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自民二階氏、衆院不出馬へ 裏金事件「不信招いた」【動画あり】

 自民党の二階俊博元幹事長(85)=衆院和歌山3区=は25日、党本部で記者会見し、次期衆院選に立候補しない意向を表明した。自身が率いた二階派(志帥会)の政治資金パーティー裏金事件に関し「政治不信を招く要因となったことに深くおわび申し上げる」と謝罪。その上で「政治責任は全て監督責任者である私自身にある」と語った。岸田文雄首相に不出馬意向を伝えたとも明かした。党による裏金関係議員の処分に先立ち、進退を判断した格好だ。

記者会見する自民党の二階元幹事長=25日午前、東京・永田町の党本部
記者会見する自民党の二階元幹事長=25日午前、東京・永田町の党本部
自民党の二階俊博元幹事長
自民党の二階俊博元幹事長
記者会見する自民党の二階元幹事長=25日午前、東京・永田町の党本部
自民党の二階俊博元幹事長

 自民は派閥の裏金事件で、安倍派の資金還流の対応を協議した幹部会合に出席した塩谷立元文部科学相ら4氏に「選挙での非公認」以上の処分を科す方向で調整している。二階氏の不出馬表明は安倍派幹部らの処分に影響する可能性がある。
 二階派は、パーティー券の販売ノルマを超えた利益を議員に還流。二階氏を巡っては、派閥から受け取った3千万円超を政治資金収支報告書に記載しなかった政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で秘書の有罪が確定し、二階派の元会計責任者も東京地検特捜部に在宅起訴された。
 秘書は罰金100万円と公民権停止3年が先月確定。二階氏は特捜部から任意の事情聴取を受け、不起訴処分だった。
 二階氏は次期衆院選で、小選挙区定数「10増10減」に伴う区割り変更を受けた和歌山2区の支部長に決まっていた。会見で後継候補については言及せず「地元の判断に任せる」と述べるにとどめた。
 二階氏は1983年に衆院初当選。運輸相、経済産業相、党国対委員長、総務会長などを歴任した。93年、宮沢内閣不信任決議案に賛成した小沢一郎氏に同調、自民を離党し、細川政権樹立に参画。保守党などを経て2003年に自民へ復帰した。安倍政権で16年に幹事長に就き、歴代最長の5年超務めた。当選13回。

 自民党派閥裏金事件の経過は次の通り。(肩書は当時)
 2023年12月 安倍、二階、岸田3派で政治資金収支報告書への不記載疑惑浮上
 24年1月18日 岸田文雄首相が岸田派解散の意向表明。岸田派と二階派が収支報告書を訂正
 19日 東京地検特捜部が3派の会計責任者らと、安倍派から多額の還流を受けた議員らを立件。安倍、二階派が解散方針決定
 31日 安倍派が収支報告書を訂正
 2月29日 首相と二階派の武田良太事務総長が衆院政治倫理審査会出席
 3月1日 塩谷立元文部科学相ら安倍派幹部4氏が衆院政倫審出席
 14日 安倍派幹部の世耕弘成前参院幹事長ら3氏が参院政倫審出席
 18日 安倍派の会長代理を務めた下村博文氏が衆院政倫審出席
 25日 二階俊博元幹事長が記者会見

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