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水災害「新たなステージ」 河川審議会で県リポート案 流域治水の必要性強調

 静岡県河川審議会(会長・大石哲神戸大教授)が19日、静岡市葵区の県地震防災センターで開かれた。県は2022年の台風15号、23年の台風2号で被災した教訓を踏まえ「新たなステージに入った水災害に対する取り組み」のリポート案を示し、氾濫防止や被害対象の減少などに向けて県河川砂防局が取り組む29項目の重点対策や工程を提示した。

水災害に対する取り組みについて意見を交わす審議会委員=19日午後、静岡市葵区の県地震防災センター
水災害に対する取り組みについて意見を交わす審議会委員=19日午後、静岡市葵区の県地震防災センター

 22年の台風15号は、県中部で24時間最大雨量が400~500ミリに達し、5700戸以上で床上浸水した。23年の台風2号でも複数箇所で同500ミリ超を観測し、広域で浸水被害に見舞われた。
 リポート案では、県内で時間雨量50ミリ以上の降雨が30年前に比べ1・4倍に増え、水災害が「新たなステージに入った」と指摘。行政、企業、住民など流域のあらゆる関係者が重層的に対策を講じる「流域治水」の必要性を強調した。
 氾濫を防ぐための長期的な対策としては、3次元点群データを活用して河道の土砂堆積状況を把握することや、樋門(ひもん)の適切な維持管理を挙げた。短期的な対策には衛星画像を活用して砂防指定地での違反行為を早期発見することなどを盛り込んだ。
 被害軽減や早期復旧・復興に関しては、市町と連携した河川監視カメラの設置や、土木技術職員全員のスマートフォンに災害情報システムアプリを入れるなどして情報収集者を増やすことなどを挙げた。同審議会の委員からは、農林や環境などを所管する他部局との連携を徹底するよう求める意見があった。県は2月中にリポートをまとめ、ホームページで公表する予定。

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