編集部セレクトの記事一覧
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袴田さん再審公判 地裁が支援バッジの装着制限、パーカの文字にも要請 識者「不要な規制」
袴田巌さん(88)の再審公判で、静岡地裁が弁護団に支援団体のバッジを外すよう要請したり、傍聴した男性支援者の上着に入った「HAKAMADA」の文字をテープで隠すよう制限したりしたことを巡り、地裁は26日、理由や根拠、判断者を尋ねた取材に「いずれも回答しない」とした。識者からは「不要な規制」との指摘が上がっている。 市販のパーカを着用していた男性によると、24日の第14回公判の傍聴に際し、地裁の職員からまず、胸につけた支援団体のバッジをしまうよう指示された。その後、職員が背中の「FREE HAKAMADA」の文字に気づき、「事件と関係するようなアピールは隠してください」と求めたという。従わな
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ふじのくに⇄せかい演劇祭、27日開幕 安部公房代表戯曲など通し稽古 静岡市でSPAC
国内外の舞台芸術作品を紹介する静岡県舞台芸術センター(SPAC)の「ふじのくに⇄せかい演劇祭2024」が27日に開幕するのを前に、26日、各作品の通し稽古が静岡市駿河区の舞台芸術公園などで行われた。 SPACと鳥取市を拠点にする劇団「鳥の劇場」の共同作「友達」の出演者やスタッフは同公園内の野外劇場で、実際の開演時間に合わせて最終確認をした。同作は今年生誕100年の作家安部公房の代表戯曲で、「鳥の劇場」の中島諒人芸術監督が演出した。中島芸術監督は「人間が生きるためには集団が必要な一方で自由を求めるという葛藤は、現代社会に通じる。二つの劇団の素晴らしい俳優の個性を引き出せるよう心がけた」と話し
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静岡県知事、求められる「リニア解決」姿勢 川勝氏はルート変更固執、県内外の関係修復急務【連載 知事選2024 リニアの行方㊤】
「喝破しなさい」「論破してみせなさい」。5月10日で辞職する川勝平太知事がリニア中央新幹線工事の水問題の対応で静岡県幹部と協議する際、よく使った言葉だ。「誤りを正す」相手はJR東海で、矛先は主に金子慎社長(当時)に向けられた。県幹部は「リニア開業の遅れを静岡県だけに押し付けているような一連の発言が許せなかったようだ」と話す。 2021年6月の知事選で「リニア工事から命の水と南アルプスの自然環境を守る」と訴えた川勝知事。自民推薦候補に30万票以上の大差で圧勝し、4選を果たした。選挙戦でJRに検討を求めたのが、県内を迂回(うかい)させるリニア計画ルートの変更だ。 しかし、14年10月に現行ル
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失意乗り越え不屈の歩き 競歩・川野(御殿場南高出)パリ五輪内定 混合団体「金」への切り札に
35キロ競歩がパリ五輪種目から消えて1年。決して思い描いた道ではなかったが、川野将虎(旭化成、御殿場南高出)が2度目の五輪にたどり着いた。26日に男女混合団体代表に内定。世界選手権2大会連続メダルの主戦場を奪われた25歳は、転向した20キロでも個人出場を逃した失意を乗り越え、新種目で悲願の金メダルを狙う。 「日本の競歩の歴史は50キロの選手が築いてきた」。50キロが最後に行われた東京五輪で6位入賞し、後継の35キロでも2022年世界選手権で銀メダルを手にした川野は、そんな先達への思いを胸に日本の長距離競歩を支えてきた。だが、昨年4月にパリ五輪で35キロの不実施が決定。「長い距離こそ競歩の魅
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「あわしまマリンパーク」7月再開へ 前経営者から体制刷新 今村新社長が会見
2月に閉館した沼津市の離島・淡島にある水族館「あわしまマリンパーク」運営会社の新社長に就任した放送作家今村クニト氏(54)が26日、市内で記者会見を開き、早ければ7月に再オープンする意向を明らかにした。同館のオーナー会社が保有する全株式を取得したことも公表。施設の所有権や負債に関する問題解決を急ぎ、有志による支援団体を新設して営業再開にこぎ着ける考えを示した。 今村氏側によると、同館のオーナー会社だった「オーロラ」側が保有していた全株式は、関係会社を通じて今村氏に譲渡する契約を今月12日に締結。オーロラの竹原虎太郎氏が運営会社「淡島マリンパーク」の代表取締役を辞任し、今村氏が代表取締役に就
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大自在(4月27日)ライドシェア
初めての経験に緊張した。1月に出張した米国・サンフランシスコでのこと。空港に降り立って目的地への移動に「ライドシェア」の活用を求められた。日本でスマホにダウンロードしておいたアプリを使って配車を依頼すると、出迎える車のナンバーや車種、到着までの所要時間が画面上に表示された。 運賃決済も入力済みだったクレジットカード。片言の英語しか話せなくても、行き先の入力さえ間違わなければ安心して移動できた。空港にもライドシェアサービス用の乗降場所が確保され、普及している印象を受けた。 ライドシェアは一般のドライバーが自家用車を使って有料で乗客を送迎するサービス。国内でも4月「日本版ライドシェア」が始ま
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社説(4月27日)機能性表示食品 制度検証し安全確保を
小林製薬(大阪市)が販売した「紅こうじ」サプリメントとの関連が疑われる健康被害が明らかになって1カ月以上になる。機能性表示食品における健康被害は同社サプリが初めてで、制度の信頼性が問われる問題になっている。 サプリ健康被害の原因物質として、青カビ由来の「プベルル酸」のほか、想定外の物質が少なくとも2種類が浮上したとされるが、いまだ特定に至っていない。一方、腎疾患などの健康被害で5人の死亡が判明し、退院も含めて25日現在で入院者が252人に上ることが分かった。静岡県内でも健康被害の疑いのある患者は53人となった。 担当する消費者庁は専門家検討会を設け、制度の改善に向けた議論を始めた。機能性
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篠田東レの集大成 ラスト采配 峯村、真子も「有終」決意 黒鷲旗選抜バレー5月1日開幕
第72回黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会は5月1日、Asueアリーナ大阪で開幕する。Vリーグ、大学、高校、クラブなど男女各16チームが参加。V1男子の東レは今大会限りで退任する篠田監督、退団するアウトサイドヒッター峯村とリベロ渡辺、引退するセッター真子らが集大成の舞台に臨む。 グループ戦から決勝(5月6日)まで5セットマッチで6連戦と過密日程のため、篠田監督は2チームに分けて先発を入れ替える方針だ。各チームとも日本代表は不在。東レはパダルも既に退団し若手中心の構成となる。中でもアウトサイドヒッター山田(清水桜が丘高出)、セッター小野寺、リベロ武田の新人を積極起用する見通しだ。指揮官は「
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知事選「与野党対決」打ち消し躍起 静岡県内政党関係者「国政とは別」 自民、逆風懸念【静岡県知事選】
新人による三つどもえの争いが固まった静岡県知事選(5月9日告示、26日投開票)で、「与野党対決」の構図を打ち消す発言が相次いでいる。衆院選の前哨戦と見る向きもあるが、無所属の2人は「オール静岡」「県民党」を掲げ、県内の政党関係者らも「国政と地方選挙は別」と主張する。不祥事など国政の混乱を県政に持ち込みたくないとの思惑が透けるが、衆院選の足掛かりにしようと対決姿勢を鮮明にする動きもある。 知事選には元副知事の大村慎一氏(60)、前浜松市長の鈴木康友氏(66)、共産党県委員長の森大介氏(55)が出馬表明している。自民党県連は大村氏の推薦を党本部に上申し、立憲民主、国民民主両党は鈴木氏の推薦を決
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ウクライナ原料で界面活性剤 天然由来 開発に着手 現地企業での生産視野 アライドカーボンソリューションズ(沼津)
天然由来の界面活性剤の生産を手がける沼津市のアライドカーボンソリューションズが、ウクライナの産物を使った界面活性剤の開発に着手する。経済復興推進会議で日本とウクライナ両政府などが合意した案件の一つ。石油由来から天然由来の界面活性剤への置き換えが世界的に進む中、量産化できればウクライナの支援につながると期待される。 植物油と糖を使い天然酵母の発酵で製造する同社の界面活性剤「ソホロリピッド」は、国内外で洗剤や化粧品、飼料などの原料になっている。この製造技術を応用し、ウクライナの国花ヒマワリの種子から抽出した油、菜種油、トウモロコシの糖から新たな界面活性剤を作る。まずは日本国内で開発し、将来的に
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危機管理面で手腕発揮 独自色 市民に浸透なるか【検証 中野浜松市政1年㊦】
元日の夕方、浜松市中央区で新年の集まりに出席していた中野祐介市長(54)は、能登半島地震の発生を受けて即座に携帯電話を取った。石川県で最大震度7、市内でも震度3を観測。土砂崩落などによって道路の寸断も予想される。担当部署に、中山間地域などの道路状況を緊急点検するよう即座に指示を出した。 多くの孤立集落が生じた能登半島は浜松市天竜区の中山間地とも地形が重なる。約1週間後の定例記者会見では「浜松でも孤立集落は大きな問題。避難所の備蓄品や防災資機材を強化する」と表明。大枠が固まっていた2024年度当初予算に急きょ、7500万円を追加し、中山間地域に非常食や飲料水、携帯トイレなどを拡充整備した。
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浜松市の待機児童、4年連続ゼロ 「保留児童」は増加
浜松市は26日、市内保育所施設への入所を希望していても入れない待機児童が4年連続でゼロ(1日現在)だったと発表した。本年度の申し込み分から、希望施設の申請を5カ所から7カ所に増やし、マッチング率を向上させたことなどが奏功したとみられる。 市幼保支援課によると、24年度の申し込み児童数は1万5268人で、前年度から122人増加した。1万7381人(74人減)の定員に対し、利用児童数は1万4824人(78人増)だった。 一方で、特定施設を希望するなどの理由で待機児童から除外される「保留児童」は444人と44人増加した。需要の多い1歳児が希望する施設に入れないケースが多かったという。 市は子
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光る技術 アルミのバラ 薄く複雑な花びら再現 5月2日からガーデンパーク会場で展示【浜名湖花博2024】
浜松市中央区で開催中の「浜名湖花博2024」の浜名湖ガーデンパーク会場に5月2日から、コンピューター断層撮影(CT)や金属3Dプリンターで造形した「アルミのバラ」がお目見えする。薄くて複雑な花びらの形状を金属で再現し、「ものづくりのまち」の高い技術を広く発信する。 アルミのバラは長さ約20センチ、重さ45グラムで花びらの大きさは約8センチ。同市浜名区の静岡県浜松工業技術支援センター内デジタルものづくりセンターが製作した。 製作方法は、実物のバラをエックス線CT装置で撮影し、70%ほどの大きさに縮小してデータ化。アルミの粉末を厚さ60ミクロン(1ミクロンは千分の1ミリ)で敷き、3Dプリンタ
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歴史的円安、物価高…家計負担ずっしり 静岡県内、規格外品・箱買いに需要 生活防衛に売り手も呼応
26日の東京外国為替市場の円相場が約34年ぶりに一時1ドル=156円まで下落し、円安や原材料・エネルギー高に起因する物価高で消費者の家計負担が増す中、ディスカウントストアや業務用食品販売店の需要が高まっている。4月には約2800品目の食品が値上げされ、実質賃金も23カ月連続でマイナスとなった。各店はメーカーの規格外品を割安で提供するなど価格を抑制し、高まる生活防衛意識に対応している。 アウトレット家具販売のBゾーンハヤカワ(磐田市)は、メーカーの余剰在庫品や新作見本市で展示されていた品、わずかな傷で規格外となった品を、通常価格の5~7割引きで販売する。ソファやベッドなど1500点以上が並ぶ
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富士山麓にピンクのじゅうたん シバザクラ見頃、桜と共演も 山梨・富士本栖湖リゾート
「富士芝桜まつり」開催中の富士本栖湖リゾート(山梨県富士河口湖町)でシバザクラが見頃を迎え、ピンクのじゅうたんが富士山麓を彩っている。寒さの影響で開花が遅れていた桜との共演が、訪れた人たちを喜ばせている。 約1万5千平方メートルに7品種約50万株が咲く。今年のテーマ「息をのむ、ピンク。」に合わせ、ピンクの品種を増やした。ピークが異なる複数の品種を集めたエリアも設け、長く楽しめるようにした。 3月以降の気温が低く、例年に比べゆっくり開花。大型連休の後半に満開になる見込み。桜との共演は大型連休前半まで楽しめそう。 富士山と池を組み合わせた構図で写真撮影する来園者が多いという。絵本の世界を思
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きょうの富士山 4月26日午後2時10分ごろ
霞がかったような曇り空の中、富士山が見えました。
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子どもが「放課後児童クラブ」に入れなかった人はどうしているの?【NEXT特捜隊】
小学校の授業が終わった後、親が仕事を終えるまで子どもを預かる「放課後児童クラブ」(学童保育)。読者から寄せられた疑問を調べる静岡新聞社「NEXT特捜隊」に、静岡市清水区の40代女性会社員から「2年生の娘が児童クラブを利用していますが、4年生になると入れなくなると聞き、心配です。入れなかった人はどう乗り切っているのでしょうか」と質問が届いた。ウェブアンケートを実施したところ、入所できなかった時の対応やクラブ運営への要望などが寄せられた。(生活報道部・伊藤さくら) 12~15日に行ったアンケートには、静岡県内を中心に72人が回答した。「放課後児童クラブの入所や継続を希望したにもかかわらず、
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メンダコもなか 飲み物に“ぷかり” 沼津港の新土産発売
深海生物が題材のスイーツを販売するしーらかんすCafe(沼津市千本港町)はこのほど、沼津港の新土産「メンダコぷかりん」を発売した。ココア、抹茶ラテ、コーンスープ味の3種の粉末が入ったメンダコ型もなかを、飲み物に浮かべて楽しめる。 きっかけは2022年に発売した「めんだこプリンアラモード」のヒット。ひれが揺れる様子のかわいらしさからSNSで話題を呼んだが、量産化が難しかった。より手軽に入手しやすいメンダコのお土産として開発した。 「ぷかりん」は、浮かべて飲むとメンダコが顔に近づくのが特徴。矢島伸浩社長(61)は「展示でなかなか見られないメンダコを、身近に感じてほしい」と話している。1個55
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大自在(4月26日)板書とノート
高校の学校評議員を務めていて、授業の様子を時々見させてもらっている。生徒一人一人がタブレットを使った学びの場に立ち会って実感するのは、教科にもよるが、教員の板書と生徒のノートへの書き写しの機会が少ないことだ。 教育現場に浸透するデジタル活用の授業では、当然の傾向だろう。だが、筆者が高校生の時を振り返ると、黒板とチョークの授業は教員の個性がよく表れていて、授業の魅力にもなっていた。ノートを取ることは、それこそ命綱で自分なりに工夫していたように思う。 学校側に感想を伝えると、教員にとっては生徒に背中を向ける板書が減り、反応などがよく分かるようになったとのこと。映像授業は同じ教科の教員がチーム
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社説(4月26日)自民規正法改正案 あまりに危機感が薄い
政権を失うかもしれないという危機感が、この期に及んでまだ薄いのだろう。 自民党が派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件を受けてまとめた政治資金規正法改正の独自案を見る限り、そう受け止めざるを得ない。事件によって国民の政治に対する信頼を大きく失墜した責任を自覚し、次期衆院選で下野する可能性があるという認識があるなら、率先して政治改革を断行する姿勢を示そうとするはずだ。 ところが、自民案は国会議員の監督責任や政治資金の透明化を巡る改正に、十分踏み込んでいない。そこからうかがえるのは、小幅な修正にとどめて抜本改正を先送りし、批判をやり過ごそうとする後ろ向きな姿勢だ。これでは、相手が長らく&ld
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人工ぼうこう、肛門造設 オストメイトに理解を 静岡県内で入浴・プール利用拒否相次ぐ
がんなどの手術で腹部に人工ぼうこうや人工肛門(ストーマ)を造設した「オストメイト」から、入浴施設やプールの利用を拒否されたという事例が、当事者団体の日本オストミー協会県支部に相次いで寄せられている。同支部は「差別に当たる」として、各施設が利用を拒まないよう呼びかけを強める。 県支部会員の大石茂樹さん(68)=藤枝市=は一昨年、がんが見つかったぼうこうを全摘出し、ストーマを設けた。昨年、大学時代の友人たちが愛知県内への旅行を計画した際、「皆で風呂を楽しもう」と温浴施設に着衣入浴の事前許可を得てくれた。大石さんは気後れもあったが背中を押され、紺色の半ズボン状の専用入浴着を購入した。だが、当日、
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⚾広島・二俣(磐田東高出)がプロ1号 若コイ躍動も逆転負け
◇4回戦=広島3勝1敗(18時、神宮、23468人) 広島 112202000―8 060001011x―9 ヤクルト [勝]石山8試合1勝1S [敗]栗林10試合1敗5S [本]二俣1号①(高橋奎)オスナ5号④(ハッチ)菊池1号②(高橋奎)サンタナ2号①(栗林) ▽三塁打 黒原▽二塁打 長岡2、村上、塩見▽盗塁 岩田(2)▽暴投 高橋奎、中崎▽与死球 ハッチ(中村)、高橋奎(上本) ▽試合時間 3時間56分 【評】ヤクルトがサヨナラ勝ちで連敗を3で止めた。1点を追う八回に代打川端の左前打で追い付き、九回にサンタナがソロを放って試合を決めた。広島は劣勢から追い付き、一時2点を勝ち越したが
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【静岡県知事選】新人三つどもえ 共産・森氏出馬で構図固まる 投開票まで1カ月
知事選(5月9日告示、26日投開票)は投開票まで1カ月となり、新人による三つどもえの構図となることがほぼ固まった。既に立候補を表明している元副知事の大村慎一氏(60)=無所属=と前浜松市長の鈴木康友氏(66)=同=に加え、共産党県委員長の森大介氏(55)が25日、共産公認で出馬すると正式に表明した。与野党対決との見方もあり、解散総選挙を見据える中央政界からも注目される超短期決戦は、実質的な選挙戦に突入した。 大村、鈴木両氏はリニア中央新幹線整備事業と、浜松市の新野球場建設について推進の姿勢を示すが、森氏は反対を主張。大村、鈴木両氏が是非を明言していない中部電力浜岡原発の再稼働も森氏は反対し
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沼津観光しながら「ふるさと納税」 飲食やレジャーが返礼品に、サービス料に応じてその場で寄付 全国初の取り組み
沼津市は25日、現地寄付型ふるさと納税システム「ふるさとGO」の運用を開始した。返礼品は地元ならではの飲食やレジャーなど現地で受けるサービス。チケット型でなく、その場のサービス料に応じて寄付額を算出するのは全国初という。同市のふるさと納税の寄付額は近年急増し、今回の新たな取り組みで充実を図る。 システムを取り入れる店は沼津港を中心とした八つの飲食店。一大観光地と連携することで、広くサービスをPRする。 導入初日の25日、沼津港内のすし屋「すし処 古川」には、システムを開発、運営する「マイウェイ」や事業に協力する関係者ら約15人が集まった。店舗にある専用QRコードを読み込み、サイトに飲食代
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夜空に輝く“紫のシャワー” はままつフラワーパークで藤棚ライトアップ
浜名湖花博2024(実行委員会主催)を開催中のはままつフラワーパーク(浜松市中央区)で25日、藤棚のライトアップが始まった。咲き誇るフジの花が春の夜空に美しく浮かび上がり、来場者を魅了している。 満開となったノダナガフジの棚は長さ約80メートルで、白色の発光ダイオード(LED)で優美に照らし出される。シロフジと八重藤の藤棚も見頃を迎え、甘い香りを漂わせている。初日は来場者がゆっくりと花の下を歩いたり、写真を撮影したりして、幻想的な花の世界を楽しむ姿が見られた。 夜間開園は5月5日まで行われ、藤棚のライトアップは見頃が終わり次第終了する。平日は午後8時、土日祝は午後8時半まで。
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園児バス置き去り事件巡り牧之原市長 「廃園しないなら説明を」
牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で園児の河本千奈ちゃん=当時(3)=が置き去りにされて亡くなった事件を巡り、杉本基久雄市長は25日の定例記者会見で「(運営法人は同園を)廃園にしないのなら、説明責任を果たすべきだ」との認識を示した。 杉本市長は、事件直後の面談で当時の園長が千奈ちゃんの父親にノートで廃園にする旨を伝えたことに触れ、「(約束を)履行しないのであれば、それなりの説明責任がある」と指摘し、運営法人の榛原学園に「もっと誠意を持って遺族に対応してほしい」と求めた。 23日に開かれた事件の初公判で、千奈ちゃんが直前に別の送迎バスの存在に気付き、車内で声を上げていたと明らかになったこ
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「なんじゃもんじゃ」満開 静岡・城北公園 純白の希少種美しく【動画あり】
静岡市葵区の城北公園で25日、環境省のレッドリストで絶滅危惧2類に指定されている希少種「ヒトツバタゴ」の花が満開を迎えた。雨上がりの青空の下、細長い純白の花をたくさん咲かせ、散歩に訪れた人たちを喜ばせている。 別名「なんじゃもんじゃ」と呼ばれるモクセイ科の落葉樹で、国内では長崎県の対馬や岐阜、長野両県の木曽川流域、愛知県に自生。同公園には90本ほどが植樹されている。 変わった別名の由来は、江戸時代に水戸黄門で知られる水戸藩主の徳川光圀が訪れた千葉の神社で「この木は何か」と地元住民に尋ねたところ、うまく聞き取れなかった住民が「なんじゃもんじゃ」と返答したのが始まりという。
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市民と対話、関心・参加促す 真の「オール浜松」推進へ【検証 中野浜松市政1年㊤】
浜松市の中野祐介市長(54)が5月1日で就任1年を迎える。16年ぶりに新たなかじ取り役を担った中野市政の1年間を追った。 ◇ 「体が心配だから、ほどほどにした方がいい」 大須賀正孝後援会長は昨秋、市内で開いた懇親の場で中野市長に声をかけた。 就任以来、休みはほとんどなく公務外にもさまざまな場に顔を出す。一晩で数カ所を回ることも。昼夜問わず市内を奔走し「市民との対話」を重視してきた。 関係者によると、健康面を懸念した後援会長に対して、中野市長は「市民の声を聴きたい。とりあえず1年目はできるところまでやりたい」と答えたという。 1994年に自治省(現総務省)に入り、北海道や奈
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うなぎいも×クチナシで特製コロッケ 浜名湖花博で販売 常葉大生が地元商店と開発・タネづくり
浜松市浜名区の常葉大経営学部の学生でつくる「地域貢献サークルCocoa(ココア)」と奥浜名湖商工会(同区)、魚兼商店(同区三ケ日町)が連携し、浜松ブランドのサツマイモ「うなぎいも」とクチナシの実を使用したクリームコロッケを開発した。同市で開催中の「浜名湖花博2024」のガーデンパーク会場で、28日と5月26日に販売する。 学生がメニューを提案し同商工会の仲介で同商店の山内章代表が試作。うなぎいものペーストとホワイトソースを1対2で混ぜ合わせる分量を決めた。花博を意識してホワイトソースにクチナシの実を入れ、黄色くする工夫も施した。 このほど、同商店で学生6人と山内代表らがタネづくりに取り組
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【表層深層】消滅可能性自治体 移住成果も流出止まらず 識者「女性就労環境が鍵」
「消滅の可能性がある」全国744市町村が新たに公表された。2014年の初公表も主導した増田寛也人口戦略会議副議長(日本郵政社長)は「危機感の共有が十分ではなかった」と悔やむ。移住促進で成果をあげる自治体もあるが、都市部への流出は続き、国全体での人口底上げも果たせていない。識者は「若い女性の就労環境が鍵だ」と指摘。人口減を前提としたまちづくりに取り組む自治体もある。 ▽起業支援 「初めての育児の不安を相談できる」。十勝平野の北部、北海道上士幌町の「マミー助産院」。昨年生まれた長女を連れた30代女性が笑顔で話した。移住者の渡辺雅美さん(43)が21年に開いた町唯一の助産院だ。 渡辺さんは夫
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大手アパレルと衣料品新ブランド ヨーカ堂、自社開発撤退
総合スーパー大手のイトーヨーカ堂は24日、大手アパレルのアダストリアと組み、衣料品の新ブランド「ファウンドグッド」を立ち上げたと発表した。アダストリアが製造し、イトーヨーカ堂は7月までに64店で販売する。経営再建に向け自社での企画、開発からの撤退を進める代わりに、外部の力を借りて衣料品売り場の魅力向上を図る。 アダストリアは「グローバルワーク」や「ニコアンド」などのブランドを展開しており、主に30、40代の女性に支持されている。イトーヨーカ堂にとっては手薄な顧客層で、スーパー全体の集客増につなげる狙いがある。 製品は専門店よりは安価にし、吸水速乾などの機能性を売りにする。2週間ごとに新商
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【静岡県知事選】鈴木氏推薦・支援 野党系4者、内部で温度差 選対は「結束」強調
知事選(5月9日告示、26日投開票)は自民党県連が推薦する元副知事の大村慎一氏(60)と、連合静岡、立憲民主、国民民主の両党県連、県議会第2会派ふじのくに県民クラブの4者が推薦、支援する前浜松市長の鈴木康友氏(66)に加え、共産党も25日に候補者擁立を発表する。自民衆院議員の不祥事が野党の追い風になるとの見方もあるが、野党系議員の支援者や労働組合の熱量には差があり、活動にまとまりが出るかは不透明だ。 支援者「浜松での施策、通用するか」 大村、鈴木両氏はともに地域や党派を超えた「オール静岡」を掲げている。連合などの4者は鈴木氏の豊富な政治経験や県の将来ビジョンを評価して推薦、支援を決めた。た
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大谷グッズずらり デコピン、富士山デザインTシャツも 遠鉄百貨店に販売コーナー開設
遠鉄百貨店(浜松市中央区)は24日、米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手の関連グッズを集めた販売コーナーを本館8階に期間限定で開設した。Tシャツやマグカップなど約30商品が並ぶ。5月6日まで。 Tシャツは大谷選手の背番号や写真、愛犬の「デコピン」などをデザインした6種類、デコピンをあしらった子ども向けサイズの2種類を用意した。今回の会場限定で、富士山を背景に大谷選手がバットを振る姿をあしらったTシャツと巾着も扱う。このほか、マグカップやステッカーを販売している。 価格はTシャツが税込み3980円、マグカップ2200円など。開設初日は、百貨店の開店と同時に約20人の客が詰めかけた。
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女性管理職 横ばい20% 民間企業「いない」4割 静岡県23年度調査
静岡県が実施した2023年度雇用管理状況調査によると、県内企業の管理職に占める女性の割合は22年度と同じ20・4%だった。課長相当職以上の割合は増加傾向が続くものの、管理職登用の入り口となる係長相当職は前年度を下回った。女性の管理職がいない企業は4割に上り、政府が2020年代の目標とする「女性管理職30%」の水準にはまだ遠い。 女性管理職が占める割合は役員28・3%(2・0ポイント上昇)、部長相当職13・8%(1・9ポイント上昇)、課長相当職16・4%(1・5ポイント上昇)、係長相当職22・3%(3・4ポイント下降)。管理職に占める女性の割合を業種別に見ると、医療・福祉が57・6%で最も
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市町村4割「消滅可能性」 人口戦略会議、30年間で若い女性半減と推計 744市町村公表、長泉町は「自立持続可能性」
民間組織「人口戦略会議」は東京都内で24日に開いたシンポジウムで、将来的に「消滅の可能性がある」と見なした744市町村の一覧を公表した。2020~50年の30年間で、子どもを産む中心世代の20~30代女性が半数以下になるとの推計が根拠。全市区町村の40%超に当たる。都道府県別では0~96%まで割合にばらつきがあった。人口減少の深刻さを示し、行政や民間の対策を促す狙いがある。 人口戦略会議のシンポジウムで講演する日本郵政の増田寛也社長=24日午後、東京都千代田区 「消滅」は人口減少が進み、自治体運営が立ちゆかなくなる状況を指す。人口戦略会議副議長の増田寛也日本郵政社長が座長を務めた「日
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⚽藤枝MYFCのエンジン、ボランチ西矢健人 苦境打破に一矢、超攻撃的貫く「がむしゃらに」「ピッチの真ん中でチーム引っ張る」
超攻撃的スタイルを掲げながらJ2で2年目のジンクスに苦しむ藤枝で、エンジンに火を付けるのはこの男。ボランチ西矢健人(24)。日本フットボールリーグ(JFL)で培った反骨心をバネに「このチーム、このサッカーでJ1に行く」と闘志を燃やす。 昨夏にJ3FC大阪から加入すると終盤に定位置をつかみ、今季は開幕からチームでただ一人、全試合フル出場を続ける。チームは得点力不足に悩み下位に低迷するが、「去年は正直言って残留ギリギリだった。今はうまくいってないからこそ一番成長できる時。ここを乗り越えれば手に入るものがある」と仲間を鼓舞する。 原点にあるのは挫折の度、はい上がってきた経験。神戸の下部組織
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関節手術支援ロボ導入 静岡県内初の聖隷三方原病院、安全性向上と術後入院短縮へ
聖隷三方原病院(浜松市中央区)は、人工股関節や人工膝関節の置換手術を支援するロボット「Mako(メイコー)システム」を県内で初めて導入した。ロボットを使うことで手術の安全性と効率化の向上を図る。 Makoシステムは手術用のロボットアームで、アームの先端に骨を削る刃がついている。病気などで痛めた股関節の骨をアームの刃で削り、人工関節を入れる手術を支援する。アームの刃は機械で制御されているため、骨を切る際のミスを防ぐことができる。医師はCT画像を見ながら手術を行い、より安全で正確な手術が期待できるという。導入にかかる費用は約3億円。 既に県外の医療機関約90施設で導入されていて、県内でも複数
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静岡中央銀行、新社長に小森氏 清野社長は会長に
静岡中央銀行(沼津市)は24日の取締役会で、小森博史常務取締役(61)が社長に昇格する人事を内定した。清野真司社長(73)は代表権のある会長に就く。6月27日開催予定の株主総会と取締役会で正式決定する。社長交代は11年ぶり。若返りを図り、物価高に直面する中小企業支援を強化する。 小森氏は愛知県出身、大阪大卒。1985年に三和銀行(現三菱UFJ銀行)に入行し、融資部中小企業審査室長などを歴任した。東京不動産信用保証専務取締役などを経て、2023年6月に静岡中央銀に入り現職。 三和銀出身の清野氏は13年6月の社長就任後、定期的に顧客を訪ねてニーズを聞き取り業務支援に当たる「訪問頻度管理」を推
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【特別寄稿】検察は「間違い」への姿勢を間違えた 袴田さん再審公判を傍聴して デイビッド・T・ジョンソン/ハワイ大教授
現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(88)の第14回公判が24日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれ、検察側と弁護団の双方が立証をほぼ終えた。最終盤を迎えた袴田さんの再審は海外の研究者の目にどう映るのか。日本の刑事司法に詳しく、実際に地裁で傍聴した米国・ハワイ大のデイビッド・T・ジョンソン教授(社会学)が静岡新聞に寄稿した。 静岡で4人を殺害した罪で68年に死刑判決を受けた袴田巌氏の再審裁判を傍聴するため、3月に静岡に行った。袴田氏は、200時間を超える取り調べの末に強要された自白や、検察側が殺害当夜に袴田氏が着ていたと主張す
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浜松、御殿場など13区域 「日本版ライドシェア」導入意向
国土交通省は24日、富山、石川、福井、岐阜、静岡の5県・計13区域のタクシー事業者が、一般ドライバーが自家用車を使って有償で乗客を送迎する「日本版ライドシェア」の導入意向を持っていることが新たに分かったと発表した。4月以降、順次サービスを始める予定。これとは別に、長野県軽井沢町では既に運輸支局への申し出があり、週内にも認可を出すという。 政府の規制改革推進会議の作業部会で、23日時点のモニタリング結果を報告。国交省は配車アプリで不足車両が把握できる区域から認可を出しており、今月から東京や神奈川、京都など一部区域で始まっている。 新たに導入の意向が判明したと国交省が発表した13カ所は「富山
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南アルプス保全・利活用へ 静岡市と10団体が連携宣言
静岡市は24日、南アルプスの生態系の保全と持続可能な利活用の両立に向け、民間の企業や学校など10団体とパートナーシップ宣言を交わした。南アルプスの自然環境保全の課題や現状、各団体の取り組みを共有し、互いの活動に人的支援や資金面での援助をすることで、地域の価値向上を図る。 南アルプスユネスコエコパーク登録10周年に合わせた事業。南アルプスでは、各企業や団体が植物をシカの食害から守るための防鹿柵の設置や森林の保全、自然の恵みを生かしたウイスキーの製造などに取り組んでいる。宣言を交わした団体の活動を市が取りまとめて情報発信し、マンパワーが足りない活動に人員を派遣するなど、連携して課題解決につなげ
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衆院静岡8区 新人松下友樹氏擁立 参政党
参政党は24日、次期衆院選静岡8区に新人の松下友樹氏(40)=浜松市中央区=を擁立すると発表した。同党によると、松下氏は金沢市出身。浜松北高、浜松医科大を卒業し、形成外科医として県西部の総合病院で16年間勤務した。現在は掛川市の美容クリニックで院長を務める。
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⚾紅林、またサヨナラ プロ野球パ・リーグ 「髪がなくなって ボールが見えやすい」
◇5回戦=オリックス3勝2敗(18時、京セラドーム大阪、24158人) 西武 0000000030―3 0010002001x―4 オリックス (延長10回) [勝]マチャド8試合1勝 [敗]本田9試合1敗 [本]ゴンザレス1号①(武内)中村剛2号①(平野佳) ▽三塁打 佐藤龍▽二塁打 中村剛、若月、セデーニョ、平沼▽盗塁 児玉(1)▽与死球 エスピノーザ(児玉) ▽試合時間 3時間10分 【評】オリックスが延長サヨナラ勝ちで3連勝。3-3の十回2死から紅林(駿河総合高出)が左翼線に殊勲打を打ち返した。マチャドが1回無失点で来日初勝利。西武は4連敗。九回に中村剛のソロ本塁打などで
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大自在(4月25日)春の嵐
さしずめ春の嵐が吹き荒れている―とでも言えようか。新年度の幕開けとともに、県内政界を揺るがす事態が続いている。 先陣を切ったのは、これまでも「コシヒカリ発言」など、自らの言動でたびたび物議を醸してきた川勝平太知事。4月1日、新規採用職員に向けた訓示で「県庁はシンクタンク。野菜を売るのとは違う」などと述べ、職業差別との批判が殺到した。翌日の唐突な辞意表明には「投げ出し」の声も少なくない。 昨年来、国政に影を落とす自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件では、安倍派座長を務めた塩谷立氏(衆院比例東海)が、事実上の同派トップとして党紀委員会から離党勧告を受け、再審査を請求、却下された後に処分に従
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社説(4月25日)バス置き去り公判 根本原因を解明せねば
牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月、園児の河本千奈ちゃん=当時(3)=が送迎バスに置き去りにされ、熱中症で死亡した事件で、業務上過失致死の罪に問われた前園長の増田立義被告(74)、元クラス担任(48)の公判が静岡地裁で始まった。両被告は真摯[しんし]に真実を語らなければならない。社会は公判からさらに教訓を学び、再発防止につなげる必要がある。 初公判で2人は起訴内容を全面的に認めた。検察は冒頭陳述で、21年7月に福岡県で同様に園児が送迎バス内で死亡する事案が発生し、国から安全管理の徹底を促す通達が出ていたにもかかわらず、同園では法律で策定が義務付けられている「学校安全計画」
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In Hakamada’s Retrial, Prosecutors Are Wrong about Being Wrong David T. Johnson, Professor of Sociology, University of Hawaii
In March I went to Shizuoka to watch the retrial of Hakamada Iwao, who was sentenced to death in 1968 for the murder of four people in Shizuoka.Hakamada was convicted on the basis of highly dubious evidence, including a confession that was coerced after more than 200 hours of interrogation, and five
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大自在(4月24日)熱中症特別警戒アラート
きのう発表された気象庁の3カ月予報によれば、5~7月は暖かい空気に覆われやすく全国的に気温は高いという。今年もまた暑くなるのか。覚悟しておいた方がいいだろう。 都道府県内の全ての地点で「暑さ指数」が35以上になると予想されると発表する熱中症特別警戒アラートの運用が、きょうから始まる。33以上で出ていた現行の警戒アラートの上位に新設された。暑さ指数は気温、湿度、放射熱などから算出する指標。28を超えると熱中症発生率が急増するといわれる。 現行のアラートは昨年、全国で延べ1232回。2021年の613回から2年で2倍になるなど、リスクは高まっている。特別警戒アラートは、熱中症に気づくだけでな
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社説(4月24日)知床沈没事故2年 再発防止策まだ道半ば
北海道・知床半島沖で乗客乗員20人が死亡、6人が行方不明になっている観光船「KAZU 1(カズワン)」の沈没事故から2年が経過し、地元の斜里町では追悼式が営まれた。楽しい思い出になるはずだった遊覧の最中に命を奪われた犠牲者や遺族らの無念は察するに余りある。 国の運輸安全委員会による事故調査で、安全管理体制が存在していない状態だったとまで指摘された運航会社と経営者の責任を巡っては、海上保安庁が業務上過失致死などの容疑で捜査を続けているものの、結論は出ていない。冷たい海で多くの犠牲者を出した責任の所在を明確にするため、同庁は捜査に全力を挙げなくてはならない。 国土交通省は一昨年、事故を教訓と
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スケボー・根附(島田市出身)「パリ 優勝狙える」 「静岡魂!」 青木と高め合い
スケートボード男子ストリートで20歳の根附海龍(DC Shoes、島田市出身)が、パリ五輪の金メダル候補に急浮上した。昨年12月の世界選手権で自身初の表彰台となる銀メダル、3月の五輪予選第6戦で初優勝と絶好調。26日で五輪開幕3カ月前となるのを前にインタビューに応じ「(パリでも)優勝を狙えると思う」と手応えを口にした。 8戦中6戦を終えた五輪予選で、日本勢2番手のランキング5位と好位置につける。3戦目までは全て準々決勝止まりで、悔しさを押し殺して決勝で滑るライバルの映像を徹底的に研究。45秒間に技を連発する課題の「ラン」で、多様なトリック(技)を途切れることなく繰り出すことが高得点の鍵だと
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GW(ゴールデンウイーク)は家族でアスレチックへ【しずおかアウトドアファン】
間もなくゴールデンウイーク(GW)が始まる。コロナ禍が明け、今年は家族や仲間同士で行楽に出かける人もさらに増えそうだ。静岡県内には、幅広い世代が体を使って楽しめる野外のアスレチック施設が各地にある。大型連休に遊びに行きたくなる魅力的な施設を紹介する。(生活報道部・草茅出) ロープ伝い空中散歩 熱海 熱海市の熱海港から定期船で約30分。相模灘に浮かぶ初島には複合リゾート施設「PICA[ピカ]初島」や新鮮な海の幸を味わえる食堂街、宿泊施設があり、年間を通じて多くの観光客でにぎわう。 PICA初島内のアスレチック「SARUTOBI[サルトビ]」は、地上からの高さ6メートルの場所にロープや木製
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静岡県の能登復興支援に「感謝」 穴水町長が知事に 「応急対策職員」派遣、5月で区切り
静岡県は23日、能登半島地震で大きな被害を受けた石川県穴水町で包括的な災害マネジメントや住家被害認定調査などを担う「応急対策職員」の派遣を5月6日で終了すると発表した。発災から間もなく4カ月を迎え、同町では仮設住宅建設が着々と進むなど復興の段階に入りつつある。23日には吉村光輝町長が静岡県庁に川勝平太知事を訪ね、感謝の意を伝えた。県は引き続き技術職員を中長期的に派遣し、復興を後押しする。 応急対策職員派遣は、2016年の熊本地震後に始まった総務省の制度。都道府県や政令市が担当する被災自治体を決めて一対一の「対口(こう)支援」を行う。本県の支援は1月3日に始まり、避難所運営や罹災(りさい)証
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静岡県内上場企業 25日から3月期決算発表 円安、物価高 影響は
静岡県内に本社や主要拠点を置く上場企業の2024年3月期決算の発表が25日に始まる。長期化傾向にある円安が輸出型企業の収益を下支えする一方、記録的な物価高に伴う消費者の節約志向の高まりは内需型企業に痛手になっている。各社の業績にどう反映されているかが焦点となる。 金融機関や国際会計基準(IFRS)採用企業などを除く県内31社の23年4~12月期決算は基幹産業の自動車関連が好調を持続し、売上高合計が前年の約5兆1千億円から約5兆7千億円へと伸長した。昨夏以降140円台後半で推移した円安や半導体不足の解消がプラスに寄与した。一方、非製造業は新型コロナウイルス禍特需の揺り戻しに苦戦し、小売や通販
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静岡県人口 353万3214人 4月1日推計 大幅な社会減
静岡県がこのほど公表した4月1日現在の推計人口は353万3214人で、前月より8737人減少した。推計人口の減少は22カ月連続。年度替わりで大幅な社会減が影響したとみられる。 転入数から転出数を引いた社会動態は5862人減(転入2万2178人、転出2万8040人)。前年同期に比べて転入数、転出数ともに減少したが、特に転入数が2千人余り少なく社会減の幅が拡大した。社会減は6カ月ぶり。 出生数から死亡数を引いた自然動態は2875人減(出生1412人、死亡4287人)だった。 市町別でみると、人口が増加した市町はなく、全35市町で減少した。減少数が多かったのは、浜松市が1408人、静岡市99
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前園長「全て私の責任」「先を急いでいた」 牧之原園児置き去り死初公判・被告人質問
牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月、園児の河本千奈ちゃん=当時(3)=が送迎バスに置き去りにされ、熱中症で死亡した事件の初公判で、前園長の増田立義被告(74)の被告人質問での主なやりとりは次の通り。 ⇒届かぬ声 子どもの現場は今 保育連載の特設サイト ⇒届かぬ声 子どもの現場は今 保育連載の特設サイト 【弁護側】 -川崎幼稚園ではバスの乗り降りで園児の人数確認をしていたか。 「運転手と補助員で確認していると思っていた」 -事件当時、車内に園児は残っていないと思ったのか。 「補助員がスライドドアをバタンと閉めたので、いないと思った」 -
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自民・塩谷氏が離党 議員活動は無所属で継続【裏金事件】
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、安倍派の座長を務めた塩谷立氏(衆院比例東海)は23日、党から科された離党勧告処分に従って離党した。離党届が受理された後、国会内で記者会見した塩谷氏は「無所属の議員として、政治活動を続けていく」との意向を表明した。次期衆院選には「しっかり挑戦していこうという気持ちだ」と出馬に意欲を示した。 塩谷氏は会見の冒頭で「国民の皆さんをはじめ、多くの方々に大変ご迷惑をかけた。改めて心から深くおわびする」と陳謝した。「約30年間、自民党議員として努めてきた。誠に残念だ」と党への愛着をにじませる一方、「事実に基づいた公平公正な判断がされなかった」「(処分決定ま
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千奈ちゃん「バス来てるよ」車内で声も 前園長は気付かず施錠【牧之原置き去り死初公判】
「ケーキバス、後ろから来てるよ」-。静岡地裁で23日に開かれた牧之原市の送迎バス園児置き去り事件の初公判。検察は冒頭陳述で、河本千奈ちゃんがバスに取り残される直前、別の送迎バスの存在に気付き、車内で声を上げていたことを明らかにした。そのとき車内には千奈ちゃんと運転席の園長だけ。その言葉は園長に向けられていたのだろうか。しかし、増田立義被告(74)はその声に気付くことなく、バスを施錠。増田被告は最後に車内を確認しなかったことについて「補助員がスライドドアを閉めたので、いないと思った」「(私用で)先を急いでいた」などと語った。 ⇒届かぬ声 子どもの現場は今 保育連載の特設サイト &r
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「修善寺時之栖」誕生 「伊豆温泉村」を改装 サウナや古民家ヴィラ新設
伊豆市の複合施設「伊豆温泉村」が23日までに「修善寺時之栖」に名称変更し、リニューアルオープンした。地元住民に親しまれている温泉「百笑の湯」に加え、アウトドアサウナや古民家を改修した宿泊施設などを新設した。楽しみ方が選べる複合リゾート施設と位置付けて外国人を含む観光客を呼び込む。 運営する時之栖(御殿場市)の庄司政史社長は御殿場高原時之栖(同市)に次ぐ集客規模の施設にしたい考え。観光拠点として地域活性化の一助になるよう願って新名称を決めた。隣接する大仁金山跡は現在、利用していないが「将来的には遊べる場所にしたい」と構想を語る。 アウトドアサウナ「クルタ」は、まきストーブや電気ストーブを備
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牧之原園児バス置き去り、前園長ら業過致死罪認める 「苦しい思いさせた」 静岡地裁初公判
牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月、園児の河本千奈ちゃん=当時(3)=が送迎バスに置き去りにされ、熱中症で死亡した事件で、業務上過失致死の罪に問われた前園長の増田立義被告(74)、元クラス担任の被告(48)の初公判が23日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれた。国井裁判長の「あなたがやったことに間違いはないか」との問いに対し、増田被告は「はい」、元クラス担任の被告は「間違いありません」といずれも起訴内容を全面的に認めた。 ⇒届かぬ声 子どもの現場は今 保育連載の特設サイト ⇒届かぬ声 子どもの現場は今 保育連載の特設サイト 事件を機
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余剰電力を地域通貨で調達 静岡ガス、島田で新事業 公共施設に供給、経済循環促進
静岡ガスは23日、一般家庭の太陽光発電で生じる余剰電力を買い集め、地元の公共施設に送るサービスを島田市で開始したと発表した。各家庭への電気料金は、地元商店で活用できるデジタル地域通貨「しまだペイ」で支払う。通常よりも割高な買い取り価格を設定し、エネルギーと経済の地域循環を促進する。 調達した電力は市役所庁舎や小中学校、公民館など同市所有の47施設に分散して送る計画。同社によると、10年の固定買い取り制度(FIT)適用期間後は1キロワット時当たり7~9円程度で買い取られるのが通常だが、同サービスは同13・2円分のしまだペイを付与する。一般家庭の余剰電力は年間3千~4千キロワット時とされ、月換
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自民・塩谷氏が離党届提出へ 浜松の地元支援者らに説明【裏金事件】
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、離党勧告処分が確定している塩谷立氏(衆院比例東海)は23日、浜松市中央区で地元支援者向けの会合を開き、近く離党届を提出する意向を伝えた。複数の出席者への取材で分かった。 会合は非公開で約1時間にわたって行われた。出席者によると、塩谷氏はこれまでの経緯を説明し、離党届を期限の25日までに提出することを明らかにした。出席者から次期衆院選への対応について質問が出たが、明確には答えず、さらに支援者らと相談して決める方針を伝えたという。 党紀委員会は4日に安倍、二階両派の計39人に対し、党則に基づく処分を決定。塩谷氏と安倍派参院側会長だった世耕弘成氏の
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【TRY!ANGLE】「浜名湖花博2024」開幕1カ月 花のリレーに笑顔咲く【動画あり】
満開のソメイヨシノとチューリップの共演、“青いじゅうたん”が広がるネモフィラ畑-。「浜名湖花博2024」(浜名湖花博20周年記念事業実行委員会主催)のはままつフラワーパーク会場(浜松市中央区)は23日、開幕から1カ月を迎えた。 スタート時につぼみだった桜は4月上旬に満開を迎え、同園が「世界一美しい」と称する華やかな庭園が来場者を魅了した。6日には浜名湖ガーデンパーク会場(同区)もオープンし、約1600種の花々に包まれる「花美の庭」や、先端技術を駆使したデジタルアート「イマーシブミュージアム浜名湖」が人気を集めている。 桜が散ると、両会場でフジやバラの花が徐々に開花
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大自在(4月23日)ウオーキング
二俣川、逆川、狩野川、瀬戸川-。ほぼ毎早朝、赴任先の近くを流れる河川の堤防を30年以上、歩いている。近年は「ウオーキング」としゃれた言葉も聞くが、眠気や前夜の酔い覚まし。無理せず歩数も気にせず、ただ歩いてきた。 人類の祖先が初めて二足歩行をしたのは600万年ほど前とされる。それまでは、猿のように木登りや四足歩行などを組み合わせ、移動していたようだ。ただ、四足歩行のチーターは推定で時速110キロとも。二足では四つ足に比べ明らかにスピードでは劣る。 「進化」の過程で、なぜ木から下りたヒトの祖先は、動物界の中でも異端ともいえる二足歩行となったのか。「エネルギーの消費を抑えるため」。諸説あるよう
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社説(4月23日)ガザで相次ぐ餓死 最悪の人道危機止めよ
イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘で壊滅的な被害を受けたパレスチナ自治区ガザで、子どもの餓死が相次いでいる。国連人道問題調整室(OCHA)は今月上旬、栄養失調や水分不足で28人が死亡したと発表した。このまま戦闘が続けば、大人も含め餓死者が急増する恐れがある。 飢餓が広がったのは、イスラエルが支援物資の陸路搬入をガザ南部の検問所だけに制限してきたためだ。米軍などは3月に物資の空中投下を始め、イスラエルは今月に入ってガザ北部の検問所を一時的に開放する方針を決めたが、事態の改善は見通せない。 複数の国連機関などは5月にもガザ北部が飢饉[ききん]に襲われると警告する。最悪の人道危機を止めるため
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未手術の性別変更、静岡家裁認める 静岡市の安池さん「最初の一歩」
生殖機能をなくす性別適合手術をせずに戸籍上の性別変更を申し立てた静岡市駿河区の会社社長安池中也さん(54)の家事審判で、静岡家裁は22日までに、安池さんの性別を女性から男性に変更することを認めた。決定は18日付。 安池さんは幼少期から女性として扱われることに違和感を覚え、31歳の時に性同一性障害と診断された。その後、ホルモン治療を受け、名前を変更。性別適合手術はせず、男性として社会生活を送る。最高裁や静岡家裁浜松支部が昨年10月、性別変更の際に生殖機能をなくす手術を求める性同一性障害特例法の規定を、違憲で無効と判断する決定を出したことを受け、今年2月に性別変更を申し立てていた。 安池さん
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素材にいのちを吹き込む 針金とフェルトの世界 27日から駿府博物館
針金人形作家MASASHIさんと、立体フェルト刺しゅう作家PieniSieniさんによる作品展「素材にいのちを吹き込む-針金とフェルトの世界」(駿府博物館、静岡新聞社・静岡放送主催)が27日、静岡市駿河区の同館でスタートする。身近な素材を使って地道な作業を繰り返し、特徴を生かした独創的な世界を繰り広げる2人に、制作の過程や作品の見どころを聞いた。 (聞き手=教育文化部・名倉佐記) 色や質感 実物のように 立体フェルト刺しゅう作家 PieniSieniさん 家のあれこれをハンドメードでそろえているうちに立体フェルト刺しゅうにたどり着きました。図鑑をじっと観察して、どうやったら表現でき
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地域の絆 救助の支えに 消防団員減 初動遅れ危惧【伊豆半島沖地震50年 教訓 後世へ㊥】
「誰かいないか!」。1974年5月9日。生まれ育った南伊豆町中木地区を埋め尽くした土砂に消防団の同僚と2人で立ち、萩原作之さん(79)は無我夢中で叫んでいた。父の清次さんとまだ2歳の息子の清之ちゃんがのみ込まれた土砂崩れの上で-。伊豆半島沖地震から50年を迎え、当時現場で活動した町民たちは郷里の防災力強化を願い、それぞれの教訓を通じて課題を今に伝える。 当時29歳の萩原さんは、崩壊現場近くの郵便局に勤務していた。かつてない揺れから屋外に避難し、中木地区の城畑山の崩壊を目撃した。一目散に駆け付けたが、当初は同僚と2人だけ。萩原さんは大けがを負った年配の男性を背負って土砂の山を登ったという。
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「急須ない」首都圏20代男性の8割超 静岡県が飲用実態調査 オフィス需要掘り起こし狙う
20代男性の8割以上は急須を持っていない-。静岡県が首都圏の消費者を対象に行った茶の飲用実態調査で、若年層のリーフ茶離れの傾向が明らかになった。県は、ペットボトルやティーバッグなどへの飲用形態の多様化が消費低迷の一因と分析。「消費拡大には、オフィスでの消費や新たな飲用習慣の提案が必要」と指摘する。 調査は首都圏のオフィスワーカー500人(男女各250人)に実施。家庭におけるドリンクの飲用種別や職場での緑茶の消費実態を調べた。年代別・性別の急須所持率は、50代女性の60・3%が最高で、40代女性46・0%、50代男性41・3%と続く。女性は20代(25・8%)が最も低く、男女ともに若年層の急
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真相究明の約束 川勝知事 果たさず 遺族への説明ないまま辞職へ【熱海土石流】
4期目の途中で辞職することになった川勝平太知事が4選を決めた直後の2021年7月に熱海市で発生したのが不法盛り土崩落に伴う土石流だった。川勝県政4期目は、盛り土が適切に規制されずに住民28人が死亡、住宅約100軒が損壊した大惨事に揺れ、復旧や検証作業に多くの時間を割いた。ただ、トップの川勝知事は最後まで職員任せで法的責任を認めず、遺族に約束した真相究明を果たさないまま退任する。 「真実が知りたい」―。土石流発生から丸2年を迎えた昨年7月3日の追悼式直後、帰り際の川勝知事を呼び止めたのは土石流で太田和子さん=当時(80)=を亡くした長男の朋晃さん(58)だった。「母がなぜ亡くならなければな
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ビアガーデンで一足先に「夏」の乾杯! 静岡駅ビル屋上、今年もオープン
静岡市葵区のJR静岡駅ビル「パルシェ」屋上で23日から、ビアガーデン「アオイ ザ バンケット」が始まる。10種類以上のビールの飲み比べや、豊富な素材のビュッフェを用意する。9月29日まで。 今年は昨年より50席増の最大約380席を用意し、規模を拡大した。品ぞろえを強化したバーベキューやビュッフェを食べ放題で、ビールをはじめとした酒類やソフトドリンクなどを飲み放題で楽しめる。営業時間は午後5~10時で、期間中は5月7~9日を除き無休。 22日に行われたプレオープンのイベントでは、関係者らがさまざまな銘柄のビールで乾杯。一足先に夏の夜の雰囲気を堪能した。 パルシェを運営する静岡ターミナル開
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浜松出身の俳優田中道子さん ⚽アスルクラロ沼津のFW川又堅碁選手と結婚
浜松市出身の俳優田中道子さん(34)と、サッカー元日本代表でJ3アスルクラロ沼津のFW川又堅碁選手(34)が22日、結婚したと所属事務所やクラブを通して発表した。 2人もそれぞれのSNSで結婚を報告した。「未熟な2人ではありますが、互いに支え合い、仲むつまじい家庭を築いていきたいと思います」とメッセージを寄せた。関係者によると、田中さんがアスルクラロ沼津の試合に応援に来ていたこともあったという。 田中さんは静岡文化芸術大(同市)を卒業。芸能活動の傍ら2022年に1級建築士試験に合格した。同年10~12月には静岡新聞のコラム「窓辺」を執筆した。浜松市の魅力をPRする親善大使「市やらまいか大
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静岡県知事選 立候補予定者説明会に出馬表明2陣営出席 共産など5陣営も
静岡県選挙管理委員会は22日、知事選(5月9日告示、26日投開票)の立候補予定者説明会を県庁で開いた。立候補を表明している元副知事の大村慎一氏(60)、前浜松市長の鈴木康友氏(66)を含めた7陣営の関係者が出席した。 説明会に出席した共産党の陣営関係者は取材に「候補者が決まり次第、発表したい」と話した。市民団体「リニアを争点にする会」の関係者は「現在候補者を探している」と答えた。政治団体代表の菊川市の男性(56)ら3人も説明を聞いた。 県選管の山岸達生書記長は「非常に短期間の準備になるが、県の針路を選択する極めて重要な選挙」と述べ、公正な選挙活動を呼びかけた。出席者は選挙運動用自動車や選
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「よそ者目線」で活気再び 沼津・アーケード名店街 再開発控え将来像模索 移住者主導のフェス 地元民連携
JR沼津駅の南側に位置し、日本初の防火建築・共同建築様式の商店街といわれ、今夏に再開発事業が始まる沼津市町方町の「アーケード名店街」で、将来のあり方を模索する動きが本格化している。店舗の移転や閉業に伴ってまちづくりを担う人材確保が課題となる中、名店街に移住したグラフィックデザイナー君山正好さん(51)が4月上旬、再開発の節目を記念するイベントを初開催した。「よそ者目線」に、名店街に残る地元住民も交え、名店街の将来像を探る。 「このまま歴史ある建築物を壊してほしくない」。4月上旬、「ネオ温故知新」をテーマに初開催した沼津アーケード名店街フェス。2年前、建築物を気に入り、長泉町から名店街南東側
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「ダイヤモンド富士」観賞お勧めスポットは 御殿場市がガイドマップ作製
富士山の山頂部分に太陽が沈む「ダイヤモンド富士」が御殿場市で4~8月に楽しめる。同市は天体観望愛好家らでつくる「御殿場星の会」と協力して22日までに、お勧めのスポットと各地点で観賞できる日時を紹介するガイドマップを作製した。 ガイドマップには、標高千メートルから夕焼けに染まる市街地とダイヤモンド富士を眺めることができる乙女峠や、電車との共演が期待できるパレット御殿場など14スポットを掲載した。春から梅雨入り前までが観賞に最も適しているといい、市の担当者は「2分間程度の幻想的で神秘的な光景。心に残してほしい」と話す。 直近では24日午後5時35分ごろ、同市中丸の市・小山町広域行政組合衛生セ
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女性2人のレーシングチーム始動 御殿場出身ドライバー川合さん総監督 アニメともコラボ
御殿場市出身のレーシングドライバー川合孝汰さん(29)が総監督を務める女性2人のレーシングチーム「ハイスピード エトワール レーシング」が今春、発足した。昨年「スーパーGT GT300」や「スーパー耐久ST-Z」でシリーズチャンピオンを獲得するなどトップ選手として活躍する川合さん。今季は監督業との“二刀流”への挑戦となり、「決して簡単ではないが、モータースポーツ界を盛り上げるために頑張りたい」と意気込む。 同チームは、都内で医療や健康関連事業を展開する企業が母体の「プラチナムファクトリー」が設立した。4月からテレビ放映が始まった女性レーシングドライバーが主人公のアニ
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こども食堂に遊び、学びの場 磐田のボランティア団体 ユニットハウス2棟常設 保護者の交流拠点にも
磐田市川袋で「竜洋こども食堂」を運営するボランティア団体「食でつながる心の輪の会」(中村浩之代表)が、敷地内にユニットハウス2棟を常設した。子どもたちの遊びや学びの場として活用するほか、子育て世代が気軽に立ち寄って語り合える居場所づくりを目指す。 静岡県のクラウドファンディング型ふるさと納税制度を利用して整備した。1棟あたり6畳程度の室内に木製玩具やカードゲームなどを用意し、子どもが自由に遊べるスペースを確保した。保護者向けにヘッドスパやハンドスパ、喫茶コーナーを設けて疲れを癒やしてもらい、心の余裕を持って子どもと向き合えるよう支援する。 中村代表はこれまで、里親活動を通じて子どもに対す
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今週の予定(静岡・全国)【4月22日~28日】
4月22日(月) ▽小林製薬のサプリメントを巡る健康被害問題の発表から1カ月 ▽静岡県知事選挙立候補予定者説明会(静岡県庁) ▽衆院予算委員会で岸田文雄首相が出席し集中審議 ▽カルチュア・ コンビニエンス・クラブと三井住友フィナンシャルグループがポイント事業の「Tポイント」と「Vポイント」を統合 ▽「頂き女子」を名乗って恋愛詐欺のマニュアルを販売し、自身も詐欺罪などに問われた被告の判決(名古屋地裁) ▽国の天然記念物ツシマヤマネコ絶滅を防ぐため「ツシマヤマネコ野生順化ステーション」が訓練した雄1匹を野生に戻す初の「放獣」実施(長崎県対馬市) ▽米比両軍の合同演習「バリカタン」(~5月10日
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大自在(4月22日)三遠
男子プロバスケットボールの最高峰B1リーグ中地区で、三遠ネオフェニックスが初優勝を果たした。略称は「三遠」。2016年のリーグ発足後、本拠地戦は愛知県東三河を中心に静岡県遠州でも組まれている。 ただ、「三遠」と聞いてもバスケファン以外では、どこのチームか見当がつかない人が多いのでは。「三遠」を知らなければ、「三遠南信」も分からない。 地元でも「三遠南信」の認知度が高くないのは、19年度に浜松市が、21年度には愛知県豊橋市が実施した市民アンケートの結果が示している。質問の仕方は異なるが、「三遠南信」を知らなかったとの回答が浜松市でほぼ3割。豊橋市では4割を超えた。 三遠南信は東三河、遠州
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社説(4月22日)この夏も猛暑か 早い段階での対策必要
昨夏、日本の平均気温は平年を示す基準値を1・76度上回り、1898年の統計開始から最も高かったと気象庁が発表している。世界も観測史上、2023年は最も暑い夏だった。米国では一部で気温が50度を超え、欧州や中国でも史上最高気温を記録した。 温室効果ガスやエルニーニョ現象などで、大気全体の温度がかなり高まっているとみられ、これらが今夏の気温にも影響を与える可能性は強い。まだ春半ばだが、各個人、行政とも対策を早い段階から進めたい。 今年の夏については、既に研究機関が梅雨明け後の猛暑を予想。太平洋高気圧の張り出しが強まり、暖かい空気に覆われやすいため、全国的に平年より気温が高いとみられている。
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山崩壊 地区埋めた土砂 記憶つなぐ 遺族の決意【伊豆半島沖地震50年 教訓 後世へ㊤】
5月9日、南伊豆町に甚大な被害を及ぼした伊豆半島沖地震の発生から50年を迎える。静岡県では南海トラフ巨大地震の危険性が叫ばれ、年明けの能登半島地震を受けた「半島防災」の備えも大きな課題となっている。新たな地震の犠牲者を生まないために、何ができるのか。当時の被災者の経験と思いをたどり、防災への教訓を探る。 空にはどんよりとした雲が広がり、時折小雨がぱらつく朝だったと伝えられている。半世紀前に発生した伊豆半島沖地震。半島最南端の南伊豆町で祖母るやさんと母良子さんを失った山口柳二さん(55)、一実さん(53)兄弟は当時、5歳と3歳だった。生き抜いた最も若い世代として、悲劇を後世に伝えたいとの思い
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伊豆半島沖地震 5月に50年 慰霊祭区切りも 記憶継承に課題 活断層「調査必要」
1974年に南伊豆町の石廊崎沖でマグニチュード(M)6・9の規模で発生し、同町で30人が犠牲となった伊豆半島沖地震から5月9日で50年を迎える。同町は能登半島地震の被災地と同様に半島先端部に位置し、活断層が動くなど共通性も指摘される。被災地区の自治会は毎年開いてきた慰霊祭を今年で一区切りとして終了し、被災者の高齢化も重なり記憶の継承も課題となっている。 気象庁によると、伊豆半島地震は午前8時33分、石廊崎沖の深さ9キロの浅い震源で発生した。南伊豆町沿岸部に延びる「石廊崎断層」がずれ動き、同町中木地区では城畑山が崩壊。高さ約100メートルから5万立方メートルの土砂がなだれ込んだとされ、27人
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富士・吉原商店街“名物” 「十四番」唐揚げ金賞 全国「塩だれ部門」初応募で受賞
富士市吉原の「唐揚げ十四番」が今月、人気投票企画「第15回からあげグランプリ」(日本唐揚協会主催)の塩だれ部門に初応募で金賞を獲得した。吉原商店街にかつて存在したビアガーデンの名物だった味が、全国の唐揚げファンをうならせた。 全国から753店の応募があり、本戦には174店が進んだ。同部門28店の中からネット投票で、金賞の15店が選ばれた。同協会によると、初応募で本戦に進む店は少ないという。 十四番の唐揚げはニンニクやショウガなどを使わず、複数の塩を配合した味付けで鶏のうまみを引き出す。片栗粉に塩を混ぜた衣の二度揚げがザクザクとした食感を生み、商店街の店舗のほかイベント会場でも行列を作るほ
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伊豆市長選 菊地氏が5選 投票率は過去最低の42・63%
任期満了に伴う伊豆市長選は21日、投開票が行われ、無所属現職の菊地豊氏(65)が、無所属新人で元市議の森良雄氏(80)を破り5選を果たした。投票率は42・63%で、前回選を16・38ポイント下回り、同市合併以来過去最低となった。 ⇒【記者解説】4期の実績に評価、「半島防災」への対策急務 ⇒【記者解説】4期の実績に評価、「半島防災」への対策急務 菊地氏は地元の商工、観光、農業関係など約30団体の推薦を得て組織戦を展開。防災、人口減少対策を掲げ、4期16年の実績をアピールして市内全域で支持を集めた。SNSで短い演説動画を投稿するなど、若年層にも訴求を図った。 森
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【伊豆市長選・解説】4期の実績に評価 「半島防災」への対策急務
2016年と同じ顔合わせとなった伊豆市長選は、現職の菊地豊氏が大差で5選を決めた。有権者は、地域活性化や行財政改革に取り組んだ実績を評価し、菊地市政の継続を求めた。 今回争点の一つとなった防災対策について、論戦が深まったとは言えない。能登半島地震を経て、「半島防災」への対応は5期目の菊地市政の喫緊の課題だ。菊地氏は選挙戦で「災害死者ゼロ」を目指すと訴えたが、集落孤立化の防止や市民と観光客の避難対応、被災後を見据えた事業継続計画(BCP)策定推進など、防災と経済の両立に向けた対策をきめ細かく示していく必要がある。 同市合併以来最低の投票率は、市民の市政への関心の低下を露呈した。人口減少など
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バスケ・ベルテックス静岡、B2昇格初年度でプレーオフ進出 福岡に75-68
バスケットボールBリーグ2部(B2)は21日、福岡・照葉積水ハウスアリーナなどでレギュラーシーズン最終戦を行い、静岡は75―68で福岡を破った。通算成績は29勝31敗の西地区4位。4連勝でワイルドカード2枠目を勝ち取り昇格初年度でのプレーオフ(PO)進出を決めた。 静岡はワイルドカード最後の1枠を争う神戸とゲーム差なし、直接対決の得失点差で2点上回る状況で福岡との最終節に臨んだ。20日の第1戦は81―63で快勝。第2戦は第3クオーター(Q)に最大15点をリードすると、第4Qに一時4点差に詰め寄られながらも逃げ切り、熊本に連勝した神戸を振り切った。 上位8チームによるプレーオフ準々決勝(2
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⚾春季高校野球静岡県大会2回戦 夏シード16校決定 常葉大菊川、聖隷クリストファー敗れる
第71回春季高校野球県大会は21日、草薙、あしたか、掛川、浜松の4球場で2回戦の残り11試合を行った。藤枝明誠、常葉大橘、静岡、加藤学園、知徳、駿河総合、掛川西、東海大翔洋、磐田東、飛龍、浜松開誠館が今夏の全国選手権静岡大会のシード権を獲得した。知徳の小船翼は自己最速を1キロ更新する152キロを計測し、14奪三振で完封した。赤堀佳敬監督の初陣となった磐田東は静岡学園にコールド勝ち。東海大翔洋の入江悠斗は常葉大菊川打線を完封した。昨秋優勝の藤枝明誠は川崎拳慎の先頭打者本塁打で勢いに乗った。3回戦は27日に実施する。 21日の試合結果(2回戦) ▽あしたか球場 加藤学園 9-2 静岡市立(8
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南海トラフ防災基本計画 5月 改定議論再開へ
南海トラフ巨大地震の防災基本計画改定に向けた政府の作業部会が、5月に議論を再開することが21日、関係者への取材で分かった。今春の計画改定を予定していたが、能登半島地震への対応で作業が中断していた。今回の対応の教訓も反映させるため、秋以降になる公算が大きい。 政府は2011年の東日本大震災を踏まえ、巨大地震対策の見直しに着手。南海トラフ地震については、12年に「最大32万3千人が死亡する」との被害想定を公表した。14年には、10年間で死者を8割減らすなどの「減災目標」を盛り込んだ基本計画を策定した。 計画の期限は23年度末で、昨年から有識者らの作業部会が、被害想定の見直しを進めていた。津波
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5人制脳性まひ者サッカー 静岡舞台に新たな全国大会 27、28日「楽しみ 交流の機会に」
静岡市駿河区の草薙総合運動場で27、28の両日、5人制CPサッカー(脳性まひ者サッカー)の全国大会が初開催される。これまでCPサッカーの全国大会は年に一度しか開催されておらず、出場機会を求める選手の声に応え、県内で新たな大会開催を実現した。主催するNPO法人静岡FIDサッカー連盟の瀬戸脇正勝理事長は選手たちの交流を深め、障害者スポーツの継続と活性化を目指す。 CPサッカーは通常7人制だが、今大会は小規模チームでも参加しやすいよう5人制を採用。国内7チームが集い、本県からは静岡市清水区を拠点とする「AQエスフォルソ静岡三保」が出場する。 瀬戸脇さんらが重視しているのは選手同士の交流。大会で
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紅こうじ調査 長期化必至 被害判明 1カ月 工場衛生、ずさんな実態
小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」サプリメントとの関連が疑われる健康被害が判明し、22日で1カ月となった。原因物質は紅こうじ原料の製造工程で混入したとみられるが、特定作業の長期化は避けられない。原料の製造工場では過去、床にこぼれた原料をすくい取って食品向けに再利用するなど、ずさんな実態が明らかに。同社は「今回の問題とは無関係」とするが、国などは衛生管理に問題がなかったか調査を本格化する。 小林製薬は3月22日、「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」を摂取した人に腎疾患の症状が相次いでいると発表した。70~90代を含む5人が死亡、計240人が入院し、延べ約8万8千件の相談が同社に寄せられるなど、
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価格転嫁できず 中小苦悩 大手に続き高水準賃上げも… 静岡県内 多重下請けで負担増
大手に続き、中小企業でも高水準の賃上げ動向が明らかになった2024年春闘。ただ実際は物価の上昇分を価格転嫁できないまま賃上げに踏み切り、自社負担の増加に苦しむ中小が少なくない。背景の一つに挙がるのが大企業を頂点とする多重下請け構造だ。静岡県内の関係者は取引上の力関係に物を言わせた古い商慣習があるとし、「是正しなければ持続的賃上げにはならない」と指摘する。 「人件費もそうなれば良かったが…」 県中部の自動車部品メーカーで役員を務める40代の男性がつぶやいた。昨年、初めて元請け会社が納品価格に電気代高騰分を上乗せしてくれたが、人件費分は話の俎上(そじょう)に載らなかった。一方で
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⚽首位清水エスパルスが3連勝 17歳の新星、西原が公式戦初ゴール 仙台に3-2 J2リーグ第11節
明治安田J2リーグは20日、各地で第11節の5試合が行われ、首位の清水は仙台を3ー2で下し、競り勝ち、3連勝で勝ち点を25に伸ばした。 ①アイスタ▽観衆13760人 清水 8勝1分け2敗(25)3(1―0 2―2)2仙台 4勝5分け2敗(17) ▽得点者【清】ルーカスブラガ(3)北川(5)西原(1)【仙】中島(2)オナイウ(1) 【評】清水がリードする展開で優位に立ち、3連勝を飾った。 清水はセカンドボールをきっちり拾い、主導権を握った。前半16分、前線へのロングボールをFWカルリーニョスが競り勝ってそらし、MFルーカスブラガが抜け出して冷静に決めた。 後半9分にはボールを奪ったD
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リラックマづくし電車発進! 岳鉄が6月末までコラボ 特別な駅看板、乗車券も
富士市の岳南電車(通称・岳鉄)は20日、人気キャラクター「リラックマ」で装飾した特別車両「リラックマコラボ電車」の運行を始めた。6月30日まで、リラックマをあしらったヘッドマークを付けた車両が富士市内を駆け抜けるほか、駅構内でも愛くるしいリラックマグッズが乗客を迎え入れる。 岳鉄の親会社である富士急行とリラックマのコラボレーション企画の一環。岳鉄では7000形1両編成の電車にリラックマと富士山がデザインされたヘッドマークを装着した。車内は中づり広告で彩られている。運行は1日あたり最大30本の予定。 出発式が吉原駅で行われ、地元幼稚園児による「出発進行」の合図で電車が動き出した。川田衣織ち
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社説(4月21日)ウナギ稚魚新制度 痛み越えて闇の排除を
養殖種苗にするウナギ稚魚(シラスウナギ)は2024年漁期(23年冬~24年春)、漁と流通の透明性向上を図る制度改正により静岡県内の相場が高騰した。 反社会的団体の関与も指摘される“闇”の排除には痛みが伴うが、持続可能なウナギ産業のためには乗り越えなければならない。正直者が損をすることのないよう、当局は密漁や不正流通の取り締まりを徹底してほしい。 変革で養殖業者や飲食店が想定外の影響を被るようなら、行政や経済団体、金融機関の対応を求めたい。消費者もウナギにいま何が起きているか関心を持つ必要がある。 従来は県内産業振興のため、県内で採捕された稚魚は県内で養殖する決ま
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大自在(4月21日)藤
結婚時に夫婦どちらかの姓を選ぶ現行制度を続けると、約500年後には日本人の姓がみんな「佐藤」になる可能性があるという東北大教授の試算結果が公表された。選択的夫婦別姓の実現を目指す団体の活動の一環。 日本で平民に名字の使用が許可されたのは150年ほど前だから、500年とは随分先だ。「伝統」と言われているものが思い込みにすぎないことは少なくない。最近は調査のたびに選択的夫婦別姓に賛成する回答が増えている。 佐藤や伊藤、加藤など「藤」の付く名字は藤原が始まりとされる。佐藤は官職「左衛門尉[さえもんのじょう]」の藤原氏が起源という説がある。放送中の大河ドラマには、道長はじめたくさんの藤原姓が登場
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浜松の名オートバイ“鼓動”再び 「ライラックLS38」設計者の夢実現 愛好家が修復
浜松の名オートバイ「ライラックLS38」をよみがえらせたい―。かつての設計者村木克実さん(85)=浜松市中央区積志町=が、夢を同じ愛好家の1人に託した。エンジンが壊れたまま、自宅で17年間、大切に保管してきた。古いモデルだけに修復作業は難航したが、3月下旬に再び走行できるまでに復活した。村木さんは「半世紀以上前のオートバイが動くようになってうれしい。自分が生きてきた証しにもなる」と喜んだ。 ライラックは戦後間もない1948年、同市に設立された「丸正自動車製造」(廃業)のオートバイ。チェーンのないシャフトドライブを国内で初採用し、レース車に似た斬新なデザインや当時は珍しいV型エンジンなどが
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大鉄が5月ツアー 台風被災区間、歩いて知って 運行再開へ現状と課題説明
大井川鉄道(本社・島田市)は5月11日と18日、2022年9月の台風15号で被災した大井川本線の運休区間を歩いて見学する日帰りツアーを開催する。静岡県を中心にした大鉄の在り方検討会で、早期の運行再開を目指す方針で一致したことを受け、不通区間の現状や全線再開の課題を広く知ってもらおうと企画した。 ツアーでは鉄道部の社員が案内しながら、土砂流入など被害が大きかった下泉―田野口間3・6キロの線路上を歩く。会社には「土砂を撤去すれば運行再開できるのでは」といった声も届くが、トンネルの修繕や鉄道敷地外にある土砂発生場所の工事など再開には根本的な対策が求められている状況を解説する。 不通により稼働し
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⚽ジュビロ磐田 2点先制も逃げ切れず 福岡と引き分け J1リーグ第9節
明治安田J1リーグは20日、各地で第9節の7試合が行われ、磐田は福岡と2-2で引き分けた。 ①ベススタ▽観衆6254人 福岡 2勝5分け2敗(11)2(0―1)(2―1)2 磐田3勝1分け5敗(10) ▽得点者【福】ザヘディ2(5)【磐】ジャーメイン2(9) 【評】磐田は逃げ切れず福岡と引き分けた。 序盤から両チームともブロックを組み自陣を固めた。磐田は前半30分、松本の右クロスをジャーメインが頭で押し込み先制し、1点リードで折り返した。 後半2分、平川のシュートがGKにはじかれたが、こぼれ球をジャーメインが押し込んで2点目を奪った。だが、15分に中央を崩され失点。さらに33分には自
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⚽藤枝MYFC 降格圏同士の戦い、徳島に痛い黒星 J2リーグ第11節
明治安田J2リーグは20日、各地で第11節の5試合が行われ、藤枝は徳島に0-1で敗れた。 ①藤枝サ▽観衆2300人 徳島 2勝2分け7敗(8)1(1―0 0―0)0藤枝 2勝2分け7敗(8) ▽得点者【徳】ブラウン(PK)(1) 【評】藤枝は決定力を欠き、ホームで徳島に0―1で敗れた。 前半から相手プレスラインは低く、FW矢村、MF西矢らが積極的にシュートを放ち攻勢に出た。しかし、自陣での連係ミスからPKを献上し38分に失点。49分にはMF榎本が決定機を迎えたがDFに防がれた。 後半開始からMF梶川を投入しボール保持率を上げたが、8分の矢村のシュートはわずかに枠外。途中から1トップに
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霊峰背に熱狂乱舞! よさこい「あっぱれ富士」に900人出演
富士市内に春の到来を告げるよさこい祭り「あっぱれ富士」が20日、同市の富士総合運動公園などで開幕した。21日までの2日間で総勢約900人が富士山を背に熱のこもった演舞を繰り広げる。 県内外から42チームの老若男女が集結した。出演者は色とデザインを細部までこだわったオリジナルの衣装を身にまとい、鳴子を響かせながら躍動感あふれるパフォーマンスを披露した。チームの垣根を越えた「総踊り」では、迫力のある演舞で観客を熱狂の渦に巻き込んだ。 後藤啓輔実行委員長(30)は「世界一美しい富士山の麓で踊れる喜びを全員が感じている」と話した。 和太鼓演奏やダンスなども行われ、会場を盛り上げた。
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藤枝で「藤まつり」開幕 蓮華寺池公園、紫色の花鮮やか 5月5日まで
藤枝市最大のイベント「第41回藤まつり」(実行委員会主催)が20日、同市の蓮華寺池公園で開幕した。まつり限定の藤アイスの販売や物産展、フジの展示、ステージショー、飲食ブースの出店など多彩な催しが繰り広げられる。5月5日まで。 公園内では20種250本以上のフジが咲く。現在は見頃を迎え、池周りの園路にある藤棚や鉢植えで鮮やかな紫色の花を咲かせている。見頃は1週間ほど続く。まつり初日から大勢の来園者が散策し、フジを眺めたり写真撮影したりして楽しんでいた。30日までは夜間ライトアップも実施中。 最終日の5月5日は、仮面ライダーガッチャードのキャラクターショーなどを予定している。
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ヒマラヤ未踏峰 念願の登頂挑戦 浜松の登山ガイド石川さん 成功ならずも感動鮮明
浜松市中央区の登山ガイド石川貴大さん(34)が、日本山岳会ヒマラヤキャンプ登山隊に参加し、ヒマラヤ山脈の登頂に挑んだ。目指したのは誰も頂上に到達したことのない未踏峰「シャルプー6」(標高6076メートル)。登頂成功には至らなかったが、4年間に及ぶ“世界の屋根”への挑戦を振り返った。 「ずっと目標としてきた。想像していた以上に大きな山だった」 眼前に広がる荒々しい山肌、一面の銀世界―。自ら現地で撮影した写真や映像を手に、石川さんはかみしめるように語った。 ネパール東部に位置するシャルプー6は、中国、インドとの国境近い辺境にあり、遠征する登山家はほとんどいない。日本
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三島の味“ちょびっと”御膳 コロッケ、ウナギの卵焼き、箱根西麓野菜… 日本料理店「呉竹」と近隣店主が考案
三島市本町の日本料理店「呉竹」が近隣の商店主とともに、地元の味を一度に楽しめる新メニュー「三島ほんちょび膳」を考案した。若おかみの平野輝美さん(30)は「三島の新名物になり、盛り上げられたらいい」と意気込む。 昨年新たな地元土産として「三島のおせん」を開発した地元商店主でつくる「COTETO」が、三島の食の魅力を伝える新たな名物を作れないかと同店に提案。年明けから十数回の意見交換を重ね、地元食材を使った6品を少量ずつ盛り込んだ。 看板メニューのすき焼きで使う自家製割り下で仕上げた箱根山麓豚の肉豆腐、コーンフレークを混ぜた衣の食感が人気のみしまコロッケ、三島名物のウナギを使った卵焼きなど。
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【牧之原・バス置き去り園児死亡】臨時の運転が招いた悲劇 23日初公判
牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月5日、園児の河本千奈ちゃん=当時(3)=が送迎バスに置き去りにされ、熱中症で死亡した事件で、業務上過失致死の罪に問われた前園長の増田立義被告(74)、元クラス担任(48)の初公判が23日、静岡地裁で開かれる。幼い命が失われた事件の真相について両被告は法廷で何を語るのか―。関係者への取材と同市検証委員会の報告書などを基に当日の状況を時系列で追い、両被告が問われている過失に迫る。 (「届かぬ声」取材班) 運転手「不在」、複数回認識か ―事件当日の経過 「おれが乗らなきゃいけなくなった」 22年9月5日朝。川崎幼稚園の関係者は、同園の職員
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リニア、新野球場、原発…立候補表明の2氏、主な争点巡る違いは? 現時点で差異見えず、論戦に注目【静岡県知事選】
静岡県知事選(5月9日告示、26日投開票)に立候補を表明している前浜松市長の鈴木康友氏(66)が19日、県庁で記者会見を開き、リニア中央新幹線整備や産業、防災など9分野にわたる政策骨子を明らかにした。15日に政策を発表した元副知事の大村慎一氏(60)とともに、出馬表明している新人2氏の政策がほぼ出そろった。主要課題を巡って現時点で両氏の政策や基本姿勢には大差がなく、短期決戦の論戦を通じて主張に違いが現れてくるかが注目される。 全国的な注目を集めるリニア問題について、鈴木氏は「ずっと推進を主張してきた。どう課題を克服し、進めるかだ」と強調。希少植物の移植で種を残す手法を例示し、水資源確保や南
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大自在(4月20日)静岡県セイブ自動車学校
浜名湖畔にユニークな自動車教習所がある。外国人の運転免許取得支援に力を注ぐ「県セイブ自動車学校」(浜松市中央区)。国内の教習所で初めてポルトガル語での講習を始めた。日系ブラジル人を指導員や事務員として積極雇用する。 プロ野球巨人の元投手水野雄仁さんが出演するテレビCMでも知られる。「おじさん」の一言が印象深い。CMはこれまで何度もリニューアルされた。近々「おばさん」編が始まるそうだ。 社長の早川和幸さん(72)は今春、法政大大学院政策創造研究科で博士号を取得した。研究対象は中小企業の日系ブラジル人の就労状況や雇用意識。社長業の合間を縫い、勉学や調査に励んだ。 日本語、英語の査読論文の学
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社説(4月20日)四国で震度6弱 巨大地震の備え確認を
南海トラフ地震の想定震源域となる豊後水道で、マグニチュード(M)6・6の地震が発生した。震源に近い愛媛県愛南町と高知県宿毛市で震度6弱を観測。愛媛、高知、大分の3県で負傷者が出た。現在の震度階級になった1996年以来、四国では初めて震度6弱観測となった。 この地震で、多くの住民が南海トラフ地震を想起しただろう。被害とともに気になるのは巨大地震との関係だ。気象庁は関連に否定的な見方を示し、臨時会合を開いた政府の地震調査委員会も、巨大地震発生の可能性が「平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」と表明した。 とはいえ、南海トラフ震源域でのM6級地震は安易に見過ご
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産業強化、行財政改革に重点 鈴木康友氏が政策9分野発表 「幸福度日本一に」【県知事選】
静岡県知事選(5月9日告示、26日投開票)に出馬表明している前浜松市長の鈴木康友氏(66)は19日、政策骨子の発表記者会見を県庁で開いた。産業力強化や行財政改革など9項目を重点に掲げ、4期16年の市長時代に実績を挙げた施策を県全域に波及させることで人口減などの課題解決につなげる方針。「オール静岡で幸福度日本一の静岡県を目指す」と決意を語り「2期8年で全力で仕事したい」と期限を切って結果を出す考えを示した。 浜松市は都市部と山間地の双方を抱える「国土縮図型都市」だとし「あらゆる行政課題があった。その経験は全県的に生かせる。自信を持って実現できる」と強調。住民の暮らしやすさや幸福感を数値化し
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静岡県西部4地点、今年の最高気温 磐田「熊野の長藤」が見頃、半袖姿で観賞も
静岡県内は19日、東シナ海に中心を持つ高気圧に覆われた影響で暖気が流れ込み、日照にも恵まれて気温が上昇した。県内各地で夏日となり、浜松や磐田など県西部の4地点では今年の最高気温を記録した。 磐田市池田の行興寺では国の天然記念物「熊野(ゆや)の長藤」が見頃を迎えた。暖かな日差しの中、帽子をかぶったり半袖姿になったりして、境内に広がる〝藤色のカーテン〟を楽しむ家族連れらの姿が見られた。 各地の気温は、浜松で26・8度、佐久間で26・1度、磐田で25・9度、天竜で25・8度。それぞれ5月下旬から6月下旬並みとなった。静岡地方気象台によると、20日も各地で夏日が続く見込みで、21日以降は低気圧の
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【幸せのカタチ “若者たち”の10年㊥】社会で子ども支える環境づくり 心の空白、里子と乗り越え
春の訪れを感じさせるような暖かな日差しが降り注いだ3月上旬。富士山の麓で、富士児童相談所管内の里親組織「ふじ虹の会」が主催する交流イベントの「芋煮会」が開かれた。里親家族に加えて児童養護施設の職員なども集まって大鍋を囲み、和やかな雰囲気に包まれた場の中心には、以前と変わらず坂間多加志(44)=富士市=の姿があった。 多加志は2008年、妻の美夏とともに里親となり、障害や虐待経験を抱えた子どもたちを育て始めた。11年にはふじ虹の会を設立。里親同士の交流のみならず、関係機関との連携を深めて地域全体で子どもを支えていく環境づくりに力を注いだ。 当時は30家庭ほどだった会員は、今は50家庭までに
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大自在(4月19日)長谷部誠選手
「整う」は、手でそろえる行動を表す「トト(取々・手々)」と「ナフ(行う)」が合わさった言葉という。即興なぞかけの芸人は「整いました」と決め台詞。「ととのう」はサウナ愛好者が使うなどして2021年「新語・流行語大賞」の候補にもなった。 国語辞典や古語辞典には「ととのう」「ととのえる」の語釈や用例が並ぶ。なじみ深い言葉だが、その状態になるには、時に、額に心に汗もかかなければならないようだ。 「心を整える。」。08年からドイツで活躍し、今季限りでの現役引退を表明したサッカー元日本代表主将で藤枝市出身の長谷部誠選手(40)の著書である。ワールドカップ南アフリカ大会後の11年に刊行され150万部
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社説(4月19日)災害用トイレ車両 県内市町に配備促進を
能登半島地震で被災した石川県の奥能登地域で、富士市と西伊豆町が導入した「トイレトレーラー」など、全国の自治体が派遣した災害用トイレ車両が活動している。被災地での悲惨なトイレ事情は詳しく伝えられることはあまりないが、深刻な問題だ。 地震発生から3カ月以上を経ても上下水道が復旧していない被災地が多い。排せつが不自由だと日常生活に支障があるだけでなく、健康にも影響する。災害関連死を防止する意味でも被災者の排せつ支援は極めて重要だ。 災害用トイレ車両にはトラックや商用車を改造した自走式の「トイレカー」もある。大規模災害が頻発して関連死の防止が重視される中、全国でトイレ車両を整備する自治体が増えて
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静岡県知事選、与野党対決の構図に 自民が大村氏の推薦内定、立民は鈴木氏
5月9日告示、26日投開票の静岡県知事選で、自民党県連は18日、元副知事大村慎一氏(60)の推薦を内定した。立憲民主党県連は前浜松市長鈴木康友氏(66)の推薦を決め、与野党対決の構図が固まった。早期の衆院解散・総選挙が取り沙汰される中、前哨戦の様相を帯びる可能性もある。 川勝平太知事の辞任に伴う超短期決戦となる中、両氏はともに、主要政党や政治団体に推薦を依頼するなど「オール静岡」の態勢構築を目指した。与野党相乗りを模索する動きもあったが、実現には至らなかった。 川勝知事と対立してきた自民県連は独自候補擁立を見送り、両氏に対する政策ヒアリングなどを踏まえて推薦候補を一本化した。22日の総務
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PFAS、大気で拡散か 土壌と結合で長期残留 静岡・清水区
発がん性との関連が報告されている有機フッ素化合物(PFAS、読みはピーファス)が、静岡市清水区三保の化学工場から2~3キロも離れた飲用の井戸水からも高濃度で検出されている実態が明らかになった。この工場は2013年までPFASの一種PFOA(ピーフォア)を使用していたことが明らかになっている。自然界で極めて分解されにくいため〝永遠の化学物質〟と呼ばれるPFAS。拡散の原因について行政関係者は首をひねるが、静岡新聞社が入手した内部資料からは工場の煙突から放出されたPFOAが大気により散らばった可能性が浮上。1970年代後半まで工場敷地内の穴にPFOAを“投棄”していたことが
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なくなる学校。地域にできることは?③ 先行地区の自治会長インタビュー【賛否万論】
「なくなる学校。地域にできることは?」と題し、少子化時代の学校統廃合と地域の在り方をテーマにしています。前週までは4月に小学校が統廃合された静岡市葵区の藁科川上流域を取り上げましたが、今週は3小学校(旧中河内小、旧西河内小、旧和田島小)と1中学校(旧両河内中)を統合して2022年度に両河内小中が開設された同市清水区両河内地区の先行事例を紹介します。賛否の意見があった住民をまとめ、スクールバスの運営も担う同地区連合自治会長の中山治己さん(76)のインタビューを掲載します。 (社会部・大橋弘典) 学校統合は地域づくりの“道具” 静岡市清水区両河内地区連合自治会長中山治
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自民県連、大村氏支援一本化 政策見極め重視、‘’一枚岩‘’見通せず【静岡県知事選】
5月9日告示、26日投開票の静岡県知事選で、自民党県連は18日、元副知事大村慎一氏(60)の推薦を内定し、支援先の一本化にこぎ着けた。2人の候補者がともに「オール静岡」を掲げる中、政策を見極めるプロセスを重視。所属県議による独自の県民アンケートの結果も加味して判断した。ただ、前浜松市長鈴木康友氏(66)を推す声はなおくすぶり、一枚岩で戦えるかは見通せない。 議員総会と役員会後に取材に応じた増田享大幹事長は、大村氏の推薦内定に至った理由について、全県的な視点で県政課題を認識している点や対話を重視する姿勢、危機管理・防災に対する元総務官僚としての知見などを挙げた。各県議による5千人規模のアンケ
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女性の自治会長、静岡県内わずか2.4% 23年度、防災会議委員は市町間で開き
静岡県内の自治会長のうち、女性の割合が2・4%にとどまっていることが、2023年度の県男女共同参画白書で分かった。市町の防災会議における女性委員の割合も8・9%と低く、中にはゼロの市町もあった。自然災害が起きるたびに女性の視点を取り入れた地域防災の重要性が叫ばれるが、県の担当者は「地域社会に性別役割分担意識が根強く残っている」と指摘し、女性防災リーダーの育成支援や自治会の理解促進に努めたいとしている。 ※画像タップで拡大してご覧になれます 白書は、01年度に始まった県男女共同参画推進計画に基づく施策の実施状況や市町の現況、全国比較などを毎年公表している。計画では「政策・方針決定
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袴田さん弁護団「DNA型鑑定結果は無罪の証明に」 検察は否定 再審第13回公判
現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審第13回公判が17日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれた。犯行着衣とされる「5点の衣類」のうち、白色半袖シャツに付着した血痕と袴田さんのDNA型は「一致しない」と結論づけた鑑定について、弁護団は高い信頼性があるとして「無罪を証明すると同時に、衣類が捏造(ねつぞう)されたことを強く示唆する」と主張。一方、検察側は「鑑定結果は信用できず、犯行着衣ではないことを示す証拠とはなり得ない」と対立した。 DNA型鑑定を手がけたのは、弁護団が推薦した本田克也筑波大教授(当時、現名誉教授)。再
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⚾エース早川 ハヤテけん引 2軍ウエスタン・リーグ 静岡県内初プロ球団参戦1カ月【しずスポ】
プロ野球2軍ウエスタン・リーグが開幕して約1カ月。くふうハヤテのエース早川太貴が参入1年目のチームをけん引している。17日時点でリーグトップタイの3勝をマーク。開幕戦で受けたプロの洗礼を糧に、飛躍を遂げた右腕は「何度も対戦する上で結果を出せればもっと自信になる。ここからまた勝負していきたい」とさらなる進化を思い描く。 プロ生活は挫折から始まった。3月15日のオリックスとの開幕戦で先発を任されたが4回10安打7失点でノックアウト。変化球の制球が安定せずにカウントが崩れ苦し紛れの直球ははじき返された。 失意の早川に手を差し伸べたのはNPBで実績を残した実力者たち。前DeNAの田中健二朗から
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グランドホテル浜松 マリオットに 「地方都市に世界の富裕層誘客」
グランドホテル浜松(浜松市中央区)など全国44のホテル・旅館を展開するホテルマネージメントインターナショナル(HMI、東京都)と世界最大のホテルチェーン、マリオット・インターナショナルが17日、戦略的パートナーシップを結んだ。グランドホテル浜松は新ブランド「浜松マリオットホテル」として新装オープンを目指す。 マリオットグループは浜松初進出。京都、神戸、沖縄など国内の他の6ホテルと併せて改装する。客室を広く、高級感のある内装にするなどし、2025年秋から順次、開業する。 世界139の国と地域で8800施設を展開するマリオット・インターナショナルのブランドを生かし、訪日外国人の誘客を図る。東
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大自在(4月18日)アルバート・アインシュタイン
20世紀を代表する物理学者アルバート・アインシュタイン。相対性理論を発見し、1921年度のノーベル物理学賞を受賞した。多大な業績を残した天才がこの世を去ったのは、55年のきょう4月18日のこと。 1879年ドイツ生まれ。大学を出てスイス特許庁の職員になり、仕事の傍ら物理学の研究に打ち込んで「特殊相対性理論」などの優れた論文を発表した。1909年に退職した後は、各地の大学で教授などを務めた。 積極的に政治的発言をした科学者でもある。米ソの核開発競争が始まると、英国の哲学者バートランド・ラッセルと、当時一流の科学者11人による「ラッセル・アインシュタイン宣言」をまとめて核兵器廃絶と科学技術の
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社説(4月18日)衆院3補選始まる 政治改革へ具体策示せ
東京15区と島根1区、長崎3区の衆院3補欠選挙が告示され、いずれも選挙戦に突入した。自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、国民の政治不信が深まる中、政治改革が3補選共通の焦点になるのは間違いない。 ところが自民党は二つの選挙区に候補者を立てられなかった。政権与党としてあまりにふがいない。公認候補を立てた島根1区で敗れれば、岸田文雄首相は政権への最終警告と受け止めるべきだ。 9月の党総裁選で再選を目指す首相だが、仮に島根1区を落として「全敗」した場合、党内に「岸田首相では選挙を戦えない」との空気が広がり「岸田おろし」が始まる可能性もある。自民が議席を確保するには、その政治改革に一
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レトロブーム続く昭和の魅力 各地の博物館が紹介 藤枝では特別展
昭和レトロブームが続く中、昭和30年代前後の日用品を収集し、当時の生活風景を再現、展示している各地の博物館が人気を集めている。現代人を引き付ける昭和の魅力とは? 藤枝…人形で日常生き生きと 藤枝市の蓮華寺池公園内にある市郷土博物館では、人形作家の石井美千子さん(1953~2023年、福井市出身)の特別展「昭和のこどもたち展」を開催中。昭和30年代の子どもたちの日常が分かる桐塑[とうそ]人形とジオラマは味のある表情と懐かしい情景が評判だ。 昨年亡くなった石井さんの初の遺作展。めんこ、チャンバラ、紙芝居といった遊びや、赤ん坊を背負う母親など親子の愛情がテーマの力作約40点が
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袴田さん弁護団「地裁は逃げずに判断を」 評価割れてきたDNA型鑑定【再審第13回公判】
「きちんと判断してほしい」ー。再審第13回公判終了後の記者会見で、弁護団の伊豆田悦義弁護士は、DNA型鑑定に関する冒頭陳述に込めた思いを語った。 第2次再審請求審で、再審開始を認めて袴田さんを釈放した2014年の静岡地裁決定は、弁護団が推薦した筑波大の本田克也教授(当時、現名誉教授)が手がけたDNA型鑑定について、手法や説明を「全てが全面的に信用できるとまでは判断していない」としつつ、批判的な検討を加味しても「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」と捉えた。 一方、地裁決定を取り消した18年の東京高裁決定は本田鑑定の証拠価値を否定した。審理を差し戻した20年の最高裁決定では、裁判官5人のうちの
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自民、18日にも推薦候補内定 候補者2人に政策聞き取り【静岡県知事選】
自民党県連は17日、知事選に出馬表明している前浜松市長の鈴木康友氏(66)と元副知事の大村慎一氏(60)から政策を聞き取った。18日に議員総会と役員会を開いて推薦候補の内定を目指す。 県連幹部が静岡市内で両氏と約1時間ずつ面談し、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事や地域産業の再生、浜松市の新野球場整備、中部電力浜岡原発の再稼働などについて考え方を確認した。 最も時間を割いたのは4期15年にわたる川勝県政の評価。両氏は終了後、「ゼロベースでしっかりとやっていく。『継承ではない』とはっきり申し上げた」(鈴木氏)、「政策推進手法は引き継がない。私は対話と実行。全く異なるスタイルで仕事を進め
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鈴木康友氏推薦・支援を決定 連合静岡、国民県連、ふじのくに県民クラブ【静岡県知事選】
連合静岡は17日、執行委員会を静岡市駿河区で開き、静岡県知事選(5月9日告示、26日投開票)に立候補を表明した前浜松市長の鈴木康友氏(66)の推薦を正式決定した。県全域で活動する連合の姿勢が明らかになったことで、支援候補を決めていない他団体の判断に影響を及ぼす可能性がある。国民民主党県連と県議会第2会派ふじのくに県民クラブも同日、鈴木氏の推薦、支援を決めた。 知事選には元副知事の大村慎一氏(60)も出馬を表明している。連合は浜松市長選で推薦した鈴木氏を今回も支援する方針を固めていたが、大村氏からも推薦依頼があったため、両氏から県政運営の考え方を聞き取った上で、改めて内部で検討した。 連合
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「安倍川花火」 今年は7月20日開催
静岡市の夏の風物詩「安倍川花火大会」の大会本部は17日までに、今年の大会を7月20日に開催すると発表した。午後7時半から9時まで、1万~1万5千発の花火を打ち上げる。 打ち上げ場所は安西橋下流の4カ所に設置し、6~10号玉、特大スターマインが夜空を彩る。河川敷などには約150店の露店が並ぶ予定。荒天の場合の予備日は設けない。 大会当日は本通などの周辺道路を歩行者専用に規制する。静岡県庁近くからシャトルバスを運行する。 昨年は東京ディズニーリゾート開園40周年を記念したドローンショーも同時開催し、約55万人が来場した。
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⚽ジュビロ磐田、遠い1点 長崎に惜敗 ルヴァン杯1次ラウンド2回戦
JリーグのYBCルヴァン・カップは17日、各地で1次ラウンド2回戦11試合が行われた。J1磐田は敵地でJ2長崎と対戦し、0―1で敗れた。 ▽1次ラウンド2回戦(トラスタ)▽観衆2560人 長崎(J2)1(0―0 1―0)0 磐田(J1) ▽得点者【長】櫛引(1) 【評】磐田は攻め込みながら得点できず、長崎に零封負けした。 サイドに起点をつくり攻撃を仕掛けた。左の古川、右のブルーノジョゼがクロスを送り中央で石田、金子がシュートを狙った。前半41分には金子が決定機を迎えたが、決められず無得点で折り返した。 シュート数「22対3」も精度上がらず 後半8分、相手CKを押し込まれ先制を許した。
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⚽アスルクラロ沼津にJ1の壁 札幌に1―3 ルヴァン杯1次ラウンド2回戦
JリーグのYBCルヴァン・カップは17日、各地で1次ラウンド2回戦11試合が行われた。J3沼津はホームでJ1札幌と対戦し、1―3で敗れた。 ▽1次ラウンド2回戦(愛鷹)▽観衆3455人 札幌(J1)3(1―0 2―1)1 沼津(J3) ▽得点者【札】田中宏(1)小林2(2)【沼】赤塚(1) 赤塚が一時同点弾も逆転ならず J1の壁は厚かった。沼津は粘り強く攻撃し続け、札幌に一時追いついたものの逆転はかなわなかった。中山監督は「一つ一つのプレーのクオリティーやフィジカルの強さ、判断の速さなどの差が結果となって現れた」と悔しさをにじませた。 先発はリーグ戦の前節大宮戦から7人を代えて臨んだ。
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⚽長谷部誠(藤枝東高出)現役引退 絶大な信頼、欧州にも足跡 求められる役割に適応
キャプテンマークが誰よりもよく似合った。日本サッカー界だけでなく欧州にも確かな足跡を残し、長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト、藤枝東高出)が約22年間のプロ生活にピリオドを打つことを決めた。 3度のワールドカップ(W杯)で主将を務めた。日本サッカー協会が参考記録として公表する「主将回数ランキング」によると、長谷部は81回で歴代1位。2位宮本恒靖氏は55回、3位柱谷哲二氏は49回と、他の歴代主将を圧倒している。どの監督からも絶大な信頼があった。 積み上げた実績は輝かしい。2002年に入団した浦和レッズでは2年目に定位置を確保。リーグ優勝やアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)制覇など
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沼津のキン肉マンミュージアム、29日オープン 作者ゆでたまごさん28日来館
沼津市中心部の仲見世商店街にオープンする人気漫画「キン肉マン」を紹介する全国初の常設施設「キン肉マンミュージアムin沼津」が、29日に開業することが決まった。館長には作品のファンでプロレスラーのミノワマンZさんが就任する。前日の28日には、館長と作者の「ゆでたまご」(嶋田隆司さん、中井義則さんの共同ペンネーム)さんのトークイベントを開く。 ミュージアムはJR沼津駅徒歩4分の空き店舗にオープンする。1階はミュージアム限定グッズの販売コーナーと漫画を楽しめるフリースペースを設け、2階は複製原画や等身大フィギュアなどが飾られる。ミノワマンZさんは「キン肉マンミュージアムから沼津を盛り上げて、パワ
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浜松など激しい雨 南部で突風も発生 軽乗用車2台が横転
上空の寒気と高気圧の縁を回る暖かく湿った空気の影響で静岡県内は17日未明から朝にかけて大気の状態が不安定になった。浜松市中央区では1時間雨量が54・5ミリの非常に激しい雨が降り、4月の観測史上最大を記録した。 浜松市南部には一時、大雨警報が発令され、突風も発生。同区都盛町の市道交差点では同日午前4時45分ごろ、付近のガソリンスタンドに置かれていた軽乗用車2台が横転し、信号待ちをしていたミニバイクに接触した。浜松東署によると、ミニバイクに乗っていた同区の男性(60)が足首や手首などに軽傷を負ったもよう。 静岡地方気象台によると陸側と海側からの風がぶつかり、浜松市付近で局所的な前線ができた可
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林業の労災 スマホアプリで防ぐ 浜松医大病院と静岡県の研究グループが開発 24年度中の実用化目指す
死傷者発生率が高いという林業の課題の解決に向け、浜松医科大付属病院臨床研究センターの小田切圭一准教授、静岡県森林・林業研究センターの山口亮上席研究員らの研究グループが、労働災害予防のアプリを開発している。山林で作業者同士が近づくと、伐採した木が当たる危険がある。アプリは近接時、スマホのアラームが鳴るなどして警告する。事業者の協力を得て2024年度中の実用化を目指す。 アプリは1台のスマホから発せられる電波を別のアプリ導入済みスマホが検知し、電波の強さ加減から距離を把握して近接時に音や振動が発生する。無駄な通信を減らして電力消費を抑え、お互い離れた状態なら24時間以上起動していても電池切れを
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市役所で静岡おでんいかが 静岡庁舎食堂「茶木魚」 だし香る 屋台風ブース
静岡市役所静岡庁舎の食堂「茶木魚(ちゃきっと)」で今月から「静岡おでん」の提供が始まり、利用者の人気を博している。 食堂に入ると屋台風のおでんブースが目の前にあり、食欲をそそるだしの香りが店中に漂う。弁当・総菜販売の天神屋(本社・駿河区)が弁当やおむすびとともに販売を始めた。 おでんの種類は黒はんぺんや白焼き、なるとなど静岡ならではの練り物のほか、牛すじ、ダイコン、卵といった定番を含めた約20種類。特徴の黒いだし汁は毎朝、食堂内の調理場でしょうゆベースのだし汁に牛すじと練り製品を煮込んでつくっている。 同社の担当者によると、売れ筋はダイコンやスケトウダラの練り物の白焼きなど。「市民は
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新配車アプリで利便性向上 遠鉄タクシー、自動システム強化 待ち時間短縮
遠鉄タクシー(浜松市中央区)はデジタル技術を活用して客の利便性を高める取り組みを強化している。自動配車システムを2月に刷新して配車の効率化を図り、利用者がスマートフォンでタクシーを呼べるアプリを「EタクPlus(プラス)」と改めて17日から開始。コロナ禍に減少した運転手を確保しようと採用を強化し、2~3月に約40人を雇用した。 自動配車システムは、配車業務サービスを手がける電脳交通(徳島市)のシステムを採用し、人の手を掛けずに自動でタクシーに指示する割合を4割から8割に引き上げた。配車を受け付けてから客が乗車するまでの平均待ち時間は約9分で、比較はないが短縮につながったという。 同社は
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鈴木氏推薦の野党系 自民に先手で存在感 次期衆院選躍進狙う【静岡県知事選】
静岡県知事選(5月9日告示、26日投開票)に向けて、連合静岡と国民民主党県連、県議会第2会派ふじのくに県民クラブが17日、前浜松市長の鈴木康友氏(66)の推薦、支援を決めた。鈴木氏と元副知事の大村慎一氏(60)のどちらを支援するか方針が決まらない自民党県連に対し、野党系が先手を打つ形になった。自民の支持率が低迷する中、知事選で野党の存在感を高め、次期衆院選での躍進につなげたい狙いも垣間見える。 旧民主党の流れをくむ政党、会派を支援する連合静岡は、旧民主党で衆院議員を務めた鈴木氏を推薦してきた経緯があり、今回の知事選でも、鈴木氏の豊富な首長経験を評価する声が大勢を占めた。一部の産業別労働組合
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袴田さんへの処罰感情 遺族が書面で陳述へ 5月に静岡地裁【最後の砦 刑事司法と再審】
現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(88)の静岡地裁で続くやり直しの裁判(再審)で、専務の遺族が意見陳述を申し出たことが16日、関係者への取材で分かった。処罰感情などを伝える意向とみられる。 関係者によると、被害者遺族の意見陳述は5月22日の第15回公判で、検察側の論告・求刑に先立つ形で行うことを想定している。口頭での陳述ではなく、意見を記した書面の提出を望んでいるという。同公判では弁護団の最終弁論と袴田さんの姉ひで子さん(91)による最終意見陳述も予定され、結審する見通しだ。 袴田さんの再審は昨年10月に始まり、検察側は有
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“オール静岡県産ウイスキー”誕生 蒸留所運営の「ガイアフロー」 地元農家とタッグ、品質好評
静岡市葵区でウイスキー蒸留所を運営する「ガイアフロー」(中村大航社長)はこのほど、主要原材料の大麦や水、酵母などに地元産を採用した“オール静岡県産ウイスキー”を発売した。同社によると、地元産を原材料としたウイスキー製造は国内初。プロジェクトに共感した農家とタッグを組み、業界に新風を吹き込んでいる。 「念願の地元産ウイスキーができた。大麦を提供してくれる農家さんには頭が下がる思いだ」。中村社長(55)は感慨と感謝を口にした。ラベルは「100%静岡大麦バーボンバレル5年」で、製造は306本と少量。ただ、その希少さと安倍川水系の中軟水で仕込んだ薫り高い味わいが、地元のバー
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自転車のチームブリヂストン、五輪切符獲得に貢献 三島に拠点移し6年、一体感磨く
世界を目指して三島市に拠点を移し6年。自転車競技の名門「チームブリヂストンサイクリング」の挑戦が一つ実を結んだ。所属選手による単独編成で、パリ五輪出場枠を争う選考レースを戦い終えた。15日に国際自転車連合(UCI)が発表した五輪ランキングで男子4000メートル団体追い抜きの日本は6位。東京五輪では手にできなかった出場枠を獲得した。 伊豆市の伊豆ベロドロームで東京五輪の開催が決まっていた2018年。チームは1964年の創設以来慣れ親しんだ埼玉県上尾市を離れ、三島市で新たなスタートを切った。掲げたのはトラック種目での世界挑戦。もともとロードレースの強豪で、中距離のチーム種目、団体追い抜きの五輪
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伊豆市長選 立候補者アンケート/危機管理対応や観光振興など全4項目
任期満了に伴う伊豆市長選は、いずれも無所属で、現職の菊地豊氏(65)と元市議の森良雄氏(80)が21日の投開票に向けて論戦を展開している。両氏に市政の課題への考えや政策を聞いた。 災害など危機管理への対応策 菊地氏 「災害死者ゼロ」を目指すまちづくりを進める。一部屋耐震など実現可能な家屋補強、避難経路の確保、多数の避難所の整備と十分な備蓄、地域医療の維持と救護所・救護病院の連携、伊豆半島広域防災の強化を推進する。 森氏 土肥地区の津波避難対策を見直す。点在する津波避難タワーは頂上が寒くて登れたものではない。高齢者が多い地域なので、タワーに到達できない人も出てくる。「テラッセオレンジトイ」は
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大自在(4月17日)主将と首将
主将と言えば、スポーツでチームの先頭に立って統率する人のこと。いわゆるキャプテン。だが、手元の辞書を引けば「首将[しゅしょう]」ともある。そちらはなじみがなく、原稿入力ソフトでも漢字変換されない。 キャプテンのつづりは「Captain」。ラテン語で頭や首を意味する「Caput」が語源という。なるほど。首将という訳に膝を打った。 スポーツの祭典、100年ぶりとなるパリ五輪の開幕まで100日と迫った。きのうギリシャで採火式が行われ、聖火はフランスの首都に向けて運ばれる。首都は英語で「Capital」。これも「Caput」が語源とされる。 日本オリンピック委員会(JOC)は、パリ五輪日本選手
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社説(4月17日)中東情勢緊迫化 報復の連鎖食い止めよ
イランが敵対するイスラエル本土に対し、300を超える弾道ミサイルや巡航ミサイル、自爆型無人機を撃ち込んだ。イスラエル軍は99%を迎撃したと発表したが、空軍基地で小規模な被害があったほか、少女1人が負傷した。 イランがイスラエルを直接攻撃するのは初めて。1日にシリアのイラン大使館が空爆され、革命防衛隊幹部を殺害されたことへの報復としている。空爆について、イスラエルは肯定も否定もしていないが、イスラエルの行為に間違いないとみられている。 イスラエルを宿敵とみなすイランは、これまでもレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラを使ってイスラエルに「代理戦争」を仕掛けてきた。ところが、イスラエルは大使館攻
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劇団四季「キャッツ」・グリザベラ役の木村智秋 初見と今「違う感動」 7月17日から静岡
7月17日に劇団四季ミュージカル「キャッツ」ロングラン公演(静岡新聞社・静岡放送など主催)が静岡市民文化会館で開幕する。静岡公演は10年ぶり3回目。2月に同市で開かれた製作発表会で劇中に登場する猫「グリザベラ」に扮(ふん)して劇中歌を披露した俳優木村智秋が、1983年11月から続く四季の看板演目と自身の関わりを語った。 韓国の大学院を休学し2007年、四季に入団した。ピアノを学んでいたが、幼少期からの夢だったミュージカルへの1年限りの挑戦を決意した。劇団内の期末試験に「これで駄目だったら辞める」覚悟で臨んだところ、四季創立者で演出家の浅利慶太(1933~2018年)の目に留まり、グリザベラ
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自転車競技 トラック複数種目でパリ五輪切符 静岡県拠点選手も貢献
国際自転車連合(UCI)は15日、トラック種目のパリ五輪ランキングを発表し、日本代表が複数種目で五輪出場枠を獲得した。 14日までカナダで開催されたネーションズカップ第3戦でランキング対象大会が終了。日本は男女の4000メートル団体追い抜き(男子6位、女子10位)と男子チームスプリント(3位)でいずれも出場圏内に入った。この結果、男子は1カ国・地域に認められる最大の7枠、女子は個人種目のスプリント、ケイリンの1枠ずつを加えた6枠を確保した。日本自転車競技連盟は6月に代表を発表する。 本県では東京五輪の会場になった伊豆ベロドローム(伊豆市)を中心に、日本自転車競技連盟の強化拠点が整備され、
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稚アユ 上流目指し次々ジャンプ! 静岡市清水区・興津川【動画あり】
静岡市清水区の興津川の承元寺えん堤で15日、稚アユが上流に向かって泳ぐ遡上(そじょう)が見られた。例年よりまだ数は少ないが、小さな集団を形成し上流を目指している。 初夏を思わせる陽気の中、集まってきた稚アユの魚影が川面に映る。水温が上がり始めた午後3時ごろ、急流に向かって次々とジャンプし、きらきらと輝いた。一昨年の台風15号で被害を受けた魚道は整備中のため急流が多く、少し流れが緩やかな場所を選んで懸命にさかのぼっていた。 興津川漁協によると、3月16日に下流の興津大橋付近で遡上を初確認した。同漁協の前沢元次組合長は「台風の影響から少しずつ川の環境も戻ってきている。今後も自然の回復力を見守
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塩谷氏の離党勧告確定 裏金事件巡る再審査請求、自民が却下
自民党は16日、派閥の政治資金パーティー裏金事件で離党勧告処分を科した安倍派幹部、塩谷立氏(衆院比例東海)による再審査請求を却下した。森山裕総務会長が岸田文雄首相に報告し、処分が確定。裏金議員への党処分は完了した。ただ、不服を唱えた塩谷氏が求める裏金事件の実態解明、説明責任などの課題は依然として残る。 塩谷氏は、再審査請求が認められなければ離党届を提出するとの意向に変わりないか記者団に問われ「基本的にはそうだ」と回答。地元支援者に相談し、週明けにも最終判断する考えを示した。25日までに離党届を出さなければ除名となる。 再審査請求を受けた16日の総務会は、森山氏ら総務会幹部に対応を一任した
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【静岡県知事選】自民党浜松、特定候補の推薦見送り 各支部判断へ
浜松市議会最大会派の自民党浜松は16日、定例総会を開き、川勝平太知事の辞職に伴って行われる知事選について、会派として特定候補の推薦を見送り、市内党13支部の判断に委ねることを決めた。 関係者によると、市長を4期16年務めた鈴木康友氏(66)を推す強い意見がある一方、党県連推薦候補の決定前のため、会派としての判断に慎重な意見があったという。鈴木氏が旧民主党出身であることや、地元選出の城内実衆院議員(静岡7区)が県連会長を務めていることなども影響しているとみられる。 同会派の鳥井徳孝会長は報道陣の取材に対し、「会派の意向が各支部の決定に影響を与えてはいけない。各支部でも(推薦候補の)温度差が
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「静岡ホビーショー」5月8~12日に開催 国内最大級、模型メーカーの見本市
静岡模型教材協同組合は16日までに、国内最大級の模型メーカーの見本市「静岡ホビーショー」を5月8~12日に開催すると理事会で決めた。田宮俊作理事長は「他の展示会にはない新製品がそろい、上級者だけでなく初心者も楽しめるイベントになる。海外需要が高まる中、模型市場のさらなる拡大の契機にしたい」としている。 8、9の両日は業者向けで、東日本と西日本で来場日を分けて混雑を緩和する。国内メーカーなど約100社が新製品を展示し、国内外のバイヤーと商談を重ねる。 10日は県内の小中高生約3600人を招く。模型作りを通じ、ものづくりの魅力を体験する。中高生は個人での参加も可能。 11、12の両日(午前
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⚾夏のシード「16」に拡大 春季高校野球静岡県大会、組み合わせ決定【表あり】
第71回春季高校野球静岡県大会の組み合わせが16日、決まった。20日に草薙など5球場で開幕し、予選を勝ち抜いた39校が出場する。決勝は5月5日、草薙球場で行い、上位2校は東海大会(5月18~21日、岐阜県)に出場する。これまで上位8校が獲得していた夏の全国選手権静岡大会のシード権は、今回から上位16校になる。 今春から反発を抑えた新基準のバットが導入されたことで、投手力が勝敗を左右しそうだ。昨秋4強の藤枝明誠、浜松開誠館、日大三島、聖隷クリストファーは順当に予選を上位で勝ち上がった。最速151キロ右腕小船擁する知徳や、右腕谷脇が安定感を増した静岡、140キロ台の直球を投げる寺田が主戦の磐田
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焼津の「おもちゃ病院」が“治療”4000件 開院15周年祝う 子ども研修医の学びにも
壊れた玩具を無料で修理する焼津市のボランティアグループ「おもちゃ病院Yaizu」(古井一成院長)の修理件数が4千件に達した。今月で開院15周年を迎え、14日に同市の市総合福祉会館で節目を記念した催しが開かれた。 4千件目となったのは同市の内野知子さん(61)が依頼した女の子向けのベビーカーのおもちゃ。親族の子どもが使っていた物を知人に譲るために“治療”を申し込んだ。取っ手の不具合などの修理が済み、内野さんは「物を無駄にすることなくきれいな状態で渡せてうれしい」と感謝した。 2009年に開院した同グループは、毎月第2日曜に同会館で活動する。5年前からは修理に加え、メ
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サッカーボール作って遊び、SDGs学ぼう 静岡県協会、海洋プラ再利用 各地で体験会
静岡県サッカー協会4種委員会は2024年度から、海洋プラスチックごみを再利用した組み立て式のサッカーボール制作体験会を、県内で開く各大会に合わせて行う。対象は幼稚園や保育園などの園児。SDGs(持続可能な開発目標)を遊びながら学び、サッカーに触れ合う機会の創出を図る。 取り組みに使用するのはスポーツメーカーのモルテン(広島市)が開発した「マイフットボールキット」。地元企業に協力を依頼してキットを購入し、兄弟の大会に同行する園児や開催地周辺の子どもらが、スタッフから海洋プラスチックごみ問題について学びながら制作する。ボールは参加した園児らに寄贈する。サッカーに興味を持ってもらい、競技人口増に
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藤枝市西益津地区・田中城 家康ゆかり、円い城と円い街並み【わたしの街から】
藤枝市田中にある徳川家康ゆかりの田中城。家康がタカ狩りのために晩年に訪れたほか、タイの天ぷらを食べて腹痛と食あたりを起こした土地とされる。江戸時代後期、田中藩主・本多家の庭園であった下屋敷は城の南東にあたり、築山、泉水、茶室が設けられ、四季の草花や月見の名所で知られていた。市が庭園跡を史跡公園に整備し、本丸櫓(やぐら)を含むゆかりの建築物を移築、復元。城にあった建物の実物が現在まで残る歴史的価値の高い文化財として公開している。4月上旬は下屋敷の横を流れる六間川沿いで桜が見頃を迎え、地元住民に親しまれている。 堀や馬出曲輪・・・史跡点在 田中城は約500年前、豪族・一色氏が今川
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没後5年 いのちの鼓動を描く 日本画家・堀文子 20日から三島・佐野美術館で回顧展
「花の画家」と呼ばれた日本画家堀文子(1918~2019年)の画業80年を振り返る回顧展「没後5年 いのちの鼓動を描く―日本画家・堀文子」(佐野美術館、静岡新聞社・静岡放送など主催)が20日、三島市の同館で開幕する。堀は世界中を旅し、動物から花木、微生物まで、さまざまな命の形に人智を超えた美しさを見いだし描いてきた。展覧会は、代表作をはじめ、旅先のスケッチなど約60点を自身の言葉と共にたどる。長年親交があった画廊「ナカジマアート」(東京)の中島良成社長に、その人柄、創作に対する熱意を語ってもらった。 60代の頃から100歳で亡くなるまでの三十数年間、堀文子先生と公私にわたって親しくお付
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大自在(4月16日)熊本地震8年
関連死も含めて276人が犠牲になった熊本地震の本震が起きて8年。今年も能登半島地震が発生するなど国内では地震災害が絶えない。改めて地震国に住む危険性を認識したい。 熊本地震は2016年4月14日午後9時26分にマグニチュード(M)6・5の前震が発生。熊本県益城町で震度7を観測した。28時間後となる16日午前1時25分にはM7・3の本震が発生。益城町と西原村で震度7を観測した。M7・3は阪神大震災(1995年)と同規模の地震。 二つの断層帯が連動して起きたとみられる。同じ地点で震度7観測が続いたのは史上初。激震が相次げば住宅へのダメージも大きかったはずだ。本震直後に被災地を訪れると阪神地域
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社説(4月16日)医師の残業規制 地域医療維持と両立を
働き方改革関連法に基づく時間外・休日労働の上限規制が今月から病院勤務医にも導入された。現在の医療提供体制は、自己犠牲的な医師の献身に大きく依存し、これまで長時間労働解消の機運も乏しかった。実効性ある働き方改革を進め、就業環境を見直す契機にしなければならない。 ただ、残業規制の導入で大きな影響を受けるのが地域医療だ。静岡県は、医師数が都道府県別で下位3分の1の「医師少数県」。全国平均と比べ、特に病院勤務医が少ない。地域医療維持との両立を図るため、医師の確保に知恵を絞る必要がある。 勤務医の長時間労働では、心身共に疲弊し、命を落とす事例も起きている。2022年、神戸市内の病院に勤めていた当時
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【静岡県知事選】鈴木氏が立候補表明/大村氏、10項目政策発表 選挙戦実質スタート
前浜松市長の鈴木康友氏(66)は15日、川勝平太知事の辞職に伴う静岡県知事選(5月9日告示、26日投開票)に無所属で立候補すると表明した。県庁で会見を開いた鈴木氏は「知見、経験、ネットワークの全てを注ぎ、東部、中部、西部の『オール静岡』で県の発展に尽くす」と決意を述べた。一方、既に立候補を表明している元静岡県副知事の大村慎一氏(60)は同日、静岡市内で政策発表会見を開いた。両氏が争う構図が確定し、本格的な選挙戦が実質スタートした。 ⇒鈴木氏出馬会見全文 「経験、知見を全て注ぐ」 ⇒大村氏出馬会見全文 「リニア責任持って解決」 ⇒鈴木氏出馬会見全文 「経験、知見を
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青春を生きる新しい晴明像 映画「陰陽師0」裾野でロケ 原作・夢枕獏、監督・佐藤嗣麻子
裾野市などで撮影が行われた19日公開の映画「陰陽師0[おんみょうじゼロ]」は、夢枕獏のベストセラー小説を下敷きに、平安時代に実在した呪術を操る陰陽師、安倍晴明の若き日を描くオリジナル作品。「エコエコアザラク」「アンフェア」などを手がけた佐藤嗣麻子監督が、陰陽師の学校であり行政機関であった「陰陽寮」を舞台に、新しい「晴明像」を提示した。 若くして呪術の天才と呼ばれている陰陽寮学生の晴明(山崎賢人)は、貴族の源博雅(染谷将太)から皇族の徽子[よしこ]女王(奈緒)の周辺で起こる怪奇現象の解明を頼まれる。解決に向けて動く2人の周辺で、ある若者が変死。怪異と事件の根源には一体何が-。 ユーモラスな
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浜松に大型量販店「トライアル」出店 静岡県内初進出、今秋に計画
九州を中心にディスカウント店「スーパーセンタートライアル」などを全国に300店以上展開するトライアルホールディングス(福岡市)のグループが、浜松市中央区若林町に出店を計画していることが15日までに、関係者への取材で分かった。静岡県内初進出で、今秋のオープンを目指しているとみられる。 計画地はJR東海浜松工場の南西に位置するパチンコ店の跡地周辺。出店店舗は24時間営業で、売り場面積は4千平方メートル級、食品や衣料品を含む生活必需品など計6万~7万点をそろえる規模とみられる。 同グループは3月に東京証券取引所のグロース市場に上場した。2023年6月期の売上高は6531億円。ソフトウエア開発も
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ろう野球世界一に貢献 難聴の右腕・内山さん(下田高出) メキシコを完封 「自分の投球通用 自信に」
下田高野球部元主将の内山浩汰さん(20)=帝京平成大3年=が、2月に開かれたろう野球の第1回世界大会に投手として出場、優勝に大きく貢献した。先天性難聴の内山さんは「自分のプレーを通じ、障害者の野球の中でも高いレベルがあるのだと知ってもらいたい」とさらなる飛躍を誓う。 大会は台湾で開かれ、5カ国が出場した。内山さんは予選リーグ初戦のメキシコ戦で先発。右腕からのテンポの良い打たせて取る投球が身上で、三塁を踏ませずメキシコ打線を完封(7回制)した。決勝ラウンドでも1試合に救援登板し、初代世界王者獲得に貢献。ブレーキの効いたナックルカーブは外国人打者も手を焼いたといい、「自分の投球が世界相手にも通
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【出馬会見全文】前浜松市長の鈴木氏「経験、知見を全て注ぐ」 静岡県知事選
川勝平太知事の辞職に伴う静岡県知事選(5月9日告示、26日投開票)への出馬を正式に表明した前浜松市長の鈴木康友氏(66)の15日の記者会見でのやりとりは次の通り。 【決意表明】 私、鈴木康友は川勝知事の辞職に伴って行われる知事選挙に出馬する決意をした。「やります」というスローガンは、今から17年前、最初に市長選に出たときのスローガン。これを基に88のマニフェストを掲げ、最初の市長選にチャレンジした。「やります」の精神の下、16年間さまざまな施策を実施してきた。 今回の知事選出馬に当たり、もう一度この原点に立ち戻り、「やります」の精神で県政のかじ取りをしていきたい。知事の急な辞職に伴って
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河川敷をピンク染め サクラエビ天日干し 静岡・蒲原
駿河湾で春漁が続くサクラエビの天日干しが15日、静岡市清水区蒲原の富士川河川敷で行われた。地元の加工業者が早朝から作業に取りかかり、黒い網の上にサクラエビを敷き詰めて河川敷をピンク色に染め上げた。 春漁は3月25日に始まり、14日の漁では今季最多となる約45トンを水揚げした。漁業関係者らは「規制をかけ操業してきた成果が数字に表れた」と手応えを得る。静岡県桜えび漁業組合の実石正則組合長は「資源回復傾向にあることは間違いない。河川敷のエビ干し場がピンク色に染まるのはわれわれとしてもうれしい」と喜び、「天候がそろえば好漁が続くことが期待できる」と話した。
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【静岡県知事選】自民県連、18日めどに推薦候補内定 一本化成否が焦点
自民党県連は14、15の両日、知事選(5月9日告示、26日投開票)の候補者選定に向けた会合を相次いで開き、4月18日をめどに推薦する候補者を内定する方針を決めた。出馬表明した元副知事の大村慎一氏(60)と前浜松市長の鈴木康友氏(66)はいずれも自民県連に推薦願を提出していて、17日に両氏から政策を聞き取った上で判断する。一本化できるかどうかが最大の焦点。 14日に開いた静岡県選出国会議員と県議らによる会合で、候補者選考の手順やスケジュールを了承した。選考対象は「党派にとらわれず、『オール静岡』で支持を求める立候補予定者」とした。県連幹部が直接面談し、川勝県政の評価のほか、リニア中央新幹線問
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【静岡県知事選】大村氏が政策発表 防災や教育に重点 「デジタル大学」創設など提案
川勝平太知事の辞職に伴う知事選に立候補を表明している元総務官僚、元副知事の大村慎一氏(60)は15日の政策発表会見で、防災・危機管理や教育に力を入れていく方針を示した。災害時の応援派遣を通じた静岡県の防災力の強化や、デジタル人材の育成を重点施策に掲げ、国や県内市町と連携して推進するとした。 大村氏は、総務省在籍時に全国各地の災害対応に当たった経験に触れ、「(災害対応の)経験を共有しなければいけない」と強調。静岡県は災害先進県の看板を掲げているが、「看板ほどに体制が整っているか疑問視している」と述べ、被災地への応援派遣を積極的に行い、対応のノウハウ習得につなげるとした。 教育施策として、大
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「半島地震」対策どうする 伊豆市長選スタート 有権者も注目 「安全な観光地化」に期待
14日に告示された伊豆市長選は、元日に起きた能登半島地震から初めての県内半島部での首長選となる。能登半島地震では道路の寸断で救助や物資供給が困難となる「半島地震」の課題が顕在化した。有権者は改めて市の災害対策のあり方に注目している。 「被災後の人命対応を今まで以上に考える必要がある」。同市土肥の松原公園内で建設が進む津波避難タワー「テラッセオレンジトイ」。指定管理者「土肥ノベーション」の関富範社長(58)=同市八木沢=は、7月開所を控えた建物を見上げ、防災への決意を強くする。 市は修善寺地区に建設中の防災機能を備えた「日向公園」(仮称)と並行し、二大防災拠点として整備を急ぐ。同タワーは平
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天然素材タイヤ 耐久性実証 7月まで「パルクル」に取り付け 富士のリッパー
環境素材の開発を手がけるリッパー(富士市)は15日、静岡市で運営されているシェアサイクル「パルクル」に天然素材のナノセルロースを用いたBXホワイトタイヤを取り付け、耐久性を確認する実証実験を開始した。7月14日まで。 一般的なタイヤは石油由来の強化剤を用いるため製造・廃棄時の二酸化炭素(CO2)排出量が多く、タイヤの粉じんによるマイクロプラスチック汚染が大きな問題になっている。一方、木材由来のナノセルロースで強化するホワイトタイヤは、廃棄時に自然環境で生分解されるため環境負荷が少ないとされる。同社は2023年に市の事業支援計画アクセラレーションプログラムに採択され、TOKAIケーブルネット
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D自在(4月15日)湖西市が全国シェア8割、コデマリの物語
もしここに暴君が現れてすべての書物を取り上げ、1冊だけ許すと言ったら、どの本を残すか―。 「二十四の瞳」で知られる小説家壺井栄(1899~1967年)は、こう夫に問われて即座に牧野富太郎博士の「植物図鑑」と答えた。図鑑から得た知識を知識にとどめず、自分の経験と生活の中に溶かし込んで、花の物語を紡いだ(「わたしの花物語」解説)。 花の名をタイトルにした一連の掌編から「こでまり」(55年)を読んでみた。結核療養所を退院するまでに回復した女性がコデマリの花束を持って訪ねて来る。主人公がこの女性を療養所に見舞った時に持って行ったのがコデマリと赤いカーネーションの花束だった。作中の会話に病への不安
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御前崎市長選 下村氏が初当選 投票率は微増の67・53% 市議13人も決まる
任期満了に伴う御前崎市長選は14日、投開票が行われ、いずれも無所属新人で環境技術開発会社役員の下村勝氏(54)が元海外医療支援団体理事長の青田修二氏(53)を破り、初当選した。21人が出馬し同時に行われた市議選(定数13)も顔ぶれが決まった。⇒【記者解説】原発再稼働問題など明確なビジョンを 投票率は市長選が67・53%、市議選が67・52%。前回選を約0・8ポイント上回った。 下村氏は現職の柳沢重夫市長から後継指名を受けた。漁協や農協など約200団体から推薦を取り付けるなど組織力を生かし、選挙戦を優位に進めた。静岡大で教授を務めた実績をアピールし、教育環境の充実を訴えるなど市全
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伊豆市長選告示 現職と元市議の新人が一騎打ち
任期満了に伴う伊豆市長選が14日、告示された。いずれも無所属で、5選を目指す現職菊地豊氏(65)と新人の元市議森良雄氏(80)が立候補を届け出て、一騎打ちの選挙戦に入った。菊地氏の市政運営の評価や防災、人口減少対策が主な争点。 投票は21日午前7時から午後8時まで(土肥地区は午後7時まで)市内28カ所で行われ、午後9時から同市の修善寺生きいきプラザで即日開票する。期日前投票は同プラザ(15~20日)と中伊豆、天城湯ケ島、土肥の市役所3支所(16~20日)、修善寺駅(16~18日)、持越地区集会所(15、16日)、ホテルハーヴェスト天城高原(同)で受け付ける。 市選挙管理委員会によると、1
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イラン、イスラエルに報復 弾道ミサイルと無人機で攻撃
【エルサレム、テヘラン共同】イランは13日夜から14日未明、イスラエルを弾道ミサイルや自爆型無人機で大規模に攻撃した。1日に在シリアのイラン大使館が攻撃を受けたことに対する報復。イランがイスラエルを直接攻撃したのは初めて。イスラエル軍はミサイルや無人機の99%を迎撃したとしている。南部ネバティム空軍基地で小規模な被害が出たほか、少女1人が負傷した。 イスラエルのネタニヤフ首相は14日、X(旧ツイッター)で「共に勝とう」と国民に訴えた。ガラント国防相は「まだ終わっていない」と反撃を示唆。昨年10月から続くパレスチナ自治区ガザでの戦闘が波及し、中東情勢は一気に緊迫
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万博1年前 機運高まらず 入場券販売、目標の6%【動画あり】
2025年大阪・関西万博は13日、開幕まで1年となった。日本国際博覧会協会(万博協会)は機運醸成に向け東京都内でイベントを開催。岸田文雄首相はビデオメッセージで「会場には未来社会の姿が現れる。行動を起こすきっかけになることを期待している」と呼びかけた。会場工事は徐々に進むが、開催費用上振れや海外パビリオンの建設遅れなど課題が山積。前売りチケットの売れ行きは目標の6%にとどまり、万博への期待や関心は高まっていない。 13日午前、共同通信のヘリコプターから大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)の会場予定地を見渡すと、周りを囲む木造巨大屋根「リング」は8割方組み上がり、ほぼ輪の形に。遅れが指摘される海
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手塚治虫の遊び心満載 「創作ノート」初公開 キャラ格付け、ヒゲオヤジは「スウパアスタア」
ヒゲオヤジは「スウパアスタア」、「ふしぎ旅行記」は二流作品―。漫画家手塚治虫が1950年ごろ、自作キャラクターを映画俳優に見立てた格付け表や出演料一覧、「自評」と題して自らの漫画を辛口批評したコラムなどを手書きした「創作ノート」が見つかったことが13日分かった。16日発売の新刊「手塚治虫キャラクター名鑑」(玄光社)で初公開される。 一つのキャラが別の作品でも活躍する「スターシステム」を好んだ手塚のユニークな視点が垣間見える貴重な資料。本書を編集した濱田高志さんは「手塚先生の遊び心に満ちた創作過程を知れる一冊。晩年まで描かれ続けたヒゲオヤジら“名優”たちの魅力を知って
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国内118宿泊施設に被害 「ブッキング」に不正アクセス
世界最大級の旅行予約サイト「ブッキング・ドットコム」が提携先の宿泊施設に提供しているシステムに何者かが不正アクセスし、宿泊施設を装ったメールを予約客に送り、クレジットカード情報を狙う手口の被害が昨年6月以降、国内で相次いでいることが13日、分かった。少なくとも21都道府県の宿泊施設118カ所が被害を公表。ブッキング・ドットコム運営会社(オランダ)の日本法人によると、同様の被害は世界規模で発生している。 観光庁は日本法人に被害の全体状況の調査を指示。新型コロナウイルスによる渡航制限が世界的に緩和され、被害が広がったとみられる。 日本法人などによると、確認された不正アクセスの手口は、まず
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知事選“候補”2氏は静岡県中、西部 「県政で埋没」危惧する東部、活性化は…低調懸念
川勝平太知事の辞職に伴う知事選(5月9日告示、26日投開票)で、出馬意欲を示していた沼津市などを地盤とする渡辺周衆院議員(比例東海)が13日、不出馬を決めた。県中部、西部で立候補の動きが活発化する中、選挙日程を踏まえると、新たな候補予定者が出る可能性は徐々に低くなる。東部から立つ候補が不在となれば、「選挙だけでなく、その後の県政運営でも埋没するのでは」との懸念が有権者の間でささやかれる。 「人口が多い地域だけでなく、過疎地域にも目を向けてくれるか心配」。伊豆半島の宿泊業の男性(72)は知事選の動向に神経をとがらせる。出馬表明した元副知事の大村慎一氏(60)は静岡市出身、出馬意向を固めた鈴
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水原一平容疑者が出廷、保釈 大谷選手に「謝罪したい」
【ロサンゼルス共同】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手(29)の口座から不正送金したとして銀行詐欺容疑で訴追された元通訳、水原一平容疑者(39)が12日、ロサンゼルスの連邦地裁に出廷した。地裁は保釈保証金を2万5千ドル(約380万円)に設定。水原容疑者は保釈された。弁護士を通じ「大谷選手とドジャース、大リーグ、そして家族に謝罪したい」との声明を発表した。出廷に先立ち捜査当局に出頭し、身柄を一時拘束された。 違法賭博への関与が報じられてから、水原容疑者が公の場に姿を現すのは初めて。声明では捜査当局に協力すると説明し、司法手続きが早期に終わることを望んでいるとした。 地裁は保釈条件として、
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旧型ダム、平均の51%土砂 1960年代以前完成、静岡県内の15基集計 貯水量低下、対策急務
土砂がダムに流れ込んで堆積する「堆砂」問題が深刻化している。高度経済成長期の1960年代以前に造られた県内のダム15基について、平均で総貯水容量の51%が土砂で埋まっていることが13日までに、静岡新聞社の集計で分かった。総貯水容量は堆砂容量、利水容量、洪水調節容量などを全て含めた容量。比較的古いダムで堆砂が進み、ダムにためる水量の調節機能が低下している現状が浮き彫りになった。 気候変動に伴い豪雨災害が激甚化する中、水量調節機能の低下によって下流域で河川氾濫などの水害リスクが高まるとされ、専門家はダムの改造など将来を見据えた対策が急務だと危機感を強める。 データが不十分だった4基を除く県
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「ダム改造」住民の思いが原動力に 19年前「堆砂」で水害、宮崎・耳川水系 地域団結「惨事防ぐ」
土砂がダムに流れ込んでたまる「堆砂」は静岡県だけでなく全国的な課題。過去に堆砂の影響で深刻な水害が起きた宮崎県の耳川水系では、水害リスクを減らそうと住民やダム管理者、行政など流域の関係者が協力し、ダムを改造して土砂を下流に流す対策が進む。改造には多額の費用が必要で、環境面から下流に土砂を流す影響を懸念する声もあるが、悲惨な水害を二度と経験したくないとの住民の思いが、対策を推進する原動力になっている。 「みんな相当つらい思いをした。災害に強い耳川をつくってほしいという思いでいっぱいだった」。中流域に位置する同県諸塚村で自治会組織の代表を務める大橋浩啓さん(68)が思い起こすのは2005年の
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立民・渡辺周氏、静岡県知事選に不出馬表明 泉代表が慰留
立憲民主党の渡辺周衆院議員(62)=比例東海=は13日、川勝平太知事の辞職に伴う知事選(5月9日告示、26日投開票)への不出馬を決めた。これまで出馬への「意欲はある」と前向きな姿勢を示していたが、党の泉健太代表から慰留を受けたことを理由に見送った。渡辺氏は静岡新聞社の取材に対し「知事選出馬に期待してくれた方々には申し訳ない」と述べた。 渡辺氏によると、12日深夜に泉代表と都内で面会し「再び政権交代を実現するため、党の総意として国政にとどまってほしい」との考えを伝えられたという。都内で13日、記者団の取材に応じた泉代表も慰留したことを明らかにした。 立民県連の源馬謙太郎代表(衆院静岡8区)
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【静岡県知事選】支援候補統一で一致 連合/立民/国民/ふじ、4者が緊急会議
連合静岡と立憲民主、国民民主の両党県連、県議会第2会派ふじのくに県民クラブの4者は13日、知事選(5月9日告示、26日投開票)に向けた緊急会議を静岡市駿河区で開いた。立候補を表明している元副知事の大村慎一氏(60)、出馬の意向を固めた前浜松市長の鈴木康友氏(66)の両者から政策や県政運営の考えを早急に聞き取り、支援候補を統一する方針で一致した。13日中に結論を出すことは見送った。 会議は非公開で行われ、会議後に角山雅典連合静岡会長、源馬謙太郎立民県連代表、田中健国民県連会長が記者会見した。角山会長は、11日に鈴木氏から推薦依頼を受け、12日に大村氏からも推薦依頼があったとし「両者の考えを直
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⚽清水エスパルス いわきに辛勝、首位キープ 復帰のFW北川、全得点絡む J2第10節
明治安田J2リーグは13日、各地で第10節の6試合が行われ、清水はいわきに3ー2で勝利した。 ①ハワスタ▽観衆5038人 清水 7勝1分け2敗(22 )3(2―1 1―1)2 いわき 3勝4分け3敗(13) ▽得点者【清】ルーカスブラガ(2)乾(3)北川(4)【い】西川(2)谷村(5) 【評】清水がリードを常に保ち、いわきに粘り勝ちした。 清水は前半の7分と9分、立て続けにFW北川のアシストで2点を奪った。しかし、その後はボールを失う場面が目立ち、22分に失点。相手にも好機を与え、一進一退の展開で前半を終えた。 後半23分、DF山原のパスから北川が押し込んで再び2点差に。35分に
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「ちゃっきり節」狐ケ崎遊園の開園時に作詞曲 【しずおか学・地域のうた編】
静岡県内各地に伝わる民謡、伝承歌、風景を描いた唱歌や歌謡曲。土地に根差した「うた」がどう生まれ、どう継がれているのか。 「ちゃっきり節」は、静岡県民に最も広く知られ、愛唱されてきた「うた」の一つだろう。1927年、静岡電鉄(現静岡鉄道)が沿線開発の一環として整備した「狐ケ崎遊園」(後の狐ケ崎ヤングランド)=静岡市清水区=の開園を記念して作った。 同社の長谷川貞一郎・遊園部長の三顧の礼に応え、作詞家北原白秋が「次郎長」「焼津」「三保」「吐月峯」といった県中部の風物を織り込んだ全30編を紡いだ。長谷川部長と白秋の面会には、小説家・正宗白鳥も一役買ったという。作曲は、白秋が邦楽
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⚽ジュビロ磐田不発、名古屋に0-1 3連勝ならず J1第8節
明治安田J1リーグは13日、各地で第8節が行われ、磐田は名古屋に0-1で敗れた。 ①ヤマハ▽観衆13135人 名古屋 4勝1分け3敗(13) 1(1―0 0―0)0 磐田 3勝5敗(9) ▽得点者【名】倍井(1) 【評】磐田は名古屋に零封負けした。 磐田は序盤から球を保持できず前半8分、クロスがそのまま流れ先制を許した。相手は前半終了間際に退場者を出したが、決定機をつくれず1点リードを許して折り返した。 後半は守勢に回る相手に対し、選手交代で攻勢を掛けた。ペイショットに球を集めて起点をつくり29分には古川が決定機を迎えた。さらにジャーメイン、ブルーノジョゼが相手ゴールに迫ったが、得点
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体操日本選手権 芦川(常葉大常葉高出)全体9位、得意の平均台で高得点 パリ五輪最終選考会に進出
体操のパリ五輪代表2次選考会を兼ねる個人総合の全日本選手権第3日は13日、群馬県の高崎アリーナで女子決勝が行われ、19歳の宮田笙子(順大)が合計109・798点で初優勝した。4種目合計は54・832点で、11日の予選に続いてトップだった。 16歳の岸里奈(戸田市SC)が2・335点差で自己最高の2位に入り、昨年世界ジュニア選手権を制した15歳の中村遥香(なんばク)が初の表彰台となる3位。岡村真(相好ク)が4位、3大会連続の五輪出場を狙う杉原愛子(TRyAS)が5位で続いた。 五輪代表は5枠。全日本の得点を持ち点に争う5月のNHK杯で個人総合の上位4人とチーム貢献度で1人が選ばれる。
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大自在(4月14日)ジャッキー・ロビンソン・デー
成功させるのが難しい野球のホームスチール(本盗)。鮮やかに決まれば、チームには得点だけでなく勇気も与えるだろう。 黒人初の米大リーガー、故ジャッキー・ロビンソンさんはドジャースで本盗を20回決めた。大リーグ公式X(旧ツイッター)で紹介されていた。投稿された動画は、ヤンキースと対戦した1955年のワールドシリーズ第1戦。 その試合は敗れたが、ロビンソンさんの本盗はシリーズの流れに影響したようだ。「チーム全体が見違えるようなファイトを見せ始めた」と自伝につづる。ドジャースは、4勝3敗で初の世界一になった。 47年に大リーグ入りした俊足好打の背番号42。不条理な人種差別を受けるなど白人至上主
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【経済フォーカス】「イチゴ戦国時代」新品種続々 収穫量、作付面積は減少傾向
冬から春にかけ、スーパーや青果店の店頭を華やかに彩るイチゴ。さまざまな品種が並び、目移りしそうだが、それもそのはず。農林水産省によると、日本国内では約300種もあり、世界全体の品種の半分以上が日本ルーツとの説もある。国内では、生産者の高齢化や後継者不足などから収穫量や作付面積は減少傾向だが、各都道府県などが品種改良に取り組み、新品種が続々誕生。まさに群雄割拠の「イチゴ戦国時代」の様相だ。 ▽イチゴは「伸びる品目」 滋賀県は2016年から5年をかけ、初めてのオリジナル品種「みおしずく」を開発した。「とてもジューシーで、口に含むと滴り落ちるぐらい果汁が出てくる」。開発に携わった県農業技術振
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社説(4月14日)子どもの権利条約 命守る対策を加速せよ
日本が子どもの権利条約を批准して今年で30年になる。条約を土台に制定したこども基本法の施行とともに、子ども施策を遂行するために設置したこども家庭庁は1年前にようやく発足した。子どもの人権を守る取り組みは遅れていると言わざるを得ない。 子どもの権利条約は、子どもを大人に従属する存在ではなく、権利の主体として位置づける。生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利を定め、子どもの意見の尊重や差別の禁止などを原則に掲げる。1989年に国連で採択され、日本は94年に批准した。 しかし、児童虐待などの暴力が高い割合で報告されている日本の現状に国連子どもの権利委員会が2019年に対策を強化するよ
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「火の舞」暗闇に光跡 静岡・有東木 白髭神社で神楽
静岡市葵区有東木の白髭神社で13日、春の大祭が執り行われ、集落に300年以上前から伝わるという郷土芸能「神楽」が奉納された。 市無形民俗文化財に指定され、毎年4月と10月の例祭で披露される。神事の後に神社拝殿で行われた神楽舞では、地元住民でつくる有東木芸能保存会の有志が多数参加。横笛や太鼓の神楽囃子に合わせ、「松竹梅の舞」や「恵比寿(えびす)・大黒の舞」、大河内小中の児童3人が参加した「天王の舞」など9演目を約4時間に渡って次々と上演した。 夕闇が迫ると拝殿の明かりが消され、両端に火が付いたたいまつを手にした舞手が「火の舞」を奉納。幻想的な光跡を暗闇に浮かび上がらせながら、地区の五穀豊穣
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大自在(4月13日)散り際
川勝平太知事は辞職届を提出する直前、報道陣の問い掛けに戦国武将明智光秀の娘である細川ガラシャの辞世の句「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」を詠んだ。ガラシャは父が起こした本能寺の変を機に人生が一変し、自ら死を選んだ。 この句は「花も人も散り時を心得てこそ美しい」と解され、これまでも政治家たちが節目で使っている。小泉純一郎さんは首相当時、既に退任表明していた時に開いた「桜を見る会」で、「私も引き際、散り際を大事にして…」とこの句を紹介しながらあいさつした。 「自民党をぶっ壊す」と強烈なメッセージを発信し、エルビス・プレスリーに傾倒。高い支持率を誇った
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社説(4月13日)日米同盟の深化 国民へ丁寧な説明必要
訪米した岸田文雄首相は米ワシントンのホワイトハウスでバイデン大統領と会談し、在日米軍の連携強化に向けた指揮・統制枠組みの見直しで一致した。部隊の運用性向上を図るため、米軍と自衛隊の一体化が強まることになる。両首脳は、日米同盟が「グローバル・パートナー」として世界的な課題に協力して取り組むとアピールした。 日米同盟は今後も日本外交の基軸であり続ける。とはいえ、従来の同盟関係は、日米安全保障条約に基づいて米軍が「矛」、自衛隊が「盾」とする役割分担が主体だった。一体運用が進むことで日本が矛の一部を務める可能性が強まる。さらにグローバルな課題解決に取り組むとすれば、米軍の世界戦略の一翼を担うことに
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飲食店でもスマホ注文、続々 座席でQRコード読み取り 静岡県内導入 前年比2.5倍増
静岡県内の飲食店で、来店客が自らのスマートフォンで料理や飲み物を注文するモバイルオーダーシステムの導入が進んでいる。従業員が注文を受ける仕事を省き、他の業務に集中できるようにする効率化が目的。新型コロナウイルス感染症の5類移行後に来店客数が回復する一方、慢性化する従業員の人手不足に対応しようと選ばれている。 浜松市中央区の中心街で営業する居酒屋「遠州浜松郷土料理 黒フネ」は昨年12月、客がテーブルの上のQRコードを読み取って画面に表示された料理を注文するサービスを始めた。アプリをダウンロードする必要はなく、クレジットカードなどで支払いを済ませることもできる。満席時(約70人)に8~9人は必
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御前崎市長選 14日投票 市議選も
任期満了に伴う御前崎市長選と市議選(定数13)は14日、投票が行われ、即日開票される。市長選はいずれも無所属の新人で、環境技術開発会社役員の下村勝氏(54)と元海外医療支援団体理事長の青田修二氏(53)が立候補した。市議選は21人が激戦を展開している。 投票は14日午前7時から午後8時まで市内11カ所で行われ、午後9時から新野体育館で即日開票される。市長選は午後10時ごろまでに大勢が判明する見通し。 市選管によると、6日現在の選挙人名簿登録者数は2万5110人(男1万2804人、女1万2306人)。 御前崎市長選立候補者略歴 下村勝[しもむらまさる]54 無新 ▽現=環境技術開
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自民静岡県連、内憂外患の様相 「ポスト川勝」選びで分裂の火種 裏金事件でベテラン離党勧告も打撃
自民党県連が難局に直面している。党派閥の政治資金パーティー裏金事件で逆風にさらされる中、重鎮が離党勧告処分を受け、知事選でも難しい対応を迫られているのが実情。党勢が上向く気配はなく、「ポスト川勝」選びでは分裂の火種を抱え、内憂外患の様相だ。 「ご苦労をおかけしている。深く反省し、強い危機感を持って対応しないといけない」 党本部が7日に静岡市内で開いた政治刷新車座対話。茂木敏充幹事長は裏金事件で政治不信を招いたとして、県連三役やベテラン県議らに謝罪した。出席者からは「岸田文雄首相(党総裁)が責任を取るべき」「関係者全員の処分が必要」など厳しい声が相次いだ。 裏金問題は地方議員にも深刻な影
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いなば食品、週刊誌報道巡り「おわび」 職員用シェアハウス「改修遅れた」
いなば食品(稲葉敦央社長)は12日、一部週刊誌が報じた一般職新入社員の入社辞退について、自社のホームページ上で「一部報道について」と題した文章を公開し、「ご心配をおかけ致し、衷心よりおわび申し上げます」とのメッセージを発表した。 また、同日、同じホームページ上で「由比のボロ家報道について」と題した別の文章もアップ。一部報道が指摘した同社静岡工場(静岡市清水区由比北田)に勤務する一般職員用のシェアハウス1棟について、「改修自体に残った期限に余裕がなく、修正が極めて遅れた」などとした。 同社広報は「シェアハウスの改修を担当していた同社副社長が急逝し、工事の手配が間に合わなかった」とした。また
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新茶シーズン到来 静岡茶市場で初取引【動画あり】
2024年新茶期の幕開けを告げる静岡茶市場(静岡市葵区)の新茶初取引が12日、行われた。県内産一番茶の取扱数量は3月下旬の冷え込みが響いて50・8キロと過去最少となったが、関係者約800人が今年の出来栄えに強い関心を寄せた。4月下旬までに各地の茶園で摘採作業が盛期を迎え、八十八夜(5月1日)に向けて新茶商戦が本格化する。 午前7時に取引開始を知らせるベルが鳴ると、買い手の製茶問屋と売り手の生産者が、生葉を加工した荒茶の品質を確かめながら、そろばんを片手に価格交渉に臨んだ。取引が成立すると「パ、パ、パン」と手を3回たたく「手合わせ」の音が場内に響いた。 今年の初取引は昨年よりも1日前倒し
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知事選へ「オール静岡」構築急ぐ 大村氏は会見先行、あいさつ回り 鈴木氏、経済界との連携印象付け
川勝平太知事の辞職に伴う静岡県知事選(5月9日告示、26日投開票)は、元副知事の大村慎一氏(60)が立候補を表明し、前浜松市長の鈴木康友氏(66)も15日に正式に出馬表明する。告示まで既に1カ月を切っている超短期決戦。両者とその周辺は「オール静岡」態勢をいかに早く構築できるかが鍵とみて、関係先への働きかけを加速させている。 県中部の経済界の一部から水面下で出馬要請を受けていた大村氏は、川勝知事の辞意表明から6日後の8日に立候補を表明。すぐに県内市町の首長や議会などにあいさつ回りを始めた。突然の訪問で面会がかなわなかった市町もあったが、複数の首長らに対し、地域や政党を超えた県政運営への熱意を
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【ウェブ限定】静岡県知事選・大村慎一氏出馬記者会見全文 リニア「責任持って解決」/浜松新球場「市民要望踏まえる」
川勝平太知事の辞職に伴う静岡県知事選(5月9日告示、26日投開票)への出馬を表明している元総務官僚で元静岡県副知事の大村慎一氏(60)の12日の記者会見でのやりとりは次の通り。 【出馬動機】 川勝平太知事が急きょ辞任され、混乱とさまざまな分断や対立がある県政の現状に大変に危機感を持ち、オール静岡で課題を解決して、ふるさとの元気で明るい未来をつくっていきたいという思いで決断した。人生を懸けて県政の立て直しを県民とともにオール静岡で取り組む決意だ。 今の県政には県民のために行うべきさまざまな施策、それに対する課題がある。分断や対立、たとえば県と市町、他県、国との連携とか、1人でものごとの解
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碾茶炉増設、来春稼働へ 天竜の農事組合法人 処理能力4割増 県産抹茶 海外需要下支えに
浜松市天竜区の農事組合法人「天竜愛倶里ふぁーむ」は今年、抹茶原料となる碾茶(てんちゃ)工場の設備を増設する。来年春に稼働予定で、処理能力4割増を見込む。県西部一円の農家から茶葉を集め、安定品質で生産する仕組みを構築していて、輸出ニーズが高まる県内産抹茶の生産を下支えする。 今年秋から熱で茶葉を乾燥させるレンガ造りの碾茶炉などを整え、生葉の年間処理能力を130トンから183トンに引き上げる。総事業費は約1億円で、半額分国の補助を受ける。 工場には同区春野町や袋井、掛川など広域から生葉が寄せられ、碾茶に加工して製茶問屋に出荷。問屋が抹茶に仕上げて各地に販売する。各茶園で使う肥料や栽培法の指導
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難波静岡市長、人口減少対策に意欲 企業用地創出や空き家供給【就任1年インタビュー】
静岡市の難波喬司市長は11日までに、就任1年に合わせた静岡新聞社のインタビューに応じ、全国の政令市の中でも深刻な人口減少の対策として、企業用地の創出と空き家の市場供給に市として積極的に関わる姿勢を強調した。 企業用地創出と空き家の活用は、今年の早い段階で立ち上げる予定の未利用・低利用地活用法人を中心に取り組むとした。「市ではこれまで、県企業局が工業団地を造成するような取り組みをしてこなかった」とし、事業の必要性を強調した。点在する耕作放棄地などを集約し、企業用地や大規模農地として整備することで、市内への企業進出や、市内企業の工場建て替えなどのニーズに迅速に応えたいとした。 市内に増えてい
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大自在(4月12日)新茶初取引
江戸時代の笑い話である。父親が息子を戒める。「お前は人様の衣服から財布、きせるまで、何にでも値段をつけたがる悪い癖がある。気をつけよ」。息子が両手をついて答える。「ご意見五両、堪忍十両と申しますが、ご忠告は三百両の値打ちがございます」。 モノの値段は需給で決まり、グラフの需要曲線と供給曲線が交差した点が市場価格、均衡数量だと習った。それを目の当たりにする茶の取引が流通規模日本一の静岡市の茶問屋街で始まった。ただ、近年は茶の生産量が減っているのに価格は上向かない。 静岡の茶取引は競りや入札ではなく、相対[あいたい]で行われる。農家側が1キロ当たり希望単価(親値)を提示し、製茶問屋は値下げを
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社説(4月12日)韓国総選挙と日本 長期的外交戦略を練れ
韓国総選挙は少数与党の「国民の力」が現有議席を割り込む敗北を喫し、最大野党「共に民主党」が過半数を大幅に上回る議席を獲得した。就任以来、日韓関係の改善に努めてきた尹錫悦[ユンソンニョル]大統領の求心力が低下するのは必至だ。尹政権の外交にも影を落とすだろう。日本政府は2027年に予定される次期大統領選での政権交代の可能性を意識せざるを得ず、日韓外交が膠着[こうちゃく]状態に陥る懸念がある。 安倍晋三政権以降、日本の対韓外交はどこか諦めムードが漂う。上川陽子外相(衆院静岡1区)の顔が見えてこないのは、政府の優先順位が低い証左だろう。根底には、15年の慰安婦問題を巡る合意を文在寅[ムンジェイン]
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時論(4月12日)「成瀬」、故郷に錦を飾る
「朝の読書推進協議会」によると、2023年5月31日現在の本県の小中学校、高校の「朝読書」実施率は89%に上る。これを上回るのは栃木、福井、鳥取、佐賀の4県だけ。静岡の子どもが本に接する機会は多い方だと言えよう。 新中学生の長男も今春、「89%」の仲間入りを果たした。小学校時代にはなかった、午前8時20分から15分間の新習慣。そんな彼が4月9日から読み進めているのが宮島未奈さん(富士市出身)の「成瀬は信じた道をいく」である。春休みに読み終えた「成瀬は天下を取りにいく」の続編。「斜め前の席の女子も同じ本を読んでいる」という。 10代の心も捉えた「成瀬」が栄誉をつかんだ。10日発表の「202
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なくなる学校。地域にできることは?② 保護者インタビュー【賛否万論】
少子化によって中山間地を中心に公立小中学校の統廃合が加速する中で、地域の核だった学校と地域の在り方が問われています。「なくなる学校。地域にできることは?」と題した今回のテーマ。前週は静岡市葵区藁科川上流域の学校統廃合の動きを整理し、住民の葛藤や本音を紹介しました。今週は統合された旧清沢小で閉校時にPTA会長を務めた和田絹子さん(42)にこれまでの経緯や思い、今後の課題について聞きました。 (社会部・大橋弘典) 新学校核にUターン促進を 旧清沢小PTA会長だった和田絹子さん 旧清沢小PTA会長だった和田絹子さん 旧清沢小の保護者が中藁科小との統合に向けて市教委に働きかけた経緯は。 「
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難波静岡市長就任1年 政策執行力、市議会各会派が評価 前市政批判は「慎んで」
静岡新聞社は11日までに、就任から13日で1年を迎える静岡市の難波喬司市長について、市議会各会派にアンケートを行い、難波市政1年の評価と課題を尋ねた。政策の検討、実行までの早さや、田辺信宏前市長が確執を取り沙汰された川勝平太知事との関係修復を評価する一方で、これまでの市政を徹底的に批判する発言や、政策スピードを重視するあまり、丁寧な議論に欠けることへの改善を求める声もあった。 ▶市議会各会派の評価 アンケート回答詳報【ウェブ限定】 全国のアリーナを視察するなど就任当初から市の長年の懸案だった東静岡アリーナ整備に強い意欲を示してきた難波市長。2024年1~2月、交通渋滞など
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「ゆるキャン△」✕「ラブライブ!サンシャイン!!」 人気アニメが静岡で“共演”
アニメや漫画で静岡県内を描写している「ゆるキャン△」「ラブライブ!サンシャイン!!」の関係3社は11日、2作品の協働で本県各地にファンを誘導するプロジェクトを始めた。アニメや漫画の作品が特定地域を対象にして協働企画を実施するのは極めて珍しい。 「ゆるキャン△」と「ラブライブ!サンシャイン!!」の協働プロジェクトのキービジュアル 3社は「ゆるキャン△」「ラブライブ!サンシャイン!!」をそれぞれ手がけるフリュー(東京)とバンダイナムコフィルムワークス(同)、企画プロデュースを行う「ミライシングス」(クオラス、同)。「ミライ―」の小林大介さんは「2作品のゆかりの地、静岡の新しい魅力や出合い
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秀英、Z会が小学生模試 6月、受験無料 顧客獲得・教材開発へ連携
秀英予備校は6月9日、Z会(三島市)と共同で、小学4~6年生を対象にした受験無料の模試「公開実力テスト」を、静岡など計10道県の秀英予備校の拠点校舎で開催する。両社の連携は初めて。少子化などで業界の競争が激化する中、顧客獲得と教材開発に向け、互いの強みを生かす。 Z会が問題を作成し、秀英予備校が模試の運営、採点、データ分析を担う。 秀英予備校は全国に校舎を展開するが、近年は少子化などで生徒の獲得に苦戦し、一部校舎の移転・閉鎖が続く。難関大への高い合格実績を持つZ会と連携して全国での知名度向上を図り、各校舎の生徒数増加を目指す。 Z会は長年のノウハウを生かした良問を提供し、非会員に教材作
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袴田さん再審「判決公判の傍聴席拡大を」 支援団体が静岡地裁に要請
現在の静岡市清水区で1966年に一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(88)の支援団体は11日、再審公判の傍聴席を拡大するよう静岡地裁に要請した。判決を含めてあと4回の公判が見込まれる中、とりわけ判決公判では傍聴希望者の殺到が予想されると指摘。「予期せぬ混乱を防ぐためにも、傍聴席の拡大やモニターによる傍聴を可能に」と訴えた。 要請したのは、各地の支援団体でつくる「袴田巌さんの再審無罪を求める実行委員会」。これまでも同様の申し入れをしてきたが、実現には至っていない。また、司法行政文書の開示を申し立てたところ、地裁が傍聴席の拡大要請に対する意思決定の記録については存否を答えず、抽選
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“青いじゅうたん”ネモフィラ見頃 花博・浜名湖ガーデンパーク
「浜名湖花博2024」(浜名湖花博20周年記念事業実行委員会主催)開催中の浜名湖ガーデンパーク(浜松市中央区)で、約3000平方メートルのネモフィラ畑が見頃を迎えている。一面に“青いじゅうたん”が広がる美しい光景が来園者を魅了する。 ネモフィラは北米原産のムラサキ科の一年草。直径2センチほどのかわいらしい花をつける。同園によると、見頃の時期は例年並みで今週末には満開となる見込み。暖かな気候となった11日は、訪れた家族連れが記念写真を撮ったり、花畑の中をゆっくりと散策したりして楽しむ姿が見られた。 ネモフィラは15日以降、ヒマワリを中心とした花に植え替え始めることか
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静岡県知事選は5月9日告示、26日投開票決定 清水区県議補選17日告示 県選管が臨時会合
静岡県選挙管理委員会(山本正幸委員長)は11日、臨時の会合を開き、川勝平太知事の辞職に伴う知事選の日程を5月9日告示、26日投開票と決めた。静岡市清水区の県議補選(欠員1)は5月17日に告示され、知事選と同日の投開票とする。 知事選には、元総務官僚で、元静岡県副知事の大村慎一氏(60)が立候補を表明し、前浜松市長の鈴木康友氏(66)も出馬の意向を固めて近日中に記者会見を行う予定で、選挙戦となる可能性が高まっている。立憲民主党の衆院議員渡辺周氏(62)=比例東海=も出馬に意欲を示している。 県議補選は、静岡市清水区選挙区選出の県議が、無免許運転が発覚して2023年9月に辞職したことを受けて
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静岡茶市場、12日に初取引 「日本一の茶どころ」からシーズン到来告げる
静岡茶市場(静岡市葵区)は12日朝、新茶初取引を同茶市場で行う。開設以来最も早い初取引日を2年連続で更新する。生産、製造ともに「日本一の茶どころ」から、全国へ新茶シーズンの到来を告げる。 県内の新芽の生育は3月中下旬の冷え込みが響き、各地で平年よりやや遅れている。このため、初取引日に上場する県内産新茶はごく少量となる見込み。県内各地の取引所では19日に菊川、島田、金谷、23日に川根、掛川、24日に藤枝で初取引が行われる。袋井と森は22日以降になる見通し。 県内産の取引は午前7時に始まる。取引に先立ち午前6時半から式典を行い、生産者やJA、製茶問屋、行政関係者らが今期の茶業盛況を祈願する。
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京都・細見美術館の名品、静岡市美術館に次々 13日開幕の収蔵品展向け作業
日本美術史を総覧するコレクションとして知られる細見美術館(京都市)の収蔵品を紹介する「京都 細見美術館の名品―琳派、若冲、ときめきの日本美術」(静岡市、静岡新聞社・静岡放送など主催、セキスイハイム東海特別協賛)が13日、同市葵区の市美術館で開幕する。11日、作品の展示作業が行われた。 細見美術館の収蔵品は、昭和の実業家細見良(初代古香庵)に始まる細見家3代が80年近くをかけて収集し、国内外から高い評価を得ている。同展では、重要文化財8件をはじめ、現代でも人気を博す琳派や伊藤若冲、平安・鎌倉時代の仏教・神道美術、江戸時代の風俗画など104件を展示する。 2代目細見実による琳派コレクションは
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熱海富士、翠富士が御殿場に! 32年ぶりの大相撲春巡業に3000人喝采
御殿場市制70周年を記念した大相撲の春巡業御殿場場所が11日、同市体育館で開かれた。幕内の熱海富士(熱海市出身)、翠富士(焼津市出身)ら本県出身力士を含む111人が参加し、熱のこもった取組や稽古を披露した。御殿場場所の開催は32年5カ月ぶり。 露払いに翠富士、太刀持ちに熱海富士を従えた横綱照ノ富士の土俵入りや、春場所で優勝争いを引っ張った大の里らの迫力ある取組に、県内外から詰めかけた約3200人が拍手を送った。朗々とした相撲甚句や相撲の禁じ手をコミカルに紹介する「初っ切り」、力士への公開質問コーナーなど、巡業ならではの催しが会場を盛り上げた。 小山・御殿場相撲連盟の中高生力士とのぶつかり
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【知事選】投票所入場券、期日前初日に間に合わない!? 超短期決戦で選管大わらわ
5月9日告示、26日投開票と決まった知事選。川勝平太知事の職業差別と受け取れる発言から急転直下の辞任劇で決まった“超短期決戦”の余波で、多くの市町では投票所入場券が期日前投票初日の10日までに届かない恐れが生じている。告示まで残り1カ月弱。各市町の選挙管理委員会は「これほど準備期間が短い選挙はほとんど前例がない」と戸惑う。投票所やポスター掲示場の確保なども含め、1日でも早く態勢を整えるべく腐心する。 「何とか早めにお願いします」。県選管が知事選の日程を正式決定した11日午前、富士宮市選管では入場券作製を業者に依頼する職員の電話の声に熱が帯びていた。同日時点の見通しで
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卓球・Tリーグ 参入1年目4位の静岡「120%」の充実感 終盤までPO争い
卓球Tリーグ男子に新規参入した静岡が、1年目のシーズンを4位で終えた。同じ参入組の金沢(6位)を上回り、準優勝した岡山と最終盤までプレーオフ出場圏(3位)を争うなど健闘。監督兼任の森薗も「最高の1年。少ない戦力で120%を出し切れた」と充実感を口にした。 通算8勝12敗の勝ち点30。プレーオフには勝ち点5届かなかったが、森薗が前期MVPを獲得し、龍崎と組むダブルスは11勝を挙げてベストペアに選出された。Tリーグで実績が少なかった横谷や松下もシングルスで勝率4割超。チーム内のハイレベルな練習環境で成長し「最初は2勝できればと思っていた」という森薗の見たてを上回った。 主力が他大会で不在の時
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絶景!桜と富士山 裾野「パノラマロード」「梅の里」
裾野市の市道「パノラマロード」で、桜が見頃を迎えた。富士山に向かって伸びる山麓の道路沿い2.3キロにわたり、170本余りの桜並木が続き、市街地より一足遅い春の訪れを告げている。 中間地点の「梅の里」(同市須山)周辺は駐車場や広場が整備され、華やかな花見の名所として知られる。菜の花と遅咲きの梅が開花し、雨が上がった10日は富士山も姿を現した。 (東部総局・杉山諭)
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御前崎市長選 両候補、原発再稼働の賛否示さず 有権者「考え聞かせて」
新人2人による激しい一騎打ちが繰り広げられている御前崎市長選(14日投開票)で、争点の一つの中部電力浜岡原発の再稼働問題を巡り、環境技術開発会社役員の下村勝氏(54)と元海外医療支援団体理事長の青田修二氏(53)の両候補とも、賛否の姿勢を明示していない。稼働すれば、災害時のリスクが高まる懸念がある一方、地域経済の活性化や市の歳入増が見込まれるため、両候補は「二者択一で語ることができない」と声をそろえる。有権者は「今後、立地市として再稼働すべきか否か判断すべき時がくる。選挙で、しっかりと考えを聞かせてほしい」と切望する。 「自然エネルギーは弱点があり、太陽光発電であれば、雨の日だと発電量は
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日本平動物園生まれのアムールトラ「アオイ」安らかに
京都市動物園は10日、19歳の雌のアムールトラ「アオイ」が9日に死んだと発表した。園によると、国内最高齢だった。2004年、静岡市立日本平動物園で生まれ、05年に繁殖のため京都市動物園に移った後、3頭の子を出産。穏やかな性格で、きれいな顔立ちから来園者に「美トラ」として親しまれた。 今年3月から食欲不振が続き、投薬治療を行っていた。死因は腎不全。担当者は「長生きしてくれたので、いなくなりさみしい。天国から見守ってほしい」と惜しんだ。 園によると、アムールトラはアムール川流域のロシアや中国北東部に生息するが、絶滅が危惧されているという。
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静岡県知事選 鈴木氏が出馬意向固め、選挙戦へ 渡辺氏も意欲明言
川勝平太知事の辞職に伴う知事選に、前浜松市長の鈴木康友氏(66)が出馬の意向を固めたことが10日、関係者への取材で分かった。複数の関係者に意向を伝えた。元総務官僚で静岡県副知事を務めた大村慎一氏(60)が立候補を表明していて、5月9日告示、同26日投開票となる公算が大きい知事選は、選挙戦に突入する見通しとなった。立憲民主党の衆院議員渡辺周氏(62)=比例東海=も出馬に意欲を示している。鈴木氏は週明けにも正式に出馬を表明する見通し。 鈴木氏は浜松市内の経済界の一部が首長としての経験が豊富で知名度が高く、中央政界など幅広い人脈を持つことなどを評価して水面下で出馬を打診していた。自民党や連合静
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ケシの花、浜松の公有地に自生 市「すぐに通報を」
浜松市中央区の公有地に10日、麻薬の原料となるケシが自生しているのを近くに住む住民が発見した。法律で栽培が禁止されている品種で、ケシは繁殖力が強く、春から夏にかけて繁茂時期を迎える。全国的に違法と知らずに栽培している事例もあり、市は「ケシを見かけた場合はすぐに近くの保健所に通報して」と呼びかけている。 発見した男性(60)によると同日午前8時ごろ、散歩に出かけた際、見慣れないおわんのような形をした小さな花に目がとまった。土地を囲むフェンス沿い約4メートルにわたって点在し、インターネットなどで調べてケシの疑いを持ったという。男性は土地の管理者や警察などに通報。数時間後に抜去されたという。「何
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熱海土石流の法的責任言及せず 真相究明「可能な限りした」【川勝知事辞職届提出】
熱海市伊豆山で2021年7月に盛り土が崩落して住民28人が死亡した大規模土石流を巡り、川勝平太知事は10日の定例記者会見で、過去の行政対応の法的責任を問う質問に対し「事務方(の考え方)と一体だ」として言及を避けた。昨年7月の土石流災害の追悼式後に遺族と約束した真相究明に関しては「事務方と一体で、できる限りのことをしてきた」と述べた。 県は22年5月にまとめられた第三者検証の結果を受けて「行政対応の失敗」を認める一方で「法的な瑕疵(かし)や不作為はなかった」と法的責任を否定。その後、検証不足が明らかになったため、県議会の要請を受けて追加で内部検証し、今年3月に砂防法による盛り土規制について「
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⚾中村紀洋氏が浜松開誠館高コーチに復帰 「レベルアップ図る」
プロ野球の近鉄などで活躍し、昨季まで中日の2軍打撃コーチを務めていた中村紀洋氏(50)が今年1月から、浜松開誠館高野球部のコーチに復帰した。現在はほぼ毎日グラウンドに来て打撃と守備の指導に注力。「(選手の)無駄な癖を取り除く作業をしつつ、レベルアップを図れれば」と意気込んでいる。 2017年に同校の非常勤コーチに就いた中村氏は、中日のコーチ就任に伴い21年秋に退任。昨夏、甲子園に出場した学年は離任時の1年生で「教えたことを忠実にやってくれた。甲子園に行ってくれてうれしかった」。今は、この流れをどう継続するかを考えながら指導に当たっている。 今春の公式戦から反発力を抑えた新基準のバットが導
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献血1000回 富士南中の先生、40年かけて 「若い人も関心を」
富士南中の小山明弘教諭(55)がこのほど、約40年をかけて献血1000回を達成し、富士市の同校で10日、県赤十字血液センターから感謝状が贈られた。同センターによると、1000回に達したのは県内で初めて。小山教諭は「身近でできる人助けを続けてきた。若い人にも関心を持ってもらえたらうれしい」と話す。 小山教諭が献血を始めたのは16歳の時。弟が入退院を繰り返していたことから、病気の人の役に立ちたいと考えて200ミリリットルの採血からスタートした。その後は400ミリリットル、成分献血など自身の体質や年齢を考えながら回数を増やし、6日に1000回に到達した。 10日には全校集会に合わせたサプライズ
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「ヒノキ林を違法伐採」 所有者兄弟、静岡県を損害賠償請求で提訴
静岡県の「森の力再生事業」で違法に山林を伐採されたとして、静岡市内の兄弟が県に約375万円の損害賠償を求める訴えを静岡地裁に起こしたことが10日、関係者への取材で分かった。 3月29日付。伐採されたのは静岡市葵区のヒノキ林で兄弟の共有名義だった。訴状で原告側は、県の職員らは2021年7月、兄に対して「強度の列状間伐」と虚偽の説明をし、弟にはそもそも何の説明もしないまま、権利者の同意がないにもかかわらずヒノキ林を15メートル幅で「皆伐」したと主張。財産権を侵害した違法があると訴えている。伐採面積は約2ヘクタール、伐採本数は約6千本に上ったという。 森の力再生事業は「森林(もり)づくり県民税
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川勝節、最後まで 会見でガラシャ辞世の句「散りぬべき 時知りてこそ…」【川勝知事辞職届提出】
川勝平太知事は10日の定例記者会見で、辞職届を提出した今の心境を俳句や漢詩を交えた「川勝節」で表現した。県民へのメッセージを求められ、「本当にありがとうございましたと言う以外ない。みんな人がいい。静岡県は素晴らしいところ。迷惑をかけたことは誠につらい。私だけが原因なので早く去るのが県民のためになる」と述べた。 知事は、西南戦争で敗れた西郷隆盛の胸の内を表現したとされる漢詩を披露し、「私にとってリニア問題は厳しい問題だった。地元の声を体に受けながら(政府や大企業と)戦うのは厳しいものがあった。さあ、どこに骨をうずめるかという心境だ」と述べた。 辞職届を提出する前に報道陣に対して、戦国武将明
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「コンビニで気軽にリサイクル」広がり セブン-イレブン、ペットボトル回収機 浜松にも続々設置
コンビニ店などを拠点としたペットボトルの循環型リサイクルが、静岡県内でも広がりを見せている。最大手のセブン-イレブンが実施するペットボトルの回収が、静岡市に続いて浜松市でもこのほど、本格的に始まった。今月中に浜松市内の店舗前に120台の回収機を設置する。 同社と浜松市が締結した包括連携協定に基づく取り組みで、2月下旬までに45店舗に回収機を設置した。気軽に立ち寄ることができる地域のコンビニ店がリサイクル回収の拠点となり、新しいペットボトルに再生させる。利用者はペットボトル5本を回収機に入れると、コンビニなどで利用できる1ポイントがたまる仕組みになっている。中央区の店舗で利用した同区の専門学
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代位弁済28%増、159億円 コロナ融資影響 23年度静岡県内
新型コロナウイルス禍で減収となった企業への救済措置として実施された実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が本格化した2023年度、県信用保証協会が県内企業の廃業などにより返済を肩代わりした代位弁済は前年度比28・0%増の1522件、金額は27・7%増の159億円に上った。ピークは4月まで続く見込みで、各金融機関は借り換えや経営改善などの支援に力を入れる。 23年4月~24年3月に代位弁済した企業を業種別に見ると、製造業が33・5%、非製造業が66・5%。コロナ禍で影響を受けた飲食店やサービス業の影響が色濃く、機械工業なども増加した。原材料やエネルギーの価格高騰など経営環境は厳しさを増
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保育士一斉退職問題 「意思疎通が不足」 掛川市長、会見で指摘
掛川市千羽の千羽すぴか保育園で保育士の大半が一斉退職した問題で、掛川市の久保田崇市長は10日の定例記者会見で「園の経営者と職員、保護者とのコミュニケーションが不足していた」と指摘した。市は園が4月以降も基準を満たす保育士数を確保できているとした上で、引き続き運営状況を確認するとしている。 久保田市長は「民間の園が教育や経営でユニークな方針を打ち立てていくこと自体は否定すべきものでなく、素晴らしい」との認識を示した。一方で「準備期間を置かずに急にやろうとすると保育士や保護者が不安に思い、ついていけなくなるのは当然のこと」と述べ、段階を踏んだ意思疎通を求めた。 市こども希望課によると、問題を
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大自在(4月11日)失言騒動
訓示中の発言で批判を受けた川勝平太知事が辞職届を提出した。最初に辞任発言が出た2日の囲み会見で、発言を切り取られたと主張し「ジャーナリズムあるいはメディアの質の低下を感じる」「ここまでこういう風潮が弥漫[びまん]していることに憂いを持っている」とメディアへの不信を隠さなかった。 洋の東西を問わずマスメディアが政治家や著名人の発言を文脈から切り離し、扇動的に報道する傾向はある。発言は一人歩きし、本来の意図とは違う解釈が広まることも少なくない。 歴史的な“失言騒動”の例を一つ。連合国軍総司令部(GHQ)を解任されたマッカーサーが1951年、米上院の公聴会で「日本人は1
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社説(4月11日)ライドシェア 地方も関心高め検討を
一般ドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶライドシェアが部分的に解禁された。4月は東京、横浜、名古屋、京都などの都市部でスタート。今後は札幌、仙台、大阪、福岡などでも始まる。 管理運営主体をタクシー会社に限定し、IT企業が主体の欧米などとは異なるため「日本版ライドシェア」と称されている。 一方、自治体主導で運営す「自治体ライドシェア」も、北陸新幹線延伸開業で旅客需要増を見込んだ石川県小松市で始まるなど活発になってきた。これまで自家用有償旅客運送は過疎地域などが対象だったが昨年末、夜間などバスやタクシーが乏しい時間帯も運行が可能になり、より多くの地域で導入できるようになった。静岡県内の
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静岡県内10流派集結 「駿府各流大茶会」開幕 静岡で15日まで【動画あり】
静岡県内の抹茶・煎茶の計10流派が一堂に会する第29回駿府各流大茶会(静岡県茶道連盟、静岡新聞社・静岡放送主催)が10日、静岡市葵区の静岡伊勢丹で開幕した。15日までの期間中、各流派が日替わりで茶席を用意し来場者をもてなす。 開会式で静岡新聞社・静岡放送の大須賀紳晃社長は「多くの人に茶道の伝統に触れてもらい、静岡の文化力向上につなげたい」とあいさつした。同連盟の青島宗智理事長は「春めく茶席の雰囲気とともに、大井川の伏流水で点てるお茶を味わってほしい」と呼びかけた。県スポーツ・文化観光部の横山雅機理事らのテープカットに続き、関係者や和服姿の参加者らが第1席を楽しんだ。 会場内に設けた「お点
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リニア環境問題「解決に道筋」 次期知事に「資料読み歴史勉強を」【川勝知事辞職届提出】
川勝平太知事は10日の定例記者会見で、任期途中の辞職を決断した理由としてリニア中央新幹線の静岡県内工事を巡る問題に「解決の道筋がついた」と説明したことに関し、「環境問題を解決するためのモニタリングに国もJRも協力することになったため」と具体的な理由を明かした。ただ、国が設置したモニタリング会議の主な役割は県内工事開始後の環境変化と対策の確認、検討であり、「県内の環境問題の解決に結びつくのか」との問いには明確な答えを示さなかった。 川勝知事は辞職を決断した理由について、JRがリニア27年開業を断念し、南アルプストンネル静岡工区工事が約10年かかるとの工事計画を明らかにしたことを改めて挙げた。
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スズキ インド・マネサール工場の新生産ライン稼働 年間10万台増産
スズキのインド子会社マルチ・スズキは10日までに、北部ハリヤナ州のマネサール工場に増設した新生産ラインを稼働した。同工場の年間生産能力は以前から10万台増えて90万台となる。インド国内の他の2工場と合わせて、計235万台に拡大した。 マネサール工場は2006年に稼働した。敷地内に段階的に建設した三つの生産施設のうち一つに、組み立て新ラインを設置した。施設では「シアズ」「エルティガ」などの車種を生産している。 マルチ・スズキはインド国内で現在3工場を運営する。マネサール工場のほか、ハリヤナ州グルガオンが70万台、グジャラート州が75万台の各生産能力を備えている。3月末までに3工場の四輪累計
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静岡県議会各会派「建設的議論が不足」「突破力あった」【川勝知事辞職届提出】
川勝平太知事が辞職届を提出した10日、静岡県議会各会派からは、15年にわたる川勝県政について「建設的な議論が不足した」「突破力があった」などの声が交錯した。 最大会派自民改革会議の増田享大代表は記者団に「知事の言動ばかりがクローズアップされ、その対応に追われた。もう少し前向きな議論や政策的な話し合いをしたかった」と所感を語った。辞職届提出までの一連の経過を「県外の人を含めてお騒がせした。県政の停滞は許されない」と断じる一方、「人口減少はどの自治体も苦労している。本県はリーマン・ショック後の経済回復が遅れるなど難しいかじ取りだった」とも述べた。 これまで知事を支えてきた第2会派ふじのくに県
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辞職前倒し「県政の空白を短くするため」 【川勝知事辞職届提出】
10日午前に辞職届を提出した川勝平太知事は同日午後に定例記者会見で、「私の発言により県民に大変な迷惑をかけた。なるべく早く県政の空白を短くするため」と当初の予定より辞職を早めた理由を説明した。4期目の最大の政治課題だったリニア中央新幹線問題は「途中で投げ出すわけにはいかないが、道筋が見えた」と述べ、辞職を判断する大きな理由になったと改めて強調した。 川勝知事は3日の記者会見で、県議会6月定例会の冒頭で辞職する考えを示していた。しかし、1次産業従事者への職業差別とも受け取れる発言を巡り、県民などから3千件以上の批判が殺到した。坂本哲志農相が苦言を呈する事態に発展していた。 川勝知事は10日
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川勝知事が辞職届提出「私の言動で静岡県に厳しい声、つらい」 5月10日自動失職
川勝平太知事は10日午前、静岡県議会の中沢公彦議長に辞職届を提出した。地方自治法の規定で、提出から30日後の5月10日午前0時に自動的に失職する。県議会での発言の機会がないまま、4期約15年にわたる県トップの座から下りる。4月10日午後の定例記者会見で「私の言動のせいで、静岡県が厳しいことを言われるのはつらい」と心境を述べ、「県政の空白を短くしたかった」と辞職届の提出を早めた理由を述べた。 川勝知事は1日の新規採用職員に向けた訓示で職業差別と受け取れる発言をし、県庁に抗議が殺到した。3日の記者会見で正式に辞意を表明していた。 川勝知事は10日午前、議長室に中沢議長を訪ね、辞職届の封書を手
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宮沢博行衆院議員(比例東海)に厳重注意 幹事長、自民裏金事件で
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、派閥からの還流金など132万円が政治資金収支報告書に未記載だった安倍派の宮沢博行衆院議員(比例東海)は10日までに、茂木敏充幹事長から厳重注意を受けた。宮沢氏は事務所を通じ「改めて反省し、有権者におわびする。政治資金の透明化を徹底し、信頼を回復すべく努めていく」とコメントを出した。収支報告書は2月に訂正している。 (東京支社・関本豪)
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辞職届提出の川勝知事 4月10日 定例会見【SBSnews6 収録映像】
川勝平太知事は10日午前、静岡県議会の中沢公彦議長に辞職届を提出した。10日午後の定例記者会見で辞職を早めた理由を説明した。
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川勝知事が辞職届提出 5月10日辞職へ【動画あり】
川勝平太知事は10日午前、静岡県議会の中沢公彦議長に辞職届を提出した。地方自治法の規定で、提出から30日後の5月10日午前0時に自動的に失職となる。川勝知事は4期約15年にわたり在籍した県トップの座から下りる。県選管が決定する知事選の日程は5月9日告示、同26日投開票が濃厚になった。 川勝知事は「おはようございます」とあいさつして議長室に入り、少し晴れやかな表情で中沢議長に封書を手渡した。わずか15秒ほどで議長室を後にした。 中沢議長は本日中に県選管に辞職届を通知する。公職選挙法では、この通知から50日以内に選挙を行う。 議長室に向かう際に、報道陣に心境を聞かれた川勝知事は、戦国武将明
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静岡県議会5、6月の議会日程変更なし 川勝知事、出席せず辞職へ
静岡県議会は10日、会派代表者会議や議会運営委員会を開き、県議会5月臨時会の日程を内定通り5月17日に開会することを決めた。川勝平太知事の辞職届提出を受けて、6月定例会の会期変更は協議事項にならなかった。川勝知事が5月10日に辞職するため、県議会に出席する機会はなくなった。 5月臨時会は知事不在で、6月定例会は知事選で選ばれた新たな知事が出席して開かれる見通し。 県議会3会派は、知事が当初、県議会6月定例会開会日(19日予定)での辞職を表明したことを受けて、6月定例会の前倒しを検討していた。知事の辞職日程が早まり、知事選が6月定例会に影響しないことが確定したため、変更は見送られた。 5
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きょうの富士山 4月10日午前7時25分ごろ
春霞の中、久しぶりに富士山が見えました。
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大自在(4月10日)県知事選挙投票率
一昨日深夜の激しい雨音を聞き、1974年7月の「七夕豪雨」を思い出した。まさに「車軸を流すような雨」が、静岡県内各地で土砂崩れや河川の氾濫をもたらした。全県で44人が亡くなり負傷者241人、床上・床下浸水は8万戸超。住んでいたアパートは、備中高松城の水攻めのようだった。 この日、もう一つ覚えているのは、当日が県知事選の投票日だったこと。事実上の一騎打ちとなったこの選挙では、山本敬三郎氏が大接戦の末、後に衆院議員となった永原稔氏を4千票差で破り、その後は3選を果たしている。 山本氏から数え4代目、4期務めてきた川勝平太知事が、任期途中で辞職願を提出する見通しとなった。これを受けた知事選は来
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社説(4月10日)知事選前倒し 県の将来像を競い合え
任期途中での辞職を表明した川勝平太知事は、当初、静岡県議会6月定例会としていた辞職時期を早め、10日にも県議会議長に辞職願を提出する見通しだ。辞職に伴う次の知事選は5月9日告示、26日投開票で実施される公算が大きい。県民はわずかな期間で、後任の知事を選ばなくてはならない。 既に元総務官僚が立候補を表明し、複数の政治家の名前も取り沙汰されて選挙戦の可能性が高まっている。突然の知事交代による混乱を早急に収め、新たな県政を円滑にスタートさせるには、有権者が立候補者の資質と政策の適否を見極め、一票を投じることが欠かせない。そのためには短期決戦といえども、立候補者は自分の描く県の将来像をしっかり語り
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御前崎市長選 立候補者アンケート/浜岡原発や財政など全7項目
任期満了に伴う御前崎市長選は、いずれも無所属新人で環境技術開発会社役員の下村勝氏(54)と元海外医療支援団体理事長の青田修二氏(53)が14日の投開票に向けて舌戦を展開している。両氏に市政の課題への考えや政策を聞いた。 再稼働是非を含めた浜岡原発への考えは 下村氏 地球温暖化対策や安定的な電源確保に向け、再稼働の検討は必要。原子力規制委員会の審査状況を注視し、市長自身が原発技術について理解を深めるべきだ。市民意見を集約し周辺市町の意向をくみながら議論したい。 青田氏 市民がしっかり話し合い、周辺市町とも理解を深めることが極めて大切。安全対策だけでなく原子力災害時の広域避難の経路や逃げる方
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自然の素晴らしさ伝えたい 鈴木克章さん(海洋冒険家・浜松市)㊦【達人は語る】
2015年にシーカヤックで日本一周を達成した海洋冒険家の鈴木克章さん(45)=浜松市中央区=。次の挑戦に選んだのは、日本人のルーツを探る旅だった。 日本一周に続き、縁あって国立科学博物館が主催する「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」に参加することになりました。大陸から渡ってきた最初の日本列島人の移動ルート実証が目的で、19年にはこぎ手の一人として台湾から沖縄県の与那国島までの約250キロを石斧[せきふ]で造った丸木舟で渡りました。教科書にも載るようなトピックに携わることができたのは、自分の中で大きな財産になっています。 数年がかりだった二つの大きなプロジェクトを終えた20年から、浜名
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医療城下町を発展、住民に成果還元へ 静岡県東部「ファルマバレー」 新局面へ手探り続く
静岡県東部で先端医療の提供と研究開発、医療健康産業の集積と振興を図る県のファルマバレープロジェクトが転換点を迎えている。これまでの将来像「医療城下町」を発展させ、「医療田園都市」「超高齢社会の理想郷」の実現を新たに打ち出した。従来の企業と患者中心から住民中心となり、市町と一体となった取り組みが求められる中、次の具体的な展開に向け手探りが続く。 「医療城下町を基盤に発展し、世界一の高付加価値産業の集積や住民の豊かな暮らしの確保を目指す」。県が昨年7月に策定した医療田園都市構想は、医療田園都市の在り方を示す。製品開発や人材育成といったプロジェクトの成果を、産業界や医療界にとどめず住民に広く還元
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障害者の移動入浴サービス 中山間地で“黄信号” 移動時間やコストに課題 家族切実「安定的な提供を」
障害者の暮らしに欠かせない移動入浴サービスが、中山間地では十分に利用できない状況になっている。浜松市天竜区佐久間町奥領家の重度心身障害者、鈴木優太さん(32)は基本的に週1回、移動入浴のサービスを利用することで体の清潔感を維持している。市の定めでは週2回まで利用できるが、事業者が頻繁に訪問できないため、現在は毎週金曜と月1回の木曜が限度。昨年度は事業者側が打ち切りを検討した。障害者の家族は「移動入浴を必要とする人はいる。これからも利用したい」と安定したサービスの提供を求める。 2月下旬の午後、移動入浴を手がけるスタッフらが一軒家に到着した。市中心部から天竜へ続く国道152号線を1時間以上運
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ウナギ稚魚、静岡県内で高騰 許可漁業移行で仕入れ競争激化 養殖業者「続けられない」悲痛の声
養殖に使うニホンウナギの稚魚シラスウナギの価格が静岡県内で高騰している。従来は県内での養殖のみを条件とする県知事許可の特別採捕だったシラスウナギ漁は、昨年12月に始まった今漁期から漁業法に基づく許可漁業に移行。稚魚の県外出荷が可能になったことで仕入れ競争が激化し、採捕量は昨年を上回るにもかかわらず価格が跳ね上がる。養殖業者は「ここまで高いと続けられない」と悲痛の声を上げている。 浜松市の浜名湖養魚漁業協同組合によると、養鰻(ようまん)業が盛んな浜名湖地区で取引される稚魚価格は1キロ(約5千匹)195万円。3月には229万円まで上がり、深刻な不漁だった昨年と比べ数十万円高い水準が続くという。
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再審法改正目指す国会議連 麻生氏が最高顧問に 加入議員拡大、法務省などに聞き取り
規定の不備によって冤罪(えんざい)被害者の救済につながりにくいと指摘される再審法(刑事訴訟法の再審規定)を巡り、早期の改正を目指す超党派の国会議員連盟(柴山昌彦会長)は9日、第2回総会を国会内で開き、自民党の麻生太郎副総裁が最高顧問に就く役員案を承認した。入会議員は設立時点の134人から210人に拡大。日本弁護士連合会と法務省の双方への聞き取りも実施した。 日弁連は、再審法改正実現本部の鴨志田祐美本部長代行が現行法の問題点を指摘した。袴田巌さん(88)の再審が確定するまでの経緯を例に挙げ、①検察官の手元に眠る証拠を開示させるルールがない②再審開始決定に対する検察官の不服申し立てが許されてい
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盛り土 衛星データから検知 浜松市、市内企業など AI技術確立へ 秋まで実証実験
危険な盛り土による災害を防ぐため、浜松市と建設総合コンサルタントのフジヤマ(同市中央区)、人工衛星開発のシンスペクティブ(東京)が、衛星データと人工知能(AI)で盛り土などの土地改変箇所を検出するモニタリング技術の実証実験に取り組んでいる。月1~2回程度の衛星データを基に、地図上で地表の高度変位をカラーで表示し、形状などから人為的な改変が疑われる箇所を見つけ出す。 人工衛星からの電波(開口レーダー)を反射させ、植生の有無にかかわらず数ミリ単位で地表の高度を測れる「SAR衛星」のデータを活用する。地図に高度の変位があった場所を示し、地点を選択すると過去10年ほどの推移グラフや植生の変化が確認
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やさしい日本語 動画で学ぼう 県がeラーニング教材公開 災害時や訪日客対応へ活用も 「クイズ形式、気軽に」
静岡県多文化共生課は外国人などにも配慮した「やさしい日本語」をオンライン上で学べる動画を制作し、3月中旬から県公式ホームページ(HP)で公開を始めた。クイズ形式で気軽にやさしい日本語に触れ、個人でも学習できる環境を整える。県は講座などの教材としての活用も促し、普及を図る。 県のHP「やさしい日本語ページ」上のコンテンツ「eラーニング」に計32本の動画を載せた。既存の啓発動画のほか、新たに約10分間の解説動画を加えた。解説動画にはキャラクターの「やさ日富士夫」が登場し、「はっきり、最後まで、短く」というやさしい日本語のポイントとされる「ハサミの法則」や、クイズの楽しみ方をまとめた。 この
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浜松新球場、多目的ドームか屋外型か 基本計画策定へ 静岡県知事辞意で先行き不透明【ニュースを追う】
浜松市中央区の遠州灘海浜公園篠原地区の新野球場整備を巡り、県は6月にも、国の事業認可の前提となる基本計画を策定する。最短で2032年度供用開始というスケジュールも明らかになり、曲折をたどった大型プロジェクトは建設に向けて動き出す見通しとなった。ただ、焦点となっている規模と構造の絞り込みは先送りされ、「2024年問題」に伴う人手不足や建築資材の高騰など課題も山積する。川勝平太知事の突然の辞意表明もあり、肝いり事業の行方は視界不良だ。 県が野球場の整備を予定する遠州灘海浜公園篠原地区周辺(本社ヘリ「ジェリコ1号」から、写真部・宮崎隆男) 「雪の降らない静岡県は青空の下での野球場がいい。あ
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⚾全国社会人野球静岡大会 ヤマハ、NTT東日本に連覇阻まれる
第70回全国社会人野球静岡大会は8日、浜松球場で準決勝と決勝を行った。ヤマハは東京ガスとの準決勝を、網谷圭将の3安打2打点の活躍と九谷青孝、沢山優介の完封リレーで勝ち上がった。昨年と同じ顔合わせとなったNTT東日本(東京)との決勝は0―4で敗れて連覇を逃した。NTT東日本は今秋の日本選手権の出場権を獲得した。ヤマハから敢闘賞に九谷、最優秀新人賞に沢山が選ばれた。 ▽決勝 NTT東日本 000210100―4 ヤマハ 000000000―0 ▽三塁打 石井巧(N)▽二塁打 網谷(ヤ) ▽試合時間 2時間16分 【評】ヤマハは打線が2安打に沈み、守備にもミスが出てNTT東日本に敗れた。
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“地域の目”11年 活動に幕 長泉3小学校スクールガード「どんぐりおじさん」80歳区切り 元警察官・渡辺さん
長泉町立全3小学校のスクールガードリーダーを長年務めた元警察官が3月末、活動に幕を下ろした。自らに課した使命は「地元の子どもたちの安心安全な学校を守り抜くこと」。子育て世帯が多く住む地域の安全を守り通した。 「無事に任務を終えてほっとした」。11年にわたり務めたのは、同町竹原の渡辺正幸さん(79)。秋になると子どもにどんぐりを配るため、「どんぐりおじさん」の愛称で親しまれるようになった。 子どもを守る大切さを強く感じたのは、2001年6月、大阪府池田市の大阪教育大付属池田小で発生した殺傷事件。現役の警察官として小学生の登下校時に通学路のパトロールをしたり、学校に見回りに立ち寄ったりした。
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大自在(4月9日)春の新聞週間
「お茶の間」があった時代、新聞は朝の風景に欠かせないものだった。テーブルと椅子でトーストの朝食をとるようになってからも、新聞は日常にとけ込んでいた。 シンガー・ソングライターさだまさしさんの初期作品に新婚家庭の朝を点描した「朝刊」(1975年)がある。「ねェまた巨人が負けたってさって/高田の背番号も知らないくせに」。 この年ジャイアンツは球団史上初の最下位。後にさださんは巨人を負けさせてしまったことを悔やんだ(「時のほとりで」新潮文庫)。開いた新聞から一日と会話が始まるのも「今は昔」かもしれない。試合結果はスマホで迅速に知ることができ、そもそも、悪いニュースをわざわざ教えてくれなくていい
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社説(4月9日)静岡茶市場 消費者の認知度向上を
静岡市葵区の茶問屋街に、はしり新茶が出回り始めた。中心的施設の静岡茶市場の新茶初取引式典は開設以来最も早く12日朝、開催される。 入荷数量が見通せず、六曜は前年と同じ赤口で「赤字を連想させる」という声もあるが、シーズン到来を一日でも早く告げようと暦より実を取った。2023年度に10年連続の営業赤字となった危機感の表れとも受け取れる。 茶市場の活路には、茶業者の施設から、お茶好きな消費者も注目するよう、認知度を向上させる必要がある。急須を使って上級茶葉を入れる人を増やし、安い原料茶を使う大手の緑茶ドリンク台頭による茶価下落に歯止めをかけなければならない。 23年度は若手社員のプロジェクト
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「ポスト川勝」静岡県内経済界が擁立主導 知事選前倒し見通しで与野党、思惑と焦り
「ポスト川勝」レースが風雲急を告げた8日、静岡県内与野党は慌ただしく知事選への対応を協議した。経済界が擁立を主導する中、相乗りか独自候補か、各党の思惑が交錯する。ただ、知事選の日程が大幅に前倒しされる見通しとなり、関係者には焦りもにじむ。党内の分裂を懸念する声も出始め、選挙戦の構図はまだ見えない。 自民県連 相乗りか一本化か「丁寧に調整」 自民党県連は城内実会長(衆院静岡7区)と増田享大幹事長ら三役が急きょ県庁に集まり、今後の対応を協議した。城内会長は記者団に「現時点では白紙。政策、理念、熱意、人柄を踏まえて議論したい」と強調する一方、「相乗りがいい人も、一本化がいい人もいると思う。丁寧
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どうする?浜松城公園 「文化財保護」が壁 要望に追い付かず 凸凹道に古木 「管理に力を」と市民の声
凹凸がある園路、老朽化が進む樹木―。昨年の大河ドラマ放送を機に来園者が増えている浜松城公園(浜松市中央区)を巡り、地元の市民団体がバリアフリーの促進や樹木管理の見直しを市に求めている。一方、文化財の価値を有する「城跡公園」ならではの事情により、市は慎重な対応を迫られ、利用者の要望に追い付いていないのが現状だ。 「政令指定都市の看板公園として、管理に力を入れてほしい」。県西部の市民団体「120学会」の大石吉宏さん(83)=同区=は浜松城を背に残念がる。天守閣前の広場は一部で石がむき出しになり、お年寄りらが歩くのは危険が伴う。花見の名所で知られる本丸のソメイヨシノは古木が多く、一部は腐朽が進む
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川勝知事が10日にも辞職申し出の意向 知事選、5月26日投開票か 2カ月の超短期決戦
県議会6月定例会で辞職する意向を示していた川勝平太知事が10日にも県議会議長に辞職を申し出る方針であることが8日、関係者への取材で分かった。この場合、知事選は5月9日告示、同26日投開票となる可能性が高く、わずか2カ月の超短期決戦となる。 知事は記者会見などで県議会6月定例会開会日(6月19日予定)に辞職すると表明。辞職の申し出は5月中旬が想定されていた。 知事が4月10日に辞職を申し出た場合、30日後の5月10日午前0時に自動的に失職する。6月1日が基準日となる夏のボーナスは、8割支給となる見通し。5月17日に予定されている県議会臨時会は自動失職後になるため、県議会でのあいさつの機会が
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藤枝・蓮華寺池公園でフジ開花 市が宣言 20日からまつり開催
藤枝市は8日、同市の蓮華寺池公園でフジの開花を宣言した。昨年より3日遅い。日本樹木医会静岡県支部長の大石春夫さん(75)によると、見頃は藤まつりが始まる20日ごろに迎える見込み。池の南西にあるフジ棚の標本木の前で大石さんら関係者が開花を確認し、北村正平市長が宣言した。 フジの開花宣言は、市が2021年に独自の基準を設けた。標本木で5輪以上の花が咲いた房を5本確認できたタイミングで宣言している。公園には20種250本のフジが植えられ、見頃の時期には鮮やかな紫色や甘い香りを楽しむ来園者でにぎわう。 藤まつりは20日~5月5日に開催。フジの展示や物産展、ステージイベント、飲食の出店などが行われ
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静岡で桜満開 気象台が発表
静岡地方気象台は8日、静岡市駿河区の気象台敷地内の桜(ソメイヨシノ)が満開になったと発表した。平年より6日遅く、昨年より10日遅かった。 同気象台によると、今年は2月下旬から3月にかけて肌寒い日が続いたため、開花は平年に比べて6日遅い3月30日になった。その後、同市駿河区では31日に最高気温27・1度の夏日を観測。一時的に気温が上昇したが、4月3日から5日に雨が降り気温が下がって開花が足踏みし、開花から9日目での満開となった。 同市葵区の駿府城公園では8日、曇天でやや肌寒い中、親子連れや散歩に訪れた来園者が見頃を迎えた桜とともに写真を撮ったり、桜並木を散策したりして春を満喫する姿が見られ
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鈴木康友前浜松市長 知事選出馬に意欲 近日中に最終決定
川勝平太知事の任期途中での辞職に伴って行われる知事選を巡って、前浜松市長の鈴木康友氏(66)が8日、浜松市内で静岡新聞社の取材に応じ、「浜松市長を16年間務めた実績をベースに、いろいろなことができると思っている」と出馬に意欲をにじませ、近日中に出馬の可否を最終決定する意向を示した。 鈴木氏は市長時代に注力した産業分野を例に挙げ、「静岡県は産業政策が相当遅れている。忸怩(じくじ)たる思いがある」と県内経済振興の必要性を強調した。川勝知事の一連の不適切発言によって、静岡県のイメージが悪化していることも危惧し、「イメージ回復は急務だ」と述べた。 鈴木氏は浜松市経済界の一部が、首長経験が豊富で知
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島田第一小で統合式、市内最大の児童数に 旧5校出身児童ら門出祝う
島田市の伊太、相賀、神座、伊久美の北部4小学校と島田第一小の統合式が8日、島田第一小で開かれた。新たに完成した体育館で2~6年生が学校の門出を祝った。 山中史章教育長が旧5校出身の6年生5人に新校旗を手渡し、「今日は特別な日。五つの学校が統合したことが分かる校旗の下、楽しい学校生活を送ってほしい」とあいさつした。島田第一小出身の6年中野友斗君(11)は「にぎやかになりそうでとても楽しみ。早くみんなと仲良くなりたい」と笑顔を見せた。 旧5校の児童から文言やイメージを募り、策定委員会が新しく3番を作り替えた校歌も披露された。 児童数の増加に対応した新校舎は昨年11月末に完成した。鉄筋コンク
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花のイラスト彩ったピアノ、花博に 自由に演奏OK 浜名湖ガーデンパーク
河合楽器製作所は「浜名湖花博2024」が開催されている浜名湖ガーデンパーク会場(浜松市中央区)で、花のイラストを施したラッピングピアノを展示している。ストリートピアノとして自由に演奏できる。 ラッピングピアノは6日、会場内花織り畑エリアの天望デッキに設置した。1953年頃に製造されたアップライトピアノ「No.301」で、状態は良好という。イラストは浜松聴覚特別支援学校幼稚部、小学部、中学部の児童・生徒50人が描いた花をちりばめた。 ピアノは常設だが、天候不良時はカバーを掛けるため演奏はできない。 ガーデンパーク会場が閉幕する6月2日以降、はままつフラワーパーク会場(同区)に移設する予定
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バスケWリーグ シャンソンが決勝逃す PO準決勝第3戦
バスケットボール女子Wリーグは8日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザでプレーオフ準決勝第3戦を行い、レギュラーシーズン(RS)5位のシャンソン化粧品は72―93で富士通(RS1位)に敗れ、対戦成績1勝2敗で15季ぶりの決勝進出はならなかった。 シャンソンは立ち上がりの悪さが最後まで響いた。前半だけで6本の3点シュートを浴びるなど33―52。第3クオーター(Q)もさらに突き放された。50―78で迎えた第4Q中盤に金田愛奈、佐藤由璃果、白崎みなみが連続11得点し、その後も小池遥、鷹のはし公歌(沼津市立高出)の3点シュートなどで食らい付いたが届かなかった。 ▽準決勝第3戦(富士通2勝1敗) 富
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大村慎一氏、静岡知事選出馬表明 主な発言
静岡県知事選への立候補を表明した元総務官僚の大村慎一氏(60)の8日の主な発言は次の通り。 【取材冒頭】 大村慎一と言います。静岡県出身で、総務省に入り、長い間地方行政、国、都道府県市町村で仕事をしてきた。古里の静岡県でも総務部長と副知事の仕事をした。 今の静岡県政について(川勝平太)知事の急な辞職があり、混乱も起き、対立と分断があるように思っている。 私自身は何の政治経験もない、ただの1人の行政マン。一市民だと思っている。そういう中で、長年培ってきた地方行政での経験を、この状況での県政の立て直しや再構築に役に立てるのではないかと考えた。私が取り組みたいのは、県政の立て直し、その一点
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静岡知事選出馬 大村慎一元副知事が表明 鈴木康友前浜松市長も意欲
元総務官僚で、静岡県の副知事を務めた大村慎一氏(60)は8日、川勝平太知事の辞職に伴って行われる知事選に無所属で立候補すると表明した。県庁前で取材に応じた大村氏は「混迷する県政の立て直しに全力で取り組みたい」と述べた。同知事選への出馬表明は大村氏が初めて。一方、地元経済界の一部が擁立に動く元浜松市長の鈴木康友氏(66)は同日、浜松市中央区で静岡新聞社の取材に「市長の実績をベースにいろいろなことができる」と意欲をにじませ、近日中に出馬の可否を決める考えを示した。 大村氏「愛する古里を豊かに」 地方行政精通、強調 静岡県知事選への立候補を表明する大村慎一氏=8日午前、県庁前
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大村慎一氏が出馬正式表明「混迷の県政立て直す」 静岡県知事選
元総務官僚で、静岡県副知事も務めた大村慎一氏(60)は8日、静岡県庁前で報道陣の取材に「混迷する県政の立て直しに全力で取り組みたい」と述べ、川勝平太知事の辞職に伴って行われる知事選に無所属で立候補する意向を正式に表明した。知事選への立候補表明は大村氏が初めて。 大村氏は現在の県政課題について、防災対策や地域経済の発展、市町との関係を挙げた。その上で、「国際社会がどんどん変化する中で、西だ東だと(県内で)対立している余裕はない。対立や分断よりも、静岡県を未来に向けてさらに豊かに発展させていきたい」と述べた。加えて、「地方行政に精通する私の力が役に立てる。県民のために身を賭して頑張りたい」と強
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「みかんとシナモン香る鮪油漬け」 新たな缶詰 土産にいかが 清水河岸の市や静産大開発
清水河岸の市協同組合と静岡缶詰協会などはこのほど、缶詰の新しい土産品「みかんとシナモン香る鮪(まぐろ)油漬け」を商品化した。静岡市産学交流センターの産学共同研究事業の一環。 「缶詰を使った静岡ならではのお土産」をコンセプトに開発に着手し、静岡産業大経営学部の熊王康宏教授(工学)が協力した。感性工学の手法を用い、通常の商品開発以上に顧客ニーズの把握を重視してモニタリング調査を3度実施。人気を集めたツナ、みかん、シナモンの組み合わせで風味豊かに仕上げた。 1缶90グラム270円(税抜き)。国内外の観光客をターゲットとして、清水魚市場河岸の市(静岡市清水区)の自動販売機と、新東名高速道静岡サー
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二輪部品のイハラ製作所 アルミ羽釜、開発 自社技術を結集 初の消費者向け「早炊きだから旨い」
二輪エンジンなど輸送機器部品加工のイハラ製作所(浜松市浜名区)は自社の加工技術を生かし、一般消費者向けの初の製品となるアルミ製羽釜「アラヒ」を開発した。熱伝導率の高さを生かして急速に加熱を促す構造で「早炊きだから旨(うま)い」(同社)という。 羽釜は4合炊きで、幅25センチ、奥行き24センチ、高さ12センチ、重さ2キロ。市内で工業製品のデザインを手がける事務所「UO(ウオ)」と組んだほか、市内の日本料理店「勢麟(せいりん)」に監修を依頼。プロの料理人の米炊きのこだわりを投影し、現代生活に合わせたガスこんろ向け羽釜の完成へ、金型製作から鋳造、切削加工まで自社技術を結集させた。 急速に炊くこ
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はちみつと牛乳「相性抜群」 長坂養蜂場 ソフトクリーム販売 富士宮・朝霧乳業とコラボ 29日まで浜松
浜松市浜名区三ケ日町の長坂養蜂場は、富士宮市の朝霧乳業と共同で「あさぎり牛乳」を使用したソフトクリームにはちみつを練り込んだ「朝霧高原牛乳ソフト」を開発した。29日までの期間限定で、同養蜂場三ケ日本店で提供する。 朝霧乳業が、以前から養蜂場と関わりのあった菓子製造販売「たこ満」(菊川市)の子会社になったことなどがきっかけ。県西部、東部にそれぞれ拠点を置く両者がエリアを越えて連携し、ブランドの認知拡大や相互送客を狙っている。 養蜂場3代目の長坂善人社長、長坂恭輔専務がブレンドし、昨秋に販売を開始した「三代目の蜂蜜」をソフトクリームに練り込み、食べる直前に“追いはちみつ&rdqu
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謎多い神武天皇像 専門家ら現地調査 学術的に価値確認 「明治期の制作 妥当」 焼津神社
焼津市の焼津神社に建つ神武天皇像について、美術史研究の専門家らでつくる「屋外彫刻調査保存研究会」がこのほど、現地調査を行った。明治時代末期ごろの制作とみられる銅像の価値を、学術的な視点から確かめた。 像は銅製で、高さ1・98メートル、幅1・1メートル。像の左手に弓が握られ、先端には金鵄(きんし)がとまっている。像は1913年に同市の神武通り商店街に建てられ、50年に同神社に遷座された。焼津市史などによると、像は住民らが名古屋で購入したとされるが、詳細は分かっていない。 調査は像の周囲に足場を組み、洗浄もしながら実施。参加した美術史研究者や彫刻家、保存修復の専門家ら10人ほどの会員が状態
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夢の万博、赤字に懸念 協会、柔軟な運営課題 関係企業アンケート
未来への夢や希望を描く万博だが、開催には巨額の費用を要する。2025年大阪・関西万博で来場者数が想定を大きく下回れば、赤字による国民負担増の懸念が現実化する。関係者は盛り上げに懸命だが、結果的に損失が出た場合の負担に企業は神経をとがらせる。日本国際博覧会協会(万博協会)の運営柔軟化も課題となりそうだ。 草の根 昨年12月7日の参院経済産業委員会では、赤字になった場合の対応に厳しい質問が飛んだ。西村康稔経産相(当時)は「国として補塡(ほてん)することは考えていない」と発言。赤字に陥ることのないよう、万博協会を監督していくと強調した。 共同通信が実施したアンケートで、参加企業・団体に黒字
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台湾地震、300人孤立解消 国立公園、6人捜索に全力
【花蓮共同】台湾東部沖地震で、東部・花蓮県の山間部の観光地「太魯閣(タロコ)国立公園」で約300人が孤立していた地域と東海岸側をつなぐ道路が7日に開通した。台湾当局は最大時約700人に及んだ孤立状態を解消したと明らかにした。当局は同公園で行方不明の6人の捜索をトルコの無人機(ドローン)専門チームの協力を得て継続した。これまでに確認された死者は計13人に上る。 孤立地域は6日に西部・台中市へと通じる道路が開通し一部が帰宅した。7日朝の時点で残っていた約300人のうち業務がある約40人以外は、自家用車やバスでホテルや小学校などを離れた。東海岸側の麓にある救助指揮本部前には下山した車が次々と到着
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日本企業のCO2輸出計画が急増 地中に貯留、現地反発も
脱炭素対策の一環で日本企業が二酸化炭素(CO2)を東南アジアなどに輸出し地中にためる計画が過去2年ほどで急増し、少なくとも13件に上ることが7日、共同通信のまとめで分かった。電力や製鉄、石油元売りといった排出量の多い企業が参画、早ければ2030年前後の開始を見込む。今後の大幅削減や「排出実質ゼロ」に備え、CO2が生じる事業の継続策として海外貯留を有力視している実態が浮かんだ。 CO2の地中貯留は政府も30年の実用化を見据える。国内には適地とされる枯渇したガス田などが少なく、海外でも推進する姿勢を示す。一方、地中貯留は低コスト化が課題で、商業ベースで実用化した例は世界でも限られる。先進国が出
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国10基金「無駄」廃止へ 千数百億円を国庫返納 総点検、月内に報告
政府は、中長期的な政策推進のため積み立てた基金の総点検を巡り、事業が事実上終了している約10の基金を廃止する方向で調整に入った。管理費だけの支出が続き、無駄と判断した。存続を認める場合も不用額を割り出し、国庫返納させる余剰金は計千数百億円となりそうだ。今月下旬に開くデジタル行財政改革会議に点検結果を報告する見通し。政府関係者が7日、明らかにした。 国が所管する基金は現在、180超ある。新型コロナウイルス対策で積立額が膨らみ、全体の残高は2022年度末時点で計約16兆6千億円。継続的な施策に財源をまとめて確保できる一方、不要不急の出費につながりやすいとの指摘がある。岸田文雄首相が昨年12月
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知事選、大村慎一氏が出馬意向固める 鈴木康友氏擁立へ調整の動き “ポスト川勝”活発化
川勝平太知事の任期途中での辞職に伴って行われる知事選に、元総務官僚で静岡県副知事も務めた大村慎一氏(60)が7日までに出馬の意向を固めた。一方、浜松市経済界の一部が前浜松市長の鈴木康友氏(66)の擁立を目指して調整していることも関係者への取材で分かった。知事選出馬への具体的な動きがにわかに表面化した。 大村氏については、県中部の経済界の一部などが、国とのパイプを持ち、地方行政にも精通する手腕を評価。本県が抱えるさまざまな課題へも適切に対応できる人材だとして、水面下で出馬を要請していた。大村氏も応じる考えを伝えた。大村氏は静岡新聞社の取材に「国と地方で行政に携わってきた経験を生かし、(川勝
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奈良・吉野山で桜見頃 山肌ピンクに染め上げ【動画あり】
奈良県吉野町の吉野山で7日、シロヤマザクラを中心に約3万本の桜が見頃を迎え、山肌は淡いピンク色に染まった。町によると、標高の低い下千本、中千本エリアは既に満開になった。昨年より開花が1週間ほど遅いという。 吉野山の桜は約1300年前、修験道の開祖とされる役行者(えんのぎょうじゃ)が吉野で修行し、桜の木に蔵王権現を刻んだとの伝承から、神木として保護されてきた。山全体に桜が咲き広がる景色から「一目千本(ひとめせんぼん)」とも称される。
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⚾東海大翔洋が準優勝 神戸弘陵に1―9 静岡県勢初Vならず【全国高校女子硬式野球選抜】
第25回全国高校女子硬式野球選抜大会は7日、東京ドームで決勝を行い、静岡県の東海大翔洋は神戸弘陵(兵庫)に1―9で敗れ、県勢初の優勝はならなかった。 東海大翔洋は初回に先発垣崎瑠依がつかまり、1死満塁から、走者一掃の適時三塁打とスクイズで4点を失った。五回に川満芽衣の適時打で1点を返したが、その裏に5安打を浴びて5失点し、反撃ムードを断たれた。 好機生かせず防戦も、決勝の舞台堂々と 東海大翔洋は初回に失った4点が重くのしかかった。打線も何度か好機をつくったものの神戸弘陵の投手陣を崩せず。弓桁監督は「成果は出せたが(展開は)防戦になった」と振り返った。 先発垣崎は初回に1死から安打2本
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【裏金事件】静岡県連、首相責任問う声も 自民幹事長と「車座対話」
自民党は7日、派閥パーティー裏金事件を受け、党幹部が全国行脚して現場の声を聞く「政治刷新車座対話」を静岡市内で開き、茂木敏充幹事長が静岡県連関係者と意見交換した。関係者によると、県連側からは厳しい意見が相次ぎ、岸田文雄首相(党総裁)の責任を問う声も上がった。 冒頭を除き非公開。県連からは増田享大幹事長ら三役、ベテラン県議、青年局や女性部代表ら約10人が出席した。川勝平太知事の辞職表明に伴う次期知事選も議論になった。茂木氏は会合後、「県のトップをどうするか新しい局面を迎えている。今後、県連とも話し合い、対応を考えたい」と記者団に述べた。独自候補を擁立するかは明言しなかった。 車座対話は党勢
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【静岡まつり最終日】大盛況の城下町 花見行列に宍戸開さん/花魁道中あでやかに
静岡市中心部で多彩な催しが繰り広げられた第68回静岡まつり(実行委主催)は、最終日の7日も大勢の来場者が各会場を行き交った。 花見行列で大御所役を務めたのは俳優宍戸開さん。駿府城公園内の大演舞場での出発式で宍戸さんは、テレビ番組で徳川家康役を何度も務めてきたことに触れ「これまでは(若い時代の)戦うシーンが多かった。大御所時代の役は新鮮」と喜びを語った。「いざ出発」と高らかに花見の始まりを宣言し、沿道の観客の声援に笑顔で応えながら街中を回った。 美しく着飾った太夫が同公園内を練り歩く「花魁(おいらん)道中」では、花魁役の女性が三枚歯の高げたでゆっくりと進み、あでやかな姿で観客を魅了した。
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御前崎市長選と市議選告示 市長選は2新人一騎打ち、市議選21人の激戦
任期満了に伴う御前崎市長選と市議選(定数13)が7日、告示された。市長選はいずれも無所属の新人で、環境技術開発会社役員の下村勝氏(54)と元海外医療支援団体理事長の青田修二氏(53)が立候補を届け出た。同市に立地する中部電力浜岡原発再稼働の是非や市の財政健全化、経済活性化が主な争点。市議選は計21人(現職10人、新人11人)が出馬した。 ▶御前崎市議選 立候補者の一覧(定数13/立候補者21) 市長を2期8年務めた柳沢重夫氏の後継指名を受けた下村氏は、脱炭素社会の推進や教育の充実を訴える。青田氏はインフラ整備による観光振興や人口減少対策などに注力し、市政刷新の必要性をアピールする。
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御前崎市議選 立候補者の一覧(定数13/立候補者21)
7日告示された御前崎市議選の立候補者は次の通り。 上から届け出順。経歴は氏名、年齢(投票日基準)、党派、現元新別、当選回数、職業・肩書、略歴、現住所の順。元の後は全て、以前の職業・肩書。 ※画像タップで拡大してご覧になれます
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沼津の渡し船「我入道の船頭」担い手求む 常勤1人、若者も挑戦を
沼津我入道漁業協同組合は、沼津市内の狩野川で展開している「我入道の渡し船」の常勤の船頭を募集している。1997年から、組合が市から運航を受託して地元を代表する観光資源となっているが、担い手の高齢化が課題となっている。植松敏征組合長(59)は「伝統を守り続け沼津を盛り上げたい。若い人にも挑戦してほしい」と呼びかける。 渡し船の歴史は古く、河口に最も近い港大橋の68年の完成以前は、河口の両岸をつなぐ地元民の海上交通手段を担っていた。定員14人(乗客は12人)の和船で、櫓(ろ)を使って船を進め、今は河口の我入道地区と、河口から約1・5キロ上流のあゆみ橋付近の乗り場を往来する。希望があれば、沼津港
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静岡まつり閉幕 夜空に手筒花火、幻想的フィナーレ
徳川家康の大御所時代の城下町を再現する第68回静岡まつり(実行委員会主催)が7日、閉幕した。静岡市葵区の駿府城公園では地元の煙火保存会による手筒花火が夜空を彩り、華やかなうたげに幕を閉じた。 家康が約400年前の駿府城で、日本で初めて花火を見たという故事にならった「大御所観覧手筒花火」では、市内外の煙火保存会3団体が共演し、3日間の祭典のフィナーレを飾った。大小さまざまな花火が次々と披露され、観客から歓声が上がった。白やオレンジの火花が夜桜を照らし、会場は幻想的な雰囲気に包まれた。 最終日も大御所花見行列や夜桜乱舞などが展開され、3日間の来場者数は推計96万人(主催者調べ)だった。 (政
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大自在(4月8日)他山の石
近所の桜が満開だ。温暖化で年々開花が早まっている印象だったが、ことしは平年より遅め。各地で行われている入学式とタイミングが合い、新入生や保護者には印象深い光景になっていることだろう。 入学式や入社式には学校長や経営者の式辞がつきもの。自分の入学・入社式の式辞がどんな内容だったか、覚えている人は少数派だろうが、中には人生の糧になる金言に出会えることもある。 述べる側も知恵を絞っているに違いない。相手の心に響く言葉を自分で考え出せればそれに越したことはないが、なかなか難しい。そんな時は故事や著名人の名言を借りて思いを伝えるのも手だ。 語録が式辞やあいさつでよく引用される名経営者に、浜松市名
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社説(4月8日)子ども支援金 「負担増」の議論隠すな
児童手当の拡充などを柱とする少子化対策関連法案が衆院で審議入りした。対策の実行には今後3年間に年最大3兆6千億円の財源が必要となるため、社会保障の歳出削減や創設する「子ども・子育て支援金」などで賄う。支援金は公的医療保険料に上乗せして徴収する。対策の実効を上げる議論を求めたい。 焦点となる支援金の徴収で岸田文雄首相は答弁で「歳出改革による保険料負担の軽減効果の範囲内で行う。国民に新たな負担を求めない」と強調した。従来から歳出改革で社会保険料の伸びを抑え、賃上げの効果を加味すれば「実質的な負担は生じない」と繰り返してきた。 しかし、首相が「負担増」のイメージ隠しに腐心するあまり、少子化に対
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⚾東海大翔洋「笑顔で日本一」次こそ 創部4年目準V、確かな成長【全国高校女子硬式野球選抜】
7日に東京ドームで決勝が行われた第25回全国高校女子硬式野球選抜大会。初優勝を目指した東海大翔洋は神戸弘陵に敗れ、惜しくも準優勝だった。同好会としての活動も含めて発足わずか4年でたどり着いた決勝の舞台。当時、3人でスタートしたチームが確かな成長の跡を残した。 2020年春、同好会として発足。斉藤美咲さん(19)、岡村妃菜さん(19)、中村めいさん(19)の1期生3人は翌年の創部を見据え、練習に励みながら基盤づくりに奔走した。翌春に新入生26人が加わり女子硬式野球部が誕生した。 掲げたスローガンは「笑顔で日本一」。1本の安打、一つのアウトを全員で喜び、ピンチには人さし指を両頰に当てて励まし
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万博、機運醸成に課題82% 参加企業調査、強い危機感
2025年大阪・関西万博に参加・出展する民間企業・団体や協賛企業へのアンケートを共同通信が7日、まとめた。開幕まで1年となった現在の課題は、機運醸成との回答が82%に上り、国民の間での盛り上がりに欠ける状況へ強い危機感が浮き彫りとなった。2350億円に上振れした会場整備費を「妥当」としたのは42%にとどまった。日本国際博覧会協会(万博協会)の情報発信や対応への注文も多く、成功に向けた課題の多さを改めて示す結果となった。 課題は複数回答で聞いた。「海外パビリオンの建設遅れ」が38%、「海外での万博開催の認知や呼び込み」が31%で続いた。「主催団体から柔軟なアイデアが少なくスピード感に乏しい」
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経済政策、野党は批判 所得格差と物価高に審判【韓国総選挙 有権者のまなざし㊦】
韓国総選挙では、尹錫悦[ユンソンニョル]政権の経済政策についても有権者が審判を下す。政権与党は各種減税策や失業率改善を成果に掲げ、支持拡大につなげる戦略を描く。ただ国内の所得格差が続く中、食料品価格の高騰が庶民の生活を直撃。野党は「政権は金持ち優遇だ」との批判を強めている。 恩恵未知数 「(文在寅[ムンジェイン]前政権の)扇動によってねじ曲げられた市場経済を復元し、税制を正常化させている」。尹大統領は3月26日の閣議で、こう訴えた。政権は法人税や複数住宅保有者の固定資産税を減らし、導入予定だった金融投資所得税の廃止も打ち出した。 失業率は文政権時の3・7%(2021年)から昨年は2・
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【経済フォーカス】電卓60年、先端技術の礎に スマホ全盛でも根強い人気
国内初の電卓が登場して60年を迎える。メーカー各社が開発にしのぎを削る中で先端技術が育まれ、半導体や液晶などが進化する礎になった。国内出荷台数は、電卓機能を備えたスマートフォンの全盛で減少しているが、売上高や利益の計算に追われる企業の経理担当者に手放せない人は多く、根強い人気を誇る。 国内1号機は早川電機工業(現シャープ)が1964年6月に発売した「CS-10A」。当時主流だった電動の機械式計算機は歯車の動く音が大きく、操作も複雑だった。「CS-10A」は、電気の流れをコントロールする半導体素子「トランジスタ」を使い、稼働音が静かで計算が速いのが特長だった。25キロの重さがあり、53万5
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廃虚化ホテルに市町苦慮 沼津市が費用調査へ 所有者不在、解体へ代執行模索
倒産や廃業による長年の放置で管理不全となり、景観や安全上問題のあるホテルや旅館に、観光地の多い静岡県東部の自治体が頭を悩ませている。沼津市や下田市などは、所有者が事実上不在になった建物の解体に市が関わる方向で動き出した。本来は所有者が負担すべきだった解体費を行政が肩代わりするため、費用と危険性除去の両面で難しい対応を迫られている。 沼津市戸田地区の中心地。戸田漁港の近くに5階建てと9階建てのホテル2棟が廃虚と化したまま、20年余り放置されている。建築から40年以上が経過し、壁のコンクリートが崩落するなど危険は増すばかり。所有法人は既に破産し、代表者は死去。事実上所有者が不在で、解体を求め
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【静岡まつり2日目】登城行列や夜桜乱舞 春の城下町に活気 夜は光のドローンショー
第68回静岡まつりは2日目の6日、静岡市中心街で徳川家康にちなんだ多彩な催しが展開された。汗ばむ陽気の中、春の城下町は活気にあふれた。 仮装をして駿府城公園を目指す駿府登城行列=静岡市葵区 仮装をして駿府城公園を目指す駿府登城行列=静岡市葵区 時代衣装を身にまとい駿府城公園を目指す駿府登城行列 町衆が行列を組み、大御所への献上品を持って駿府城公園を目指す「登城行列」では、武士や農民の時代衣装を身に着けた市民が駿河区の森下公園から葵区の駿府城公園までの道のりをにぎやかな太鼓などの音とともに練り歩いた。 集まった来場
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東伊豆町熱川に台湾・九份!? 提灯800個灯す 被災地思い黙とうも
東伊豆町の熱川地区で6日夜、台湾の観光地・九份(きゅうふん)を模して現地と同じ「台湾提灯(ちょうちん)」を常設するプロジェクトの点灯式が行われた。来場者は「大きな地震のあった台湾に元の生活が訪れますように」と明かりに願いを込めた。 熱川温泉旅館組合の主催。台湾観光庁や台湾観光協会の協力を得て、提灯800個の明かりがともる。点灯式では台湾へ黙とうをささげた。伊豆熱川駅周辺では台湾料理の店が出て、中華獅子舞の舞も披露された。 九份は映画「千と千尋の神隠し」の世界観とイメージが重なる場所として広く知られる。すり鉢状の地形と広さが熱川と似通っていて、2023年に町関係者が観光PR目的で現地を訪問
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浜名湖花博、ガーデンパーク会場もオープン 100万株の花々彩る
「浜名湖花博2024」(浜名湖花博20周年記念事業実行委員会主催)の浜名湖ガーデンパーク会場(浜松市中央区)が6日、オープンした。先に始まったはままつフラワーパーク(同区)との2会場で、浜名湖周辺エリアを舞台とした「花と緑の祭典」が本格的に幕を開けた。 2004年のしずおか国際園芸博覧会(浜名湖花博)の20周年記念イベント。初日は春の陽気に誘われて、全国から訪れた人々が開園1時間以上前から行列をつくった。開会式典で関係者がテープカットを行うと、家族連れ、カップルなどが一斉に入場して庭園の散策や写真撮影を楽しんだ。 ガーデンパークは11の花壇、庭園を一新。国際ガーデニングショーで高い評価を
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大自在(4月7日)商鞅
中国・戦国時代の政治家、商鞅[しょうおう]は秦の孝公の信を得て取り立てられ、宰相として国政改革に辣腕[らつわん]を振るった人物。旧来の貴族層が持っていた特権を廃して中央集権化を進め、法治主義の政治体制を整えた。 当初は新たな法に民衆からも不満の声が上がったが、貴族でも法に基づいて厳しく罰することで受け入れられ、秦の富国強兵を進めた。前漢の歴史書「戦国策」には商鞅の政治について「罰は強大を諱[い]まず(罰は有力者に対しても遠慮なく行われた)」と記されている。 改革で貴族層の恨みを買った商鞅は、孝公が没すると罪を着せられて車裂[ざ]きの刑に処せられた。しかし、法治が根付いた秦は弱小国から一大
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浜名湖花博PR大使、當間ローズさん ガーデンパークに作品出展「花の美しさ、優しさ感じて」
浜名湖花博PR大使で歌手、モデルの當間ローズさん(30)=湖西市出身=が6日オープンした「浜名湖花博2024」の浜名湖ガーデンパーク会場(浜松市中央区)を訪れ、「花の美しさや優しさを感じて」と呼びかけた。 華道家としても活動する當間さん。交流サイト(SNS)などで花博のPRに取り組むほか、ガーデンパーク会場で本県産花きを紹介する「しずおかの花展示」に作品を出展し、フラワーガーデンコンテストで審査員も務める。 當間さんは「すてきな花々が一堂に集まるイベントで、思わずため息の出るような空間が広がっている。県内外から大勢の人に来てもらいたい」とアピールした。 (浜松総局・仲瀬駿介)
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藤枝市長選 北村氏が事務所開設
任期満了に伴う藤枝市長選(5月19日告示、26日投開票)に5選を目指し出馬表明している現職の北村正平氏(77)は6日、同市岡出山に後援会事務所を開設した。 神事が行われ、支援者ら約40人が出席した。北村氏は「支援をいただく皆さまの負託に応えるべく、渾身(こんしん)の力を注ぎたい」と述べた。 同市長選に出馬を表明しているのは、現時点では北村氏のみ。
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電動ボード事故、法改正後6倍に 制度周知不十分、死者出る懸念も
電動キックボードの一部で運転免許が不要になった昨年7月の法改正以降、1カ月当たりの事故件数が6倍超に急増している。規制緩和を追い風に利用者が増えたが、新制度を知らないことが原因とみられる違反も。重傷事故も起きており、識者はルールの周知が不十分だとして「死亡者が出るような事故が起きてもおかしくない」と懸念する。 大阪市の繁華街・ミナミで今年2月の深夜、大阪府警が電動ボードの取り締まりを実施した。速度を制御せず電動ボードで歩道を通行した20代女性に交通反則切符(青切符)を交付。女性は取材に「歩道を走れると思っていた」と話した。 電動ボードは原動機付き自転車などの免許が必要だったが、昨年7月施
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静岡県内最後 浜松の屋内スケート場5月閉館 老朽化などで継続困難
浜松市中央区の浜松スポーツセンターは6日までに、館内の屋内スケートリンクを5月で閉館すると発表した。静岡県内唯一の屋内スケートリンクという。施設の老朽化と電気代高騰により営業継続が困難になったことが理由としている。 ホームページによると、広さは60メートル×30メートル。同センターは「閉館の決断は容易ではありませんでしたが、長年にわたりご支援いただいたことに深く感謝しております」などとコメントした。 スケートリンクは閉館後に解体し、7月からスポーツカルチャー施設として運営していく。
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日産、「賃上げ減税」対象外に 下請法違反、最低1年
日産自動車が下請法違反で公正取引委員会から勧告を受けたのに伴い、賃上げに積極的な企業の法人税を軽減する優遇税制を利用する資格を失ったことが6日、分かった。下請け企業への納入代金を発注後に減額するなどの姿勢が問題となったためで、少なくとも1年間は資格が戻らない。2023年度分の法人税を納税する際に見込んでいた減税が受けられなくなり、利益の押し下げ要因になる可能性がある。 賃上げ税制は、継続雇用者の給与などの総額を前年度より増やした企業の法人税を減税する仕組みで、13年度に導入された。制度が拡充された22年度は減税額が5150億円まで伸び、導入以降で最大となった。日産も22年度分の納税まで制度
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「クイーンエリザベス」清水に初寄港 国際クルーズ船 関係者が歓迎
英国の海運会社が運航する国際クルーズ船「クイーン・エリザベス」(9万900トン、全長294メートル)が6日午前、清水港日の出埠頭(ふとう)に初寄港した。紺色を基調とした船体が悠々と入港する姿を撮影しようと、同日早朝から三保半島の突端などに市民らが集まった。 岸壁で行われた歓迎式典には県や静岡市、清水港客船誘致委員会のメンバーが駆け付けた。歓迎の花束や記念品などを受け取ったスティーブン・ハワース船長は「日本の皆さまだからできるおもてなしを感謝します」などとあいさつし、日本語で「ありがとうございました」とお礼を述べた。 同委員会が1990年に設立したきっかけとなったのが、「クイーン・エリザベ
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職業差別発言で川勝知事 農協関係者に直接面会、謝罪「迷惑かけ傷つけた」 花博式典あいさつでも
川勝平太知事は6日、新規採用職員への訓示での「職業差別」と受け取れる発言に関し、JA静岡中央会など農業団体関係者らと面会し、直接謝罪した。関係者への取材で分かった。同会などの抗議を受け、川勝知事は5日に発言を撤回していた。 浜松市中央区の浜名湖ガーデンパークで開かれた浜名湖花博2024の開場セレモニーの前に5分程度、面会した。同席した関係者によると、知事は神妙な面持ちで「私の発言で皆さんにご迷惑をかけた。おわび申し上げる」と謝罪。職業を差別する意図がなかったと釈明した。謝罪を受けた同会の鈴木政成会長は「県行政の責任者である知事が農業者を愚弄(ぐろう)した発言。謝罪されても許すことはできない
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静岡まつりに「大御所ISSA」 花見行列、駿府の春盛り上げ
静岡市に春の訪れを告げる第68回静岡まつり(実行委員会主催)は2日目の6日、徳川家康の駿府での花見を再現する「大御所花見行列」などを繰り広げた。街中の桜は見頃を迎え、多くの来場者でにぎわった。 ▶関連記事「登城行列や夜桜乱舞 春の城下町に活気 夜は光のドローンショー」 葵区の駿府城公園で行われた「拝謁(はいえつ)の儀」で、大御所役のISSAさんが登場すると観客からは大きな拍手が湧き起こった。城下町民にふんした市民から献上品を受け取ったISSAさんは「余は満足じゃ。皆の者、ついて参れ。いざ出陣」と宣言し、花見に出発。沿道の観客からの声援に笑顔で手を振って応えた。 市中心街の各会場には屋台
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社説(4月7日)ガザ戦闘半年 拡大を防ぎ停戦実現を
イスラム組織ハマスによるイスラエル領への越境テロ攻撃で始まった戦闘は7日で半年。パレスチナ自治区ガザ地区で続くハマスとイスラエル軍の戦闘は停止どころか、戦火が中東全域に拡大する懸念すら高まっている。 シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館領事部の建物が1日、空爆された。イスラエルは公式に関与を認めていないが、イランとシリアは外交施設を標的にした攻撃は国際法違反だと強く非難している。イランがイスラエル領への報復攻撃に出ればイスラエルを支援する米国も巻き込んで戦火が拡大しかねない。 国際社会は双方に自制を求め、戦火の拡大を防がなければならない。ガザ地区での戦闘も即刻停止させなければならない
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【もの知りキーワード】高齢社会の「2025年問題」 5人に1人が75歳以上に 働き手不足、社会保障費増
日本では、2025年に団塊の世代(1947~49年生まれ)が75歳以上の後期高齢者となります。団塊の世代の人口は約800万人といわれており、日本の人口の約5人に1人が後期高齢者となる計算です。 こうした高齢者の急増が、社会保障費用の増大や労働力人口の縮小を招き、雇用や医療、介護などに波及することが、高齢社会の「2025年問題」と呼ばれています。 団塊の世代の総人口に対する比率は他世代に比べて高く、社会に影響を与えてきました。働き手の中心となって日本の高度成長を先導し、日本経済の中心であったといえます。 その世代が後期高齢者となる一方、15歳未満の子どもの数は42年連続で減少(23年4月
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【表層深層】自民一斉処分 首相、裏金のくびき脱せず「総辞職か解散」迫る野党
岸田文雄首相が裏金事件のくびきを脱せずにいる。自民党安倍派議員らの一斉処分に踏み切り、週明けの訪米で局面転換を図る腹だが、離党勧告された塩谷立氏(衆院比例東海)らの恨み節は止まらない。野党は自身の責任を不問とした首相を突き上げ「総辞職か衆院解散だ」と迫る。後半国会に暗雲が漂う。 「強固な日米同盟を世界に示す大変有意義な機会になる」。5日昼、官邸で開かれた政府与党連絡会議。首相は裏金事件の処分より先に8日から始まる国賓待遇での訪米日程を紹介した。首相周辺は「ようやくモードが切り替わった」と安堵(あんど)の様子を見せる。 派閥の政治資金パーティーを巡る「政治とカネ」問題が表面化した昨年11
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止まらぬ少子化 経済支援公約 若者に響かず【韓国総選挙 有権者のまなざし㊤】
将来への不安から結婚や出産に後ろ向きな人が増え、急速に少子化が進む韓国。「国家消滅の危機」も叫ばれる中、与党「国民の力」と最大野党「共に民主党」は10日投開票の総選挙に向け、少子化対策を重点公約に掲げた。経済支援を軸に据えるが、有権者の視線は厳しい。「ジェンダー不平等や過当競争の構造が変わらなければ意味がない」。若者たちの訴えは切実だ。 出産を悲観 「私たちの世代で韓国は終わりそうだね」。ソウルの女性会社員金昭淵[キムソヨン]さん(31)は独身の友人らと時々こんな冗談を言い合う。韓国の合計特殊出生率(女性1人が生涯に産む子どもの数)は世界最低水準で、昨年は0・72まで落ち込んだ。婚姻件
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遊休施設をテーマパークに 「刀」森岡CEO 全国で展開意欲
3月に開園した東京・お台場の屋内型テーマパーク「イマーシブ・フォート東京」を運営するマーケティング会社「刀」(大阪市)の森岡毅最高経営責任者=CEO=(51)が、5日までにインタビューに応じた。「小規模でも集客力があるテーマパークを各地域につくれば(主に首都圏からの)観光客が増加し、地方創生に役立つ」とし、各地でのビジネス展開強化に意欲を示した。 森岡氏は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を再建した実績がある。刀は、沖縄県に新たなテーマパーク「JUNGLIA(ジャングリア)」を2025年に開業する予定。長崎県佐世保市のリゾート施設「ハウステンボス」の運営を支援するほか、兵庫県三木
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成長する都市ランキング 東京躍進、世界2位 「経済力」がトップ評価
英不動産会社「サビルズ」が発表した2023年版「危機を乗り越え成長する都市ランキング」で、東京は世界2位と前回21年版の5位から躍進した。経済の底堅さや、不動産投資の減少が小幅にとどまったことが評価された。 首位は前回に続き米ニューヨーク。3位は前回2位の英ロンドンだった。4位は韓国ソウル、5位は米ロサンゼルス。アジアからは6位のシンガポールを含め、上位10位に3都市が入った。 ランキングは490都市が対象。各都市を「経済力」「知識と技術」「ESG(環境・社会・企業統治)」「不動産」の4分野で分析し、順位を付けた。東京は精密製造などの技術や、周辺を含む首都圏の人口規模に支えられた「経済力
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のと鉄道、3カ月ぶり全線再開 喜びの声「復興の道しるべに」
能登半島地震で施設が被災した石川県の第三セクター「のと鉄道」が6日、全線で再開した。能登へのアクセスが改善され、「復興の道しるべになる」と被災地では喜びの声が上がった。2月15日から一部区間で運行していたが、能登中島(同県七尾市)―穴水(同県穴水町)間は運休が続いていた。全線開通は約3カ月ぶり。 同社は馳浩知事らが参加した出発式を穴水駅で開催。同社の中田哲也社長は時折声を詰まらせながら「今日はただの運行再開にとどまらず、私たちの絆の強さや未来への希望の象徴となる」とあいさつした。 能登鹿島駅(穴水町)で花壇を整備するボランティア活動を続け、穴水駅の一日駅長を務める佐藤まゆみさん(72)
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川崎幼稚園理事長ら、遺族宅7カ月ぶり訪問 父親が面談継続を要望【牧之原・バス置き去り】
牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月、送迎バスに園児の河本千奈ちゃん=当時(3)=が置き去りにされて死亡した事件で、運営法人「榛原学園」の増田多朗理事長(44)ら関係者が5日、同市内の千奈ちゃん宅を約7カ月ぶりに訪問し、両親と面談した。 千奈ちゃんの父親によると、訪問者は増田理事長、現川崎幼稚園長、元副園長と、事件当時のバス乗務員だった元派遣職員、元副担任の計5人。これまで面談を当面見合わせることを法人側が代理人を通じて遺族側に通告していたため、顔を合わせるのは元派遣職員を除いて昨年9月以来となった。面談が途絶えていることを父親がSNSで指摘したところ、訪問の申し出があった
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「はしか」高まる警戒感 子どもの定期接種を確実に 静岡県、冷静対応呼びかけ
感染力が非常に強い「はしか(麻しん)」の患者数が国内で21人となり、昨年1年間の7割をすでに超えた。静岡県内では感染例が見られず、国のデータでも85%の人が抗体を持っているとされるため、県は「感染拡大は予想していない」として冷静な対応を呼びかける。ただ、定期接種を終えていない子どもは注意が必要だ。新型コロナウイルス禍の際の利用控えの影響で、抗体を持っていない子が増えているという。 定期接種は1歳と、「年長」に当たる小学校の入学前年度の2回。県感染症管理センターによると、コロナ禍の接種率は2021年、1、2回ともに94%で、はしかの排除状態を維持するための国の目標値「95%」を下回った。全
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塩谷氏、再審査請求を検討 処分に「事実誤認」 次期衆院選は立候補意欲
自民党安倍派の座長を務めた塩谷立氏(衆院比例東海)は5日、国会内で記者会見し、派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り党から受けた離党勧告処分を不服として「再審査の請求を検討したい」との意向を表明した。地元の後援会関係者と相談し、最終判断する。次期衆院選へ向けては立候補に意欲を示した。 塩谷氏は、同日朝に届いた処分決定通知や4日の岸田文雄首相(党総裁)、茂木敏充幹事長の記者会見の内容を踏まえ「いくつか事実と違うところがある。事実誤認の中で処分が下されたことは、心外だ」と訴えた。党規律規約に規定されている政治倫理審査会を設置し「公平、公正な判断をしてほしい」と強調した。 塩谷氏は4日に党紀委
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【全文】塩谷立氏が自民党党紀委員会に提出した弁明書
4日に自民党から離党勧告処分を受けた塩谷立氏(衆院比例東海)が逢沢一郎党紀委員長宛に提出した弁明書の全文は次の通り。 ◇ 清和政策研究会を巡る問題につき、国民の皆様、党員・党所属議員の皆様に多大なるご迷惑とご心配をお掛けし、民主政治の要諦である国民の信頼を損ねたことは慚愧(ざんき)に堪えず、心よりお詫(わ)び申し上げます。党紀委員会の処分審査に先立ち、弁明の機会を頂けましたことに感謝申し上げ、以下の通り私の弁明を述べさせて頂きます。 1.事実関係の認識・認定 事件発覚後、検察の捜査、記者会見、党の聴取、衆議院政治倫理審査会等を通じて、私が認識する限りの事実を正直に申し上げてき
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「チーム担任制」静岡市内2小学校で本年度試行 多様な視点、教員の負担軽減にも
静岡市内の小学校で、学級担任を固定せず、複数の教員が学級内での児童の指導や事務的作業を担う「チーム担任制」の試行が始まっている。市教委は本年度、竜南、東源台の2校を研究校に指定。多様な視点で対応することで、子供の良さや変化に気付く機会を増やすだけでなく、教員の負担軽減にもつなげる。 チーム担任制は多面的な情報収集ができるほか、教員それぞれの得意分野を生かした仕事ができ教育活動の質の向上や負担の分散も期待される。子供や保護者側には話しやすい先生を見つけられるといった利点があり、全国で拡大。県内でも私立中・高を中心に取り組みが進められている。 静岡市内では昨年度、城北小が独自に試行した。興
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緊急連載【衝撃 知事辞意表明㊦】リニア「投げ出し」 部分開業、最後まで固執
「みなさん、見ましたか。私たちの勝ちです」 川勝平太知事は2023年12月、JR東海がリニア中央新幹線静岡工区着工の見込みが立たないことを理由に開業時期を27年から「27年以降」に国に変更申請したことについて、県幹部の前で興奮気味に語った。居合わせた幹部は「目的が工事の環境影響の最小化ではなく、開業を遅らせ、自らの主張をJRに認めさせることにすり替わっている」と疑念を抱いた。 17年10月の記者会見で「堪忍袋の緒が切れた」と息巻き、JRとの対決姿勢を鮮明にした川勝知事。現在も続く協議の中で、導水路トンネルや「田代ダム取水抑制案」を通じ、トンネル工事湧水全量を大井川に戻す方策をJRから引
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報道陣殺到も川勝知事公務淡々 面会や行事、再調整急ぐ 県職員“厳戒態勢”
2日に辞意表明した川勝平太知事は3日以降も公務を淡々とこなしている。ただ、静岡県は知事が参加するイベントや面会を予定通りに実施するかどうか、主催者や訪問者側の意向を改めて確認する異例の対応に追われている。知事戦略局などによると、5日までにイベント参加や面会が中止されたケースはなかったが、来週以降はキャンセルの発生など公務に影響が出る可能性もある。 川勝知事は5日、浜松市中区で行われた静岡文化芸術大・大学院の入学式や、静岡県庁での3件の表敬訪問に臨んだ。知事の「不適切な発言」が批判の的になる中、どの公務にも発言をチェックするために7、8社の報道陣が駆け付けた。静岡県は複数の広聴広報課職員を立
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海上自衛隊初、女性の航空隊司令 浜松出身・川合さん着任
山口県下関市の海上自衛隊小月航空基地で5日、主に固定翼機のパイロットを訓練する第201教育航空隊司令に川合文子1等海佐が着任した。航空機を運用する海自の部隊で女性が司令となるのは初めて。川合1佐は記者会見で「(同基地は)パイロットの訓練をスタートした場所。当時を思い出しながら教育に当たっていきたい」と抱負を語った。 会見に先立つ着任式では出席した隊員約200人に対し「第201教育航空隊は搭乗員の入り口教育という重要な責務を負っている」とし「精強な搭乗員となるよう、それぞれの本分を尽くしてもらいたい」と訓示した。 浜松市出身。2018年に那覇航空基地で第5航空隊副長、厚木航空基地で第51航
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通学時間、科目選択は自由 フレックス制高校「ふじのくに国際」島田に開校、初の入学式
通学時間帯や科目選択の自由度が高いフレックスハイスクール「静岡県立ふじのくに国際高」の開校・入学式が5日、島田市金谷根岸町の同校で開かれた。志太榛原、小笠地区などから92人が入学し、新たな一歩を踏み出した。 池上重弘県教育長が開校あいさつで「自分の時間を有効に活用して興味のあることに積極的にチャレンジして」と述べた。眺野大輔校長は、同高が教育の軸と位置付ける総合的な探究の時間「クロスボーダー(越境)」を紹介。「教科や常識の枠を超え、自分の可能性を切り開いてほしい」とエールを送った。 海外への進学を視野に入れ、独自の英語学習の時間をつくりやすい点に魅力を感じて入学したという袴田英昌さん(1
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大自在(4月6日)スイス
日本がスイスと国交を樹立して今年で160年を迎えた。200年以上前から永世中立国の看板を掲げている友好国に好印象を抱いている人は多いのではないか。アルプスの少女ハイジ、高級時計、数多くの国際機関の拠点-。思い浮かべるものは人それぞれだろう。 国連機関が国民生活の豊かさを示す目安として発表している「人間開発指数」の最新の世界ランキング1位はスイスである。指数は所得や平均余命、就学状況を組み合わせて算出する。国民の満足度は高いに違いない。 スイスは国民皆兵の国であり、武器輸出国でもある。日本との交流は江戸末期に修好通商条約を締結したのが出発点。当時、日本には時計とともに武器も輸出していたとい
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社説(4月6日)保護司の確保 若返り進む制度改革を
罪を犯した人や非行少年の立ち直りを支える保護司の減少を受けて、制度の見直しを議論している法務省の有識者検討会は、新任時の年齢上限の撤廃や公募制の試行などを盛り込んだ中間報告を取りまとめた。ボランティアで活動している保護司に報酬制を導入する適否も検討する。年内に最終報告書をまとめる方針で、政府は来年の保護司法改正を目指す。 保護司は政府が対策に力を注ぐ再犯防止に欠かせない存在だ。しかし、保護司は減り続け、高齢化が進んでいる。担い手の確保は重要な課題で、持続可能な制度にするためには、若返りを図る改革が求められる。 保護司は刑務所や少年院を出た保護観察中の人などと定期的に面会し、生活上の助言や
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JA静岡青壮年連「承服できず」 川勝知事の発言受け中央会も声明へ
静岡県内の若手農家を中心とするJA静岡青壮年連盟は5日、川勝平太知事の農業従事者を差別するような発言に対し、「農業が頭脳・知性に欠ける者の就く職業であるかのようにも受け取られ、到底承服できない」とする声明を発表した。JA静岡中央会の鈴木政成会長も9日、県庁で川勝知事の発言に対する声明文を提出する方針。 同連盟は声明で「JA青壮年部盟友のみならず、さまざまな方面から怒りや失望の声が寄せられている」と指摘。農作物の栽培管理や家畜の世話、販売にかかる経営管理について「内外からの学びを生かし、日々習熟し、知恵を絞って取り組んでいる」と反発した。一方で農作物の安定供給における県政の支援は不可欠とし、
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浜松移住の塩見さん夫妻、蜂蜜作りに奮闘 人類最古の醸造酒、ミード企画も
静岡県外から浜松市天竜区に移住した夫婦が蜂蜜作りや販売に奮闘している。山中での養蜂から製造を一貫して担い、「養紡屋」のブランドを立ち上げた。人類最古の醸造酒とされる蜂蜜酒(ミード)の企画にも取り組むなど、多面的に魅力を発信している。 神奈川県出身の塩見亮太さん(38)は20代の頃、酒造りを目指す過程でミードに関心を持った。各地の生産者や専門家を訪ねてミツバチの育成法を学び、2012年ごろから浜松市内に採蜜場を設けて養蜂業を始めた。抗生物質不使用、非加熱で作る蜂蜜の種類はミカンやハゼノキ、サクラなどさまざまだ。19年に結婚した未紗さん(39)=愛知県出身=と共に販路開拓を進め、22年に天竜
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【浜松まつり】法被や凧を飾り付け 浜松いわた信金上新屋支店
浜松市中央区茄子町と上新屋町の凧(たこ)揚げ会は4日、浜松まつり(5月3~5日)の機運盛り上げへ、自町の法被などを地元の浜松いわた信用金庫上新屋支店に展示した。 支店には両町関係者が訪れ、支店内のSDGs(持続可能な開発目標)に関連した展示スペースに、「茄」「上」の文字の半帖凧や手ぬぐい、ちょうちん、法被を飾り付けた。 茄子町「茄組」の笠原宗弘組長は「組の40周年の年。子どもたちの思い出に残る凧揚げにしたい」と抱負を述べた。上新屋町「上組」の袴田和洋組長は「5年ぶりのフル開催。伝統継承も含めてまつりを盛り上げたい」と意気込んだ。 展示は5月上旬まで。
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川勝知事差別発言 坂本農相が「憤り」
坂本哲志農相は5日の閣議後記者会見で、川勝平太知事による職業差別とも捉えられかねない発言について「農村地域に生まれ育ち、農業の現場における創意工夫を見てきた一人の政治家として、憤りを感じざるを得ない」と述べた。 発言は「地域の経済や、コミュニティーを支える農業者の皆さまにとって残念」と強調した。行政について「現場と価値観や将来構想を共有した上で、これからの日本の農林水産業をつくり上げていくものだ」とも話した。 川勝氏は1日、県の新規採用職員への訓示で「野菜を売ったり、牛の世話をしたり、ものをつくったりとかと違い、皆さまは頭脳、知性の高い人たち」と発言。2日に辞職の意向を表明した。
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地域おこし協力隊 過去最多の7200人 23年度、静岡県128人 地方移住に高い関心
過疎地などに移住して活性化に取り組む「地域おこし協力隊」は、2023年度の隊員数が前年度より753人増え、過去最多の7200人だった。新型コロナウイルス禍が落ち着いても、地方移住への関心の高まりが続いているほか、制度の知名度向上が追い風となった。任期を終えた隊員の64・9%は赴任先か周辺に定住し、人口減少の抑制に貢献している。総務省が5日発表した。 総務省は24年度、受け入れ自治体の拡大を狙い、効果的な募集方法などを伝えるアドバイザーを増員する。26年度までに隊員1万人との目標達成には、活動先を増やす必要があると判断した。地域になじめず途中退任する隊員を減らすため、悩み相談などのサポートも
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松崎と東京結ぶ高速ジェット船、6月臨時運航 東海汽船
松崎町と東海汽船(東京都)は5日、松崎と東京を結ぶ高速ジェット船の直航便を6月15、16の両日に運航すると発表した。誘客や地域経済活性化の可能性を探るため、松崎新港ー東京港竹芝桟橋間を臨時運航する。同社が伊豆半島と東京を結ぶ直航便を運航するのは今回が初めて。 同社によると、船は全没翼型水中翼船「ジェットフォイル」で、片道約210キロを2時間40分で結ぶ。松崎を訪れる観光客向けのツアーも企画する。記者会見が町役場で開かれ、深沢準弥町長は「松崎は海運で栄えた歴史がある。鉄道がないので海路には期待している」と述べた。 4月下旬に予約受け付けを開始する。募集定員200人。大人1万3800円、子ど
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岸田首相、責任は「国民判断」 野党、不信任案を視野に攻勢【裏金事件】
岸田文雄首相は5日の衆院内閣委員会で、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に関係した議員ら39人の処分を巡り「党総裁として信頼回復に責任を果たす。最終的に国民、党員に判断していただく立場だ」と述べた。衆院解散や秋の党総裁選を意図したとの指摘は否定した。野党は処分が甘いとして内閣不信任案を視野に攻勢を強めた。離党勧告処分を受けた安倍派の塩谷立氏(衆院比例東海)は異議を唱え、再審査請求を検討すると表明した。 首相が訪米から帰国後の16日には衆院3補欠選挙が告示される。裏金事件は引き続き国会で最大の論点となりそうだ。 首相は内閣委で、議員処分を踏まえ「政治資金規正法改正を今国会で実現し、政治
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なくなる学校。地域にできることは?① 静岡市の事例から【賛否万論】
少子化が進み、県内でも中山間地を中心に小中学校の統廃合が加速しています。小規模な学校は個別対応がしやすいなどメリットもありますが、一定規模を下回ると集団教育が難しいなどデメリットが大きくなるとされ、統廃合は避けられない状況になりつつあります。一方で学校がなくなると地域が衰退する懸念は住民に根強くあります。今週から、少子化の中で学校と地域はどうあるべきかをテーマとして取り上げます。初回は学校統廃合が進む静岡市の藁科川上流域の事例を基に地域住民の葛藤と本音を紹介します。(社会部・大橋弘典) <メモ>静岡市教委によると、2024年4月に旧清沢小、旧水見色小を中藁科小に統合したのは第1段階。第2段
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大自在(4月5日)芹沢と大岡 魂の交差
静岡市本通の呉服商の次男として生まれた染色家芹沢銈介は40年前の4月5日、88歳で世を去った。今週火曜から市立芹沢銈介美術館で始まった企画展は、彼の「画家」としての素地を見つめる。草花のスケッチや板絵の数々からは「世界を写し取りたい」という根源的な欲望が伝わる。 同じ4月5日が命日の詩人大岡信(1931~2017年)は三島市出身。芹沢とは親子ほどの年齢の開きがあるが、ともに本県出身の世界的表現者として知られる。フランス政府から芸術文化勲章(オフィシエ)を授かっているのも共通点だ。 盛期の活動の場が離れていた2人の、希少な〝接点〟が芹沢美術館に残る。夭折[ようせつ]した歌人中村三郎の「降る
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社説(4月5日)自民党の裏金処分 いまだ真相解明できず
自民党は派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、党紀委員会を開き、事件に関係した安倍派と二階派の所属議員39人の処分を決定した。 安倍派元座長の塩谷立元文部科学相(衆院比例東海)と参院の同派トップだった世耕弘成前参院幹事長を、党の規約に定めた8段階の処分のうち2番目に重い離党勧告とし、ほかの議員には3番目に重い党員資格停止や6番目の党役職停止などを科した。 党総裁の岸田文雄首相に、一部議員の反発を買ってでも処分を断行することで国民に政治改革をアピールし、政権や党への逆風を弱めたい思惑があるのは間違いない。だが、多くの国民はこの処分に納得がいかないだろう。処分の前提となるべき事件の真相解
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「春の女神」ギフチョウ ひらひらと 浜松・渋川の保護区で命つなぐ【動画あり】
春の陽気に包まれる山道をひらひらと舞う小さなアゲハチョウ。浜松市浜名区引佐町渋川の枯山で「春の女神」ギフチョウが命をつないでいる。 2日は、風も弱く午前中から気温が上がったこともあり動きが活発で、10頭ほどが山道に数輪咲くカタクリやスミレの花の蜜を吸ったり、縄張りを争って追いかけあったりする様子が見られた。 日本の固有種でアゲハチョウ科に属し、羽を広げた大きさは約5~6センチ。黒と黄色のしま模様で、後翅(こうし)にオレンジ、青、赤色の模様があるのが特徴。春いちばんに羽化することから「スプリング・エフェメラル(春のはかない命)」と呼ばれている。 同所は静岡県内に残された貴重な生息地で、市
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希少植物“お引っ越し” 売却の防風林用地から浜松の北欧タウンに 地元建設会社が協力
浜松市浜名区の都田建設はこのほど、同社が運営する同区都田町の北欧タウン「ドロフィーズキャンパス」で希少植物の移植活動を行った。同市中央区で植物地帯の保全に取り組むNPO法人縄文未来(同区)が植物の移植先を探しており、同社が協力を申し出た。 同区三幸町の防風林用地の一角にある植物地帯には20種類以上の日本固有種が自生し、地元団体やNPOが土地所有者の許可を得て保全活動を続けてきた。しかし、開発を目的とした土地の売却が決まり、3月末までに植物を移植する必要に迫られていた。 移植活動はドロフィーズカフェ北側の約45平方メートルの土地で行われた。同社の社員や近隣住民、NPOのメンバーら13人がス
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熱川照らす台湾提灯 「被災地支援に関心を」 東伊豆温泉街、観光地の九份再現
東伊豆町の温泉街、熱川地区で台湾の観光地を模した景観づくりが進んでいる。地形に共通性があり、世界的にも知られる九份(きゅうふん)を模し、現地と同じ「台湾提灯(ちょうちん)」を常設した。6日からの本格的な点灯開始を前に台湾で大きな地震が発生し、関係者は「来訪者に現地の支援に関心を持ってもらうきっかけにしたい」と願いを込める。 1日夜の伊豆急行伊豆熱川駅前。関係者が提灯の点灯状況を最終確認していた。「赤い光が幻想的でしょう。日本にいながら台湾の雰囲気が味わえる」と語るのは、熱川温泉旅館組合の池田亮馬さん(33)。地区内に約800個の明かりをともす。地域一帯で海外の特定地域に着想を得た町おこしは
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静岡県内の公立小中学校 過去10年に50校閉校 中山間地で加速、今後は市街地にも
児童生徒数の減少に伴い、過去10年間に閉校した静岡県内の公立小中学校が50校に上ることが4日までの静岡新聞社の独自集計で分かった。子どもの数に応じた教育効果を考えて適正な規模に学校を統廃合する動きが中山間地を中心に進んだ。一方で小中学校は住民のつながりを生み出す機能もあり、学校のなくなった地域はコミュニティーの維持が課題になっている。県内の少子化は中山間地に限らず進んでいて、学校統廃合の動きは今後10年間で市街地に波及する見通しだ。 県教委と静岡、浜松両市教委に取材し、2014~23年度末の小中学校の閉校数を取りまとめた。13年度末までの10年間に統廃合された小中学校は37校だったのに対し
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緊急連載【衝撃 知事辞意表明㊥】分断と残る課題 行き詰まった「川勝流」
「けじめをつけなくてはいけない」。新規採用職員への訓示での「職業差別」と受け取られる発言が報道された2日、長く川勝平太知事を支えてきたベテラン県議は知事に電話し、非を認めるよう促した。知事は「誤解だ」となおもかたくなだった。「もう守りきれない」。4期15年を経てすっかり四面楚歌(そか)になった知事に渡された身内からの「引導」だった。決断への影響は不明だが知事はこの1時間後、突如として報道陣に辞意を表明した。 2009年に初当選するや、“学者知事”の型破りな言動は県民に大きな共感と戸惑いをもたらした。歯にきぬ着せぬ物言いで国や大企業に対峙(たいじ)する政治姿勢は「川勝
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浜名湖花博ガーデンパーク会場、6日オープン 印象派庭園やデジタルアート見どころ
「浜名湖花博2024」(浜名湖花博20周年記念事業実行委員会主催)の浜名湖ガーデンパーク会場(浜松市中央区)が6日にオープンする。報道陣向けの内覧会が4日、同会場で開かれ、著名デザイナーが新たに監修した庭園や最新のデジタル技術を駆使したアトラクションを公開した。 広さ56万平方メートルの園内は、花博に合わせて11の庭園を一新。春はネモフィラやチューリップ、初夏はヒマワリ、バラなど、季節の移ろいとともに多彩な花を観賞でき、1600種の花々に囲まれた印象派庭園「花美の庭」では、絵画の中にいるような美しく調和した植物の魅力を堪能できる。 先端技術を活用したアトラクションも見どころで、没入体験型
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リニア完工、静岡工区以外も2027年以降 JR東海初めて認める 山梨県駅完成は31年
JR東海は4日、静岡市葵区の静岡支社で開いた記者会見で、リニア中央新幹線品川ー名古屋間の建設工事について、山梨県駅(仮称、甲府市)など2カ所の工事で2031年の完了を見込み、当初開業を予定していた27年を超える工期を初めて設定したと明らかにした。同社は3月、静岡工区のトンネル工事で着手の見込みが立たないことを理由に27年の開業断念を表明したが、「開業の遅れに直結するのは静岡工区のみ」との考えについては維持した。 リニア工事の今後の主な発注見通し3件を公表し、このうち山梨県駅新設で約6年8カ月、長野県飯田市の座光寺高架橋新設で約5年10カ月の工期をそれぞれ設定した。24年度に工事契約を結び、
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2024年春「ゆるキャン△」オープニング曲 浜松でPV全編撮影 自然や名所、次々登場
浜松市が登場し、4月からSBSテレビで放送が始まる人気アニメ「ゆるキャン△」の新シーズン。オープニングテーマ曲は音楽ユニット「キミのね」の「レイドバックジャーニー」で、プロモーションビデオ(PV)は浜松市や浜名湖周辺で全編撮影された。市内の広大な自然や名所が次々と登場するため、市は「作品を通じて世界中の人に浜松の魅力を知ってほしい」と期待を寄せている。 市観光・シティプロモーション課によると、PVは市がロケ地支援を行って撮影された。出演は7人組アイドル「キャンディー・チューン」。心地よいサウンドに合わせ、アニメに登場する弁天島海浜公園や渚園キャンプ場のほか、浜名湖体験学習施設「ウォット」や
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ちゃんちゃらおかし「大瀬まつり」 豊漁祈願の勇み踊り、沼津で漁船集結
駿河湾に春の訪れを告げる「大瀬まつり」が4日、沼津市の大瀬崎にある大瀬神社で開かれた。市内各地の漁港から大漁旗や紅白幕で華やかに飾った漁船「踊り船」が集まり、豊漁と航海の安全を祈願した。 早朝まで降っていた雨がやみ、神社近くには多くの見物客が訪れた。海上の踊り船では長じゅばんをまとい、顔を白く化粧した青年や子どもたちが「勇み踊り」を披露。「ちゃんちゃらおかし、ちゃらおかし」という独特なかけ声に合わせて扇を手に踊った。踊りに加わった同市西浦江梨の小林龍征君(11)は「船の上でみんなと踊るのが楽しかった」と笑顔を見せた。 飛龍高の和太鼓部や、沼津市立高と中等部のバトン部も演舞を披露し、会場を
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あの作品のロケ地は…! 浜松市が紹介マップ作成 「ゴジラ-1・0」など70カ所
浜松市は市内で撮影された映画やドラマなどの作品とロケ地を紹介する「はままつロケ地マップ2024」を作成した。遠州灘や浜名湖で撮影し、米アカデミー賞を受賞した映画「ゴジラ-1・0(マイナスワン)」など最新作を盛り込み、厳選したロケ地70カ所を紹介している。浜松の魅力を発信し、聖地巡礼などの観光振興にもつなげる。 マップはA4判6ページで3万部作成した。ドラマ「VIVANT」や公開中の映画「変な家」が撮影された青谷鍾乳洞、映画「次元大介」をはじめ多くの作品に使われる中田島砂丘、同市がモデル地のアニメ「夢見る男子は現実主義者」に登場するアクト通りなどを取り上げた。ウナギや浜松ギョーザなどのグルメ
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「子育ての町」長泉 出生率に陰り 地価上昇で転出増、ハードとソフト両面で事業拡充
「子育ての町」のイメージを打ち出している長泉町で近年、1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」と出生数が、ともに減少傾向にある。国や静岡県との比較では依然高水準だが、2023年度からハードとソフトの両面で事業を拡充し、24年度は新たな施策を採用。「長泉方式」と呼ばれる独自策を充実させる。 県によると、22年の合計特殊出生率は全国1・26に対し、県1・33。町の独自調査では、12年の1・99から減少傾向が続き、22年には1・54と歯止めがかかる兆候はみられない。出生数も21年に1998年以来の400人割れをしてからは減少の一途だ。 町は、他市町に先駆けて実施した幼児教育・保
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大自在(4月4日)打吹公園の桜
遅れていた桜の開花情報も、4月に入ってようやく活発になってきた。遅咲きの桜といえば、大相撲の第53代横綱琴桜。度重なるけがを乗り越え、32歳で最高位に上り詰めた。 出身は鳥取県倉吉市。勧誘に来た佐渡ケ嶽部屋の師匠が、同市の打吹[うつぶき]公園の桜に「こんなにきれいなのは見たことがない」と感激したという。しこ名の由来が「横綱」(武田葉月著、講談社)にある。打吹公園は日本さくらの会が選定する「さくら名所100選」。圧巻の4千本は山陰随一と言われる。 園内に相撲広場もあり、琴桜の名を冠した相撲大会「桜ずもう」が毎年行われる。小学生の時、この大会で相撲を始めたのが落合哲也さん。十両の伯桜鵬。伯耆
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コラム窓辺 「推し本」で自己紹介(中田健児/静岡少年鑑別所・法務少年支援センター静岡所長)
「アンジュール ある犬の物語」という絵本をご存じですか。著者はベルギー出身の女性、ガブリエル・バンサン。初版は1986年で私の愛蔵本は2001年第39刷。今も書店で購入可能な超ロングセラーです。この本にはせりふや説明は一切ありません。鉛筆デッサン画のみです。ただ、その画力、筆力が圧倒的で、一度読んだら忘れられない絵本です。 物語は、車の窓から犬が投げ捨てられるシーンで始まります。犬は必死で車を追いかけるのですが、道に迷い、疲れ切り―。ふとしたことから道路に飛び出し、よけようとした車同士がぶつかる交通事故を引き起こしてしまいます。思いがけない展開に混乱し、おびえ、打ちひしがれる犬の姿には、読
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社説(4月4日)浜名湖花博 周遊観光定着の弾みに
「浜名湖花博2024」が浜松市中央区のはままつフラワーパークで開幕した。6日には、もう一つの会場である同区の浜名湖ガーデンパークでもスタートする。集客力の高い花と緑の祭典を機に、環浜名湖の魅力を発信し、周辺エリア一帯の観光振興に結びつけたい。 04年の「しずおか国際園芸博覧会(浜名湖花博)」の20周年記念事業として静岡県などでつくる実行委が主催する。「人・自然・テクノロジーの架け橋」をテーマに6月中旬まで、季節の美しい花や庭園、関連したデジタルアートなどの最新技術を披露する。花き産業が盛んな本県産の美しい花や庭、風景を広くアピールしてほしい。 期間中は両会場だけでなく、近隣の湖西市で世界
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春の風物詩「静岡まつり」5日開幕 駿府城下町を再現 6、7日に市中心部交通規制
徳川家康の大御所時代の城下町を再現する静岡市の春の風物詩「第68回静岡まつり」(実行委員会主催)が5~7日、市中心街で開かれる。5日の前夜祭を皮切りに、メイン行事の「大御所花見行列」や市民参加の総踊り「夜桜乱舞」など多彩な催しを繰り広げる。 花見行列は6日午後2時15分と7日午後3時15分に葵区の駿府城公園東御門を出発し、市街を練り歩く。6日は音楽グループ「DA PUMP」のISSAさん、7日は俳優宍戸開さんがそれぞれ大御所役を務める。雨天で中止となった場合は、市役所静岡庁舎で大御所のお披露目会を行う。 葵区の御幸通りが主会場となる夜桜乱舞は、6日は午後5時~7時50分、7日は午後2時2
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【川勝知事辞意表明】6月議会で辞職ならボーナスは満額320万円
川勝平太知事は3日の記者会見で、6月19日開会が予定される静岡県議会6月定例会で辞職する方針を示した。同日をもっての辞職が実現した場合、現在の規定では320万6965円の夏のボーナス(期末手当)が満額支給される。「コシヒカリ発言」を巡るペナルティーで2023年12月のボーナスを返上したこともある川勝知事の対応が注目される。 静岡県人事課によると、夏期ボーナスの支給は6月1日が基準日となり、基準日に在職の場合は、23年12月2日から6カ月分が支給される。基準日の1カ月前に当たる5月中に辞職した場合は8割支給となり、5月1日より前に辞職すると受給資格を失う。 会見で知事はボーナス受け取りの意
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【自民・塩谷氏離党勧告】衆院選静岡8区、無所属なら苦戦必至 前回比例復活、関係者「影響見えない」
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、党から離党勧告を受けた塩谷立氏(衆院比例東海)。次期衆院選への態度は明言していないが、無所属での立候補となれば、前回選は比例復活で勝ち上がっただけに、政党支援のない厳しい戦いを強いられる。 前回2021年衆院選の静岡8区で立憲民主党の源馬謙太郎氏(51)に約2万3800票差で敗れたが、比例復活で議席を守った。無所属で戦う選択肢を取った場合、国政に残るには選挙区勝利が必至となる。 離党すると政党からの選挙資金の供給は途絶え、ビラやポスターの作成といった選挙運動にかかる費用の工面は厳しくなる。さらに、関係者は「自民党という『看板の力』が使えない影響が
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【全文】記者質問・川勝平太知事の辞意表明会見(4月3日)
幹事社Q:辞職を決断した理由は、自身の発言のことが理由となっているよりも、リニアの問題に区切りがついたということが大きかったのですか。辞職決断までの経緯は。 A:辞職の理由は今申し上げたとおりでございますけれども、理由は2つです。やはり私の不十分な言葉遣いによって人の心に傷をつけたということですね。これはやはり大きいです。これは意図せざる形で人が傷ついていると。皆さんのご指摘、県議会の方々、県民の方々のご指摘によって知ったのでですね、これは言われて初めて気がついたってことですから反省するべきだと。そしてそれが繰り返されていることもありまして、 これは1つの大きな辞任の理由です。 しかし、これ自
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リニア延期が理由、6月静岡県議会開会日に辞職 川勝知事、中沢議長らに説明
川勝平太知事は辞職表明から一夜明けた3日、静岡県議会の中沢公彦議長らと県庁で面会した。中沢議長が面会後に取材に応じ、川勝知事の辞職理由について「『リニア中央新幹線の2027年開業断念をJR東海が正式に表明したことで自分の役割を終えた』との説明を受けた」と明かした。県議会6月定例会の開会日(6月19日予定)に辞職する意向も示したという。 面会は非公開で行われた。中沢議長は「職業差別ととられる発言への責任についての話は全くなかった」とし「27年開通断念がなぜ任期途中の辞任理由になるのか。知事の嫌がらせが静岡県に与えた影響をほったらかしにした。極めて無責任」と批判した。突然の辞意表明に対しては「
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【写真特集】辞職表明から一夜明け 川勝知事の様子
2日に辞職表明した川勝平太知事は3日午前、静岡市葵区の知事公舎前で記者団の問いかけに「午後3時半に記者会見します」とだけ述べ、公用車に乗り込んだ。午後の会見では、新規採用職員への訓示での発言を謝罪し、辞職すると正式に表明した。3日の知事の様子について写真で迫った。(写真部・堀池和朗) 【記者会見】 記者会見する川勝平太静岡県知事=3日午後、静岡市葵区の県庁 記者会見で謝罪する川勝平太静岡県知事=3日午後、静岡市葵区の県庁 会見を終え、会場を後にする川勝平太静岡県知事(手前左)=3日午後、静岡市葵区の県庁 記者会見
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【全文】川勝平太知事の新規採用職員への訓示(4月1日)
4月1日の川勝平太知事による新規採用職員への訓示全文は次の通り。 静岡県知事の川勝平太でございます。このたび、令和6年4月1日をもって、静岡県庁の職員として職を選んでいただきありがとうございました。静岡県庁職員5800人くらいいるんですけれども、県庁職員全てを代表いたしまして、心からご歓迎を申し上げたいと思います。 難関だったんじゃないですか。そうでもないですか。聞くところによると、県庁の職員になるには、かなり高度な試験をマスターしなければならないと聞いていますので、こういった形で同期になられた方は、233名であります。そして、今日、本庁に配属になった方が77名いらっしゃると、残り156
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職業差別発言「いかがなものか」 中野浜松市長が批判、知事辞職表明受け
川勝平太知事が6月の静岡県議会で辞職する意向を表明したことを受けて、浜松市の中野祐介市長は3日、市役所で報道陣の取材に応じ「突然の話だったので大変驚いている。辞職に至った経緯や思いを説明いただく機会を期待したい」と述べた。辞任の引き金となった、職業差別とも受け止められかねない発言については「意図はなかったという思いだろうが、知事ともなると、どう受け取られるのかまで考えないといけない。優劣で語れないものを評価するのはいかがなものか」と批判した。 川勝県政については「最後の仕事まで見極めた上で評価すべき」とした上で、「長い間、県民の支持、人気が高く推移したという点では、静岡県の顔としての職責を
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知事辞職表明、リニアへの影響「極めて大きい」 難波静岡市長、自身の知事選出馬は否定
静岡市の難波喬司市長は3日、川勝平太知事が任期途中の辞職意向を表明したことを受けて市役所静岡庁舎で取材に応じた。環境への影響を懸念して静岡県内での着工を認めてこなかったリニア中央新幹線トンネル工事への影響について「極めて大きい」と述べ、知事の職業差別ともとれる発言については「これまで聞いたことがないレベルの不適切な発言」と問題視した。 難波市長は、川勝知事が「この職を辞そうと思っている」と述べたことから、「まだ正式に表明したわけではない」との認識を示し、辞職への直接的な言及は避けた。次期知事選への出馬については「市長になってまだ1年。全く考えていない」とし、周囲から求めるような声も届いてい
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中堅・中小設備投資6.5%増 24年度計画 非製造業が伸長
静岡経済研究所が発表した静岡県内中堅・中小企業設備投資計画調査は、回答した336社の2024年度計画額が23年度実績見込み比6・5%増の873億6200万円だった。社会経済活動再開の影響が反映された23年度の高水準を維持した。物流の停滞が懸念される「24年問題」への備えが活発な非製造業の伸び率がとりわけ高かった。 非製造業の計画額は14・8%増の510億7700万円。運輸・倉庫業が21・6%増加し、全体の5割近くを占め、建設業も47・5%増えた。いずれも24年問題に向け新倉庫を建設したり、業務を効率化したりする対応が数字に表れた。一方で電気・ガス業は42・6%減となった。 製造業は3・3
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⚽清水が生んだ20歳のストライカー 千葉寛汰 アイスタ主役 ゴールでつかむ【しずスポ】
J2清水の若きストライカーが得点に強いこだわりを見せている。下部組織出身のFW千葉寛汰(20)はレンタル移籍から今季復帰した。「自分が育った一番好きなクラブで試合に出られる喜びを感じている。とにかくゴールだけを目指し、結果で示す」と貪欲に得点を狙い続ける。 「悔しい」。 今季ホーム開幕戦となった3月2日の愛媛戦。1万5千人以上の観客が詰めかけ、主将の北川航也(27)の2得点で完封勝利を収めて熱狂の渦に包まれたスタジアムの様子を、メンバー入りがかなわなかった千葉はスタンドから見ていた。「このピッチに立って主役になれたらどれだけ気持ちいいんだろう」 清水のジュニアユース、ユースで育った生
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辞職表明の川勝知事 4月3日 臨時会見全編【SBSnews6 収録映像】
2日に辞職を表明した静岡県の川勝平太知事は3日午後、県庁で臨時会見を行った。
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川勝知事、きょう午後記者会見へ 辞職の真意説明
静岡県は3日、川勝平太知事が同日午後3時半から県庁で記者会見すると発表した。2日に表明した辞職の真意などについて説明するとみられる。 川勝知事は3日午前、知事公舎前で記者団の問いかけに「午後3時半に記者会見します」とだけ述べ、公用車に乗り込んだ。県庁到着後は染谷絹代島田市長と面会するなど公務をこなした。県議会各会派の代表とも面会する見通し。 県議会最大会派の自民改革会議は同日午後に緊急役員会を開き、今後の対応を協議する。 川勝知事は1日、静岡県の新規採用職員への訓示で「県庁はシンクタンク。野菜を売ったり、牛の世話をしたり、ものをつくったりとかと違い、皆さまは頭脳、知性が高い人たち」と発
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川勝知事が辞意、突然の表明「6月議会をもって」 職業差別発言批判受け
川勝平太静岡県知事は2日、県庁で報道陣の取材に「6月議会をもってこの職を辞そうと思っている」と述べ、4期目の任期を約1年3カ月残して辞職する意向を示した。川勝知事は前日、新規採用職員への訓示で「県庁はシンクタンク。野菜を売るのとは違う」などと発言し、職業差別との批判が殺到していた。環境への影響を懸念して静岡工区の着工を認めてこなかったリニア中央新幹線工事にも影響する可能性がある。 ▶関連記事 2日の辞意表明の要旨 川勝知事は1日の訓示で「毎日毎日野菜を売ったり、牛の世話をしたりとか、ものを作ったりとかということと違って、基本的に皆さま方は頭脳、知性の高い方たち。それを磨く必要がある」
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静岡県庁に激震、混乱 幹部「全く聞いてなかった」【川勝知事辞職表明】
「まさかこのタイミングとは」。約15年間、県政トップを務めた川勝平太知事の突然の辞職表明。2日夕に起きた予期しない展開に県庁には激震が走った。幹部職員は3日以降の対応を巡り、夜まで長時間の協議が行われた。幹部の1人は「3日に知事の真意を確認する。今後の見通しが立たず、県政の混乱は避けられそうにない」と話した。 職員訓示の内容が2日に「職業差別」と報じられると、SNSでの批判が巻き起こり、電話やメールで県庁には430件(同日午後5時現在)の批判が寄せられた。県職員は過去の「コシヒカリ発言」や給与未返上問題などをはるかに上回る苦情への対応に追われた。 知事は2日午前の時点では報道からの取材要
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「度を超えている」静岡県民不信、辞職「当然」【川勝知事辞職表明】
静岡県の川勝平太知事が2日、新規採用職員への訓示で職業差別とも受け止められかねない発言をして批判を受けた末に、辞職する意向を明らかにした。これまでも特定の個人や地域をおとしめるような失言を重ねては反省の弁を繰り返してきたが、ついに舌禍が辞職へと追い込んだ。県民からは「(辞職は)当然だ」「度を超えている」など知事の言動に対して非難の声が上がった。 この春に企業に就職した静岡市駿河区の高遠悠李さん(22)は「今までも不適切発言があったので辞職は仕方ないと感じる。もし自分の入社式でこの発言があったら、会社への不信感につながっていたと思う」と厳しい目を向けた。同区の会社員神谷歩花さん(23)も「今
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静岡知事選、戦略見直し必至 自民/候補擁立加速も支持低迷 野党/足並みそろうか見通せず【川勝知事辞職表明】
川勝平太静岡県知事の辞職表明により、焦点は次期知事選に移る。長年対立してきた自民党県連は候補者擁立を加速させる。ただ、派閥パーティーの裏金問題を巡って支持率が低迷している実情もあり、「自民色」を前面に出さない選挙戦略を描く。野党は川勝知事と比較的良好な関係を築いてきたとされ、候補者擁立はこれから。各党の足並みがそろうかどうかも見通せない。 自民は知事選で不戦敗を含めて川勝知事に4連敗中と苦杯をなめ、打倒川勝に並々ならぬ決意を見せてきた。昨年5月の県連大会では早期に知事選の対応を協議する方針を打ち出し、本県選出の国会議員や幹事長経験のあるベテラン県議らによる会合を二度にわたり開催。3月下旬の
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清水港のイルカに赤ちゃん! 専門家「人工的環境で繁殖はレア」【動画あり】
2020年6月から清水港内にすみ着いているミナミバンドウイルカの群れに、繁殖が確認されたことが2日までに分かった。体長1メートル弱の赤ちゃんイルカ1頭は生後1カ月以内とみられ、大人のイルカ5頭に寄り添われながら遊覧船の近くまで寄ってくる様子が観察できる。専門家は「人工的な環境で繁殖が行われたレアケース」と指摘する。 富士山清水港クルーズによると、最初に確認できたのは3月31日午前の「イルカウオッチングクルーズツアー」。1日4回の定期便以外の特別便で乗客80人が乗っていた。2回目は4月2日午後の定期便。いずれも目撃した同社営業部の鈴木佳奈子さん(24)は「いつにも増して皆で固まって泳いでいた
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大自在(4月3日)あほうかしこ
正月も15日、言われて鏡餅を神棚から下ろした駆け出し落語家が師匠に問うた。「お餅にどうしてカビが生えるんでしょうか」「ばかやろう、早く食わねえからだ」。 餅のカビは見れば気付く。「紅こうじ」サプリメントから青カビ由来の「プベルル酸」が検出されたと発表があった。小林製薬は分かってからも当初は「未知の成分」としか言わなかった。健康被害が相次ぐ腎臓への影響は不明というが、情報開示の不手際はサプリ市場全体に不信が広がりかねない。 冒頭のやり取りの下っ端は林家木久扇さん。師匠は、後に彦六と改名した八代目林家正蔵(1982年没)。「新・彦六伝」をCDで聴いた。 木久扇さんは「笑点」を先の日曜の放送
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社説(4月3日)川勝知事突然辞意 無責任のそしり免れず
静岡県民の負託の重さを理解しているとは、到底思えない引き際だ。2009年の初当選以来、約15年にわたって県政のかじ取りをしてきた川勝平太知事が2日、「6月の議会(県議会6月定例会)をもって職を辞そうと思っている」と突然の辞意表明をした。4期目の任期を約1年残しての辞職となる。 突然の辞意表明は、1日の新規採用職員への訓示で職業差別と受け取れる発言をしたことを巡り報道陣の取材を受ける中でだった。ところが、県政に多大な影響を及ぼす判断であるにもかかわらず、理由を説明せずに取材対応を打ち切った。あり得ない。24年度予算が成立しているとはいえ、新年度を円滑にスタートさせなければならない重要な時期だ
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伊豆半島 風切ってバイクツーリング 尾根沿い 抜群の爽快感【しずおかアウトドアファン】
国内屈指の観光地の伊豆半島は、バイクのツーリングコースとしても人気。県内だけでなく関東圏など全国から年間を通じて数多くのライダーが訪れる。主に伊豆半島の東側を走るルートを想定し、人気のスポットを巡った。(生活報道部・草茅出) 伊豆方面へのアクセスの拠点として便利なのが、国道1号の箱根峠の交差点から県道熱海箱根峠線を少し南下した場所にある「バイカーズパラダイス南箱根」(函南町桑原)。おしゃれな内装のカフェやバイクグッズの販売コーナーをはじめ、30台ほどのバイクを用意するレンタルコーナー、電動オフロードバイクの屋外コースなどもある複合施設だ。 富士市の稲垣智也さん(22)と加藤潤一さん(
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【川勝知事辞職表明】過去の失言
ごろつき発言(2019年12月19日) 「(自民会派を念頭に)やくざの集団、ごろつきがいる」(県議会会派の予算要望の場) 女性の容姿を巡る発言(2021年6月6日) 「みんなきれいです。めちゃくちゃ顔のきれいな子はあまり賢いことを言わないとですね、なんとなく、もうきれいになる、きれいに見えないでしょ。ところが全部きれいに見える」(知事選期間中の富士市での集会で、かつて学長を務めた静岡文化芸術大の学生について) コシヒカリ発言(2021年10月23日) 「今回の補選は、静岡県の東の玄関口、人口は8万強しかないところ、その(御殿場)市長をやっていた人物(若林洋平氏)か。この80万都市、遠州
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立民・渡辺周氏に後継打診「重く受け止める」【川勝知事辞職表明】
立憲民主党の渡辺周衆院議員(比例東海)は2日、川勝平太静岡県知事が辞職意向を表明する直前に知事本人から電話を受け、事実上の後継打診を受けたと明らかにした。取材に対し、「重く受け止めてはいる。いろいろな人と話をして、結論を出したい」との考えを示した。 渡辺氏によると、知事からの連絡は同日午後5時半ごろ。知事はリニア問題に一つの区切りがついたといった趣旨の発言をした上で「私は辞めます。お世話になりました」と伝えてきたという。後継の打診について、渡辺氏は「機微に触れるのではっきりとは言えないが、それらしい話はあった」と認めた。 渡辺氏は「リニア問題などを通じて悪化している静岡県のイメージを回復
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静岡県のリニア対応「大きな転換点」 事業前進に期待と不安 JRはコメントせず【川勝知事辞職表明】
2日に辞職の意向を表明した川勝平太知事は、静岡県内でのリニア中央新幹線トンネル工事を巡り、JR東海に大井川水資源や南アルプス自然環境の保全に入念な対策を求め、応じるまでは県内での工事を認めない姿勢を貫いてきた。任期途中の辞意を示したことで、関係者の間ではリニア事業前進への期待と、今後の見通しへの不安が交錯。多くの人が「県のリニア対応の大きな転換点になる」との見方を示した。 リニア問題に関する県有識者会議専門部会委員の1人は、知事の突然の辞意表明に「次の専門部会に向けてJRと協議している最中。投げ出しと受け取られてもしょうがない」と戸惑いを口にした。「これまでの議論の継続性がある」と、県がす
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突然の表明に政界混乱 県議会「緊急事態」「停滞招く」【川勝知事辞職表明】
15年近く県政トップを務めてきた川勝平太知事が突然の辞任表明をしたことを受けて2日、静岡県内政界に衝撃が広がった。「5選に前向きだったのでは」「県政に停滞を招く」など与野党を問わず驚きの声が相次いだ。2025年の次期知事選は1年程度前倒しされる見通しとなり、選挙戦略の見直しは必至だ。リニア中央新幹線南アルプス静岡工区の工事にも影響するとの見方が出ている。 県議会も、突然の知事辞任表明に驚きの声が相次いだ。最大会派の自民改革会議の増田享大代表は取材に、「今回の発言は辞職に値するような内容だった」と断じ、知事不信任決議案の提出を視野に検討を進めていたことを明らかにした。「静岡県にとっては緊急事
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静岡県内国会議員に衝撃「発信力あだに」【川勝知事辞職表明】
川勝平太知事が辞任の意向を表明した2日、静岡県内与野党国会議員にも衝撃が広がった。 自民党県連の城内実会長(衆院静岡7区)は、引き金となった1日の職業差別ととれる発言について「非常に不適切だった」と強調し、「反響や批判を踏まえて知事自身が責任をとったと理解している」との認識を示した。一方で「これまでもさまざまな発言や行動で物議を醸してきたが、まさか任期の途中でこのような辞意表明に至るとは予想できなかった」とも述べた。 公明党県本部の大口善徳代表(衆院比例東海)も「(辞意の)兆候がなかったので驚いた」と受け止めた。次期知事選への党の対応については現段階で「なかなかコメントしづらい」としつつ
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問題発言のごとき状況に驚き 2日の発言要旨【川勝知事辞職表明】
2日に辞職の意向を表明した川勝平太静岡県知事の発言要旨は次の通り。 知事発言要旨 職業差別はない。皆無だ。職業に貴賤(きせん)はないというのが基本的な考え方。新規入庁の職員として入庁した方々への歓迎の言葉、励ましの言葉がこんなことになったというか、何か問題発言があったかのごとき状況になって本当に驚いている。 それぞれ仕事は違う。どれも大切で、それぞれの能力に応じて一生懸命仕事をされている。さまざまな需要でさまざまな職業に就かれている。全部必要なもので、そこに貴賤というのは全くない。職員は公僕として人の役に立つようなことを考えてしなくちゃいけない。従ってしっかり勉強しなくちゃいけません、知
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リニア開業遅れ「非常に残念」 国交相、早期開業へ「対話促す」
斉藤鉄夫国土交通相は2日の閣議後記者会見で、JR東海がリニア中央新幹線品川ー名古屋間の2027年開業を断念したのを受け、「静岡工区に関連して目標が実現できないことは非常に残念。静岡県とJR東海の対話を促すなど、一日も早い開業に向けてしっかり取り組んでいく」と述べた。 斉藤氏は、同省専門家会議のまとめた水資源や環境保全に関する報告書に基づいて「JR東海はさまざまな施策を講じようと努力している」とする一方、「必ずしも静岡県の理解を得られずに今日に至っている」との認識を示した。 経済成長や国土強靱化(きょうじんか)の観点から、リニアが国家的な重要プロジェクトだと改めて指摘。新設した「静岡工区モ
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【識者評論】静岡県内の新しい分断招く/白鳥浩法政大大学院教授(現代政治分析)【川勝知事辞職表明】
エープリルフールにしては1日遅く、また場をわきまえない発言である。2009年の川勝県政の誕生以前から四半世紀以上にわたり、県政を見続けてきた筆者としては、今回の川勝氏の発言はあまりに突然であり、「虚を突かれた」というのが正直なところである。 前回21年の知事選での圧倒的勝利以来、その3カ月後に行われた参院静岡選挙区補欠選挙の最中の御殿場市を揶揄(やゆ)する「コシヒカリ」発言に始まり、浜松市より磐田市は文化が高いと浜松市を揶揄したともとれる発言があったことは記憶に新しい。こうした発言は「県内の分断」を招くものであった。 そして今回は直接的に、この発言である。本来であれば、県庁新入職員の晴れ
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静岡県内首長に衝撃走る 反応さまざま「決断尊重」「発言残念」【川勝知事辞職表明】
川勝平太静岡県知事が辞意を表明したことを受け、県内自治体の首長にも2日、衝撃が走った。突然の表明に困惑の声が上がるとともに、知事の辞職によってリニア中央新幹線建設事業が進むとの期待も聞かれた。 副知事として2014年から8年間、川勝知事に仕えた静岡市の難波喬司市長は「ご本人の政治家としての決断だと思うので、コメントは差し控える」との書面を出した上で、3日に記者団の取材に応じる意向を示した。浜松市の中野祐介市長は「急な表明で、大変驚いている」と書面でコメントした。 リニア建設事業に伴う大井川の水問題に関し、工事の進め方を巡り川勝知事と相違が目立っていた島田市の染谷絹代市長は「リニアについて
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週間ベストセラー(3月24~30日、浜松谷島屋書店調べ)
①変な家2(雨穴、1650円、飛鳥新社) ②変な家(雨穴、1400円、飛鳥新社) ③変な絵(雨穴、1540円、双葉社) ④頭のいい人が話す前に考えていること(安達裕哉、1650円、ダイヤモンド社) ⑤成瀬は天下を取りにいく(宮島未奈、1705円、新潮社) ⑥もう明日が待っている(鈴木おさむ、1980円、文芸春秋) ⑦劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦(古舘春一/誉司アンリ、814円、集英社) ⑧spring(恩田陸、1980円、筑摩書房) ⑨わが投資術 市場は誰に微笑むか(清原達郎、1980円、講談社) ⑩新版科学がつきとめた「運のいい人」(中野信子、1650円、サンマーク出版)
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御殿場市印野地区で探検!霊峰の“胎内” 御胎内清宏園、噴火が生んだ神秘の洞窟【わたしの街から】
雄大な富士山の麓に位置する御殿場市印野地区。過去の噴火の影響が色濃く残る溶岩地帯の変化に富んだ地形と富士山麓の豊かな自然が調和する。富士山学習の絶好の場である地区の魅力を一度に感じることができるのが、国指定天然記念物の洞窟「印野の溶岩隧道[ずいどう]」がある富士山御胎内清宏園だ。洞窟は「御胎内」との通称で親しまれ、子宝のパワースポットとしても人気が高い。 御胎内の呼称は「U」の字形の洞窟の形と溶岩が冷え固まった岩肌の様子が、人間の体内に似ていることに由来する。洞窟内に胎内神社の前殿、本殿、奥殿に当たる石祠[せきし]があり、祭神として富士山の守り神で安産、子宝の神でもある木花開耶姫命[このは
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浜松新球場、供用開始32年度以降に 静岡県、規模と構造絞り込み難航も
静岡県が浜松市中央区の遠州灘海浜公園篠原地区に整備を予定する新野球場の供用開始時期を、最短で2032年度と見込んでいることが1日、分かった。国の事業認可と用地取得に約3年、設計と施工に約5年かかる。ただ、規模や構造の絞り込みは難航が予想され、想定通りに進むかどうかは見通せない。建設資材の高騰や深刻化する人手不足も課題になりそうだ。 同日公表した基本計画の素案で事業スケジュールを示した。県はこれまで具体的な供用開始時期を明らかにしていなかった。 県は野球場の規模と構造を①1万3千人の屋外型②2万2千人の屋外型③2万2千人の多目的ドーム型―の3案に絞り、素案に盛り込んだ。近くで産卵するアカウ
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大自在(4月2日)国際子どもの本の日
小学生の娘が2歳の頃から、夫婦で就寝前の読み聞かせを続けている。ふだん帰宅の遅い父親ができるのは休日だけだが、娘の好む本が変わっていくことで成長を実感する。 読み聞かせの効果かは分からないが、小学校に入ってからは頻繁に図書室や図書館に通っているようだ。ただ、物語を読んでほしい親の思いと裏腹に、借りて来るのは自然科学系の本ばかり。「子は親の思い通りにならない」ことも思い知らされる。 4月2日は「国際子どもの本の日」。国際児童図書評議会(IBBY)が、子どもの本を通して国際理解を深めようと1967年に制定した。デンマークの童話作家アンデルセンの誕生日にちなむ。 69年から毎年、IBBY加盟
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社説(4月2日)静岡市歴史博物館 リピーター獲得目指せ
戦国時代の今川家、徳川家の歴史をはじめとする静岡市の成り立ちに関する資料を収めた静岡市歴史博物館(葵区)の全面開館から、1年余が経過した。2022年7月のプレオープンから数え、これまでに約45万人が入館している。 同館のアンケートによると、県外からの来場が約3割に上った。全面開館した23年は大河ドラマ「どうする家康」の放映と重なり、静岡浅間神社境内に期間限定で開かれた「大河ドラマ館」との回遊も活発だった。大河放送が終了した24年は、観光拠点としてのさらなる知名度向上に加え、資料収集と企画展示、館外の活動を含む教育活動をバランス良く展開してほしい。県内外からリピーターを獲得するための工夫が必
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能登被災地支援の輪を 静岡の学生ら団体設立 特産品販売など準備
能登半島地震の発生から3カ月。被災地のために静岡からできることはないかと共通の思いを抱いた大学生らが、有志団体「静岡の学生による能登半島復興支援ネットワーク」を設立した。定期的に会合を開き、ボランティア派遣や能登の特産品販売などの実現に向けて準備を進めている。 「横倒しのままのビル、歩道に落ちたままの瓦の破片。焼け野原のような朝市は手つかずの悲惨な状態だった」。3月下旬、静岡市内で開いた勉強会。ネットワークに協力するNPO法人ESUNE(同市駿河区)の斉藤雄大事務局長(30)が、石川県輪島市三井町で実施したボランティア拠点管理などの支援活動を紹介し、復旧・復興が進まない状況を伝えた。 学
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災害時の行政広報「紙媒体不可欠」 石川・穴水町派遣の島田市職員が初動調査 停電、スマホ基地局使えず
全国広報コンクールで内閣総理大臣賞などの受賞歴がある島田市の「広報しまだ」を手がける同市広報プロモーション課参事の鈴木克典さん(52)が2月末から3月初旬、能登半島地震の職員応援派遣で石川県穴水町に滞在し、災害広報の初動対応について同町広報担当職員に聞き取り調査を行った。被災地では停電したり、電波が不安定になったりしてスマートフォンが使えない状況があったといい、「災害広報は紙媒体が不可欠」と教訓を指摘。災害対策としても自治体の広報スキル向上の必要性を呼びかけている。 聞き取りは静岡県の対口支援先の穴水町に島田市が2月27日~3月2日に派遣したトイレトラック業務の合間に行い、後日電話やメール
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静岡県内各地で入社式 新入社員との対話重視〝距離〟近く
静岡県内各地で1日、入社式が開かれた。新型コロナウイルス感染症が5類に移行し、多くの企業が昨年に続きマスクなしの対面へと形式の切り替えを加速。コロナ禍に学生生活を過ごした若者との対話を重視し、新入社員と役員の距離を縮めようと工夫を凝らす企業も見られた。 浜松市中央区で開かれたヤマハの入社式では、同日付で就任した山浦敦社長が司会者の質問に答えるトークセッションを披露。製造ラインで働いた入社当時の経験が後の楽器設計に生かされたとし、グループ8社の新入社員152人に「会社は自分に成長のチャンスを与えてくれた。立場が変わり、みなさんにもそうした機会を与える」と語りかけた。新入社員の石田野々花さん(
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伊藤若冲《雪中雄鶏図》 羽毛の質感を描き分け【静岡市美術館 「京都 細見美術館の名品」展①】
昭和の実業家・細見良に始まる細見家三代のコレクションを収めた細見美術館(京都市左京区)の名品展が13日、静岡市美術館(葵区)で始まる。重要文化財8件を含む104件から、代表作4点を紹介する。 ◇ 江戸時代中期に京都で活躍した伊藤若冲(1716~1800年)は家業の傍ら、狩野派や中国古画などを独学で修めた。40歳で弟に家督を譲って画業に専念、濃密な色彩の花鳥画から墨の濃淡を巧みに生かした水墨画まで多彩で独自性の高い絵画を描いた。 雪景色の中、餌を探し歩む雄鶏を描いた本作は、「景和」の落款(らっかん)から30代前半の若冲初期作とされ、鶏の姿態は古画の模写が指摘される。しかし、鶏冠
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静岡県内DI、7期ぶり悪化 日銀支店3月短観 不正認証など影響
日銀静岡支店が1日発表した3月の静岡県内企業短期経済観測調査(短観、回答262社、回答率99・2%)は、景況感を示す業況判断指数(DI)が全産業でプラス7だった。昨年12月の前回調査から5ポイント下降し、7期ぶりに悪化した。自動車関連企業の認証不正問題や海外経済の停滞が製造業を中心に景況感を押し下げた。 製造業はマイナス1で、前回調査比10ポイント下降。豊田自動織機の認証不正による受注減や中国、欧州経済の減速などが影響し、輸送用機械が7ポイント下降のプラス18、その他製造業が24ポイント下降のマイナス13となった。消費者の節約志向で食料品もマイナス25と36ポイント下降するなど、加工業種の
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茶畑に輝く一本桜 島田「牛代の水目桜」満開【動画あり】
島田市川根町家山の一本桜「牛代(うしんしろ)の水目桜(みずめざくら)」が満開となり、山あいの茶畑の中で風に揺れる薄紅色の花が訪れた人や写真愛好家を魅了している。 牛代の水目桜は樹高約20㍍、幹回り約4・2㍍。推定樹齢300年を超えるエドヒガンで、市の天然記念物に指定されている。 1日朝は山から顔を出した太陽の日差しが降り注ぎ、スポットライトのように桜を浮かび上がらせた。管理する山下潔さん(72)によると、あと1週間ほど楽しめそうという。 (写真部・小糸恵介)
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「日勤救急隊」正式運用を開始 浜松市消防局、人命救助へ体制強化
浜松市消防局は1日、救急要請が多い日中に特化して活動する「日勤救急隊」の正式運用を開始した。高齢化に伴って救急搬送需要が高まる中、日中の体制を手厚くし、市内救急医療体制の強化を図る。同日、中央区の同消防局で運用開始の式典を開き、人命救助への決意を新たにした。 静岡県内では静岡市に次いで2番目の導入。救急救命士3人を含む6人体制(男性5人、女性1人)で、同消防局を拠点に毎日午前8時半~午後5時15分に活動する。平日限定で試験導入し、市中心部の救急体制が強化された2023年度は、覚知から現場到着までの平均所要時間が10分24秒から9分12秒に短縮されるなど大きな成果があった。 市内の救急搬送
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裾野市副市長、32歳の堀越氏 御殿場、伊豆の国も新たに就任
裾野、御殿場、伊豆の国市で1日、副市長の就任式が開かれた。任期は4年。地域活性化に向け、各市の新しい副市長は補佐役としての決意を新たにした。 空席だった裾野市の2人目の副市長には国土交通省官僚の堀越崇志氏(32)が就き、正副市長は3人とも20~30代になった。 市は社会基盤整備や観光誘客を強化する方針。同省不動産・建設経済局建設市場整備課長補佐などを歴任した堀越氏は「これまでの経験を踏まえ、より良いまちづくりに取り組む」と口元を引き締めた。 御殿場市は約2年半ぶりに副市長2人体制に戻した。田代明人氏(62)は市職員として長年の経験を持ち、良知淳子氏(53)が県職員の経歴を生かし、初の女
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みずみずしいフレッシュマンを歓迎! イルカがプレゼント手渡し 下田海中水族館が入社式
下田海中水族館(下田市)は1日、入社式を同館で開いた。来館者が見守る中で新入社員がイルカから歓迎を受けた。 今年の新入社員は門村咲希さん(20)=東京都小平市出身=。アシカとイルカのショーに続いて入社式が開かれた。雌のカマイルカの「ハート」が口先で箱を押しながら門村さんの元にたどり着くと、プールから体を垂直に伸ばした。胸びれで器用に箱を抱えて門村さんに〝手渡す〟と、来館者は盛大な拍手を送った。 箱にはトレーニング用の犬笛が入っている。同様の歓迎は同館入社式の恒例行事になっている。 幼少期から水族館で働くことが夢だったという門村さんは「来館者と生き物の架け橋になれるよう頑張りたい」と意気
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てんぐ伝説で地域おこし 町の象徴 企画続々 浜松・春野町
浜松市天竜区春野町で、てんぐをテーマにした企画が相次いで始動している。事業者や住民は地域に伝わる伝説を由来にした町のシンボルを活性化に生かそうと、アイデアを凝らす。 春野町堀之内の地場産品直販施設「くまの親子・春野いきいき天狗村」は7日、マルシェ形式の催し「春野てんぐ市」を初開催する。シカ肉やシイタケなど10品目をみそで煮込む「ten具汁」を販売するほか、農家や企業などが出店する。継続して毎月第1日曜に開く予定で、同施設の杉山久美子さんは「焦らず着実に続けていく。新たな企画や商品開発につながる場としたい」と話す。 町内の秋葉山には古くから、てんぐの姿をして火難から人々を救った火防(ひぶ
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会員制の卓球場オープン 一念発起「実力伸びる環境を」 浜松商高OB・東さん 浜松市中央区
浜松市中央区西山町の雑居ビル「パリタ2」にこのほど、県内で珍しい会員制の卓球場がオープンした。完全個室の予約制で全国レベルの経験豊富なコーチ陣から学べるレッスンもあり、利用者から好評だ。 卓球場「パキラ浜松西山店」のオーナーは、浜松商業高卓球部OBの東弘祥さん(30)=湖西市出身=。競技人生で知り合った仲間に全国大会出場の経歴を誇る実力者がいながら、その経験や技術を継承する環境が少ない点を課題に思っていた。日本人選手の活躍で卓球人気が高まる中「誰もが実力を伸ばせる環境をつくりたい」と愛知の金融機関を退職し一念発起した。 卓球台は2台。ボールにさまざまな回転がかけられる専用マシンを完備した
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【表層深層】長引く被害、生活再建支障 能登地震、下水復旧「3年以上」 人口減見越した整備課題
能登半島地震の発生から3カ月を経ても石川県は奥能登地域を中心に広範囲で断水が続く。特に下水道の被害は東日本大震災や熊本地震より深刻で、自治体関係者からは全面復旧に「3年以上かかる」との見方も。断水の解消後も自治体は「お風呂などの生活用水の使用を可能な限り控えて」と呼びかけ、生活の再建に支障が出ている。避難者の今後の動向次第では人口減少も見込まれ、復旧の在り方を巡って難題が浮かぶ。 30日、石川県珠洲市野々江町のマンホールに自走型のカメラが下ろされていた。下水管内の詳細な被害を確認する2次調査だ。マンホールを一つ一つ開ける地道な作業。この日調べた管は一部たわんだ様子がモニターに映った。応援で
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スペイン、湖底の教会が再び出現 100年で最悪の干ばつ【世界はいま】
湖が干上がり、水没していた中世の教会が再び姿を現した-。地球温暖化の影響で、過去100年で最悪の干ばつに見舞われたスペイン北東部カタルーニャ自治州。2月にもかかわらず、季節外れの高温と日差しで、湖底は網の目のようにひび割れていた。州は非常事態を宣言。厳しい節水を余儀なくされるなど市民生活にも影響が出始めている。 ガウディ建築で有名な観光地バルセロナから車で1時間半。カタルーニャ州ビラノバデサウの巨大な貯水湖は、ほとんど水がなくなっていた。近くのダムで40年以上働く男性は「こんなに干上がるのは初めて。水位は満水時の2%ほどに下がった」と興奮気味に話す。 貯水湖は1960年代前半にダム建設
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太田長八氏死去 元東伊豆町長、73歳
太田長八氏(おおた・ちょうはち=元東伊豆町長)29日午後10時27分、病気のため町内の病院で死去、73歳。東伊豆町出身。自宅は東伊豆町奈良本。通夜は4月1日午後6時から、葬儀・告別式は2日正午から、東伊豆町稲取3021の13の伊豆葬祭で。喪主は長男謙(けん)氏。 東伊豆町議を経て2006年の町長選で初当選。財政健全化や町内病院の存続に尽力し、22年まで4期務めた。全国町村会副会長などを歴任、23年には旭日小綬章を受けた。
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静岡県副知事、偏る内部登用 人選難航?無難な着地の川勝県政 増井氏就任へ
4月18日に任期満了を迎える出野勉副知事(71)の後任に元静岡県地域外交監の増井浩二氏(66)の就任が県議会2月定例会で決まった。川勝平太知事と最大会派自民改革会議との溝が深まる中、側近となる副知事の去就に関心が集まったが、県OB起用で無難に決着した。増井氏を含め、川勝知事就任の2009年7月以降の副知事13人のうち9人が県職員かOBの内部登用。14年に就任した現静岡市長の難波喬司氏以降、中央省庁を含め外部起用は1人もいない。自民会派の県議らからは「川勝県政が敬遠され、国や外部から人を呼べない」と国との連携を不安視する指摘が根強い。 出野氏の後任人事案に関し、県議会側は総務委員会での審査の
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【Web限定】自在自由に「作られる」 初の歌集「くるぶし」発刊 町田康さん(熱海)インタビュー
作家で音楽家の町田康さん(熱海市)が初の短歌集「くるぶし」(COTOGOTOBOOKS)を発表した。全て書き下ろしの352首は「自分の気持ちが景色となって表れた」ものであり「魂の日記」でもあるという。小説と同様、おかしみや諧謔(かいぎゃく)があちこちから顔を出す、痛快な歌集が生まれた。(聞き手=教育文化部・橋爪充) 短歌はインスタグラムに載せ始めた ―発刊のいきさつは。 「最近、古典の仕事をやっている中で、韻律っぽい文章が出てきて、自然に七音、五音のリズムがインプットされてきたんです。最初は俳句をやりましたが、あんまりうまいこといかない。でも歌(短歌)やったらできるやろなという予感はあ
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裏金事件余波、自民6県連がパーティー見送り 静岡県連は「未定」
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、47都道府県連のうち岩手、千葉、奈良、長崎の4県連が主催の政治資金パーティーの中止、佐賀県連が延期、宮城県連が当面自粛をそれぞれ決めたことが31日、共同通信の調査で分かった。パーティー券収入は多くの地方組織で貴重な資金源となっており、一部は中止や延期が続けば資金難に陥ると明かした。党本部での「政治とカネ」の問題が地方に悪影響を与えている現状が浮き彫りとなった。 静岡など17道府県連は次回の開催を「未定」と回答した。多くが「政治資金規正法の改正が議論されているため」「自民党への世間の風当たりを判断したい」などと理由を説明。自民党は事件に関係した議
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地震への備えでも「土砂災害警戒区域」に注意をー 奥能登の建物・人的被害8割がエリア内で発生 静岡大教授調査
静岡大の牛山素行教授が能登半島地震の死者・安否不明者の被害状況を空中写真や現地調査などを基に個別に精査した結果、地震に伴う土砂災害により石川県奥能登地域で少なくとも37カ所の建物が倒壊・流失するなどし、うち5カ所で計26人が犠牲になったとみられることが分かった。これらの8割以上は大雨を想定して指定された土砂災害警戒区域で起きており、牛山教授は「地震に備える上でも土砂災害警戒区域という情報は重要」と強調する。 牛山教授は、同県が公表する死者・安否不明者情報や住宅地図、国土地理院などが同地震前後に被災地を撮影した空中写真やメディア報道、2月上旬と3月上旬に被災建物を自ら確認して回った現地調査な
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能登地震3カ月、避難なお8000人超 断水の完全復旧見通せず「人間的な生活送れない」
関連死を含め244人が亡くなった能登半島地震は4月1日で発生から3カ月となった。石川県の避難者は今も8109人に上り、珠洲市など5市町では約7860戸で断水が続く。完全復旧の見通しは立っておらず、発生3カ月でほぼ全ての断水が解消した2016年の熊本地震と比べ、遅れが目立つ。新年度の被災地に災害の爪痕が深く残る中、復興に向けた生活再建の加速が課題となっている。 石川県によると、最大時3万4173人に上った避難者は3月29日時点で24%の8109人となった。内閣府によると、一時18万人以上が避難した熊本地震は3カ月時点で最大時の2・5%に当たる約4600人にまで避難者が減った。 石川県で最
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国内最大級!ウオータースクリーン×大噴水 フラワーパークの夜彩る 浜名湖花博
「浜名湖花博2024」(浜名湖花博20周年記念事業実行委主催)が開催中のはままつフラワーパーク(浜松市中央区)で、ライトアップされた噴水と水に投影された映像が夜間の園内を華やかに彩る国内最大級の「ウオータースクリーン大噴水ショー」が人気を集めている。 ウオータースクリーンは高さ約15メートル、横約35メートル。噴き上げられた半円状の水に鮮やかな映像を映し出す。主人公の球体が魚や亀などの生き物に助けられながら成長する物語を投影する。ショーは約10分で、ピンクや青にライトアップされた迫力満点の噴水の演出も楽しめる。 期間は4月6日までと、4月25日から5月5日まで。午後6時半から30分ごとに
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ワサビ栽培「畳石式」開発 平井熊太郎の功績後世へ 伊豆「わさびの郷」で胸像除幕
伊豆市の中伊豆山葵(わさび)組合(塩谷美博組合長)は31日、ワサビの伝統的な栽培方式「畳石式」を開発した平井熊太郎の胸像の除幕式を、同市原保に新設する「わさびの郷 イズワサビジターセンター」で開いた。4月12日のオープンに合わせ、施設内に設置する。 畳石式は湧水を活用し、上流から下流への水流によってワサビ沢に水を巡らせる栽培方法で、大小さまざまな石や砂利を大きさごとに積み上げて層を作る。平井は上大見村原保(現在の同市原保)の生まれで、ワサビ沢の工事を請け負う石積み職人だった。畳石式の開発により、明治時代にまん延していたワサビ沢の腐敗病も徐々に収まった。畳石式は周辺にも広まり、現在の発展の
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歴史・四季の移ろい、掛川城に投影 高校生が映像制作 木造天守復元30周年で
掛川市の高校生が30日夜、掛川城に映像を投影するプロジェクションマッピングを掛川城公園本丸広場で開いた。木造天守復元30周年記念事業の一環。 映像は掛川工と掛川西の生徒約30人が「掛川城の歴史と四季」をテーマに3カ月かけて制作した。城の白壁に映し出された季節の花や武者が戦う姿に、来場者は見入った。映像の制作に携わった掛川工の木村幸愛さん(16)は「年月が感じられるような内容にした」と話した。
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大自在(4月1日)宝塚歌劇団
東京勤務だった時に、宝塚歌劇団の公演を鑑賞したことがある。同時期に静岡市出身で当時、花組トップスターだった明日海りおさんの記者会見を取材する機会にも恵まれた。 満員の劇場に年配の男性はわずかで居心地が悪かったが、舞台は素晴らしく、なぜ人気があるのか合点がいった。劇中のどの場面を切り取っても絵になる。演出や舞台装置の効果もあろうが、何より、少しの乱れもなく演技やダンスをする出演者の並々ならぬ努力あっての舞台だろう。どれほどの稽古を積むのかと思ったのを覚えている。 歌劇団は1913年、「宝塚唱歌隊」として発足した。初公演は110年前の14年4月1日。プールを改造した劇場での舞台だったとホーム
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社説(4月1日)対北朝鮮交渉 拉致解決へ機会逃すな
北朝鮮の金正恩[キムジョンウン]朝鮮労働党総書記の妹、金与正[キムヨジョン]党副部長が3月、水面下で行われているとみられる日朝の外交交渉の内容を暴露する談話を発表して波紋を広げている。岸田文雄首相が、可能な限り早い時期に金総書記と直接、会談したいとの意向を伝えてきたとした上で、「拉致問題は解決済み」とする立場を強調して日本側もこれを受け入れる「政治的決断」を求めた。 ところが翌日に「日本側といかなる接触も拒否する」と表明。さまざまな臆測を呼んだ。外交の原則に反して暴露したのはなぜか。日本が、最優先課題の拉致問題を無視して交渉などできようはずもない。それを北朝鮮が承知していないこともあり得ま
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海外の義足アスリートを支援する 遠藤謙さん スポーツ義足「民主化」を【とうきょうウオッチ 静岡へ発進&発信】
スポーツ用義足の開発ベンチャー代表を務める。学生時代の後輩が病気で足を失ったことをきっかけに、元々研究していたロボット技術を生かして義足製作を始めた。45歳。沼津市出身。 -海外の障害者スポーツの現状は。 「人口が多いという理由もあるが、パラリンピックの出場者数を地域の人口で割るとアジアは最下位。障害者スポーツに対する考え方が薄く、遅れていると言われている。文化そのものがない国もあり、あったとしてもお金のかからない水泳などに選手が流れている。その課題を解決するアプローチがしたい」 -支援の内容は。 「義足の製作から普及、選手の育成までを国内で完結できなければ継続性がないので、できる限
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防災、安保… 「女性」視点目立つ 前半国会予算審議
通常国会の前半戦が終わった。衆参両院の予算委員会では、自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡るやりとりが多くを占めた一方、女性が関連する課題を取り上げる場面も目立った。安全保障や防災分野での女性登用や、選択的夫婦別姓の導入などテーマは幅広い。衆参両院に占める女性議員の割合は約16%で低水準だが、質問者や閣僚に女性が増えることで質疑に変化が生まれている。 「防災危機管理部局における女性の登用を加速してほしい」。公明党の竹谷とし子氏は、能登半島地震を踏まえ、政府に改善を求めた。加藤鮎子男女共同参画担当相は「災害対応では男性起用が優先されてきた」と問題意識を共有。「固定的な性別役割分担意識が
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【時の人】選抜高校野球大会で初優勝した高崎健康福祉大高崎監督 青柳博文さん
努力が最高の形で報われた。「『高崎から甲子園』をスローガンにやってきた。本当にうれしい。選手にはありがとうと言いたい」と目に涙を浮かべた。 プロ野球阪神で活躍した強打者、掛布雅之とランディ・バースに憧れた。前橋商時代には選抜大会に出場したが、初戦敗退。東北福祉大を卒業後は、企業に勤めながら軟式野球を続けた。 2002年から野球部の指揮を執る。当時は専用グラウンドもなかった。「ほかの学校に借りたりした」。ボーイズチームへのスカウトなどに奔走した。「高校野球なんて、熱血でいけばいいと思っていた」と臨んだが、選手に丸刈りを勧めて退部者を出した失敗もある。 弱小チームを勝たせることを追求した結
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紅こうじ健康被害相談 静岡県など31都府県で確認
小林製薬の「紅こうじ」を使った機能性表示食品のサプリメントを巡り、少なくとも静岡など31都府県で、サプリや関連する食品を摂取したとみられる人の健康被害相談が保健所などに寄せられていることが31日、自治体への取材で分かった。相談は130人を超え、このうち入院に至ったケースは17人。死亡の報告も1件あった。だるさや吐き気、腎機能障害などの症状が目立った。 健康被害が全国に広がっていることが改めて確認された形だ。小林製薬はこれまで体調不良を訴えた人が約800人に上ると説明しており、自治体が把握できていない人が多数いるとみられる。 厚生労働省と和歌山県は31日、同県紀の川市にある小林製薬子会社の
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浜松まつり「完全開催」まで1カ月 焦がれて5年 祭りだ準備だ 衣装、たる酒…売り場に人戻る 暴力団排除も
会場での飲酒禁止制限が撤廃され、5年ぶりの「完全開催」となる浜松まつり(5月3~5日)の開幕が約1カ月後に迫った。新型コロナウイルス感染拡大前のにぎわい復活へ、市民は衣装の新調やたる酒の用意など着々と準備を進める。一方、2023年のまつりでは暴力団関係者の露店の不正出店事件が起きた。市民のまつりが安全かつ円滑に行われるように関係者は警戒を強めている。 「これで準備は万全」。3月下旬、浜松市中央区の祭り用品専門店「祭すみたや」に来店した同区の河合笑さん(22)は、まつり衣装を試着しながら声を弾ませた。友人に初子が誕生したため、新品を身に付けて参加したいとの思いから腹かけやもも引きを購入した。
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静岡・井川の言葉を後世に 「地域の宝」録音、保存 国立国語研究所 聞き取り調査【動画あり】
国立国語研究所(東京都)は18~20日、静岡市葵区井川地区の住民を対象に方言の聞き取り調査を実施した。地方の高齢化や過疎化で失われつつある語彙(ごい)や発音などを後世に残そうと取り組む「消滅危機言語の保存研究」プロジェクトの一環。研究者3人のほか、言語学などを専攻する県内外の大学生ら9人が情報収集した。 同地区の田代、小河内、本村の3集落で行われ、計21人の住民が協力した。このうち同地区最北端に位置する小河内集落では、60~90代の8人が参加した。発声のイントネーションを録音するため住民にマイクを付け、動物や道具など18分野から選ばれた単語の表現方法を調べた。 住民は「ぱしる(帰る)」な
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社説(3月31日)ギャンブル依存症 改めて危険性の周知を
ギャンブル依存症が人生を狂わせ、周囲も巻き込んで深刻な事態を招くことを改めて認識させられた人も多いのではないか。米大リーグ、ドジャース大谷翔平選手の専属通訳を務めていた水原一平氏が違法賭博問題で解雇され、依存症だと告白した。大谷選手だけでなく、水原氏の家族にも計り知れないダメージを与えたのは想像に難くない。 国内のギャンブル依存症の実態や対策の遅れはカジノ合法化に向けた議論の中で社会問題として取り上げられ、対策強化の必要性が指摘された。2018年にはギャンブル等依存症対策基本法も施行された。ただ、昨年4月に大阪府・市が国に申請したカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備計画が認定された
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大自在(3月31日)エンゲル係数
新年度を迎えるが、またも値上げの春になりそうだ。帝国データバンクの主要食品メーカー195社調査によれば、4月の食品値上げは2806品目。人件費や物流費の増加、円安水準の長期化などの要因が拡大したという。オリーブ油やゴマ、カカオ豆など猛暑や干ばつの天候不順で不作だったものが多く、原材料高も再燃の兆しを見せる。 「エンゲル係数」という指標がある。家計の消費支出に占める食費の割合を示すもので、総務省が家計調査で算出している。国民の暮らしの豊かさなど生活水準の目安の一つで、支出割合が高いほど家計にゆとりがない状況とされる。 2023年は27・8%にまで上昇し、1983年以来40年ぶりの高水準とな
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「秋葉山常夜灯」 静岡・浅間通りのシンボル 40年ぶり 大修繕
静岡市葵区の浅間通りの玄関口にある市指定有形民俗文化財「中町秋葉山常夜灯」が30日までに、銅板屋根をふき替え、朽ちた木部を交換するなど40年ぶりの大規模修繕を終えた。「秋葉信仰」で防火を祈願するシンボルとして大切に守られ、江戸時代から再建や修繕を繰り返してきた。同日、神事で完成を祝った地元関係者は「自分たちの街は自分たちで守るという江戸時代からの思いや歴史を後世につなぐ」と誓った。 常夜灯の正確な建立時期は不明だが、江戸中期の画家・土佐光成が宝永5(1708)年ごろに駿府の街を描いた「駿府鳥瞰(ちょうかん)図」にその姿が示されているほか、内部から見つかった最も古い支柱に天保13(1842)
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浜名湖花博開幕1週間 初夏の日差し、にぎわう週末 チューリップが園内彩る
はままつフラワーパーク(浜松市中央区)で始まった「浜名湖花博2024」(浜名湖花博20周年記念事業実行委主催)は30日、開幕から1週間を迎えた。雨模様の天候が続いた中で初めて青空が広がった週末、多くの来場者でにぎわった。 気温が上昇し、初夏を思わせる日差しに包まれた園内は、彩り豊かなチューリップが見頃となっている。この日は、多くの家族連れや外国人観光客が訪れ、花々を鑑賞した。レジャーシートを広げて弁当を食べたり、半袖の子どもたちが芝生の上を元気よく走り回ったりする姿も見られた。 会場ではソメイヨシノの開花時期に合わせて4月6日まで、夜間開園を実施中。ライトアップされた幻想的な光景を楽しめ
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汗ばむ陽気に桜もびっくり!? 静岡で開花宣言 県内各地で今年初の夏日
静岡地方気象台は30日、静岡市で桜(ソメイヨシノ)が開花したと発表した。前年より11日、平年に比べて6日遅い。今後は1週間から10日ほどで満開を迎える見込み。 同市駿河区曲金の同気象台敷地内にある標本木(ソメイヨシノ)で午前11時、7輪が開花しているのを職員が確認した。今年は2月下旬から3月にかけて肌寒い日が多く、開花が遅れていた。30日は同区で26・8度、同市清水区で26・9度、富士市で26・5度など県内各地で今年初めての夏日を記録。気温が上昇したことなどから、開花が進んだとみられる。
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〝海の道〟出現 西伊豆で「トンボロ」渡り初め
西伊豆町仁科の瀬浜海岸で30日、干潮時に陸と沖合の島が地続きになる「トンボロ現象」の始まりを告げる「堂ケ島トンボロ開き」(実行委主催)が開催された。日中にトンボロ現象が発生する時期に合わせた恒例行事。潮位が下がり〝海の道〟が現れると、観光客200人以上が楽しんだ。 トンボロは潮位の減少で現れる砂州で海岸と島がつながる現象。実行委が午後0時半ごろにイベント開始を宣言し、参加者は地元ガイドの案内で三四郎島を目指し約200メートルを歩いた。ナマコやヤドカリなどの生き物の観察も行った。 海岸の清掃活動やかつお節などの地元名産品を贈るイベントも行われた。町によると、現象が昼間に見られるのは9月ごろ
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旬のサクラエビ求め行列 春漁解禁後初の週末 静岡・由比港漁協
駿河湾産サクラエビの春漁解禁から初の週末を迎えた30日、静岡市清水区の由比港漁協の食堂「浜のかきあげや」には、サクラエビを味わおうと県内外から多くの人が訪れた。 午前7時半ごろから整理券を求めて待機する客の姿が見られ、同10時ごろには店前に長い行列ができた。来店客はどんぶりやかき揚げを注文し、係留された漁船を横目に見ながら旬のサクラエビに舌鼓を打った。 東京から家族で訪れた会社員野口夏輝さん(23)は「かき揚げのエビにありがちな口の中の違和感がなく、これがサクラエビなんだと思った」と満足げ。同店の出羽義昌さんは「今年は身が大きめで、初漁の漁獲量も出足としてはいい感じだった。出漁できる天候
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春到来告げる「姫様道中」 優雅な行列、観客を魅了 浜松・細江
浜松市浜名区細江町で30日、春の風物詩「第71回姫様道中」(実行委主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が開かれた。きらびやかな衣装の姫様を中心にした総勢約70人の道中行列が見物客を魅了し、奥浜名湖に春の到来を告げた。 行列は気賀関所を出発し、桜が咲き始めた都田川堤防沿いを優雅に練り歩いた。姫様役の名倉由香さん(23)=同町=は歓声に柔らかな笑みで応え、大役を無事に終えると「小さい子どもが手を振ってくれた。将来、姫様になりたいと思ってもらえたかな」と頬を緩めた。 江戸時代に東海道の脇街道「姫街道」を通行した公家や大名の娘の行列を再現した時代絵巻。第71回は運営側の人員不足で存続が一時危ぶまれた
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静岡がんセンター病棟にオンライン学習室 若者世代交流の場に 元患者の女性、改修費全額寄付
長泉町の静岡県立静岡がんセンターは29日までに、小児・AYA世代(15~39歳)の患者が学習や仕事に集中し、交流するための部屋「AYAルーム」を整備した。オンライン授業での単位取得を視野に入れた対応。患者だった県東部の70代女性が改修費を全額寄付し、実現した。 多くの小児・AYA世代が入院する6東病棟のデイルームの一部を改修した。部屋の愛称は「サークル」。森をイメージした8・3平方メートルの室内には、モニター1台、車椅子で利用できる昇降式デスク2台、ホワイトボード、ソファを設置した。寄付した女性は「屋外の気分を味わえるように」とマリーゴールド柄の壁紙を選んだという。 女性は部屋の完成を前
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大自在(3月30日)菜の花
今月下旬の天候不順で桜の開花は遅れ気味のようだが、わが家のプランターでは「菜の花」が満開状態だ。鮮やかな黄色の小花が咲きそろい、春の到来を感じさせてくれる。 この菜の花、元は野菜くず。生ごみとして捨てるハクサイの芯を水に浸しておいたら芽を出し葉が出てきた。次々に葉が広がったところでプランターに移植。陽光に当てて水をかけていたら5センチの野菜くずが60センチほどに伸びて花芽が出た。 ハクサイと同様に芯から育てたキャベツも同じような黄色い花を咲かせている。「へた」から育ったダイコンも花芽を出した。こちらは開花すれば白い花を咲かせるらしい。捨てれば生ごみ、育てれば菜の花と、この違いは大きい。
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社説(3月30日)東部3市の再開発 全域活性化へ連携図れ
静岡県東部の主要3市(富士、沼津、三島)の中心市街地で2024年度、複合ビルを建設する再開発事業が本格的に始動する。富士、三島は30年までに完了する予定。新たな貨物ターミナルと車両基地の整備に伴う鉄道高架化を進める沼津では、40年前後の完工を見通す。 東部・伊豆は少子高齢化と人口減、中心市街地の衰退など共通する課題を抱え、基幹産業である観光も先行き不透明だ。そうした中で、図らずも人口10万人を超す主要3市の中心市街地再開発が同時期に本格化する。3市はこれを好機ととらえ、観光振興や定住促進で連携して東部・伊豆全体の活性化に寄与する方策を考え、推進してほしい。 再開発をてこに地元の活性化を第
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リニア27年開業断念 JR東海表明 静岡工区遅れで34年以降に
JR東海の丹羽俊介社長は29日、リニア中央新幹線品川―名古屋間の開業時期について、当初目標にしていた2027年の開業を断念する方針を正式に表明した。静岡工区は着手から開業まで約10年を見込んでいて、開業時期は34年以降になる見通しとなった。 ⇒静岡市や大井川流域市町の首長の受け止め ⇒静岡市や大井川流域市町の首長の受け止め 県内のリニアトンネル工事に伴いJRが実施する水資源、環境保全対策の実施状況を確認する国土交通省の「第2回モニタリング会議」が都内で開かれ、委員に対して明らかにした。 同社は静岡工区について、工事ヤードの整備やトンネル掘削工事などを含め、工
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「春の蒲原」をビールラベルに 清水西高×地元醸造所が制作 御殿山さくらまつりで数量限定販売
静岡市清水区の清水西高2年生の4人と同区蒲原のクラフトビール醸造所「ホースヘッドラブズ」がこのほど、同社の商品「蒲原エール」のオリジナルラベルを共同制作した。30日から始まるかんばら御殿山さくらまつりでお披露目し、数量限定で発売する。 同校の課題解決型学習の一環。同社が提示したテーマ「蒲原と春」に沿って、生徒が案を持ち寄り、商品ラベルを完成させた。ラベルは桜が咲く春の蒲原を訪れた旅人を描いたアニメ調のデザイン。原案を作った木村心柚さんは「親と酒屋に行くこともあるが、アニメ調のデザインは珍しいと思う。東海道五十三次に描かれた場所なので歴史にも思いをはせた」と説明し、「のどかな雰囲気と風を感じ
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牧之原・園児置き去り事件検証委が報告書「安全管理意識が欠落」 バス運転の前園長ら批判
2022年9月、牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で園児が送迎バスに置き去りにされて亡くなった事件の検証委員会は29日、再発防止策などをまとめた検証報告書を市に提出した。報告書は事件当日にバスを運転し園児を車内に取り残した前園長(74)を「安全管理意識が欠落」、所在確認をしなかった元クラス担任(48)らを「園児の安全や成長に向き合う者としての責務を怠った」と批判。提言で、バスの運行に限らず、日常の教育、保育の取り組みから安全の質を高めていく必要性を訴えた。市は今後、報告書をホームページで公開する。 ⇒【検証委報告書・7項目の提言】 ⇒【検証委報告書・7項目の提言
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被害者が語る「SNS投資詐欺」リアルな手口 巧妙な偽アプリ/増える含み益/利率アップ求め入金 静岡市の50代女性
昨年10月上旬から11月下旬までの間に投資名目で現金約506万円をだまし取られた静岡市在住の個人事業主の50代女性が29日、静岡市葵区で報道機関の取材に応じ、SNS型投資詐欺の手口や被害の実態を語った。 女性は、親族の勧めで仮想通貨の投資アプリを使い、チャットで指定された個人名義の口座へ7回に渡り計約522万円を入金した。アプリ上で入金額や含み益が表示される仕組みだったが、偽アプリだった。「毎日金額が増えていく画面を見て心がくすぐられた。元金に応じて利率が上がったり、人数限定の複利ボーナスがあったりして、利率を上げるために入金を重ねてしまった」と話した。 後に「手数料」「税金」「延滞金」
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静岡茶市場「新茶初取引」は4月12日 1956年開設以来最も早く
静岡茶市場(静岡市葵区)は29日、2024年の新茶シーズンの幕開けを告げる「新茶初取引」を4月12日に行うと発表した。前年より1日早く、1956年の市場開設以来最も早い。早期の取引開始により商戦期間を延ばし、本県茶業の振興を図る。 暖冬で茶葉の生育は当初前進したが、3月下旬の冷え込みで芽伸びが抑えられ、各地の摘採時期はおおむね平年並みの見込み。このため、初取引の荷は限定的とみられる。内野泰秀社長は「新茶シーズンをより長く楽しんでもらう道として決断した。茶市場が先頭に立って茶況を盛り上げていきたい」と語る。 初取引は、午前6時半から茶生産者や製茶問屋、行政関係者らが集い、取引の活況を祈るセ
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静岡県内大雨 3月の観測史上最大の降水量 静岡で足場傾く/沼津で1人けが/藤枝で土砂崩落
発達しながら進む低気圧や前線の影響で、静岡県内は28日夕から29日午前にかけて激しい雨に見舞われた。伊東、下田など県東部の6市町に土砂災害警戒情報が発表され、伊東市対島地区と南伊豆町全域に避難指示、松崎、東伊豆両町の全域には「高齢者等避難」の情報が出された。 静岡地方気象台によると29日午前の1時間降水量は伊豆市天城山で最大35・5ミリ、静岡市駿河区で同28・5ミリを観測した。28日午後4時の降り始めから29日午後4時までの降水量は天城山で375・5ミリ、藤枝市高根山で226・0ミリ、静岡市駿河区で194・5ミリを記録。県内各地で6~72時間の降水量が3月の観測史上最大を更新した。 JR
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自動運転「レベル2」 移動サービス25年度に延期 静岡県、新車両導入
静岡県は29日までに、自動運転車両による移動サービスの開始時期を、目標としていた2024年度から25年度に延期する方針を決めた。走行速度や乗車定員に関する利用者ニーズを踏まえ、新たな車両を導入して実証実験を重ねる。新たな工程表では、25年度に一部の操作をシステムが担う「レベル2」の一般向け運行を始め、27年度に5カ所以上へ拡大し、30年度には特定条件下で運転手がいなくても走行可能な「レベル4」を実現するとした。 県建設政策課未来まちづくり室によると、新たに導入する車両はワゴン車タイプ。既存車両の最高時速19キロに対し、30キロ程度を想定する。乗車定員も現在の8人から10人程度に増える。2
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【迫る 御前崎市長選 市議選㊦】産業振興 誘致と起業が発展の鍵 4月7日告示、14日投開票
3月下旬、中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)にほど近い池新田工業団地。その一角に広がる約2ヘクタールの区画に雑草が茂っていた。市は2010年、工業団地を拡張し分譲地整備に乗り出したが、翌年に東日本大震災が発生。工場建設を予定していた企業から計画撤回が伝えられ、今も手つかずの状態が続いている。 市内の企業や家庭は国の原発立地給付金制度に基づき、電気料金の補助が受けられる。他にも優遇措置が用意されていて、製造業など大型設備を抱える事業者には立地メリットが大きい。しかし、震災に続いて発生した福島第1原発事故が空気を一変させた。 震災後の13年間で市内に新規立地した用地面積1千平方メートル以上の事
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渋滞緩和へ 交通一変 活性化に光明【渡り暮らす 富士川かりがね橋開通㊦】
富士川かりがね橋から南に約2キロの富士川橋が架かる県道富士由比線。朝夕に車が長蛇の列をなす渋滞区間を抱えていたが、富士川かりがね橋の開通後は状況が様変わりした。同じ曜日と時間で比べても差は歴然で、利用者は交通が分散されたことによる渋滞の緩和を感じ始めている。 富士川橋の西側交差点は、山梨・富士宮方面からこの橋を通って富士市街地方面に向かう車が集中する。この事情を考慮して交通整理する信号機運用の影響で、対向車線に通勤時間帯の慢性的な渋滞が発生してきた。今では車が富士川かりがね橋へと分かれる流れが生まれ、富士川橋の車列はほとんど見られなくなった。 このルートで職場に行く富士市岩本の久野春夏さ
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リニアの27年開業を断念 JR東海、品川―名古屋間
JR東海は29日、リニア中央新幹線の品川―名古屋間の2027年の開業を断念する方針を明らかにした。29日午後に開く国土交通省の有識者会議に示す資料に明記した。「現時点で新たな開業時期を見通すことはできないが、引き続き早期の開業を目指す」としている。 JR東海は昨年12月、開業時期について「27年は困難」としていた判断を「27年以降」に変更したが、「27年の開業断念や時期を延期したものではない」と説明していた。 静岡工区を巡っては、静岡県の川勝平太知事が環境への影響に懸念を示し反対しており、トンネル掘削工事を始められていない。
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【迫る 御前崎市長選 市議選㊥】財政健全化 安定運営、取り組み急務 4月7日告示、14日投開票
2月中旬、御前崎市議会の予算決算審査特別委員会は張り詰めた空気に包まれた。「財源が確保できなければ職員給与をカットする覚悟で臨む」。市幹部らは強い危機感をにじませ、4年間で約12億4千万円の財源確保案を示した。 中部電力浜岡原発の立地交付金や固定資産税など、いわゆる「原発関連財源」による税収を基に豊かな財政力を誇ってきた同市。2011年の運転停止以来、歳入悪化に歯止めがかからず、財政健全化への取り組みが急務になっている。 市はこの日、財政予測も公表した。災害時など不測事態に備えて15年度に約88億2千万円あった財政調整基金の残高は、財源確保策を講じても27年度には約19億1千万円まで落ち
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紅こうじサプリ 静岡県内疑い患者計6人 県「直ちに摂取やめて」
小林製薬の「紅こうじ」のサプリメントによる健康被害問題で、静岡県は28日、県内で関連が疑われる患者が新たに5人確認されたと発表した。うち2人は入院治療を受けた。いずれも腎機能障害を発症したが、重篤なケースはないという。患者は計6人となり、県内でも影響が広がってきた。 県衛生課によると、5人は大阪市が回収命令を出した「紅コウジコレステヘルプ」を摂取していた。摂取期間は数カ月から数年間。いずれも今年1~3月に発症した。手足のむくみや倦怠(けんたい)感、尿の泡立ちといった症状が出たり、血液検査で腎機能の数値が異常だったりした。6人の患者を保健所別にみると、富士が3人、中部、静岡市、浜松市が各1人
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2月の静岡県内有効求人倍率1・20倍 2024年問題目前、建設業など積極的
静岡労働局が29日発表した2月の静岡県内有効求人倍率(季節調整値)は前月を0・01ポイント下回る1・20倍で、全国値(1・26倍)を17カ月連続で下回った。物流の停滞が懸念される2024年問題を目前に控え、人手を確保したい建設業や運輸業の求人数が伸びた一方、コスト負担増が続く製造業で採用を見送る動きがみられた。 業種別の新規求人数は、建設業が民間工事の受注が増加するなどし、前年同月比8・2%増の2340人。運輸業は7・2%増の1484人だった。 製造業は10・9%減の3166人。価格転嫁が進まない中での賃上げが企業収益の重しとなり、採用控えにつながっている。卸売業・小売業は特定企業が定期
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家康の御遺訓は「後世の創作」 明治以降、各地に流布【今さら聞けない 徳川家康⑧「人の一生は重荷を負て」】
「人の一生は重荷を負て遠き道を行くが如し」で始まる徳川家康の言葉は、「東照公御遺訓」として日本各地の東照宮内に残っている。静岡県内では静岡市葵区の駿府城公園内の石碑にも刻まれている。学校教育で活用され、書道の題材として採用されることも。歴史ドラマに登場したり土産物に書かれていたりもする。だが家康はいつ、どこで、誰に向かってこの言葉を残したのか。征夷大将軍の遺訓という重要事項を誰が書き留め、世に広めたのか。その謎に迫った。 家康をまつる同市駿河区の久能山東照宮のウェブサイトには「御遺訓に示された人生訓は、まさにその御生涯から生まれたものであり、徳川家康公の御精神そのものであると言えるでしょ
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放課後子ども教室、学童と一体運営 4月統合の静岡・中藁科小 下校バス待つ児童に「居場所」
静岡市は新年度、旧清沢小と旧水見色小を統合する中藁科小(同市葵区)で、地域ボランティアによる「放課後子ども教室」を放課後児童クラブ(学童)と一体運営させる方針を固めた。柔軟な運用によって、学校統合で生じる下校時のバス待ち時間に全児童の居場所を確保し、子どもを見守る体制を整える。市によると、一体運営は静岡県内初。 旧清沢小と旧水見色小の児童は路線バスで通学するが、バス運行は学校の日課に合わせられないため、学校の日課が終わってから帰宅用の路線バス到着時刻までの待ち時間の安全確保が課題だった。また、統合後は学区が広がるため児童が帰宅後に子どもだけで遊びに出かけるのも難しくなる。市は一体運営がこれ
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小野伸二さんが全国で児童指導 新年度Jリーグ教室
Jリーグは28日、元日本代表の小野伸二特任理事(清水商高出)を主な講師としたサッカー教室「スマイルフットボールツアー」を4月から全国で開催すると発表した。東京都内で野々村芳和チェアマン(清水東高出)らと記者会見した小野氏は「サッカーはこんなに楽しそうで、わくわくできるものだというのを見せたい」と、自ら手本を示して指導する意欲を語った。小学生対象で各回128人が参加。4月28日に東京からスタートし、来年3月まで沖縄などで全20回を実施予定。
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浜名湖発「生きる喜び」 がん経験の川中さん 悩み吹き飛ぶ感動体験イベント
浜松市中央区のパーソナルトレーナー川中ちひろさん(47)が、SUP(スタンドアップパドルボード)や食など浜名湖の自然を五感で楽しんでもらうイベントを今春スタートした。シングルマザーとしての子育てやがんを経験する中、浜名湖の雄大な自然に魅せられ2019年に静岡市から移住した。「非日常の空間に身をゆだね、生きる喜びを感じてほしい」と語る。 育児中の母親、育児が一段落した40、50代向けに、地元水産物を味わったり、気軽に海遊びを体験したりする場を提供する。3月中旬、浜名湖の眺望を間近に楽しめる湖西市新所で開いた初のイベントには、幼児を含む家族連れなど3組が参加した。川中さんや地元の消防士男性の指
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公共スペースにハンバーガーお届け 沼津市とマクドナルド連携、静岡県内初のサービス
沼津市とマクドナルド沼津駅南口店は28日、JR沼津駅南口前の幹線道路内に設けた休憩スペースで注文できる「モバイルオーダー」サービスを始めた。静岡県内初の取り組みで、全国的にも珍しいという。 店に隣接する休憩スペース「パークレット」で、マクドナルド公式のスマートフォンアプリを使い商品を購入すると、従業員が届ける仕組み。開始当日、早速アプリで注文し、晴天の下ベンチでハンバーガーを食べる人の姿がみられた。 昨年10月、市が整備した駅前公共空間の利活用促進が目的。今回、市内でマクドナルド7店舗をフランチャイズ運営する「アンカー」が協力した。 モバイルオーダーは2020年の導入後、全国的に普及。
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静岡伊勢丹、常連顧客限定サロン開設 年間購入額100万円以上で利用可
静岡伊勢丹(静岡市葵区)は、来店客数を増やして販売額を伸ばす百貨店の従来スタイルから脱却を進めている。幅広い層に訴求力を持つ催事を継続する一方で、顧客個々へのきめ細かな販促活動に力を注いでいる。年間購入額が一定水準を超える常連客限定で専用サロンを開設し、商品の取り寄せサービスも始めるなど接遇面を強化し、満足度向上を図る。 同社は従来、商品や催事情報をチラシやテレビCMで広く発信していたが、ECサイト(電子商取引)の普及や新型コロナウイルス禍で多様化した消費への対応を模索。昨秋から顧客個々の購買履歴の分析に本腰を入れ、公式アプリを使ってお薦め商品を個別に提案し、購買機会の増加を図っている。
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富士川かりがね橋 利便性向上 “悲願”市街地と一体感【渡り暮らす 富士川かりがね橋開通㊤】
富士川に富士市内3本目の一般道として開通した「富士川かりがね橋」。多くの市民が通勤や生活道路として渡り、日々の暮らしへの効果が聞かれ始めた。利便性向上や渋滞緩和など利用者が実感している変化を紹介する。 「山梨方面へと続く橋の完成で、交流はますます盛んになる。地域間の連携は輝かしい未来へとつながる」。3月9日、富士市内で開かれた富士川かりがね橋の開通式典。県に橋の建設を求めてきた期成同盟会会長の小長井義正市長は、周辺市町との交流や産業の発展に確信を込めた。 富士川かりがね橋は東名高速道路北側に架かる片側1車線の742メートル。市街地側の岩松地区と、富士宮方面へとつながる木島地区を結び、早
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富士山混雑対策 静岡と山梨、違い浮き彫り 識者ら「方向性の統一を」 適正利用協議会
国や静岡、山梨の両県と地元自治体、関係団体で構成する富士山適正利用推進協議会は、富士山の混雑や弾丸登山対策として新たに取り組む入山規制などのオーバーツーリズム対策パッケージ(施策集)をまとめた。28日に長泉町で開かれた会合で了承された。課題解決のため2029年までの6シーズンに集中的に施策展開する。 富士山は23年夏の登山者数が新型コロナウイルス禍前の水準に回復したが、一部で混雑や迷惑行為が問題視された。こうした状況が登山者の満足度を下げ、自然環境を損なう恐れがあるとして、構成団体の施策を体系化した。 4ルート共通の課題として、特定の日時やルート混雑の偏在▽弾丸登山など危険な登山▽ルール
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保育士一斉退職、掛川の保育園で説明会 保護者「納得できる回答なかった」
掛川市千羽の千羽すぴか保育園で保育士の大半が一斉退職する問題で、園は28日夜、保護者説明会を開いた。保護者からは「納得できる回答はなかった」「安心して子どもを預けられる園にしてほしい」などの声が聞かれた。 説明会は非公開で、約2時間半に及んだ。出席した保護者によると、園を運営する社会福祉法人ゆにわ会の増田多朗理事長が経緯を説明し、一斉退職の理由の一つに園が進める改革方針との意見の食い違いを挙げたという。保護者の1人は「理念の説明が多かった」と受け止めた。「方針が合わないだけで多くの職員が辞めるのか疑問」と話す保護者もいた。 園が保護者に状況を通知したのは3月15日。保護者の間には不安や戸
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焼津の私立幼稚園 不適切保育疑い「マタハラも」 園は否定
教諭の大半が3月末で一斉退職する私立焼津中央幼稚園(焼津市西小川)で、一部の教諭による不適切保育の疑いや園幹部によるハラスメント行為などの実態が28日までに複数の関係者への取材で分かった。同園側は否定している。 園に子どもを通わせている保護者によると、教諭の1人が言うことを聞かない園児を物置部屋に閉じ込めるような行為が複数回あったという。被害にあった園児は登園しなくなり、そのまま園を離れたという。子どもはその様子を目撃していて、「しばらくその教諭を怖がっていた」と保護者は証言する。 また、別の保護者によると、妊娠に伴い受け持つクラスを交代する女性教諭に対し、園の幹部が保護者たちのいる前で
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川根本町教育長人事不同意「子どもたちに申し訳ない」 町議が経緯など説明
川根本町議会3月定例会で新教育長の人事案が不同意となった議決を巡り町民有志らは27日夜、「教育長人事について行政・議員にたずねる会」を同町山村開発センターで開催した。町民約35人が参加し、議員に説明を求めた。 野口直次議員と佐々木直也議員が出席し、経緯や思いを語った。野口議員は「子どもたちや保護者の方に申し訳ない。町と議会で意見が違っても、よりよい方向に進めるよう歩み寄っていきたい」と述べた。佐々木議員は「(教育長の不在が)子どもたちに直ちに影響する心配は少ないと思うが、長期化すると町全体として教育の指針が失われる可能性がある」と危機感を示した。 参加者からは「なぜ事前に話し合いがなかっ
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大自在(3月29日)国語辞典
小説家の井伏鱒二は1966年に文化勲章を受章した際、自宅に来た新聞記者に問われて「晴れがましい」と答えた。すぐに「広辞苑」を引いて「あ、ちょっと違いますね、ぼくのはもっと照れくさいという気持ち」と得心したような顔をしたという。 この記者は、後に産経新聞の朝刊コラム「産経抄」を35年にわたり執筆した石井英夫さん。大作家の所作に「感動した」(「コラムばか一代」)。広く知られるエピソードらしく、朝日新聞の元論説委員も引用していた。 記者に国語辞典は必携だ。言葉の意味と使い方を確かめる。辞書がないと読めないような記事は書くな、辞書にない言葉を使うなと言われ続け、いつしか自分が言う側になった。
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社説(3月29日)サプリ健康被害 周知徹底し回収を急げ
小林製薬(大阪市)が製造販売した「紅こうじ」のサプリメントを摂取した人に、腎疾患などの健康被害が出た問題が拡大している。サプリ摂取後に4人が死亡したことが報告され、入院患者も90人以上となった。 小林製薬は対象となる3製品の自主回収を始め、同社から原料の供給を受けた飲料や食品のメーカーによる自主回収も広がっている。大阪市も対象商品の回収を命じた。 まずはこれ以上の被害を防ぐために対象商品の回収を急がなければならない。漏れのない周知が必要だ。ただし、これまでの流通量の多さから回収終了までには時間がかかるとみられている。 被害報道を受けて小林製薬に対する相談件数は約1万2千件に達し、寄せら
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ヤマハ発、フォーミュラEに動力部品 英企業と技術提携、25年の供給開始目指す
ヤマハ発動機は28日、電気自動車(EV)の国際レースシリーズ「フォーミュラE」用の電動パワートレイン(動力ユニット)開発・供給で、レーシングカー開発の英ローラカーズと技術提携を結んだと発表した。ローラがヤマハ発のパワートレインを使ってレース車両を開発する。参戦チームへの車両供給は2025年開始を目指す。 「EVのF1」と呼ばれる世界最高峰のレースを通じて得た知見を、二輪車や船外機など自社の電動技術の底上げにつなげる。ヤマハ発が四輪レース向けに基幹部品を供給するのは、1997年のF1以来となる。ローラは数々の国際レースで活躍した車両を開発してきた。 フォーミュラEではバッテリーやシャシー
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医科大学院大の計画検討委 委員長に京大副学長 静岡県
静岡県は28日、静岡県内の医療水準向上や医師確保に向けて設置を検討している医科大学院大(仮称)について、岩井一宏京都大副学長に基本計画検討委員会の委員長を委嘱した。 県は2月、全国初の医科系大学院大の設置に向けて検討を重ねてきた準備委員会から、基本構想の提言を受けた。構想を踏まえ、2024年度に具体的な研究分野やカリキュラム、設置場所、入学定員などを盛り込んだ基本計画を策定する。今後、委員の選任を進める。 県庁で委嘱状交付式を行い、川勝平太知事が岩井氏に委嘱状を手渡した。準備委の委員として基本構想のとりまとめにも携わってきた岩井氏は「高いレベルの研究ができる大学をつくれば優秀な人が静岡に
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電気ガス補助 5月末終了へ 標準世帯 月1850円負担増
政府が家庭や企業の電気・ガス代負担を抑えるための補助金について、5月の使用分を最後にいったん終了する方向で調整していることが28日分かった。電気とガスを使用する標準世帯で、現在に比べ計1850円分の負担が増えることになる。ガソリンや灯油など燃油価格を抑える補助金は4月末の期限到来後も延長し、当面継続する方針だ。 電気・ガス代の支援は、原燃料となる液化天然ガス(LNG)や石炭の価格が一時より下がったことを受け、必要性が薄れたと判断した。ただ足元では円安が進んでおり、輸入に頼る原燃料価格が再び高騰する恐れがある。夏の冷房シーズンに電気代が上がった場合は補助を再開することも念頭に置き、動向を見守
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112兆円 24年度予算成立 防衛、社保費 過去最大
2024年度予算は28日午後の参院本会議で、与党などの賛成多数により可決、成立した。一般会計の歳出総額は112兆5717億円で、23年度当初の114兆円に次ぐ過去2番目の規模。政府の防衛力強化方針を踏まえた防衛費に7兆9496億円、社会保障費も高齢化に伴い37兆7193億円を計上し、いずれも過去最大を更新した。 能登半島地震を受け、災害対応などに充てられる一般予備費を5千億円から1兆円に倍増した。医療従事者の人件費などに相当する診療報酬の「本体」を0・88%引き上げ、少子化対策を担う「こども家庭庁」の予算規模も増やした。国の借金である国債の元利払いに充てる国債費は、金利の上昇基調を背景に
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深津絵里さん、牧瀬里穂さん…一世風靡したCM「エクスプレス」シリーズ、いくつ思い出せますか? JR東海がコロナ禍を経て訴える、「会う」ことの価値
新型コロナウイルス禍による利用客の激減を経験したJR東海。復活を印象づけようと、広告に再び力を入れ始めている。「会いにいこう」キャンペーンとして2022年1月、CMに約20年ぶりに起用したのは、俳優の深津絵里さん。キャスティングの狙いを担当者が明かす。 「会いたいという気持ちを支えるのが新幹線。それを一番共感してもらえる登場人物だと考えた」 念頭にあるのは、JR東海が誕生した当初に制作され、社会現象にもなった伝説の「あの」キャンペーン。実はさまざまなバージョンが作られていた。いくつ覚えていますか?(共同通信=宮本寛) ▽シンデレラとクリスマス 日曜夜の東京駅の新幹線ホーム。松任谷由実
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大自在(3月28日)円安
外国為替市場で円安が進み、1990年7月以来、約34年ぶりの安値をつけた。日銀はマイナス金利政策の解除を決めたが、植田和男総裁が「当面、緩和的な金融環境が継続する」との見方を示し、急激な金融引き締めへの市場の警戒感が薄らいだようだ。 「歴史的」とされる最近の円安は米国などとの金利差が直接的な要因だが、国内輸出産業の衰退やデジタル技術・サービスの立ち遅れなど国力の低下が根底にあるとも指摘される。円安の恩恵で好業績の企業も多いとはいえ、物価高にあえぐ庶民としては先行きが不安だ。 その「円」の歴史をさかのぼってみる。始まりは明治政府が1871年に制定した新貨条例。当時の表記は「圓」だった。新通
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社説(3月28日)静岡県内商業地の地価 上昇基調持続へ政策を
国土交通省が発表した公示地価(1月1日現在)は、新型コロナウイルス感染症5類移行による社会経済活動の正常化などで、全用途の全国平均が前年比2・3%上昇し、バブル崩壊後で最大の上昇率となった。ただ、地方圏(札幌、仙台、広島、福岡の地方四大市を除く)は0・7%上昇と、三大都市圏(3・5%)、地方四大市(7・7%)ほどの勢いはない。 静岡県は0・1%下落と16年連続マイナス。県外のように大手半導体メーカー進出や外国人の別荘需要増、鉄道延伸などの特徴的要因はなかったが、用途別で商業地は4年ぶりに上昇に転じた。商業地上昇率トップは観光客でにぎわい、出店需要が高まる熱海市熱海銀座地区の13・2%。
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地域に根付いた情報届け66年 「浜松百撰」 歴史に幕 デジタル化に押され 読者から惜しむ声
1957年に創刊した浜松市の月刊タウン誌「浜松百撰(ひゃくせん)」が3月で廃刊となり、66年4カ月の歴史の幕を閉じた。浜松の人物・歴史、イベント紹介など地域に根付いた企画を届けてきたが、デジタル化の波に押され、ここ数年は部数が減少。「地元の細かな情報が網羅されていた本」「浜松の文化・歴史が詰まっていた」と読者から残念がる声が寄せられている。 最後の796号は創刊からのすべての表紙を特集。B6サイズの小さなタウン誌を「いかに手に取ってもらうか」(編集部)とデザインにこだわってきた。最終号はウナギ、まつりでラッパを吹く人、アクトシティ浜松など、浜松ゆかりのイラスト。巻頭インタビューや、編集室に
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古民家 心の“余白”つなぐ 築90年を改装 イベントスペース誕生 湖西市
湖西市新居町の国指定特別史跡新居関所にほど近い国道301号沿いに4月、古民家を活用したイベントスペース「ヨハク」が開設する。築約90年の町家を改装した建物を活用し、地域の自然や文化を感じながら人々がつながる空間づくりを目指す。2025年夏には宿泊も可能な交流施設とする予定で、関係者が準備を進めている。 運営するのは神戸市在住の建築士池田裕樹さん(44)=浜松市中央区出身=と、湖西市で地域おこし協力隊として活動する佐藤拓真さん(26)。建物は池田さんの祖父母が暮らしていた家で、池田さんが数年前に改修し、サテライトオフィスとして使いながら活用法を模索していた。22年12月に同市初の協力隊員とな
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⚽ジュビロ磐田FW・ジャーメイン良 継続が信念 4戦5発 覚醒は終わらない【しずスポ】
J1磐田のFWジャーメイン良(28)が開幕から4試合で5得点し、磐田加入3年目で才能を開花させている。1日の川崎戦では自身初という1試合4ゴールの離れ業をやってのけた。16日のG大阪戦でも今季5点目を奪い「今はJ1レベルのセンターバックとの対戦を楽しめている」。チーム6点中5点を一人でたたき出すストライカーは、2季ぶりのJ1で覚醒中だ。 J1での年間自己最多得点を1試合で更新した川崎の夜。報道陣が幾重にも取り囲んだ磐田の取材エリアで、背番号11は目を丸くして言った。「正直びっくりしているのが一番。サッカー人生で4点、5点取るようなスーパーな選手ではなかったので」。一度は取り消された得点をP
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⚾プロ野球 29日開幕 頂点へ ヒーロー躍動 岩崎、紅林、小沢ら 静岡県勢に期待
プロ野球は29日、セ、パ両リーグが同時開幕する。レギュラーシーズンはともに143試合。セ・リーグは昨季、38年ぶりの日本一に輝いた阪神、パ・リーグは4連覇を狙うオリックスを軸に、激しい優勝争いが繰り広げられそうだ。 本県関係選手は32人が登録されている。昨季35セーブを記録し、セーブ王に輝いた阪神の岩崎優投手(清水東高出)は今季も抑えの有力候補に挙がる。オリックスの紅林弘太郎内野手(駿河総合高出)は3年連続で日本シリーズにスタメン出場し、初のベストナインを獲得するなど実績を積み上げている。 昨季29試合に登板し6勝を挙げたヤクルトの小沢怜史投手(日大三島高出)は開幕ローテーション入りが見
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【袴田さん再審公判】3日間の証人尋問終了 血痕黒褐色化「揺るがしようのない立証」 弁護団総括
現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審第12回公判が27日、静岡地裁(国井恒志裁判長)であった。証人尋問の最終日を迎え、検察・弁護側双方の証人計5人全員に同時に尋ねる「対質」が行われた。1年以上みそに漬かった血痕の色調という争点を巡り、弁護側証人の3人は専門的知見を踏まえて赤みは失われて黒褐色化すると改めて証言。検察側証人からも弁護団の主張に沿うような見解が示され、弁護団は公判終了後の記者会見で「揺るがしようのない状況まで立証できた」と3日間を総括した。 対質は証言台の前に五つの椅子が並べられ、裁判官が証人5人に質問
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【袴田さん釈放10年】雪冤いまだ実現せず 進む「老い」 体の衰え目立つ
現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(88)が、静岡地裁の再審開始と死刑・拘置の執行停止決定で釈放されて27日で10年の節目を迎えた。検察の不服申し立てが退けられる形でようやく再審は始まったが、雪冤(せつえん)は実現していない。死刑囚の身であり、老いは避けられない。日本弁護士連合会(日弁連)や支援者は同日、救済を妨げている原因は再審法(刑事訴訟法の再審規定)の不備にあり、「法治国家なのにルールがないのは異常状態。失われた10年だ」として地元・静岡の地から早期の法改正を訴えた。 再審公判の重大な局面となる証人尋問が行われた27日
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賀茂4高校 サテライト制に 静岡県内初 28年度前後導入想定 「本校」下田と「キャンパス」
静岡県教委は27日、賀茂地域の高校4校(分校含む)について、複数校舎を活用し1校として機能させる「サテライト制」を導入すると明らかにした。これまで賀茂における同制度導入は示唆していたが、本校とサテライト化する学校の役割を明確にし、対象となる学校にも踏み込んだ。県教委によると、2028年度前後の本格的な展開を想定する。県外では事例があるが、同制度の導入は本県初という。 県立高再編案を盛り込んだ第3次長期計画(18~28年度)再検討へ設置した地域協議会の最終会合を県下田総合庁舎で開き、説明した。4校は下田(下田市)と稲取(東伊豆町)、松崎(松崎町)、下田高南伊豆分校(南伊豆町)。下田を本校と
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YSKへのTOB成立 いなば食品傘下で再生へ
焼津水産化学工業(YSK)は27日、静岡市清水区の食品メーカーいなば食品が100%出資する特別目的会社の株式公開買い付け(TOB)が成立したと発表した。東証スタンダードの上場を廃止し、いなば食品の完全子会社として経営再建を図る。YSKの株式非公開化は、アクティビスト(物言う株主)ファンドの介入で一度は不成立になる曲折を経た。 YSKの山田潤社長は同日、静岡新聞社のインタビューに応じ、「最適なパートナーであり、非常に心強い」と話し、いなば食品の稲葉敦央社長は「YSKの企業価値向上に努める」とコメントした。買収資金は約164億5千万円とみられる。 TOBに応募した株式数は約1005万株で発行
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サクふわ本場クロワッサン LPガス残ガスで焼き上げ 長泉の業者
LPガス容器をくず化する際に生じる残ガスでクロワッサンを焼く専門店が長泉町にある。LPガス容器くず化処理業大静テクノ(長泉町)の白砂伸之社長(47)が「地元のために残ガスを有効活用したい」と2020年夏に開店した。「やるからには本場と同じものを」とこだわり、町内外に根強いファンを持つ。 店舗名は「27LAYERS(レイヤーズ)」。レイヤーズは「層」を意味し、生地は27層にこだわる。冷凍保存をせず、毎朝営業日に焼き上げるのも店のポリシーだ。残ガスを利用して高熱で焼き上げ、外はサクッと、中はふわっとした食感が特徴。電気代を削減できる分、国産の発酵バターや県内産の抹茶を使用するなど材料費にコスト
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ガーデンパークに記念庭園 世界的デザイナー監修「静岡」の景色表現 浜名湖花博
浜名湖花博2024(浜名湖花博20周年記念事業実行委員会主催)が開かれる浜松市中央区の浜名湖ガーデンパーク会場で、世界的庭園デザイナーの石原和幸さん(66)が監修した記念庭園「汽水園」が完成した。26日、石原さんが現地で最終確認した。同会場は4月6日にオープンする。 「静岡」をコンセプトとし、富士山の湧水と浜名湖の眺望という本県を象徴する景色を広さ約117平方メートルの庭園に表現した。庭園中央の道は豊かな自然と文化的な面をつなぐ、人々が行き交う道を表した。クロマツやサルスベリなどの樹木は浜松産を使用し、他の庭園で使われなくなった石材を再利用した。 汽水園は花博の舞台・浜名湖から着想を得て
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自然の中で「ととのう」 テントサウナ、浜松・天竜区で人気 “熱波師”登場、楽しさ満載【しずおかアウトドアファン】
ここ数年、人気が高まっているサウナ。浴場や専門の施設だけでなく、屋外での入り方も広まり、愛好者の裾野拡大に一役買っている。今回特集するのは、自然の中で楽しむテントサウナ。極上の「ととのう」体験とはいかに―。 (生活報道部・草茅出) 「サウナに入り熱くなった状態で冷たい川に入ると、体がぎゅっと引き締まるようで気持ちいい。定期的に通っています」。浜松市天竜区の山あいを流れる阿多古川のそばにある「サウナ天竜」を訪れた磐田市の八木雅子さん(40)は笑顔を見せた。 サウナ天竜は、バーベキューなどを楽しめる観光駐車場「TAKI駐車場」(天竜区上野)の一角にテントサウナを4基設置している。まきス
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大自在(3月27日)相棒の裏切り
「信頼していた方の過ちというのを、悲しくというかショックです」。米大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手が、通訳だった水原一平氏の違法賭博問題について初めて語った。 水原氏は通訳としてだけでなく、トレーニングや車の運転など公私でサポートし共に歩んできた。そんな「相棒」の裏切り。「うまく言葉では表せない」。大谷選手はどれほど動揺したか。想像を絶する。 相棒を辞書で引けば「上下の意識なく一緒に仕事をする仲間」(新明解国語辞典)とある。江戸時代までよく使われていた乗り物の「かご」から生まれた言葉だという。箱状の座を棒でつるし、前後で一緒に担ぐ人のこと。 大谷選手は、自身の口座から違法ブックメーカ
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社説(3月27日)大谷選手の会見 疑惑晴らし野球専念を
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手が、専属通訳だった水原一平氏の違法賭博疑惑について初めて現地で記者会見し、自らの賭けや胴元への送金などすべての関与を否定する声明を発表した。 たとえ通訳の不祥事でも、大谷選手が関与していれば法的責任を問われたり、大リーグ機構から出場停止などの処分を科されたりすることも考えられる。声明が事実なら、その可能性は極めて小さいと見てよかろう。ひとまずはファンを安堵[あんど]させた。 とはいえ、大谷選手が「話せることに限りがある」と前置きしたように、質疑応答はなく会見時間は10分程度。口座への送金方法など未解明の点があり、調査の進展が待たれる。エンゼルスからドジ
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きょうの富士山 3月27日午前6時35分ごろ
雨上がり朝。雲の隙間から富士山の山体全体を見ることができました。
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焼津の私立幼稚園 教諭大半が退職意向 職員補充で運営継続
焼津市西小川の私立焼津中央幼稚園で教諭の大半が3月末で一斉退職することが26日、関係者への取材で分かった。教諭ら15人のうち、13人が退職する意向を示しているという。園は新規採用などで運営を継続する見込み。 関係者によると、2月下旬ごろに市と静岡県は10人超の教諭が辞意を固めている状況を把握。園に事実確認したところ、「人員を確保しているため、新年度以降の運営に支障はない」との回答だったという。 園は3月下旬、保護者向けの説明会を実施した。関係者によると、大量退職の原因として園側は、職員や保護者とのコミュニケーション不足を挙げたという。新年度の態勢については9人を補充する見通しを示した上で
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血痕の赤み「残らない」弁護側証人3人が断言【袴田さん再審公判】
現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審第11回公判が26日、静岡地裁(国井恒志裁判長)であり、前日に続いて証人尋問が行われた。再審開始の大きな根拠となった鑑定を手がけた弁護側の証人3人は「1年以上みそに漬かった血痕に赤みが残ることはない」と断言。旭川医科大の清水恵子教授(法医学)は、検察側が反論の証拠として提出した共同鑑定書について「抽象的な可能性論を繰り返すだけで仮説の域を出ておらず、われわれの鑑定結果を左右しない」と強調した。 ▶関連記事 証人全員に質問27日実施 弁護団「色問題」立証に自信 5点の衣類は事件
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弁護団「色問題」立証に自信 証人全員に質問27日実施【袴田さん再審公判】
静岡地裁で続く袴田巌さん(88)の再審公判は25、26の両日、1年以上みそに漬かった血痕に赤みが残るかどうかをテーマに検察・弁護側双方の証人計5人全員が証言した。検察側は、この「色問題」を再審請求審で担当してきた東京高検の検事を「最も精通している」(静岡地検の奥田洋平次席検事)として投入。一方の弁護団は立証に自信を深める。尋問最終日となる27日は5人の証人全員を証言台の前に並ばせ、裁判所の主導で質問していく「対質尋問」を予定。関係者は「裁判官がどんな質問をするかを見れば心証が分かるのでは」と注視する。 ▶関連記事 血痕の赤み「残らない」弁護側証人3人が断言 袴田さんの第2次再審請求の
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【静岡県内公示地価・中部】経済正常化、二極化が加速 静岡市葵区 西草深町引き合い強く/焼津市祢宜島 子育て世代関心
国土交通省が26日発表した静岡県内公示地価(1月1日時点)は、社会経済活動の正常化により商業地が4年ぶりの上昇に転じるなど、利便性の高い地域で堅調な伸びを示した。沿岸部も下落幅が若干縮小したものの、需要が高まる内陸部との二極化傾向は続く。各地の需給や取引状況を不動産関係者に聞いた。 (価格は1平方メートル当たり) 静岡市葵、駿河区 住宅地は葵区0・8%、駿河区0・6%といずれも上昇した。中心市街地は需要が高く、土地の動きが活発化している。 駅から徒歩圏内のエリアは引き合いが強く、葵区春日町で23万円、西草深町で38万円、駒形通で24万円など。中古の一戸建てやマンションも人気で、
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【静岡県内公示地価・西部】浜松市中央区、遠鉄沿線需要変わらず/掛川市、人気の駅近は供給限定的
浜松市中央、浜名区 中央区の住宅地は0・5%上昇。遠州鉄道沿線の人気は依然根強く、曳馬で15万円の売買があった。東名高速道へのアクセスが良く、道路整備が進む初生町では12万円台。商業地は0・9%上がった。スーパー、ドラッグストア、家族葬向け葬儀場やフィットネスジムの出店意欲が目立つ。浜名区の住宅地は0・1%上昇した。遠鉄沿線の市街化区域周辺は安定した取引が続く。小松の調整区域は6万円台後半から7万円台前半。旧引佐郡3町は下落傾向にあり、空き家が増えている。事業継続計画(BCP)の対策で工業地への関心が垣間見える。 浜松市天竜区 住宅地は2・0%、商業地は2・1%下落したが、直近
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【静岡県内公示地価・東部】沼津 住宅地売買価格横ばい/熱海 商業地伸び率県内最高
沼津市 住宅地は1・1%下がった。総じて需要が乏しい一方、土地造成費用などが高騰し、売買価格は横ばいで推移している。交通や生活利便性の高い沼津駅周辺は富裕層や高収入世帯の購入意欲が強い。供給は限られ、従来より2割以上高い売買事例もある。市東部は長泉町や三島市の代替地として一定の需要が続く。大岡は10万~12万円で取引される。西部や南部は値頃感から買いが入る。 商業地も1・1%下落した。沼津駅周辺は人通りの少なさが敬遠され店舗用地としての需要は低調だが、賃貸を含む住居用地として求める動きがある。 三島市 市全体で0・2%の上昇。三島駅南口再開発への期待感から駅周辺の住宅地の引き合いは依然
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【静岡県内公示地価】熱海、若者にぎわう街に 出店需要高まり商業地回復
新型コロナウイルス感染症の5類移行で人流が回復し、静岡県内の市街地がにぎわいを取り戻しつつある。26日に発表された県内公示地価(1月1日時点)は、商業地がプラス0・2%と4年ぶりの上昇。円安で旅先に国内を選ぶ邦人やインバウンド(訪日客)で活性化し、首都圏から近い観光地ではホテルやテナントの出店も相次ぐ。 県内の商業地で最も高い上昇率を示した熱海市銀座町。JR熱海駅から徒歩15分程度の熱海銀座商店街は、平日の昼間も大勢の観光客でにぎわう。同商店街振興組合の小倉一朗理事長(54)によると「感覚として観光客の7割は20~30代」。プリンや海鮮丼、ドラマのロケ地など多くの魅力を求めて若者が足を運ぶ
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商業地4年ぶり上昇 静岡県内公示地価 沿岸部下落続く、都市部との二極化も
国土交通省は26日、1月1日時点の公示地価を発表した。静岡県内32市町672地点の対前年比平均変動率は、新型コロナウイルス感染症5類移行による社会経済活動の正常化を受け、商業地がプラス0・2%(前年マイナス0・2%)と4年ぶりに上昇へ転じた。住宅地はマイナス0・2%(同マイナス0・5%)と下落幅が縮小し、工業地はプラス0・5%(同プラス0・2%)で2年連続の上昇。回復基調だが、沿岸部と都市部の二極化も進む。 住宅地の上昇地点は156地点で、前年の112地点を上回った。静岡市葵区西草深町や音羽町、清水区谷田など生活利便性が高い市街地で上昇した一方、津波リスクがある沿岸部や高齢化、過疎化が進む
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【ウェブ限定】内申点、中学校ごとに公平?寄せられたご意見【NEXT特捜隊】
受験生の父親みつるさん(浜松市、50代)から「高校入試で大きなハードルとなる内申点。付け方は中学ごとに公平なのでしょうか?」と投稿を受け、NEXT特捜隊は内申点の仕組みを紹介した( ▶関連記事 内申点、中学校ごとに公平? 浜松市の保護者から疑問)。また、LINEで内申点についてご意見を募ったところ、疑問・もやもや、肯定的なご意見が寄せられた。一部を紹介する。 内申点に疑問あり 地区によって評価が違う/教員間で不統一/絶対評価は入試に不向き… ◆地区により異なる観点別評価(藤枝市、教育関係の女性、40代) 観点別評価は地区によって違う。例えば「ABB」をある地区では「5
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サクラエビ由比と大井川で春漁初競り 平均値上昇、約4万9千円【動画あり】
前夜の春漁初日に水揚げされたサクラエビが26日早朝、由比漁港(静岡市清水区)と大井川港(焼津市)で初競りにかけられた。約19トンを取引し、1ケース(15キロ)当たりの両市場平均取引値は約4万9千円と、まれに見る豊漁だった昨春初日から約1万6千円上昇した。 26日午前5時ごろ、同区の由比、蒲原地区の仲買人らが初競り会場の由比漁港に続々と集まり、「形もよく混ざり物も少ない」「去年の初日は特別だったけど今年もいい」などと話し、じっくりとサクラエビを目利きした。同40分に競りが始まると、仲買人らは買い付けたサクラエビを次々にトラックに積み込んだ。由比漁港の最高値は5万5110円だった。 初競りを
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駿河湾フェリー、キラキラ!黄金色に塗装 清水-土肥、インバウンド取り込みに力
清水港と土肥港を結ぶ駿河湾フェリーは26日、黄金色の塗装を施した船体の運航を開始し、清水港で報道陣に公開した。高級感を演出するとともに、船内でも駿河湾フェリー限定の日本酒や弁当などを新たに提供し、インバウンド(訪日客)の取り込みに力を入れる。 改装は、金山などにちなんだ中央日本4県(静岡、山梨、長野、新潟)の観光誘客プロジェクト「黄金KAIDO」の一環。改装費は4100万円。青色を基調にした船体を黄金に塗り替え、「GOLD ROAD」の文字を入れた。 船内は天井や壁、柱の色を黄金に改装。1階の休憩室の壁画は、徳川家康が土肥金山から駿府に向けて船で金塊を運ばせていた風景と富士山を表現した。
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超人集結「キン肉マン」聖地へ 沼津仲見世商店街にミュージアム4月開業 等身大フィギュアなど展示
沼津市中心部の沼津仲見世商店街に4月下旬、人気漫画「キン肉マン」の世界を伝える常設施設「キン肉マンミュージアムin沼津」がオープンする。館内には複製原画やキャラクターの等身大フィギュアなどが並ぶ予定。人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の聖地として知られる商店街に新たなサブカルチャーの殿堂が生まれる。運営するミュージアム制作委員会が25日、発表した。 ミュージアムはJR沼津駅南口から徒歩4分の空き店舗に開業する。キン肉マンの常設施設は全国初で、漫画で描かれた「夢の超人タッグ編」の舞台だった富士山を望む場所として沼津を選んだという。 延べ床面積は840平方メートル。1階はグッズ販売
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大自在(3月26日)二階俊博元自民党幹事長
1958年9月26日夜に伊豆半島南端をかすめ、日付が変わったころ三浦半島に上陸した狩野川台風。伊豆を中心に死者888人、行方不明者381人、負傷者1138人、家屋の全半壊・流出1万数千棟という甚大な被害を出した。 当時、建設相を務めていたのが裾野市出身の遠藤三郎氏(1904~71年)。中選挙区時代の衆院静岡2区選出で、地元の惨状に心を痛めたことは想像に難くない。復旧に力を尽くし、7年後に完成した狩野川放水路の建設にも大きく貢献したとされる。 その遠藤氏に11年にわたり秘書として仕えたことのある二階俊博元自民党幹事長が、次の衆院選に出馬しないと表明した。自民派閥の政治資金パーティーを巡る裏
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社説(3月26日)北陸新幹線延伸 被災地復興の後押しに
北陸新幹線の金沢―敦賀間が延伸開業した。東京―福井間の所要時間は最短2時間51分で、開業前より約30分短縮されて首都圏がより近くなった。沿線では観光など地域経済への効果が期待される。 能登半島地震からの復興につなげる観光支援事業「北陸応援割」も始まり、活況を呈しているようだ。地震で落ち込んだ旅行需要の回復が目的で、期間限定で宿泊代金が最大50%引きとなる。JR西日本は延伸開業直後の2日間は昨年の利用実績の1・2倍になったとしている。 一方、石川県の奥能登地域を中心とする能登地震の被災地は依然として復旧途上だ。地震発生から間もなく3カ月となるが、約1万戸が断水したままで、8500人以上が避
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【終章】遺したもの㊥ 支えた母 喪失感 夢でも会いたい【青春を生きて 歩生が夢見た卒業】
寺田歩生[あゆみ]さんの母有希子さん(54)は、4年に及んだ歩生さんの闘病を昼夜を問わず支えた。思うように治療の効果が上がらず、焦りや悔しさを感じた日々。救いになったのは、歩生さんのユニークな言動や、闘病中に迎えた愛犬「豆吉」の存在だった。 「家族で笑い合っていると、重い心を忘れることができた」 周囲の人々の優しさや思いやりが支えになった。今も、自宅やお墓を訪ねてくれるなど心に留めてくれる友人や恩師がいる。歩生さんが通った県立磐田北高は、遠隔授業の導入に尽力してくれた。県内の県立高に広がり、大きな足跡を残した。「皆さんの応援が力になった」 一方、最愛の娘を失った喪失感もまた、家族に残さ
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駿河湾産サクラエビ春漁解禁 初日は18トン「順調に生育」
駿河湾産サクラエビの春漁が解禁日の25日、初漁を迎えた。近年まれに見る豊漁だった昨春初日の約35トンよりは劣るものの、春漁初日としては比較的多めの約18トンを水揚げした。漁獲したサクラエビは26日早朝、由比漁港(静岡市清水区)と大井川港(焼津市)で初競りにかける予定。 静岡県桜えび漁業組合(実石正則組合長)所属の約80隻が駿河湾全域で調査を兼ねて操業した。由比漁港には午後9時半ごろから船が戻り、ケースを桜色に埋めたサクラエビが次々に陸へ下ろされた。漁師からは「順調にエビが育っていた」などの声が上がった。 駿河湾産サクラエビを巡っては2018年秋以降、同組合が漁獲量を自主規制し資源回復に取
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【袴田さん再審公判】5点の衣類「白すぎる」 検察側証人から思わぬ“援護”
長期間みそに漬かった衣類に付着した血痕の赤みは残りうるのか、消えるのかー。静岡地裁で続く袴田巌さん(88)のやり直しの裁判(再審)は25日、犯行着衣とされる「5点の衣類」の血痕の色変化を巡り、専門家の証人尋問に入った。検察側証人は、再審開始の決め手となった弁護団の鑑定を疑問視。一方で衣類の生地について「白すぎる」と述べ、検察側が再審請求審で実施したみそ漬け実験に苦言を呈する場面も。弁護団からは思わぬ〝援護射撃〟に驚く声が上がった。 証人として出廷したのは池田典昭九州大名誉教授と神田芳郎久留米大教授。共に法医学者で池田氏は日本法医学会の元理事長、神田氏は現理事長。検察側は池田氏の供述調書と、
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【全国高校選抜空手】 成沢(御殿場西)V 女子組手個人66キロ級
空手道の全国高校選抜大会は25日、広島県立総合体育館で行われ、女子組手個人66キロ級に出場した御殿場西の成沢美咲が初優勝した。試合終盤に攻勢に転じ5ー1で逃げ切った。 残り20秒で初ポイント リズムつかみ突き放す 女子組手個人66キロ級で御殿場西の成沢が全国選抜大会初の頂点に立った。昨年は静岡県予選で敗退し、出場すらかなわなかった大会で成長した姿を示した。 決勝は終盤まで膠着(こうちゃく)状態が続いた。残り20秒でようやく中段突きが入ったが、審判の旗は上がらず。見守った細矢監督はたまらず決勝戦のみに適用されるビデオ判定を要求して初ポイントを奪った。 成沢は「先取を大事にしていたので取れ
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袴田さん再審で証人尋問開始 血痕の赤み「否定できず」 検察側・法医学者指摘【最後の砦 刑事司法と再審】
現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審第10回公判が25日、静岡地裁(国井恒志裁判長)で開かれ、3日間にわたる証人尋問が始まった。犯行着衣とされる「5点の衣類」に付着した血痕の色調変化を巡り、検察側証人で法医学者の神田芳郎久留米大教授は血痕に赤みが残る可能性について「いろんな状況を考えれば否定できない」と述べた。 弁護団はこれまでの再審公判で、再審請求審と異なり立証責任は検察にあるとして「血痕の赤みが残ることが間違いないと立証できなければ反証としては不十分だ」とけん制している。 神田氏は尋問で、再審開始を認めた20
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東南アジアで企業のマッチング強化 静岡県内金融機関 進出需要一巡、課題解決後押し
新型コロナウイルス禍に途絶えていた海外との交流が徐々に再開される中、静岡県内の金融機関が東南アジアでのマッチング強化に力を入れている。現地では輸送機器関連を中心にサプライチェーン(供給網)の整備が進み、周辺国との物流も活発化。一方で、資材価格の高騰や人手不足などの影響も出始め、各金融機関は企業同士を結びながら課題解決を後押しする。 静岡銀行は2月下旬、インドネシアとタイを4年ぶりに視察。両国の現地法人によるネットワーク「静友会」のメンバーが集い、人的資源や人事・組織戦略をテーマにしたセミナーを通じて研さん、交流を図った。滝和彦常務執行役員はインドネシアについて「国の成長を含めて重要性をあら
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静岡県、インフラ補修に優先順位 長寿命化へ方針 デジタル積極活用
自然災害の頻発化や建設業の担い手不足に加え、橋やトンネルなどの老朽化が加速する中、静岡県はこのほど、10年先を見据えた「社会インフラ長寿命化行動方針」をまとめた。補修の優先順位にメリハリをつけて本格的な「予防保全型管理」を進めるほか、デジタル技術を積極的に活用して点検などの効率化を図る。 県は点検結果を基に、インフラを①健全②予防保全③早期措置④緊急措置―の4段階に区分している。予防保全型管理は、インフラに不具合が生じる前に計画的に補修することでコストが縮減できるため、県はこれまでも維持管理の基本方針に掲げていた。しかし、高度経済成長期に建設されて耐用年数の目安とされる「建設後50年」を超
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御前崎と森のお茶 地元出身ボートレーサーが発信 浜名湖ボートで4月イベント
ボートレーサーとして活躍する御前崎市出身の長嶋万記選手(42)と森町出身の森下愛梨選手(27)が、地元産のお茶を包装したチャリティーグッズを新たに製作した。以前から被災地支援などの慈善活動に取り組んできた両選手が、地元のお茶の魅力を発信して地域貢献をしようとグッズ化が実現した。4月6日、湖西市新居町のボートレース浜名湖で6年ぶりに開くチャリティーイベントで販売を開始する。 静岡茶の生産量減少や若者のお茶離れを危惧する茶販売業「静岡やすま園」(湖西市駅南)の安間達哉代表=森町出身=が、同郷の森下選手にお茶の魅力発信を相談したのがきっかけ。長嶋選手が2009年から取り組むチャリティープロジェク
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岸田首相、日朝会談意向を伝達 金与正氏「政治的決断を」
【北京共同】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党副部長は25日、岸田文雄首相が可能な限り早い時期に金正恩氏と直接、会談したいとの意向を伝えてきたとする談話を発表した。その上で、両国関係の改善に向けて「重要なのは日本の政治的決断だ」と強調。拉致問題を巡り、日本の譲歩を迫った形だ。朝鮮中央通信が伝えた。 岸田氏が会談の意向を伝えてきたのは最近で、これまでとは別のルートだとしている。金与正氏は2月にも対日関係についての談話を発表し、日本の政策転換を求めていた。いずれの談話も、拉致問題は解決済みだとする北朝鮮の立場を踏襲している。
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自民二階氏、衆院不出馬へ 裏金事件「不信招いた」【動画あり】
自民党の二階俊博元幹事長(85)=衆院和歌山3区=は25日、党本部で記者会見し、次期衆院選に立候補しない意向を表明した。自身が率いた二階派(志帥会)の政治資金パーティー裏金事件に関し「政治不信を招く要因となったことに深くおわび申し上げる」と謝罪。その上で「政治責任は全て監督責任者である私自身にある」と語った。岸田文雄首相に不出馬意向を伝えたとも明かした。党による裏金関係議員の処分に先立ち、進退を判断した格好だ。 自民は派閥の裏金事件で、安倍派の資金還流の対応を協議した幹部会合に出席した塩谷立元文部科学相ら4氏に「選挙での非公認」以上の処分を科す方向で調整している。二階氏の不出馬表明は安倍派
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【英キャサリン皇太子妃、がん公表】プライバシー守る決意 広がる臆測、沈静化図る
英国のウィリアム皇太子(41)の妻キャサリン妃(42)が22日、がんを公表した。1月に腹部の手術を受けた後、公の場に姿を見せず、病状を巡り臆測が飛び交った。今月公開した家族写真が加工されていたことが判明して騒動はさらに拡大。がんの種類や進行度は伏せつつも、一定の情報を明らかにして事態を沈静化させ、家族のプライバシーを守りたいとの強い決意をにじませた。 「術後の検査でがんが見つかり、化学療法の初期段階にある」。22日に公表したビデオメッセージで、キャサリン妃はベンチに座り穏やかな表情で打ち明けた。 「私たち家族にとって、この数カ月は信じられないほど大変な日々だった」と振り返り、幼い3人の子
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【DV男性被害】「男らしさ」縛られ潜在化 被害急増、理解不足に警鐘
女性被害者への支援が一定程度進んできたドメスティックバイオレンス(DV)は近年、男性による被害相談が急増している。窓口の対応時間が短い上、相談員の理解が足りず適切な対応を受けられない例も。専門家は「男は強くなければならないという価値観から相談できない人がおり、相談者数は氷山の一角だ」として、社会の意識刷新が必要だと警鐘を鳴らす。 DVやストーカー問題に取り組むNPO法人「女性・人権支援センター ステップ」(横浜市)は数年前に男性被害者からの相談が相次いだことから、2022年に男性専用の被害者支援プログラムを設置した。栗原加代美理事長(77)は「たたかれたり、物を投げられたり、罵倒されたり、
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【時の人】大相撲春場所で新入幕優勝した 尊富士弥輝也(たけるふじみきや)さん
14日目の取組で右足を痛める試練を乗り越え、110年ぶりとなる新入幕優勝を果たした。「勝っても負けても自分の相撲を取って、15日間しっかり土俵に上がる」と話してきた通り、窮地で強い精神力を発揮した。 相撲どころの青森県五所川原市出身。経験者の祖父の影響で幼少期から相撲を始め「練習後のコンビニで何か買ってくれるのが楽しみだった」と冗談めかす。相撲部がある中学に転校し、送り迎えなど家族の協力も得て競技に打ち込んだ。 全国屈指の強豪、鳥取城北高に進学。2年時に左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂したが、石浦外喜義総監督(62)は「今まで見てきた中で一番気が強く、痛みにも強かった。すごい男だ」と振り
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どうなる?2024年問題 物流/バス・タクシー/建設業/勤務医【Q&Aまとめ】
残業規制拡大 サービスの低下が懸念 時間外労働(残業)の上限規制の適用業種が4月1日に拡大することで、宅配や医療、公共交通などのサービス低下が懸念されます。「2024年問題」と呼ばれています。 Q 適用業種は。 A トラックやバス、タクシーなどの自動車運転業、建設業、医師、鹿児島・沖縄両県の製糖業です。 Q 何が起こるの。 A 1人が働ける時間が減る形となり、宅配の荷物が届くのが遅くなったり、診療を受けにくくなったりするかもしれないと言われています。 Q 困りますね。 A 規制が設けられた背景には、過労の末に命を落とす人たちを出してしまったという反省があります。健
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がん公表の英キャサリン妃 世界中から励ましの声
【ロンドン共同】英国のウィリアム皇太子の妻キャサリン妃(42)が22日にがん治療を受けていると公表したことを受け、国内外から励ましの声が上がった。バイデン米大統領はX(旧ツイッター)で「世界中の大勢の人々と共にキャサリン妃の全快を祈っている」と表明。バイデン氏の妻ジルさんも「勇敢だ。あなたを愛している」と投稿した。 皇太子夫妻の広報担当者は23日、「2人は英国と世界中から寄せられた温かいメッセージに大変感動している」との声明を発表した。 キャサリン妃の弟ジェームズ・ミドルトンさんは自身のインスタグラムを通じ「私たちは一緒に多くの山に登ってきた。家族として、この山にもあなたと登るつもり
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さらばアディダス ドイツサッカー連盟、ナイキと契約へ 閣僚ら「愛国心ない」
【ベルリン共同】3本線のないユニホームなんて-。ドイツ・サッカー連盟が代表ユニホームなどのスポンサー契約を同国のアディダスから米国のナイキに乗り換えると発表し、波紋を広げている。アディダスとの契約は2026年まで。代名詞ともされる3本線入りの代表ユニホームが消えることに、閣僚らから「愛国心がない」と批判が噴出した。 連盟は21日の発表で「入札でナイキが最も良いオファーをした」と説明。27~34年の契約で男子と女子、ユースの代表のユニホームなどを提供する。経済紙ハンデルスブラットによると、アディダスは年間5千万ユーロ(約82億円)を支払う契約を結んでいるが、ナイキは1億ユーロ以上を提示した。
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テロに乗じ侵攻正当化か ロシア、ウクライナに責任示唆 過激派問題対応苦慮
モスクワ郊外で22日起きた銃乱射テロを巡り、ロシア側ではウクライナの関与を示唆するような言動が、プーチン大統領を筆頭に目立つ。ロシアは長年、イスラム過激派への対応に苦慮してきたが、今回は責任がウクライナにあるかのように見せることで侵攻を正当化する狙いが透ける。 白いルノーの車で、ウクライナへ逃げようとしていた-。モスクワから約340キロ離れたブリャンスク州で外国籍の実行犯が拘束された際の様子を、ロシアの下院議員が語った。同州はウクライナと国境を接する。 ▽痕跡 プーチン氏はテロの3日前にも連邦保安局(FSB)幹部との会議で、ロシア国内への越境攻撃を強めるウクライナが「テロリストの
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尊富士、同郷の師に導かれ 熱海富士、翠富士も指導 伊勢ケ浜親方「子どもの頃から入門の話」
大相撲の新入幕、尊富士[たけるふじ](24)が24日、大阪市浪速区のエディオンアリーナ大阪で千秋楽を迎えた春場所で初優勝を果たした。伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は、同じ青森県出身の尊富士が自身のしこ名を冠した「つがる旭富士ジュニアクラブ」で稽古を積んでいた当時から、「何とか部屋に入ってほしい」と願っていた。並外れた負けん気の強さ。「地元だし、子どもの頃から入門の話はずっとしてきた」と振り返る。 日馬富士、照ノ富士の両横綱をはじめ、安美錦や熱海富士(熱海市出身)ら数多くの関取を育てた親方にとって、尊富士は3人目の幕内優勝力士。「人それぞれだから」という柔軟な指導方針の下、しばしば正午まで続く
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今年の花見は安・近・短 物価高が家計圧迫影響? 全国調査「行く予定」増、静岡の開花予想は30日
調査会社インテージ(東京)が行った今春のお花見に関する意識・行動調査で、物価高を理由に「費用は安く、距離は近く、日程は短く」の“安近短”で楽しもうとする傾向が明らかになった。お花見を予定する人は前年より増加し、県内も新型コロナウイルス5類移行後初の桜シーズンを満喫する人が目立ちそうだが、家計圧迫の影響が反映されそうだ。 調査は2月に全国の15~79歳2500人に実施。お花見を「予定している」「するかもしれない」の合計は、前年から3・2ポイント増の34・5%。コロナ禍だった2021年の初調査時の21・7%から右肩上がりとなった。 シチュエーションは「昼間に近場で桜が
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あわしまマリンパーク閉園1カ月 再開険しく 淡島ホテル破産影響、資産所有権で問題
沼津市の離島・淡島の水族館「あわしまマリンパーク」が閉園し、25日で1カ月を迎えた。関係者によると、現場の従業員は再開に向けて複数の新オーナー候補と交渉中だが、見通しは立たないまま。難航する背景には、かつて同じ経営グループの傘下にあり、同じ島内にある淡島ホテルの破産手続きの過程で生じた水族館資産の所有権の問題があるとみられる。 水族館はかつて、旧東京相和銀行を率いた故長田庄一氏のグループが隣接の淡島ホテルと一体で経営していた。その後、2012年に水族館の運営は分社化。19年までにホテルと水族館の経営権がともに名古屋市の保証事業会社「オーロラ」のグループに移った。 淡島ホテルは事業を別の
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【終章】遺したもの㊤ 友と恩師、闘い学んだ姿 今も心に【青春を生きて 歩生が夢見た卒業】
10代の女性2人は、ピンク色のリボンがかかった亡き友の遺影に静かに手を合わせた。緊張した雰囲気はすぐに解け、2人が高校時代の友とのエピソードを次々と明かすと、家中は笑いに包まれた。 2023年末、磐田市内の寺田歩生[あゆみ]さん宅を県立磐田北高で2度目の1年生の時に一緒だった杉田沙穂さん(19)と増井由貴さん(19)、当時の養護教諭増田紀子さん(46)が訪ねた。歩生さんが21年10月に他界して以来、初めて“再会”を果たした。 がん闘病の傍ら懸命に学校に通っていた歩生さんは増田教諭のいる保健室によく通った。仲が良かった沙穂さんが、保健室にたびたび付き添ったことを話
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岸田首相、SNS発信強化 政策アピール 裏金は触れず...能登地震、偽情報への危機感契機
岸田文雄首相が、年明けから交流サイト(SNS)への投稿を活発化させている。能登半島地震で飛び交った偽情報への危機感をきっかけに、課題とされる発信力不足の克服を図る。賃上げや子育てといった看板政策のアピールが目立つ一方、自民党派閥裏金事件への直接の言及はない。 地震発生の1月1日、首相はX(旧ツイッター)で「命を守る行動を」と訴え、4日はSNS上で拡散する虚偽の救助要請に惑わされないよう呼びかけた。13日には、ホテルや旅館への2次避難は被災者負担との情報を否定するなど、1月は地震対応を中心に連日のように投稿した。 2月以降は地震以外の話題も増え始め、2月13日は「NISA(にいさ)の日」