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【時の人】大相撲春場所で新入幕優勝した 尊富士弥輝也(たけるふじみきや)さん

 14日目の取組で右足を痛める試練を乗り越え、110年ぶりとなる新入幕優勝を果たした。「勝っても負けても自分の相撲を取って、15日間しっかり土俵に上がる」と話してきた通り、窮地で強い精神力を発揮した。

尊富士弥輝也さん
尊富士弥輝也さん

 相撲どころの青森県五所川原市出身。経験者の祖父の影響で幼少期から相撲を始め「練習後のコンビニで何か買ってくれるのが楽しみだった」と冗談めかす。相撲部がある中学に転校し、送り迎えなど家族の協力も得て競技に打ち込んだ。
 全国屈指の強豪、鳥取城北高に進学。2年時に左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂したが、石浦外喜義総監督(62)は「今まで見てきた中で一番気が強く、痛みにも強かった。すごい男だ」と振り返る。足を引きずりながら闘う意志を見せ、3年時は主将としてチームをまとめた。
 日本大を経て2022年秋場所に初土俵。大学で主要タイトルに届かなかった反骨心を胸にスピード出世を果たした。関取の象徴である大銀杏(おおいちょう)を結えるのは早くて7月の名古屋場所の予定だ。
 地元名産のリンゴは「伝統文化みたいな感じ。好きなものには入らない」という。好物はモモ。ラーメンは苦手だ。動物の動画を見るのが大好きで、食欲がない時は犬が餌を食べる動画をチェック。「犬は食べるのを止めない。そのペースに合わせると食べ切れる」と力説する。趣味は人間観察と、いい香りのボディークリームを探すこと。座右の銘は「初志貫徹」。本名は石岡弥輝也。184センチ、143キロ。24歳。

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