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南海トラフ地震 静岡県民「非常に関心ある」8割超  能登地震で意識高まる

 東海沖から九州沖にかけて発生が想定される南海トラフ地震について「非常に関心がある」とする県民が8割を超え、過去最高になったことが12日までに、県の県民意識調査で分かった。元日の能登半島地震の前後で約20㌽上昇する変化が見られ、関心度が一段と高まった様子が顕著に表れた。津波の即時避難など、他の調査項目でも意識の向上や対策の改善がみられた。一方、南海トラフ沿いで大地震が通常よりも発生しやすくなった場合に出される「南海トラフ地震臨時情報」の認知度は初めて3割を超えたものの、依然低調な状態が続いている。

 調査は2023年11月下旬~24年1月末にインターネットで実施した。能登半島地震前は1139件、発災後は820件の回答が寄せられた。
 能登半島地震前は南海トラフ地震について「非常に関心がある」と答えたのは62・2%で、前年度と比べて横ばいだったが、元日の発災後には81・7%まで伸びた。1991年度から同様の質問をしていて、東日本大震災後の2011年度調査よりも高かった。
 津波避難に関する質問では「揺れを感じたら直ちに避難する」(即時避難)と答えた割合が、能登半島地震前は46・8%で前年度から4・3㌽上昇。地震後はさらに6㌽増えて52・8%となった。「津波警報発表を見聞きしてから」「周りの人が避難している姿を見たら」の回答も合わせた早期避難意識は86・9%(前年度81・5%)に上った。
 県危機管理部の山田勝彦危機報道官は「実災害による一時的な意識の高まり」と受け止めた上で、「関心を持続させるために、24年度から始まる地震防災センターのサテライト事業などを通じ、地域に根ざした防災知識を普及させる」と強調した。
 一方で、臨時情報の認知度は能登半島地震後でも、「知っている」と回答したのは37%にとどまり、県は「普及が進んでいるとはいえない状況」とみている。
 臨時情報は南海トラフ沿いでマグニチュード(M)6・8以上の地震などが起き、後発地震の発生可能性が高まった場合に発表される。普段通りの生活を継続しながらも、地震の規模に応じて沿岸部では事前避難などが求められる地域もある。山田危機報道官は「複雑な仕組みをかみ砕き、地道に広報していく必要がある」と課題を挙げた。

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