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大自在(3月30日)菜の花

 今月下旬の天候不順で桜の開花は遅れ気味のようだが、わが家のプランターでは「菜の花」が満開状態だ。鮮やかな黄色の小花が咲きそろい、春の到来を感じさせてくれる。
 この菜の花、元は野菜くず。生ごみとして捨てるハクサイの芯を水に浸しておいたら芽を出し葉が出てきた。次々に葉が広がったところでプランターに移植。陽光に当てて水をかけていたら5センチの野菜くずが60センチほどに伸びて花芽が出た。
 ハクサイと同様に芯から育てたキャベツも同じような黄色い花を咲かせている。「へた」から育ったダイコンも花芽を出した。こちらは開花すれば白い花を咲かせるらしい。捨てれば生ごみ、育てれば菜の花と、この違いは大きい。
 調べると、ハクサイやキャベツ、ダイコンはいずれもアブラナ科。菜の花が咲くのは納得した。一方で暖かくなれば青虫が発生するかもしれない。既に食い破られた葉も見える。辺りを見るとカタツムリがいた。
 こうした野菜を「再生野菜」とか「リボベジ(リボーンベジタブル)」と呼ぶという。水耕栽培なら手軽にでき、わずかであっても、生ごみを減らす、収穫できれば家計の足しになる、という効果もある。ニンジンのへたから育った葉は摘み取られ、夕食のサラダに使われた。
 観察や観賞だけでも楽しい。台所に置けば緑が増えるのがいい。勢いよく成長する姿に力強さや躍動感も感じる。食材としての役目を終えた野菜が再び花を咲かせようと伸びる姿は元気も与えてくれる。老い支度を始めたわが身も再生できればと願うばかりだ。

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