはハタミ元大統領以来、19年ぶり。欧米と対立を深めた保守強硬派の外交路線から融和路線へ回帰を目指す。 核開発問題などで国際協調を目指す穏健改革路線に転換するのはロウハニ政権(2013~21年)以来。日本とは伝統的な友好関係を維持するとみられる。ロウハニ政権は保守強硬派と改革派の中間、穏健派だった。 ペゼシ
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中東各国、イランへの祝福相次ぐ サウジ祝電「関係深化に期待」
【カイロ共同】イラン大統領選決選投票で改革派ペゼシュキアン元保健相が当選したことを受け、地域大国サウジアラビアのムハンマド皇太子は6日、祝電を送り「両国関係の発展と深化を期待する」と表明した。イランとサウジは昨年、中国の仲介で国交正常化を果たした。他の中東各国も相次ぎ祝電を送り、関係強化を望んだ。 イラン核合意を巡り米イラン両政府の仲介役を務めるオマーンのハイサム国王は祝電で「さらなる発展と成長に向け、オマーンとイランの強固な関係構築を望む」と述べた。アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド大統領は「両国民の利益のため共に取り組めることを期待する」とX(旧ツイッ
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長崎市平和宣言、イスラエル削除 原案には明示、起草委最終会合
長崎市は6日、「原爆の日」の8月9日に開く平和祈念式典で鈴木史朗市長が読み上げる平和宣言の起草委員会最終会合で、ロシアのウクライナ侵攻に触れる一方、原案には記していたイスラエルの国名を削除し「中東における武力攻撃」と修正した文案を示した。一部の委員からは、国名を明示するよう求める意見も出た。 鈴木市長は「個別に言っていくと訴えたいことがかすんでしまう」と説明。会合後の取材に「現下の国際情勢についてきちっと表現できるように書いた。今後も趣旨が伝わるよう推敲を重ねたい」とした。市は委員の意見を参考に、最終的な骨子を取りまとめ今月末に発表する予定。
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米大使「安全性の風評根拠なし」 福島・南相馬のサーフィン視察
エマニュエル駐日米大使は6日、福島県南相馬市で開かれたサーフィン大会を視察した。報道陣の取材に「福島の魚や水への安全性に関する風評には根拠がない」と述べ、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に対する支持を表明した。 大使は「中国が日本近海で漁をしているにもかかわらず、日本の水産物に対する全面禁輸措置を続けているのは欺瞞だ」と批判。同行した小泉進次郎元環境相も「中国の非科学的な攻撃に日米は屈しない」と話した。 大使はサーフィンを通して子どもたちと交流。地元で水揚げされたヒラメの刺し身を試食し「ベリー、ベリーグッド」と話した。
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イラン大統領選、決選投票開始 欧米融和か、中国・ロシア傾斜か
【テヘラン共同】イラン大統領選の決選投票が5日、始まった。ライシ大統領が5月にヘリコプター事故で死亡したことに伴う選挙。欧米融和を掲げる改革派と、核開発問題で欧米と対立し中国やロシアとの関係を強化してきた保守強硬派が接戦のもよう。第1回投票で過去最低だった投票率が上がれば改革派、低迷すれば保守強硬派に有利となる。大勢判明は6日以降の見通し。 最高指導者ハメネイ師は投票後「人々の熱意は第1回以上だと聞いている」と述べ、投票率上昇に期待を示した。 6月28日の第1回は4人で争われ、改革派ペゼシュキアン元保健相(69)が得票率42・4
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女川2号機、新蓄電池設置へ 3系統目、宮城県が了解
今年9月ごろの再稼働を予定する東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機について、東北電が原子炉建屋に3系統目となる新たな蓄電池の設置を計画し、県は5日、東北電に設置を了解すると回答した。工事の安全確保や設置後の適切な管理などを求めた。 蓄電池は全交流電源が失われた際、原子炉の冷却機能を確保する設備などに直流の電気を供給する。すでに二つの電源設備があるが、安全性向上のために設置する。東北電は昨年7月、安全協定に基づき、県などに事前協議を申し入れていた。 東北電原子力本部の青木宏昭原子力部長は「地元の理解をいただきながら着実に
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規制庁元職員が原発入門証を紛失 関電大飯、不正使用なし
原子力規制庁は5日までに、2022年3月に退職した元職員の男性(74)が在職時、関西電力から貸与されていた大飯原発(福井県)の入門証を紛失していたと明らかにした。元職員は「退職時に庁舎でシュレッダーにかけた」と説明しており、不正使用の形跡はないとしている。 関電が1年以上大飯原発に入っていない人の入門証の所在を確認した結果、今年6月に紛失が判明した。規制庁は関電に陳謝し、関電は入門証を無効化した。 元職員は研究職で、19年9月ごろ以降入門しておらず、退職後は返却する決まりを忘れて廃棄したという。規制庁は今後、入門証を組織的に管理
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ロ、不可逆的な措置要求 停戦条件でプーチン氏
【モスクワ、キーウ共同】ロシアのプーチン大統領は4日、侵攻を続けるウクライナとの停戦の条件について「ロシア側が受け入れ可能で、不可逆的な措置に相手が同意する必要がある。合意なしの停戦は不可能だ」と述べた。滞在先のカザフスタンでロシア記者団の質問に答えた。 プーチン氏は「敵が停戦を利用して自軍の状況を改善したり、再軍備を進めたりするのを認めることはできない」と強調。ウクライナ側が前向きな措置を取ることを期待して停戦を宣言することはできないと説明した。 仲介者を通じた対立解消の可能性は低いと述べ「対立に終止符を打つ権限を誰が仲介者に
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イラン大統領選、改革派リードか 5日に決選投票
【テヘラン共同】イラン大統領選の決選投票が5日に行われる。対外融和路線を掲げる改革派と、欧米との対立を辞さない保守強硬派の一騎打ちで、4日発表の政府系機関の世論調査では改革派がリード。核開発問題で深まった欧米との対立が転換するかどうかが焦点となる。第1回投票で3位だった保守強硬派の票の流れや投票率が勝敗を左右しそうだ。大勢判明は6日以降の見通し。 保守強硬派のライシ大統領が5月にヘリコプター墜落事故で死亡したことに伴う大統領選。6月28日の第1回投票では米国の制裁で経済苦境を打開できなかったライシ政権への批判票を集めた改革派ペゼシュキアン元保健相(69)が得票
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災害関連死3割超が半年以降に 原発事故の長期避難が影響か
福島県立医大の研究チームは、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に伴い、同県南相馬市で災害関連死したと認定された人の37・8%が、震災発生から半年以降に亡くなっていたとする分析を発表した。原子力災害は「他の災害と比較してより長期的な影響があることが示唆される」としている。4月1日付の国際放射線防護委員会年報で発表した。 南相馬市は1月、震災から1カ月未満の死亡は「関連死であると推定」、1カ月以上1年半未満の死亡は「関連死の可能性が高い」とする基準を公表。チームの坪倉正治教授は「関連死認定には災害の実態に即した基準の策定が求められており、今回の分析結果や南相馬
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被ばく時の受け入れ円滑に 福島医大と東京電力が協定締結
東京電力福島第1原発で廃炉作業員が想定外の被ばくをしたり、放射性物質で身体が汚染されたりした際、入院などを円滑に進められるよう、福島県立医大と東電は4日、福島市の県立医大で協定を結んだ。 締結式で東電の小早川智明社長は「第1原発の緊急医療室と県立医大の医師同士で被ばく医療に関する意見交換が可能になり、搬送が必要な場合も速やかに専門的な診療を受けられる」と協定の意義を強調。県立医大の竹之下誠一理事長も「他の地域の原子力事業所と医療機関にとって先行モデルになる」と述べた。 昨年10月には福島第1原発で、汚染水を浄化する多核種除去設備
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「富岡魂」でメダル獲得へ パリ五輪バド代表の壮行会
福島県富岡町の町立富岡一中に在籍していた2011年3月、東京電力福島第1原発事故が起き、避難生活も経験したパリ五輪バドミントン代表の5人が3日、同町の壮行会に出席し「富岡魂」を抱いて活躍すると誓った。混合ダブルスで東京五輪銅メダルだった渡辺勇大選手(27)、東野有紗選手(27)は「金メダルを取って帰ってきたい」と述べた。 ほか3人は女子シングルスの大堀彩選手(27)、男子ダブルスの保木卓朗選手(28)と小林優吾選手(28)。5人はいずれも富岡一中、富岡高バドミントン部出身で、原発事故後は同県猪苗代町に避難し競技を続けた。 この日
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衆院副議長が今月下旬訪中へ 全人代に交流再開呼びかけ
海江田万里衆院副議長が7月22日から中国・北京を訪問し、国会に相当する全国人民代表大会(全人代)の幹部と会談する方向で調整していることが分かった。新型コロナウイルスや日中関係悪化の影響で、2020年1月以来途絶えている衆院と全人代の定期交流「日中議会交流委員会」の早期再開を呼びかける方針。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出などの懸案も議題となる可能性がある。複数の関係者が3日、明らかにした。 日中関係は、昨年8月に始まった処理水海洋放出に中国が反発したのを機に低迷している。首脳や外相の相互往来は滞っており、議会間の対話を通じ信頼醸成や関係の安定化を図る狙いが
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能登応援割、年内は困難 復旧遅れ「事業者優先」
石川県の馳浩知事は3日の記者会見で、能登半島地震で大きな被害を受けた半島エリアの観光支援策「応援割」について、復旧の遅れから年内の全面開始は困難との考えを示した。半島北部を中心に倒壊家屋の解体などの作業が遅れているため「事業者や支援者のために宿泊施設を優先して提供する必要がある」と述べた。 一方、復旧が進む半島南部の観光地は「十分(観光客受け入れに)対応できる場所がある。何らかの支援ができればいい」と言及。県は一部エリアでの先行開始なども含め、観光庁と詰めの協議を進める。 3月の北陸新幹線延伸開業に合わせて実施した「北陸応援割」
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能登関連死、新たに18人認定 地震犠牲者299人に
石川県珠洲市、能登町、穴水町は3日、能登半島地震の災害関連死として計18人を認定したと発表した。避難中に体調を崩すなどして亡くなった。関連死の正式認定は累計70人。地震犠牲者は家屋倒壊などによる直接死を合わせて計299人となった。 各市町によると、関連死の認定申請は累計200人以上に上っており、認定数は今後も増える可能性がある。 認定の内訳は珠洲市3人、能登町9人。穴水町は6人。18人のうち、年代と性別が公表された12人はいずれも70代以上だった。 能登町では9人のうち7人が公表。90代以上の女性
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核ごみ文献調査の地域拡大を NUMO理事長が就任会見
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)の山口彰理事長(67)は3日に就任会見を開き、最終処分場選定の第1段階となる文献調査の実施地域拡大に向け「1カ所でも多く受け入れていただける地域を増やす」と抱負を述べた。任期は4年。 機構は、文献調査を2020年11月から北海道の寿都町と神恵内村で、今年6月から佐賀県玄海町で実施中。山口氏は「大きな進展だが、甘んじることなく地域との共生を深める」とし、近く3町村を訪問する考えを示した。 一方、調査受け入れの際に首長に重い負担がかかることに
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遺品の三輪車、彫刻で再現 ICAN、スイスに寄贈へ
国際非政府組織(NGO)の核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲国際運営委員らが3日、広島市内で記者会見し、広島で被爆し3歳で亡くなった子どもの遺品で、原爆資料館に展示されている三輪車を再現した彫刻をスイス・ジュネーブの博物館に寄贈すると明らかにした。 彫刻は三輪車をスキャンしたデータを基に、日米の芸術家らのグループが実物大のブロンズ作品として2022年に制作。ジュネーブの国際赤十字・赤新月博物館で9月19日から常設展示する。 川崎氏によると、18年に原爆資料館を訪問した当時のICANのベアトリス・フィン事務局長が三輪車
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ウクライナが核攻撃されれば米国はどう報復するか 通常兵器で直接攻撃も、ロシアの演習で高まる緊張
ウクライナへの侵攻を続けるロシアの核兵器使用への懸念が再び、高まっている。5月には戦術核使用を想定した演習を実施、ウクライナを支援する欧米へのけん制を強めたが、米国はロシアの核使用に対し、どのような報復策を想定しているのだろうか。検証した。(共同通信=太田清) ▽反発 ロシア国防省は5月21日、侵攻の拠点となっている南部軍管区で演習の第1段階を開始したと発表した。 演習では核弾頭搭載可能な弾道ミサイル「イスカンデル」を運用する部隊が「特殊弾薬」を装備して移動する訓練
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米中距離ミサイル装置、なお比に 9月まで維持、中ロ反発
【マニラ共同】フィリピン陸軍のデマアラ報道官は2日、米軍が4月に初展開した中距離ミサイル発射装置がまだ国内に残されており、9月に米国へ戻す計画だと共同通信に明らかにした。中国は撤去を強く要求、ロシアも核兵器搭載が可能な中距離ミサイルを生産・配備する対抗措置を発表していた。 米ロ間では中距離核戦力(INF)廃棄条約が2019年に失効、中距離ミサイルの地上配備の規制がなくなり、軍拡が進んでいる。米国は同発射装置を約5カ月間フィリピンに維持することで中国を事実上けん制。今後も展開を繰り返す可能性がある。 米側には日本の南西諸島と台湾、
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貿易赤字解消へ原発再稼働推進を 財務官が報告書、懇談会の会合で
財務省の神田真人財務官は2日、貿易収支の赤字解消に向け「安全確保を大前提に原発の再稼働を進めることが課題だ」とする報告書を公表した。原発活用の促進は、日本の化石燃料に依存した産業構造の脱却や国際競争力を取り戻すことにつながると分析した。大学教授ら有識者との私的な懇談会との位置付けの会合でまとめた。 輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支で、日本は年度ベースで赤字が続いている。報告書は、原発再稼働によってエネルギー輸入が減少する額は貿易赤字額を上回るとの試算もあると指摘。「(原発)活用の度合いが国際収支に及ぼす影響は極めて大きい」とした。
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濃縮工場のウラン供給再開、青森 日本原燃、5月から停止
日本原燃は2日、青森県六ケ所村にあるウラン濃縮工場で、遠心分離機へのウラン供給を同日再開したと発表した。複数の機器に不具合があり5月に停止していたが、点検を済ませ再発防止策も講じたという。 不具合は廃棄されるウランが通る配管にある2カ所の弁と、配管を温める電熱線の計3カ所で発生。濃縮ウランの製造に直接の影響はないが、安全のため自主的に供給を止めていた。 工場では今年2月にも濃縮度測定装置に異常があり供給を止めており、今回の不具合は4月に再開した直後に起きた。
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燃料搬出先への懸念相次ぐ 中間貯蔵施設で青森県民説明会
今夏にも原発の使用済み核燃料が初めて搬入される計画の中間貯蔵施設(青森県むつ市)について、県は2日、青森市で県民向けの説明会を開いた。住民からは、貯蔵終了後の燃料搬出先が具体化しないことを懸念する声が相次いだ。県は5日までに県内の他5カ所でも説明会を開く。 説明会では、施設を運営するリサイクル燃料貯蔵(RFS)や燃料搬出元の東京電力が事業計画や安全対策を説明。県も事業者と結ぶ安全協定の案を示した。宮下宗一郎知事も出席したが、協定案について自ら発言する場面はなかった。 県が5月に示した協定案では、燃料の貯蔵期間は最長50年間とされ
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核ごみ調査開始に不満や不安の声 佐賀・玄海町隣接の唐津市議会
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査が佐賀県玄海町で始まったのを受け、国と実施主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)は2日、隣接する唐津市の議会で地層処分や調査の概要を説明した。拙速な議論への不満に加え、市議からは「地震大国で数万年間安定的な保管が可能なのか」と不安の声が上がった。 市議会玄海原発対策特別委員会が資源エネルギー庁とNUMOの担当者を参考人として招致した。NUMOによると、玄海町周辺自治体の議会説明は初めて。 唐津市の峰達郎市長は5月の記者会見で、玄海町での文献調査について
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ロシア、金氏への高級車正当化 ネベンジャ国連大使
【ニューヨーク共同】ロシアのネベンジャ国連大使は1日、プーチン大統領が北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と6月に会談した際、高級車を贈呈したことを正当化した。国連安全保障理事会は北朝鮮への制裁決議で、高級車を含むぜいたく品の北朝鮮への輸出を禁じている。 高級車には、防弾用の特別な装甲が施されていたとみられる。ネベンジャ氏は「北朝鮮の指導者には特別な保護が必要だ」と述べた。 安保理の今月の議長国をロシアが務めるに当たり、ネベンジャ氏が米ニューヨークの国連本部で記者会見した。北朝鮮による7回目の核実験の可能性が懸念される中、「どこの国に
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日本人母子切り付けの影響回避を 中国副首相、河野氏と会談
【北京共同】河野洋平元衆院議長を団長とする日本国際貿易促進協会の代表団は1日、北京を訪問し、中国の何立峰副首相と会談した。同行筋によると、何氏は江蘇省蘇州で日本人母子が切り付けられた事件について「中日の貿易協力関係への影響があってはならない」と述べた。河野氏は日本人を狙った事件なのかどうかなど動機の解明を求めた。 会談で河野氏は、バスの案内係で男に刺された中国人女性、胡友平さん(54)に「心から感謝し、哀悼の意を表明したい」と述べた。何氏は「(胡さんが)身をていして日本人の親子を守った。勇気と正義が高く評価されている」とたたえ、切り付けた男は「中国の法によって
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長崎市長、NPT準備委に出席へ 「核なき世界に向けアピール」
長崎市の鈴木史朗市長は1日、核拡散防止条約(NPT)の再検討会議に向け、スイス・ジュネーブで22日に始まる第2回準備委員会に出席すると市議会で明らかにした。「核軍縮を進展させることが厳しくなっている中、被爆地の首長として核なき世界に向けてアピールをしたい」と述べた。 鈴木市長は23~25日に準備委に出席し、非政府組織(NGO)のセッションで演説するほか、各国の軍縮大使らにも面会する予定。長崎県の大石賢吾知事も22~26日の日程でジュネーブを訪れ、準備委に参加する。 広島市の松井一実市長と広島県の湯崎英彦知事も、準備委に出席するこ
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核のごみ、原発地下に保管を 最終処分実現まで中長期的に
超党派の元国会議員や官僚OBらで構成するシンクタンク「未来構想会議」が、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場実現が見通せるようになるまで、原発の敷地地下に管理施設を造り、核のごみを中長期的に保管するべきだとする提言をまとめたことが1日、分かった。政府に申し入れる方向で調整している。 処分場選定の入り口となる文献調査は2020年11月に北海道の2町村で、今年6月に佐賀県玄海町で始まったが、いずれも知事が次段階の概要調査に反対姿勢を示している。提言は「候補地選定、概要調査に進むプロセスは困難を極め、今後も絶望的だ」と指摘。現在、核のごみは青森県六ケ所
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原爆「生き証人」語る決意 世界平和巡礼から60年
1964年4~7月、広島と長崎の被爆者25人が当時の米国やソ連、東西ドイツなど8カ国150都市を巡り、被爆証言をした「広島・長崎世界平和巡礼」から今年で60年となった。参加した広島市の阿部静子さん(97)は「うつむきながら暮らしていた私に、巡礼は勇気や自信をくれた。『原爆の生き証人』として語ろうと決意した」と振り返る。 広島に原爆が投下された45年8月6日、18歳だった阿部さんは爆心地から約1・5キロの屋外で被爆した。体の右側から熱線を浴び、顔は焼け、右腕の皮膚が爪までむけて垂れ下がった。 逃げた先の軍需工場で横になっていると、
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南三陸旧防災庁舎「震災遺構」に 町が保存し後世に、宮城
東日本大震災の津波で町職員ら43人が犠牲になった宮城県南三陸町の旧防災対策庁舎は1日、県から町に所有権が移され、町が管理する「震災遺構」となった。鉄骨3階建て(高さ約12メートル)が骨組みだけの姿となり、津波の猛威をまざまざと示す「震災の象徴」とも呼ばれた旧庁舎。今後は恒久保存され、防災の教訓を後世に伝え続ける役割を担う。 佐藤仁町長(72)は午前9時ごろ訪れ、正面の献花台に花をささげて黙とうした。犠牲者に思いを寄せ「町の復興の姿を、この場所からみなさん見ていてくれたのではないか。防災を学ぶ場として活用していきたい」と記者団に語った。
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福島・双葉町にコインランドリー 24時間営業「復興の集いの場」
東京電力福島第1原発事故で11年5カ月もの全町避難を強いられ、2022年8月に住民居住が再開した福島県双葉町で1日、24時間営業のコインランドリー「てるてる坊主」がオープンした。町によると、原発事故後、町内に24時間営業の店舗ができるのは初めてとみられる。 てるてる坊主はJR常磐線双葉駅東口の近く。避難先の同県いわき市に拠点を移した人材派遣会社福田工業が「復興のための集いの場になれば」と、県の補助金を受けて開店した。 双葉町では、同駅西口前の町営「駅西住宅」の建設が5月に全区画で完了するなど復興工事が進むが、町内で暮らしている
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イラン大統領決選投票、激戦か 投票率、強硬派動向が左右
【テヘラン共同】7月5日のイラン大統領選決選投票は、国際協調重視の改革派ペゼシュキアン元保健相(69)と、欧米との妥協を嫌う保守強硬派ジャリリ最高安全保障委員会元事務局長(58)の一騎打ちとなった。激戦が予想され、投票率の伸びや保守強硬派の結束が結果を左右する。核開発を拡大し、欧米との対立を深めたライシ大統領の強硬路線を継承するかどうかが争点だ。 ペゼシュキアン氏は米国の制裁で低迷する経済の立て直しには核合意再建が必要との立場だが、ジャリリ氏は核合意自体を否定する。6月28日の第1回投票の得票率はペゼシュキアン氏が42・45%、ジャリリ氏は38・61%で接戦だ
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北陸電力志賀原発の廃炉求め集会 「能登地震は最後の警告」
北陸電力志賀原発(石川県志賀町)の廃炉を求め、市民団体が30日、金沢市の公園で集会を開いた。全国から約1100人(主催者発表)が参加し、「能登半島地震は最後の警告だ」とシュプレヒコールを上げた。 各地の原発の運転差し止めを求める訴訟の原告やルポライター鎌田慧さんらが登壇し、原発の危険性などを訴えた。原発事故被害者団体連絡会代表の武藤類子さん(70)=福島県三春町=は「全ての原発を止めて、少しでも安全を確保しなければならない」と強調した。時折風雨が強まる中、参加者は熱心に耳を傾けた。 集会後、「志賀原発は次の大地震に耐えられない!
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震災と原発事故の教訓、手話でも 福島で継承、語り部育成講座
福島県郡山市で30日、2011年の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の教訓を手話で伝える語り部を育成する講座が初めて開かれた。聴覚に障害のある人や手話通訳者計25人が参加し、語り部の活動内容や心構えを研修。伝承施設などでの活動を目指す。 被災地を訪れる聴覚障害者は現在、震災遺構や資料を見るにとどまる。講座を開いたNPO法人「富岡町3・11を語る会」と県聴覚障害者協会は「誰ひとり取り残さない防災」の実現を目指した。 講座でNPO代表の青木淑子さん(76)は「手話には言葉を超える力がある。優れた表現力を生かし、記憶を語り継いでほ
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除染土から放射性物質分離 福島第1原発、最終処分量減少へ
東京電力福島第1原発事故後に福島県内の除染で発生した土や廃棄物の量は膨大だ。国は第1原発の周囲に造った中間貯蔵施設に一時保管し、県外で最終処分すると法律で定めたが、処分地の確保は容易ではない。そこで放射性物質を分離・回収し、最終処分する除染土の体積を減らす「減容技術」の研究が進んでいる。環境省はさまざまな技術を評価して本年度中に減容後の処分量を試算、最終処分場の構造や必要面積について複数の案を提示するという。 中間貯蔵施設に昨年度末までに搬入された除染土などは、東京ドーム11杯分の約1340万立方メートルに上る。土壌が94%を占め、草木などの可燃物が3・9%、焼却灰が1・5%だった。
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イラン大統領選、決選投票へ 7月5日、改革派と保守強硬派
【テヘラン共同】28日投票のイラン大統領選で内務省は29日、当選に必要な過半数を得票した候補はおらず、国際協調を重視する改革派ペゼシュキアン元保健相(69)と、核合意の再建を否定する保守強硬派ジャリリ最高安全保障委員会元事務局長(58)による決選投票が7月5日に行われると発表した。大統領選はライシ大統領が5月にヘリコプター事故で死亡したことに伴い行われた。 有権者6145万人のうち、投票したのは2453万人。体制信任の指標とされる投票率は約40%で、1979年のイラン革命以来、過去最低だった前回2021年の48・8%を大きく下回った。国民の体制不信が浮き彫りになった。 内務省によると、得
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中・短距離ミサイル「配備必要」 プーチン氏、自制方針を転換
【モスクワ共同】ロシアのプーチン大統領は28日、核兵器搭載可能な中・短距離ミサイルの生産を再開し「配備を進めることが必要だ」と述べた。欧州やアジアで同種ミサイルの配備を進める米国への対抗措置。米国との中距離核戦力(INF)廃棄条約の失効後に自制していたが、方針を転換した。条約に縛られない中国は中距離ミサイルの開発を進めており、米中ロの軍拡競争が激化しそうだ。 国防相や外相らが参加したオンラインの安全保障会議で「ロシアの安全を確保するためにミサイルシステムの製造を始め、どこに配備するかを決めなければならない」と語った。ウクライナに武器を供与する米国との対立が深まる中、米欧に圧力をかけた。
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長崎被爆証言、米国の旅を映画に 原爆資料館で上映会、東京開催も
昨年11月、米国3都市で証言や市民との対話を実施した「長崎県被爆者手帳友の会」は29日、活動の様子を写したドキュメンタリー映画の上映会を長崎原爆資料館で開いた。発案者の被爆者朝長万左男さん(81)は、講話先で質問してきた少年に触れ「こういう市民が育っていけば、米国の核廃絶の動きも有望だ」と話した。上映会は秋ごろに東京都でも開催予定。 被爆者や被爆2、3世らでつくる訪米団は、約2週間かけ現地の中学や大学、教会などで計21回講話し、延べ約千人の米国民が参加した。 映画では、被爆者差別や環境への影響などに関して次々と質問する市民の様子
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汚染水処理装置の運転再開 設備改造し漏えい対策、福島第1
東京電力は福島第1原発で、汚染水が漏れて停止していた第2セシウム吸着装置(サリー)の運転を20日に再開した。建屋外に水が漏れないよう設備を改造。放射性物質を含む水を扱う設備の設計や保全を一元管理する部署を設置し、組織面でも対応を強化する。 トラブルは2月7日、原発構内の高温焼却炉建屋で作業員がサリーの配管を洗浄中、推計で放射性物質約66億ベクレルを含む水約1・5トンが、排気口から建屋脇に漏れた。作業員の人為ミスで、閉めておくべき弁が開いたままになっていたことが原因だった。 原子力規制委員会は、廃炉手順を定めた実施計画の「軽微な違
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最大津波高「25.2メートル」了承 浜岡原発審査会合で規制委
原子力規制委員会は28日、中部電力浜岡原発3、4号機(御前崎市佐倉)の新規制基準適合性審査会合を開き、同原発の敷地前面で想定される最大津波高を25・2メートルとする中電の評価を了承した。耐津波設計の目安となる「基準津波」の決定に向けて大きく前進した。津波を巡る主な論点は津波堆積物の評価を残すのみとなり、中電は次回会合で規制委から指摘を受けている事項に回答し、早期の基準津波決定を目指す。 25・2メートルは最も厳しい条件の南海トラフ地震の津波と遠州灘沖1地点の海底地滑りの津波が重なり合う場合の数値で、中電が4月12日の会合で提示していた。 28日の会合では、複数地点の海底地滑りの同時発生と
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浜岡原発「再稼働容認」1.9ポイント下降 菊川市民アンケート、能登地震影響か
菊川市はこのほど、2024年度市民アンケートの結果を公表した。中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の再稼働の是非を問う設問で「安全が確認できれば稼働した方がよい」と再稼働を容認する回答が41・9%となり、前年度調査から1・9ポイント下降した。「停止しておいた方がよい」は前年比1・0ポイント上昇の32・8%。1月に発生した能登半島地震が影響したとみられる。 アンケートは4月に無作為に選んだ2千人を対象に実施し、1021人から回答を得た。回答率は51・1%。「どちらともいえない」は前年度比1・4ポイント上昇の16・9%、「わからない」は0・1ポイント下降の7・5%だった。 稼働を容認する回答はこ
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敦賀原発審査、7月末に確認 基準適合巡り原子力規制委
原子力規制委員会は28日、日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県)の審査会合を開き、原子炉直下に活断層があるかどうか議論した。活断層があると判断されれば審査に合格できず、廃炉となる可能性がある。規制委の担当者は「(7月末の次回審査会合で)新規制基準に適合しているか否かを確認する」と述べた。 規制委はこれまで、原子炉の北約300メートルにある「K断層」の活動性が否定できないと判断。K断層が原子炉直下の「D―1断層」と一体で動くかが焦点となっている。東京電力福島第1原発事故の教訓を取り入れた新規制基準では、原子炉など重要施設の下に活断層があれば運転で
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中間貯蔵施設に核燃料税、青森 県改正条例が成立
今夏にも原発の使用済み核燃料が初めて搬入される中間貯蔵施設(青森県むつ市)を巡り、施設で保管する核燃料に課税するための改正条例が28日、青森県議会で賛成多数により可決、成立した。税収は2028年度までの5年間で約2億6千万円を見込んでいる。 むつ市は既に独自の核燃料税を導入済み。都道府県レベルと市町村レベルで同じ使用済み核燃料に課税するのは、愛媛県と同県伊方町、佐賀県と同県玄海町に続き全国で3例目。 青森県によると、中間貯蔵施設で保管する核燃料のウラン1キロ当たりに対して、事業者のリサイクル燃料貯蔵(RFS)から年620円を徴収
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イラン、欧米協調か対立か 大統領選、接戦見通し
【テヘラン共同】イランで28日、ライシ大統領がヘリコプター事故で5月に死亡したことに伴う大統領選が実施された。欧米と対立を深めたライシ師路線を継承する保守強硬派2人と、協調を重視する改革派1人による接戦の見通し。機能不全に陥っているイラン核合意の再建交渉の行方を左右する重要選挙だ。 大勢判明は29日以降の見通し。いずれも過半数を得られず、7月5日の決選投票に決着が持ち越される可能性がある。 6人の立候補が認められ、うち2人が撤退した。保守強硬派の有力候補はジャリリ最高安全保障委員会元事務局長(58)とガリバフ国会議長(62)。改
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原爆死没者813人の情報求める 広島市、全国自治体に名簿発送
広島市は28日、平和記念公園にある原爆供養塔に納められた約7万人の遺骨のうち、引き取り手のない原爆死没者813人分の氏名が書かれたポスター「原爆供養塔納骨名簿」を、全国の自治体や被爆者団体に発送する作業を始めた。10月末まで掲示してもらい、情報提供を求める。 広島市によると、ポスターは都道府県や市町村など2153カ所に送り、市のホームページにも掲載する。氏名だけが書かれた死没者がほとんどだが、住所や学校名などが載っている人もいる。 市職員2人が発送するポスターを一つ一つ封筒に入れ、丁寧に封をした。市原爆被害対策部調査課の黒田信幸
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浜岡原発4市対協 安全確保へ計画案 御前崎で総会
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)から半径10キロ圏内の4市(御前崎、牧之原、掛川、菊川)の市長らでつくる浜岡原発安全等対策協議会(4市対協)は27日、御前崎市の研修センターで本年度総会を開いた。 浜岡原発の安全確保への対応や、地域振興に関する調査研究に向けた計画案などを承認した。事務局によると、具体的な活動内容はこれから4市で検討する。会長の下村勝御前崎市長は中電に対し、「安全性確保を大前提に、原子力規制委員会とコミュニケーションを取りながら真摯に取り組んでほしい」と求めた。
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一般質問要旨 自民・天野一氏 静岡県議会
国は原発の再稼働を加速し、増設を巡る方針を変えるなど原子力政策を大きく変えようとしている。浜岡原発は南海トラフ地震の想定震源域にあり、31キロ圏内の人口は約92万人に上る。事故が起きれば本県に与える損害は致命的だ。脱炭素化の方策として原発を推進すべきなのか。浜岡原発に対する鈴木知事の考えは。
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浜岡再稼働「安全確保が大前提」 知事答弁 静岡県議会
鈴木康友知事は、原子力規制委員会による新規制基準適合性審査が行われている中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)に関し、基準への適合が認められ県に再稼働の判断が求められた場合、「県としても安全性の確保や諸課題への対応について検証する」とし、関係市町の意見を聞いて総合的に判断する考えを示した。天野一氏への答弁。 鈴木知事は原子力規制委員会の審査の結果を踏まえた安全対策工事を行う必要性を指摘。現状については「燃料プールの空き容量が1008体分しかなく、持続的な運転には使用済み燃料の保管や処理などの課題がある」と述べた。その上で「原子力発電所は安全の確保が大前提」と強調し、国に厳正な審査を求めるとともに
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交通事故防止に貢献 菊川署など 事業所を表彰
菊川署と菊川地区安全運転管理協会はこのほど、交通事故の防止や安全意識の高揚に努めた事業所などの表彰式を菊川市の菊川文化会館アエルで開いた。主な受賞者は次の通り。 【全日本交通安全協会交通栄誉章緑十字銀章】優良安全運転管理者 村田篤義(村田建設) 【県警本部長・県安全運転管理協会長表彰】優良安全運転管理者 河原崎隆(やまの鈴木建築)▽優良安全運転管理事業所 ミクニ菊川事業所▽優良運転者 石田隆広(小原組) 【県安全運転管理協会長表彰】優良運転者 鈴木晶子(和松会)、藤原茂伸(増田組) 【菊川署長・菊川地区安全運転管理協会長表彰】安全運転管理推進事業所感謝状 菊川シール工業▽優良運転者 桜井康宏
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南三陸町旧防災庁舎、震災遺構に 13年経て7月から恒久保存
東日本大震災の津波で町職員ら43人が犠牲となり、鉄骨だけの姿となった宮城県南三陸町の旧防災対策庁舎は、7月1日から町が管理する震災遺構となる。「見るのがつらい」という遺族感情を踏まえ解体するか、震災伝承のため保存するかで揺れたが、13年の年月を経て恒久保存の結論に至った。町は今後、教訓伝承に向けた活用策を探る。 2011年3月11日。鉄骨3階建て、高さ約12メートルの庁舎の屋上を越える津波が襲った。当時庁舎にいた佐藤仁町長(72)ら約10人が手すりにしがみつくなどして一命を取り留めたが、防災無線で住民に避難を呼びかけ続けた職員の遠藤未希さん=当時(24)=らが
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東電、処理水タンクの解体準備へ 海洋放出後初めて、7月に開始
東京電力は27日、福島第1原発の処理水海洋放出で空になった保管タンクの解体に向けた準備作業を、7月に始めると発表した。原子力規制委員会の認可を受け、来年1月にも12基の解体を始める。昨年8月の処理水の放出開始後、約千基ある保管タンクの解体は初めて。 タンクを解体した場所は、3号機の溶融核燃料(デブリ)の取り出し関連施設の敷地として使う予定。12基に隣接する9基のタンク群についても、空になり次第作業に着手し、計21基を2025年度末までに解体する。
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処理水タンクの解体準備を7月開始
東京電力は27日、福島第1原発の処理水海洋放出で空になった保管タンクの解体に向けた準備作業を7月に始めると発表した。来年1月にも12基の解体を始める。処理水の放出開始後、保管タンクの解体は初めて。
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イラン大統領選、三つどもえ 28日に投票、改革派に勢い
【テヘラン共同】イランのライシ大統領が5月にヘリコプター事故で死亡したことに伴う大統領選の投票が28日に行われる。立候補者は4人で、世論調査によると改革派1人と保守強硬派2人の三つどもえの争い。国際協調重視の改革派に勢いが出ている。欧米と対立を深めたライシ師の保守強硬路線が継続するかどうかが注目されている。 大勢判明は29日以降の見通し。投票開始までに保守強硬派が候補者を一本化できるかどうかが焦点で、過半数票を得た候補者がいない場合、上位2人による決選投票が7月5日に実施される。 政府系世論調査機関「ISPA」が26日に発表した
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核ごみ、機構トップに山口彰氏 近藤駿介氏が任期満了で退任
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は27日、近藤駿介理事長(81)が任期満了で退任し、原子力安全研究協会理事の山口彰氏(67)が理事長に就く人事を発表した。任期は4年。経済産業相が25日付で認可した。7月1日付。 山口氏は松江市出身で、専門は原子力工学。東大大学院原子力専攻教授、日本原子力学会会長、経産省の総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会委員長などを歴任した。 内閣府の原子力委員会の委員長を務めた近藤氏は、電力会社を中心に設立された機構で、東京電力出身者以外の初の
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女川原発2号機、30年超へ申請 東北電、9月ごろ再稼働
東北電力は27日、女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の30年超運転に必要な認可申請書を原子力規制委員会に提出した。2号機は9月ごろの再稼働を予定しており、2025年7月に運転開始30年を迎える。 25年6月に始まる新制度では、運転開始30年以降は10年を超えない期間ごとに、施設の劣化状況の確認方法や必要な措置などをまとめた「長期施設管理計画」を策定し、規制委の認可を受ける必要がある。 東北電は計画に、機器や部品の製造中止に備え、情報入手や取り換えまでを管理するルール策定などを盛り込んだ。「今後の審査に適切に対応するとともに、
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東北電、女川2号機の30年超運転認可申請
東北電力は27日、宮城県の女川原発2号機の30年超運転に必要な認可申請書を原子力規制委員会に提出した。2号機は今年9月ごろの再稼働を予定しており、来年7月に運転開始30年を迎える。
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大飯原発3、4号30年超え認可 規制委、新制度導入で初
原子力規制委員会は26日の定例会合で、運転開始から30年を超えた関西電力大飯原発3、4号機(福井県)について、関電がまとめた運転開始40年までの管理計画を認可した。5人の委員全員の意見が一致した。原発の60年を超える運転が可能になる新制度導入に伴う手続きで、初の認可となる。 東京電力福島第1原発事故を受け、原発の運転期間は原則40年、最長60年となったが、岸田政権による新制度導入に伴い30年を超える際の規制も強化された。 2025年6月に導入される新制度では、電力会社は運転開始30年以降、10年を超えない期間ごとに施設の劣化状況の確認方法や必要な措置などをまとめた「長期施設管理計画」を策
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浜岡原発廃止案 反対多数で否決 中電株主総会
中部電力は26日、定時株主総会を名古屋市で開き、浜岡原発(御前崎市佐倉)の廃止など、一部の株主から提案があった7議案を反対多数で否決した。=関連記事8面へ 株主は原発事業そのものからの撤退や、使用済み核燃料を再処理して回収したプルトニウムを使用しないことを求める議案のほか、能登半島地震の震源近くに関西電力や北陸電力と珠洲原発の建設を計画し、2003年に凍結した経緯を省みて能登半島地震災害義援金に支出を求める議案などを提出した。 会社側は株主からの質問で珠洲原発について、当時の景気状況や電力需要の伸び悩み、地元情勢などを踏まえて3社で凍結したことを説明。勝野哲会長は「原発の必要性はなんら変
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人事 中部電力グループ(7月1日付、県内分)
【中部電力】本店マネジメントサービス本部人事センター付中電クラビス出向(静岡支店長代理)平尾正典▽静岡支店長代理(中部電力パワーグリッド本社配電研修所長)松本雄治▽本店原子力本部原子力部防災・核物質防護グループ長(本店浜岡原子力発電所運営基盤部長)進藤俊哉▽同発電所土木建築部長(同発電所スタッフ部長)渡部哲巳▽同発電所廃止措置部長(同発電所専門部長)下谷宏史▽同発電所運営基盤部長(同発電所総括・品質保証部総括管理課長)大山正孝▽同発電所専門部長(同発電所廃止措置部長)堀正義▽本店技術開発本部技術企画室土建エンジニアリンググループ長(同発電所土木建築部長)田中良仁 【中部電力パワーグリッド】
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大手電力9社総会 脱原発議案は否決 能登地震で株主提案相次ぐ
沖縄電力を除く大手電力会社9社は26日、株主総会を一斉に開いた。1月の能登半島地震を受け、株主からは原発の再稼働中止や廃炉など脱原発を求める提案が相次いだが、各社は原発が電力の安定供給や脱炭素につながると主張して反対。9社とも全ての株主提案を否決し総会は終了した。=関連記事26面へ 北陸電力の総会では能登地震で一部の施設が損傷した志賀原発(石川県志賀町)に対し、株主から安全性を疑問視する声が相次いだ。志賀原発の廃炉を求める議案は反対多数で否決。北陸電は「今回の地震の知見を反映し、(再稼働に向けた)審査に的確に対応していく」とした。 新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働を目指す東京電力ホールディングス
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旧ジャニーズ問題、国連で訴え 性被害者「再発防止を」
【ジュネーブ共同】国連人権理事会(47カ国)は26日、旧ジャニーズ事務所(SMILE―UP.、スマイルアップ)の性加害問題などに関する調査報告書の提示を含む会合を開いた。会合では被害者の1人の二本樹顕理氏がビデオ声明で、日本政府や企業に「性加害が繰り返されないための措置を取ってほしい」と訴えた。 報告書をまとめた作業部会は、性加害問題は被害者救済が進んでいると一定の評価を示した一方、ジェンダー問題などで「日本には人権に関する構造的な課題がある」と指摘した。 日本の尾池厚之ジュネーブ国際機関政府代表部大使は「報告書が挙げた点全てに
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ロシア極東、極北のミサイル移動 ウクライナ戦に転用か、衛星画像
ロシア軍が昨年、極東サハリン州や核実験場がある北極圏ノバヤゼムリャ島に配備した防空ミサイル部隊を相次いで他地域に移したことが26日分かった。ロシア軍事に詳しい東京大の小泉悠准教授が衛星画像を分析した。ウクライナ戦で不足する防空網の穴埋めとして、ロシア本土に再配置したとみられる。ロシアが戦闘継続に向け、遠隔地からも兵器を集めている状況が浮かび上がった。 北方領土の択捉、国後両島に駐屯していた防空ミサイル部隊も島外に移ったことが判明している。ウクライナ軍の攻撃に備え、同じく本土に再配置したもようだ。 小泉氏は「極東や極北のロシア軍の
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脱原発の株主提案、9社で否決 電力総会、能登地震で懸念
沖縄電力を除く大手電力会社9社は26日、株主総会を一斉に開いた。1月の能登半島地震で北陸電力志賀原発(石川県志賀町)の一部施設が損傷したことを踏まえ、株主からは原発の再稼働計画中止や廃炉など脱原発を求める提案が相次いだ。各社は原発が電力の安定供給や脱炭素につながることを理由に反対を表明し、9社とも全ての株主提案を否決して総会は終了した。 東北電力の樋口康二郎社長は「(原発の)再稼働を、新たに生まれ変わる決意を込めて『再出発』と位置付け、安全確保を最優先に取り組んでいく」と述べた。同社は宮城県の女川原発2号機を9月ごろに再稼働させる計画だが、株主側は「能登地震の
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電力9社、脱原発の株主提案全て否決
沖縄電力を除く大手電力会社9社は26日の株主総会で、原発の再稼働計画中止や廃炉など脱原発を求める株主提案を全て否決した。総会は終了した。
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関電総会で脱原発の株主提案否決、総会終了
関西電力が26日開いた株主総会で、原発に依存しない電力供給体制の早期構築を求めた京都市などの株主提案は全て否決された。総会は終了した。
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北陸電力総会、志賀原発の廃炉提案否決
北陸電力の26日の株主総会は、志賀原発の廃炉を求める株主提案を否決し、終了した。
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大飯原発3、4号機の30年超運転を認可
原子力規制委員会は26日の定例会合で、運転開始から30年を超えた関西電力大飯原発3、4号機について、関電がまとめた運転開始40年までの管理計画を認可した。
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【ロ朝首脳会談】破壊されるNPT 核同盟化にくさび打て
「北朝鮮をロシアの兵器工場にする」。北朝鮮の動向を注視する韓国の幹部外交官は、最近訪朝したプーチン・ロシア大統領の狙いをこう喝破した。ウクライナ侵攻が長期化する中、開戦以来「核のサーベル」をちらつかせながら、米欧諸国の本格介入を阻止してきた独裁者は、継戦能力の確保に血眼のようだ。 ウクライナで使われるであろう弾薬をロシアに供給する北朝鮮も当然、自身の国益に資する見返りを最大限得ようとする。その最たるものが、金正恩朝鮮労働党総書記が今回プーチン氏と署名した「包括的戦略パートナーシップ条約」だ。 あいまいな部分も残るが、同条約は「一
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米、対ヒズボラで沈静化へ圧力 イスラエル「対話で解決」
【エルサレム、ワシントン共同】イスラエルのガラント国防相は25日、ワシントン近郊でオースティン米国防長官と会談し、レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラについて協議した。オースティン氏は、イスラエル軍とヒズボラの交戦が本格戦闘になれば「中東にひどい結果をもたらす地域戦争となる」と警告。事態沈静化へ圧力を強めた。 米国務省のミラー報道官は記者会見で、イスラエル軍とヒズボラとの交戦に関し、ネタニヤフ首相を含むイスラエル側が対話解決が望ましいと何度も米側に表明してきたと主張した。24日にガラント氏がブリンケン米国務長官と会談した際にも同様の意思表明があったと明らかにした
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米ロシア国防相、意思疎通協議 1年3カ月ぶり電話会談
【ワシントン、モスクワ共同】ロシアのウクライナ侵攻を巡って対立するオースティン米国防長官とロシアのベロウソフ国防相が25日、電話会談し、意思疎通の重要性を話し合った。米国防総省のライダー報道官が発表した。米ロ国防相の電話会談は昨年3月以来、1年3カ月ぶり。 オースティン氏は、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、米ロ両国が対話の窓口を維持する必要があると強調。タス通信によるとベロウソフ氏は、ウクライナ軍への米国の武器供与により事態がさらにエスカレートする危険性を指摘した。 米政府はウクライナに対し、ロシアからの全ての越境攻撃に米国
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浜岡原発「稼働」39.4% 牧之原市が意識調査 3年連続「停止」上回る
牧之原市の杉本基久雄市長は25日の定例記者会見で、中部電力浜岡原発(御前崎市)に関する2024年度の市民意識調査の結果を公表し、「安全が確認できれば稼働した方がよい」との回答が39・4%(前年度比2・8ポイント減)だったと説明した。一方、22年度から3年連続で「安全が確認できれば稼働した方がよい」が「停止しておいた方がよい」を上回った。浜岡原発の今後について尋ねる設問は11年度調査から加えられ、22年度に初めて「稼働」が「停止」を上回った。「停止」の回答は28・6%(前年度比0・1ポイント増)とほぼ横ばい。「分からない」は11・0%(前年度比3ポイント増)だった。 杉本市長は3年連続で「稼
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原発建設「時間猶予ない」 経産省、エネ計画会合で
経済産業省は25日、総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会を開き、エネルギー基本計画の改定作業を念頭に、次世代型原発の建設には環境アセスメントや建設工事に約20年かかるとの目安を示し「時間的な猶予はない」と説明した。現行計画は「可能な限り原発依存度を低減」と明記している。 政府の「GX(グリーントランスフォーメーション)推進戦略」は次世代型原発の建設を掲げており、基本計画への反映が焦点となっている。 会合では委員から「意思決定のラストチャンスはいまだ」と建設方針に同意する声が出た一方、別の委員は「依存度低減」方針を残すよう主張
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基本計画で再生エネ3倍を目標に 国内外企業、政府に提言
事業で使う電力を全て再生可能エネルギーで賄うことを目指す国内外の企業の集まり「RE100」は25日、日本政府に再生エネの早急な拡大を求める提言書を公表した。見直し議論が進むエネルギー基本計画に、遅くとも2035年までに国内の再生エネ発電容量を22年比3倍にする目標を掲げるよう要請した。 現行計画の30年度の電源構成で、再生エネは36~38%を目指すが、22年度は21・7%にとどまる。提言書は、RE100には日本に本社を置く企業や事業を展開する企業計200社以上が参加し、いずれも遅くとも50年までに再生エネ100%を目指していると強調。「これらの需要を満たす政策
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福島処理水、安全性浸透と評価 23年度版原子力白書取りまとめ
国の原子力委員会(上坂充委員長)は25日、2023年度版の原子力白書を取りまとめた。23年8月に始まった東京電力福島第1原発の処理水海洋放出について、安全性は国民に一定程度浸透しているとしつつ、国と東電に「継続して不安の声に応える粘り強い取り組み」を求めた。 白書は、国際原子力機関(IAEA)による処理水放出計画の評価を「第三者機関の協力を得て情報発信の客観性や透明性を確保しようとする取り組みは有効」と指摘。国と東電の対応も、国民の不安の払拭に一定程度寄与したと総括した。 一方、放出は放射性物質の安全性などについて「国内外で議論
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「黒い雨」調査結果、丁寧に説明 長崎の被爆体験者巡り、厚労相
国の指定地域外で長崎原爆に遭い被爆者認定されていない「被爆体験者」を巡り、厚生労働省が地元所蔵の体験記の調査で「黒い雨」など雨や降下物があったことを客観的事実として捉えられないと結論付けたことに関し、武見敬三厚労相は25日の記者会見で「要望があれば改めて(調査結果の)理由などを丁寧に説明したい」と述べた。 調査結果は11日に長崎県と市に報告され、市は20日、厚労省に詳細な説明を求めるとしていた。 厚労省は、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館が所蔵する体験記など約13万件を調査。被爆地域外の3744件を抽出して雨の記述が41件、飛散
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【ロ朝の新条約】北朝鮮支援の自動介入ない 北東アジアは第2次冷戦 韓国・国民大教授 アンドレイ・ランコフ
ロシアのプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が署名した「包括的戦略パートナーシップ条約」を過大評価してはいけない。新条約の「相互軍事援助」条項は、ソ連と北朝鮮の1961年の友好協力相互援助条約(96年失効)にあった「自動軍事介入」ではない。多くの留保がついており、軍事衝突の際に互いを支援する「義務」を定めていない。 実は、旧条約下でもソ連は、自動介入条項を巡り、北朝鮮の危険な行動に巻き込まれないよう苦慮していた。68年に北朝鮮が米国の情報収集艦プエブロ号を拿捕し、朝鮮半島情勢が一触即発の危機になった際、ソ連は「拿捕は北朝鮮の一方的な行為であり、攻撃を
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自民裏金、出直し選足かせ 原発再稼働巡り新潟知事
新潟県の花角英世知事が、2026年6月までの任期4年を折り返した。同県の東京電力柏崎刈羽原発への対応は最重要課題で、再稼働の是非を判断する際「県民に信を問う」と再三発言。選択肢の一つに出直し知事選を示唆する。一方、過去の知事選で花角氏を支持した自民党の派閥裏金事件が足かせとなるため、慎重論も出ている。 「課題はたくさんある。一つ一つ着実に取り組む」。6月上旬の記者会見。2期目の任期が残り2年となるのを前に、花角氏は淡々と答えた。言葉とは裏腹に、柏崎刈羽原発7号機の再稼働問題に「相当悩んでいる」(自民県議)とされる。 花角氏は18
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【やわらかゼミ】エネルギー基本計画 原発や再エネ割合どうなる 安定供給と脱炭素が課題
政府がエネルギー基本計画を見直す議論を始めたという新聞記事を読んだ高校生の和明さん。兄の康晴さんに聞いた。 和明 エネルギー基本計画ってそもそも何。 康晴 国のエネルギー政策の中長期的な方向性を示すものだ。暮らしや企業活動に必要な電気を賄うため、再生可能エネルギーや原子力といった発電方式に将来、どの程度頼るかの目標を示す。 現行計画は2021年に決まった。今回は24年度内に改定し、40年度を見据えた内容になる。電気を安定的に供給しつつ、脱炭素を進めることを課題にしている。 和明 現行計画はどんな内容なの。 康晴 30年度は発電量のうち火力41%、太陽光や風力発電など再エネ36~3
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原爆小頭症、78歳を祝う 「きのこ会」広島で誕生会
1945年の広島、長崎への原爆投下時に母親の胎内で強力な放射線を浴び、脳や体に障害がある「原爆小頭症」の被爆者と家族らでつくる「きのこ会」が22日、広島市内で誕生会を開き、小頭症の当事者が78歳を迎えたことを祝った。 誕生会にはオンラインも含め出席した当事者6人と、家族や支援者らも参加した。冒頭、亡くなった当事者らに黙とうをささげた。兄が小頭症の長岡義夫会長(75)は「これからも元気で楽しく生きてください」とお祝いの言葉を贈った。 当事者はケーキのろうそくの火を吹き消し、近況報告では編み物をしたり、作業所に通ったりしていると語っ
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安藤忠雄氏、広島に図書館寄贈へ 原爆ドーム近くの中央公園
広島市は21日、世界的建築家の安藤忠雄氏から、子ども向けの図書館を設計し、建設して市に寄贈する申し出を受けていると明らかにした。市は安藤氏側と協議を進めており、原爆ドーム近くの中央公園(同市中区)に設置する方針。 市によると、2022年に安藤氏側から、安藤氏が全国に寄贈している子ども向けの図書館「こども本の森」を広島市にも設置したいとの意向を伝えられた。 市は中央公園内に既存のこども図書館の隣に建設し、一体的に運用したいとしている。広さや蔵書数などの具体的な内容は未定。 安藤氏はこれまで岩手県遠野
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日韓財務対話、25日に開催 ロシア、北朝鮮への制裁協議
鈴木俊一財務相は21日の閣議後記者会見で、25日に韓国・ソウルで日韓財務対話を開催すると明らかにした。両国の財務当局が経済、金融分野で意見交換する。ウクライナ侵攻を続けるロシアや核開発を強行する北朝鮮への制裁も議論する見通しだ。 両国を取り巻く経済情勢に加え、アジア地域の金融協力などもテーマとなる。合意文書を取りまとめる見込みで、良好な関係を印象付ける。 19日にはロシアのプーチン大統領が24年ぶりに北朝鮮を訪問し「包括的戦略パートナーシップ条約」に署名した。こうした動きも念頭に、両国への資金流入を防ぐ方法も話し合う。
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埋め立てられる「リサイクル優等生」、徳島市収集のペットボトル大半が再生せず、その理由は…全国最下位影響か
お茶などの清涼飲料の容器として身近なペットボトルは、使用後に再資源化しやすい「リサイクルの優等生」と呼ばれる。近年は環境意識の高まりを受けて再利用が進み、資源価値が上昇、飲料メーカーや自治体を巻き込んだ争奪戦も起きているほどだ。 そんなペットボトルだが、徳島市では家庭から分別収集したもののうち、大半が直接埋め立てに回されていた。リサイクル率は2022年度の推計で25%以下にとどまる。記者は取材で、埋め立てを行う最終処分場に、徳島市から大量のペットボトルが搬入される現場を確認した。 他のごみと交じっていて取り出しにくいから?汚れて
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ロシア、核使用条件見直し検討 先制攻撃「不要」と大統領
【モスクワ共同】ロシアのプーチン大統領は20日、ロシアの戦略核兵器は完全な戦闘準備態勢にあると改めて指摘した。欧米が核戦力の開発を続けていることから、核使用条件を定めた軍事ドクトリンの見直しを検討していると表明した。先制核攻撃は「必要ない」と従来の主張も繰り返した。訪問先のベトナムで記者団に語った。 米国防総省のライダー報道官は記者会見で、プーチン氏の発言を「無責任だ」と批判した。 侵攻を続けるウクライナに関してプーチン氏は「ウクライナの政権が夢見るロシア軍撤収と関連付けるなら、交渉はない」と語った。
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「原爆の父」被爆者に涙して謝罪 通訳の証言映像発見、広島
米国の原爆開発計画「マンハッタン計画」を率いた科学者で「原爆の父」故ロバート・オッペンハイマー博士が米国で被爆者と面会した際、「涙を流して謝った」と立ち会った通訳が証言する映像が見つかったことが20日、広島市のNPO法人への取材で分かった。 NPO法人「ワールド・フレンドシップ・センター」によると、映像は1964年6月、広島の被爆者らとオッペンハイマー氏の非公開の面会で、通訳として立ち会った故タイヒラー曜子さんが2015年に証言した内容。「(面会場所となった)研究所の部屋に入った段階でオッペンハイマー氏は涙ぼうだたる状態。『ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい』と謝るばかり」などと語っ
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鹿児島知事選に現新3氏 立候補
任期満了に伴う鹿児島県知事選が20日告示された。いずれも無所属で、元県議の新人米丸麻希子氏(49)と市民団体共同代表の新人樋之口里花氏(52)、再選を目指す現職塩田康一氏(58)=自民、公明、国民推薦=が立候補した。馬毛島(西之表市)での自衛隊基地建設、九州電力川内原発(薩摩川内市)の運転延長が争点になる。投開票は7月7日。 馬毛島基地建設、原発運転延長については樋之口氏が反対し、米丸、塩田両氏は容認している。選挙戦を通じ、塩田県政への評価のほか、人口減少や経済活性化といった県政課題を巡っても論戦を交わす見通し。
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長崎市、厚労省に説明要請へ 「被爆体験者」調査の結論巡り
国の指定地域外で長崎原爆に遭い被爆者認定されていない「被爆体験者」を巡り、厚生労働省が地域外の状況を検証するため実施した被爆体験記の調査で、雨や降下物の記述を「客観的事実として捉えられない」と11日に結論付けたことを受け、長崎市は20日、厚労省に詳細な説明を求めると明らかにした。 厚労省は、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館が所蔵する体験記など約13万件を対象に調査。被爆地域外の3744件を抽出し、雨に関する記述が41件、飛散物に関する記述が159件あった。 この日、市と市議会でつくる長崎原子爆弾被爆者援護強化対策協議会(原援協)
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韓国、ウクライナ武器支援を示唆 ロシアと北朝鮮をけん制
【ソウル共同】韓国大統領府は20日、ロシアと北朝鮮が「包括的戦略パートナーシップ条約」に署名したことを受けて国家安全保障会議(NSC)を開き、両国を糾弾する声明を発表した。張虎鎮国家安保室長は記者会見を開き、ウクライナに殺傷兵器を供与しない従来方針を再検討すると表明。武器支援に乗り出す可能性を示唆し、ロ朝をけん制した。 声明は、ロ朝がウクライナ侵攻や朝鮮戦争などの侵略戦争を起こしたと主張した上で「起きもしない国際社会の先制攻撃を想定して軍事協力を約束するのは詭弁で理屈に合わない」と非難した。 韓国の安保を脅かすいかなる行為にも「
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福島原発処理水の放出容認せず 全漁連会長、中国の禁輸措置懸念
全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長は20日、東京都内で記者会見し、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出について「ホタテやナマコ(の販売)への影響が大きい。現在も容認していない」と述べ、中国による日本産水産物の禁輸措置に懸念を表明した。日本政府には早期の輸出再開を実現するよう求めた。 海洋放出は昨年8月に始まった。坂本氏は「日本では応援消費があった」と述べ、国内の冷静な対応に感謝した。 海水温上昇による不漁や燃料価格の高騰など漁業を取り巻く環境は厳しい。全漁連は今後、養殖業などへのデジタル技術活用やインバウンド(訪日客
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福島第1原発、作業7割で要改善 トラブル続発、東電が総点検
東京電力は20日、福島第1原発で作業員の被ばくや処理水放出停止などトラブルが続発したことを受け、全作業約千件を総点検した結果「重大な見直しが必要な事案は確認されなかったが、約7割の作業で改善を実施した」と原子力規制委員会の会合で報告した。 対象は今年の大型連休前までに実施していた全作業。照明不足や不適切な作業着の着用によるけがなど、675件で改善が必要だった。 トラブルが続発した背景として、「大丈夫」と思い込んでリスク想定が甘かったことや、作業員の指摘を手順書に反映できなかったことなどを挙げた。規制委の担当者は「引き続き作業点検
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被団協、「戦闘停止」首相に要請 ウクライナ、ガザ踏まえ特別決議
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)は20日、東京都内で定期総会の2日目を開いた。ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザ、台湾情勢などを踏まえ、憲法の順守や、紛争当事者に戦闘の停止や対話による解決の実現を求めるよう岸田文雄首相に要請する特別決議を承認した。 カザフスタンで8月に開かれる核被害者のフォーラムに、長崎で被爆した木戸季市事務局長(84)=岐阜県=を派遣することも報告された。同国は、来年3月に米ニューヨークで開催される核兵器禁止条約の第3回締約国会議で議長国を務める。被団協は締約国会議への参加も検討している。 総会
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「福島の魚食べたくない」 新潟・十日町市議が発言
新潟県十日町市の滝沢繁市議(69)=共産党=が19日の市議会で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り「そこで取れた魚は食べたくない」と発言していたことが20日、議会事務局や本人への取材で分かった。滝沢氏は取材に「処理水放出が良くないということを言いたかった。言ってはいけない発言で反省している」と陳謝した。 滝沢氏は19日の市議会一般質問で海洋放出の安全性に懸念を示し、私的な意見として述べたという。既に議会側に発言の撤回を申し入れた。 滝沢氏は取材に「自分も農業をしていて、原発事故が起きた後の風評被害には懸念を持っている。福
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浪江町の特定帰還居住区域で除染 大熊、双葉に続く県内3例目
東京電力福島第1原発事故で福島県内7市町村に残る帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)に続いて避難解除を目指す浪江町の特定帰還居住区域で20日、環境省が放射線量を下げるための除染を開始した。来年3月末までを予定する。特定帰還居住区域の除染開始は昨年12月の大熊、双葉両町に続く3例目。 同区域は昨年6月施行の改正福島復興再生特別措置法で導入された。帰還希望者の宅地や農地、アクセス道路などを対象に4町で設定済み。復興拠点と同じく除染などには国費が投入される。 浪江町では、津島や大堀など12地区の一部計約52・6ヘクター
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広島知事、NPT準備委に参加へ 核兵器廃絶に向け働きかけ
広島県は20日の県議会委員会で、スイス・ジュネーブで7月下旬に始まる核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第2回準備委員会に湯崎英彦知事が参加すると明らかにした。核抑止に頼らない安全保障政策などについて議論し、核兵器廃絶に向けた働きかけをする。 7月21日に出発し、県やオーストリア政府が主催するサイドイベントへの出席や国連や各国政府関係者との協議を経て、同27日に帰国する。 核兵器廃絶を目指す国内外の都市でつくる非政府組織(NGO)「平和首長会議」の会長を務める広島市の松井一実市長も同21日から26日の日程で現地を訪れ、委員会への
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高速炉開発、原子力機構に新組織 もんじゅ後継、実現目指す
経済産業省は19日、次世代型原発と位置付ける高速炉の研究開発を担う新たな組織を、日本原子力研究開発機構に7月1日付で設置することを決めた。廃炉になった原型炉もんじゅ(福井県)の後継となる実証炉の実現を目指す。大手電力各社も担当者を新組織に派遣する。 新組織は新たな高速炉に用いる核燃料技術を2026年度ごろに選定する。原子力規制委員会の審査手続きや、米国やフランスとの共同研究にも取り組む。経産省は既に、新型炉の概念設計を担う中核企業として三菱重工業を選定。28年度ごろに設計の詳細化や許認可手続きへ進むかどうかを判断し、40年代の運転開始を目指す。
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核テロへのリスク対応を 米アカデミーが警鐘
【ワシントン共同】米科学・工学・医学アカデミーは18日、米国の核テロ対策に関する報告書を発表した。「攻撃が差し迫っているわけではない」とする一方、テロ実行の恐れがある組織や利用可能な核物質が増え、新たなリスクが生じていると指摘。「米国は脅威の変化に追い付いていない」と警鐘を鳴らし、政府に対応を求めた。 報告書は議会の求めで作成した。既存社会を破壊し、白人至上主義などの目的を早期に達成しようとする「加速主義」の組織が米軍関係者を勧誘していると指摘。核関連の情報や物質が流出する事態を懸念した。 国防・情報機関の関心が中国やロシアとの
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豪野党、原発解禁を公約 7候補地、2035年稼働目指す
【シドニー共同】オーストラリアの二大政党勢力の一角である野党陣営の保守連合は19日、同国で禁止されてきた原発の解禁を1年以内に行われる総選挙の公約に掲げると発表し、東部や南部、西部の七つの建設候補地を明らかにした。2035~37年に2基を稼働することを目指す。既存の石炭火力発電所の雇用人員や送電網を活用するとしている。 アルバニージー政権と与党労働党は、原発は費用に見合わないと解禁に強く反対しており、選挙の大きな争点になるのは確実だ。 保守連合を構成する最大野党、自由党のダットン党首はシドニーで記者会見し、再生可能エネルギーを中
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オーストラリア野党、原発解禁を公約
【シドニー共同】オーストラリアの二大政党勢力の一角である野党の保守連合は19日、同国で禁止されてきた原発の解禁を総選挙の公約にすると発表し、建設の7候補地を明らかにした。
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中国と韓国、朝鮮半島情勢を協議 初の次官級2プラス2
【ソウル共同】韓国と中国は18日、外務・国防当局の次官級による外交安全保障対話(2プラス2)を初めてソウルで開き、朝鮮半島情勢を協議した。韓国は、北朝鮮によるごみ風船や弾道ミサイル発射などで南北の緊張が高まる中、プーチン・ロシア大統領の訪朝でロ朝の軍事協力が進むことへの憂慮を示した。韓国外務省が発表した。 韓国はロ朝の軍事協力強化は朝鮮半島の緊張を一層高めるため中国の利益にも反すると訴え、朝鮮半島の平和や北朝鮮の非核化へ「建設的な役割」を果たすよう求めた。中国は役割を果たすと応じた。双方は2プラス2の定期開催で一致した。 中韓は
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静岡空港 続く人手不足 コロナ禍収束で需要好転、地上支援手薄に
復便遅れの一因、静岡県は採用活動支援 静岡空港で地上スタッフの人手不足が続いている。新型コロナウイルス禍の収束で航空需要が好転し、就航の引き合いが増えた一方、人員体制の再構築が追いつかず、復便遅れの一因に指摘される。定期便数をコロナ禍前の水準に戻すことを当面の目標に掲げる県は「国内外の旅客取り込みは観光や経済の活性化に直結する。人材確保に全力で取り組む」とし、採用活動を支援して打開を図る。 人手不足が深刻なのは航空機の誘導や空港カウンター対応、手荷物の仕分けなどを担う地上支援業務。雇用企業のエスエーエス(牧之原市)によると、コロナ禍の採用抑制や離職で従事者が2割程度減少した。 現在は回復
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燃料冷却10時間ぶり再開、福島 第1原発6号機の電源トラブル
東京電力福島第1原発6号機で18日朝に高圧電源盤のブレーカーが落ち、使用済み核燃料プールに冷却水を送るポンプが停止したトラブルで、東京電力は18日、ポンプが午後6時20分ごろ、約10時間ぶりに運転を再開したと発表した。使用済み燃料は十分冷えていたため、ポンプ停止中にプールの水位、水温に有意な変動はなかったという。 東電によると18日午前8時35分ごろ、高圧電源盤のブレーカーが落ちた。非常電源であるディーゼル発電機が自動で起動したものの、ポンプはすぐには動かず、復旧作業を進めていた。 共用プール建屋への燃料の移送を進めており、6号
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危険ブロック塀把握進まず、大阪 地震から6年、補助廃止自治体も
2018年に小学4年女児がブロック塀の下敷きになり死亡した大阪府北部地震から18日で6年。国や自治体はブロック塀の耐震対策を強化したが、危険な塀が全国にどの程度あるか把握は進んでいない。撤去や改修への補助をやめる自治体も出ており、専門家は「次の震災に備え、行政が対策を主導するべきだ」と訴える。 文部科学省は地震を機に、国公私立の学校や幼稚園の敷地内にある塀の全国調査に着手。20年9月時点で8%の約4300校で撤去や点検といった対策が未完了だと発表したが、その後の状況は調べていない。担当者は「調査を終えたわけではないが、次の予定は決まっていない」と話す。
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福島原発6号機で燃料冷却停止 電源トラブル、東電が原因調査
東京電力は18日、福島第1原発6号機の高圧電源盤のブレーカーが落ち、使用済み核燃料に冷却水を送るポンプが停止したと発表した。担当者は「使用済み燃料は十分に冷却された状態のため、直ちに大きな影響はない」と説明。復旧を急ぐとともに原因を調べている。 東電によると18日午前8時35分ごろ、高圧電源盤のブレーカーが落ち、非常電源であるディーゼル発電機が自動で起動したが、午後0時半時点でポンプは動かず、冷却は再開していない。6号機の燃料プールには使用済み燃料が約1400本、新燃料が約200本あるという。 電源盤トラブルとほぼ同じ頃に、6号
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福島第1原発6号機で使用済み燃料冷却停止
東京電力は18日、福島第1原発6号機の高圧電源盤の電力供給が止まり、使用済み核燃料を冷却する水を送るためのポンプが停止したと発表した。燃料は十分冷却されており直ちに影響はないとしている。
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大阪北部地震から6年 女児犠牲の小学校で献花
関連死を含め6人が死亡した2018年の大阪府北部地震から18日で6年となった。小学4年三宅璃奈さん=当時(9)=が倒壊したブロック塀の下敷きになり犠牲となった同府高槻市立寿栄小では、浜田剛史市長や松山健次校長らが献花、黙とうした。 雨の降る中、浜田市長らは地震発生時刻の午前7時58分ごろ、小学校正門前に置かれた献花台に花を手向けて黙とう。市長はその後、市内で市幹部職員約100人に対し「北部地震の経験を風化させることなく、将来に引き継いでいくことが肝要だ。大地震への警戒感を強め、強靱なまちづくりを推進する」と訓示した。 地震は最大
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エネルギー あるべき姿は 基本計画改定へ議論開始、若者や専門家に聞く
政府は原発回帰に注力 国の新たなエネルギー基本計画の議論が始まった。脱炭素社会実現へ、化石燃料に頼る現行計画は転換を迫られる。再生可能エネルギーに加え、政府は原発の「最大限の活用」に意欲を示すが、重大事故の懸念は残る。経済界や一部の有識者が中心の議論に、多様な声をどう反映させるのかも課題だ。エネルギーのあるべき姿を、国内外の若者や専門家に聞いた。 政府は新たなエネルギー基本計画の2040年度の電源構成で、石炭火力抑制や再生可能エネルギーと原発の上積みを目指す。東京電力福島第1原発事故を教訓とした「原発依存度低減」撤回も視野に入る。気候危機と化した地球温暖化と、ロシアのウクライナ侵攻に伴う
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日中、処理水協議を加速 外務省局長、対話解決確認
日中両政府は17日、北京で外務省局長協議を開き、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、これまでの意思疎通を踏まえ、協議プロセスを加速していくことで一致した。建設的態度で、協議と対話を通じて問題を解決する方法を見いだすと確認した。 鯰博行アジア大洋州局長、中国の劉勁松アジア局長が出席。日本外務省が発表した。 鯰氏は日本産水産物の輸入停止措置の即時撤廃を改めて要求。沖縄県・尖閣諸島周辺の排他的経済水域(EEZ)で設置を確認した中国ブイの撤去や、中国で拘束された邦人の早期解放を重ねて申し入れた。台湾に関する日本の立場も伝えた。
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ルワンダ30年、長崎で追悼式 駐日大使「虐殺に反対の声を」
1994年に約80万人が犠牲となったとされるルワンダ大虐殺から今年で30年となり、長崎原爆資料館で追悼イベントが17日開かれ、登壇したムカシネ・マリー・クレール駐日大使が「私たちは皆、大量虐殺や憎悪がどこで起ころうとも反対の声を上げなければならない」と訴えた。 イベントは同国出身で、内戦により難民となり、日本国籍を取得した福島市在住の永遠瑠マリールイズさん(58)が中心となって開催した。自身も大虐殺で兄を失ったという。最後の被爆地として、平和教育をはじめ継承活動を続けてきた長崎市で平和への思いを共有する狙いで企画した。 大使は被
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核兵器関連に14兆円超支出 23年に9カ国、増加幅拡大
【ビュルゲンシュトック共同】国際非政府組織(NGO)、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は17日、核兵器保有9カ国による2023年の核兵器関連支出が前年比13・4%増の914億ドル(約14兆3800億円)に上ったとの推計を発表した。増加幅も拡大。全ての国に対し、核兵器を全面的に違法化した核兵器禁止条約に参加するよう訴えた。 最大の支出国は米国で、全体の過半を占める515億ドル。弾道ミサイルを搭載する原子力潜水艦の入れ替えなどを含む核兵器関連の最新鋭化を進めており、前年比17・8%増と9カ国の中で最も高い伸び率を示した。中国が119億ドルで続き、ロシアが83
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中国の核戦力増強に警戒感 官房長官「急速で不透明」
林芳正官房長官は17日の記者会見で、中国が保有する核弾頭数が推計で500発に増えたとのストックホルム国際平和研究所の発表を受け、警戒感を示した。「中国は急速かつ不透明な形で、核戦力の能力向上を継続しているとみられる」と述べた。 核兵器のない世界に向けた道筋は一層厳しさを増していると強調。唯一の戦争被爆国として、岸田文雄首相が提唱する核軍縮の行動計画「ヒロシマ・アクション・プラン」を実行していくと語った。
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雨記述41件も「客観事実ない」 被爆体験者巡り厚労省調査
長崎原爆に遭いながら国に指定地域外とされ、被爆者認定されていない「被爆体験者」を巡り、厚生労働省は17日までに、放射性物質を含む「黒い雨」などの降下状況を検証するため実施した被爆体験記調査の結果を公表した。地域外での雨の記述が41件あったが、専門家の意見を踏まえ「降雨などを客観的事実として捉えることはできない」と結論付けた。 厚労省は昨年7月~今年6月、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館が所蔵する体験記など約13万件を対象に調査。被爆地域外の3744件を抽出し、雨に関する記述が41件、飛散物に関する記述が159件あった。 その上で
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【世界平和サミット】ウクライナ案、一歩前進 ロ孤立回避、和平は遠く
ウクライナ提唱の和平案を話し合う「世界平和サミット」に57カ国の首脳級がそろい、共同声明を採択した。ロシア軍撤退を明記した案を旗印に国際的な団結を誇示し、ロシアに受諾を迫る戦略は一歩前進したが、地域大国のインドなどは声明に加わらなかった。ロシアは欠席圧力をかけ、多くの新興国が首脳を送らなかった。不参加の中国はロシアに肩入れした独自の和平案を公表。分裂した世界の中でロシアは孤立を回避し、和平実現は遠い。 ▽結束訴え 「結束した世界は、いかなる侵略者よりも強い」「われわれは、世界の分断という最も恐ろしい事態を回避できた」
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中国核弾頭、推計500発 世界総数は1万2千超
【ロンドン共同】スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は17日、1月時点で中国が保有する核弾頭数が昨年同月から90発増え、推計500発になったと発表した。世界の核弾頭総数(推計)は昨年から微減の1万2121発となったが、核兵器の開発は各地で進んでおり「各国が核抑止力への依存を深めている」と懸念を示した。 中国については「どの国よりも核戦力を速く拡大させている」と指摘。将来的には核大国の米国やロシアに匹敵するほど、運搬手段の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を配備する可能性もあるとした。 北朝鮮は20発増えて約50発
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平和サミット閉幕 原発、食料安保で共同声明、80カ国支持
【ビュルゲンシュトック共同】ロシアに侵攻されるウクライナが提唱する和平案「平和の公式」を協議するスイス中部ビュルゲンシュトックでの「世界平和サミット」は16日閉幕し、ロシアが占拠する原発の安全確保や食料安全保障、強制連行された市民の帰還の3項目を盛り込んだ共同声明を採択した。 主催国スイスによると、80カ国と四つの国際機関が支持したが、新興国のインド、サウジアラビア、南アフリカなどは加わらなかった。今後、3項目に関する行動計画の詳細を詰める。 共同声明で国際的な結束を示してロシアに外交圧力をかけ、最終的に平和の公式をのませたい考え。ゼレンスキー大統領は、国際的に承認された行動計画を策定後
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ウクライナ、団結を誇示 平和サミットに57カ国首脳級 ロシアは欠席で圧力 和平の着地点見えず
ウクライナ提唱の和平案を話し合う「世界平和サミット」に57カ国の首脳級がそろい、16日、共同声明を採択した。ロシア軍撤退を明記した案を旗印に国際的な団結を誇示し、ロシアに受諾を迫る戦略は一歩前進したが、地域大国のインドなどは声明に加わらなかった。ロシアは欠席圧力をかけ、多くの新興国が首脳を送らなかった。不参加の中国はロシアに肩入れした独自の和平案を公表。分裂した世界の中でロシアは孤立を回避し、和平実現は遠い。 成功アピール 「結束した世界は、いかなる侵略者よりも強い」「われわれは、世界の分断という最も恐ろしい事態を回避できた」 風光明媚(めいび)な湖畔リゾートで開かれたサミット初日の
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世界平和サミット、共同声明発表
【ビュルゲンシュトック共同】世界平和サミットは原発の安全確保や食料安全保障、強制連行された市民の帰還の3項目を盛り込んだ共同声明を発表した。
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原発安全や食料で合意可能 ゼレンスキー氏が演説
【ビュルゲンシュトック共同】ロシアが侵攻するウクライナのゼレンスキー大統領は15日、自らの和平案を協議するスイス中部ビュルゲンシュトックでの「世界平和サミット」で演説し「公正な平和」を訴えた。参加した計100の国や国際機関が、ロシアが占拠する原発の安全や食料安全保障、強制連行された市民の帰還の3項目で合意可能だとの見方を示した。 サミットは16日に閉幕する。ウクライナ大統領府高官によると、合意内容を盛り込んだ共同声明の発表に向けて詰めの調整が続いた。 ゼレンスキー氏の和平案「平和の公式」はロシア軍の即時全面撤収を含む10項目。ウ
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放射性廃棄物を資源に 原子力機構28年度目標 希少な金属取り出し 熱や放射線 電気に変換 劣化ウランで蓄電池
原子力発電に伴って発生する放射性廃棄物などを、資源として有効利用しようというプロジェクトを日本原子力研究開発機構(原子力機構)が立ち上げた。担当者は「原子力のイメージを変える成果を出していきたい」と意気込んでいる。 放射性廃棄物は大きく二つに分けられる。使用済み核燃料からプルトニウムなどを回収する工程で生じた放射能レベルの高い廃液をガラスで固めた高レベル廃棄物と、原発の運転や廃炉作業で発生する消耗品やコンクリートなどの低レベル廃棄物だ。原発を使い続ける上で廃棄物の処分は避けて通れない課題だが、低レベルの中でも比較的放射能レベルの低いものを除いては処分場のめどが立っていない。 天然ウラン
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G7サミットが閉幕 声明、中国に対ロ物資停止要求
【ファサーノ共同】先進7カ国(G7)は14日(日本時間15日未明)、イタリア南部プーリア州ファサーノでの首脳会議(プーリアサミット)の成果をまとめた首脳声明を発表した。中国に対し、軍民両面で利用可能な物資のロシアへの移転停止を要求。ロシアの軍事機構を支援する中国や第三国の金融機関などに国際取引の制限といった制裁を科すと明記した。労働分野での人工知能(AI)の利用に関する行動計画を立ち上げると盛り込んだ。 首脳声明は、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの揺るぎない支援を明確にした。制裁で凍結したロシア資産を活用し、ウクライナに500億ドル(約7兆8千億円)の提供
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中国に対ロシア物資停止を要求 G7、北朝鮮の軍事支援非難
【ファサーノ共同】先進7カ国(G7)は14日(日本時間15日未明)、イタリア南部プーリア州ファサーノでの首脳会議(プーリアサミット)の成果をまとめた首脳声明を発表した。中国に対し、軍民両面で利用可能な物資のロシアへの移転停止を要求。北朝鮮とロシアの軍事協力を「可能な限り最も強い言葉で非難」した。インド太平洋地域の平和と安定が世界の繁栄の鍵だと主張した。人工知能(AI)の労働分野での利用に関する行動計画を立ち上げると明記した。 首脳声明は、ロシアによる侵攻が続くウクライナに対するG7の揺るぎない支援を改めて明確にした。制裁で凍結したロシア資産を活用し、ウクライナ
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【戦後79年】凄惨な歴史、目背けないで 丸木夫妻「沖縄戦の図」 大作完成から40年
連作絵画「原爆の図」で知られ、戦争の悲惨さに肉薄した画家の故丸木位里・俊夫妻による大作「沖縄戦の図」が今春、完成から40年となった。作品を多くの人に見てもらおうと、30年前、沖縄県宜野湾市に佐喜真美術館を開いた佐喜真道夫さん(78)は「住民を巻き込む凄惨な戦争の歴史から目を背けてはいけない」と訴える。 血を流して地に崩れ落ちた人や、炎に追われ逃げ惑う母子…。壁一面を覆う縦4メートル、横8・5メートルの絵を前に、来館者は立ち尽くし、後ずさりし、手で口を覆っていた。 同館によると、夫妻は1983年秋に制作を開始。「命を落とした人々の
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廃止措置進捗を確認 浜岡原発1、2号機 原子力規制委が調査
原子力規制委員会の田中知委員が14日、中部電力浜岡原発1、2号機(御前崎市佐倉)の廃止措置の取り組みを現地調査した。中電が同委員会に提出した廃止措置計画の変更認可申請に関する審査の一環。田中委員ら10人が原子炉領域周辺設備の解体など作業の進捗(しんちょく)状況を確認した。 中電は2024年度、商業炉としては国内初の原子炉領域の解体撤去に着手する方針を示している。廃炉作業が先行する2号機の原子炉建屋では、15年度から原子炉領域周辺設備の撤去が行われていて、田中委員は原子炉の圧力上昇を抑制するための設備の解体現場や格納容器の内部を見て回った。1号機タービン建屋も訪れ、発電機の解体状況なども調査
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きょう平和サミット開催 スイスでウクライナ案協議
【ビュルゲンシュトック共同】スイス中部ビュルゲンシュトックで15日、ウクライナ提唱の和平案を協議する「世界平和サミット」が開かれる。約90カ国・地域から首脳や閣僚が参加し、原発の安全や食料安全保障、捕虜などの人道問題といった項目に焦点を当て議論する。日本からは岸田文雄首相が出席する。16日まで。ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、スイスに到着した。 和平案「平和の公式」は、ロシア軍の全面撤退やウクライナ領土の一体性回復など10項目が盛り込まれている。サミットでは、うち数項目に議論の対象を絞り合意文書をとりまとめたい考え。 ロ
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ロボット開発拠点、来年4月統合 福島、研究・活用推進へ
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に向け、国が設立した福島国際研究教育機構(F―REI、浪江町)と、ロボット研究開発拠点の福島ロボットテストフィールド(南相馬市、浪江町)が来年4月に統合することが14日、決まった。ロボットやドローンをはじめとした先端技術の研究開発を加速し、災害対応や農林業などへの活用促進を図る。 F―REIと福島県が同日、南相馬市で統合の基本合意を締結した。F―REIの山崎光悦理事長は「世界に負けない研究開発を進めていきたい」と抱負を語った。 F―REIは、県沿岸部での新産業創出を目指す「福島イノ
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熱海市、常滑市の宿泊税に同意 松本総務相、1人1泊200円
松本剛明総務相は14日、ホテルや民泊などの利用者に課す宿泊税を静岡県熱海市と愛知県常滑市が新設することに同意した。自治体が条例に基づき使い道をあらかじめ特定し、徴収する法定外目的税。両市とも1人1泊につき200円。受け入れ環境整備や情報発信などの観光振興に充てる。 中部空港を抱える常滑市は来年1月6日の導入を目指し、年間約2億円の税収を見込む。温泉地の熱海市は来年4月1日開始に向け準備を進め、税収は約6億円と見積もる。 総務省によると、宿泊税は東京、大阪、福岡の3都府県と金沢市や京都市など6市町で導入済み。北海道ニセコ町も今年1
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新原子力規制委員の長崎氏が抱負 「日本や世界を守る仕事」
9月に原子力規制委員会の委員に就任するカナダ・マクマスター大の長崎晋也教授(原子力工学)が14日、報道陣の取材に応じ「国民の安全、日本の環境、世界を守る大きな立場の仕事。日本や世界に貢献できる機会だ」と抱負を語った。 田中知委員の後任で、4月18日付で規制委参事に就いている。四国電力、東京大大学院教授などを経て2012年からマクマスター大教授。 東京電力福島第1原発事故を振り返り「(規制当局が原発推進側に取り込まれる)『規制のとりこ』になっていたという強い反省の下、規制委が設立された。国民の期待を裏切るようなことがあってはならな
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ホタテのお礼に「亀岡牛」贈る 京都から北海道森町の子どもに
京都府亀岡市は14日までに、ブランド牛「亀岡牛」を北海道森町の子どもたちの給食用に無償提供することを決めた。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に伴う中国による日本産水産物の輸入停止で、森町は事業者からホタテを買い取り学校給食用として各地の自治体に無償で配っていた。亀岡市はその「お礼」を7月に贈る。 市では1月、小学生ら約5千人が学校給食でホタテが入った八宝菜を味わった。桂川孝裕市長は「たくさんの子どもたちにホタテを頂戴した。もらいっ放しでは悪いですし」と話し、森町と「食の交流」を深めたいとしている。 贈るのはばら肉20キロとも
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福島第1原発で作業員倒れ、死亡 休憩所で、協力企業の50代男性
東京電力は14日、福島第1原発で13日に協力企業の50代男性作業員が体調不良で病院に運ばれ、死亡が確認されたと発表した。 東電によると、作業員は13日午後0時45分ごろ、第1原発の休憩所で倒れているのが見つかった。心肺停止の状態で搬送され、午後に死亡が確認された。死因は「家族の意向で明らかにしない」としている。 午前11時ごろから約10分間、第1原発敷地内で放射線量を計測する作業をしていたという。
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イラン、濃縮設備増強 IAEA決議に反発か
【ウィーン、ワシントン共同】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は13日、イランがウラン濃縮設備を増強していることなどを加盟国に報告した。関係筋が明らかにした。IAEAの理事会は今月、イランに対し、IAEAの一部査察官を拒否していることの見直しなどを要求する決議を採択しており、イランが反発した可能性がある。 米国務省は13日、IAEAの報告を受け、イランの核開発が平和利用目的ではないことを示す証左だとしてイランを批判する声明を発表した。イランがIAEAに非協力的な姿勢を取り続けるのであれば、同盟国と連携して圧力を強化する用意があると警告した。
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財政健全化へ施策 「前例とらわれず」 御前崎市議会で市長
御前崎市議会6月定例会は13日、一般質問を行った。下村勝市長は市の財政状況について「(財政の)健全化は急務」との認識を示し、「前例にとらわれることなく歳入歳出ともにさまざまな施策を実施していきたい」と述べた。 市によると、2011年に中部電力浜岡原発が停止して以来、市の財政状況が悪化。15年度約88億円だった財政調整基金残高は24年度末で約26・9億円まで減少する見込み。 下村市長は歳入増加策として「ふるさと納税や広告収入、ネーミングライツなど新たな財源を確保したい」と強調。歳出削減の必要性にも触れ、「既存事業の費用対効果を検証し、公共施設の適正化による維持管理費の削減を図りたい」と述べた。
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【G7サミット】薄れる「広島レガシー」 続く侵攻、増す核脅威
岸田文雄首相はイタリア開催の先進7カ国首脳会議(G7サミット)に出席する。法の支配に基づく国際秩序の堅持や、「核兵器のない世界」の実現といったG7広島サミットの成果の継承を目指す。ところが国際社会では、ロシアによるウクライナ侵攻や中国の威圧的行動が続く。ロシアや北朝鮮による核兵器の脅威は増すばかりだ。首相が誇る広島サミットのレガシー(遺産)の意義は薄れつつある。 ▽議論リード 「昨年のG7広島サミットの成果を踏まえ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持、強化を重視し、議論に取り組む」。12日、官邸。首相はイタリアへの出発
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東電柏崎原発、全検査完了 設備面の再稼働準備整う
東京電力は13日、柏崎刈羽原発7号機(新潟県)で実施していた再稼働に向けた検査を、12日までに全て終えたと発表した。設備面での準備が整った。実際の再稼働には新潟県の花角英世知事の同意が必要で、東電は「時期は未定」としている。 東電によると、7号機は4月15日に原子炉への核燃料装填を開始し、同26日に完了。原子炉圧力容器や格納容器など主要機器の確認を6月1日までに終え、その後、原子炉建屋内の配管や弁の開閉状況などを確認していた。 燃料の核分裂を抑えている制御棒を引き抜けば原子炉が起動し、再稼働となる。引き抜きには原子力規制委員会の
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【米朝首脳会談6年】金正恩氏「制裁つらい」 文前大統領、回顧録に記す
米国のトランプ前大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記が2018年にシンガポールで史上初の米朝首脳会談を開催してから12日で6年となった。金氏と計3回会談して米朝の「仲介役」を務めた韓国の文在寅前大統領は5月に回顧録を出版。金氏が「どうすれば米国を説得できるのか」「制裁はつらい」と漏らしていたと舞台裏を明かした。 「経済を発展させるのが最重要課題なのに(国連安全保障理事会の)制裁のせいで難しい」 回顧録によると18年4月27日、南北軍事境界線のある非武装地帯(DMZ)の板門店で開かれた南北首脳会談で金氏はこう吐露したという。
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柏崎原発、全検査完了
東京電力は、新潟県の柏崎刈羽原発7号機で実施していた再稼働に向けた検査を全て終えたと発表した。設備面での準備が整った。再稼働時期は未定としている。
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NATO核抑止「効果的」 事務総長、ロシアの威嚇に対抗
【ブリュッセル共同】北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は12日、ブリュッセルで記者会見し、核兵器がNATOの「究極の安全保障」だと強調した。ウクライナ侵攻を続けるロシアが核の威嚇を繰り返していることに対抗するため「NATOの核抑止力が効果的だと明確に伝える必要がある」と述べた。 NATOは13~14日にブリュッセルで国防相会合を開く。ウクライナ支援とともにNATOの核抑止力が議題になる。 ストルテンベルグ氏は、NATOがロシアだけでなく、中国の核の脅威にもさらされていると指摘。中国について「数年以内に現在より
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プーチン氏訪朝「数日内」 韓国高官が見解、根拠は不明
【ソウル共同】聯合ニュースによると、韓国大統領府高官は12日、ロシアのプーチン大統領が数日内に北朝鮮を訪問するとの見方を示した。根拠は不明。ロシア紙が10日、プーチン氏が数週間内に北朝鮮とベトナムを訪れる予定だと報道。12日には北朝鮮専門サイト「NKニュース」が、平壌の衛星画像で訪朝受け入れの準備動向を確認したと報じていた。 韓国の尹錫悦大統領が訪問中のカザフスタンで、高官が記者団にプーチン氏の訪朝が「数日内に迫った」と語った。「同じ時期に韓国と中国の外交・安全保障戦略対話がある」とも述べた。 対話は、尹氏と中国の李強首相が5月
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女川原発で計画外機器作動 外部への影響なしと東北電
12日午後7時半ごろ、宮城県女川町と石巻市にまたがる東北電力女川原発で、2号機原子炉建屋の空調点検中に計画していなかった非常用ガス処理系の機器が作動するトラブルが起きた。東北電によると、放射線監視装置(モニタリングポスト)などの数値に目立った変動はなく、外部環境への影響はないとしている。 計画外の作動は原子炉建屋の空調が停止したことが原因とみられ、東北電が詳しく調べている。空調が停止した理由は分かっていないという。 非常用ガス処理系は、放射性物質の放出を伴う事故が起きた際、原子炉建屋の気圧を大気圧より低くするとともに、建屋内の空
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核種分析の迅速化、研究へ 福島大、デブリ除去時に監視
福島大は12日、東京電力福島第1原発の溶融核燃料(デブリ)の取り出し時に、原子炉格納容器に注いでいる循環冷却水や原子炉建屋地下の滞留水に放射性物質がどの程度移行したかを迅速に分析する技術の開発を始めると発表した。 汚染の拡散を抑制しながらデブリを取り出すには、モニタリング技術の高度化が必須。研究に当たる高貝慶隆教授(工学)は「2030年度までの実用化を目指す」と意気込んだ。 同大によると、放射性物質の特定には質量分析などの手法を使うが、試料に複数の核種が含まれる場合、測定前に分離するなどの処理に時間がかかる。研究では前処理工程の
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G7開幕へ広島サミット継承図る 首相「法の支配」主導
岸田文雄首相は12日、先進7カ国首脳会議(G7サミット)が開催されるイタリア南部プーリア州に向け、政府専用機で羽田空港を出発した。昨年5月のG7広島サミットで確認した「法の支配に基づく国際秩序の維持」へ引き続き主導役を果たす決意を表明。中国による威圧的行動をけん制し「核兵器のない世界」の理念継承を図る。サミットは13日に開幕する。 首相は出発に先立ち官邸で記者団に、広島サミットを踏まえて自由で開かれた国際秩序を重視して討議に臨む考えを強調。「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国との連携にも意欲を示した。その上で「G7として国際社会が直面する諸課題に向け、議
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大自在(6月12日)原子力のかじ取り
日本初の原子力船「むつ」から撤去した原子炉が青森県むつ市の科学技術館に展示されている。10年ほど前に訪れ、分厚いコンクリートと鉛ガラス越しに見学した。展示といえば聞こえはいいが、原子炉の捨て場がない故の苦肉の策と聞き、放射性廃棄物の処分問題の難しさを改めて実感したことを覚えている。 「むつ」が進水したのは1969年のきょう。造船大国の誇りと原子力の平和利用という期待を一身に背負っての船出だった。ところが74年、航海中に放射線漏れ事故を起こす。 母港だったむつ市の大湊港への寄港に住民が反発し、洋上で50日間も漂流する憂き目をみた。中部電力浜岡原発をはじめ国内各地で原発の建設ラッシュが始まっ
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正念場のウクライナ
【ベルリン共同】ロシアの攻勢を受けるウクライナが現状打破に向けた正念場を迎えている。ゼレンスキー大統領はベルリンで11日に始まった「ウクライナ復興会議」を皮切りに、13日にイタリアで先進7カ国首脳会議(G7サミット)、15~16日にスイスで開かれる「世界平和サミット」に続けて出席。三つの会合を通じ、国際社会との連携強化を図る構えだ。 「今後数週間は今年を左右するものになる」。ゼレンスキー氏は今月初めに強調した。7日にはパリでバイデン米大統領と約半年ぶりに会談し、追加軍事支援を引き出した。 最も重要視しているのが世界平和サミットだ。ゼレンスキー氏は2022年11月に和平案「平和の公式」を提唱し
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中電社員ら100人、浜岡砂丘のごみ拾い 御前崎
中部電力と御前崎市商工会青年部はこのほど、同市池新田の浜岡砂丘で海岸清掃を実施した。浜岡原発で働く中電や協力会社の社員ら約100人が作業に汗を流した。 参加者は砂浜に漂着したペットボトルやプラスチック容器を拾い集めた。捨てられた釣り具などもあった。1時間で約130キロのごみを回収した。 砂丘清掃は地域貢献活動の一環。今年で37回目。
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震災避難者 安らぐ居場所を 原発事故 家失い、大病煩った女性 「カフェ」代表に【生き抜く】
柔らかな風に潮の香りが混じる。鳥のさえずりが降ってくる。4月半ば、福島県大熊町の小入野地区。渡部まゆみ(67)はかつて自宅のあった付近に立ち、ため息をついた。「ここが玄関、そこが畑で、あのあたりが竹やぶだった。タケノコがたくさん採れたんです」 東日本大震災で爆発した東京電力福島第1原発から3キロ圏内で、今は中間貯蔵施設とされる区域。福島県内から運び込まれた汚染土や廃棄物を保管する。2045年までに県外で最終処分する予定だが、場所は未定だ。 貯蔵区域は大熊町と隣の双葉町にまたがる。地権者たちは「土地を国に貸すか売るか」の選択を迫られた。渡部は17年、田畑や竹やぶを含めた土地約1・1ヘクター
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伴英幸さん死去、72歳 原子力資料情報室の共同代表
脱原発の実現を訴える市民団体「原子力資料情報室」共同代表の伴英幸(ばん・ひでゆき)さんが10日午後0時35分、がんのため東京都中央区の病院で死去した。72歳。三重県出身。葬儀・告別式は近親者のみで行う。 早稲田大卒業後、チェルノブイリ原発事故をきっかけに、脱原発法制定運動事務局などを経て1990年、原子力資料情報室スタッフに。95年に事務局長、98年から共同代表。東京電力福島第1原発事故への対応や、その後の国の原子力政策に対し、批判的な立場から発言した。
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原子力資料情報室共同代表の伴英幸さん死去
脱原発の実現を訴える市民団体「原子力資料情報室」共同代表の伴英幸さんが10日、がんのため死去した。72歳。三重県出身。
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青森県も中間貯蔵に核燃税 地元むつ市と同額徴収へ
青森県は11日、今夏にも原発の使用済み核燃料が初めて搬入される計画の中間貯蔵施設(同県むつ市)について、県の核燃料税の課税対象に加える方針を明らかにした。条例改正案を13日開会の県議会に提出する。既にむつ市が独自の核燃料税を創設しているが、県も市と同じ額を徴収する。 県の課税案によると、施設で保管する核燃料のウラン1キロ当たりに対して、事業者のリサイクル燃料貯蔵(RFS)から年620円を徴収する。税収は2028年度までの5年間で約2億6千万円を見込む。 施設への課税を巡っては、宮下宗一郎知事がむつ市長だった19年、県に先んじて検
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核実験被ばく者補償法が失効 米議会、延長ならず
【ロサンゼルス共同】米国が実施した大気圏内核実験の影響で被ばくし、がんなどを患った住民らを対象とする「放射線被ばく補償法」が失効し、10日に補償金申請の受け付けが終了した。上院では延長した上で対象を大幅に拡大する改正案が可決したが、米メディアによると、下院で予算上の懸念などから採決に至らなかった。 米国では1945~62年に大気圏内核実験を約200回実施。補償法の対象は、核兵器に使うウランの採掘・精製・運搬に携わった作業員や核実験の現場従事者、ネバダ実験場(西部ネバダ州)周辺の特定地域で暮らしていた住民らで、5万~10万ドル(約780万~1570万円)を補償す
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能登支援、布草履に心込め 東北の女性たち、ふっくら編む
東日本大震災の被災地を中心とした布草履作りによる収益の一部を、能登半島地震の被災地に寄付しようと、東北沿岸部の女性たちが心を込めて手作業に励む。2011年の震災を契機に始まった「ふっくら布ぞうりの会」の活動の一環だ。 5月中旬、宮城県石巻市の西村しげさん(76)の自宅に会のメンバーの女性計6人が集まり、布草履を編んだ。月に数回、おしゃべりを楽しみながら製作している。ノルマはなく、それぞれのペースで参加する形式だ。 西村さん宅は津波で浸水し、自身も車ごと流された体験がある。西村さんは能登の被災地に「きっと笑える日が来る」と伝えたい
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水俣病 終わらない歴史 「痛み」想像し続ける【らせんの風景】
公害の原点と呼ばれる水俣病。公式確認から68年となる今年5月1日、患者・被害者団体と環境相との懇談で、団体側の発言が遮られる問題が起きた。水俣病は今、私たちに何を問うているのか、あらためて考えた。 水俣病は、熊本県水俣市のチッソ水俣工場が不知火海(八代海)に流した排水に含まれていた毒性の強いメチル水銀が原因だ。 ▽地域が一変 問題に初期から関わった医師の故原田正純。著書「水俣病は終っていない」(1985年刊行)で、水銀に汚染された魚介類を食べた住民らに健康被害が発生し、56年には5歳の少女が「箸が使えなくなり、歩行がふらつき、言葉が不明瞭になった」「次第に悪化し、狂躁[きょうそう]
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G7、ロ朝軍事協力「強く非難」 ウクライナへ確固たる支援
13日開幕の先進7カ国首脳会議(G7サミット)でまとめる首脳声明案の概要が判明した。ロシアの侵攻を受けるウクライナへの「確固たる支援」を軍事、財政、政治、経済面で続ける決意を確認。ロシアによる北朝鮮製弾道ミサイル使用に触れ、軍事協力拡大を「最も強い言葉で非難する」とした。中台関係に関し、台湾海峡の平和と安定は「国際的な安全保障や繁栄に不可欠」と明記した。外交筋が10日、明らかにした。 G7サミットは13~15日にイタリア南部プーリア州で開かれ、日本から岸田文雄首相が出席する。2022年2月に始まったロシアの侵攻が長期化し、欧米を中心にウクライナへの支援疲れが顕
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貴重な学び、海外も注目 被災地への「教育旅行」
東日本大震災の被害や復興の実態を直接知ろうと被災地を訪れる「教育旅行」に、海外からの関心が高まっている。地域の高齢化や人口減少など各国共通の課題も多く、貴重な学びの場に。被災自治体も、英語を使える語り部を育成するなど積極的な受け入れ策に乗り出している。 「地元の農家とどう関係を築いていますか?」 「頻繁に足を運び、次第に打ち解けました」 韓国の大学生約30人が2月、仙台市沿岸部を訪問。農業を通じて地域おこしに取り組む団体「ReRoots(リルーツ)」の大学生らが出迎え、熱心な質疑応答が交わされた。
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機構、核ごみ文献調査を開始 佐賀・玄海町で、立地自治体初
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は10日、佐賀県玄海町での文献調査実施に伴う事業計画の変更が経済産業相に認可され、同日付で調査を始めたと発表した。文献調査は北海道寿都町と神恵内村に続き全国で3例目。原発立地自治体では初めて。 調査対象となるのは玄海町全域と沿岸海底。処分場選定の第1段階となる文献調査では、断層や火山などに関する地質図や学術論文などのデータを分析する。期間は2年程度を見込む。
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非核願い座り込み500回 長崎の被爆者ら、45年継続
長崎の被爆者らが8月9日の「原爆の日」にちなみ、毎月9日に長崎市の平和公園で核廃絶を訴える座り込み集会が、9日で通算500回目を迎えた。原子力船入港への抗議運動を機として1979年に始まり、高齢化や新型コロナウイルス禍を乗り越え、45年休まず継続。参加者はマイクを握り「核兵器と戦争のない世界」の実現を呼びかけた。 主催団体の一つ「長崎県平和運動センター」によると、この日は被爆者や若者ら約420人が参加。平和祈念像の前で横断幕やプラカードを掲げ、原爆がさく裂した午前11時2分に黙とうした。 5歳で被爆した川野浩一さん(84)があい
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原爆責任問う法廷へ議論 「核兵器存在に平和ない」
韓国の市民団体などは8日、米国による原爆投下の責任を問う市民法廷を準備するための第2回国際討論会を広島市で開いた。「核兵器が存在する限り平和はない」と、韓国の被爆者や日本、欧米の専門家ら約200人が参加。2026年に米国での法廷開催を目指し、原爆投下の不法性などを議論した。 広島市で被爆した韓国原爆被害者協会陜川支部長の沈鎮泰さん(81)は「加害者がいないというのはあり得ない。核兵器の製造と使用に反対し、謝罪と賠償を要求したい」とあいさつした。 江原大の呉殷政教授(文化人類学)は、韓国の原爆被害者は米国の責任を問うてきたが、日米
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東北絆まつり仙台で開幕 2巡目、能登復興も願い
東日本大震災からの復興を願い、東北6県を代表する夏祭りが一堂に会する「東北絆まつり」が8日、仙台市で開幕した。6県持ち回りで開催してきて今回から2巡目。本格的な夏を思わせる暑さの中、多くの見物客がかけ声や手拍子で盛り上げた。会場には能登半島地震の被災地支援のための募金箱や、短冊に応援メッセージを書く場所が設置された。 仙台市は9日までの2日間に約45万人の人出を見込んでいる。 航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」の展示飛行もあり、空を見上げる人の姿も。ステージで青森ねぶた祭、秋田竿灯ま
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フジツボ防止に過酸化水素 東電、処理水放出設備で
東京電力は福島第1原発の処理水放出設備にフジツボや貝類といった海生生物が付着するのを防ぐため、処理水を海水で希釈する際に、殺菌剤や漂白剤に使われる過酸化水素を混ぜる運用を始める。沖合約1キロの放出口につながる海底トンネルのほか、ポンプや配管の内側が詰まるのを避けるとしており、環境への影響はないという。 東電によると昨年、海水で希釈した後の処理水が流れ込む立て坑の壁面に、複数のフジツボが付着しているのを確認した。過酸化水素は海水の取水路内に水溶液で注入し、一定の濃度にした上で取り込む。処理水とともに海へ放出されることについて、東電の担当者は「海中では微生物などの
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中間貯蔵事業者に安全協定要請へ 青森・むつ市に隣接する5町村
今夏にも原発の使用済み核燃料が初めて搬入される計画の中間貯蔵施設(青森県むつ市)を巡り、同市に隣接する東通村など5町村が、事業者のリサイクル燃料貯蔵(RFS)に対して安全協定の締結を要請する方針であることが8日、東通村への取材で分かった。県とむつ市、RFSの3者が搬入の前提となる安全協定の締結に向けて議論しているが、5町村はこれとは別に、RFSに締結を申し入れる。 東通村によると、5町村は、トラブル発生時などにRFSから確実に連絡が入る体制が必要だとの考えで一致。5町村が連携して安全協定締結を求めることで合意した。 RFSの担当
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W・アンダースさん死去 アポロ8号に搭乗、地球を撮影
ウィリアム・アンダースさん(米国の元宇宙飛行士、宇宙船アポロ8号飛行士)AP通信によると西部ワシントン州で7日、自身が操縦する航空機の墜落事故で死去、90歳。68年、アポロ8号に搭乗し、史上初の有人月周回飛行中に地球を撮影した。 33年10月、香港生まれ。海軍兵学校を卒業後、空軍に入隊。64年に米航空宇宙局(NASA)の飛行士に選ばれた。原子力規制委員会の初代委員長や駐ノルウェー大使を務めた。(ニューヨーク共同)
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かけがえのない日常失ったが「今はここが私の居場所」 福島から避難、埼玉の交流カフェで【生き抜く】「広域避難」
柔らかな風に潮の香りが混じる。鳥のさえずりが降ってくる。2024年4月半ば、福島県大熊町の小入野地区。渡部まゆみ(67)はかつて自宅のあった付近に立ち、ため息をついた。「ここが玄関、そこが畑で、あのあたりが竹やぶだった。タケノコがたくさん採れたんです」 東日本大震災で爆発した東京電力福島第1原発から3キロ圏内で、今は「中間貯蔵施設」とされる区域。福島県内から運び込まれた汚染土や廃棄物を保管する。2045年までに県外で最終処分する予定だが、場所は未定だ。 ▽必死で逃げる 貯蔵区域は大熊町と隣の双葉町
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米、数年内に戦略核の配備拡大も 中国、ロシア、北朝鮮を抑止
【ワシントン共同】米国家安全保障会議(NSC)で軍縮・不拡散を担当するバディ上級部長は7日、核戦力を増強するロシアや中国、北朝鮮への抑止策として「数年以内に米国が配備する戦略核兵器を増やす局面が来るかもしれない」と述べた。ワシントンで開かれたシンクタンク「軍備管理協会」の会議で語った。 ロシアは昨年2月、米国との間で唯一残った核軍縮合意、新戦略兵器削減条約(新START)の履行停止を表明。2026年2月の期限切れ後の新たな条約の交渉には応じない姿勢を示している。中国も米国との核軍縮協議を拒否している。 バディ氏は、中ロ朝にイラン
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核兵器使用の必要性「否定」 プーチン氏、侵攻前線で
【サンクトペテルブルク共同】ロシアのプーチン大統領は7日、ウクライナでの戦況はロシアにとって核兵器の使用が必要な状況には至っていないとの認識を示した。ウクライナを軍事支援する北大西洋条約機構(NATO)諸国を巻き込んだ核戦争に発展しないことを望んでいるとも述べ、核使用に慎重な姿勢をみせた。 プーチン氏は5日の各国通信社代表との会見で、国家の存続が脅かされる場合には核使用の可能性があると主張していた。7日の発言には、核使用の可能性を限定することで欧米との緊張を緩和し、「核の脅し」との対ロ批判をかわす狙いがあるとみられる。 ロシア北
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日中韓3首脳会議「発展の土台」 国際機関の李熙燮事務局長
日中韓でつくる国際機関「日中韓三国協力事務局」(ソウル)の李熙燮事務局長=韓国=が共同通信のインタビューに応じ、5月下旬に約4年半ぶりに開かれた日中韓首脳会談について「3カ国協力の長期的、安定的な発展の土台をつくる合意ができた」と評価した。(ソウル共同) ―会談の注目点は。 「対話を正常化させ、定期開催を再確認した。(日中韓の)相互信頼は回復途上で、会談の定例化を手放しで信じる国民は多くないかもしれないが、まず頻繁に会って交流することが重要だ」 「3カ国間の人的交流を2030年までに4千万人に増や
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福井・敦賀原発断層「7月結論」 原子力規制委、現地調査を終了
原子力規制委員会は7日、日本原子力発電が再稼働を目指す敦賀原発2号機(福井県)で敷地内断層の現地調査を終えた。担当の石渡明委員は調査後の取材に、焦点となっている原子炉建屋直下の断層が活動する可能性について判断材料がそろったとの見方を示し、「7月をめどに結論を出したい」と述べた。 石渡氏ら10人が参加した調査は6日から実施。7日は原子炉建屋の北約300mにある「K断層」が地表にあらわになった露頭を調べたほか、K断層のボーリングで採取した試料を観察した。K断層の形状や、原子炉建屋周辺にK断層の活動の影響がないかどうかなどを調べた。
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研究炉新設に総額1500億円 敦賀のもんじゅ敷地内、概算提示
日本原子力研究開発機構は7日、廃炉作業中の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の敷地内で国が計画している試験研究炉の新設にかかる費用が総額1500億円規模になるとの概算を、文部科学省の作業部会に示した。 文科省はこれまで建設費を500億~550億円程度と試算していたが、建設前の地質調査や設計の費用は含まれていなかった。茨城県東海村の研究炉「JRR3」での実績や物価変動を加味して算出したという。 新研究炉は熱出力1万キロワット未満で、発電せず中性子を利用した材料開発などを担う。機構が実施主体となり、設計や設置は三菱重工業が請け負
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中国独自提案、ロシアと共同歩調 ウクライナ巡り外交攻勢
【北京共同】中国はウクライナ危機を政治解決するためとしてブラジルと共に独自提案を打ち出し、各国に支持を求めて外交攻勢を仕掛けている。和平を話し合う会議にはロシアの同意が必要とするなど、ウクライナ提唱の和平案を協議する「世界平和サミット」を欠席するロシアに配慮。サミット不参加の方針も固め、ロシアとの共同歩調を鮮明にする。 独自提案は(1)ロシアとウクライナ双方が同意し全ての和平案が公平に議論される和平会議を支持(2)援助拡大で人道危機を防ぐ(3)核兵器や生物化学兵器の使用反対―など6項目。仲介外交に意欲的な中国の王毅外相が5月23日、ブラジルのアモリン大統領府首
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次世代原発の燃料で核兵器 米科学者、不拡散脅かすと警鐘
【ワシントン共同】米マサチューセッツ工科大のスコット・ケンプ准教授ら科学者5人は6日、次世代型原発の燃料として注目が高まっている高純度低濃縮ウラン(HALEU)について、さらに濃縮せずに核兵器製造に直接使えるとし、国際的な核不拡散体制を脅かしかねないと警鐘を鳴らす論文を科学誌サイエンスに発表した。 天然ウランに0・7%程度しか含まれないウラン235を遠心分離機などで3%以上に濃縮すれば、原発用の核燃料になる。HALEUは濃縮度10~20%。米国が1945年に広島に投下した原爆と同様の威力を持つ核兵器は、濃縮度19・75%のHALEU1トン以下で製造できるという
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柏崎原発事故時の避難路に交付金 内閣府、本年度から調査
伊藤信太郎原子力防災担当相は7日の閣議後記者会見で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市、刈羽村)の事故時の避難路整備に向けた事前調査に、本年度から内閣府の交付金を充てることを明らかにした。調査は柏崎市などが行い、結果を踏まえて来年度以降の整備方針を決定する。 伊藤氏は6日に新潟県の花角英世知事と面会し、国が整備費用を全額負担する方針を伝えていた。北陸自動車道米山サービスエリア(柏崎市)の緊急進入路や県道整備の調査に、内閣府の「原子力発電施設等緊急時安全対策交付金」を使う。 他に県などが求めている柏崎市内2カ所でのスマートインター
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敦賀原発の断層 原子力規制委が調査開始 再稼働、審査大詰め
原子力規制委員会は6日、日本原子力発電が再稼働を目指している敦賀原発2号機(福井県)で、敷地内断層の現地調査を始めた。原子炉建屋直下に活断層があると判断されれば再稼働は認められず、廃炉となる可能性がある。 調査は7日までで、規制委は得られたデータや情報を基に審査会合を開く。山中伸介委員長は「7月末までに審査チームとしての結論を出すと予想している」との見通しを示している。6日の調査後に取材に応じた担当の石渡明委員は「(結論は)今後の審査ではっきりさせる」と述べた。 焦点となっているのは原子炉建屋から北に約300メートルにある「K断層」。審査チームは5月、K断層の活動性を否定できないとの結論
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モンゴルで北朝鮮と接触なし 国際会議、南北緊張に懸念
【ウランバートル共同】モンゴルの首都ウランバートルで6日、北東アジアの安全保障を話し合う国際会議「ウランバートル対話」が開かれた。注目された北朝鮮当局者の出席はなく、日本から派遣された外務省担当者との接触は実現しなかった。会議では、韓国と北朝鮮の間で緊張が高まっていることに各国の参加者が懸念を示した。 外交筋によると、モンゴル政府が北朝鮮に参加を求めていたが、応じなかった。同会議には2017年と18年に日朝の当局者が参加して短時間の意見交換をしたことがあった。日本は北朝鮮による拉致問題の解決に向けて、対話の糸口を模索している。
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中国の水産物輸入停止に懸念 経産省貿易報告「優先的に対応」
経済産業省は6日、貿易の国際ルールに整合しない懸念がある外国政府の措置をまとめた2024年版不公正貿易報告書と対応方針を発表した。東京電力福島第1原発の処理水放出に反発した中国などによる日本産水産物の輸入停止措置を新たに取り上げ、問題解決に向けて優先的に取り組む方針を示した。 水産物の輸入停止はロシアや香港、マカオも実施している。報告書では処理水放出が水産物の安全性に与える具体的なリスクについて「何ら科学的根拠を示していない」と指摘。世界貿易機関(WTO)の協定に反する「不当な措置であることが懸念される」とした。 フランスの電気
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宗教2世のドラマが受賞 第50回放送文化基金賞
放送・配信分野の優れた番組や個人を表彰する第50回放送文化基金賞(主催・公益財団法人放送文化基金)が6日発表され、ドラマ部門の最優秀賞は、宗教信者の子どもと家族を描いた「NHKスペシャル シリーズ“宗教2世” 神の子はつぶやく」に決まった。 昨年から受賞対象になった動画配信サービスの作品は今年初めて応募があり、ドラマ部門でネットフリックスの「忍びの家 House of Ninjas」が奨励賞に選ばれた。 最優秀賞は他に、ドキュメンタリー部門でNHK福岡放送局のETV特集「膨張と忘却 理の人が見た原子力政策」、エンターテインメント
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「高校生平和大使」に23人選出 17都道府県から、茨城は初
市民団体「高校生平和大使派遣委員会」は6日、長崎市で記者会見し、核兵器廃絶を求める署名を集め、8月に国連欧州本部に届ける「高校生平和大使」の27代目となるメンバーを発表した。茨城県の学校から初めて選ばれた県立勝田中等教育学校4年の田口七望さん(15)ら、17都道府県の23人を決定した。16日に広島市で結団式を開く。 派遣委は毎年、大使を選んでおり、今年は約500人の応募があった。被爆県からは、被爆3世で長崎県立長崎西高2年の大原悠佳さん(16)、被爆4世で広島市立基町高2年の甲斐なつきさん(16)ら計5人が決まった。 選考に携わ
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再建計画見直し着手 東電 賠償増え4回目
東京電力ホールディングスは5日、経営再建計画の見直しに着手した。福島第1原発事故の賠償費用の増加に対応するためで、改定は3年ぶり4回目。費用を十分に捻出できない状況が続いており、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働への取り組みを進めるとともに、他社との事業提携による収益力強化を検討する。 除染や中間貯蔵施設、廃炉を含めると必要な費用は計23兆4千億円と、現行計画の想定から1兆9千億円増えると試算している。大株主の原子力損害賠償・廃炉等支援機構の有識者会議で議論し、2024年度内にまとめる。この日の会議は東電の小早川智明社長らが出席し、原則非公開で行われた。 柏崎刈羽原発は1基稼働すると年間約1
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【政流考】エネ計画 責任ある議論を
エネルギー基本計画の改定議論が始まった。中東情勢の悪化でエネルギーの調達環境は不確実性を増す一方、人工知能(AI)の導入拡大などで電力消費が飛躍的に増大し、電力不足の危機が急迫している。エネルギー自給力をどうやって高めるか。過去に増して重大な改定になる。会議メンバーには惰性でない責任ある議論を求めたい。 2021年10月に閣議決定された現行計画は30年度の電源構成目標を火力41%、再生可能エネルギー36~38%、原発20~22%と設定。原発を「重要なベースロード電源」と位置づけつつ「可能な限り依存度を低減する」として再生エネの主力化を強調した。だが現状は再生エネ22%、原発6%で青写真と大
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高浜の蒸気発生器、交換を許可 規制委、60年運転認可の2基
原子力規制委員会は5日の定例会合で、関西電力高浜原発3、4号機(加圧水型、福井県)の蒸気発生器を交換する計画を許可した。5人の委員全員の意見が一致した。蒸気発生器は加圧水型原発の重要設備。内部にある伝熱管の損傷が相次いだため、関電は2026年度の定期検査で取り換える方針。 高浜3、4号機は25年に運転開始40年となり、規制委は今年5月に60年運転を認可している。 規制委によると、これまで蒸気発生器を交換したのは、高浜1、2号機など6原発13基。 蒸気発生器では、原子炉で加熱した高温高圧の水を多数の
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関電高浜原発の蒸気発生器交換を許可
原子力規制委員会は5日、関西電力高浜原発3、4号機の蒸気発生器を交換する計画を許可した。国内で14、15基目。
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原発安全など3項目合意か 世界平和サミット、米報道
【キーウ共同】米ブルームバーグ通信は4日、ウクライナが提唱する和平案を協議する今月の「世界平和サミット」の合意文書草案に、原発の安全、食料安全保障、強制連行された子どもの帰還の3項目が盛り込まれると報じた。3項目に関する今後の交渉にロシアが関与する可能性にも言及しているという。 ウクライナの和平案「平和の公式」には、ロシア軍の即時全面撤退や領土の一体性回復を含む計10項目が列挙されている。サミットでは侵攻に中立的な国々から理解を得やすい3項目に絞り込んで合意を目指す。 ブルームバーグによると、合意文書草案には(1)原発の安全を確
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長期補助「現実的でない」 エネ白書 脱炭素化訴え
政府は4日、2023年度版のエネルギー白書を閣議決定した。電気・ガス代やガソリン価格を抑える政府の補助金に関し、巨額の予算で長期間にわたり続けるのは「現実的ではない」と指摘。エネルギーの大半を輸入に頼る現状から脱却し、再生可能エネルギーや原発など脱炭素エネルギーへの転換を進める重要性を訴えた。 白書は、22年1月から始めたガソリンなど燃油に対する補助金と、23年1月からの電気・ガス代の補助金は家計や企業の負担を抑える効果があったとアピール。一方で、これらに総額約10兆円の予算を措置したことも明記した。エネルギーの輸入体質が続く限り、今後も「価格高騰リスクにさらされ続ける」と強調した。 電気・
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首相、島サミットへ協力確認 パラオ大統領と会談
岸田文雄首相は4日、パラオのウィップス大統領と官邸で会談し、7月に東京で開催する日本と太平洋の島しょ国・地域による「第10回太平洋・島サミット」に向け協力を確認した。会談後の共同記者発表で「サミットで気候変動など共通の課題に取り組む」と語った。 ウィップス氏が昨年来日した際に福島県を訪れたことに触れ、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に関する日本の取り組みに信頼を寄せてくれていると話した。その上で「島しょ国との間で、科学的根拠に基づく丁寧な説明を継続していく」と強調した。 ウィップス氏は「健全な海を確保するための(日本側の)努
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F16でロシア領内への攻撃可能 供与予定のオランダなど表明
【キーウ共同】オランダのオロングレン国防相は4日までに、ウクライナに供与予定のF16戦闘機を使ったロシア領内への攻撃は可能との考えを示した。ニュースサイト、ポリティコのインタビューに答えた。オランダは今年後半以降、計24機を順次供与する見通し。報道によると、デンマークのラスムセン外相もウクライナに供与予定の計19機のF16でロシア領内の軍事施設を攻撃可能との考えを表明している。 米国もウクライナに対し、米国供与の兵器を使った限定的なロシア領攻撃を容認したばかり。ウクライナ軍がロシア軍の攻勢に直面する中、欧米はウクライナ支援のレベルを上げている。
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処理水、6回目の海洋放出を完了 トリチウム濃度に異常なし
東京電力は4日、福島第1原発処理水の6回目の海洋放出を完了した。2024年度としては2回目で、約7800トンを海に流した。今回の放出中も、原発周辺の海水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度に異常はなかった。 6回目の放出は5月17日に開始。同22日に放出口の南側で採取した海水から1リットル当たり7・7ベクレルのトリチウムを検出したが、東電が設けた放出停止の基準(700ベクレル)や世界保健機関(WHO)の飲料水基準(1万ベクレル)を大きく下回っている。 処理水の海洋放出は昨年8月に始まり、24年度は計7回で約5万4600トンの放出
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処理水、6回目の放出完了
東京電力は4日、福島第1原発処理水の6回目の海洋放出を完了した。5月17日からの今回の放出中も、原発周辺の海水に含まれる放射性物質トリチウムの濃度に異常はなかった。
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長期補助金「現実的でない」 エネルギー白書、脱炭素化訴え
政府は4日、2023年度版のエネルギー白書を閣議決定した。電気・ガス代やガソリン価格を抑える政府の補助金に関し、巨額の予算で長期間にわたり続けるのは「現実的ではない」と指摘。エネルギーの大半を輸入に頼る現状から脱却し、再生可能エネルギーや原発など脱炭素エネルギーへの転換を進める重要性を訴えた。 白書は、22年1月から始めたガソリンなど燃油に対する補助金と、23年1月からの電気・ガス代の補助金は家計や企業の負担を抑える効果があったとアピール。一方で、これらに総額約10兆円の予算を措置したことも明記した。エネルギーの輸入体質が続く限り、今後も「価格高騰リスクにさら
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伊豆湘南道路「国の関与を」 静岡で有識者委 技術的課題を議論
静岡、神奈川両県はこのほど、伊豆地域と神奈川県西部を結ぶ「伊豆湘南道路」に関する有識者委員会を静岡市葵区で開き、広域道路網を形成する上での効果や技術的課題について議論した。難易度が高い工事が想定されるため、委員からは国の明確な関与を求める意見があった。 両県によると、首都圏から近畿圏までの自動車専用道路はおおむね4路線以上あるが、箱根峠付近は現状2路線しかない。担当者は、相模灘沿いの伊豆湘南道は冬場の大雪や富士山噴火による降灰の影響が東名、新東名高速道に比べて少なく、「通行機能の早期回復が期待できる」と説明した。 委員は広域道路網を形成する上で、伊豆湘南道の効果に理解を示した。ただ、険し
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イラン国会議長が立候補 保守強硬派、大統領選
【テヘラン共同】イランの保守強硬派ガリバフ国会議長は3日、ヘリコプター墜落事故でライシ大統領が死亡したことに伴い28日に実施される大統領選への立候補を届け出た。国営メディアが報じた。立候補の届け出は3日が締め切り。ガリバフ氏は保守強硬派の牙城、革命防衛隊出身で、有力候補になるとみられる。欧米との対立を深めたライシ師の外交政策を継承する方向だ。 保守強硬派が主導する護憲評議会は、4日から資格審査を行い候補者を選定する。前回2021年の大統領選では穏健派や改革派を相次いで失格にしており、今回もどの程度まで絞り込むかが焦点となる。候補者は11日に決まる見通し。
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オッペンハイマーの孫が記者会見 博士の声に「今こそ耳を傾けて」
米国の原爆開発計画「マンハッタン計画」を率いた科学者で「原爆の父」故ロバート・オッペンハイマー博士の孫チャールズさん(49)が3日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。第2次大戦後に水爆開発に反対し、核兵器の国際管理を呼びかけた博士の声に「今こそ耳を傾けるべきだ」と述べ、核軍拡競争の激化を避けるための行動を日本に呼びかけた。 核兵器について「二度と使ってはいけないと皆が思うことを願う」と指摘。使用リスクを避けるには核保有大国の米中ロの対話が不可欠だとし、「日本は各国に協力を呼びかける最適な仲間だ」と訴えた。 「科学者は自らが
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長崎、イスラエルに招待状送らず 8月9日式典、今後変更の余地も
長崎市の鈴木史朗市長は3日、記者会見を開き、8月9日の「原爆の日」に開催する平和祈念式典に関し、パレスチナ自治区ガザを攻撃するイスラエルに現時点で招待状を送らず、停戦を求める書簡の送付にとどめると明らかにした。今後、同国の対応次第で招待する余地も示した。広島市は既に招待状を送っている。 鈴木市長は、ガザでの人道危機や国際世論を踏まえ「不測の事態が発生するリスクが懸念され、今の時点で(招待するという)判断は難しい」と説明。一方で在日大使館に送る書簡には、即時停戦を求めた上で、状況次第では招待する可能性があるとの内容も盛り込む。 ロシアと同盟国ベラルーシに関しては「ウクライナを巡る状況に変わ
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長崎でも名簿の記帳始まる 原爆死没者、8月9日に奉納
長崎市は3日、新たに昨年8月以降に死亡が判明した被爆者の氏名を、原爆死没者名簿に書き加える作業を始めた。名簿は8月9日の「原爆の日」に開く平和祈念式典で奉納する。 2002年度から記帳をしている被爆2世で書道家の森田孝子さん(76)が市役所の一室で、名前や死没年月日などを1人ずつ丁寧に記入。 市によると、県外の被爆者や、広島で被爆し長崎での奉納を望んだ死没者も含め、8月5日までに計約3300人を書き入れる見通し。昨年の式典時点で19万5704人が記載されている。
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広島で原爆死没者の記帳始まる 被爆79年、8月6日に向け
広島市役所で3日、昨年8月6日の「原爆の日」以降に亡くなったり、既に亡くなったと遺族から申請があったりした被爆者の氏名や年齢を、原爆死没者名簿に書き加える作業が始まった。8月5日まで続き、翌日の平和記念式典で原爆慰霊碑の下にある石室に納められる。 今年は被爆から79年。記帳を務めるのは、被爆者で元市職員の池亀和子さん(82)と中本信子さん(81)。 市によると、昨年8月6日までに氏名が記帳された死没者は33万9227人で、名簿は124冊ある。これとは別に「氏名不詳者多数」と書かれた1冊と、長崎で被爆し広島での奉納を希望した13人
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高校生大使オスロへ出発式 核廃絶署名アピール、長崎
毎年国連に届けている核兵器廃絶署名をアピールするため、ノーベル賞委員会があるノルウェー・オスロを訪問する「高校生平和大使」の出発式が3日、長崎市で開かれた。平和大使は2018年から6年連続で平和賞にノミネートされている。 出発式には、長崎市の私立活水高3年木場笑里さん(17)が出席。広島市のAICJ高2年野田優祥さん(16)、神戸市のカナディアンアカデミー3年藤井花さん(17)と共に渡欧し、ノーベル賞委を訪れるほか、オスロ市長とも面会し、9日に帰国する。 新型コロナウイルス禍で海外派遣は中断していたが、昨年、国連欧州本部を4年ぶ
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志賀原発に異常なし
北陸電力によると、3日朝に石川県で最大震度5強を観測した地震で、同県志賀町にある志賀原発1、2号機に異常は確認されていない。
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情報不足 悩む県外避難者 受け入れ側も支援に支障 能登地震
能登半島地震では、石川県を離れた人が多数に上った。避難者は地元情報の不足に悩む一方、避難先が分からないため受け入れ側も支援が難しい状態が続く。被災地を離れる広域避難は過去の災害でも繰り返され、南海トラフ巨大地震や首都直下地震が起きれば膨大な数になるのは必至だ。所在や避難者数の把握、受け入れ側の体制整備など課題は山積している。 「地元がどうなっているのか、今後どうすればいいのか、分からないので毎日心配だった」。石川県珠洲市の自宅が全壊した高野幸子さん(73)は、夫やほかの住民と富山市のホテルに避難した。珠洲市の仮設住宅へ入居できるようになり、4月に戻った。この間、地元の情報がなく、「不安ば
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豪世論、原発支持が6割超に 賛否逆転、総選挙の争点に
【シドニー共同】オーストラリアで禁止されている原子力発電を解禁することを支持する国民が6割超に上ったことが2日発表の世論調査で分かった。東京電力福島第1原発事故が起きた2011年調査から賛否の割合がほぼ逆転した。エネルギー価格高騰による家計圧迫や脱炭素化の流れも背景にある。原発の是非は1年以内に行われる総選挙の争点の一つとなるとみられている。 アルバニージー労働党政権は費用に見合わないとして原発解禁を重ねて否定している。最大野党、自由党は「石炭から原子力へ」をスローガンに原発導入を公約にする方向で、原発建設の候補地を近く公表する。
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靖国神社に落書きする動画を投稿 中国のSNSに、称賛の声も
【北京共同】靖国神社(東京都千代田区)の石柱に落書きが見つかった事件で、男が石柱に放尿するようなしぐさをした上、赤いスプレーを使って英語で「トイレ」と吹き付ける様子を収めた動画が中国の交流サイト(SNS)に投稿されたことが2日、分かった。SNS上では男の行為を「とても美しい」「よくやった」と称賛する声が相次いだ。 警視庁麹町署が器物損壊などの疑いで捜査している。SNSには、男が東京電力福島第1原発の処理水放出に関し「日本政府が核汚水の排出を許したのに対して、われわれは何もできないのか」とコメントする写真も投稿されていた。
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対北朝鮮で米韓が拡大抑止協議 国防相会談「核の傘」提供が軸
【シンガポール共同】米国のオースティン国防長官と韓国の申ウォンシク国防相は2日、シンガポールで会談し、核・ミサイル技術を高度化させる北朝鮮に対抗して、米国の「核の傘」提供を軸とする拡大抑止を強化することで一致した。韓国国防省が発表した。 両氏は北朝鮮による軍事偵察衛星の打ち上げ強行は、国連安全保障理事会決議違反で平和を脅かす行為だと非難。ロシアと北朝鮮の軍事協力は重大な脅威で、国際社会と協力して厳しく対応するとの考えを共有した。 申氏は日米韓の安保協力を推進する上で課題となっていた韓国艦による自衛隊機への火器管制レーダー照射問題
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避難の双葉、町営住宅完成 「生まれた町に」喜ぶ
東京電力福島第1原発事故で全町避難が続いた福島県双葉町が、JR双葉駅西側に整備を進めてきた町営「駅西住宅」の全86戸が完成し、式典が1日、開かれた。町役場で伊沢史朗町長が入居者の代表に鍵のレプリカを手渡した。 双葉町は2022年8月、原発事故から11年5カ月ぶりに住むことができるようになった。町は帰還者向けの災害公営住宅と、転入者も居住できる再生賃貸住宅の整備を進めてきた。既にできている39戸に加え、今回47戸が完成し、86戸に60世帯74人が暮らすことになる。 県内外で避難生活を続けてきた高野衛雄さん(86)=福島県いわき市=
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オッペンハイマー博士の孫広島へ 被爆者の小倉桂子さんと面会
米国の原爆開発を率いた科学者、故ロバート・オッペンハイマー博士の孫チャールズ氏が1日、広島市を訪問した。昨年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で各国の首脳に被爆体験を語った小倉桂子さん(86)と面会し、小倉さんは「こんな日が来るとは思わなかった」と喜んだ。 チャールズ氏と小倉さんは、平和記念公園内に先月設置されたG7広島サミット記念館を見学。小倉さんは各国首脳と会ったエピソードを説明し「原爆資料館では伝えきれないものを首脳らに示したかった」と語った。バイデン米大統領からもらった手帳をチャールズ氏に見せる場面もあった。
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油漏れの原因 変圧器損傷か 志賀原発解析
北陸電力は31日、能登半島地震により志賀原発(石川県志賀町、停止中)1、2号機のそれぞれの変圧器が破損し、油が漏れた原因について、変圧器の一部が地震の揺れと共振して配管接続部に許容値を超える力が加わり、損傷したとみられるとの解析結果を発表した。 北陸電によると、1号機の放熱器上部に複数の割れ、2号機の冷却器上部に約13センチの割れを確認し、詳しく調べていた。同社の四十田俊裕原子力部副部長は「地震の共振対策として何が最も効果的なのか考え、対策をしていきたい」と話した。 能登半島地震では志賀町で震度7、1号機地下で震度5強を観測。1、2号機の変圧器で一部の配管の接続部分が破損し、油が計約2万34
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敦賀原発敷地の活断層否定できず 規制委結論、廃炉可能性も
原子力規制委員会は31日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の審査会合を開き、敷地内にある断層について「活動性を否定することは困難」と結論付けた。今後の審査でこの断層が原子炉直下まで延びていると判断されれば、再稼働は認められず廃炉となる可能性がある。 焦点となっているのは、原子炉建屋から約300メートル北にある「K断層」。新規制基準では、約12万~13万年前以降に活動した断層を活断層と定義。その上で、原子炉など重要施設の直下に活断層があれば運転できないとしている。 原電はこの日の会合で火山灰などの堆積状況から、断層周辺は古い
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敦賀原発敷地内の断層、活動性否定できず
原子力規制委員会は31日、福井県にある日本原子力発電敦賀原発2号機の審査で、敷地内にある断層の活動性を否定できないと結論付けた。
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工期変更しない原電を批判 東海第2、施工不備で村長
茨城県東海村の山田修村長は31日の定例記者会見で、日本原子力発電東海第2原発(東海村)で建設中の防潮堤に施工不備が見つかり、原電が当初9月とした工事完了を「厳しい状況」としながら工期を変更しない対応を批判した。「誰が見ても難しいのに、なぜ認めないのか」と述べた。 山田村長は27日に周辺5市の首長と施工不備があった現場を訪れ、鉄筋がむき出しになっている状況を視察しており、「こんなことが起きるのかとびっくりした。難しい工事だからこそ細心の注意を払ってやってほしい」と注文を付けた。 昨年6月、防潮堤の基礎部分でコンクリートが十分に行き
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規制委、島根2号機の全審査終了 12月再稼働へ
原子力規制委員会は31日までに、中国電力島根原発2号機(松江市)の運用ルールを定めた保安規定を認可した。中国電が今年12月に予定している再稼働に必要な審査が全て終わった。認可は30日付。 島根2号機を巡っては2021年6月、規制委から貸し出されていたテロ対策施設に関する非公開文書を、中国電が15年4月に誤廃棄していたことが発覚。2号機は21年9月に新規制基準の審査に合格したが、規制委は中国電の安全文化の育成や改善を保安規定の審査で確認するとしていた。 規制委事務局は今年5月29日の規制委定例会で中国電の改善状況を確認したと報告し
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世論操作に人工知能利用 オープンAIが特定
【ニューヨーク共同】対話型人工知能(AI)「チャットGPT」を開発した米オープンAIは30日、ロシアや中国などを拠点とする五つの組織が世論を操作する目的でAIを利用していることを特定したと明らかにした。オープンAIが同日、自社製品を利用した脅威についての報告書を発表した。 身元を隠した組織が、文章やソーシャルメディアのアカウント作成のほか、プログラミングなどにも生成AIを利用していた。イランやイスラエルの組織も含まれ、ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザでの戦闘、米国の政治などに焦点を当てていた。 このうち中国拠点の組織
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平和式典招待状で停戦要求 広島市、イスラエルに
広島市が毎年8月6日の「原爆の日」に開く平和記念式典で、パレスチナ自治区ガザを攻撃するイスラエルへの招待状に「多くの人々の命と日常が奪われていることは極めて遺憾」とし、一刻も早い停戦を求めるメッセージを記載したことが30日、市への取材で分かった。市担当者によると、攻撃を拡大するイスラエルに平和的解決を訴えるため、異例の対応をとったとした。 イスラエルの招待を巡っては、ウクライナ侵攻を理由に2022年以来招待を見送っているロシアやベラルーシと対応が異なり、二重基準ではないかとの指摘が出ていた。市の担当者は「ガザの攻撃を容認しているわけではない」と話した。
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デブリ試験的採取、8月にも着手 東電、福島第1原発2号機
東京電力は30日、福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)の試験的な採取に、8月にも着手すると明らかにした。原子力規制委員会から伸縮パイプ式装置を使う工法への変更の認可を受け、装置の差し込み口となる原子炉格納容器の貫通部の堆積物除去も完了したことから、10月までの着手を目指すとしていた工程を具体化した。 格納容器内からの強い放射線を遮蔽する構造物を6月中に貫通部に取り付け、採取したデブリを受け入れる容器を設置。現場にパイプ式装置を搬入して規制委の使用前検査を受け、合格すれば8~10月に取り出しに着手できる見込みという。 東電は当
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長崎市の被爆者代表は89歳男性 8月9日に「平和への誓い」
長崎市は30日、「原爆の日」の8月9日に開く平和祈念式典で「平和への誓い」を読み上げる被爆者代表を、修学旅行生らに被爆体験講話をしている同市の三瀬清一朗さん(89)に決定した。長崎県内外から計11人が応募し、被爆者と有識者でつくる審査会が選んだ。 被爆者による誓いは1970年に始まり、2017年から公募の形を取っている。被爆者の高齢化に伴う応募者の減少に応じて、今年から募集要件に手話や外国語での朗読も可能だと初めて明記していた。 昨年は、熊本県原爆被害者団体協議会(熊本県被団協)理事(当時)の工藤武子さん(86)が代表を務めた。
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高浜町元助役へ「最大限の配慮」 金品受領、福井県職員が証言
関西電力役員や福井県幹部らが同県高浜町の元助役・故森山栄治氏から金品を受け取っていた問題で、市民オンブズマン福井は30日、県職員らを対象とした県の調査報告書資料の精査結果を公表した。聞き取り調査に職員が「県庁内では(森山氏に)最大限の配慮をしなければならない雰囲気があった」などと証言。オンブズマンは森山氏と県職員との間のゆがんだ関係を指摘した。 オンブズマンの大久保公夫幹事は同日の記者会見で「森山氏の不当な支配に長年、県が屈していた」と述べた。 精査したのは報告書の基礎となった書面や聞き取りによる回答資料。県は2019年に報告書
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東芝、ポーランドに原発機器 地元企業と協業検討
東芝子会社の東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は30日、ポーランド初となる原子力発電所向けに、蒸気タービンと発電機などの供給を目指し、ポーランド企業2社と協業を検討する契約を結んだと発表した。東芝によると、原発は2026年に着工し33年の稼働を計画している。 2社はロックフィン社とエトスエナジー社で、機器供給と保守に関し具体的な検討を始める。 東芝は原発関連事業を注力分野に位置付けており、米国やアラブ首長国連邦(UAE)などへの機器納入に実績がある。国内では東京電力福島第1原発の廃炉作業などに関わっている。
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東芝、ポーランドに原発機器供給へ
東芝子会社の東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は30日、ポーランド初となる原子力発電所向けに、蒸気タービンと発電機などの供給を目指し、ポーランド企業2社と協業を検討する契約を結んだと発表した。
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【ビキニ被ばく70年】置き去りの環礁、救済求め 核実験被害、解決いまだ
70年前のビキニ環礁での水爆実験をはじめ、米軍が核実験を繰り返した太平洋・マーシャル諸島には、放射線による健康被害や環境汚染など大きな傷痕が残った。米国は一定の補償措置を講じたが、住民らが被害を訴える多くの地域を対象から除外。十分な調査もなく「放置されてきた」人々は、今も不公正をただすべきだと切望している。 最大の水爆「ブラボー」実験があったビキニ環礁から南東約520キロのアイルック環礁。3歳だったウィセ・リクロンさん(74)は爆音と地面の揺れを感じ、空から黄色やピンク色の粉が降ってきたと記憶する。米軍の警告はなく「何が起きたか分からず怖かった」。
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ハイレベル交流で一致 首相、中国幹部と会談
岸田文雄首相は29日、中国共産党の対外交流部門、中央対外連絡部(中連部)の劉建超部長と官邸で会談し、建設的で安定的な日中関係の構築に向け、対話と交流の重要性を確認した。劉氏は会談後、記者団に「ハイレベル交流の維持で一致した」と説明。上川陽子外相(衆院静岡1区)の訪中など閣僚級の対話が今後の焦点となる。 上川氏も劉氏と外務省で会い、王毅外相との相互訪問に意欲を表明。劉氏は「早期に実現すると確信している」と応じた。上川氏は東京電力福島第1原発の処理水海洋放出、邦人拘束問題などで日本の立場を伝えた。 劉氏の来日は2022年の部長就任後初めて。首相は会談で、中国による日本産水産物の輸入停止措置などを
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高浜原発3、4号機 60年運転を認可 規制委
原子力規制委員会は29日、2025年に運転開始40年となる関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の20年運転延長を認可した。国内で7、8基目。高浜原発は1、2号機も含め、全基で40年を超える運転が認可された。 高浜3、4号機では通常の燃料より放射線が強いプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電を実施している。山中伸介委員長は会合で、放射線によって原子炉圧力容器などがもろくなることを指摘。規制委事務局の担当者は「保守的に評価しており問題ない」と述べた。 3号機は25年1月、4号機は同年6月に40年となる。関電は特別点検を実施した上で23年4月に延長を申請した。1、2号機
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「日中与党交流協議会」再開へ 自公、中国共産党側と一致
自民党の茂木敏充幹事長と中国共産党中央対外連絡部(中連部)の劉建超部長は29日の会談で、2018年を最後に途絶えている定期対話の枠組み「日中与党交流協議会」を再開する方針で一致した。劉氏が提案し、茂木氏は賛意を示した。公明党の山口那津男代表も劉氏との会談で再開の重要性を確認した。 茂木氏は劉氏に対し、東京電力福島第1原発処理水を巡る問題などに関して日本の立場を伝達。「前向きな協力を進め、日中間の諸懸案についても確かな進展を示していく必要がある」と訴えた。両氏は政党間の率直な意見交換が重要だとの認識を共有した。
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北朝鮮「もしトラ」に備え? 取引を念頭にロケット開発急ぐ
【ワシントン共同】米戦略国際問題研究所(CSIS)は28日、北朝鮮が、11月の米大統領選でトランプ前大統領が返り咲く「もしトラ」に備え、衛星運搬ロケットの開発を急いでいるとの分析を示した。技術的に弾道ミサイルと同じロケットの打ち上げ停止と引き換えに、制裁緩和や核兵器保有の容認を引き出す取引を念頭に置いている可能性を指摘した。 CSISは、27日に北朝鮮が打ち上げに失敗した偵察衛星「万里鏡1―1」を巡り、空中爆発したロケットは新型ではなく、既存の「千里馬1型」を改良したものだとの見方を示した。エンジンにある程度の変更を加えた可能性が高いとしている。
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日本原燃、覆土の成分変更を中止 青森・六ケ所の放射性廃棄物処分
日本原燃の増田尚宏社長は29日の記者会見で、低レベル放射性廃棄物を埋設処分する青森県六ケ所村の施設で使う覆土の成分変更を中止し、原子力規制委員会から許可を得た当初の方針で行うと明らかにした。原燃の変更案は当初例示した成分より粘土の割合を減らすもので、水が浸透しやすくなると懸念した規制委が説明を求めていた。その対応に要する時間を踏まえて方針を撤回した。 原燃は8月の覆土開始を見込んでおり、増田氏は「変更しても性能は満たせる」としていたが、「説明責任を果たすには非常に時間がかかる。覆土が遅れることは避けたい」と釈明した。 原燃は覆土
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福島県、東電への提訴取り下げ 原発事故の人件費賠償請求
福島県は29日、東京電力福島第1原発事故に対応するために生じた県職員の人件費など約9千万円の損害賠償を東電に求めた訴訟を巡り、賠償の見通しが立ったとして、28日付で提訴を取り下げたと発表した。 県は「東電から裁判外で賠償が可能な旨の提案があったことから、合意手続きを進める」と理由を説明した。 県では職員350人を削減する計画を立てていたが、原発事故対応で実現できなかった。このため2013年度に人件費約8千万円が余計に発生したとして、20年10月に福島地裁に提訴した。
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福島県が東電への損害賠償訴訟取り下げ
福島県は29日、東京電力福島第1原発事故に対応するために生じた人件費など約9千万円の損害賠償を東電に求めた訴訟を、取り下げたと発表した。
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日中ハイレベル交流維持で一致 岸田首相、中国幹部と官邸で会談
岸田文雄首相は29日、中国共産党の対外交流部門、中央対外連絡部(中連部)の劉建超部長と官邸で会談し、建設的で安定的な日中関係の構築に向け、対話と交流の重要性を確認した。劉氏は会談後、記者団に「ハイレベル交流の維持で一致した」と明らかにした。 上川陽子外相も劉氏と外務省で会い、閣僚を含むハイレベル往来について意見を交わす見通し。 首相は会談で「両国間の課題や懸案について対話を重ねて進展を図り、互恵的協力を加速していきたい」と強調。政党間交流は日中関係発展のため重要だと指摘した。 劉氏は「日本の各政党
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高浜原発3、4号60年運転認可 原子力規制委、国内7、8基目
原子力規制委員会は29日、2025年に運転開始40年となる関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の20年運転延長を認可した。国内で7、8基目。 3号機は25年1月、4号機は同年6月に40年となる。関電は特別点検を実施した上で23年4月に延長を申請した。1、2号機は16年6月に認可済みで、40年を超えて運転中。 東京電力福島第1原発事故を受け、原発の運転期間は原則40年、最長60年に制限された。しかし岸田政権が60年を超える運転が可能になる新制度を導入した。旧制度で認可済みの原発も、新制度が始まる25年6月までに改めて規制委の認可を
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高浜原発3、4号機の60年運転を認可
原子力規制委員会は29日、2025年に運転開始40年となる関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の20年運転延長を認可した。
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浜岡再稼働へ 中電社長、新知事に「丁寧に説明」
中部電力の林欣吾社長は28日、名古屋市の中電本店で記者会見を開き、浜岡原発(御前崎市佐倉)の再稼働に向けて、26日の県知事選で初当選した鈴木康友氏に「持っている対策、安全性、取り組みを丁寧に説明し、理解してもらえるよう努める」と述べた。 浜岡原発3、4号機の新規制基準適合性審査の進捗(しんちょく)を説明し、想定される最大津波高や敷地内にある断層が活断層でないことを証明する議論が「最終局面に来ている」と話した。 静岡新聞社が御前崎市民を対象に行ったアンケートで、浜岡原発を「再稼働すべき」との回答が7年前の前回調査より15・8ポイント高い49・0%に伸びたことについては「推測するに、エネルギ
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ロシア大統領、「核紛争」警告 欧米部隊派遣でも侵攻継続
ロシアのプーチン大統領は28日、欧米部隊がウクライナに派遣されるか否かに関係なく、目的達成のため侵攻作戦を続ける考えを示した。欧米がウクライナへの軍事支援を強めるほど交戦は長期化し、核兵器の使用を含む世界的紛争になりかねないと警告、米国主導の北大西洋条約機構(NATO)側を改めてけん制した。 訪問先ウズベキスタンで記者会見したプーチン氏は、欧米が自国部隊の派遣や、欧米製兵器を使ったロシア領内への攻撃容認などで事態を悪化させれば米ロの「戦略兵器の均衡」が崩れて深刻な事態を招く恐れがあると指摘。「彼らは世界的紛争を望むのだろうか」と述べて、核戦争に発展する可能性を
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除染多重下請けに是正勧告 国連報告書、アイヌ問題も
【ジュネーブ共同】日本を昨年訪れ、人権と企業の現状を調査した国連人権理事会の作業部会は28日、東京電力福島第1原発事故後の除染作業での多重下請け構造を是正するよう日本政府や企業に求める勧告を盛り込んだ報告書を公表した。アイヌ民族の狩猟制限、外国人技能実習生を巡る問題も指摘、改善に向けた措置を取るよう要請した。 作業部会は、借金返済のため除染作業を強いられたり労災補償を受けられなかったりする作業員がいることに深い懸念を示した。勧告には、福島第1原発から海洋放出する処理水に関する全情報の公表を続けるよう付け加えた。 また、法律でアイ
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除染作業の多重下請け構造是正を勧告
【ジュネーブ共同】国連人権理事会の作業部会は28日までに、東京電力福島第1原発事故後の除染作業での多重下請け構造を是正するよう日本政府や企業に求める勧告を盛り込んだ報告書を公表した。
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原発審査体制の拡充を要望 立地道県議会議長らが規制委に
原発が立地する道県議会議長らでつくる協議会が28日、原子力規制委員会を訪問し、再稼働に向けた審査体制の拡充や、原発の安全性向上に継続的に取り組むことなどを要望した。対応した原子力規制庁の片山啓長官は「規制制度や基準の継続的な改善は、規制委の大事な使命だ」と述べた。 要望は冒頭のみ公開。終了後、協議会会長の園山繁島根県議会議長は報道陣に「審査がどこまで進んでいるか周辺住民へ丁寧にアナウンスしてほしいという意見が大半だ」と立地自治体の状況を説明した。 園山氏らは経済産業省で岩田和親副大臣とも会談し「立地地域の実情に即した経済・雇用対
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東電、デブリ取り出し装置公開 福島第1、2号機に投入へ
東京電力は28日、福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)の取り出しに使う伸縮パイプ式装置を神戸市内で公開した。10月までの取り出し着手を目指している。 装置は、太さ20センチと16センチのステンレス製のパイプがつながり、釣りざおのように最大約22メートルに伸びる。原子炉格納容器の貫通部からパイプを差し込み、先端に取り付けた金属製ブラシや爪形装置で3グラム未満のデブリを試験的に採取する計画だ。 この日は装置を開発中の三菱重工業神戸造船所で、格納容器を模擬した設備からデブリに見立てた小石を回収する一連の作業を公開した。実際の回収作
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九電、原発対象の移行債発行へ 国内初、調達予定300億円
九州電力は28日、脱炭素化に向けた資金調達の手段である「トランジションボンド(移行債)」を発行すると発表した。調達予定の計300億円は、原発の新規制基準対応や高経年化対策に投じた資金の借り換えに充てる。使途対象を原発に限定した移行債の発行は国内初という。 5年債の発行総額は100億円で、利率は0・858%。10年債は200億円で、利率は1・425%。払込期日はいずれも6月3日。 九電の移行債発行は2022年以来。前回は石炭に比べ二酸化炭素(CO2)排出量が少ない液化天然ガス(LNG)の火力発電所の開発などに充てた。
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長崎大、世界リスク研を新設へ 核抑止、感染症の知見活用
長崎大は28日、感染症の世界的大流行(パンデミック)や核戦争といった地球規模のリスクを研究する拠点「グローバルリスク研究センター」を6月1日に新設すると発表した。核廃絶や感染症の研究を強みとする大学の特長を生かし、リスクに対処する政策を立案できる専門家を養成する。 長崎大によると、グローバルリスクを専門に研究する機関は全国的にも珍しい。センター長には、北海道大スラブ・ユーラシア研究センターの岩下明裕教授(境界研究)を招く。 将来的には人文科学やデータ分析など多分野の専門家で構成し、感染症や核使用、気候変動など「人類の存続に影響し
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三菱重工、26年度売上2割増 事業計画、防衛や原発拡大
三菱重工業は28日、2026年度の売上高を23年度比で20%増の5兆7千億円以上とする事業計画を発表した。政府による防衛予算の増加に伴い自衛隊向け防衛事業を拡大させるほか、世界的に脱炭素の流れが加速する中で原子力や水素関連事業の成長を目指す。 三菱重工は28日、24~26年度の事業計画を明らかにした。重点領域として、原子力や防衛事業に加え、二酸化炭素(CO2)の回収やデータセンター事業を挙げた。こうした重点領域では、売上高を26年度に2兆6千億円とし、23年度から1兆円増やす目標を掲げた。
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高知沿岸部へ津波予報配信開始 民間初、東北大発祥企業
東北大発のスタートアップ(新興企業)が、南海トラフ巨大地震で被害が懸念される高知県と同県沿岸19市町向けに、津波の浸水が始まる時間や浸水域などの予報を配信するサービスを開始した。気象庁から津波予報業務の許可を民間事業者として初めて取得した。自治体の災害対応を支援する目的で、個人への配信予定はない。 企業は津波工学が専門の東北大災害科学国際研究所の越村俊一教授らが立ち上げた「RTi―cast(アールティーアイキャスト)」。 津波を伴う地震が起きると、気象庁の発表を基に東北大のスーパーコンピューターで解析。100平方メートル単位での
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【3カ国首脳会談】融和演出、残る不信 日韓結束、中国と溝
日中韓首脳が約4年半ぶりに会談に臨んだ。トップ外交で関係を改善した日本と韓国は結束し、安全保障や経済分野で中国への関与を強化。「最大公約数」を取りまとめた共同宣言発表にこぎ着け融和を演出した。だが日韓と中国との間の溝は深く、不信は残る。核・ミサイル開発を進める北朝鮮を巡る記述は後退し、北東アジアの平和と安定の行方は視界不良だ。 ▽歯車 「3カ国の協力に光を当て、さらに輝かせていきたい」。27日、韓国・ソウル。会談冒頭、岸田文雄首相はこう述べ、日中韓連携の重要性を強調した。 日本は、首脳レベルの意思
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イラン、60%濃縮ウラン増加 IAEA報告書
【ウィーン共同】イラン核合意を検証する国際原子力機関(IAEA)は27日、イランが60%に濃縮した六フッ化ウランを5月11日時点で推定142・1キロ貯蔵しているとする報告書をまとめた。2月の報告書から20・6キロ増加した。60%は、核兵器級の90%に接近する重大な核合意違反に当たる。 機能不全に陥っているイラン核合意の再建に向けた米国との間接協議が停滞する中、国際社会の懸念は強い。 イラン核合意は2015年に結ばれ、イランが核開発を制限する見返りに米欧が制裁を解除する仕組み。18年にトランプ前政権下の米国が離脱し、対イラン制裁を
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記者コラム「清流」 浸透しない避難計画
浜岡原発の全炉停止から13年が経過した。原子力防災の観点から振り返ると、避難先を明示した県の広域避難計画が策定されてから8年。これだけ長い時間があっても啓発や課題の整理は道半ばで、あまりに歩みが遅いと感じている。 計画の対象になっている11市町の住民で、避難先を知っている人はどれほどいるだろう。例えば、掛川市民は原発単独事故が起こった場合は愛知県内16市町村に、大規模地震との複合災害時は富山県11市町村に避難する。支局がある掛川市西山口地区は愛知県西尾市と富山県魚津市が避難先。原則、自家用車で向かうことになっている。 原発の安全と安心は、事業者による追加対策だけでは成り立たない。行政のソ
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自然エネルギー 重要性など訴え 静岡で講演会
脱原発自然エネルギー推進静岡議員の会(代表・三上元湖西市議)は26日、原発ゼロ自然エネルギー推進連盟の吉原毅会長(元城南信用金庫理事長)を招いた講演会を静岡市駿河区の県男女共同参画センターで開いた。 県内の議員や市民ら約40人が参加。吉原会長は、原発へのエネルギー依存の脱却や自然エネルギーの重要性などを訴えた。能登半島地震で北陸電力志賀原発(石川県)の変圧器など一部が損傷したことに言及し、大きな地震が頻発する日本で原発を稼働させることの危険性を主張。風力発電や太陽光発電を活用し、「自然エネルギーを中心とした社会をつくるべき」と強調した。
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知事選の結果受け鈴木氏と連携意欲 御前崎市長
御前崎市の下村勝市長は27日の定例会見で、26日の知事選で鈴木康友氏が初当選したことを受け、「企業誘致など新しい試みができるように連携していきたい」と語った。 下村市長は、鈴木氏がベンチャー振興などに取り組んできた実績に注目。御前崎市も企業誘致に力を入れていて、「県と協力し、人口減少に対策を打っていく必要がある」と述べた。 同市に立地する中部電力浜岡原発を巡っては今後、鈴木新知事の考え方や判断が再稼働問題の行方を左右する。下村市長は「県と市の判断が一致することで物事が前に進む。(再稼働の地元同意範囲など)県の判断基準を注視したい」とした。
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26年前核実験記念し休日に パキスタン首相が発表
【イスラマバード共同】パキスタンのシャバズ・シャリフ首相は27日、1998年に実施した同国初の地下核実験から26年となる28日を休日とすると発表した。声明で「偉大な日」と名付けたとし「国家防衛を無敵にするため団結する」重要性を国民に訴えた。来年以降も休日となるかどうかは不明。 シャリフ氏は当時の首相だった兄ナワズ氏への敬意も示しており、実績として強調したい思惑がありそうだ。 パキスタンは98年5月28、30日に核実験を実施しイスラム圏で初の核保有国となった。カシミール地方の領有権を争うインドが直前の同月11、13日に約24年ぶり
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首相、情報収集を指示 官房長官ら緊急参集
岸田文雄首相は27日、北朝鮮が弾道ミサイルの可能性があるものを発射したことを受け、情報収集・分析に全力を挙げて国民に的確な情報提供を行い、航空機や船舶の安全確認を徹底するよう関係省庁に指示した。林芳正官房長官ら政府高官が官邸に緊急参集、木原稔防衛相も防衛省に入り、対応に当たった。 林氏は27日深夜から28日未明にかけて緊急の記者会見を開き「衛星打ち上げを目的とする弾道ミサイル技術を使用した発射を強行したが、黄海上空で消失し、宇宙空間への物体の投入はないものと推定している」と説明した。付近を航行する航空機や船舶への情報提供を行い、現時点で被害報告は確認されていな
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玄海原発の非常用ポンプ一時機能せず
九州電力は27日、定期検査中の玄海原発4号機で、非常用の電動補助給水ポンプ1台が一時、自動的に機能しなくなったと発表した。社内の保安規定を逸脱したため、原子力規制庁や佐賀県に報告した。
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女川原発2号機の安全工事完了 東北電力、9月ごろの再稼働想定
東北電力は27日、再稼働に向け作業を進めてきた女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機の安全対策工事が完了したと発表した。9月ごろの再稼働を想定している。再稼働すれば、2011年の東日本大震災で被災した原発、東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)のいずれでも初めてとなる。 安全対策工事では、海抜約29メートルの防潮堤のほか、事故時に原子炉格納容器の圧力を下げて破損を防ぐ「フィルター付きベント」などを設置した。工事費として約5700億円を投じた。 東北電によると、7月ごろ原子炉に燃料を装填し、圧力容器や格納容器の漏えい検
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日中韓会談、定期開催を明記 協力深化「地域の基盤」
【ソウル共同】岸田文雄首相、中国の李強首相、韓国の尹錫悦大統領は27日、韓国・ソウルでの会談を受け共同宣言を発表した。3カ国協力の深化がそれぞれの国や国民に利益をもたらし、地域の基盤として位置付けられていると強調。首脳会談と閣僚級会合を定期的に開催することで3カ国協力の「制度化」に努めると明記した。北朝鮮を巡っては、前回2019年の首脳会談成果文書で「完全な非核化にコミット(関与)している」とした記述が消え、後退した。 安全保障や経済分野で日韓と中国の間に立場の違いがある中、3カ国協力を通じて東アジア地域の安定を図る意志を明確にした。首脳会談の定例化を実現でき
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核のごみ文献調査、苦渋の受諾 玄海町長「手挙げたくなかった」
佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は27日、日本記者クラブのオンライン記者会見で、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた第1段階の文献調査を受け入れたのは、議会の請願採択が決め手になったと説明した。「首長は議会との兼ね合いが重要だ。本当は手を挙げたくなかった」と苦渋の思いを吐露した。 脇山氏は昨年12月の議会で文献調査に慎重姿勢を示していた。政治信念に反した決断だったのか問われると「議会とのあつれきができると、私のまちづくりに支障が出る」と語った。 第2段階の概要調査の移行には「(現任期の)2期目が終わる
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中間貯蔵期間「50年」と明記 青森県が安全協定案を公表
青森県は27日、今夏にも原発の使用済み核燃料が初めて搬入される計画の中間貯蔵施設(同県むつ市)を巡り、県とむつ市、事業者のリサイクル燃料貯蔵(RFS)の3者で結ぶ安全協定の案を県議向けの説明会で公表した。協定案は貯蔵期間を「50年間」と明記することなどが柱。県議会は6月12日に特別委員会を開き、説明への質疑や議論を行う。 県が説明会の開催を県議会に申し入れた。RFSの高橋泰成社長や、東京電力、資源エネルギー庁の担当者らも出席した。 安全協定案では、2005年の立地決定時の協定に書かれた「使用期間は50年間」との内容を踏襲。RFS
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「平和の願いに共感」97% 広島修学旅行の調査結果
広島市などは27日、原爆資料館を訪れた小中高校を対象にした修学旅行に関する調査結果を発表した。「被爆者の平和への願いに共感できた」が97%、「原爆被害を理解できた」が94%などとなり、学習効果は高い水準で達成できていると結論付けた。 調査は2022年11月~23年10月に資料館で被爆体験証言などを聴講した広島県外の計1121校にインターネットで質問し、計456校が回答した。実態調査のため今回が初実施。 99%の学校が広島での修学旅行による平和学習を続けたいと回答した。一方で、自由記述では資料館に関し「はぐれないのが精いっぱいだっ
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「汚れ原因」大半再生せず、徳島 市収集のペットボトル
全国の自治体平均で約95%がリサイクルされるペットボトルを巡り、徳島市の実績が推計25%以下にとどまり、多くが直接埋め立て処分されていたことが27日、市への取材で分かった。市は瓶、缶との混合収集による汚れが原因と説明するが、専門家は「自治体のリサイクル率として極めて低い。再生可能な物も埋め立てているのではないか」と指摘する。 市は「現在のごみ処理態勢の中で、基準にのっとり再資源化を進めている」と説明した。 徳島市が2022年度に家庭から混合収集したペットボトル、瓶、缶の総量は3460トン。うちペットボトルの重さは抽出調査に基づく
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東北電力女川原発2号機の安全対策工事完了
東北電力は27日、宮城県の女川原発2号機の再稼働に向けた安全対策工事を完了したと発表した。
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福島県知事「非常に残念」 中国、日本産水産物禁輸撤廃せず
26日の日中首脳会談で、岸田文雄首相が東京電力福島第1原発の処理水放出を受けた日本産水産物の輸入停止措置の即時撤廃を求め、李強首相が応じなかったことに関し、福島県の内堀雅雄知事は27日の定例記者会見で「非常に残念だ」と述べた。七つの国・地域が原発事故以降、食品の輸入規制を続けており、「正確な情報発信や県産農林水産物の魅力発信を強化し、国と連携して輸入規制撤廃に取り組んでいく」と強調した。
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【原発事故時の医師派遣】過酷な環境、救急医療担う 人材育成、外部搬送に課題
大手電力が原発の重大事故に備え、過酷な環境で働く作業員らの医療体制構築に乗り出す。東京電力福島第1原発事故では当初、原発内に医師がいなかったり、外部の病院が被災し搬送に時間を要したりした。事故収束には現場で放射線に対応しつつ救急救命に当たる技能を持つ医師が必要だが、人材は少ない。本格的な治療を担う病院へ患者を確実につなぐことも課題だ。 ▽国全体のリスク 「復旧作業の中断や遅延が国全体のリスクと考えられた」。福島第1原発事故で作業員らの支援に当たった日本救急医学会の報告書には、強い危機感が示されている。第1原発は地震と津波の後、核
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【岸田、李両首相が初会談】積み上がる懸案、遠い安定 解決迫る日本、かわす中国
日中両首相が初の正式会談に臨んだ。岸田文雄首相は得意の外交で成果を上げようと、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に伴う中国の水産物禁輸や、相次ぐ邦人拘束などの解決を迫った。ただ、中国は日本の要求をかわし続け、懸案は積み上がる一方だ。会談で両首相は台湾や処理水を巡って応酬となった。建設的かつ安定的な関係の構築は確認したものの、実現には程遠い。 ▽打開の糸口 26日、韓国・ソウル。岸田首相と李強首相は笑顔で握手を交わし、会談に臨んだ。岸田首相が「大局的な観点の下、意見交換を深めたい」と呼びかけると、李氏は「平和共存、友好協力こそが
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岸田氏、中国首相と初会談 韓国・ソウル 軍事活動に「懸念」 台湾包囲演習、水産物禁輸、邦人拘束… 遠い安定
【ソウル共同】岸田文雄首相は26日、中国の李強首相と韓国・ソウルで初会談した。中国による台湾周辺での軍事演習を踏まえ、台湾海峡の安定化を促した。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けた中国による日本産水産物の輸入停止措置の即時撤廃を要求。両氏は処理水を巡る事務レベル協議の加速で一致した。両国の戦略的互恵関係を推進し、課題や懸案について進展を図る方針を確認した。 両氏は昨年9月にインドネシアでの国際会議の際に立ち話をしたが、正式な会談は初めて。 会談は約1時間。岸田首相は日中関係の安定化に関し「両国のみならず地域や国際社会にとっても有益だ」と述べた。李氏は「日本と中国が歩み寄り、建設
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原発事故 全国で医師確保 大手電力、体制構築へ 派遣登録120人目標
原発事故時、収束に当たる作業員を原発内で診療する医師を確保するため、大手電力などが全国規模の事前登録システムを本年度中に構築することが26日、分かった。医師は交代で現地に派遣され、初期診療を担う。患者に放射性物質の汚染があれば除染して外部の病院へ搬送し、本格的な治療に引き継ぐ。救急医療の関連学会などを通じ登録を呼びかけ、120人の参加を目指す。 原子力施設内での傷病者対応は、2015年の原子力災害対策指針改定で事業者の責任として明記され、厚生労働省が体制整備を要請した。東京電力は11年の福島第1原発事故後、「1F(第1原発)-ERネットワーク」という仕組みを導入。ERは救命救急室を指し、全
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日中首相、台湾情勢で応酬 処理水も対立、溝鮮明に
【ソウル共同】岸田文雄首相は26日、中国の李強首相と韓国・ソウルで初会談した。中国による台湾周辺での軍事演習を踏まえ、台湾海峡の安定化を促した。李氏は「中国の核心利益の核心であり、レッドラインだ」とけん制し、応酬となった。東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡っても対立し、両国の溝が鮮明になった。戦略的互恵関係を推進し、課題や懸案について進展を図る方針は確認した。 両氏は昨年9月にインドネシアでの国際会議の際に立ち話をしたが、正式な会談は初めて。 岸田首相は処理水海洋放出を受けた中国による日本産水産物の輸入停止措置の即時撤廃を
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中国首相、処理水に懸念表明
【ソウル共同】中国の李強首相は岸田文雄首相との会談で、東京電力福島第1原発の処理水を「核汚染水」と呼び、海洋放出は「人類の健康に関わる」と懸念を表明した。中国国営メディアが報じた。
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中国首相、処理水監視巡り「誠意」要求
【ソウル共同】中国外務省によると、李強首相は岸田文雄首相との会談で、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を巡り、長期的な国際モニタリング(監視)体制の構築に「さらなる誠意と建設的な態度」を示すよう求めた。
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イラン核交渉責任者交代 米制裁解除見通せず
【テヘラン共同】イランの国防、外交の政策全般を統括する最高安全保障委員会(SNSC)が今年3月、バゲリ外務次官(当時)が務めていたイラン核合意再建交渉の交渉責任者の役割を解き、後任にシャムハニ前SNSC事務局長を任命していたことが26日、分かった。政府高官が共同通信に明らかにした。 停滞する核交渉の立て直しを図る狙いとみられる。バゲリ氏は交渉チームにとどまるが権限を失い、降格となる。米国の制裁が解除される見通しがない中、SNSCはバゲリ氏を責任者として適任ではないと判断した。 シャムハニ氏はSNSC事務局長として昨年、中東の大国
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原発事故時、派遣の医師確保へ 全国から登録、大手電力
原発事故時、収束に当たる作業員を原発内で診療する医師を確保するため、大手電力などが全国規模の事前登録システムを本年度中に構築することが26日、分かった。医師は交代で現地に派遣され、初期診療を担う。患者に放射性物質の汚染があれば除染して外部の病院へ搬送し、本格的な治療に引き継ぐ。救急医療の関連学会などを通じ登録を呼びかけ、120人の参加を目指す。 原子力施設内での傷病者対応は、2015年の原子力災害対策指針改定で事業者の責任として明記され、厚生労働省が体制整備を要請した。東京電力は11年の福島第1原発事故後、「1F(第1原発)―ERネットワーク」という仕組みを導
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首相、中国に輸入停止措置の即時撤廃要求
【ソウル共同】岸田首相は中国首相との会談で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けた中国による日本産水産物の輸入停止措置の即時撤廃を求めた。両氏は事務レベル協議の加速で一致した。
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欧米兵器でロシア領攻撃、解禁も NATO容認相次ぐ、反撃糸口に
【ロンドン共同】ウクライナがロシア国内の攻撃に欧米供与兵器の使用を解禁する可能性が出ている。これまで認めなかった北大西洋条約機構(NATO)側が最近、相次ぎ使用を容認。主力だった国産無人機に代わり長射程で強力なミサイルを撃ち込むことができれば、ウクライナ東部で攻勢を強めるロシアへの反撃の糸口となりそうだ。 東部ハリコフ市では25日、大型商業施設がロシア軍の攻撃を受け、地元当局によると12人が死亡し、40人以上が負傷した。住宅地も攻撃された。 欧米は巡航ミサイル「ストームシャドー」(英国、射程250キロ)、スカルプ(フランス、射程
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自由貿易 対北朝鮮が焦点 日中韓首脳 27日ソウルで会談
岸田文雄首相、中国の李強首相、韓国の尹錫悦[ユンソンニョル]大統領は27日、韓国・ソウルで会談する。自由貿易の重要性や経済協力の促進、北朝鮮の核・ミサイル開発への対処でどこまで一致した見解を打ち出せるかが焦点となる。感染症対策や少子高齢化といった共通課題については連携する方針で合意する見通しだ。 日中韓首脳会談は、新型コロナウイルス禍や元徴用工問題を受けた日韓関係悪化の影響で2019年12月の中国開催が最後となっている。岸田首相は24日、会談を前に応じた共同通信インタビューで「幅広い分野における未来志向の実務協力の推進で一致したい」と述べた。3首脳は約4年半ぶりの会談を歓迎し、定例化への努
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原発、リニア「重視」半数超 「知事選に関心」69・6%/「投票する」81・1% 静岡県知事選ネット調査
26日投開票の静岡県知事選に合わせて静岡新聞社・静岡放送グループのマーケティング会社「トムス」(静岡市駿河区)が実施した県民意識調査で、争点となっている中部電力浜岡原発再稼働とリニア中央新幹線問題を「重視する」とした人がいずれも半数を超えた。浜松市の新野球場整備は3割以下にとどまった。 調査は16~17日にインターネットで実施し、県民720人が回答した。「とても重視する」「まあ重視する」の合計は浜岡原発が58・9%、リニアが57・6%、新野球場が27・3%だった。地域別にみると、リニアと浜岡原発を重視する人は東部、中部、西部でいずれも5~6割台と満遍なく高かったのに対し、新野球場は西部が約
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日中韓、未来志向の協力を 岸田首相 公正な経済秩序に課題
岸田文雄首相は24日、韓国・ソウルで27日に開かれる日中韓首脳会談を前に共同通信のインタビューに応じた。3カ国は地域の平和と繁栄に大きな責任を共有していると指摘。「胸襟を開いて議論し、幅広い分野における未来志向の実務協力の推進で一致したい」と述べた。自由で公正な国際経済秩序の在り方では立場の隔たりがあるとして、実践的な取り組みの議論が必要だと訴えた。 3カ国が安全保障分野や歴史認識問題で対立を繰り返した経緯を踏まえ、東アジアの安定に向けて日中韓の協力枠組みを重視する姿勢を鮮明にした。日中関係では、中国による台湾包囲の軍事演習や、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けた日本産水産物の輸入
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米、430億円支援表明 ウクライナ激戦地へ武器迅速供与
【ワシントン共同】バイデン米政権は24日、ロシアの侵攻が続くウクライナに2億7500万ドル(約431億円)相当の追加軍事支援を実施すると発表した。大統領権限で、激戦が続く東部ハリコフ州などへ高機動ロケット砲システム「ハイマース」用の弾薬や対戦車ミサイル「ジャベリン」などを迅速に届ける。 国務省によると、追加支援は4月下旬にウクライナ緊急支援予算が成立して以来、5度目。今回の供与分には化学・生物兵器や核兵器からの防護装備も盛り込んだ。
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ロシアがベラルーシと安保協力強化 プーチン大統領、核で欧米けん制
ロシアのプーチン大統領は24日、ベラルーシの首都ミンスクで前日に続きルカシェンコ大統領と会談し、ロシア軍が21日に始めた戦術核兵器使用を想定した軍事演習について協議した。プーチン氏は「国防と安全保障分野で協力を強化する」と表明。演習はベラルーシも参加予定で、ウクライナ侵攻を巡り対立する欧米をけん制した。 ロシアは同盟国ベラルーシに昨年、戦術核を配備した。核の共同運用で北大西洋条約機構(NATO)に対抗する。ルカシェンコ氏は会談で「(ロシアとの)軍事技術協力を通じ、(欧米が制裁で供給を禁じた)製品を代替する事業に取り組む」と応じた。
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日ロの非核化協定破棄 侵攻で関係悪化受け
ロシア政府は24日、極東での退役原子力潜水艦解体などを日本が支援するために1993年に締結された日ロ政府間の非核化協力に関する協定が、今月21日付で破棄されたと発表した。ロシアのウクライナ侵攻により制裁を科した日本との関係悪化を背景に、ロシア外務省が昨年11月、協定の履行停止を日本側に通告し、半年後に破棄されることになっていた。 協定はソ連崩壊後の混乱の中、ウラジオストクに基地を置くロシア太平洋艦隊による日本海への放射性廃棄物投棄が判明したことを受け、締結された。(共同)
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核のごみ報告書、夏にも完成 北海道、次段階調査焦点に
経済産業省は24日、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分を議論する作業部会を開いた。北海道寿都町と神恵内村で進む全国初の文献調査の報告書案について、専門家が審議し、基準に沿っていると評価した。会合後、経産省担当者は「(報告書の)完成は夏ごろというのは見えてきつつある」と述べた。次段階の概要調査移行が焦点となる。 原子力発電環境整備機構(NUMO)は今年2月、両町村で概要調査を実施できるとする報告書案を公表した。専門家の指摘を踏まえて修正、正式に報告書をまとめる。 作業部会の報告書案の評価では、機構が第2段階の概要調査
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全原発で地盤隆起対応確認 能登半島地震受け、原子力規制委
能登半島地震で地盤が大きく隆起したことを受け、全国の原発で想定を超える隆起が起きても原子炉冷却に必要な海水をくみ上げられるかどうか、原子力規制委員会が確認することが24日分かった。最初に関西電力が大飯原発(福井県)で28日に実施する訓練に立ち会い、その後に各地の原発で確認を進める。 原発では原子炉や使用済み核燃料を冷やすためにポンプで海水をくみ上げている。東京電力福島第1原発事故は津波でポンプが損傷したことが原因の一つだった。規制委が策定した新規制基準は、地震で地盤変動が起きても海水のくみ上げができるよう求めている。 今年1月の
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北海道・寿都が核のごみ勉強会 6月から開催、住民投票に向け
高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査が進んでいる北海道寿都町が、次段階の「概要調査」への賛否を問う住民投票に向けた勉強会を6月24日から開催することが24日、町関係者への取材で分かった。 関係者によると、勉強会は6月24日から7月3日にかけて、町内7カ所で開き、町の担当者が地層処分について説明する。勉強会は町が主催し、調査主体の原子力発電環境整備機構(NUMO)は参加しない。
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ロシア大統領がベラルーシ訪問 戦術核で協議へ、欧米けん制
ロシアのプーチン大統領は23日夜、2日間の日程でベラルーシを訪問しルカシェンコ大統領と会談した。インタファクス通信などが報じた。プーチン氏はロシア軍が21日に開始を発表した戦術核兵器使用を想定する演習へのベラルーシの参加についても協議すると述べた。 プーチン氏は昨年、国家統合の手続きを進める同盟国ベラルーシにロシアの戦術核を配備。核の共同運用により、ウクライナ侵攻を巡ってロシアと対立する北大西洋条約機構(NATO)をけん制する意図とみられる。 ベラルーシ国営ベルタ通信によると、両首脳の協議内容は23日が主に安全保障問題、24日は
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福島・浪江町で14年ぶり田植え 今後の出荷再開に期待
東京電力福島第1原発事故の避難指示が昨年3月に一部で解除された福島県浪江町の津島地区で23日、水稲の試験栽培が始まり、14年ぶりの田植えが行われた。同地区の米は出荷制限が続いているため、収穫後に放射性物質の濃度検査を行い、全て廃棄する予定。しかし久々の田植えに参加した元住民らは笑顔で汗を流し、今後の出荷再開に期待を込めていた。 快晴の日差しの下、地区の元住民や町職員ら15人ほどが参加。約千平方メートルの水田に、福島県のオリジナル品種「里山のつぶ」を手作業で植えていった。現在は福島市で暮らす菅野雄造さん(66)は「事故で大変なこともあったが、やっと一歩進むことが
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和平案3項目を重点化 6月会合でゼレンスキー氏
【ニューヨーク共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は6月中旬にスイスで開かれるハイレベル会合で、自身が提唱する和平案「平和の公式」10項目のうち、原発の安全確保などの3項目を重点的に推進し、各国に支持を呼びかける考えを示した。今月20日に米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューに語った。 平和の公式はロシア軍の即時全面撤退やウクライナ領土の一体性回復を盛り込んだ10項目の提案。スイス政府は平和の公式を協議するハイレベル会合に160カ国以上を招待している。 ゼレンスキー氏は(1)ロシアが占拠する南部のザポロジエ原発の安全確保(2)
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珠洲原発なく「良かった」 03年凍結、地元反対受け 加速する人口減、嘆きも
能登半島地震により甚大な被害が出た石川県珠洲市では約50年前から「珠洲原発」の立地計画があり、2003年に地元の反対などを受け凍結された。激しい揺れや津波の被害を前に「原発がなくて良かった」と安堵する住民がいる一方、加速する人口減少に嘆きの声も。専門家は「振興策としての原子力施設の建設が合理的なのか再考が必要」と訴える。 予定地の一つだった珠洲市北東側の海に面した三崎町寺家地区近くの気象庁観測点では元日、震度6強を記録。高台に建設する計画だったが、土木学会の調査チームは地区で、高さ4・7メートルまで津波が到達した痕跡を確認した。
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原発立地以外でも議論を 核ごみ調査受諾の玄海町長
原発立地自治体などでつくる全国原子力発電所所在市町村協議会は22日、東京都内で総会を開いた。佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査を巡り「受け入れた玄海町も北海道の2町村も原発立地や周辺自治体。そこだけの問題でなく、全国的な議論に広がるよう取り組んでほしい」と国に求めた。 総会には自治体や関係省庁などから約190人が出席し意見交換した。福井県高浜町の野瀬豊町長は「処分地の問題を進める上でのネックは、ネガティブなイメージが強いこと。これを軽減するために、候補に手を挙げやすくするインセンティブの見直しなどが
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核実験「黙っていられない」 被爆者、広島の署名活動で訴え
広島の被爆者7団体は22日、広島市の平和記念公園で日本政府に核兵器禁止条約の批准を求める署名活動をした。ちょうど1年前の5月に、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で「核軍縮広島ビジョン」が発表されたにもかかわらず、米国が今月14日に臨界前核実験をしたとして「被爆者は黙っていられない」と訴えた。 広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長(79)はマイクを手に「核兵器をなくそうとG7の国々は誓った。核軍縮に向け話し合いをすべきだ。二度とこんな苦しみを味わわせない」と声を張り上げた。 もう一つの県被団協の箕牧智之理事長(82)
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核燃中間貯蔵の応急拠点、東通に 青森・むつ、今夏にも操業予定
原子力規制委員会は22日、今夏にも操業開始を予定しているリサイクル燃料貯蔵の使用済み核燃料中間貯蔵施設(青森県むつ市)の緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)として、東通村防災センター(同県東通村)を指定する内閣府の方針を了解した。関係自治体などへの意見聴取を経て、6月にも首相が正式に指定する見通し。 東通村防災センターは中間貯蔵施設の南東約11キロにあり、東北電力東通原発のオフサイトセンターにも指定されている。内閣府の担当者は「大型ヘリコプターの離着陸が可能など、必要な条件を充足していることを改めて確認した」とした。
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佐賀・玄海町長の軽乗用車燃える 核ごみ文献調査を受諾
21日午後8時半ごろ、佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長宅近くの駐車場で「軽乗用車が燃えている」と119番があった。唐津署によると、車の所有者は脇山氏。火は約20分後に消し止められ、けが人はいなかった。左側の前のドア付近の燃え方が激しく、出火原因を調べている。現場は玄海町役場から北西約100メートル。 脇山氏は10日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の受け入れを表明していた。 脇山氏の妻宣枝さんによると、脇山氏は「車自体が古いので、不具合かな」と話したという。
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ロシア、戦術核想定の演習開始 ウクライナ侵攻拠点で
ロシア国防省は21日、ウクライナ侵攻の拠点となっている南部軍管区で戦術核兵器の使用を想定した演習の第1段階を開始したと発表した。戦術核の使用も辞さない姿勢を示すことで、ウクライナへの軍事支援を続ける欧米をけん制する狙い。 国防省は、軍最高司令官であるプーチン大統領の指示により、欧米首脳らの「挑発的発言や脅迫」に対応して領土と主権を守るのが目的だと説明した。「非戦略核兵器」の部隊と装備の即応性を保つとしている。 核弾頭搭載可能な弾道ミサイル「イスカンデル」の部隊が「特殊な弾薬」を装備して指定の地域に秘密裏に移動する訓練や、空軍部隊
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藤枝市長選 立候補者アンケート/少子高齢化と人口減少対策など4項目
任期満了に伴う藤枝市長選は、ともに無所属で、5選を目指す現職の北村正平氏(77)と新人で元兵庫県議、コンサルティング会社代表の小西彦治氏(52)が26日の投開票に向けて論戦を展開している。両氏に市政課題への考えと政策を聞いた。(左から届け出順) 少子高齢化と人口減少対策 北村氏 子どもや子育て世帯、高齢者が安心して暮らし、希望を持って活動できる環境づくりを徹底して進める。新たな成長産業づくりに着手し、若い世代が活躍できる仕事を増やすとともに、結婚や育児の希望がかなうよう経済的安定を図る。土地利用の規制緩和も進め、安心な住まい環境を整える。 小西氏 この問題は地方行政の課題ではなく、国の課
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社説(5月22日)核ごみ処分場調査 丁寧な議論積み重ねを
「核のごみ」と呼ばれる原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定について、佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は第1段階の文献調査を受け入れると表明した。 文献調査受け入れを求める請願を町議会が採択したことを受け、脇山町長は「大変重い」と述べて町議会の意向を尊重する姿勢を示した。一方で「お金目的ではない」として、調査に伴う交付金目当てではないことを明らかにし、核のごみ問題の議論を喚起したいとの考えも示した。 玄海町には九州電力玄海原発があり、原発立地自治体としては初めて。全国では調査が進む北海道の2町村に続き3例目となる。核のごみはどこかに安全な形で処分しなければならない。核のごみの最終処
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静岡県知事選2024 候補者を追う(21日)
森大介氏(共新) 7月で熱海土石流被害から3年になる。警戒区域が解除され、伊豆山への帰還が始まりつつあるが、まだ避難を余儀なくされている市民がたくさんいる。被災者に寄り添った復興、生活再建に全力を尽くす。福島第1原発事故では数百キロ離れた県東部でも放射性物質が検出され、農産物が出荷停止になった。世界一危険な浜岡原発は廃炉を決断する。 (熱海市での街頭演説) 鈴木康友氏(無新) ここ三ケ日は17年前、最初の市長選をスタートさせた原点の地。あのときと同じ「やります」のスローガンを掲げた。農業の担い手が高齢化して耕作放棄地が増える中、市長時代には若手の育成やスマート農業を進めてきた。三ケ日の
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被爆後と現代、広島の街を比較 写真展、26日まで開催
米軍による原爆投下直後と現代の広島の街を、同じ地点から撮影した写真で比較する展示会「街の記憶」が26日まで広島市中区の合人社ウェンディひと・まちプラザで開かれている。主催者は「写真を比べて、原爆の悲惨さ、平和の大切さを考えてほしい」としている。入場無料。 原爆資料館のデータベースなどから、爆心地に近い相生橋や市街地の紙屋町を写した被爆後の写真10枚を選び、同じ構図で撮影した現代の写真10枚と合わせて計20枚を展示する。現代の街は、広島や長崎の被爆者と、その家族を撮影している写真家堂畝紘子さん(41)=広島市=が手がけた。 写真展
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佐賀県玄海町で町長所有の軽乗用車燃える
佐賀県警によると、21日午後8時半ごろ、同県玄海町の脇山伸太郎町長宅近くの駐車場で「軽乗用車が燃えている」と119番があった。車は脇山氏の所有。脇山氏は原発から出る核のごみ処分場選定に向けた文献調査受け入れを表明していた。
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羽田事故で放射性物質焼失 海保報告、周辺に影響なし
原子力規制庁は21日、羽田空港の滑走路で日航と海上保安庁の航空機が衝突した事故により、海保機に搭載されていた放射性物質を含む部品計6個が焼失したと発表した。周辺環境や人への影響はなかった。 規制庁によると、非常口表示灯5個とエンジン点火装置1個に、放射性物質のトリチウムやクリプトンが含まれていた。一般的に航空機に搭載されている部品で、海保が20日、規制庁に報告した。 1月2日に起きた事故では、羽田空港のC滑走路に着陸した札幌発の日航機と海保機が衝突し炎上した。海保機の乗員5人が死亡し、機長が重傷を負った。日航機の乗客乗員379人
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核のごみ処分場に質問相次ぐ 文献調査受け入れ、佐賀・玄海町
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の受け入れを表明した佐賀県玄海町で21日、町議や地元の商工関係者、欧米の有識者による原子力施設と地域の共生に関する意見交換が行われた。最終処分場を世界で初めて建設中のフィンランドの出席者には、立地場所決定に向けた議論の進め方や電力会社の役割といった質問が相次いだ。 唐津上場商工会の牧原康副会長は「町は原子力の風評被害と向き合ってきた」と主張。原子力活用には安心・安全の担保が欠かせないと訴え、欧米での取り組みに意見を求めた。 フィンランドのエイヤ・リッタ・
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高浜4号機が営業運転再開、福井 伝熱管損傷で3週間遅れ
関西電力は21日、高浜原発4号機(福井県高浜町)で定期検査を終え、営業運転を再開した。昨年12月に定検に入ったが、蒸気発生器の伝熱管4本に損傷が見つかり、当初の予定より3週間遅れた。 定検では、燃料集合体157体のうち69体を取り換えた。原子炉格納容器内で発生させた蒸気をタービンに送る主蒸気管で、放射線量の上昇を高感度で検知する装置なども交換した。損傷が見つかった蒸気発生器の伝熱管には栓をし、今後使用しない。次回の定検は2025年5月の予定。 高浜4号機は25年6月で運転開始から40年を迎える。関電は原子力規制委員会に運転期間の
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米、マニラに原発産業拠点 東南アジア輸出目指す
【マニラ共同】クリテンブリンク米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は21日、米国の原子力企業がフィリピンなど東南アジア諸国に原発を輸出できるよう米商務省がマニラに原発産業の作業部会の拠点を置く予定だと述べた。同省は小型モジュール炉の輸出促進を目指すとしている。 クリテンブリンク氏は米国がマニラで主催した経済会合に出席。フィリピンで11月に企業代表や専門家らを集めた原発関連会合を両政府主催で開くことも明らかにした。また、原発を運用する人材の育成を含むフィリピン政府と米側の協力覚書の署名に立ち会った。 署名式でフィリピンのロティリヤ
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「いかなる核実験も許さぬ」 長崎の被爆者ら座り込み
米国が14日に臨界前核実験を実施したことを受け、被爆者や原水爆禁止長崎県民会議(原水禁長崎)のメンバーらが21日、長崎市にある平和公園の平和祈念像前で座り込みを行い「いかなる国のいかなる核実験も絶対に許さない」と抗議した。抗議文は在日米大使館に郵送した。 強い日差しの中、35人が参加。長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会議長で被爆者の川野浩一さん(84)は「明らかに核軍縮に逆行する。核爆発しないからといって許されるものではない」と怒りの声を上げた。 座り込み後、一般論として包括的核実験禁止条約(CTBT)に抵触するものではない
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広島知事「厳重に抗議を」 米核実験巡り政府に苦言
広島県の湯崎英彦知事は21日の記者会見で、米国による臨界前核実験の実施を静観する日本政府の姿勢に「看過すれば、ロシアや中国、北朝鮮などのさらなる核実験と核抑止力を強化する口実になる。厳重に抗議してほしい」と苦言を呈した。 米国は14日に西部ネバダ州で実験をした。湯崎氏は唯一の戦争被爆国として被爆者や遺族の思いを受け止める必要があるとし「核兵器廃絶に向けたステップを着実に前進させるため、政府としてどういう対応をすべきか判断してほしい」と強調した。
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AI新興技術、核軍縮の影響議論 横浜、第4回国際賢人会議
核兵器保有国と非保有国の有識者が核軍縮の道筋を話し合う「国際賢人会議」の第4回会合が21日に横浜市で開かれた。22日までの日程で、来年の提言取りまとめに向け、人工知能(AI)のような新興技術が核軍縮に及ぼす影響などを議論した。上川陽子外相はビデオメッセージで「皆さまの提言は必ず国際社会の機運を高め、核兵器のない世界の実現に向けた歩みにつながる」と期待を寄せた。 座長の白石隆・熊本県立大特別栄誉教授は今回の会合について、新興技術の影響に加え、核兵器保有国、非保有国双方の責任や核拡散防止条約(NPT)を中心とした核軍備管理・不拡散体制のアップデートが議題だと述べた
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【イラン大統領がヘリ墜落で死亡】「後継者」急逝で混迷も 仕切り直し迫られる米国
緊迫する中東情勢を左右してきたキーパーソンの一人、イランのライシ大統領(63)がヘリコプター墜落で死亡した。最高指導者ハメネイ師(84)の有力後継者とみられてきた人物の急逝に、イラン指導部には動揺が走る。米国やイスラエルとの対決姿勢を維持しつつ紛争拡大には一定の歯止めをかけてきたライシ師と、3年にわたり駆け引きを続けてきた米国も対応の仕切り直しを迫られ、中東の混迷が深まる恐れもある。 ▽秘蔵っ子 「国政に混乱はない」。ライシ師が乗ったヘリの墜落が報じられ始めてから約5時間後の19日夜(日本時間20日未明)、国営メディアを通じてハ
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農相「説明ない」と不快感 中国の日本水産施設削除
坂本哲志農相は21日の閣議後記者会見で、中国の税関当局が日本の水産物輸出業者の施設登録を削除にしたことに「中国側から何ら説明がない」と不快感を示した。外交ルートを通じて説明を求めたとした。日本の水産物輸出への影響に関しては言及を避けた。 坂本氏は5月上旬、中国当局が管理するウェブサイト上で、日本からの水産物輸出が可能な施設登録が全て削除されたとの報告を受けた。中国は昨年8月から、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を受け、日本産水産物の輸入を停止しており「全く科学的根拠に基づかない措置で、即時撤廃を求めていく」と強調した。
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島根原発の運転容認、抗告せず 住民側、差し止め仮処分申請
鳥取、島根両県の住民が中国電力島根原発2号機(松江市)の運転差し止めを求めた仮処分申請を退けた広島高裁松江支部決定について、住民側が最高裁に特別抗告などの不服申し立てを期限の20日までにしなかったことが21日、同支部への取材で分かった。島根2号機は定期検査による停止中で12月に再稼働を予定している。 住民側は島根2号機に関し避難計画に不備があるなどと主張したが、15日の決定は「異常な水準で放射性物質が原発敷地外に放出される重大事故の具体的危険性の立証が不十分で、前提を欠く」として退けた。 住民側は最高裁で運転差し止めを認めない判
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安保理、ロシアの宇宙決議案否決 軍拡競争激化に懸念
【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会(15カ国)は20日、ロシアが提出した宇宙へのあらゆる兵器の配備禁止を求めた決議案を否決した。日米が先月提出した宇宙の非核化を求めた決議案はロシアの拒否権で否決されており、宇宙での軍拡競争の激化が懸念される。 米国のウッド国連次席大使は、ロシアが今月16日に人工衛星を打ち上げたと主張し、対人工衛星兵器の可能性があると指摘した。2019年、22年にもロシアが同様の衛星を打ち上げたと説明。ロシアの決議案は核を搭載する新型衛星の開発から「世界の注目をそらすためだ」と批判し、先月の日米の決議案こそが採択されるべきだったと述べた。
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終盤突入し戦略変化 対話重視 熱意伝える 票掘り起こしへ新政策も【静岡県知事選】
知事選が26日の投開票に向けて終盤に突入する中、各候補者は街頭演説中心から有権者とふれ合える活動を増やしたり、新たな政策を打ち出したりするなど、徐々に戦略や主張を変化させて票の掘り起こしを図っている。同じテーマを集中的に扱い、浸透を目指す候補者もいて、戦略にも違いが見える。 共産党県委員長の森大介氏(55)=同党公認=は「県民の最大の関心事」と位置づけるリニア中央新幹線建設、中部電力浜岡原発の再稼働について一貫して反対を主張し、他の候補とは異なる立場を鮮明にする。「リニア事業にどんな問題があるのかを考えてほしい」と繰り返し訴え、リニア問題の争点化を図ってきた。多くの人が日常的に利用するスー
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静岡県知事選2024 候補者を追う(20日)
森大介氏(共新) リニア、原発を許さず、暮らし、福祉最優先。このスローガンで希望が持てる県政に切り替えていきたい。岐阜県でのリニア工事で井戸やため池の水位が下がったという報道があった。大井川の水もリニア工事で奪われかねない。人ごとではないニュースだ。リニア推進の知事でいいのか。リニアよりも環境と水を優先すると最後まで訴える。 (牧之原市での街頭演説) 鈴木康友氏(無新) スローガンはオール静岡で幸福度日本一の県を目指すというもの。浜松で達成した。今度は県の番だ。企業誘致、稼げる農業の支援、教育環境の充実など浜松で成功した事例を県全体に発展させる。これまでに培ってきた経験、知見を全部注ぎ
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ロシア占拠ウクライナ原発が焦点 IAEA核安全保障会合
【ウィーン共同】国際原子力機関(IAEA)の核安全保障に関する会合が20日、オーストリアの首都ウィーンで始まった。24日までの予定。ロシアが占拠するウクライナ南部ザポロジエ原発の安全確保を巡る議論が焦点の一つになりそうだ。欧州最大のザポロジエ原発を巡っては、戦闘に巻き込まれて大事故につながることが懸念されている。 欧州外交筋は取材に対し、今回の会合で「ザポロジエ原発は政治的議論の中心になるだろう」と見通した。関係筋は、原発が攻撃の危険にさらされる状況はIAEAにとっても「非常に困難だ」と指摘した。 一方、東京電力福島第1原発の処
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再エネ発電、原発4基分に 東電RP、数千億円を投資へ
東京電力グループで再生可能エネルギーを手がける東京電力リニューアブルパワー(RP)の永沢昌社長(57)は、20日までに共同通信のインタビューに応じ、2020年の会社設立後からの再エネ開発規模が国内外で計約350万キロワットに達したと明らかにした。原発3~4基分に相当する。30年度までに最大700万キロワットに倍増させる目標に道筋がついた形だ。 今後、数千億円規模を投資する方針。地域振興や地熱発電にも取り組みを広げるという。 現状の350万キロワットの開発には、海外で計画中や出資参画するものも含まれる。国内で開発が決まった事業の一
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核ごみ、調査計画作成へ 経産省、佐賀県玄海町の文書受領
経済産業省は20日、佐賀県玄海町から、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に必要な文献調査に応じるとの文書を受け取ったと明らかにした。処分事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)は調査計画を作成し、事業計画の変更を国に申請する。経産相の認可後、調査を始める。 経産省が1日、玄海町に調査実施を申し入れていた。先行する北海道神恵内村では、経産省の申し入れに文書で回答してから約1カ月で調査が始まっている。 処分場選定の第1段階となる文献調査は北海道寿都町と神恵内村で終盤を迎えている。玄海町は全国で3例目、原発が立地する
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井上咲楽さん、静岡県知事選ウオッチング リニア論戦の変化に驚き 「県外視線、影響あるかも」
静岡新聞社・静岡放送は投票率向上キャンペーン「決める、未来」の一環で、選挙ウオッチングが趣味のタレント井上咲楽さん(24)=栃木県出身=に26日投開票の知事選で政党の公認、推薦を受けた3候補の街頭演説を取材してもらい印象を聞いた。2021年の前回知事選に続けて取材した井上さんは、リニア中央新幹線整備に対する候補者の訴えや有権者の空気感が「前回選からすごく変わった」と驚きを示した。 共産党県委員長の森大介氏(55)=同党公認=、元浜松市長鈴木康友氏(66)=立憲民主党、国民民主党推薦=、元副知事大村慎一氏(60)=自民党推薦=の新人3氏に取材のアポイントを取り、井上さんは各候補の演説を聞い
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日本政府の態度「反文明的」 徴用工巡り、韓国前大統領
【ソウル共同】韓国の文在寅前大統領は18日に出版された回顧録で、日本政府が植民地期の元徴用工動員の強制性や不法性を否定する態度を示しているとして「反文明的だ」と非難した。徴用工を「旧朝鮮半島出身の労働者」と言うようになったことなどを指すとみられる。文氏は歴史問題は「過去を直視して傷を癒やし、許し、和解するという根本的解決」が必要だと訴えた。 外交分野を中心に回顧し、仲介者として米朝の史上初の首脳会談を2018年に実現させたことなどを振り返った。北朝鮮情勢が緊張していた17年の日米韓首脳会談では、当時の安倍晋三首相が、在韓邦人を日本へ撤収させる訓練を提案したとい
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広島サミット記念館が開館 「思い起こすきっかけに」
昨年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の開催から1年となった19日、広島市の平和記念公園内に「G7広島サミット記念館」が開館した。広島県の湯崎英彦知事がセレモニーで「広島でサミットが開催されたことを思い起こすきっかけにしてほしい」と述べた。 記念館は入場無料で、原爆資料館東館の北側にある。広さ約110平方メートルのプレハブの建物に、各国首脳らが原爆資料館で記帳した芳名帳のレプリカや、首脳会議で実際に使用された円卓と椅子など約100点が展示されている。 湯崎氏は報道陣の取材に「芳名帳を見れば、集まった首脳一人一人の心に与
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被爆者団体が臨界前核実験に抗議 広島、長崎市長も
米国の臨界前核実験の実施を受け、広島被爆者団体と広島、長崎の両市長は18日、在日米大使館に抗議文をそれぞれ郵送した。核軍拡競争を助長し、核拡散防止条約(NPT)を無力化させるとして、今後の実験中止を求めた。 広島市の松井一実市長は昨年の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)でまとめた「核軍縮広島ビジョン」に触れ「核兵器廃絶を求める多くの人々の願いに背き、断じて許せない」と強調。長崎市の鈴木史朗市長は「核兵器のない世界に向けたリーダーシップを発揮することを強く求める」と訴えた。 被爆者団体は7団体が連名でバイデン米大統領に、両市長
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中国共産党高官、下旬に来日へ 与野党と交流、外相面会も
中国共産党の対外交流部門、中央対外連絡部(中連部)のトップ、劉建超部長が27日にも来日する方向で検討していることが分かった。滞在中に政党間交流として与野党幹部と会談する見通しで、上川陽子外相との面会も調整している。複数の関係者が18日明らかにした。劉氏の来日は2022年の就任後初めてとなる。 日中間には、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出や日本産水産物の輸入停止など多くの懸案がある。今月下旬の日中韓首脳会談に合わせた岸田文雄首相と中国の李強首相の会談が想定される中、政党同士の対話にも注目が集まりそうだ。 関係者によると、劉氏は
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「核兵器ない世界」むしろ遠くに G7広島サミットから1年
昨年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)の開催から、19日で1年となる。「核兵器のない世界」実現への理想をG7で共有したと成果をアピールした岸田文雄首相だったが、その後の世界はロシアやイスラエルが核使用の脅しを繰り返し、米国は臨界前核実験を実施。核軍縮の機運は高まらず、情勢は厳しさを増している。 サミットは厳重な警備の下、昨年5月19~21日に広島市で開催。岸田氏は被爆地・広島選出の首相として史上初のG7首脳そろっての原爆資料館訪問を実現し、被爆の悲惨さに触れた首脳らは芳名帳に決意をつづった。岸田氏は核保有国の米英仏を含むG7で「核軍縮広島ビジョン」を
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福島の汚染水浄化設備、運転再開 トラブル相次ぎ全作業点検
東京電力は福島第1原発で発生する汚染水を浄化する、増設の多核種除去設備(ALPS)の運転を再開した。昨年10月、下請けの男性作業員2人が高濃度の放射性物質を含む廃液を浴びて被ばくした事故を受けて停止していた。第1原発ではトラブルが相次いでおり、東電は全ての作業の安全点検を進めている。 東電は、予定外の弁の操作で配管の内圧が急激に変化し、ホースがタンクから外れたことなどが原因と説明。再発防止のため、ホースが抜けないようタンクの上部にアクリル板を設置したほか、弁は予定外の操作ができないように施錠した。 被ばくした2人は身体汚染を防ぐ
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立民、核不使用へ努力 共産「断固抗議」
立憲民主党の泉健太代表は18日、米国による臨界前核実験の実施を受け「核兵器が使われることがないよう、核廃絶に向けた国際的な取り組みを進めていく」と千葉県柏市で記者団に語った。共産党の田村智子委員長は東京都内で記者団に「核兵器のない世界に逆行するもので断固抗議する」と述べた。 泉氏は、国際情勢が厳しさを増す中、米国の安全保障上の措置として実験が行われたとの認識も示した。 田村氏は「被爆国として、日本政府も米国に抗議の声を上げてほしい」と要請。核兵器を違法化した2021年発効の核兵器禁止条約に触れ「こちらが世界の本流だ。国際社会が動
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米国の臨界前核実験に憤り、落胆 広島、長崎の被爆者
米国が臨界前核実験を実施したことを受け、広島や長崎の被爆者は18日、「国際情勢の緊迫を一層高める言語道断の行為だ」と憤った。昨年の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は「核兵器のない世界」を目標に掲げた「核軍縮広島ビジョン」を発表しており、実験の継続に落胆の声も上がった。 長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会議長の川野浩一さん(84)はロシアのウクライナ侵攻やガザ情勢も踏まえ、臨界前であっても米国の行為は容認できないと強調。「原爆は終生、人体に影響を与える。その恐ろしさがいまだに伝わりきっていないことがもどかしい」と語った。
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米、臨界前核実験 バイデン政権3回目
【ワシントン共同】米エネルギー省核安全保障局(NNSA)は16日、西部ネバダ州の核実験場で核爆発を伴わない臨界前核実験を14日に実施し、成功したと発表した。バイデン政権では3回目の実施で、2021年9月以来。核戦力増強を進める中国やロシア、北朝鮮に対する抑止力強化の一環だが、軍縮に逆行するとして批判の声も上がりそうだ。 NNSAは核弾頭の安全性や信頼性、有効性の維持、性能改善に向けたデータ収集が実験の目的だと説明。爆発を伴う全ての核実験を禁じる包括的核実験禁止条約(CTBT、未発効)の対象にはならないとしている。 NNSAによる
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静岡県知事選2024 候補者を追う(17日)
森大介氏(共新) 浜岡原発は南海トラフ巨大地震の想定震源域の真上に建っている。本来、原発などあってはならないところ。それが浜岡原発。世界一危険な原発だ。福島第1原発事故を教訓とするのであれば、浜岡原発は再稼働することなく、一日も早く廃炉を決断し、再生可能エネルギーの開発、普及へとかじを切るべきではないか。(掛川市での街頭演説) 鈴木康友氏(無新) 企業集積を加速させ、魅力ある雇用を生み出さなければならない。浜松市長時代、企業誘致できる土地がほとんどなかったが、「なければつくればいい」と国の総合特区制度を活用し一部の農地に誘致した。今や都田・三方原地区はものづくりのメッカだ。取り組みを
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21日にロシア宇宙決議案採決へ 国連安保理、否決の公算
【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会(15カ国)は17日、ロシアが提出した宇宙へのあらゆる兵器の配備禁止を求めた決議案を20日午後(日本時間21日午前)に採決すると決めた。安保理筋が明らかにした。先月、宇宙の非核化を求めた決議案をロシアの拒否権で否決された日米などは反対する見通しで、今回も否決の公算が大きい。 ロシアと米国はウクライナ侵攻やパレスチナ自治区ガザの戦闘を巡り激しく対立している。宇宙の軍拡競争防止の観点でも協力関係を見いだせない状況だ。 安保理で決議案が採択されるには、9カ国以上の賛成と常任理事国の米英仏中ロのいず
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26日に脱原発講演会 静岡
脱原発自然エネルギー推進静岡議員の会は26日午後1時半から、原発ゼロ自然エネルギー推進連盟の吉原毅会長(城南信用金庫元理事長)を招いた講演会を静岡市駿河区の県男女共同参画センターあざれあで開く。 吉原さんは東日本大震災以降、被災地支援を続けるとともに原発に頼らない社会を目指し、自然再生可能エネルギーの普及拡大などを訴えてきた。講演では長年の経験を基に原発の問題点などを解説する。 参加費は一般500円。問い合わせは同会の三上元代表<電090(2680)2884>へ。
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中国、日本水産施設を停止 5月から税関当局の登録
中国の税関当局が、日本国内にある水産物輸出業者の加工や保管などの施設登録を、5月から全て無効にしていたことが日本政府関係者への取材で17日、分かった。登録がないと中国への輸出はできないという。 中国は昨年8月から、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を受けて日本産水産物の輸入を停止している。ただ、今年4月までは施設の登録を有効のまま維持していた。今回の措置により日本からの水産物輸出にどのような影響が出るのかは不明だ。 岸田文雄首相は昨年11月、中国の習近平国家主席との会談で日本産水産物輸入停止の即時撤廃を求めた。両首脳の議論は平
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電事連「原発依存度低減」削除を 林会長、エネ基本計画の改定で
電気事業連合会の林欣吾会長(中部電力社長)は17日の定例記者会見で、政府のエネルギー基本計画で原発の依存度を可能な限り低減すると明記している部分について、将来の電力需要の増加見通しなどを踏まえ「環境変化が既に起こっている。削除していただきたい」と要望した。 政府は15日、おおむね3年ごとに実施している計画の改定作業を開始した。林会長は「既設原発の再稼働促進だけでなく新増設、リプレース(建て替え)についてもちゃんとうたってほしい」と述べた。 2021年10月に閣議決定した現行計画は「可能な限り原発依存度を低減する」と明記。東京電力
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G7広島サミット記念館が完成 平和記念公園内に、19日公開
昨年5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)を振り返る「G7広島サミット記念館」が広島市の平和記念公園内に完成し、報道陣向けの内覧会が17日開かれた。19日から一般公開される。 記念館は広島県と広島市、地元経済界でつくる広島サミット県民会議が原爆資料館東館の北側に設置した。広さ約110平方メートルのプレハブの建物内に、各国首脳らが原爆資料館で記帳した芳名帳のレプリカや、首脳会議で実際に使用された円卓など約100点が展示されている。 県民会議事務局の山中ゆかり総務課長は「サミットを思い出し、改めて平和を考える機会にしてほしい」
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【立候補者アンケート回答】川勝県政どう評価? 県政の最大の課題は? 地域振興策は? 静岡県知事選
静岡新聞社が知事選(26日投開票)の立候補者に行ったアンケートの回答を紹介する。村上猛氏(73)=無新=は回答しなかった。共は共産、無は無所属。政党の公認、推薦を受けた候補から届け出順。 目次 ▶森大介氏(55) ▶鈴木康友氏(66) ▶大村慎一氏(60) ▶横山正文氏(56) ▶浜中都己氏(62) 森大介(もりだいすけ)氏 55歳 共新 Q 任期途中で辞職した川勝平太前知事の4期15年の県政をどう評価しますか。 子ども医療費の無料化、学校給食費の無償化の提案など子育て支援に力を入れた点は評価できる。沼津鉄道高架事業や遠州灘海浜公園内
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6回目の処理水海洋放出を開始 東電、6月4日まで7800トン
東京電力は17日、昨年8月以来、6回目となる福島第1原発からの処理水海洋放出を開始した。6月4日までに約7800トンを放出する。 東電によると、処理水に含まれる放射性物質を放出前に分析し、国や東電が定めた基準を満たすことを確認している。 処理水の海洋放出は昨年8月24日に始まり、これまでに計5回、約3万9千トンを放出。原発周辺で採取した海水の分析結果を翌日公表する「迅速測定」で検出したトリチウムの濃度は最大で1リットル当たり29ベクレルで、東電が設けた放出停止の基準(700ベクレル)や世界保健機関(WHO)の飲料水基準(1万ベク
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東京電力、6回目の処理水海洋放出開始
東京電力は17日、昨年8月以来、6回目となる福島第1原発からの処理水海洋放出を開始した。
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米議員らの原爆正当化発言に抗議 広島の被爆者6団体、謝罪要求
米連邦議員や政府高官から広島、長崎への原爆投下を正当化する発言が相次いでいることを受け、広島の被爆者団体6団体は17日、「憤りと悲しみをもって強く抗議する」とする声明を発表し、発言の撤回と謝罪を求めた。 米国では、共和党のグラム上院議員が原爆投下を「負けられない戦争を終わらせた。正しい決断だった」などと引き合いに出し、イスラエルへの武器支援を主張している。声明は、広島県原爆被害者団体協議会(箕牧智之理事長)などの連名で「核戦争を誘発するような妄言は到底看過できない」と非難し、平和の実現に尽力するよう訴えている。米議会と政府に対し、原爆投下について謝罪することも
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長崎原爆死没者名簿を「風通し」 19・5万人分200冊
長崎市は17日、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館に納められている原爆死没者19万5704人分の名簿200冊を、館内で外気にさらし湿気を除く「風通し」をした。名簿に傷みがないかどうかを確認するため、例年梅雨入り前に実施している。 市によると、新たに死亡が確認された3322人を追加し、重複が判明した17人を削除したため、名簿は昨年の風通しから3冊増えた。名前が分からない犠牲者のために作成された白紙の名簿と、広島で被爆し、長崎での奉納を希望した97人の名簿各1冊も含まれる。 長崎市は1968年に名簿の作成を始めた。氏名や死没の年月日、
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中ロの「核汚染水」呼びに抗議 官房長官、事実に反し遺憾
林芳正官房長官は17日の記者会見で、中国とロシアが16日の首脳共同声明で東京電力福島第1原発の処理水を「核汚染水」と呼んで懸念を表明したことを受け、直後に外交ルートを通じて中ロに抗議したと明らかにした。「事実に反する言及をしたことは大変遺憾だ」と非難した。 処理水の海洋放出を巡り、国際原子力機関(IAEA)の包括報告書やモニタリングデータの公表に触れ「科学的観点から何ら問題は生じていない。国際社会の理解と支持が得られている」と強調。「中ロに対しても丁寧かつ透明性を持って説明していく」と語った。
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ロシア、宇宙の核兵器を研究か 22年に衛星打ち上げ、米紙報道
【ワシントン共同】米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は16日、ロシアが2022年2月に核を搭載した対人工衛星兵器の研究用衛星を打ち上げていたと報じた。この衛星には核を搭載していないが、実際に兵器が配備されて宇宙で使われれば、地球を周回する多数の衛星を破壊できるという。米当局者の話としている。 米国は4月、宇宙空間に核兵器や大量破壊兵器を配備しないよう各国に求める決議案を日本と共に国連安全保障理事会に提出した。ロシアが拒否権を行使し、決議案は否決された。中国は棄権した。 ロシアは22年2月に打ち上げた衛星「コスモス2553」
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日本政府、原発処理水を巡り中ロに抗議
林芳正官房長官は17日の記者会見で、中国とロシアが東京電力福島第1原発の処理水を「核汚染水」と呼んだことについて「事実に反する言及をしたことは大変遺憾だ」と述べ、外交ルートを通じて中ロに抗議したと明らかにした。
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中ロ首脳「核汚染水」懸念 共同声明、国際監視訴え
【北京共同】中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は16日に署名した共同声明で、東京電力福島第1原発の処理水を「核汚染水」と呼び、海洋放出に「深刻な懸念」を表明した。中国国営中央テレビが報じた。 「責任ある形で安全に核汚染水を処置することを求める」と明記。厳しい国際モニタリング(監視)を受け入れるよう訴えた。
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中ロ首脳、「核汚染水」に懸念表明
【北京共同】中国国営中央テレビによると、中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は16日の共同声明で東京電力福島第1原発の処理水を「核汚染水」と呼び、海洋放出に「深刻な懸念」を表明した。
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「核廃絶に逆行」と米議員を批判 被爆地市長、正当化発言に
米国の連邦議員から広島、長崎への原爆投下を正当化する発言が相次いでいることに、広島と長崎の両市長が16日の定例記者会見で「(核兵器廃絶の)理想へやっていくべき方向と逆行する発言だ」などと批判の声を上げた。 原爆投下を正当化する発言は、米共和党のグラム上院議員らがイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザの情勢に関連して繰り返している。 広島市の松井一実市長は昨年の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で広島を訪問したバイデン米大統領が核兵器のない世界を目指すと表明したことに言及。「考えを改めることをお願いした
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横須賀のロナルド・レーガン離日 任務8年超、同型空母と交代へ
米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備されている原子力空母ロナルド・レーガンが16日、約8年8カ月に及んだ任務を終え、同基地から出港した。交代で同型艦のジョージ・ワシントンが今年後半にも再配備される予定。 出港に先立つ記者会見が甲板上であり、艦長のダリル・カードーン大佐は「日本は乗組員にとって第二の故郷となった」と感謝を述べた。エマニュエル駐日米大使は「レーガンのおかげで、インド太平洋全域の人々が威圧や紛争のない生活を送れるようになった」と乗組員をたたえた。 R・レーガンは2015年10月に横須賀基地に入港。中国による軍事圧
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玄海町、文献調査の受諾文書発送 風評被害対策、情報提供を要求
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた第1段階の文献調査の受け入れを表明した佐賀県玄海町は16日、受諾の正式文書を国に発送した。脇山伸太郎町長が国の調査実施の申し入れに応じる方針を発表した10日は経済産業省に電話で報告していた。事業主体である原子力発電環境整備機構(NUMO)の事業計画の変更が認可されれば、調査が始まる。 町によると、受諾文書では地元の意見に反して概要調査の地区を選ばないことや風評被害対策、偏りのない情報提供を求めた。 NUMOによると、文書受領の連絡を国から受け、調査計画を作成。玄
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佐賀・玄海町、核のごみ調査受諾文書を発送
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた第1段階の文献調査の受け入れを表明した佐賀県玄海町は16日、受諾の正式文書を国に発送した。
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【エネルギー基本計画】羅針盤、排出ゼロへ難題 原発の将来像どう描く
電力政策などの羅針盤となるエネルギー基本計画の見直し作業が始まった。国が後押しする人工知能(AI)活用や半導体生産には大量の電気が必要で、2050年の脱炭素化実現に向けて再生可能エネルギーをさらに上積みする難題が待ち受ける。発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない原発の将来像をどう描くのかも争点となる。 ▽「脱石炭」圧力 「今日本はエネルギー政策における戦後最大の難所にある」。斎藤健経済産業相は15日開いた有識者会合の冒頭で訴えた。100ページを超える会合資料には「不確実性」「地政学リスク」といった危機感をかき立てる言葉がちりば
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原発と再エネ「最大限活用」 経産省、基本計画の見直し着手
経済産業省は15日、エネルギー基本計画の見直し議論に着手した。2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする政府目標と人工知能(AI)時代の電力需要拡大を見据え、再生可能エネルギーと原発を「最大限活用」する方向で検討。電源構成目標を盛り込み24年度内に改定する。原発は安全面への懸念から再稼働が進まず、これまで日本が頼った石炭火力発電には国際世論の逆風が吹く。電力の安定供給と脱炭素の両立に向け、難しい判断を迫られる。 基本計画は3年ごとに検討し、必要に応じて改定する。総合資源エネルギー調査会の分科会で15日に議論を開始した。斎藤健経産相は冒頭で「脱炭素エネルギー
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処理水6回目は17日開始 7800トン、6月4日まで
東京電力は15日、6回目となる福島第1原発からの処理水海洋放出を17日に開始すると発表した。東電によると、放出予定の処理水に含まれる放射性物質を分析した結果、国や東電が定めた基準を満たしていることを確認した。6月4日までに約7800トンを放出する。 処理水の海洋放出は昨年8月24日に開始。これまでに計5回で約3万9千トンを放出し、周辺の海水に含まれるトリチウムの濃度に異常はなかった。
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重要土地規制の指定完了、政府 自衛隊基地など583カ所
自衛隊基地といった安全保障上重要な施設周辺や国境離島を対象とする土地利用規制法に基づく第4弾の指定区域で15日、規制が始まった。政府は一連の作業を終え、指定は計583カ所となった。土地の所有者には売買制限による権利の制約につながったり、思想信条を調べられたりするとの懸念が根強い。政府は「一般的な生活や事業活動に影響はない」と理解を求める。 政府関係者によると、区域指定を受けた際の意見聴取では、在日米軍施設を抱える自治体から「さらなる重荷を強いられると、住民に強い反対意見がある」との指摘が寄せられた。住民説明会で丁寧に説明すべきだとの意見もあった。法案の国会審議
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原爆正当化の主張、被団協が抗議 米議員は「時代錯誤の妄言」
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)は15日、米共和党のグラム上院議員による広島、長崎への原爆投下を正当化する主張に対し「暴言と言わざるを得ない」とし、発言の撤回を求める抗議文を在日米大使館に送ったと発表した。2021年発効の核兵器禁止条約にも触れ「時代錯誤の悪意ある妄言」と非難した。 被団協は、戦争の早期終結に原爆投下が必要だったとの意見は米国でも少数派になっていると指摘。グラム氏の主張は「自国の良心の声を無視し、国際人道法にも違反している」と批判した。 グラム氏は8日の上院歳出委員会の国防小委員会で、バイデン政権の対イスラエ
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規制委、汚染水漏れ「軽微違反」 「重大になる恐れ」とも指摘
原子力規制委員会は15日の定例会合で、東京電力福島第1原発で2月に起きた汚染水漏れは、廃炉手順を定めた実施計画の「軽微な違反」と評価した。ただし、汚染水の放射能濃度や発見が遅れた場合のリスクを踏まえ「重大な違反になる恐れがあった」と指摘した。 規制委によると、漏れた汚染水は約1・5トン、推計で約66億ベクレルの放射性物質を含んでいた。汚染水浄化装置の洗浄中に、閉めておくべき弁を人為ミスで開けたままにしていたことが原因だった。 第1原発では昨年10月、多核種除去設備(ALPS)の配管洗浄中に、作業員2人が廃液を浴びて被ばくする事故
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島根原発、運転差し止め認めず 広島高裁松江支部、仮処分
定期検査による停止中で再稼働に向けた手続きが進む中国電力島根原発2号機(松江市)は地震や火山噴火など自然災害リスクを適切に考慮しておらず危険だとして、島根、鳥取両県の住民が運転の差し止めを求めた仮処分で広島高裁松江支部は15日、申し立てを退ける決定を出した。 松谷佳樹裁判長は決定理由で「異常な水準で放射性物質が原発敷地外に放出される重大事故の具体的な危険性があるとはいえない」と指摘。能登半島地震を受け、住民側が訴えた避難計画の不備に関しては「具体的危険性について証拠を伴う主張がない」と認めなかった。 島根2号機は事故を起こした東
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島根原発運転差し止め認めず
松江市の中国電力島根原発2号機は、地震や火山噴火などの自然災害リスクを適切に考慮しておらず危険だとして島根、鳥取両県の住民が運転の差し止めを求めた仮処分で、広島高裁松江支部は15日、申し立てを退ける決定書を出した。
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市民アンケート㊦ 「避難先を把握」4割弱 広域計画の周知 道半ば【浜岡原発 全炉停止13年】
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)が原子炉の冷却機能を喪失する「全面緊急事態」に陥った場合、静岡県の広域避難計画で御前崎市民は単独事故の場合は浜松市に、大規模地震との複合災害時には長野県に避難することになっている。静岡新聞社が御前崎市民を対象に実施したアンケートでは、両方の避難先を把握している人は38・2%にとどまった。同計画策定から8年。依然、周知が進んでいない実態が浮き彫りになった。 「(計画の)概要は何となく分かっていたが、理解度が深まれば深まるほど準備や検討が必要な課題が増えた」。市が今春、同市新野の児童発達支援センターで開いた広域避難計画の出前講座では、施設職員が災害時の対応を学ん
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広島で原爆死没者名簿「風通し」 33万9227人分
広島市中区の平和記念公園で15日、原爆慰霊碑下の石室に納められている33万9227人分、計125冊の原爆死没者名簿を外気に当て、湿気を取り除く「風通し」が行われた。昨年の風通しから5320人が追加され、2冊増えた。 毎年梅雨入り前に市職員が名簿の状態を確認し、石室内を清掃している。名簿は和紙でできており、名前と亡くなった時の年齢が記載されている。125冊とは別に、長崎で被爆したが広島での奉納を希望した13人分の名簿も1冊ある。 昨年8月6日以降に亡くなった人の記帳は6月初旬に始まり、今年の平和記念式典で奉納される。
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市民団体 浜岡原発安全対策徹底を要請 静岡県と中部電力に
中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の再稼働に反対する市民団体「浜岡原発廃炉・日本から原発をなくす静岡県連絡会」は14日、静岡県と中部電力に対し、能登半島地震を踏まえて浜岡原発の安全対策の徹底などを求める要請書を提出した。全炉停止13年に合わせた活動。 連絡会の林克代表らが県庁と中部電力静岡支店(静岡市葵区)を訪れ、能登半島地震で発生した海岸線の隆起などの課題に対応するため新規制基準の再検討や、広域避難計画の見直しによる住民の安全確保などを要請した。メンバーは県原子力安全対策課の職員らと意見交換した。
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ロシア産低濃縮ウラン輸入禁止 米、資金断つ狙い
【ワシントン共同】バイデン米大統領は13日、原発燃料となる低濃縮ウランのロシアからの輸入を禁止する法案に署名し、同法が成立した。ウクライナ侵攻を続けるロシアへの資金を断つ狙いがある。90日後に輸入を禁止するが、エネルギー長官が原子炉の稼働を継続できないと判断した場合には最長で2028年1月1日まで猶予できる。 米メディアによると、米国側はこれまで原発燃料の約2割をロシア産ウランに依存し、年間約10億ドル(約1560億円)を支払っていた。
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米でロシア産低濃縮ウラン輸入禁止法成立
【ワシントン共同】バイデン米大統領は13日、原発の燃料となるロシア産低濃縮ウランの輸入を禁止する法案に署名し、同法が成立した。ウクライナ侵攻を続けるロシアへの資金を断つ狙いがある。
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【浜岡原発全炉停止13年】再稼働容認に性別、世代差なく 御前崎市民アンケート
浜岡原発(御前崎市佐倉)の全炉停止から13年を迎えるのを前に、静岡新聞社が4月中旬に御前崎市民に対して実施したアンケート。7年前の調査結果に比べて再稼働について性別や世代間で考え方の差がなくなり、性別年代を問わず、再稼働容認へと意識が変化している状況が明確に表れた。発電で発生する使用済み核燃料の問題については「知っている」の回答が6割弱だった。 使用済み核燃料 認知6割 再稼働についての認識を男女別に見ると、男性の57・4%、女性の40・6%が「再稼働すべき」を選んだ。7年前の調査で女性は41・9%が再稼働に反対の立場を示していて、女性全体に占める容認と反対の比率が逆転した。年代別でも
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記者コラム「清流」 自分たちで選ぶ「未来」
今回の知事選を若者がどう見ているか取材しようと、大学生5人による座談会を静岡市内で開き、記事にした。「知事の辞職表明は衝撃だったが、『次の知事』への関心は低い」「自分の1票で社会が変わると思えない」といった若者らしい率直な声が聞けた。 進行役を務めた私は、15年ぶりに県のトップが交代する今回の選挙は、間接的かもしれないが、県の今後の針路を選ぶ貴重な機会になると話した。次の知事はリニア中央新幹線工事や中部電力浜岡原発の再稼働などの重要課題を判断する立場となり、南海トラフ地震が起きれば災害対応の責任者になる。だからこそ、各候補の公約の違いをしっかりと見極める必要がある。 本紙の投票率向上キャ
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市民アンケート㊤ 細る経済 再稼働巡り割れる地元 廃炉見据え 将来像描けるか【浜岡原発 全炉停止13年】
5月上旬の平日夜、中部電力浜岡原発が立地する御前崎市の中心部は閑散としていた。池新田地区の通りは多くの飲食店やスナックが並び、原発が稼働していた頃は仕事を終えた作業員でにぎわいを見せていたが年々シャッターを下ろす店舗は増えている。 「原発が止まって地域から人の姿が消え、戻って来る気配がない」。同地区で民宿を経営する山下久美さん(73)は、衰退に歯止めがかからない地域の現状を語る。2011年に浜岡原発が全炉停止する以前は、原発が定期検査に入れば全国から協力会社を含め4千人近い作業員が集まって働き、市内に滞在して地元の飲食業や宿泊業などを支えた。 山下さんは一時、民宿を2軒運営していた。稼働
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浜岡原発 再稼働容認49% 7年前から急伸 半数は慎重姿勢 御前崎市民調査
東日本大震災に伴う福島第1原発事故を受け、政府要請で中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)が全炉停止してから14日で13年がたつ。静岡新聞社が御前崎市民を対象に浜岡原発に関するアンケートを実施したところ、「再稼働すべき」が49・0%で約半数を占めた。7年前の前回調査では再稼働容認は少数派だったが、15・8ポイント急伸。再稼働が必要な理由として地元経済効果の期待などを挙げた。一方、「現時点では判断できない」が27・1%、「再稼働すべきでない」23・9%と続き、「判断できない」も合わせると約半数の市民が再稼働に慎重な姿勢を崩しておらず、再稼働への意見が割れている現状が浮かんだ。 調査は4月15日から
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40年の脱炭素戦略策定へ 政府GX会議 再エネや原発拡充
政府は13日、2040年の脱炭素や産業政策の方向性を示す国家戦略「GX(グリーントランスフォーメーション)2040ビジョン」を、年内をめどに策定すると発表した。長期的な見通しを打ち出すことで、企業が投資計画を立てやすくする狙いがある。データセンターなど大量に電力を消費する投資案件に備え、再生可能エネルギーや原発など「脱炭素電源」の拡充策をまとめる。 15日に政府のエネルギー政策の指針「エネルギー基本計画」の見直しの議論を始めることも表明。並行して安定供給に向けた道筋を議論する。 脱炭素社会に向けた対応策を議論する「GX実行会議」をこの日首相官邸で開き、岸田文雄首相が「官民が共有する脱炭素
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候補者を追う(13日)【静岡県知事選】
森大介氏(共新) リニアと原発を許さず、暮らしと福祉最優先の県政へのチェンジを目指す。静岡県は全国7番目の財政力だが県民1人当たりの社会福祉費や民生費は全国最下位で、県民に冷たい県政。税金の使い方を切り替え、学校給食費無償化など子育て支援で三つのゼロを実現する。 (静岡市清水区での街頭演説) 鈴木康友氏(無新) 県全体、特に東部地域の地域経営に全力を尽くす。(JR三島駅)南口の再開発事業を単なる再開発にせず、県市一体で新しい駅前の顔を作る。懸案の南北自由通路も実現したい。三島、東部も潜在力がある。県全体のけん引役となる活力を持った地域に、私がけん引していきたい。 (三島市での街頭演説
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中国、韓国の対米傾斜をけん制 外相会談で関係修復図る
【北京共同】中国の王毅外相は13日、韓国の趙兌烈外相と北京で会談し、日米韓が対北朝鮮のほか対中国でも連携を強化していることを念頭に「中韓関係の困難と試練は明らかに増大した」と述べ、安全保障面で対米傾斜を強める韓国をけん制した。韓国外相が北京を訪問したのは6年半ぶり。両外相は韓国の尹錫悦政権下で急速に悪化した中韓関係の修復を図った。聯合ニュースが伝えた。 王氏は両国関係から「(外部の)干渉を排除すべきだ」とも語り、米国の影響を受けないようくぎを刺した。趙氏は対立を回避するため「意見の違いを管理し、協力しなければならない」とし、北朝鮮問題など共通の課題に共に対応し
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関電元社長、コスモ取締役へ 金品受領問題で引責、岩谷が推薦
石油元売り大手コスモエネルギーホールディングスは13日までに、金品受領問題で引責辞任した関西電力元社長の岩根茂樹氏(70)を取締役に迎える人事を発表した。この人事を推薦した岩谷産業の間島社長は13日の決算記者会見で「コスモの企業価値向上につながる最適な人材だ。価値向上が一番の軸で、これを優先して考えて対応した」と述べた。 コスモと岩谷産業は資本業務提携している。岩根氏の就任は6月20日開催の株主総会で正式決定する。コスモは「電力小売事業自由化への対応など電力市場や制度への造詣が深い」と説明している。 岩根氏は2016年に関電社長
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2040年の脱炭素戦略策定へ 年内めど、原発再エネ拡充
政府は13日、2040年の脱炭素や産業政策の方向性を示す国家戦略「GX(グリーントランスフォーメーション)2040ビジョン」を、年内をめどに策定すると発表した。長期的な見通しを打ち出すことで、企業が投資計画を立てやすくする狙いがある。データセンターなど大量に電力を消費する投資案件に備え、再生可能エネルギーや原発など「脱炭素電源」の拡充策をまとめる。 15日に政府のエネルギー政策の指針「エネルギー基本計画」の見直しの議論を始めることも表明。並行して安定供給に向けた道筋を議論する。 脱炭素社会に向けた対応策を議論する「GX実行会議」
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志賀原発、避難計画は「破綻」 運転差し止め訴訟、原告が指摘
富山、石川両県の住民らが北陸電力志賀原発1、2号機(石川県志賀町、停止中)の運転差し止めを求めた訴訟の口頭弁論が13日、金沢地裁(土屋毅裁判長)で開かれた。元日の能登半島地震後初めての審理。北野進原告団長(64)は意見陳述で、地震で道路の寸断など被害が相次いだことを受け「避難計画は破綻している」と指摘し、再稼働の危険性を訴えた。 北野氏は、志賀原発周辺で地盤隆起のような痕跡が確認できると説明し「(原発を)建ててはいけないところに建ててしまった」と強調。「周辺は活断層だらけで、次の大地震に耐えられるのか、住民や多くの国民が不安視している」と述べた。
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核ごみ調査「全国で議論を」 北海道・寿都町長がコメント
佐賀県玄海町が高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定の文献調査受け入れを10日に表明したことを受け、北海道寿都町の片岡春雄町長は13日、「決断に敬意と感謝を申し上げる。議論の輪が全国に広がり、さらに新たな調査地区が出てくることを期待する」とのコメントを出した。同町と神恵内村では調査が全国に先駆けて進んでいる。 片岡氏は次の段階となる「概要調査」への賛否を問う住民投票に向け、町民向けの勉強会を開催する意向を改めて示した。
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「国と事業者の責任で」 核ごみ調査、福島県知事
佐賀県玄海町が原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の受け入れを表明したことを巡り、福島県の内堀雅雄知事は13日の定例記者会見で「原子力政策は、住民の安全や安心の確保を最優先に、国と事業者の責任で対応すべきだ」と述べた。 一方、東京電力福島第1、第2原発の使用済み核燃料が玄海町に持ち込まれる可能性について問われると「仮定の質問だ」として回答を避けた。
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米議員また原爆投下正当化 イスラエル自衛権主張で
【ワシントン共同】米共和党重鎮のグラム上院議員は12日、イスラム組織ハマスの掃討を続けるイスラエルに自衛権があると主張する際、第2次大戦での米国による広島、長崎への原爆投下を「負けられない戦争を終わらせた。正しい決断だった」と正当化した。NBCテレビの番組で述べた。 グラム氏は8日の上院歳出委員会の国防小委員会でも原爆投下を引き合いに出し、バイデン政権がイスラエルに一部の爆弾の輸送を停止したことを批判。上川陽子外相が「受け入れることはできない」と述べ、米側に日本政府の立場を申し入れたと明らかにしていた。 グラム氏はNBCで、旧日
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被爆者認定「全被害者に」 救済巡り、長崎でシンポ
長崎原爆に遭いながら国の援護区域外にいて被爆者と認められていない「被爆体験者」と、広島で原爆投下後に降った「黒い雨」の被害者の救済について考えるシンポジウムが12日、長崎市内で開かれた。被爆者認定を求めるそれぞれの訴訟の原告側弁護士などが出席し「両者は同じような構造で援護を否定されてきた。政府は全ての黒い雨被害者と被爆体験者を被爆者として認定し、援護すべきだ」と訴えた。 訴訟を巡っては、国による援護の「特例区域」外で「黒い雨」の被害を受けた広島の原告が2021年7月の広島高裁判決で勝訴し、国側が上告を断念して判決が確定した一方、長崎の被爆体験者と遺族らによる訴
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空襲や攻撃映像、17点公開 大分の団体、米軍撮影か
戦時中の資料を収集、解析している大分県宇佐市の市民団体「豊の国宇佐市塾」は12日、米軍による空襲や日本艦艇への攻撃の様子などを収めた米軍撮影とみられる映像計17点を新たに報道陣に公開した。世界最大級だった戦艦大和が写ったカラー映像を含む。18日に市内で開く平和イベントで一般公開する。 団体は、米国立公文書館から映像を入手し、解析できたものを例年公開している。今回は団体の織田祐輔さん(37)が2013年から今年にかけ入手したもので、戦果報告のために戦闘機に標準装備していたガンカメラや、機内の手持ちカメラで撮影されたとみられる。 団
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来春の避難指示解除目指す 飯舘村、帰還困難区域の一部
福島県飯舘村は12日、東京電力福島第1原発事故により部分的に残る帰還困難区域に関して住民説明会を開き、建設中の堆肥製造施設など約2・6ヘクタールと周辺の農地で来年春の避難指示解除を目指すと明らかにした。住民帰還は伴わない。 村によると、今回の対象は、帰還困難区域のうち昨年5月に避難指示が解除された特定復興再生拠点区域(復興拠点)約186ヘクタールなどから外れた地域の一部。線量低減や非居住を条件とした特例を用いて、国や県と協議を進める。 杉岡誠村長は住民説明会後の記者会見で「地区全体の復興・再生に向けてさらに前に進んでいきたい」と
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アイダホ大、被爆者に名誉博士号 米、小倉桂子さんの活動評価
【ロサンゼルス共同】米西部アイダホ州のアイダホ大は11日、広島市の被爆者、小倉桂子さん(86)に名誉博士号を授与した。昨年の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で各国首脳に被爆体験を語るなど、国内外での活動を評価した。小倉さんは取材に「重みを感じた。これからも体験を伝え続けたい」と決意を新たにした。 小倉さんはアイダホ州モスコーで開かれた卒業式に、角帽とガウンを着用して出席。「原爆の経験を広める使命に取り組み続けた」と紹介され、壇上で人文学の名誉博士号を受け取った。会場からの拍手に笑顔を見せた。アイダホ大とは2022年に招かれて学生らの前で被爆証言をするなど
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道路寸断想定 大半「訓練せず」 震災時、広域避難路開けるか 浜岡原発停止13年
静岡新聞社が浜岡原発について実施した11市町の首長アンケートで、道路寸断を想定した訓練を実施しているかを聞いたところ、大半の市町が「実施したことはない」と回答した。建物倒壊や津波が発生し、要救助者がいる状況で広域避難は可能なのか―。北陸電力志賀原発が立地する石川県志賀町の担当者は、発災後の混乱期の代替ルート選定や周知の難しさを挙げ、ルートの多重化や訓練の重要性を強調する。専門家は、南海トラフ地震で発生しうる被害を現実的に考えた対策を求める。 「実施したことがある」としたのは焼津と掛川の2市のみ。焼津市は「県原子力防災訓練の図上訓練で実施した」と説明する。県と11市町が毎年実施している図上訓
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脱炭素加速へ地方産業集積 政府GX会議の論点判明 太陽光利用拡大、原発も
政府が、脱炭素化の取り組みを加速させるため近く再開する「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」の論点案が11日判明した。データセンターなど大量の電力が必要となる各地方の産業集積地を見定め、送電網整備などを進める方向性を明記。普及が期待される次世代太陽電池への集中投資や、原発も含めた「脱炭素電源」のさらなる活用方針を盛り込んだ。 会議の開催は昨年12月以来。岸田文雄首相が出席する会議を今月13日に開き、年内をめどに具体的な方向性を示す見通し。原発政策の在り方や産業集積地への支援策などが焦点となりそうだ。 論点案によると、会議では、データセンターや半導体工場など大量に電力を消費す
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浜岡原発全炉停止13年 広域避難計画、複合災害への想定甘く 11首長アンケート
政府の要請で中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)が全炉停止して14日で13年を迎える。元日の能登半島地震では緊急輸送路の寸断が相次ぎ、大規模地震と原発事故の複合災害が起きた場合の広域避難の難しさが露呈した。静岡新聞社が浜岡原発の半径31キロ圏11市町の首長に対して実施したアンケートでは迂回(うかい)路の検討不足などが明らかになった。県の広域避難計画を含めて複合災害に対する想定の甘さが浮かんだ。 ※画像タップで拡大してご覧になれます 迂回路を設定しているか尋ねた質問では、御前崎、藤枝、島田、磐田、吉田の5市町が「検討中」と回答した。島田市は「県と国がアクセス道路について代替路線などを
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高知で「ビキニデー」集会 元漁船員、水爆実験知らず
1954年に米国が太平洋ビキニ環礁で実施した水爆実験を語り継ぎ、核兵器禁止条約の国際的合意を求める集会「ビキニデーin高知」が11日、高知市で開かれた。水爆実験では、高知の多くのマグロ漁船も被ばくしたとされる。当時実験が行われていたことを知らず漁をしていた元漁船員が講演し「事実を知らせてほしかった」と悔しい胸の内を吐露した。 集会は広島や長崎などの被爆者や反核の取り組みを学ぶため、高知県原水爆対策協議会などでつくる実行委員会が主催。4回目となる今年はオンラインと併用開催で、約200人が参加した。 高知県室戸市のマグロ漁船第2幸成
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政府、脱炭素化へ産業集積や電源活用推進
政府が脱炭素化の取り組みを加速させるため近く再開する関連会議の論点案が11日判明した。大量の電力が必要となる産業集積地の分析や、原発を含む「脱炭素電源」のさらなる活用を進めることを盛り込んだ。
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北朝鮮の新大使が信任状 スイス・国連欧州本部
【ジュネーブ、北京共同】スイス西部ジュネーブにある国連欧州本部は10日、北朝鮮の新しい駐ジュネーブ国際機関代表部大使のチョ・チョルス氏がバロバヤ事務局長に信任状を提出したと発表した。チョ氏は2020年から北朝鮮外務省の国際機構局長を務めていた。 北朝鮮は前任の韓大成氏が昨年末、アフリカの象牙の密輸に関わった疑いで国連やスイス当局が調査を進める中で帰国し、離任していた。韓氏と同様、チョ氏は駐スイス大使も兼任するとみられる。 チョ氏は北朝鮮外務省で米国研究所の広報室長や北米局長を歴任。対米談話を発表して、北朝鮮の核開発や人権問題を批
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長崎に若者集い、平和フォーラム 中満・国連事務次長が登壇
平和に関する経済活動や社会運動に携わっている若者らが集う国際フォーラムが長崎市で開かれ、国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長が11日、登壇した。世界の軍事費が拡大している状況について説明し「知識を身につけ多くの人と対話し、平和への投資が安全保障にとって重要だと納得させてほしい」と呼びかけた。 フォーラムは、平和をテーマにした事業の支援などを目的としており、約20カ国の20~30代の起業家や平和活動家ら約150人が参加した。 中満氏は世界的な軍備費の増加により、不安から武装の必要性を感じる人もいると指摘。「長期的な視点で見て、全員
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【静岡県知事選】政党公認、推薦3候補が政策語る 森氏、鈴木氏、大村氏 リニア整備/最重点政策/浜松市新野球場建設/浜岡原発再稼働/人口減少対策
静岡新聞社は、知事選(26日投開票)に立候補した共産党県委員長森大介(55)=同党公認=、元浜松市長鈴木康友(66)=立憲民主党、国民民主党推薦=、元副知事大村慎一(60)=自民党推薦=の3候補に、最も重視する政策や県政の諸課題についての考えを聞いた。全国から静岡県の対応が注目されているリニア中央新幹線問題をはじめ、浜松市の新野球場整備、中部電力浜岡原発の再稼働、人口減少対策などへの対応を巡り、各候補が具体策を語った。(6日に実施) 目次 ▶リニア整備 ▶最重点政策 ▶浜松市新野球場建設 ▶浜岡原発再稼働 ▶人口減少対策 リニア整備 ■森氏 水問題解決で
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玄海町、核ごみ文献調査を受諾 原発立地で初、全国3例目
佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は10日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査を受け入れると表明した。同町には九州電力玄海原発があり、原発立地自治体としては初めて。全国では既に文献調査が進む北海道の2町村に続き3例目。脇山町長は10日午前、町議会全員協議会で自身の考えを説明した後、記者会見した。 文献調査受け入れを求める請願の提出が4月15日に表面化してから議会採択を経て、町長判断まで1カ月足らず。議論と住民周知を尽くしたのかの是非も問われそうだ。 脇山町長は受諾理由について「議会の請願採択は大変重い」と強調。「なし崩し的に最終処分場になることはないと
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請願後1カ月で町長表明 玄海町核ごみ文献調査受諾 大型連休、動いた経産省
原発が立地する佐賀県玄海町が10日、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定の文献調査受け入れを決めた。町議会が請願を受理してからわずか1カ月。経済産業省は大型連休の合間に幹部を派遣するなど動きを加速、北海道の2町村に続く候補地を確保し、他自治体の応募の呼び水になると期待を寄せる。ただ原子力頼みの町づくりには懸念も残る。 焦点 「原発に長年携わり、国に貢献してきた。さらに協力することは非常に重い決断だ」。玄海町の脇山伸太郎町長は10日、記者会見で強調した。同町には九州電力玄海原発3、4号機がある。旅館組合などが調査を求める請願書を提出し、町議会は4月4日に受理。15日に請願提出
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「復興サミット」成功へ連携 兵庫、福島両県知事
兵庫県の斎藤元彦知事は10日、福島県を訪れて内堀雅雄知事と面会し、阪神大震災から30年となる来年に兵庫県で開く「創造的復興サミット」について「災害前より良い社会をつくるという理念をみんなで考え、後世に伝えたい」と成功への協力を求めた。内堀氏は「連携して取り組みたい」と応じた。 斎藤氏は「兵庫や福島の取り組みを国内外に発信したい」と強調。内堀氏は賛同した上で、東京電力福島第1原発事故の避難者の受け入れなどに対する謝意を伝えた。 斎藤氏は原発事故で一時全村避難となった飯舘村も訪問し、除染土の一部を農地造成に再利用する実証事業現場を視
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核融合発電の安全規制を議論開始 政府、年度内に方針提示へ
政府は10日、核融合反応を使った発電技術の実用化に備え、安全規制の在り方を議論する作業部会の初会合を開いた。米国などで議論が進む状況を踏まえ、2024年度内に基本的な考え方を取りまとめる。規制を早期に整備し、核融合の産業化に向けて民間企業の参入を促す狙いもある。 米国などでは、従来想定よりも早い30年代の発電炉建設を目指す新興企業もある。初会合では、27年までに規制の枠組みを制定する米国の事例などが紹介された。日本は23年に策定した核融合の国家戦略に基づき検討を進める方針を確認した。 核融合は太陽内部で起きる反応で、軽い原子核同
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請願採択は大変重い 玄海町の脇山町長
佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長の記者会見での主なやりとりは以下の通り。 「原発事業に長年携わり、国に貢献してきた立地自治体が、さらに文献調査に協力することは非常に重い決断だ。お金目的で受け入れるものではない。日本のどこかに最終処分場の適地が見つかる呼び水となったらありがたい」 ―判断の経緯は。 「住民の代表である議会の請願採択は大変重い。最終処分場に直結するわけではないとの言質も経済産業相から直接もらった」 ―町民周知は十分か。 「どこ
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小倉桂子さんに名誉博士号授与へ 米アイダホ大、被爆証言で交流
昨年の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で各国首脳に被爆体験を語った小倉桂子さん(86)=広島市=に、米アイダホ大が名誉博士号を授与することが10日、分かった。小倉さんが明らかにした。8~14日の日程で米アイダホ州を訪問し、アイダホ大で学生に講演などをする。 アイダホ大とは、2022年に招かれて学生や市民の前で被爆証言をして以来交流があるという。 小倉さんは8歳の時、広島原爆の爆心地から約2・4キロの自宅近くで被爆。広島の原爆資料館の元館長だった夫の馨さんを1979年に亡くし、遺志を継いで世界各国の要人や学生らに英語で被爆体
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憤る玄海町民「こんなに早く」 賛成派は全国的議論に期待
請願書の議会提出が明らかになってから、わずか1カ月足らず。佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長が10日、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査受け入れを表明した。賛成派の町議が全国的な議論を期待するのに対し、役場前に集まった町民らは「こんなに早く決定を出すのはおかしい」と憤った。 午前11時半ごろから始まった記者会見の冒頭、脇山町長は用意した紙に目を落とし、淡々とした口調で表明した。午前10時ごろから始まった町議会の全員協議会は、10分ほどで終えていた。 町長の会見後、賛成派の岩下孝嗣町議は「全国的な議論
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佐賀・玄海町長が核ごみ調査受け入れ表明
佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長は10日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の受け入れを表明した。九州電力玄海原発がある同町が原発立地自治体で初めて調査に応じ、北海道の寿都町と神恵内村に続いて全国3例目となる。
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上川外相「原爆引用は不適切」 米議員発言で申し入れ
上川陽子外相は10日の衆院外務委員会で、米共和党のグラム上院議員が、原爆を投下された広島と長崎を引き合いに出しバイデン政権の対イスラエル弾薬供与停止を批判したことを巡り「適切ではない。受け入れることはできない」と述べた。米側に日本政府の立場を申し入れたことも明らかにした。 原爆投下について「多くの尊い命を奪い、遺憾な事態をもたらした。核兵器の使用は人道主義の精神に合致しない」と強調した。無所属の松原仁氏の質問に答えた。 グラム氏は米国の上院歳出委員会の国防小委員会で、原爆投下が戦争終結につながったとの考えを示し、イスラエルに必要
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佐賀・玄海町長が核ごみ調査で記者会見へ
佐賀県玄海町は10日、脇山伸太郎町長が午前11時半から、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査について記者会見すると発表した。
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地域活性 弱者支援を 有権者 「身近な論点」期待【静岡県知事選】
9日告示された知事選は、静岡県政史上最多の新人6氏による争いとなり、17日間の舌戦がスタートした。川勝平太知事の職業差別と取れる発言をきっかけとした辞職表明から1カ月余りで告示を迎えた超短期決戦。各候補者は初日から県内各地で県政の立て直しや刷新などを訴えた。リニア中央新幹線整備や浜松市の新野球場建設といった課題に注目が集まりがちな中、演説に耳を傾けた有権者からは「子育て支援や少子化対策など身近な論点も忘れないで」といった声も多く聞かれた。 県庁に近い静岡市葵区の中心街やJR静岡駅前では各候補者が演説を繰り広げ、多くの人々が足を止めて聞き入った。同区の無職森田均さん(68)は次の知事に「国
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県内各党 かく戦う【静岡県知事選】
静岡県知事選が告示された9日、主要政党の県内代表者らが談話を発表した。 オール静岡で応援 城内実自民党県連会長 県政はさまざまな立場や背景を持つ全ての県民のもの。それは今回の選挙から始まらなくてはならない。そのためのオール静岡。私たちも応援団の一つ。あらゆる立場の方々と協力して大村さんを応援する。 政治とカネ 訴える 源馬謙太郎立憲民主党県連代表 令和の時代のリーダーには、官僚出身ではなく民間出身のトップの経営感覚が必要である。また、いまだ解決させる意思が見えない自民党の政治とカネの問題についても、知事選を通して訴えていきたい。 命とくらし 最優先 渡辺浩美共産党県委員会選対部
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デブリ採取工法の変更を認可 福島2号機、伸縮パイプ式装置に
東京電力は9日、福島第1原発2号機の溶融核燃料(デブリ)の試験的な採取について、原子力規制委員会から同日、伸縮パイプ式装置を使う工法への変更の認可を受けたと明らかにした。 東電は当初、2023年度内にロボットアームでの採取に着手する計画だったが、差し込み口の堆積物を完全に除去できず、今年2月により細く簡易な同装置への変更を申請していた。堆積物の除去は来週中に完了する見通しといい、試験などを経て、10月までの着手を目指す。 認可を受けたのは、太さ20センチと16センチのパイプをつなげ、釣りざおのように最大約21メートルに伸ばして取
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社説(5月9日)2024選択 知事選 きょう告示 県の未来像示し論戦を
新規採用職員への訓示で職業差別と取れる発言をして辞職する川勝平太氏の後任を決める静岡県知事選が、きょう告示される。4期15年続いた川勝県政は終焉[しゅうえん]を迎え、新たなリーダーの下での県政がスタートする重要な転換点だ。既に新人6人が出馬表明し、26日の投開票に向けた選挙戦に突入する。353万人が暮らす本県をどのような未来に導くのか、候補者の訴えにしっかりと耳を傾けて最もふさわしい人物を選びたい。 川勝氏の突然の辞職により前倒しで行われる知事選だ。有権者は短期間で一票を託す候補者を選ばねばならない。本県には、深刻な人口減少への対策や、構造転換が急務の経済振興策、リニア中央新幹線工事への対
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電力供給拡充、本格検討へ 政府、GX会議 来週再始動
政府は来週にも「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」を再始動し、人工知能(AI)開発拠点や半導体関連企業の投資呼び込みに向け、電力供給の拡充策を本格検討する方針を固めた。岸田文雄首相が具体化に向けた協議を関係省庁に指示する。複数の政府関係者が8日、明らかにした。 生成AIの普及に伴うデータセンターの運用や、半導体生産には大量の電力を必要とする。国際的な産業競争力を強化するためには電力安定供給の体制整備が不可欠となっている。 GX実行会議の開催は昨年12月以来。電力の供給基盤強化に向けて必要となる法整備の必要性を洗い出す。電力会社による設備投資を促すため、脱炭素関連の債務保証の活
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核ごみ調査、10日に全員協議会 玄海町長、可否表明可能性
原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の受け入れを求める請願を採択した佐賀県玄海町議会が10日に全員協議会を開くことが8日、関係者への取材で分かった。調査実施を検討する脇山伸太郎町長はこれまでに自身の判断をまず全員協議会で町議に説明する意向を示しており、可否を表明する可能性もある。 全員協議会は、脇山町長の依頼により議会が招集したとみられる。脇山町長は4月25日、態度表明について「全員協議会を開いたその場で私の決断を皆さんに伝えて、その日に記者会見を行いたい」と記者団の取材に話していた。 町
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半数が避難判断の基準なし 能登地震、帰省や旅行者
東北大災害科学国際研究所と民間調査会社「サーベイリサーチセンター」は、能登半島地震発生の当日に帰省や旅行で新潟、富山、石川の3県に滞在していた966人に実施したアンケートの結果を発表した。約半数が、外出先でどのような状況になったら避難するかについて「特に決めていなかった」と回答したことが分かった。 東北大の佐藤翔輔准教授は、適切な避難行動にはハザードマップの確認や自治体の交流サイト(SNS)登録などが重要として「地域の情報を得る手段を確保しておくことが大事だ」と話した。 調査は3月21~27日、東京と名古屋、大阪両市の20代以上
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放射線主任者試験で出題ミス 4人追加合格、原子力規制委
原子力規制委員会は8日、2023年に実施した第2種放射線取扱主任者試験で出題ミスがあり、4人を追加合格としたと発表した。選択肢を選ぶ問題で正解がなく、全員を正解とした。 規制委や試験機関の原子力安全技術センターによると、試験は昨年8月に実施。1621人が受験し209人が合格したが、化学の問題で正解の選択肢がなかった。問題の作成者が選択肢の一部を変更した際、数値を誤った。 今年3月、外部からセンターにメールで指摘があり発覚した。今後は問題を複数人でチェックするとしている。規制委はセンターを立ち入り検査する方針。
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南太平洋の核実験、「真実」を次世代に伝える 「語らぬ」タブーに挑む、「境界から」(13)仏領ポリネシア
朝日に輝く大海原に面した丸太のベンチに、子どもたちを座らせて問いかけた。「あの先で何が起こったか知ってるかい?」。南太平洋に浮かぶフランス領ポリネシアのモーレア島。首をかしげる少年に、テファエアライ・プアライ(29)がゆっくり語り始めた。 「あの先」とは、海を隔てたタヒチ島のさらに向こう側。1200キロ以上離れたムルロア環礁とファンガタウファ環礁だ。ここでフランスが繰り返した核実験で、ポリネシア一帯が甚大な被害を受けた。「本土」への恐れや遠慮から、触れてはならないとされてきた歴史の暗部。プアライは「真実」を後世に伝える担い手を自任する。
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ベラルーシで核兵器点検 欧米けん制「ロシアと連動」
ベラルーシ国防省は7日、自国に配備されたロシアの戦術核兵器の準備状況に関する点検を実施すると発表した。ルカシェンコ大統領は同日、欧州で軍事活動が活発化していると主張し、事態悪化に備えて適切な措置を講じると欧米をけん制した。タス通信によると、ボリフォビッチ安全保障会議書記は点検について「ロシアの動きに連動したものだ」と説明した。 ロシアは、ウクライナ支援を続ける欧米がロシアと北大西洋条約機構(NATO)の軍事衝突の危険を高めていると非難。ロシア国防省は6日、ウクライナ侵攻の拠点の南部軍管区で戦術核使用を想定した演習の準備を始めたと発表していた。