インタビューの記事一覧
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静岡人インタビュー「この人」 中山間地域でスマートフォン普及に取り組む 笹本純一さん(浜松市南区)
中山間地域の浜松市天竜区水窪町を拠点にスマートフォンの普及事業を進めている。高齢者を中心に、スマホの便利な使い方を提案する。デジタルで山あいの暮らしを快適にする取り組みが評価され、市民の幸福度向上に貢献した人に贈られる浜松市の「はままつWell―Beingアワード2023」のデザイン賞を本年度受賞した。37歳。 ―事業のきっかけは。 「スマホのビデオ通話機能を生かした買い物支援の試験事業をニュースで知り、その現場である水窪に興味を持った。買い物支援をするNPO法人の担当者に連絡を取り、実際に訪れてみたらとてもいい町だった。自然豊かで住んでいる人の人柄もよかった」 ―事業の手応えは。
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脱炭素提案で顧客拡大 次期社長の成長戦略 松本尚武 静岡ガス常務執行役員【聞きたい】
来年1月、静岡ガスの新社長に就く。人口減少に伴ってエネルギー需要の将来的な低下が見込まれる中、環境負荷の少ない天然ガスへの切り替えや再生エネルギー由来の電力供給など脱炭素を見据えた事業展開に力を入れる考え。都市ガス以外にも事業領域を拡大し、暮らしをトータルで支援するビジネス基盤構築を進める。 ―ガス事業の状況は。 「グループ全体の使用戸数は右肩上がりだが、県外転出が多い静岡市などは頭打ちの状態。エネファームを活用したエネルギーの高度利用などを提案し、市の周辺エリアも含めて都市ガスの普及を進めていく。産業向けは石炭や重油燃料から天然ガスへの移行を促すなど、低炭素に向けた提案を通じて顧客の
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不登校でも「学校」に行かせるべき?③ 関係者インタビュー【賛否万論】
不登校の子どもが増えていますが、公教育を支える学校と不登校の受け皿になりつつあるフリースクールの関係をどう考えれば良いでしょうか。小中学校の教員や教頭を経験し、早期退職してフリースクール「オルタナティブスクール しいの木」(焼津市)を開設した見崎聡さん(58)に、学校とフリースクールのそれぞれの実情と関係性について聞きました。 (社会部・大橋弘典) 互いに補完し合える関係 元小中学校教頭でフリースクール代表 見崎聡さん 開設したフリースクールでは、どのような活動に取り組んでいますか。 小学校高学年が多く、焼津市内だけでなく静岡、藤枝、島田市などから通う子もいます。基本的には時間を区切
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静岡人インタビュー「この人」 電話応対コンクール全国大会で優秀賞に輝いた 望月優花さん(富士宮市)
全国の約6300人が出場した日本電信電話ユーザ協会主催のコンクールで、57人が頂点を競った全国大会に出場。優秀賞は、優勝、準優勝に次ぐ18人に贈られた。建設システム(富士市)勤務。39歳。 ―コンクールを振り返って。 「入社当時、電話応対する専門部署に配属され、研修の一環で挑戦が始まった。その後も毎年エントリーして、県大会で入賞することはあった。全国大会まで進んだのは初めて。トップバッターだったので緊張したが、これまでの積み重ねが結果になったようでうれしい」 ―どのような準備を。 「コンクールはさまざまな状況での応対を3分間で実践する形で行われる。今年は食事の宅配サービスを提供する会
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静岡人インタビュー「この人」 ハンドメードで登山用バッグを製作する 植田徹さん(川根本町)
登山用バッグ(ザック)を製作する工房「ブルーパー・バックパックス」(川根本町水川)の店長を務める。客一人一人と対話を深め、それぞれの目的に見合ったザックをハンドメードで手がける。34歳。 -自分でザックを作るようになったきっかけは。 「大学生のころ、初めて南アルプスに登ったことがきっかけで登山に熱中し始めた。大学卒業後、地元の藤枝市で小学校教諭をしていたころも、休みがあれば南アルプスに足を運んだ。少ない休みでなるべく多くの山を回るため、ザックの軽量化をしたかった。しかし、高性能なザックは高価で手が届かない。そこで、自分で作ってみようと思った。ミシンをほとんど触ったことがなかったので最初は
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静岡人インタビュー「この人」 「工作ガレージ」でものづくりの楽しさを伝える 松岡和彦さん(浜松市西区)
楽器メーカー「ローランド」を退職後に起業。2月に浜松市中区葵西に工作キット販売と作業スペースレンタルの「STEP たのしい工作ガレージ」をオープンし、子どもたちにものづくりの面白さを伝える。61歳。 ―開設の理由は。 「定年退職を迎え、新商品の企画開発に携わった経験を何か生かせないかと思い立った。幼少期、組み立てたおもちゃが動き出す瞬間に感じた驚きや興奮が自身の原体験。自動車や楽器などものづくりの地を担う子どもたちが創造力を養い、手で形作る楽しさを体感してほしい」 ―運営状況は。 「利用者は小学生とその保護者が多い。店内には太陽電池で走るミニソーラーカーや燃料電池の仕組みがわかるミニ
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歴史と若手意見を融合 三ケ日町柑橘出荷組合(浜松市北区)/森田能正組合長 【キーパーソン・最前線】
7月の総会で就任し、約730軒の生産者を束ねる。11月上旬に本年度産の出荷が始まった「三ケ日みかん」を巡る地域の課題や意気込みを聞いた。 ―本年度の出来栄えは。 「9月以降に秋晴れの日が続き、自然災害の被害がなかったことで2021、22年と比べて糖度が高く外観がきれいに仕上がった。ここ数年で最高のミカンができたと思っている。6~8月の多雨や夏場の酷暑による日焼け、秋の全国的なカメムシの大量発生などの影響も受けたが、一軒一軒が適正着果量を意識して樹上での摘果にきちんと取り組んでくれた。生産者の努力も大きい」 ―現状の課題は。 「三ケ日は他地域と比べると後継者が育っているが、それでも軒数
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静岡人インタビュー「この人」 関東ブロック商工会議所青年部連合会会長を務める 杉沢克久さん(三島市)
1都8県88商工会議所青年部(YEG)が所属する連合会のトップを本年度務める。三島市で開かれた関東ブロック大会では過去最多の3265人が登録し、成功に導いた。49歳。 ―大会を誘致した思いは。 「三島は地元に帰って来た人が多く、“温室育ち”とも言える。タクシーが24時間走り、深夜まで店が開いているのは当たり前ではない。他の地域を見れば、三島とは違う世界があらゆる所にある。学生時代や大手ゼネコン時代に海外へ行き、地元では得られない考え方を学んだ。発展するには、他の地域の考え方や血を取り入れないといけない。会員の視野を広げるためにも、全国や関東の会員とつながる必要があ
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地上業務 合理化に課題 スカイマークの筆頭株主に 鈴木与平・鈴与グループ代表【聞きたい】
2015年に経営破綻し、経営再建中の中堅航空会社スカイマークの株式を投資会社から11月に電撃的に取得し、約13%を握る筆頭株主に躍り出た。新型コロナウイルス禍からの国内旅行の回復が追い風となり、スカイマークの業績は足元で好調な中、純粋な投資目的の意味合いと、傘下の航空関連子会社との協業を志向する意図がある。 -株式取得の経緯は。 「株式取得についてメディアからの反響が大きく正直驚いている。昔から(スカイマーク株を買い受けた投資会社の)インテグラルの経営陣とは個人的な付き合いもあり、一緒に食事もする仲。ファンドとしてはどこかで手じまいする必要が当然ある。3カ月ほど前に株式売却の打診があっ
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静岡人インタビュー「この人」 日本女子ソフトボールリーグで初優勝した静甲女子ソフトボール部の監督 山崎奈美佳さん(静岡市清水区)
2013年から6年間、選手として静甲女子ソフトボール部に在籍した。退団後、県外の大学で学び、ソフトボール部を指導しながら小学校教員免許を取得。22年にコーチとしてチームに戻った。23年の監督就任1年目で日本女子ソフトボールリーグ初優勝に導いた。東京五輪ソフトボール金メダルの山崎早紀選手は妹。掛川市出身、33歳。 ―チームの特徴は。 「昨季の1~5番を担った主力5人が退団し、今年は平均年齢23歳の若いチームとなった。長打力のあるヒーローはいないが、その分全員に活躍のチャンスがあり、『つなぐ野球』で点を取るよう意識している。1点差でも競り勝つなど、勝負強さと粘り強さはあると思う」 ―今季を
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静岡人インタビュー「この人」 少林寺拳法世界大会の女子級拳士単独演武で最優秀賞を受賞した 松谷咲歩さん(浜松市西区)
有段者(黒帯)を除く選手が競う種目で世界1位に輝いた。11月中旬の県高校新人大会では、有段者も参加した「女子自由単独演武」で優勝し、来年3月の全国選抜大会の切符を手にした。聖隷クリストファー高(浜松市北区)2年。16歳。 ―世界大会を振り返って。 「国外の選手は演武の構成やスピードなどに個性があり、新鮮だった。予選は緊張で調子が上がらなかったが、大会の慣れや仲間、先輩の応援で肩の力が抜け、決勝では納得の演武ができた。一般の選手も出ていたので、普段の大会とは違う雰囲気が良い刺激になった」 ―競技を始めたきっかけは。 「小さい頃から体を動かすことが好きで、幼稚園の年長から中学2年まで空手
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不登校でも「学校」に行かせるべき?② 関係者インタビュー【賛否万論】
法的な縛りがなく活動の自由度の高い民間のフリースクールが、小中学校に通えない子どもの受け皿として注目を集めています。学校とは異なる空間で子どもの自己肯定感を高め、心のリハビリの場になっています。ひきこもりの支援に長年携わり、2020年に静岡市葵区で不登校の中高生向けに居場所を提供する「きみのスペース まんま」を開設した黒川彩子さん(43)に、子どもが不登校になる背景やフリースクールの実情を聞きました。 (社会部・大橋弘典) 黒川彩子さん 一斉教育の限界が来ている ひきこもり支援経験のあるフリースクール代表 黒川彩子さん フリースクールの定義や位置づけは。 定義は特に決まっていませ
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紹介力活用、地元と協業 開業35年 後藤毅彦・遠鉄百貨店社長【聞きたい】
開業35周年を迎えた百貨店のトップに就いて半年。新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴って業績が回復する一方、人手不足などの課題に直面する中、地元商品の紹介、「まちなか」との協業など地域色を生かした経営戦略を練る。 ―足元の経営状況は。 「紳士服や婦人服、化粧品などの外出関連が好調で前年より収益は回復したがコロナ前の2019年と比べると不十分。9月以降は買い物以外の外出傾向が強くなり、厳しい状況と実感している。品質の高い商品を求める客層と節約層の二極化が進み、日常的に来店する層が少し細くなった」 ―店舗づくりの方策は。 「地元商品の紹介に力を入れ、成果が出始めている。2月にえんてつ
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静岡人インタビュー「この人」 空き店舗を活用して住民の交流拠点づくりを進める 藤井天汰郎さん(西伊豆町)
松崎町の空き店舗を活用し、地域の住民が集まる交流拠点づくりを行っている。取り組みを進める松崎高の生徒と静岡大の学生のまとめ役を務め、住民主体で運営できる仕組みの整備を目指している。松崎高3年。西伊豆町出身。18歳。 -活動のきっかけは。 「松崎町の住民や静大生がまちづくりに取り組む『2030松崎プロジェクト』への参加がきっかけで、自ら活動して地域の役に立ちたいと思うようになった。地域にはさまざまな課題がある。解決するには意見を述べるだけでなく、行動に移し、実現する力が必要だと感じた」 -取り組みについて。 「人口減少で増えている空き家を資源ととらえ、地域の活性化につなげる狙いがある。
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静岡人インタビュー「この人」 発達障害の子どもたちのスクールでコーチを務めるプロボクサー 細川弦汰さん(焼津市)
焼津市の駿河ボクシングジムで練習に励みながら、同ジムに開設する発達障害の子どもたちを療育する「子どもスポーツスクールするが」でコーチを務める。鬼ごっこなどの遊びやボクシングのトレーニングを通じて、子どもたちにあいさつや思いやりの大切さ、礼儀などを教えている。19歳。 ―スクールのコーチになったきっかけは。 「相手の変化を察知するというボクシングで重要な要素を体得するのに効果があると指導者に勧められた。ジムでは、ただ強いだけではなく思いやりの持てるようなボクサーになるようにとたたき込まれた。自ら率先して実践することでボクシングのトレーニングにも生かされると思った」 ―子どもたちと接するに
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AI活用システム構築へ 遠州信用金庫(浜松市)/鈴木靖理事長【キーパーソン・最前線】
システム部門を中心に歩み、6月に理事長に就任した。コロナ禍で停滞した地域経済の回復に取り組むとともに、積極的なデジタル化推進方針を継続し、人工知能(AI)を活用した新たな営業形態も検討する。 ―地域経済の現状は。 「コロナ禍前までの回復には届かず、飲食業界や商店を取り巻く環境は厳しい。放映中の大河ドラマ、2024年の浜名湖花博20周年事業を生かして地域の消費を喚起したい。EV(電気自動車)シフトなどによるビジネスモデル転換が求められる中、県西部の中小製造業がこれをチャンスにできるかが経済発展のポイントの一つ。設備関係や将来を見据えた業種転換への提案にも積極的に取り組む」 ―経営で重視す
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静岡人インタビュー「この人」 生理をテーマにした放送作品の制作代表を務めた 戸田涼太さん(浜松市北区)
今年の夏に行われた「第70回NHK杯全国高校放送コンテスト」のテレビドキュメント部門に浜松市立高(同市中区)放送部として「生理は、僕にはないけれど」と題した作品を出し、優良賞に選ばれた。9月下旬には、市と、市の委託を受けて生理用ナプキンのディスペンサーを市内の図書館などに設置した電機大手「シャープ」の担当者との座談会にも出席した。市立高3年。18歳。 ―作品の内容は。 「自分が生理について知識がなく、女子生徒に無神経な言葉をかけて傷つけてしまった反省から始まり、高校の生徒や生理について普及啓発する団体代表にインタビューした。生理用ナプキンをつけて勉強してみたり、県外の大学で生理痛を体験で
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静岡人インタビュー「この人」 ICT教育支援システムを開発した「ロイロ」代表取締役 杉山浩二さん(神奈川県)
2007年、兄の杉山竜太郎代表取締役(48)とソフトウエア開発会社を共同創業した。20年春のコロナ禍に伴う全国一斉休校を機に、同社が開発したICT教育用システム「ロイロノート・スクール」が全国の小中高校で一気に普及した。伊豆の国市出身。46歳。 -システム開発の経緯は。 「学生時代からCGを使った映像を兄弟で制作し、ともにゲーム会社に就職した。2000年代は動画編集の難易度が高かったため、パソコン初心者も扱える動画編集プログラムを開発し、独立した。その後、動画編集ソフト『ロイロスコープ』がヒット。このソフトを応用し、教員の意見を取り入れてクラウド式の教育版システム『ロイロノート・スクール
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静岡人インタビュー「この人」 第60回現代俳句全国大会賞を受賞した 伊藤孝一さん(清水町)
現代俳句協会が主催する全国大会で、応募1万2515句の中から最高賞に選ばれた。受賞句「暗がりを遠き夜汽車のやうに蛇」は、ことしの初夏、自宅の庭に迷い込んだ蛇を、夜汽車に重ねて詠んだ。俳句はJR東海を定年退職したの機に趣味として始めた。73歳。 ―受賞の喜びを。 「3度目の挑戦だった。俳句歴は浅く協会員でもないため、いただけるなんてと驚いた。長年、夜間に電気設備の検査や修理に携わることが多かった。夜汽車を見送るときもあり、蛇が遠ざかっていく姿が重なった」 ―大会を振り返って。 「選者による入賞句のディスカッションで、私の句の〈遠き〉という言葉について、『効いている』という評価があれば『
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静岡人インタビュー「この人」 ハンセン病療養所でボランティア活動する 伊東郁乃さん(三島市)
7年前に動物介在活動団体「ぷらす」を設立。仲間とともに犬を連れて御殿場市のハンセン病療養施設「国立駿河療養所」と「私立神山復生病院」を訪問し、入所者が動物と触れ合える場を提供している。今年は御前崎市出身の元患者石山春平さん(87)の卒業証書授与式と母校訪問を支援した。65歳。 -活動を始めた経緯は。 「ハンセン病患者の強制隔離を憲法違反と断じ、国の非を認めた2001年5月の熊本地裁判決がきっかけ。人権を無視した国策問題を学ぶ中で、入所者に笑顔の時間を過ごしてほしいと当時から高齢者施設などで行っていた動物訪問活動を療養所でもやりたいと考えた」 -なぜ、石山さんのサポートを思いついたのか。
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強さ以外の魅力発信を バルセロナ五輪女子柔道銀メダル 溝口紀子氏インタビュー【町道場のいま~かわる柔道界~ 番外編】
ここ10年ほど、静岡県内外の地域の柔道場で母親や高齢者などこれまであまり見られなかった層の人々が増えた。その変化の背景と今後の課題について、バルセロナ五輪女子柔道銀メダリストで袋井市スポーツ協会会長を務める日本女子体育大の溝口紀子教授に聞いた。 ―柔道界の変化をどう見ているか。 「2013年の女子柔道代表選手による暴力告発や助成金不正受給などの不祥事が転換点。同時期に大阪府の桜宮高バスケットボール部での体罰問題も発覚していた。柔道界が『体質を変えていかねばならない』という意識をようやく強く持ち、変革につながった。武道必修化も大きく影響した。それまでは五輪などでメダルの数を取ればよいと考え
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静岡人インタビュー「この人」 インクルーシブ自転車の普及に取り組む 高田二郎さん(伊豆市)
形や仕組みがユニークな「おもしろ自転車」を製造販売するオートクラフト・IZUの専務。同社が開発し、年齢や障害の有無などにかかわらず誰でも乗れる「インクルーシブ自転車」のPRに奔走する。38歳。 ―開発した車両は。 「車椅子のまま荷台に乗れるペリカンサイクルやボートのオールのようにこぐオールサイクルをはじめ4種類。おもしろ自転車として開発した車両も含めて10車種がインクルーシブ自転車と言える。安全性と面白さを重視する。一部車両はベルトや足を入れる輪を付けた。左右のハンドルが独立し、どちらかを回せば何かしら動く車両は重い障害のある人でも使える」 ―開発の経緯は。 「障害のある方も楽しめる
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社会課題解決にも貢献 静鉄ストア(静岡市)/森下登志美社長【キーパーソン・最前線】
トップ就任以降、新業態店舗やネットスーパーの出店、海外進出などに積極的に取り組む。10月には、静岡、焼津の両市に分散していた物流拠点を藤枝市に集約した。多様化する消費者ニーズと自社の現状を分析し、売り上げを確保するとともに、社会課題解決にも資する施策を重ねる。 -多彩な事業に着手し続ける理由は。 「世の中の動きと企業施策間のギャップを埋め、100年後も顧客が食事を楽しめることを目指す自社の『百年構想』を実現するため。2月時点の本県人口は4年前比で約10万人減少し、業界の統計調査を加味すると、食の市場は385億円縮んだことになる。経済的貧困だけでなく、買い物難民や、社会的に孤立する『関係の
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男子ゴルフで史上7人目のアマチュア優勝を果たした 杉浦悠太さん【時の人】
タイガー・ウッズやトム・ワトソン(ともに米国)ら世界のレジェンドが歴代優勝者に名を連ねる伝統の大会で、偉業を成し遂げた。男子ゴルフツアーで松山英樹、石川遼らに続く史上7人目のアマチュア制覇。優勝インタビューで早々にプロ転向を宣言し、ギャラリーを沸かせた新鋭は「本当にアマチュアとして優勝できたことがうれしい」と喜びをかみしめた。 愛知県出身。4歳の時にハンディキャップ1桁を目指していた父・博倫さんに練習場へ連れていかれたのがきっかけで競技を始めた。小学時代は野球と並行して取り組みながらもすぐさま上達し、博倫さんは「負けん気がすごい。すぐに抜かされてしまった」と笑顔で振り返る。 テレビで石川
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静岡人インタビュー「この人」 第77回全国茶品評会の普通煎茶4キロの部で農林水産大臣賞を受賞した 小沢晃さん(静岡市葵区)
本山茶の産地として知られる静岡市葵区有東木で、茶栽培に取り組み約半世紀。8月に福岡県で開かれた全国茶品評会(全品)で、最高賞の農林水産大臣賞を初受賞した。69歳。 -受賞の喜びを。 「茶を作るものとして、一度は取ってみたい賞だった。これまで普通煎茶4キロの部では、1等5席が最高順位だったが、念願がかなった。また、地元JAの職員も摘採や製茶で非常に熱心に協力してくれた。彼らの後押しがあり、まさに『ワンチーム』で手にした賞だと思っている」 -栽培の工夫は。 「出品茶は7年前に放任茶園になりそうだった畑を借り受けて作ったもの。この茶園が放置されていくのはもったいないと思い、栽培に乗り出した
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静岡人インタビュー「この人」 新所原を元気にする会の会長 山下菊大さん(湖西市)
湖西市西部のJR新所原駅周辺で活動する住民有志のグループ「新所原を元気にする会」で4代目の会長を務める。地元の建設会社社長。49歳。 ―団体発足の経緯は。 「新所原駅の橋上化を機に、“遠州西の玄関口”の地域を盛り上げようと、2012年に地元の商店主や自治会関係者などが参加して発足した。初年度から秋に開催している『ねんど祭』は、市内に古墳時代から鎌倉時代にかけての窯跡が点在する歴史をものづくりのまちの原点と捉えたイベント。市内の粘土を使った泥団子遊びなどは、子どもたちの人気を集めている」 ―これまでの活動は。 「発足以降、夏の『浴衣de夕涼み』、春のウオークラリ
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静岡人インタビュー「この人」 アームレスリング世界大会で優勝した 市川志津子さん(御殿場市)
9月25日から10月1日にマレーシアで開かれた「第4回IFA世界アームレスリング選手権大会」の女子60歳以上の部63キロ級で右腕優勝、左腕準優勝を果たした。日本アームレスリング連盟県支部の理事長を務める。北海道出身。64歳。 -始めたきっかけは。 「脳の神経の病気で倒れて一時寝たきりの状態になり、その後も走ったりジャンプしたりすることが困難になった。そんな中でも体を動かせる競技として2006年にアームレスリングを始めた。北海道で雪遊びや雪かきをして育ち、基礎的な筋力が養われていたのではないかと思う。22年の全日本選手権では女子65キロ級で左腕準優勝、右腕3位を達成することができた」 -
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静岡人インタビュー「この人」 全国パーキンソン病友の会県支部長を務める 丸山美重さん(藤枝市)
神経伝達物質の減少で震えやこわばりなどが現れるパーキンソン病のうち、40歳以下で発症する若年性パーキンソン病であると37歳の時に診断された。40歳で県支部に入り、2年前に若年性や現役の就労世代を中心とするグループを支部内につくった。4月から現職。51歳。 ―診断を聞いた時の心境は。 「昔から歩き方がおかしいとよく注意された。大きく体調が悪化したのは2人目の子を産んだ30歳の時。全身に痛みが出て、どんな痛み止めも効かなかった。さまざまな病院に行ったが検査結果に異常はなく、病気と思い込んでいるだけなどと言われてつらかった。診断名が付くまで7年。ようやく自分が生きる道が見えてきた一方で、現実を
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⚽サッカーU-22代表 18日アイスタでアルゼンチン戦 攻撃的スタイル表現
来夏のパリ五輪でメダル獲得を目指すサッカーU-22(22歳以下)日本代表は18日、IAIスタジアム日本平(静岡市清水区)でU-22アルゼンチン代表と対戦する。アルゼンチンはA代表が国際サッカー連盟(FIFA)ランク1位の最強国。14日までに静岡新聞社の取材に応じた大岩剛監督(51)=清水商高出=は「追求してきた攻撃的なスタイルをいかに表現できるか。それを26人全員が理解して勝利につなげたい」と、五輪への試金石となる一戦へ決意を語った。 パリ五輪 試金石の一戦へ決意 大岩監督(清水商高出)インタビュー 2022年春のチーム発足から、大岩監督は一貫して「攻守でアグレッシブに主導権を握る」ことを
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地域の歴史残る仕事を 大河原建設(島田市)/朝倉純夫社長【キーパーソン・最前線】
島田市役所新庁舎をはじめ、島田第一小新校舎など地元の核となる公共施設工事に関わってきた。旧金谷庁舎跡地にPFI方式で整備した金谷地区生活交流拠点施設「かなうぇる」は大和リースと共に特別目的会社の金谷PFIパートナーズとして管理運営を担う。来年の創業70年に向け12月には新社屋完成が控える。 ―「かなうぇる」の施設運営の視点は。 「設計・施工から運営までを一体的に担う強みを生かしたい。これまで金谷地区には小さな子どもが遊べる場所が少なかった。15年の事業期間を通じ、行政サービスの提供だけでなく、高齢者や親子連れが楽しみながらくつろげる施設を目指している」 ―公共工事にかける思いは。 「
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静岡人インタビュー「この人」 19日に開催する「和の祭典 着物フェスティバル」実行委員長 武田則子さん(浜松市中区)
プロの美容師が、一般から公募したモデルにヘアメークや着付けをし、技術を披露する。4年ぶりの開催となる今年は、浜松城公園の浜松出世パーク葵広場(浜松市中区)で午後1時から開く。県美容業生活衛生同業組合理事長。72歳。 ―イベント開催の経緯は。 「組合員のモチベーションを上げることや、互いに技術を勉強しようと、2018、19年の11月に油山寺(袋井市)で開催した。当時は静岡版創作舞妓(まいこ)という名のイベントだった。その後、コロナの影響で中止になった。4年ぶりの開催に、組合員は張り切って練習している」 ―どんな内容のイベントか。 「モデルは一般から募集した県内外の約50人。花魁(おいら
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静岡人インタビュー「この人」 熱川温泉の活性化に努める 斉藤欣邦さん(東伊豆町)
今春に町職員から温泉管理会社「八大偕楽園」の4代目社長に就任。熱川温泉旅館組合と連携しながら、イベントや商品開発で魅力発信に努める。静岡市清水区出身。24歳。 -普段の仕事内容は。 「熱川温泉には自噴する大量の温泉を受け止め、源泉を掃除するための『温泉櫓(やぐら)』がいくつか立ち並んでいる。噴き出る湯煙が名物となっていて、この一つの管理が主な仕事」 ―その源泉の掃除の様子を公開するイベントを9月に開催した。狙いは。 「源泉温度がおよそ100度と全国トップクラスに高く、機械が耐えられないため多くの作業を人力で行う必要がある。期間を通じて約50人に参加してもらい、『温泉を身近に感じた』と
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静岡人インタビュー「この人」 新たな働き方、学び方を発信する 池田僚介さん(富士市)
「人生100年時代」と言われる中で、富士市を拠点に新たな働き方、学び方、生き方について発信する合同会社「未来志向Labo(ラボ)」の代表。地域交流スペース「ふじくらす@瓜島町」も運営する。42歳、静岡市清水区出身。 ―未来志向Laboが取り組むことは。 「性別や年齢、家庭の事情など問わず、挑戦するきっかけと場を提供し、新たなキャリアを創造するサポートをしている。例えば、子育て世代のリスキリング(学び直し)支援や、スキルを身につけた人がリモートで働ける場の開拓など。都内のスタートアップ(新興企業)を支援して収益を上げながら、多様な視点や新たな仕事の形態を生み出すヒントを得ている」 ―ふじ
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静岡人インタビュー「この人」 浜松市副市長に就任した 朝月雅則さん(浜松市東区)
1982年に浜松市職員となり、東区長や政策補佐官、健康福祉部長などを歴任。定年退職後は再任用でデジタル・スマートシティ推進事業本部長を務めた。前任は市水道事業・下水道事業管理者。64歳。 ―3副市長の中での役割は。 「2024年1月の行政区再編に合わせて新設された区政担当を担う。3区移行後は天竜区役所に常駐し、中山間地振興も担当する。区役所の業務は防災や福祉、まちづくりと幅広く、“ミニ市役所”的な機能を持っている。本庁各部局との連携をしっかりと取っていきたい」 ―区政担当の意気込みを。 「当時の市長が『環浜名湖政令指定都市構想』を掲げた直後の02年9月に企画課
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静岡人インタビュー「この人」 獣害対策や耕作放棄地解消に取り組む 内田秀明さん(西伊豆町)
西伊豆町宇久須地区の住民ボランティア団体「宇久須美農里(みのり)プロジェクト」の代表を務める。過疎地の農村部で獣害対策や耕作放棄地の解消を目指し、2019年に設立。堤防の草刈りや耕作放棄地を活用して花畑を整備し、景観保全や地域の人が過ごしやすい環境づくりを行う。元教員。67歳。 -活動の狙いは。 「県が進める『ふじのくに美農里プロジェクト』の一環で、農村環境の保全を行う。活動は主に堤防のり面の整備と耕作放棄地を活用した花畑づくり、水路や農道の清掃。昔は地域の人が共同で手入れをしていたが、高齢化や人口減少でやぶが増え、イノシシなどが畑を荒らしてしまうようになった。これらを何とかしようと活動
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静岡人インタビュー「この人」 静岡市清水区のカトリック清水教会聖堂の移築に取り組む 塩見寛さん(沼津市)
築90年近くが経過し、12月に解体予定の静岡市清水区のカトリック清水教会移築のため一般社団法人「聖堂を活かす会」理事長に5月に就任。解体前に魅力を伝えようと、催しを行う。県ヘリテージセンター長も兼ねる。1級建築士。71歳。 ―聖堂の建物の魅力は。 「本来ゴシック様式の教会聖堂は石造りが多いのに、日本の気候などに合わせて木造となっている。聖堂の尖塔(せんとう)は一つのことが多いが二つあるなど、設計にもこだわりが随所に感じられる。天井の薄いブルーのしっくいも港町にぴったりだし、ステンドグラスから差す光もよく考えられている」 ―解体の12月までどんなイベントをしているのか。 「聖堂内部でさ
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JM(東京都) 大竹弘孝社長 公園誘客増で伊豆振興【キーパーソン・最前線】
伊豆の国市神島に10月に開所した「狩野川神島公園」(愛称「川の駅 伊豆城山」)の指定管理者として、施設の管理運営を通じて地方創生を図る。来場者目標を本年度は半期で5万人、2024年度は10万人、27年度は50万人と掲げた。市内外から広く誘客し、観光など地域の産業振興につなげる。 ―具体的な誘客策は。 「メインスポットとなる芝生広場と多目的広場の多様な機能を生かす。遊具 やキャンプ、ドッグランなどのエリアのほか、自転車などで楽しめる起伏のある周回コースがあるため、定期的にイベントを開催し、集客を促進する。地元の飲食・雑貨店を誘致してマルシェも開催する。休日のイベント時にはキッチンカーを設置
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静岡人インタビュー「この人」 日越の交流促進を目指す ドアン・ソン・トゥンさん(袋井市)
静岡県西部を中心に活動するベトナム人の団体「在県ベトナム人会(VN静岡)」代表を務め、日越の相互理解促進を進める。2005年に来日し、21年に人材紹介会社を起業した。38歳。 -これまでのVN静岡の活動とは。 「技能実習や留学など静岡で暮らすベトナム人が増える中で、サッカーや音楽などを通じて交流する機会を増やそうと立ち上げた。新型コロナウイルス禍で県内のベトナム人が解雇されたり収入が減ったりした時は、生活が苦しい人に食料を配布する支援活動を展開した。ベトナム人のネットワークの形成を進めるとともに、日本人社会とも交流を深めたい」 -静岡に来て18年が経過した。変化を感じる点は。 「県内
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静岡人インタビュー「この人」 全国高校総体で優勝した富士高山岳部の天気図担当 山田純怜さん(富士市)
北海道の十勝岳や大雪山系で8月に開かれた全国高校総体登山女子で、部として4年ぶり3度目の頂点に立った。4人のチームでは、天気図の作成やコース上の目印を確認する読図で貢献した。富士高2年。17歳。 -全国優勝の感想を。 「初日の筆記で予想以上の減点があったが、4人で励まし合えたことが残り3日での逆転につながった。弱音もはいたが、遠慮せずに声をかけ合えるところがこのチームの強みだったと思う。自分が主担当だった天気図は、県大会での失点を反省してたくさん準備したほか、男子の県代表になった沼津東高との合宿でアドバイスをもらえたのも大きかった」 -登山を始めたきっかけは。 「小学生の頃から家族で
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11月1日、就任半年 中野浜松市長インタビュー 初の編成 24年度当初予算 人口減少脱却へ対策本腰
浜松市の中野祐介市長(53)が1日で就任から半年を迎えるのを前に静岡新聞社のインタビューに応じた。初の編成となる2024年度当初予算について「浜松をもっと元気にし、市の最大の課題である人口減少から脱却していくというメッセージが市民に伝わるような予算にしたい」と思いを語り、人口減対策として「まち・ひと・しごとの創生」に本格的に乗り出す方針を示した。 前市政は全国でも高い目標を掲げた中期財政計画(計画期間15~24年度)に基づいて財政支出を制約し、市債残高の削減を積極的に進めたため、市議会でも賛否が分かれていた。財政運営の考え方について「現財政計画は24年度までなので、目標達成に向けてはしっか
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静岡人インタビュー「この人」 JICA海外協力隊でベトナムに派遣された 佐藤慶子さん(富士市)
JICA(国際協力機構)海外協力隊の一員として、2021年8月から約2年間、ベトナム・ハノイへ派遣され、現地の大学生に日本語を教えた。帰国後は富士宮市の「A.C.C.国際交流学園」で日本語教師を務める。滞在時に現地の日本人らの合唱団に参加し、その楽しさに魅了された。59歳。 -協力隊に参加した理由は。 「デザインの仕事をしていた時に、カンボジアの子どもたちに画材を送る啓発ポスターを作ったことがきっかけで、国際協力の意図や意義を知った。自分に何ができるかを考え、日本語教師の資格を習得した。中国で3年間日本語を教えた後、富士市の国際交流ラウンジに勤務し在住外国人を支援したことで、他国の生活や
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市民の声 施策に生かす 中野浜松市長 就任半年インタビュー
16年ぶりに浜松市の新たなかじ取り役を担った中野祐介市長(53)が1日で就任から半年を迎えた。人口減など社会課題が山積し、来年1月に行政区再編に伴う3区移行を控える浜松市。中野市長は「今まで以上に市民の声を聞き、市民が行政との距離を感じないように注力する」とあらためて決意を語った。 =関連記事4面へ ―半年間を振り返って。 「総務省時代に地方自治体で5回勤務し、地方行政の現場は分かっているつもりだったが、市長の仕事はこんなにも大変なのか、と。市民の期待と批判がダイレクトに来るので、あらためて重責を感じている。いろいろな現場に行き、多くの人から話を聞きたい。25日からは住民と対話し、市政報告を
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富士スピードウェイホテル(小山町) 吉川源太総支配人 車文化と静岡県の魅力発信【キーパーソン・最前線】
トヨタ自動車などが小山町の富士スピードウェイ(FSW)周辺に展開するプロジェクト「富士モータースポーツフォレスト」の一環で、昨年10月7日に開業した「富士スピードウェイホテル」の総支配人を務める。モータースポーツ文化の発信に寄与するだけでなく、国内外の宿泊客に本県や同町の魅力を伝える拠点としての取り組みも進める。 ―ホテルの強みは。 「120室の客室のうちFSWに面した約半数の部屋は、窓の外にレース場が広がっている。サーキット内を見られる全国で唯一のホテル。往年の名車を展示したミュージアムも入っており、モータースポーツファンに楽しんでもらえる。残りの半数の部屋からは富士山の美しい眺望を楽
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静岡人インタビュー「この人」 日本茶プロデューサーとして静岡茶のPRに力を注ぐ 岡部宇洋さん(東京都)
「日本茶プロデューサー」の肩書で活動し、国内外で茶のPRに力を注ぐ。日本文化への関心から茶道を習い始め、静岡県内自治体と連携した静岡茶のプロデュースや茶関連のイベント企画などに取り組んできた。浜松市出身。38歳。 ―茶との出合いは。 「学生時代にデンマークの美しい街並みに魅了され、まちづくりに関心を抱き、建設会社に入社した。スリランカに駐在して高速道路の建設事業に携わったが、年を重ねるにつれて、その土地の文化を世界に発信する仕事に興味がわいた。帰国後に同世代の茶道家と出会ったことで茶道を始め、フランスのエッフェル塔の前で茶会を開いたこともあった」 ―その後、どのような活動をしてきたのか
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静岡人インタビュー「この人」 メダカの高校生ブリーダー 山口奏汰さん(沼津市)
沼津市大諏訪の自宅でメダカ屋「奏メダカ」として飼育販売をする日大三島高2年生。5千匹以上のメダカを飼育し、希少価値が高い模様の改良メダカ作りに取り組んでいる。17歳。 -なぜメダカを。 「小学生の時に親戚からメダカをもらい興味を持ち始めた。メダカショップなどでさまざまな模様の品種を目にして驚いた。自分でも作りたいと思い、高校進学と同時期に本格的にのめり込んだ。どんどん飼育数が増えて一番多い時で約2万匹になり、地域の夏祭りなどで販売してきた。今では自宅の庭と車庫を飼育場として使い、30品種を扱っている」 -飼育や品種作りで大変なことは。 「メダカの稚魚の成育で、エサを食べてくれない時は
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静岡人インタビュー「この人」 県危機対策課危機調整官に就任した陸上自衛隊OB 梶恒一郎さん(静岡市葵区)
1990年に陸上自衛隊に入隊。イラク復興支援や東日本大震災対応に携わり、第20普通科連隊長、自衛隊栃木地方協力本部長を務めた。最終階級は陸将補。静岡県内の勤務は3回目。広島県出身。56歳。 ―8月に就任。抱負を。 「連隊長時代、部下に訓練でできないことは実戦では絶対にできない、と指導してきた。危機管理の要諦は備え。あらゆる事態を想定し訓練することが大事だ。東日本大震災などの経験を生かし、微力ながらも県民の安心安全に寄与したい」 ―印象に残っている仕事は。 「イラクの復興支援で班長として8カ月、バグダッドで勤務した。現地の多国籍軍司令部入り口の銘板に、支援に携わる各国の人数が載っていた
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静岡人インタビュー「この人」 浜松商業高の卒業生就活支援事業「鮭の会」の幹事長を務める 佐口丈夫司さん(浜松市東区)
浜松商業高(浜松市中区)出身の学生や生徒の就職活動を支援する「鮭の会」の幹事長。学生と企業を結ぶ懇談会などを企画し、地元企業への就職をサポートしている。浜松市中区出身。69歳。 ―団体の名前の由来は。 「鮭のように一度外へ出ても地元に『Uターン』して活躍してほしいという思いを込め、2010年に発足した。就活中の大学や専門学生、高校生などを集め、企業懇談会やインターンシップ、OB・OG自らが教壇に立つキャリア教育などを開催している。受け入れ側の企業は浜松市を中心に約100社が会員登録している」 ―発足のきっかけは。 「リーマン・ショック後、卒業生が仕事に就くことが難しくなり、当時の校長
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静岡人インタビュー「この人」 玄米おにぎりを開発した米農家 湯山直文さん(小山町)
農業振興に力を注ぐ都内の元商社社員とタッグを組み、自身が小山町内で育てた米を使った冷凍玄米おにぎり「玄米deむすび」を同町の道の駅ふじおやまで販売し始めた。地域農業の発展や名産の「水かけ菜」の食文化を守りたいと願う。75歳。 -開発のきっかけは。 「農と食の事業を展開する『3181Farm』(さいわいファーム、東京都)の亀山剛太郎さん(49)と出会い、農業振興の思いに共感した。亀山さんたちが持つ独自の熟成技術で玄米本来の柔らかさ、香ばしさ、白米に近い甘みや食感を実現した冷凍おにぎりを完成させることができた。小山町の米の魅力を強く感じてもらえると思う」 -米の特徴は。 「おにぎりに使用して
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静岡人インタビュー「この人」 二科会写真部展で全国知事会賞を受賞した 塚本久雄さん(吉田町)
第71回二科会写真部展で全国1万153点に上る応募総数の中から全国知事会賞を受賞した。観光地として知られる塩郷のつり橋(川根本町)の造形美を最大限に引き出した。吉田町を拠点に活動する榛南写真クラブの代表を務める。77歳。 ―受賞作への思いは。 「日々、人々が行き交うつり橋が一直線にどこまでも延びるかのように表現するため、全体をモノクロ風に仕上げた。自分の中で作品のイメージはできていたが、周囲の景色や撮影環境は季節によっても異なる。最終的には3年という期間を要したが、自分が納得できる作品が完成した」 ―写真との出合いは。 「20代の頃に趣味で始めたものの長続きはせず、改めてカメラを手に
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年代に合った提案を 静岡県茶業青年団/太田貴久団長【キーパーソン】
静岡県内若手茶商でつくる静岡県茶業青年団の本年度団長として、9月の全国茶審査技術競技大会(闘茶会)で団員を率いた。5段以上の段位を持つ競技会上位入賞者が2年以上の研修を経て得られる資格「日本茶鑑定士」を新たに取得。消費の現状や展望を聞いた。 ―若者の「お茶離れ」をはじめ、茶業界の現状をどう受け止めているか。 「業界は変わらず後退が続く。近年は燃料費の高騰や物価高による家計の圧迫が響き、嗜好(しこう)品といえる茶は人々の生活の中から削られ、消費はますます減少している。一方、こうした現状を何とかして打開しようと、県内の若手茶商の姿勢は良い方向へ変わってきている。親から継いで終わりではなく、自
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静岡人インタビュー「この人」 遠州横須賀カンパイビアフェスタを企画した 山下浩章さん (掛川市)
掛川市大須賀地域の夏祭り「ちっちゃな盆踊り」をリニューアルし同市西大渕の三熊野神社で、若者が参加しやすい交流イベントを初開催した。市内で自動車美装業を営みながら、遠州の春の風物詩である三熊野神社大祭の役員を務めたり、掛川観光協会大須賀支部の一員として活動したりと地元を盛り上げるために奔走する。48歳。 -どんなイベントか。 「地元で人気のビールやハムなど13店を呼んだ。子どもも楽しめるようアイスやかき氷店にも声をかけた。クラウドファンディングで募った資金で花火も打ち上げた。独自に企画していたが、踊り手不足で開催が難しかった盆踊りのリニューアルという形で開くことができた」 -開催を振り返
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連合静岡の会長に就任した 角山雅典(かくやままさのり)さん【時の人】
「経営者が夜逃げをした」「会社の経営が厳しく解雇された」―。新型コロナウイルス禍から経済は回復傾向にあるが、連合静岡には不安を抱えた労働者からの相談が後を絶たない。物価高騰や円安が重なり、「特に介護や飲食、中小の製造業で働く人の不安は深刻。企業倒産をなくし、労働者の生活の糧を守らなければ」と組織のトップとしての責任を自覚する。 今年の春闘では高い賃上げ回答が相次ぎ、最低賃金も現行方式では最大の増加幅を実現した。岸田文雄首相は2030年代半ばまでに最低賃金の全国平均を時給1500円とする方針を表明しているが、「長年にわたり賃金が上がらなかったのは政府や経営者側に責任がある。来年、再来年と続け
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スマホ・ネットの家庭内ルール どうしてる?② 有識者インタビュー【賛否万論】
前回の賛否万論は家庭内のネット・スマホルールについて、保護者、子どもそれぞれの意見を取り上げました。今回は、子どもや大人のメディア環境に関する研究・提言に取り組むNPO法人「浜松子どもとメディアリテラシー研究所」の理事長でネット依存予防アドバイザーの長沢弘子さん(浜松市中区)に、世代を問わず多くの時間を費やすインターネットとどう関わったら良いか聞きました。 (社会部・薬袋貴信) 長沢弘子さん 「守れる約束」親子一緒に考えて NPO法人「浜松子どもとメディアリテラシー研究所」 理事長・長沢弘子さん 長沢さんは普段、未就学児から小中高生、保護者や教職員に至るまでメディアリテラシー講座を行
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静岡人インタビュー「この人」 「みなとまちづくりマイスター」に選ばれた 安田和彦さん(熱海市)
熱海市営の熱海港海釣り施設の管理業務に当たるNPO法人SEA WEBの理事長。港の環境美化や釣り人へのマナー啓発などに取り組む。一般社団法人ウオーターフロント協会から県内2人目のマイスターに認定された。東京都出身。64歳。 ―マイスター認定の所感は。 「海釣り施設のオープン当初から管理業務を受託し、今年で18年目。多くの自治体の視察を受け入れている。また、海釣り施設の新設を計画する全国の自治体を訪ね、適地選定や運営方法、安全管理の仕方を助言してきた。長年の取り組みが今回の認定につながったと思う」 ―熱海との関わりは。 「子どもの頃から釣りが趣味で、熱海には30歳の頃から通い始めた。首
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静岡人インタビュー「この人」 医療機関に手作り人形の寄贈を続ける 滝宰枝さん(静岡市葵区)
世界各国に約25万人の会員がいる「キワニスクラブ」の県内組織「国際キワニスクラブ静岡」の最古参として活躍し、小児医療機関に手作りの人形を寄贈するなど、19年間、子どもへの奉仕活動を続けている。9月まで県内組織の会長職も務めた。83歳。 ―キワニスクラブとは。 「ロータリークラブ、ライオンズクラブと並ぶ世界三大奉仕団体の一つで、1915年に米国で設立された。国内には41カ所あり、静岡は2004年に発足した。会員は50人いて、このうち女性は9人。手作りの人形『キワニスドール』の寄贈のほか、高校生サミットの支援、子ども食堂の支援など幅広く活動している」 ―キワニスドールとは。 「体長40セ
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赤ちゃんへの思い描く“泣ける”詩集 「トツキトウカ」10周年記念版発行 三島
両親や祖父母ら家族が赤ちゃんへの思いをつづった詩集「トツキトウカSHIZUOKA EAST」がこのほど、発行された。10年目を迎えた今回は、これまで共感が多かった詩を改めて掲載。実行委員会の事務局を務める「ママとね」の中島あきこ代表は「毎年楽しみにしていただき『泣ける詩集』とも呼ばれるようになった。続けてきて良かった」と振り返る。 10周年記念版は、通常から8ページ多い38ページで構成。妊婦や子育て中の親らの子どもに対する愛情がこめられた新作20編を心温まる家族写真とともに掲載した。子育てに苦労しながらも幸せを感じ、親として成長する姿などもつづっている。寄せられた93編から実行委員が選んだ
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静岡人インタビュー「この人」 浜松市スタートアップ推進担当部長に就任した 川路勝也さん(浜松市中区)
2007年に経済産業省に入省。中小企業支援や東京電力福島第1原発事故の被災者支援などを担当し、同省大臣官房秘書課を経て7月から現職。2代目部長として市のスタートアップ(新興企業)支援施策を統括する。地方自治体勤務は初めて。群馬県出身。39歳。 ―市の振興策の現状は。 「産学官金の機関が一体で取り組み、全国的にも『熱量が高い』と評価されている。特に認定ベンチャーキャピタル(VC)と協調して有望な企業に交付金を出すファンドサポート制度は支援効果も注目度も高い。首都圏から有望な企業の拠点を誘致し、浜松発の企業も資金調達額を伸ばす成果が出ている」 ―現在重点を置く施策は。 「市の目標は既存の
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事件検証 社会浮き彫り/高峰武 熊本学園大特命教授【最後の砦 刑事司法と再審 番外編 公判直前インタビュー㊦】
1983年に日本で初めて死刑囚から再審無罪となった免田栄さん=2020年に95歳で死去=。釈放後の第一声は「自由社会に帰ってきました」だった。免田さんが亡くなるまで交流を続け、受け継いだ膨大な資料の整理と分析に今なお取り組む元熊本日日新聞記者で、熊本学園大特命教授の高峰武氏(71)は「事件は現在進行形」と実感する。免田さんは社会に何を問いかけてきたのか。 ―無罪判決後、記者としてどんなことをしたか。 「一過性の報道で終わらせてはいけない、追跡・検証したい、と思い同僚の甲斐(壮一)さんと『検証 免田事件』を始めた。休まずに、しかもニュースの邪魔にならずに続けられるようにと希望したところ、読
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静岡人インタビュー「この人」 NFTアーティスト NAKANO yasuhiroさん(沼津市)
コピーされやすいデジタルアートに、「非代替性トークン(NFT)」の仕組みを使って複製を不可能にする「NFTアート」の作家として活動する。墨で描いた絵にコンピューターグラフィックス(CG)で動きを加える「動く墨絵」で注目を集める。11月に沼津市で開かれる「ぬまづ未来博」で基調講演する。長泉町出身。 -NFTアートの作家として活動を始めた経緯は。 「元々、個人や映像制作会社に所属してCMやアニメ制作に携わり、平行して2011年からデジタルアート作家として活動を始めた。20年からNFTアートを始め、21年からは専業作家になった。「動く墨絵」は、実写の映像とグラフィックスを重ねた映像制作をしてき
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販売高100億円目指す JA遠州夢咲(菊川市)/河原崎友二組合長【キーパーソン】
管内の掛川、菊川、御前崎の3市は、日照時間が長いため農業生産の最適地。3月には「深蒸し菊川茶」が地理的表示(GI)保護制度に登録され、和牛ブランド「遠州夢咲牛」も全国共進会で入賞するなど管内の農畜産物に注目が集まる。販売高100億円を目標に掲げ、地域農畜産業の持続的発展を目指す。 -農畜産物の高評価が続いている。。 「品質の良い農畜産業が地域に根付いている証しだ。ロシアのウクライナ侵攻で食料安全保障や国内自給の重要性に目が向けられている中、改めて国内の農畜産業に対する住民の関心も高めたい。生産者活動の活性化を支援し、長年の課題である農家の高齢化や農地縮小の問題を少しでも解決していく」
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「風雪に耐える捜査」を/伊藤鉄男 元最高検次長検事【最後の砦 刑事司法と再審 番外編 公判直前インタビュー㊥】
1983年、無実を訴え続けた死刑囚がやり直しの裁判(再審)で初めて無罪となった「免田事件」。元最高検次長検事の伊藤鉄男氏(75)は、熊本地検時代に再審公判で主任検事を務めた。有罪立証を維持し、免田栄さん=2020年に95歳で死去=に改めて死刑を求刑。無罪判決が言い渡されると、その場で免田さんの釈放を指揮した。事件の教訓として「風雪に耐える捜査」の重要性を説く。一方、袴田巌さん(87)の再審公判で検察が有罪立証することには理解を示す。 ―免田事件の再審公判で有罪立証を続けた理由は。 「最高裁で死刑が確定した事件であり、再審開始決定の内容も本質を突いているように思えなかった。証拠は少ないけれ
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袴田さんに無罪の心証/熊田俊博 元裁判官【最後の砦 刑事司法と再審 番外編 公判直前インタビュー㊤】
現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審公判が27日、静岡地裁で始まる。死刑囚の再審は5例目で、89年に同地裁が無罪判決を言い渡した「島田事件」以来となる。島田事件の再審開始決定に主任裁判官として関わった熊田俊博氏(74)が静岡新聞社の取材に応じ、袴田さんの第1次再審請求審にも携わったと明らかにした上で「記録を読み、無罪だと思った」と当時の心証を振り返った。弁護士に転身後、県公安委員長も歴任。経験を踏まえて伝えたい教訓とは何か。 ―島田事件の第4次再審請求審と袴田さんの第1次請求審が、同じ時期に静岡地裁に係属していた。
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静岡人インタビュー「この人」 電話応対コンクール県大会で優勝した 本杉綾乃さん(焼津市)
日本電信電話ユーザ協会静岡支部が主催する大会で頂点に立った。準優勝の望月優花さんとともに、20日に札幌市で開かれる全国大会に出場する。ハルソラ合同会社(藤枝市)勤務。40歳。1児の母。 -優勝の感想は。 「初めて出場した昨年は地区予選敗退だったので、まさかという感じ。勉強会に出てスキルを高めた成果が出たのかなと感じる。同僚のサポートがあり、(会社の)地口伊智子代表の指導もありがたかった。恩返しできたという気持ちが強い」 -力を入れた点、苦労したところは。 「練習段階で競技時間の3分以内になかなか収められず、心配だった。大会2日前にようやく『何とかなりそう』と手応えを持てた。本番は持ち
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静岡人インタビュー「この人」 佐久間駅伝舞台の小説を執筆した 奈女田功さん(浜松市中区)
浜松市天竜区で長年開催され、このほど廃止が決まった「佐久間駅伝」を舞台に、中年ランナーの苦悩や友情を描いた小説「RUNNER―おっさんたちの駅伝―」を執筆した。年度内に出版予定。37年間、教員として勤務し、竜禅寺小(同市中区)や佐久間小(同市天竜区)などで校長を歴任した。67歳。 ―作品への思いは。 「生まれ故郷の一大イベントを大勢の方に知ってほしいと思って執筆した。登場人物が挫折や不幸を乗り越え、たすきをつなぐ熱い物語。走っている場面は特に魂を込めて書いた。ランナーをはじめ、大会に携わる全ての人々の情熱に触れられる」 ―佐久間駅伝をテーマにした理由は。 「佐久間といえば駅伝。地域が
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静岡人インタビュー「この人」 サーフィン・アジア選手権の団体戦で優勝した 足立海世さん(伊豆市)
父光洋さん(43)の影響で3歳からサーフィンを始めた。伊豆市立天城小6年の時には全日本サーフィン選手権キッズの部で優勝した。モルディブで7月に開かれた「サーフィン・アジア選手権」で、日本代表チームのメンバーとして出場。団体戦で優勝、アロハカップ(男女各2選手によるチーム戦)で2位、個人戦(18歳以下)で4位に入る活躍を見せた。週5日程度、下田、伊東市など伊豆半島の海岸で練習に励む。伊豆市月ケ瀬在住。天城中卒業。通信制の明聖高(千葉市)1年。15歳。 ―選手権の感想は。 「日本代表としてアジアの人たちと肩を並べて良い経験になった。特に団体戦優勝はうれしかった。ただ3部門それぞれで優勝を狙っ
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静岡人インタビュー「この人」 全国高校ARDF競技大会のクラシック144MHz帯競技女子個人の部で準優勝した 池谷仁美さん(静岡市駿河区)
アマチュア無線の電波を使って、山野などのフィールド内のポイントを探査するARDF競技を4月に始め、7月の全国大会で好成績を収めた。科学技術高ロボット工学科3年生。この夏まで機械工作研究と電子物質工学研究無線班の2部活に所属した。17歳。 ―全国大会を振り返って。 「県大会は制限時間に悔しい思いをしたのでとにかく時間を気にした。猛暑の中での大会だったので体力が心配だった。部活動として競技に打ち込んでいる人たちの中で記録が残せたので、信じられない気持ちだった」 ―無線との出合いは。 「ボーイスカウトに所属していた縁で中学生の時から無線に興味があり、高校2年の時に3級アマチュア無線技士の資
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静岡人インタビュー「この人」 「闘う陶芸家」として活動するプロボクサー 川合絢也さん(磐田市)
2015年にプロボクサーとして1戦して引退。21年に復帰し、22年には中日本スーパーバンタム級新人王になった。西遠ボクシングジム所属。22年には陶芸家としても活動を始め、自宅に工房を構える。32歳。 -なぜプロボクサーを目指したのか。 「大学でボクシングを始めたが、最後の大会で思うような結果を残せず不完全燃焼だった。そんな時、通っていたジムの会長に勧められ、1戦だけプロとして戦った。勝って燃え尽きることができた。その後、就職したが、体調を崩し、退社して地元に戻ってきた。療養のつもりで通ったジムの人たちが後押ししてくれて、もう一度チャレンジしてみようと思った」 -陶芸家になった理由は。
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静岡人インタビュー「この人」 災害時の女性に関する課題解決を目指す団体を立ち上げた 杉山文香さん(富士市)
防災に関心のある女性同士の情報共有や災害時の女性に関する課題解決を目指す有志団体「富士女性災害支援ネット」を3月に設立し、代表を務める。勉強会や体験イベントなどを企画する。32歳。 ―設立のきっかけは。 「消防団員としての活動を通して防災への意識が高まっていた。昨年の台風15号で地元の江尾地区が浸水被害に遭った。ボランティア団体に所属していない人や防災士などの資格がない人であっても支援できたり情報を知ることができたりする仕組みがあればと思った。その後、過去の大規模災害などについて勉強を進める中で女性を巡る防災の問題を痛感し、設立を決めた」 ―女性が抱えやすい災害時の課題とは。 「東日
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形骸化「象徴する一件」 識者インタビュー/片山善博氏(大正大地域構想研究所長)【議決権の重み 御前崎市議会㊦】
こども園の新設計画を巡り、御前崎市議7人が関係予算を可決後に変更を求めた問題。鳥取県知事などを務め、地方自治に詳しい大正大地域構想研究所長の片山善博氏は市議らの行動背景について「議決権に対する責任感が欠如しているのではないか。昨今の地方議会の形骸化を象徴する出来事だ」と指摘した。 ―議員の役割とは。 「首長が提出した予算案や条例案の内容をチェックし、与えられた審議議決権を行使して議案の可否を判断し、その結果に責任を持つことが本質だ。一般質問などで政策を執行部に提案することが最も重要な役割だと勘違いしている議員もいるが、それは誤った認識。提案を否定するものではないが、議会は立法機関であり、
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静岡人インタビュー「この人」 全国高校総合文化祭将棋部門で準優勝した 佐々木香歩さん(沼津市)
日大三島高囲碁将棋部2年。8月に鹿児島県で開かれた第47回全国高校総合文化祭将棋部門兼第59回全国高校将棋選手権女子個人戦で準優勝に輝いた。2月の全国高校文化連盟将棋新人大会3位から順位を上げており、今後は全国大会優勝を目指す。17歳。 ―棋歴は。 「札幌市に住んでいた6歳の頃に父の影響で将棋教室に行って指し始めた。小学2年の時に沼津に移り住んでからは、プロを目指して日本将棋連盟の研修会にも通った。中学時代は将棋から離れていたが、子供の頃に練習で通った日大三島高囲碁将棋部に入り、再開した」 ―将棋の魅力は。 「囲碁やチェスと比較はできないが、一手で形勢が変わるところが面白い。指し始め
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静岡人インタビュー「この人」 浜名湖体験学習施設「ウォット」館長 大竹純也さん(浜松市南区)
浜松市西区舞阪町にある浜名湖体験学習施設「ウォット」で10年以上勤務し、昨年11月に館長に就任した。コロナ禍ながら昨年度は同施設の年間入館者数が12万9千人を超え、2000年の開館以来過去最多を記録した。東海大海洋学部卒。34歳。 ―施設の魅力は。 「浜名湖に特化した展示で、浜名湖の生き物のことがまるまる分かる。漁業や養殖業をはじめ、それらを支える生態系の豊かさも紹介している。大きい水槽がある水族館ではないが、その分小さな生き物たちにスポットを当てることができている」 ―入館者の推移はどうか。 「コロナ前の18年度には11万1085人と当時過去最多の年間入館者数を達成していた。コロナ