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台風15号の行政対応再検証 前静岡市長初動の問題指摘「災害対応最優先すべき」

 静岡市は9日までに、昨年9月に発生した台風15号に関する行政対応の再検証結果をまとめた。当時の災害対策本部長だった田辺信宏前市長が発災当初に災害対応以外の公務に当たっていたことについて、今年3月に公表した最終報告では「災害対応と通常公務のバランスの適切性に問題があった」としていた記述を、「初動時は災害対応を最優先で行うべきだった」と修正し、市長の行動をより厳しく評した。関係者への取材で分かった。

静岡市役所
静岡市役所

 田辺前市長は発災当初の昨年9月25日、公務で市内の祭りや敬老会に出席していた。地域行事への参加に関し、3月公表の最終報告は「慎重に判断する必要があった」としたが、再検証では「参加は見送るべきだった」と指摘。被災箇所の本部長視察については「複数回実施したが、現地確認は早急に方針を決定するべき事案に限るべきだった」と厳しい見解を示した。
 今後の対応策として「本部長は最悪の事態を想定して災害対応に専念するとともに、刻々と変化する状況に応じた適時適切な判断と対策を行う」と明記した。
 被害の判明から2日後となった自衛隊への派遣要請に関しては、「派遣の三要件の考え方を速やかに情報発信できず、市民の不安感につながった」としていた当初の最終報告の記述を改め、派遣要請に係る課題は市民の不安感の問題ではないとした上で、自衛隊の円滑な対応を踏まえ、「結果的には、より早い段階で要請した方が良かった」と結論付けた。
 難波喬司市長は4月の市長就任後、台風15号の最終報告書に盛り込まれた「今後の対策」について、「不十分」と指摘し、災害対応の再検証を職員に指示していた。

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