台風15号(2022.9.23-24)の記事一覧

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時論(1月29日)河川敷広場の復旧 なぜ1年
台風で被災した河川敷のスポーツ広場の修復と再開になぜ、こうも時間がかかるのか。 静岡市清水区の大規模断水をはじめ、各地で甚大な被害をもたらした昨年9月の台風15号。同市の安倍川河川敷でも、増水によりサッカーや野球の施設が土砂に覆われたり、陥没したりする被害が出た。全33カ所のうち、被災は19カ所に上る。全面復旧はことし夏にずれ込む見通しだ。 被害が小規模だった7カ所は復旧作業が進み、4月までに利用が再開される。残る12カ所は国の補助事業で復旧させる方針だが、この手続きに時間を要している。国土交通省の都市災害に関する復旧事業の適用を見込み、担当者による被災現場の確認を待つことになったのが要
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静岡人インタビュー「この人」 台風15号で県内支援をした日本カーシェアリング協会代表理事 吉沢武彦さん
宮城県石巻市を拠点に全国の災害被災地で、車の無料貸し出し活動を行う。昨年9月の台風15号直後から静岡市を拠点に、浸水で自家用車を失った人や災害ごみの搬出でトラックを必要とする人たちなどを支援した。44歳。 ―活動実績は。 「10月から乗用車と軽トラックを延べ286件貸し出した。申し込みが殺到したが、ピーク時170人だった待機者は今はゼロ。貸し出し期間は2月28日までとしている。車の寄付を募ったところ、有志や中古車業界団体の協力で24台を譲り受けた。中古車需要が高い中で手放した思いに感謝が尽きない」 ―静岡市の調査時の印象は。 「清水区を最初に訪ね、住民の話を聞き、思っていたよりもひど
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長年の福祉貢献 個人や団体表彰 森町社協
森町社会福祉協議会はこのほど、「第41回森町社会福祉大会」を町文化会館で開いた。長年地域の社会福祉に貢献している個人、団体を表彰した。 奉仕活動に従事した町民に対し、鈴木寿一会長から賞状が贈られた。小学生を対象とした子どもの描く福祉のまちづくり作文コンクールの入選者を表彰し、代表児童3人が朗読した。昨年9月の台風15号における災害ボランティアの活動報告も行われた。 表彰を受けた個人、団体は次の通り。 【町社会福祉協議会会長表彰】社会福祉関係団体役員 朝比奈千鶴子(谷中)山本令子(中川下)▽社会福祉事業協力者 福田地福の会(福田地)上川原憩いの場「みのり」(円田) 【町社会福祉協議会会
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台風15号被害事業者の補助金申請 静岡県、2月1日から受け付け
静岡県は2月1日から、昨年9月の台風15号で被害を受けた事業者向け「被災中小企業再建支援事業費補助金」の申請を受け付ける。 災害救助法が適用された県内23市町の小規模事業者と中小企業が対象。店舗修繕や償却資産の修理、業務用車両購入などに掛かった経費について、小規模事業者は3分の2、中小企業は2分の1を補助する。補助上限額は200万円。 申請受け付け前に、県はコールセンターを開設した。専用ダイヤルは<電050(5369)6282>(平日午前9時~午後5時)。
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大自在(1月25日)AIの活躍の場
人工知能(AI)は産業や社会の自動化・能動化に大きな成果を上げている。その恩恵に浴する社会起業家は増える一方で、産業や社会のシステムそのものの改善には至っていない。 実際、いくらAIが発達しても、政治不信は解消せず経済成長も鈍いまま。少子高齢化に打つ手もなく国民生活は厳しさを増すばかりだ。AIはこの国の閉塞[へいそく]感を破るゲームチェンジャーにはなれないのだろうか。 一方で近年、飛躍的に進歩しているのも事実。2020年、海外の技術者が最新AIを紹介したブログ記事の最後に「告白する。この記事は全てGPT-3(AI)が書いた」と種明かしした。人間が書いたと思い込んでいた読者は驚き、一躍その
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浜松市 一般会計3900億円規模 過去最大、23年度当初予算案
浜松市は24日までに、2023年度当初予算案の大枠を固めた。一般会計の総額は過去最大だった22年度当初を250億円程度上回る約3900億円規模となる見通し。最終年度を迎える新清掃工場(天竜区)整備事業費がピークを迎え、衛生費が膨らんだことが主な要因で、実質的にはほぼ横ばいとみられる。2月15日開会予定の市議会2月定例会に提出する。関係者への取材で分かった。 一般会計の歳入は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って落ち込んでいた企業業績や個人所得が回復傾向にあると判断し、22年度当初と比べて約30億円増となる約1500億円の市税収入を見込んだ。 歳出のうち、24年度稼働予定の新清掃工場と破
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行政対応検証 43項目提示 浜松市、天竜区の土砂崩落
昨年9月の台風15号に伴う浜松市天竜区緑恵台の土砂崩落で、無届けの盛り土の形成を止められなかった経緯などを検証する「行政対応検証会」(座長・村越啓悦弁護士)の第2回会合が23日、同市役所で開かれた。市は崩落前に住民や市の出先機関職員らから寄せられた通報、相談に十分な対応ができていたかを中心に、43点の検証項目案を示した。次回会合で5人の第三者委員が項目の精査と絞り込みを行い、具体的な検証に着手する。 会合は非公開で進められた。終了後に取材に応じた市の杉石秀和都市計画課長は「関係法令や所管課が多岐にわたるので時間がかかるが、個別の対応をそれぞれ検証してもらう。再発防止のため、行政対応がどうあ
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静岡・清水区うどん店に支援続々 3月営業再開目指しCF 台風15号被災から再生へ
台風15号の影響で床上1メートル以上の浸水被害に遭い営業できなくなった静岡市清水区高橋のうどん店「げんき」が3月下旬の再開に向け準備を進めている。テイクアウト用の冷凍鍋焼きうどん製造のため1200万円の投資をした直後の被災で資金難に陥った。クラウドファンディング(CF)を行ったところ支援者が現れている。 「讃岐でも稲庭でもない延びのある細打ち麺がうちの特徴」。店主の松波岩徳さん(49)は話す。地元産のスダチを使った冷やかけうどんが人気で、20席ある店内の前には昼時に行列ができた。 店があったのは、巴川からあふれる泥水による浸水がひどかった地域。周辺駐車場に止めてあった車は水没。店内にも泥
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大井川鉄道 静岡県に支援要望書 公共交通存続へ、協議会設置求める
2022年9月の台風15号で被災し、一部区間で運休が続く大井川鉄道(島田市)は18日、鉄道事業の運営支援に関する要望書を県に提出した。新型コロナウイルス禍の経営環境悪化や災害復旧が課題となる中、持続可能な地域公共交通の在り方を検討するための協議会設置を求めた。 鈴木肇社長が県庁に森貴志副知事を訪ね、「全国から全線開通を望む声があるが、自力では厳しい。持続的な運営と併せて支援をお願いしたい」と求めた。森副知事は「本年度中にできるだけ早く話し合いの場を設ける。全体の交通体系についても検討したい」と応じた。 大鉄によると、協議会は県、沿線自治体、国などの関係機関で構成され、地域公共交通の在り方
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罹災証明 未申請400世帯 意思あれど手続きが壁に 台風15号被害の静岡市
昨秋の台風15号により浸水や土砂災害の被害が出た静岡市で、「罹災(りさい)証明」の申請をしていない世帯が昨年末時点で約400世帯に上ることが17日までに、市への取材で分かった。3分の1は申請の意思があるものの、高齢者も多く手続きが難しいケースがあるとみられる。一方、財政支援の申請期限が迫っており、対応が急務となっている。 市が被災した約1万3900世帯を対象に昨年11、12月に行った訪問調査で判明した。未申請の約400世帯のうち、約180世帯は申請の意思を示し、その後約50世帯が申請手続きに入った。残る約220世帯は被害が軽微などで申請意思がなかったとしている。 市によると、申請の意思を
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記者コラム「清流」 爪痕は「見えない部分」に
台風15号で大規模な浸水被害に遭った静岡市清水区に足を運んだ。被災から3カ月後、道路に散らばった泥だらけの衣服や家具は撤去され、コインランドリーから行列は消えていた。港町は日常を取り戻したかのように見えた。 だが取材に入ると、すぐに思い違いだと分かった。その日は災害ボランティアの指揮をとる支援団体に同行した。70代女性の自宅は1階の断熱材や壁下にカビが生え、修理のために柱がむき出しになっていた。2階での生活に「上り下りがつらい」とうつむいた。土が薄く残るアパートで生活保護を受給しながら暮らしをつなぐ60代男性は「死んだ方が楽かも」と漏らした。 取材を通して見て聞いて、復興には時間がかかる
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浜松・天竜区の土砂崩落 排水対策の工事完了「梅雨までに」
住民3人が負傷した昨年9月の台風15号に伴う浜松市天竜区緑恵台の土砂崩落で、市は17日、第三者技術的検証会の第2回会合を市役所で開いた。崩落した無届けの盛り土を撤去した後の安全性について、市は「のり面が露出するが、土質は安定している」として、今後の排水対策と併せることで崩落の再発リスクは抑制可能と説明した。地中の排水管敷設工事を今年の梅雨時期までに完了させる方針も示した。 市によると、現場の斜面は約30年前の宅地造成時に盛り土で整形され、その上から後年に土地所有者らが無届けで残土など約8100立方メートルを盛っていたとみられる。今回崩落したのは無届けの残土部分で、市は今春をめどに崩れ残って
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太田川水系治水求める 4市町組合、国交省に
袋井、磐田、掛川、森の4市町でつくる太田川原野谷川治水水防組合は17日、太田川水系の治水対策促進を国土交通省に要望した。組合管理者の大場規之袋井市長らが石井浩郎副大臣と面会した。 昨年9月の台風15号では、管内の三つの河川が氾濫危険水位を超え、床上床下浸水は計728世帯に上った。近年激甚化する水害による甚大な被害発生を未然に防ぐため、治水関連の予算を拡大し、河川堤防の越水対策の強化を求めた。河川の環境整備や改修事業などの支援も訴えた。 要望は冒頭を除き非公開。大場市長は終了後の取材に「(石井氏からは)国の役割を果たしていきたいとの言葉をいただき、非常に心強く思う。国の力を借りて、県と連携
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台風義援金の配分額決める 磐田市 1月末から被災者の口座へ
磐田市は17日、昨年9月の台風15号の被災者支援で寄せられた災害義援金の配分委員会を市役所で開いた。床上浸水以上の被害を受けた住宅計207世帯を対象に、市が受け付けた約1200万円を配分すると決めた。 1世帯当たりの配分額は、大規模半壊(1世帯)が28万3千円、半壊(14世帯)が18万8千円、準半壊(33世帯)が9万4千円、一部損壊(17世帯)と床上浸水(142世帯)が3万7千円。今月末から順次、被災者の口座に振り込む。 市は昨年10月7日から今月13日まで義援金を受け付けた。
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土砂災害最多211件 22年、静岡県まとめ 台風15号被害大きく
静岡県は16日、2022年に県内で発生した土砂災害が前年比174件増の211件だったと発表した。統計が確認できる1988年以降で最多という。このうち台風15号による土砂災害は167件と全体の約8割を占め、被害の大きさを改めて示す結果となった。 過去10年の平均発生件数は48件で、例年を大幅に上回った。内訳は崖崩れ146件、土石流61件、地滑り4件。台風15号による被害は崖崩れ111件、土石流54件、地滑り2件だった。死者は1人。 静岡市葵区油山や藤枝市原など4カ所の土石流と、磐田市平松など2カ所の崖崩れは、緊急性が高いとして国の補助事業に採択された。 静岡市葵区内牧や松崎町雲見など15
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社説(1月17日)阪神大震災28年 教訓生かし訓練強化を
6400人以上の犠牲者を出した阪神大震災から28年となった。多数の老朽木造住宅が倒壊して多くの死傷者を出した上、火災も同時多発的に発生するなど、直下型地震を受けた大都市の脆弱[ぜいじゃく]さは現在にも続く深刻な課題となっている。 一方で阪神で示された共助やボランティア活動はますます重要になっている。また、住宅の耐震化や家具の転倒防止、食料・水の備蓄など自助の備えが大事なことは言うまでもない。改めて直下型地震の記憶と教訓を語り継ぎ、次に起こる地震災害に生かしていかねばならない。 新型コロナウイルス感染症の流行によって、住民参加型の訓練は最小限にとどめられてきた。終息はいまだに見通せないもの
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台風被害「夢のつり橋」通行再開 川根本町・寸又峡温泉の観光名所
昨年9月の台風15号の被害で通行止めとなっていた川根本町・寸又峡温泉の観光名所「夢のつり橋」が14日、通行を再開した。関係者が安全祈願祭を行い、地元住民や観光客らが早速つり橋からの景色を楽しんだ。 つり橋手前ののり面や遊歩道が約20メートルにわたって崩落したため、足場を組んで仮設の遊歩道を整備した。薗田靖邦町長は「夢のつり橋を中心ににぎわいを取り戻していきたい」とあいさつ。寸又峡美女づくりの湯観光事業協同組合の望月孝之代表理事は「皆さんの協力のおかげで短期間で通れるようになった。全国からのお客さんをお迎えし、観光地として一層磨き上げを図りたい」と話した。 県外からの観光客も訪れて約90メ
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河川拡幅や築堤方針 台風15号被害の磐田・敷地川 地元自治会役員らに説明
磐田市と県袋井土木事務所は13日、昨年の台風15号による豪雨で堤防決壊や橋の崩壊があった敷地川の災害復旧工事に関する地元自治会役員らへの説明会を同市敷地の豊岡東交流センターで開いた。新たに川幅を広げたり、堤防を築いたりする方針で、事業内容の理解と地域住民への周知を求めた。 拡幅工事の対象区間は、家田橋から稗田橋までの約400メートル。現状の川幅から約3メートル拡幅して約15・5メートルとし、両岸に約3~4メートルの堤防を築く計画。護岸はコンクリートブロックで施工する。さらに下流の約1・4キロについても工事する計画がある。 同事務所によると、拡幅工事に伴い、新たに用地の取得が必要で、対象
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掛川 22年救急、4418件で最多 火災は前年比8件増
掛川市消防本部は11日、2022年の火災・救急・救助統計(速報値)を発表した。市内で発生した火災は36件。救急件数は過去最多の4418件だった。 火災は21年より8件増えた。建物火災が21件と、全体の6割を占める。原因はたき火が8件と最多。放火またはその疑いのある火災は、4月に下西郷で発生した放火殺人事件を含め4件。死者は2人、負傷者は6人だった。 救急件数は21年より625件増えた。新型コロナウイルス関連の搬送事案が集中した8月の件数は454件だった。 救助件数は61件で前年並み。交通事故が25件、台風15号による自然災害が5件、山岳事故は5件だった。
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台風復旧寄付金 総額1995万円余に 磐田市
磐田市の草地博昭市長は12日の定例記者会見で、市に寄せられた台風15号の災害復旧事業寄付金が昨年12月末現在で522件、1995万5645円に上ったと発表した。 内訳は、現金・口座振り込みが73件で755万3655円、ふるさと納税が447件で640万1990円、企業版ふるさと納税が2件で600万円。寄付金は道路や河川、公共施設の復旧事業、被災者の生活再建に向けた市の独自支援などに活用する。 草地市長は「貴重な浄財をいただいた。より災害に強いまちにしていきたい」と述べた。口座振り込みとふるさと納税での寄付受け付けは終了したが、現金での寄付は市役所本庁舎の財政課で受けている。
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記者コラム「清流」 地域の鉄道守るには…
台風15号の影響で運休していた大井川鉄道本線が昨年約3カ月ぶりに一部区間で再開し、蒸気機関車(SL)の汽笛が戻ってきた。「火が消えたような寂しさだった」「大鉄はなくてはならない存在」―。各駅で乗客を出迎えた住民からは切実な声が漏れた。 きかんしゃトーマス号などの観光収入を頼りに鉄道を維持してきた大鉄だが、新型コロナの流行に続く今回の災害で大きなダメージを受けた。自力での全線復旧が困難として公的支援を要請し、県や市との意見交換も始まった。 地域の足として存続を願うが、通勤・通学利用は決して多くなく、再開を喜んだ市民の大半が普段は利用していないのが現実だろう。まずは乗ってみるのも支援の一つ。
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居住相談高止まり 低所得、高齢者の賃貸契約難しく 台風15号被災の静岡・清水区
昨年9月の台風15号で大規模な床上浸水が発生した静岡市清水区で、低所得者や高齢者ら「住宅確保要配慮者」から寄せられた直近12月の居住支援相談件数は19件と、発災以来、ほぼ同水準で推移していることが10日までに分かった。災害から3カ月がたっても生活拠点がままならない被災者の現状が浮き彫りになった格好。支援団体は「件数が多く、迅速な対応が難しい」と苦慮する。 同区で住宅確保要配慮者の居住支援を行うNPO法人「WAC(ワック)清水さわやかサービス」によると、昨年9~12月の新規居住相談は84件で、前年同期の約2倍。内訳は9月21件、10月24件、11月20件と高止まりが続く。 住宅確保要配慮者
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消防出初め式 一斉放水や表彰式 防火・防災の決意新たに【静岡/牧之原/吉田】
静岡 台風の教訓踏まえ、防火・防災へ意識新た 一斉放水も 静岡市消防局は8日、新年恒例の出初め式を同市葵区の市民文化会館で行った。市消防局職員や市消防団員ら約千人が参加し、防火と災害危機対応への意識を新たにした。 秋山義隆消防局長は昨年9月の台風15号の教訓を踏まえ、「地域防災の要である消防団員と連携し、市民の安全安心を守っていく」とあいさつ。式典では消防殉職者に黙とうをささげ、長年にわたり消防活動に尽力した功労者らを表彰した。 会場の外では、消防音楽隊の演奏に合わせてカラーガード隊が華麗な踊りを披露したほか、駿河消防署隊が訓練を実演した。消防車両約60台が駿府城公園の堀に向かって一斉
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防災への決意新た 湖西市消防出初め式 「あらゆる災害への対応、訓練重ねたい」
湖西市消防出初め式が8日、同市の鷲津中で行われた。消防団員220人と消防本部職員48人が参加し、防災への決意を新たにした。 影山剛士市長はあいさつで、昨年9月の台風15号が県内に甚大な被害を与えたことに触れた上で「地域住民は大きな信頼と期待を寄せている」と述べ、団員らに活動の重要性を伝えた。榊原敬介団長は「火災のみならず、あらゆる災害に対応するため訓練を重ねたい」と述べた。 ポンプ操法や救命訓練、隊列行進に加え、功労者表彰を行った。表彰された主な功労者は次の通り。 【県消防協会長表彰】功績章(勤続25年) 太田大介▽特別功労章(勤続20年など) 石田貴裕、斎藤祐治、佐々木貴紀、鈴木樹哉▽
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社説(1月9日)静岡県政展望 次代を切り開く選択を
2023年は4年に1度の統一地方選が4月に行われ、身近な政治の担い手を選択する重要な年となる。静岡県内で今年予定される24の地方選挙のうち21が該当し、県議選とともに15市町で首長選や議員選が控える。静岡、浜松の両政令市長選で期数を重ねた現職が不出馬を表明し、県内政治は転換期を迎えた印象だ。次世代が希望を抱けるビジョンと実行力を持つリーダーを選びたい。 本県人口は22年2月に360万人を割り込み、35年前の水準となった。少子高齢化による自然減と若者の県外流出に歯止めがかかっていない。新型コロナウイルス禍は東京一極集中のもろさや、国と自治体の連携の不十分さをあぶり出した。次代を切り開くポスト
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大鉄全線復旧へ バザー収益寄付 島田の女性団体
島田市川根町の女性団体「ネットワーク桜花」(種本鏡子代表)はこのほど、台風15号で被災した大井川鉄道の全線復旧を願い、バザーなどで集めた3万5千円余を同社に寄付した=写真(同団体提供)=。 昨年12月16日に金谷-家山間で運転を再開した際にはメンバーが家山駅で黄色いハンカチを持って乗客を出迎え、駅舎をハンカチで飾った。同18日に「がんばれ大鉄」を合言葉に駅前で開かれた「さくらマルシェ」に出店して不用品を販売したほか、会場での募金なども合わせて駅員に託した。
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流出医療資材「回収困難」 掛川の土地管理者 行政対応求める 台風15号
掛川市の山間部に保管されていた大量の医療資材が昨秋の台風15号により川に流出し、森町など広範囲に流れ着いた問題で、掛川市は6日、土地を管理する市内の70代男性が静岡県に対して「回収が困難」として行政対応を求めていることを明らかにした。市は「早期解決に向けて県、森町と協議したい」としている。 市によると、男性は大型浴槽で湯を沸かすための燃料として、使用期限が切れた未使用の医療用ガウンやチューブなどの資材を調達し、大型土のうで保管していたという。台風15号で土のう約100袋のうち10~15袋が破損し、近くを流れる田代川に流出した。 市職員と市議が同日、同市炭焼の現地を視察し、流出元や拡散した
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大量の流木でシラス漁打撃 台風15号で安倍川から用宗港近海に 網被害、漁師ら撤去訴え
記録的な大雨をもたらした昨年9月の台風15号で静岡市の安倍川から大量の流木が同市駿河区の用宗漁港近海に流れ出し、特産のシラス漁に打撃を与えている。海中や海底の流木が引っかかって網が破損し、漁に出られない日もある。昨年11月の漁獲量は一昨年同期の半分。3月に始まる来季までに流木が撤去されなければ影響はさらに拡大する恐れがあり、漁師らは国などに早期の対応を求めている。 「これだけの流木が海に出るのは30年間の漁師生活で初めて」。用宗しらす船曳組合の杉山喜規組合長(49)が昨年12月下旬、不安な表情を浮かべた。台風以降、漁に出る度に海中の流木が網を引き裂き、修理代だけで200万~300万円かかっ
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今年の1文字 牧之原市長は「安」
牧之原市の杉本基久雄市長は6日の定例記者会見で、新年の願いや抱負を込めた今年の1文字に「安」を掲げ、「市民の願いでもある平和で安心安全な暮らしができる年にしたい」と述べた。 杉本市長は台風15号や竜巻被害、川崎幼稚園で発生した園児のバス置き去り死事件など昨年市内で発生した災害や事件に言及し、「昨年は大変厳しい状況が続いた」と強調。その上で、今年1年の抱負として「魅力と活気にあふれた牧之原が花開くよう、まちづくりにまい進したい」と言葉に力を込めた。
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掛川山間部から医療資材流出 台風15号 森町まで15キロ以上
2022年9月の台風15号で掛川市の山間部に保管してあった医療用資材が田代川(同市)に流出し、森町まで達していたことが5日までに、関係者への取材で分かった。流出物は3カ月以上が経過した現在もほぼ手つかずのままで、地域住民からは困惑や憤りの声も広がる。県や地元の掛川市、森町が調査に乗り出し、実態把握を進めている。 関係者によると、流出したのは医療用マスクやチューブなど。新品とされ、明ケ島キャンプ場(掛川市炭焼)近くの私有地に土地の管理者が保管していた。流出は田代川から森町の太田川まで15キロ以上に及んでいる。県が土地管理者への聞き取りなどに着手したほか、掛川、森の両市町も現場確認を進めている
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静岡空港国際線再開 訪日本格化に期待 観光業界「待ちわびていた」「励みになる」 受け入れ準備加速
静岡空港国際線の再開が発表された5日、静岡県内の観光関係者からは「待ちわびていた」「地域活性化の励みになる」などと歓迎の声が上がった。定期便の再開につながれば新型コロナウイルス禍で約3年にわたり途絶えていた外国人観光客の来県が本格回復に向かうとみられ、各事業者は好機を逃すまいと受け入れ準備を加速させる。 ふじのくに茶の都ミュージアム(島田市)はコロナ禍のあおりで、2018、19年度に年間各2500人を超えていた外国人来館者が激減。大半は茶への関心が高い中国や台湾、韓国のツアー客で、茶道体験や茶摘みが人気だった。白井満副館長は「国際線再開は大きな励み。国内客と合わせ、訪日客にも日本文化や茶畑
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島田市長 今年の1文字は「活」
島田市の染谷絹代市長は5日の定例記者会見で、今年の1文字として「活」を選び「台風15号による豪雨被害からの復活に加え、コロナ禍を経て市民も事業者も明るく、元気に快活に過ごせる1年を目指したい」と抱負を述べた。 台風被害については国道473号の早期復旧が重要とし「被災地域や住民に寄り添う支援をしたい」とした。12月に部分復旧した大井川鉄道への支援については「流域だけでは難しく、広域での話し合いになる」と述べるにとどめた。 リニア中央新幹線を巡る問題については「(水資源の影響に関する)不確実性を小さくしていくための建設的な議論が進むといい。住民の不安を払拭するだけのしっかりした情報提供も必要
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静岡市 事業者向けLINE開設 支援情報を迅速的確に発信
静岡市は5日、市内の事業者向けの公式LINE(ライン)アカウントを開設した。事業者の支援メニューに特化した情報を「プッシュ型」で発信し、必要な情報を迅速、的確に当事者に届ける。 同市では新型コロナウイルス禍や2022年9月の台風15号、エネルギー価格高騰による物価高などの影響を受けた事業者を対象にさまざまな支援策を講じてきたが、情報が当事者に行き届いていない実態があった。一般市民向けのラインアカウントは多種多様な情報がランダムに配信されるため、的確な情報発信につながっていなかったという。 市は今後、既存の事業を含めた支援メニューのほか、イベントや試験販売の参加募集など事業者向けの情報を随
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5万個の電球 夜に彩り 島田・天王山公園 地元住民が装飾
島田市川根町家山の天王山(てんのうやま)公園で2月14日まで、イルミネーションが点灯している。15回目を迎え、地元住民が装飾した約5万個の電球が冬の夜を華やかに彩っている。 天王山冬まつり実行委員会が企画し、川根町青年団や市商工会青年部が装飾した。昨年9月の台風15号で被災した家山地区の復興を願うツリーのほか、クリスタルの形をした高さ約7メートルのイルミネーションを設置した。点灯は午後5~9時。
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台風15号なお爪痕 静岡・葵区油山で早期復旧願い餅つき
昨年9月に台風15号で被害を受けた静岡市葵区油山の被災者らが4日、新年の餅つきイベントを行った。今も災害の爪痕が残っており、生活基盤の早期復旧と新たな1年の平穏を願った。 災害ボランティア団体の「はままつnanet」(浜松市)や「災害NGO結」(沖縄県)が、地域の結束力と活気を高めてもらおうと企画した。 住民ら約40人が杵(きね)や臼、もち米などの食材を持ち寄り、交代しながら杵を力強く振り下ろした。周囲の「よいしょ」のかけ声に合わせ、リズム良く餅をついた。 台風の大雨で自宅が床上浸水し、長期の避難生活をしている小柳奈津子さん(83)は「(昨年は)支え合いの大切さを身に染みて感じた。今年
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詳報② 経営環境、設備投資...23年戦略は 求められる「復元力」【静岡県内100社景気アンケート】
経営環境 経常利益「下振れ」多数 原材料価格の高騰などに伴うコスト高が、幅広い業種で企業業績を下押ししている。今期の経常利益を期初予想と比べて「下振れ」「大幅な下振れ」と見込んだ企業は計40社に上った。 今期の経常利益見通し(期初予想比) 両回答合計の内訳は製造業25社、非製造業15社。「原材料価格、輸送費ともに高騰」(機械製造)、「エネルギー価格も含めて高騰は想定以上」(運輸)、「物価上昇で個人消費も減速」(小売業)などの意見が出た。 このうち、「大幅な下振れ」と答えた製造業3社は、部品不足に伴う取引先の減産も理由に挙げた。 「想定通り」とした企業は40社。
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「避難入院」体制整備を ALS患者ら 災害時の長期停電を不安視
9月の台風15号をはじめ、近年豪雨災害が相次いでいる県内で、人工呼吸器の装着が必要な自宅療養のALS(筋萎縮性側索硬化症)患者らから、長期の停電などに備えて医療機関へ「避難入院」する体制の整備を求める声が上がっている。県は本年度、一部の協力病院と避難入院の仕組みを試行するなど対応策を探り始めた。 「台風が近づくたびに、いざとなったらどうしようかとすごく不安」。長泉町の自宅でALS患者の杉山武男さん(79)を介助する妻の朝子さん(74)は胸中を吐露した。 武男さんはベッドから自力で動くことができず、人工呼吸器や吸たん器など、電気で動く複数の機器が欠かせない。非常用の自家発電機はあるが、稼働
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復興と飛躍を 画家が干支ラベル 熱海・純米酒「天虹」販売
大規模土石流に見舞われた熱海市伊豆山の復興支援を続ける同市渚町の日本画家坂本武典さん(46)が手がけた新春干支(えと)ラベルを貼った純米酒「天虹(てんこう)」の販売が29日、市内の酒店で始まった。製造元の駿河酒造場(静岡市駿河区)は売り上げの一部を伊豆山の災害支援金として市に寄付する。 ラベルの絵は、2023年の干支、卯(う)が熱海の海を背景に元気に飛びはねる姿を描いた「波兎(なみうさぎ)熱海湾を奔(はし)る」。熱海梅園の梅や海に浮かぶ初島も描かれている。 波兎は古くから縁起物として親しまれている図柄。「熱海が元気に飛躍することを願って描いた」と坂本さん。29日に天虹を店頭に並べた熱海市
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浜松盛り土崩落で被害届 台風15号 負傷の住民、天竜署に
台風15号の豪雨で9月に盛り土が崩落し、住宅が全壊した浜松市天竜区緑恵台の住民が、天竜署に被害届を提出していたことが29日、分かった。23日付。提出者の男性(63)は、けがを負った家族3人の診断書などを元に盛り土による被害を訴えた。被災者側の被害届は初めて。 盛り土の崩落で男性宅を含む2棟が全壊、1棟が一部損壊した。男性は胸を骨折するなどの重傷だった。男性は取材に「3カ月たっても土地所有者側から何の謝罪もない。道義的な点で憤りを感じている。身体的な被害を訴えることで、責任の所在の明確化につながれば」と語った。 同署は、土地所有者や残土を投棄した業者について捜査している。
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静岡市 台風被災者支援 福祉に軸 災害対策本部廃止、復興本部に移行
静岡市は28日、9月の台風15号に伴う市災害対策本部を廃止し、市災害復興本部に同日付で移行したと発表した。11月から被災地域で行っていた戸別訪問の調査結果を踏まえ、被災者の福祉支援に力点を置く。 市によると、災害対策本部は台風襲来から一夜明けた9月24日に設置し、96日間に渡り開設した。廃止の理由に、災害発生の危険が解消し、災害対応の応急処置がおおむね完了したことを挙げた。 市の戸別訪問調査は11月上旬から12月中旬にかけて約1万4千世帯を対象に実施した。「通院困難や精神不安の影響で健康観察が必要」「通勤通学の移動手段に支障がある」などの実態を把握した。市災害復興本部は当面の間、こうした
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台風被災企業向け制度 融資期間を延長 4月3日まで
静岡県は28日、台風15号で被害を受けた中小企業対象の制度融資「中小企業災害対策資金」の取扱期間を2023年4月3日まで延長すると発表した。 国がセーフティネット(SN)保証4号の期限延長を決定したのに伴う措置。23年1月3日までだった取り扱いを3カ月間延ばす。保証料率や融資限度額は変わらないが、SN4号の認定対象は静岡市内の事業所に限る。
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住宅被災も、国の生活再建支援漏れ 28都府県 独自給付 不公平解消図る
災害で住宅が壊れたのに国の支援対象から漏れた世帯に向けて、28都府県が独自の恒久的な給付金制度を設けていることが内閣府のまとめで27日、分かった。最大300万円を給付する国の「被災者生活再建支援制度」は、被害の大きな市町村の世帯のみが対象。同じように住宅が被災した人でも、居住地によっては給付を受けられないことが背景にある。不公平感の解消を図った形だ。 被災者生活再建支援制度は、住宅の「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」などが支給要件。支給額は被害の程度と再建方法によって変わる。ただ「全壊10世帯以上の市町村」「全壊100世帯以上の都道府県」など、自治体単位で適用されるかどうかが決まるため、
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支援の仕組み確立が課題 “助け”積極要請も重要 静岡市障害者協会/牧野善浴会長に聞く【障害者と生きる 第4章 災害㊦】
静岡市障害者相談推進センターの管理者で市障害者協会の牧野善浴会長は、障害福祉の課題解決へ向けた行政との協議会などに出席する一人。渡辺隼[しゅん]さん(25)を1人で介護する父裕之さん(59)ら福祉サービス利用者の相談にも応じてきた。台風15号の影響で発生した大規模な断水被害から見えた災害時の要配慮者支援対策の課題をはじめ、現在の福祉サービスの実情を聞いた。 -台風15号による災害を経て、要配慮者支援対策をどのように分析しているか。 「10月7日の市災害対策本部会では、調査により『地域や支援サービスとつながりがあり、医療的支援を要する世帯はなかった』と報告されているが、疑問が残る。今回は、
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台風の受取保険金 特別利益を計上 エンチョー
エンチョーは27日、2023年3月期第3四半期に1億4800万円の特別利益を計上すると発表した。 台風15号で静岡市清水区の店舗に被害が出たことで損害保険の適用が確定した受取保険金。災害による損失額は、第2四半期に1億9800万円を特別損失に計上した。 受取保険金は公表済みの通期連結業績予想に含まれている。
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「原動機研究部」イベント収益寄付 伊豆市に6万円
静岡県東部の高校生らでつくる団体「原動機研究部」はこのほど、現金6万6460円を伊豆市に寄付した。 市内で開催したライダー誘致イベントの収益やメンバーの寄付を充てた。市は防災対策費に活用する。 加藤学園暁秀高2年の尾崎由徒部長は「県内では台風15号の被害が大きく、自宅が床上浸水した部員もいた。自分たちができることを考えた」と意図を話した。寄付金を受け取った菊地豊市長は「最大限有効活用させていただく」と感謝した。
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「つながりが重要」痛感 断水克服、仲間が救いに【障害者と生きる 第4章 災害㊥】
台風15号の影響で大規模な断水被害に見舞われた静岡市清水区。先天性筋強直性ジストロフィーの息子渡辺隼[しゅん]さん(25)を1人で介護する父裕之さん(59)=同区=の自宅は浸水被害を免れ、深刻な状況には至らなかったが、「備えが足らなかったと反省した。同じ境遇に立つ人たちに経験を伝えたい」と被災した数日間を振り返った。 断水が始まったのは土曜日と重なった9月24日午後。休日は通所施設が開いていないため、一日中在宅で隼さんを介護する必要がある。医療的ケアがあり1人にはできないため、夕方にヘルパーが来るまでは買い出しに行けない。 店に向かえた頃には、すでに水やウエットティッシュなどはどこも売り
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待ってたアイススケートリンク、児童歓声 静岡・水見色小、保護者手作り【動画あり】
静岡市葵区の水見色小の敷地内にこのほど、保護者が手作りしたアイススケート場「山ばとリンク」が完成した。冬休みに入った児童が早速利用し、白い息を吐きながら大きな歓声を上げてスケートを楽しんでいる。 スケート場作りは同校で45年以上続く真冬の恒例行事。今年は台風15号の記録的な大雨で、近くの川からスケート場予定地に大量の泥が流れ込む被害があったが、地域住民が協力して整備した。氷を張る作業は23日夜から始まり、氷の厚さが1センチほどになった25日に無事、“オープン”を迎えた。 同校で気温が氷点下を観測した26日朝も、厚着をした児童や保護者、教諭ら15人ほどが、学校に用意
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国災害復旧事業に台風15号被害採択
静岡県は26日、9月の台風15号で被災した県内の河川や道路など公共土木施設403カ所(政令市を除く)が国の災害復旧事業に採択されたと発表した。査定決定額は181億1855万円。 県土木防災課は「必要に応じて用地買収を行うなど、早期復旧に取り組む」としている。
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妻の4度目の命日に報告 台風、過酷な介護を直撃 息子と「綱渡りの日々」【障害者と生きる 第4章 災害㊤】
先天性筋強直性ジストロフィーの息子を1人で介護している静岡市清水区の渡辺裕之さん(59)。妻美保さん(仮名)の命日に当たる10月26日、その姿は自宅近くの寺にあった。裕之さんの生活ぶりを静岡新聞の随時連載で最後に伝えてから半年余り。新型コロナウイルス禍や台風15号…。災害は日ごろの介護生活の過酷さなど全くお構いなしに渡辺さんにも襲いかかった。 裕之さんの父清さんは2002年に他界。16年には母美奈江さん(90)が認知症を発症した。頼れる身内はおらず、裕之さんは息子と母を男手一つで介護し、体力をすり減らしながらぎりぎりの生活を送っている。 先天性筋強直性ジストロフィーの隼[し
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災害対応功労で感謝状 浜松河川国道事務所が5社に
国土交通省浜松河川国道事務所は22日、災害対策関係功労者表彰式を浜松市中区の同事務所で開き、5社に感謝状を贈呈した。 5社は本県に被害をもたらした9月の台風15号の際に排水ポンプ車の運搬や排水作業に尽力したり、山形県を中心とした8月の大雨浸水被害で車両運行業務に従事したりした。式では、名久井孝史事務所長が「地域の皆さんに安心をもたらしていただいた。引き続き災害対応に協力をお願いしたい」と述べた。 感謝状を受けたのは次の通り。 セノン静岡支社(静岡市葵区)日本ロード・メンテナンス名古屋営業所(名古屋市)3MEN(御前崎市)落合組(菊川市)諸田建設(同市)
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続く休業 油山温泉2旅館「再開へ諦めず」 経営者ら砂防早期整備願う 静岡市葵区の土砂被害/台風15号3カ月
静岡県内に甚大な被害を及ぼした台風15号から23日で3カ月。静岡市葵区の中山間地域にある油山(ゆやま)温泉の2旅館は、安倍川支流の油山川などから押し寄せた土砂で被災し休業を続けている。行政やボランティアらの支援で土砂の除去は進んだが、雨が降ると土砂が再び流れてくる時もある。両旅館の経営者は砂防ダムなどの早期整備を期待する。 「旅館業はお客さんの命を預かる仕事。安全性が担保されなければ再開は難しい」。油山温泉元湯館の海野博揮社長(40)は今後を見据えて語った。1日2組限定のペット連れの宿として人気だった。土石流が直撃し1階を濁流が通過、宿泊客4人がヘリで救助された。海野社長と妻の加奈子さん(
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どこに補償求めたら… 自宅全壊の佐藤さん、跡地プレハブで再出発 台風15号3カ月/天竜区緑恵台盛り土崩落
台風15号の豪雨による浜松市天竜区緑恵台の盛り土崩落で自宅が全壊した佐藤誠一さん(69)は、発生3カ月を前に自宅跡地にプレハブの住居を新設し、住み慣れた土地での生活を再開した。1カ月半におよぶ車中泊生活などを経て戻った緑恵台。落ち着いて年を越せる安心感を抱きつつも、疲労と先が見えない補償への道のりが重くのしかかかっている。 いまも盛り土の残骸があらわになっている崩落現場。その真下に位置する自宅跡地に建てられた8畳のプレハブで、佐藤さんは新たな生活を始めた。室内には時折、風できしむ音が響く。「それでも自分の家があるのは気持ちの余裕が全然違いますよ」 家屋をのみ込んだ土砂は奇跡的に寝室には届
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静岡県内 道路、河川412カ所被害 1月から本復旧工事に着手 台風15号3カ月
台風15号に伴う道路や河川など公共土木施設の静岡県内の被害は22日までに計412カ所確認され、台風1回の被害としては平成以降で最大規模となった。県によると、来年1月から本復旧工事へ着手する。 被害は河川の護岸崩壊や道路の陥没など。さらなる崩壊を防ぐため、土のうの設置など応急工事が必要な被災箇所は181カ所あり、うち約9割が今月9日までに完了しているという。 本復旧に向けた国による災害復旧事業の査定は、23日までに412カ所の大部分が終了する予定。県土木防災課は「次の出水期までに本復旧を完了させたい」とするが、磐田市の敷地川護岸など被害が大きかった場所は2023年度後半まで工事が続く可能性
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園児被害「子を預ける家族に不安」 裾野の事件「全容解明へ鋭意捜査」 静岡県警本部長会見
静岡県警の大原光博本部長は22日の定例記者会見で2022年を振り返り、裾野市の私立さくら保育園での園児暴行事件や、牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」の送迎バス内への園児置き去り事件を挙げて「地元のみならず、小さなお子さんを預ける日本中の家族に不安や心配を与える重たい事件だ」と語った。 その上で、さくら保育園の事件について「全容解明に向け鋭意捜査を進める」と強調。川崎幼稚園の事件は、発生から3カ月の5日に前園長ら4人を業務上過失致死容疑で書類送検した捜査を踏まえ、「二度と起こらないよう解明に全力を尽くした」と述べた。 台風15号への対応については「比類の無い規模の物的・人的リソースを投じ
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静岡市共同募金委員会に会員ら浄財寄付 立正佼成会清水教会
立正佼成会清水教会は22日、静岡市を通じて市清水区共同募金委員会に44万7633円を寄付した。 市役所静岡庁舎で開かれた贈呈式で、関口泰由教会長は「台風で被災した協会員もいたが、昨年以上の寄付が集まった」と話し、田辺信宏市長に目録を手渡した。寄付は1974年に始まり、今回で44回目。寄付総額は4146万円となった。 例年はバザーの売上金を寄付しているが、新型コロナウイルスなどの影響で中止したため、教会員から募った浄財を充てた。浄財は約85万円集まり、残りの40万円は台風15号の義援金として市に寄付した。
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浸水対策加速へ国交相に要望 公明静岡県議団など
公明党県議団と公明党静岡市議会は22日、国土交通省に斉藤鉄夫国交相を訪ね、台風15号による同市全域への甚大な被害を踏まえ、浸水軽減対策を加速化するよう求めた。 安倍川の堤防強化や土砂掘削、巴川の総合治水対策事業の推進を要請した。大規模雨水処理施設の整備に向けた財源確保も訴えた。同行した同党の大口善徳氏(衆院比例東海)によると、斉藤氏は台風被害の甚大さを認識し「しっかり予算を確保する」と応じたという。 静岡南北道路長沼立体の早期実現や国道1号静清バイパス清水立体の早期完成も要望した。
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静岡、浜松市長退任へ 転換期迎える2政令市【追跡2022④】
2023年4月の静岡、浜松両市長選で、いずれも現職が不出馬を表明した。10年以上にわたり政令市のかじ取りを担ったリーダー2氏が今期限りで退任し、県内政治は転換期を迎える。 静岡市長選を巡り、12月初旬に不出馬を表明した現職田辺信宏氏(61)。表明後初となる13日の定例記者会見で、決断の背景をしみじみと語った。「出処進退は、進む時より引く時の方が難しい」 7月に4選出馬の意向を明らかにした田辺氏。市議会11月定例会で正式に出馬表明する算段だったが、9月の台風15号の災害対応で誤算になった。大規模断水が発生した清水区で、現職批判が噴出。経済人有志が元副知事難波喬司氏(66)の支援に傾き、現職
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来季J2藤枝の杉田選手「努力の過程を大切に」 母校静岡西高生に呼びかけ
今季Jリーグ2部(J2)昇格を決めた藤枝MYFCで主将を務めた杉田真彦選手(静岡市駿河区出身)が20日、同市葵区の母校静岡西高で後輩から激励を受けた。来季の活躍を誓った上で、「結果じゃなく努力する過程を大切にして」と後輩たちに呼びかけた。 杉田選手はサッカー強豪校ではない同校から一般入試で順大に進み、Jリーガーになった。代表生徒の質問に答え、「夢を実現させるためには目標を設定し、自分を信じてどれだけ本気で取り組めるかが大事」と訴えた。 サッカー以外にも9月下旬の台風15号では被災者支援のボランティアに積極的に取り組んだ。「普段の行いや言動から、応援される選手でありたい」とプロ選手としての
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流域全体で風水害対策 土砂災害増加踏まえ方針 静岡県総合計画
静岡県はこのほど、本年度始動した県の新ビジョン(総合計画)後期アクションプラン(計画期間2022~25年度)の状況変化を踏まえた施策展開を県総合計画審議会で説明した。危機管理では台風15号などの豪雨や土砂災害増加を踏まえ、総合的な風水害・土砂災害対策を流域全体で実施する方針を示した。 施策展開は4分野の課題に応じて提示した。このうち、長引くコロナ禍や災害、こども園の送迎バスでの置き去り事件などで高まる県民不安の軽減策として、総合的な風水害対策や、「ふじのくに感染症管理センター(仮称)」の開設、安全装置導入支援などによる送迎バスの安全対策、危険性のある盛り土の是正や指導監督体制強化を挙げた。
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災害への対応 市長に提言書 島田市議会
島田市議会は21日、9月の台風15号に伴う被害を踏まえて整理した課題や対応策を5項目の提言書にまとめ、染谷絹代市長に提出した。 市の降雨災害に対する組織体制については、水防体制から災害対策本部にスムーズに移行するための配備基準の見直しに加え、山間部の川根支所の機能強化が必要とした。このほか、夜間の災害発生を想定した避難情報発令のタイミングの見直し、ボランティアセンターの円滑な立ち上げ・運営、災害時の緊急迂回(うかい)路となる一般道路の管理の充実などについても検討を求めた。 大石節雄議長が染谷市長に提言書を手渡した。
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民生・児童委員 福祉増進へ誓い 静岡市葵区で就退任式
静岡市は21日、民生委員・児童委員の就退任式を同市葵区の市民文化会館で開いた。3年に1度の改選に伴い1152人が就任し、403人が退いた。 田辺信宏市長は退任者らに対して「新型コロナ禍や台風15号の中でも最前線で地域社会福祉に貢献してくれた」と謝意を述べた。伝馬町地区民生委員児童委員協議会を7期21年務めた退任者代表の亀沢義高さんが感謝状と記念品を受け取った。 就任者を代表して、清水区船越地区民児協の梶谷浩さんに地区担当委員委嘱状が、中部地区民児協の土屋雅裕さんには主任児童委員指名状がそれぞれ交付された。梶谷さんは「一人一人の力は微々たるものだが、力を合わせて地域福祉を増進していきたい」
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興津川に応急組立橋 28日から供用開始 台風15号時流失、仮復旧工事完了
静岡市と国土交通省は21日、9月の台風15号で被災した興津川の清水橋(清水区清地)について、応急組立橋を設置する仮復旧工事が完了し、28日から供用を開始すると発表した。約3カ月ぶりの通行再開となる。 応急組立橋は長さ50メートル、幅員4・3メートル。国交省が市に貸与した。28日午前10時ごろ通行可能になる見通し。対面通行は不可。市道路計画課によると、2022年度内に清水橋の本復旧工事に向けた設計に着手する。本復旧が完了するまでの間、応急組立橋を使用する。 清水橋は台風15号による興津川の増水で流失した。市は国交省の技術支援を受け、現場の興津川をまたぐ工事用道路を整備。地域住民にも開放し、
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「台風15号被害」が1位 磐田市今年の10大ニュース 市長が選ぶ漢字は「支」
磐田市は20日、市の2022年10大ニュースを発表した。1位は「台風15号により市内にも大きな被害が発生」。草地博昭市長は同日の定例記者会見で、市の今年の漢字を「支」とした。 10大ニュースの2位は「市民文化会館かたりあ開館」、3位が「ジュビロ磐田 1シーズンでJ2降格」だった。市のSNSやホームページなどで、1114人が投票した。 草地市長は「自分たちの力だけではどうにもできないことが起き、多くの人に支えられた一方で、市民を支えることにも力を尽くした」と振り返った。来年に向けては「市民一人一人が安心できる平穏な日々が続いてほしい」と述べた。 10大ニュースの4位以下は次の通り。 ④
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静岡市 台風15号で床上浸水/リビング壁に無数の穴 不自由な生活、依然続く【追跡2022①】
ロシアによるウクライナ侵攻など国際情勢が揺れ動いた2022年が間もなく終わる。静岡県内では牧之原市の認定こども園の送迎バスに園児=当時(3)=が置き去りにされ死亡し、台風15号で県民が被災するなど事件や災害が頻発。熱海市の大規模土石流を巡り遺族らが市と県に損害賠償を求めて提訴し、「人災」の責任追及は新たな局面を迎えた。 「時間がたち、お金のことなどを考えると気分が沈みます」。12月中旬、静岡市葵区瀬名川の会社員土肥牧子さん(38)。断熱材の乾燥のため床が取り払われ、壁に無数の穴が開いた自宅1階のリビングで苦しそうに顔をゆがめた。 2017年に新築した木造2階建てのマイホーム。付近を流れる
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台風被災者の「居場所」に 静岡県ボランティア協会、清水区にスペース開設 困り事相談、足湯も
9月の台風15号により自宅が浸水被害などを受けた人たちが気軽に立ち寄れるスペースを提供しようと、静岡県ボランティア協会などは18日、静岡市清水区天王西の元菓子店だった建物内に「みんなの居場所ふらっと」をオープンさせた。無料で足湯サービスが受けられ、身の回りの困り事を相談できる。 オープニングパーティーには協会関係者や被災者約40人が集まった。お茶を飲みながら間もなく3カ月が経過する被災を振り返ったり、ビンゴゲームを楽しんだりした。住宅が床上浸水し、床暖房が故障した60代女性=同区押切=は「身近に無料で安心して相談できる窓口ができたのはありがたい」と話した。 ふらっとが入る建物で営業してい
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浜松・天竜の盛り土崩落 住民「SOS」生かせず 再発防止の意識、官民で【解説・主張しずおか】
台風15号の記録的豪雨で浜松市天竜区緑恵台の盛り土が崩落し、住宅3棟が全半壊した。新興住宅街の空き地に長年にわたって無届けのまま積み上げられた産業廃棄物と残土の山は、8100立方メートルに達していた。熱海市伊豆山の土石流災害から1年余り。なぜ、教訓は生かされず、惨劇は繰り返されたのか。再発防止に向けた検証と実効性ある対応策の構築が急務だ。 緑恵台の盛り土崩落までの経緯をたどると、人災と言わざるを得ない実態が浮かび上がってくる。住民から最初の「SOS」が発されたのは、2014年。浜松市に産業廃棄物の投棄があると通報が寄せられた。17、18年には周辺の土地所有者から土砂の越境と瓦やコンクリート
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大井川鉄道3カ月ぶり再開 沿線喜び「待ってたよ」 観光復活期待
9月の台風15号の被害により運休していた大井川鉄道(本社・島田市)本線が金谷―家山間で約3カ月ぶりに運転を再開した16日、沿線では多くの人が列車を出迎え、鉄道の再開を喜んだ。蒸気機関車(SL)「かわね路号」も修繕から復帰し、川根路に大きな汽笛を響かせた。沿線住民からは被災以来、ひっそりとしていた地域のにぎわい復活を期待する声が上がった。 家山駅にかわね路号が近づくと、この日を待ちわびていた地域住民らは「がんばろう大鉄」と書き込んだ特製うちわや黄色いハンカチを掲げ、「おかえり」と声をかけた。出迎えを企画した住民有志「川根おもてなし人クラブ」会長の森下文子さん(75)は「沿線地域にとって大井川
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車庫証明の手数料 台風被災者は減免 静岡県警2023年9月まで
静岡県警は16日、9月に発生した台風15号の被災者を対象に、自動車保管場所(車庫)証明関係手数料の減免措置を講じると発表した。減免期間は2023年9月22日までで、申請・返還数は数千台分を見込む。同様の措置は県警として初の試み。 自動車やその保管場所が被災したことで自動車を買い替えるなどした上で、県内で車庫証明を申請する個人・法人が対象。車庫証明書の申請手数料(2200円)や保管場所標章交付手数料(500円)などが全額免除になる。今年9月23日以降で既に納付済みの対象者には返還する。 申請の受け付け開始は12月19日からで、希望者は市町が発行した「罹災(りさい)証明書」や「被災届出証明書
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ごみ屋敷解消など33議案を可決 静岡市議会閉会
静岡市議会11月定例会は16日、最終本会議を開き、9月の台風15号の災害対応費を盛り込んだ2022年度一般会計補正予算案、第4次市総合計画(23~30年度)の基本構想・計画案、「ごみ屋敷」解消に向けた条例案など33議案を可決して閉会した。国民健康保険料の引き下げなどを求める請願2件は不採択とした。
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台風の被災者支援 日赤に浄財届ける 静岡ブルーレヴズ
ラグビーリーグワン1部の静岡ブルーレヴズは15日、台風15号の被災者支援でファンから寄せられた義援金26万6529円を日本赤十字県支部に届けた。 義援金は試合会場やイベント会場で集めた善意。山谷拓志社長が静岡市葵区の同支部を訪れ、鈴木亨事務局長に手渡した。 山谷社長は「災害ボランティアにも微力ながら協力した。今後も日本赤十字社とスクラムを組み、献血や災害支援、PR活動などに取り組みたい」とあいさつした。
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大井川鉄道 金谷ー家山間が再開 トーマス号登場に歓声 台風被災3カ月、地域の足部分復旧
9月の台風15号の被害により全線運休していた大井川鉄道(本社・島田市)の大井川本線は16日、金谷―家山間で約3カ月ぶりに運転を再開した。同日から大鉄の蒸気機関車(SL)を使った「きかんしゃトーマス号」も運転を開始し、観光客らを乗せて新金谷駅を出発した。 トーマス号が新金谷駅のホームに入ると、見学に訪れた地元の子どもたちから歓声が上がった。乗客の家族連れらは記念撮影を楽しんだ後、続々と客車に乗り込んだ。長期修繕に入っていたSLのC10形8号機も「かわね路号」として同日から運転を開始。広報担当の山本豊福さんは「部分的ではあるが地域の足としての日常が戻り、ほっとしている。トーマス号も多くの人が待
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寸又峡「夢のつり橋」 1月14日通行再開 川根本町
川根本町は15日、9月の台風15号の被害で通行止めが続いている同町寸又峡の「夢のつり橋」について、来年1月14日に通行を再開すると発表した。 つり橋手前ののり面と遊歩道が崩落した上、橋を安定させるワイヤも破損したため、復旧工事を進めていた。安全対策として、のり面には崩落防止のネットを張る。
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記者コラム「清流」 情報をどう生かすか
気象庁が6月から線状降水帯の発生予報を始めたが、今期実際に発生した11回のうち予報できたのは3回だった―と発表した。県内に甚大な被害を及ぼした9月の台風15号の線状降水帯も予報されなかった。画期的な試みだが、まだ技術的に途上段階なのか。 それでも台風当日の浜松での取材を振り返って、一昔前と比べてリアルタイムの行政の情報発信は格段に増えたと感じた。レーダー解析を生かした記録的短時間大雨情報は16回も発表され、豪雨の地点が把握しやすかった。河川の水位もウェブ上で刻々と確認できた。各行政機関とも「出せる情報はどんどん出す」との姿勢を明確にしている。 防災情報の量や精度は進化が続いている。どう避
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台風15号テーマに町長と住民ら意見 森町
森町は14日、太田康雄町長や幹部職員と住民代表が町の将来について話し合う「森町を語る会2022」を町文化会館で開いた。 三倉、天方、森の3地区の町内会長43人が出席し、9月に甚大な被害をもたらした台風15号をテーマに意見交換した。担当職員が被害状況などを示し、参加者からは災害時の定期的な情報発信や、要支援者の避難体制の整備を求める意見などが上がった。 太田町長は「皆さまからの意見を基にリスク管理のあり方などを見直し、さらに安全な街づくりを進めていく」と話した。 住民とともに地域の活性化や課題解決を図ることを目的に開催している。16日は一宮、園田、飯田の3地区の町内会長と意見交換を行う。
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災害復旧に役立つ手押し一輪車寄贈 島田の女性団体
島田市川根町の女性団体「ネットワーク桜花」(種本鏡子代表)はこのほど、災害時に役立てることを目的に、手押し一輪車と一輪車の電動化キットをNPOまちづくり川根の会に寄贈した。 台風15号の被害が大きかった同町で大勢のボランティアが土砂の運び出しに協力したことに感謝の意を示そうと、前身の旧川根町婦人会時代に蓄えられた災害備蓄金を活用し購入した。同NPOが保管し、いざという時に活用する。 11月にボランティア団体のメンバーも参加し贈呈式を行った。種本代表は「ボランティアの皆さんが大きな力を発揮してくれた。改めて災害への備えをしっかりしていきたい」と話した。
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掛川・西大谷川の鶏ふん流入 崩土流出防止へ応急工事
掛川市大須賀地域を流れる西大谷川に採卵養鶏施設(閉鎖中)から排出された鶏ふんが流れ込み、異臭や汚濁が続いている問題で、市は9日、現場周辺で崩土の流出防止を目的にした工事に着手した。9月の台風15号の影響で近くの市道が土砂で埋まったため、応急的な対策を施して監視体制を確保する。 台風15号で崩れた現場付近の沢の斜面に、石を詰めただるま型の籠を設置する。河床の深掘りも行い、水路を確保して市道への土砂流出を食い止める。工期は1週間程度を見込んでいる。 近隣の被災現場では同日までに、10月下旬から実施してきた土留め工事を終えた。鶏ふんが混じった土砂が農地に流入するのを防ぐ目的で1トンの大型土のう
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台風崩落 島田の国道473号 仮復旧「5月末目標」
静岡県島田土木事務所は9日、台風15号による崩落で通行止めが続く島田市の国道473号について、来年1月から仮橋の設置工事に着手する方針を示した。仮復旧は5月末を目標とし、完全復旧には仮復旧からさらに約1年かかる見通し。市内で開かれた住民説明会で明らかにした。 県によると、崩落部分ののり面を補強した上で長さ約30メートルの仮橋を設置し、工事用信号機を使って片側交互通行とする。県の担当者は本復旧までの期間について「あくまで現時点の想定。工期短縮の工夫をしたい」と話した。住民からは仮橋とは別の道路の確保や、大井川を渡る水路橋の通行の柔軟な運用を求める意見などが出た。 崩落現場では行政代執行で県
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静岡・南部図書館2万冊浸水 台風15号 復旧費3700万円計上
静岡市立中央図書館は9日に開かれた市議会市民環境教育委員会で、9月に発生した台風15号による大雨で市立南部図書館の蔵書約2万冊が浸水被害を受けたと明らかにした。 被害を受けたのは南部図書館が保有する25万冊の内、購入から一定年数が経過し地下書庫に収蔵していた約2万冊で、浸水後に腐敗が進んだため廃棄した。中央図書館によると、地下駐車場につながるスロープから水が入り地下1階の書庫まで浸水が及んだという。同館は地下書庫復旧のため、図書館災害復旧事業費として3700万円を11月補正予算案に計上した。 中央図書館によると、廃棄した2万冊のうち、必要な本は通常の図書費で順次購入し、入手困難な本は県内
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補正予算案など13議案を可決 川根本町議会
川根本町議会は9日、12月定例会を再開した。3億1600万円を追加する2022年度一般会計補正予算案や課設置条例の一部改正条例案など13議案を原案通り可決し、640万円を追加する同補正予算案を追加上程した。 追加上程した補正予算案は、台風15号により全線で運休している大井川鉄道本線が16日に一部区間(金谷―家山)で運転を再開するのに伴い、残りの家山―千頭間で引き続き実施する代行バス事業の費用を支援する内容。町の意向で上下3本の追加運行が決まったため、追加にかかる事業費の半額を計上した。 追加議案と委員会に付託した6議案の採決、一般質問は最終日の19日に行う。
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日本平動物園の大型滑り台 再開は2023年11月ごろか 台風15号で被害、従来コース復元は困難
日本平動物園(静岡市駿河区)の竹下秀人園長は8日の市議会観光文化経済委員会で、台風15号の豪雨災害で被災し、供用を中止している園内の大型滑り台「ローラースライダー」の使用再開が、2023年11月ごろとなる見通しを明らかにした。滑り台は中腹部の足場が破損し、従来のコースに復元するのは難しいという。 同園のローラースライダーは全長390メートルで日本一長いとされ、年間約6万7千人が楽しむ人気のアトラクション。今回の台風でスライダーが設置された山ののり面が崩壊し、スライダーの足場が崩れて上部と下部に分断される形となった。のり面の復旧工事完了後も、一つの滑り台として復元することはできず、当面の間は
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台風15号災害義援金 静岡県民の善意2450万円寄託 静岡新聞社・静岡放送、日本赤十字社へ
静岡新聞社・静岡放送と静岡新聞・静岡放送文化福祉事業団は7日、「令和4年台風15号災害義援金」として寄せられた浄財2450万円を日本赤十字社県支部に寄託した。 義援金は9月30日から11月18日までの間に受け付け、403件寄せられた。静岡新聞社の横山秀雄取締役と静岡新聞・静岡放送文化福祉事業団の原尚弘事務局長が同支部を訪れ、鈴木亨事務局長に目録を手渡した。 義援金は同支部を通じて被災者に届けられる。鈴木事務局長は「被災者支援への協力に感謝する。責任を持って届けることを約束する」と話した。
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土砂利活用促進、ストックヤード整備へ 静岡県内各地 静岡県議会代表質問、副知事答弁
静岡県議会12月定例会は6日、自民改革会議の伊丹雅治氏(三島市)とふじのくに県民クラブの大石哲司氏(浜松市東区)が代表質問を行った。森貴志副知事は公共工事などで発生する土砂の利活用を促進するために、土砂を仮置きする「ストックヤード」の整備を静岡県内各地で検討する考えを明らかにした。大石氏への答弁。 県技術調査課によると、7月に盛り土規制条例が施行され土砂受入時の規制が強化されたことに伴い、民間の残土処分業者が減少した。9月の台風15号に伴う豪雨災害では、大量に発生した災害土砂を処理しきれず、県内に処分場が不足している現状が顕在化した。 森副知事は各地域の実情に応じたストックヤードの整備を
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川根本町寸又峡「夢のつり橋」、1月中旬通行再開へ 台風15号で被害
川根本町は6日までに、台風15号による被害で9月末から通行止めが続いている同町寸又峡の「夢のつり橋」について、来年1月中旬に通行を再開する見通しが立ったことを明らかにした。 中部電力大間ダム湖に架かる橋で、湖面がエメラルドグリーン色に見える人気の観光スポット。つり橋手前ののり面と遊歩道が崩落し、つり橋のワイヤが破損するなどの被害が出た。 同町はつり橋と遊歩道の復旧工事を進めていて、のり面には崩落防止のネットを張る。12月中にも通行の再開日を決定するという。
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川根本町長が教育支援要望 永岡文科相と面会
川根本町の薗田靖邦町長は6日、文部科学省で永岡桂子文科相と面会し、2024年春に開校する予定の義務教育学校2校への支援などを要望した。 小中学生に1人1台の情報端末を配備する「GIGAスクール構想」の推進に必要な財政支援を求めた。24年度末に終了する県立川根高への地方創生交付金の延長も訴えた。 要望は冒頭を除き非公開。永岡氏は「できる支援は行っていく」と応じたという。薗田町長は終了後の取材に「小規模自治体の教育を推進し、ICT教育の充実も図っていきたい」と述べた。 自民党の井林辰憲氏(衆院静岡2区)が同席した。 薗田町長は農林水産省と国土交通省も訪ね、9月の台風15号で被害を受けた林
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浜松・天竜区の盛り土崩落 行政対応検証へ初会合 専門家ら5人
台風15号に伴って浜松市天竜区緑恵台で9月に発生した土砂崩落で、無届けの盛り土が形成された経緯などを検証する「行政対応検証会」の初会合が6日、市役所で開かれた。行政学や地盤工学の専門家、弁護士ら外部委員5人に長田繁喜副市長が委嘱状を交付し、村越啓悦弁護士(同市中区)を座長に選出した。今後は月1回程度の会合を重ね、市の対応に問題がなかったか明らかにする。 これまでの市の調査で、崩落した斜面の上部の土地所有者や業者による土の搬入に関して①近隣住民が市に相談していた②市は行政指導を行ったが、撤去や十分な対策がなされなかった③市の盛り土総点検の担当部署に情報が伝わらず、対象から漏れた-などが判明し
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牧之原市議会 7日から一般質問
牧之原市議会11月定例会は7、8の両日に一般質問を行い、7氏が登壇する。質問者と主な項目は次の通り。 【7日】加藤彰①市民の自主的・主体的な活動促進のための環境整備▽浜崎一輝①水害・土砂災害対策▽名波和昌①牧之原市の「あたらしいまちづくりと安全・安心」▽種茂和男①「まきのはら塾」の今後の進め方▽石山和生①教員と消防団の担い手不足の課題②観光戦略 【8日】大石和央①台風15号被害と地球温暖化対策▽木村正利①教育と福祉の連携
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清水区の大規模断水、取水源確保へ複数案 静岡市、23年中に決定
静岡市議会11月定例会は5日、総括質問を行った。服部憲文上下水道局長は9月の台風15号の影響で発生した清水区の大規模断水を踏まえ、新たな取水源の確保に向けた複数の対策案を2023年中に取りまとめる方針を明らかにした。山梨渉氏(公明)への答弁。 服部局長は、清水区の取水源が興津川取水口に依存し、大規模断水を引き起こしたことを教訓に「依存リスクを分散できるよう、多様な方策を水源ととらえて対策を講じる」と強調。具体例としては、地下水の利用▽安倍川水系から清水区に送る北部・南部ルートの増強▽取水口の複数化―などを挙げた。 新たな取水源に関する複数の対策案を検討する場として、22年度内に有識者会議
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土砂処理方法を明記へ 島田市、災害廃棄物計画
島田市の松村竜次郎地域生活部長は5日の市議会11月定例会一般質問で、災害時に発生する土砂の処理方法が現行の災害廃棄物処理計画に明記されていないことを受け、今後計画内で位置付けていく方針を示した。清水唯史氏への答弁。 9月の台風15号では川根地区など山間部を中心に土砂の流出が相次いだ。市が設定した災害ごみ置き場では大量の土砂を受け入れられず、旧川根町の最終処分場跡地を活用したほか、県と調整し家山川の河川敷などを仮置き場として使用した。松村部長は土砂を災害廃棄物としてがれきと一緒に処理できない事情を説明した上で「計画の見直しと合わせ、処理方法について早急に関係課と協議したい」と述べた。 今福
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浜松市天竜区の緑恵台土砂崩落 撤去に土木費流用
浜松市は5日の市議会建設消防委員会で、天竜区緑恵台で起きた土砂崩落に関し、斜面上部に残っている土の撤去費用として1億7300万円を土木費から予算流用すると報告した。設計、測量の上で早期着工を目指す。 市によると、崩落原因となった無届けの盛り土の量は約8100立方メートル。9月の台風15号で約3400立方メートルが崩落し、斜面下側の住宅3棟が損壊、3人が負傷した。斜面に約4700立方メートルが残っていて、市はシートで覆うなど応急対策を施しているが、今後崩れる可能性のある土が3320立方メートルあるとして撤去を決めた。 市は一連の対策費用を負担しているが、今後責任の所在が明らかになった場合は
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台風15号義援金 浜松市、配分額決定 被害245件対象
浜松市は2日、台風15号の被害を受けて寄せられた災害義援金の配分委員会(会長・長田繁喜副市長)の会合を市役所で開いた。第1回として、市受け入れ分に県からの配分額を合わせた約1600万円の配分額を決めた。人的、物的被害計245件が対象となる。 市次世代育成課によると、1件当たりの配分額は重傷者17万9千円(2件)、住宅の全壊36万円(2件)、半壊17万9千円(5件)、準半壊8万9千円(33件)、床上浸水3万5千円(195件)など。今後、対象者に申請書を送付する。 市が受け入れた災害義援金は11月21日時点で約1354万円。県からの第1回配分額は268万円だった。市は12月28日まで義援金を
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社説(12月3日)地域防災の日 自助と共助 確認徹底を
地震や気象災害はいつ起きるか分からない。ところが、発生すれば日常生活は大きく損なわれる。今年9月に発生した台風15号による集中豪雨で、災害が身近にあることを改めて強く感じた人が多かったのではないか。 4日は静岡県「地域防災の日」。1944年12月7日発生の東南海地震にちなみ、12月第1日曜としている。今年も県内各地の自主防災組織が中心となって地域防災訓練が行われる。 今年のスローガンは「防災は家庭の備えと地域の絆」。広がりを見せる新型コロナウイルス感染症の流行「第8波」が気掛かりだが、災害に備えた自助と共助の態勢を確認したい。コロナ流行後は住民参加型の訓練実施が難しくなった。感染対策を施
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台風15号の教訓協議 自衛隊・警察・消防 浜松で県指揮官会議
川勝平太知事と静岡県内の自衛隊や消防、警察の幹部が災害対応などについて意見交換する「県指揮官会議」が2日、浜松市西区の航空自衛隊浜松基地で開かれた。9月の台風15号による浸水、断水被害の教訓を中心に、有事の対応や日頃からの連携策を協議した。 会議は非公開で進められた。陸、空、海自の地方組織代表者ら約30人が出席し、台風15号の断水地域で展開した給水活動や、水道取水口の復旧作業の様子などを報告した。 川勝知事は会議後、「自衛隊が来てくれたことで、特に静岡市の取水口の問題は一気に解決した」と部隊派遣に謝意を示した。一方、派遣要請に関する田辺信宏静岡市長の判断を「遅かった」と批判し、「市からの
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歳末たすけあい募金に浄財寄託 日蓮宗県西部青年会 浜松
静岡県西部の約60の寺で組織する日蓮宗県西部青年会(梅沢仁孝会長)はこのほど、地域歳末たすけあい活動で集めた浄財22万4698円を浜松市社会福祉協議会天竜地区センターへ寄託した。 梅沢会長が同市天竜区の同センターを訪れ、太田泰司郎センター長に目録を手渡した。浄財は同会が毎年行う募金行脚で集めた。台風15号の被災者や生活困窮世帯への支援に活用される。
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災害復旧 大鉄に協調融資 日本政策金融公庫静岡支店と静岡銀行
日本政策金融公庫静岡支店と静岡銀行は2日、台風15号で被災した大井川鉄道(本社・島田市)に協調融資を実施したと発表した。融資額は非公表。 全線運休中の大井川本線(金谷~千頭)のうち、今月16日に金谷―家山間の部分開通を予定している。同鉄道は運転資金とし、災害復旧や運転再開後の観光対応、財務体質強化に充てる。
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台風被害の企業支援へ 島田市、県助成対象外を救済
島田市は2日までに、9月に発生した台風15号で被害を受けた中小企業や小規模事業者で、県の助成制度の対象外となる事業者向けに独自の支援を行う方針を決めた。追加の補正予算案に1千万円を盛り込み、市議会11月定例会最終日に提出する方向で調整している。 台風で被害を受けた建物や機械設備、業務用車両などの修繕・購入費などについて小規模事業者は3分の2、中小企業は2分の1を支援する。県の助成制度では、被害額から保険金額などを除いた金額が小規模事業者は75万円以下、中小企業は100万円以下の場合補助対象とならないという。 年明けから申請を受け付ける。支援対象には茶工場も加える方針。市によると、台風15
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罹災・被災証明書417件 8割が東益津地区 焼津市議会一般質問
焼津市の石原隆弘行政経営部長は2日の市議会11月定例会一般質問で、9月の台風15号での被害状況に関連し、罹災(りさい)証明書と被災証明書を計417件発行したことを明らかにした。このうち、8割近くが東益津地区に集中していた。河合一也氏(凌雲の会)への答弁。 市によると、11月末時点で住家の被害に関する罹災証明書が308件、住家以外に関する被災証明書が109件発行された。法人の被災証明書発行件数は44件で、うち33件が東益津地区だった。 東益津地区に設置している東部排水機場について、動作音が外に聞こえないほど静かだったことから「運転していなかったのでは」とする市民からの指摘について、大本裕一
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静岡県12月補正予算案 文化財復旧2900万円 台風被害4カ所
静岡県は、台風15号の被害があった県内の文化財所有者を支援するため、災害復旧費の助成を行う。1日に開会した県議会12月定例会に提出した一般会計補正予算案に、復旧費2900万円を計上した。 文化財課によると、助成の対象は国指定史跡や名勝のうち、静岡市葵区の臨済寺庭園、同市清水区の朝鮮通信使遺跡興津清見寺境内、清見寺庭園、霊山寺仁王門の4カ所。いずれも主に土砂崩れなどの被害があった。 台風15号を受けた国の災害復旧事業の一環で、必要経費のうち国が7割、県と市町、所有者が1割ずつを負担する。
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災害連携、迅速に 静岡県「市町支援機動班」新設 川勝知事表明
静岡県議会12月定例会が1日開会し、川勝平太知事は所信表明で、9月の台風15号の災害発生当初に被災情報集約に課題があったことを受け、市町へ県職員を派遣して情報連絡の迅速化を図る「市町支援機動班」を県の災害対策本部内に新設することを明らかにした。 台風15号災害では、発災当初に電気や水道などのライフラインが停止するなどして、孤立集落の情報収集が困難だった。 県の災害対策本部が設置された場合、市町支援機動班に配属された県職員を連絡調整員などとして大規模な被害が想定される市町に発災前後に派遣する。職員は現地で情報収集や災害対応支援に当たり、市町と連携を図る。県は関係機関や小売・物流などの事業者
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被災時、市町に県職員 静岡県「連携調整員」情報集約へ
静岡県は30日、台風15号で市町からの情報収集や集めた情報の集約が円滑にできなかった点を踏まえ、静岡県職員を「連携調整員」として被災市町に派遣する方針を示した。必要な支援を迅速に提供するために県と市町の連携体制を強化する狙い。 台風15号では、孤立集落や断水などライフライン寸断の状況把握が遅れた。市町が災害対応に追われ、県に情報を集約する体制の課題も浮き彫りになった。県が市町に行った聞き取りでも県職員の派遣を求める声が相次いだ。 新たに配置する連携調整員は、災害対応の経験がある職員の中から選ばれ、被災市町に常駐して市町幹部との調整や災害対策本部の運営支援を担う。国や自衛隊のなどへの応援要
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⚽J3YS横浜 保存食を寄贈 台風15号被災の藤枝MYFCへ
台風15号で本拠地の藤枝総合運動公園サッカー場が被災した来季J2の藤枝MYFC(徳田航介社長)は29日、J3YS横浜を通じて非常用保存食の寄贈を受けた。 YS横浜は被災直後に同サッカー場で藤枝と対戦して被害状況を知り、パートナー企業に支援への協力を呼びかけた。今回の非常用保存食は吉野家の提供で牛丼などの缶飯4800個を届けた。 藤枝MYFCは藤枝市サッカー協会やホームタウンの志太榛原地区4市2町と相談し、備蓄品として必要な地域、団体に配布する。徳田社長は同サッカー場で行われた贈呈式で「被災していざという時の備えの大切さを痛感した。多大な支援に感謝する」とお礼を述べた。
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コンサート収益金 県ボランティア協会に寄付 静岡・沼津のハーモニカ愛好団体
静岡、沼津両市で活動するハーモニカ愛好者の団体「ハーモネット」(石川圭之代表)は29日、台風15号の被災者支援に役立ててもらおうと、静岡市葵区で開いたチャリティーコンサートの収益金など10万円を県ボランティア協会に寄付した。 石川代表が同区の同協会を訪れ、小野田全宏理事長に寄付金を手渡した。同協会と県社会福祉協議会が立ち上げた台風15号災害の支援活動「あったか家電を贈ろうプロジェクト」への寄付で、同市内で被災した高齢者世帯などへの電気ストーブの寄贈に使われる。 浄財は18日に同区で開いたコンサートの入場料と会場で行った募金によって集まった。
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2日から総括質問 静岡市議会
静岡市議会は30日、議会運営委員会を開き、12月2日から始まる11月定例会総括質問の順番を決めた。 総括質問は次の通り。 【2日】繁田和三(自民)市長の政治姿勢と第4次総合計画▽白鳥実(創生静岡)市政運営、健全な行政運営の推進、災害に強く持続可能なまちづくり、人への投資、にぎわいのあるまちづくり▽宮城島史人(志政会)大規模災害の備え、4次総における海洋文化の地域づくり、観光施策、子ども・教育▽井上智仁(公明)4次総、各種計画、アセットマネジメント、子育て施策▽内田隆典(共産)市長の政治姿勢、台風15号の対応【5日】山梨渉(公明)台風15号▽浜田佑介(創生静岡)台風15号の災害対応、被災者
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災害復旧に重点 173億円追加 静岡市11月補正予算案発表
静岡市は30日、2022年度一般会計に173億6500万円を追加する11月補正予算案を発表した。9月の台風15号による豪雨災害で被災したインフラの本格的な復旧事業に重点を置く。開会中の市議会11月定例会に追加提出する。24日に提出済みの補正予算案と合わせると207億円超となり、政令市移行後、11月補正としては最大規模になる。 特別会計と企業会計を合わせた今回提出分の補正総額は176億5100万円。 台風15号の災害対応に関わる追加補正は166億7400万円。このうち被災道路1204カ所、被災河川71カ所などインフラの本復旧事業に148億100万円を充てる。被災者と事業者の支援事業には18
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“暴れ川”巴川 共生の道のり遠く 台風15号被害、自宅戻れぬ人も 静岡市の土砂撤去11月末で終了
9月下旬の台風15号の影響で大規模な浸水被害が出た静岡市の巴川の治水について市民らの関心が一層高まっている。1974年の七夕豪雨以降、河川管理者の県は総額1400億円を投じ対策を講じてきた。ただ、県内では唯一、全国でも11水系しかない、住宅密集地にたびたび浸水被害をもたらす「特定都市河川」に含まれる“暴れ川”との共生の道のりは遠い。異常気象のリスクも加わり、治水はいたちごっこの様相も呈している。 1999年5月完成の大谷川放水路(総延長6・3キロ)は、県と市が約553億円を投じた巨大事業だ。 台風15号で市内の24時間雨量は416・5ミリと七夕豪雨の記録に迫り、4
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大井川鉄道、全線復旧へ意見交換 12月初旬にも初会合 川勝知事方針
川勝知事は29日、台風15号の影響で家山―千頭間の運行再開のめどが立たない大井川鉄道の全線復旧や存続に向けた方策を検討するため、国や県の関係機関、沿線市町などによる意見交換会を開く方針を示した。12月初旬にも初会合を開く。 川勝知事は、大鉄が地域住民に欠かせない交通機関で、全国的に人気の高い蒸気機関車(SL)の「きかんしゃトーマス号」が観光に大きく寄与しているとの認識を示した。同社からはまだ公式に支援要請がないと明かした上で「大井川鉄道の果たす役割は非常に大きい。(公式の)支援要請がなくても検討を進めたい」とした。 意見交換会の開催を呼びかけた県中部地域局によると、国土交通省中部運輸局や
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中小企業の再建に助成 台風15号被災 静岡県、補正予算案に計上
静岡県は、9月に発生した台風15号災害で住宅被害などに遭った被災者の自立生活再建支援や、浸水などで設備などに被害を受けた中小企業などの再建に向けた助成事業を実施する。2022年度一般会計12月補正予算案に関連経費を計上した。 自立生活再建支援事業には、1億9500万円を計上。被災者生活再建支援法が適用される静岡市以外で中規模半壊以上の住宅被害に遭った65世帯を対象に、被害状況などによって1世帯25万~300万円を助成する。生活資金の貸し付け事業では7世帯に対し、1世帯最大350万円を融資する。 新たに実施する中小企業再建支援事業には3億8千万円を盛り込んだ。災害救助法が適用された23市町
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ふるさと納税で災害復旧費募る 川根本町、法人対象
川根本町は台風15号被害の復旧復興に役立てるため、28日から企業版ふるさと納税の受け付けを始めた。対象は町外に本社がある法人で、寄付額は1回当たり10万円以上。豪雨災害で損壊した寸又峡温泉「夢のつり橋」に続く遊歩道や町内キャンプ場、沿線に土砂が流入した影響で運休している大井川鉄道の復旧などに充てられる。 寄付の手順は町ホームページに掲載している。問い合わせは町企画課<電0547(56)2221>へ。
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12月2、5日に一般質問 焼津市議会
焼津市議会11月定例会は12月2日、5日に一般質問を行い、13氏が登壇する。 質問者と主な質問テーマは次の通り。 【2日】河合一也 台風15号による被害と対応、今後の東益津地区の治水対策▽増井好典 ゼロカーボンシティ宣言後の現状と今後の計画▽秋山博子 誰も取り残さない多文化共生社会に向けて▽杉田源太郎 学校給食費の無償化▽石原孝之 奨学金制度と若者の移住定住、UIJターンなどを組み合わせた施策の実現▽鈴木浩己 さらなる市民サービス向上への取り組み▽杉崎辰行 学校給食を軸としたオーガニック農業の普及 【5日】石田江利子 高齢者による地域課題の解決▽岡田光正 街路樹や公園樹木等の管理▽安竹
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静岡市、台風15号義援金配分 床下浸水除く被災世帯へ
静岡市は28日、台風15号に伴う災害義援金配分委員会の初会合を開き、県と市が受け入れた災害義援金の配分先について床下浸水を除く被災世帯とする方針案を決定した。 11月21日現在で罹災(りさい)証明を受けた被災世帯に災害義援金を届ける。市福祉総務課によると、1世帯当たりの第1回配分額は床上浸水1万円(配分数272件)、半壊5万5千円(同2205件)、大規模半壊8万2千円(同7件)、全壊11万1千円(同4件)など。 県災害義援金のうち静岡市への第1回配分額は県内市町で最多の1億3114万円。同市に寄せられた災害義援金は4730万円に上る。県と市の災害義援金は12月末まで受け付けていて、第2回
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藤枝市議会 30日から一般質問
藤枝市議会11月定例会は30日~12月2日の3日間、一般質問を行い、16氏が登壇する。 主な質問内容は次の通り。 【30日】山川智己①少子化対策の一環としての保育料の軽減②災害時における市民意識の醸成▽神戸好伸①台風15号「雨台風」による水災②県盛土条例施行から4カ月経過にあたり▽植田裕明①2023年度予算編成の概要-戦略方針から②所有者不明土地対策-相続義務化が与える影響▽鈴木岳幸①友好都市交流②ネットリテラシー教育▽増田克彦①市民協働と持続可能なコミュニティーの形成▽大石保幸①オリンピック後のレガシー(遺産)②外部人材の活用 【12月1日】川島美希子①保育環境を充実させ「子育てする
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台風15号 インフラ復旧150億超 静岡市、追加補正へ
9月の台風15号による記録的豪雨で被災した静岡市の道路、河川など公共インフラの本格的な災害復旧費が、市の一般会計ベースで150億円を超える見通しになったことが25日、関係者への取材で分かった。被災者支援には10億円超を新たに計上する方針。市は2022年度一般会計補正予算案をまとめ、開会中の市議会11月定例会に追加提出する。 被災した道路は約820路線、1200カ所に上るとみられる。81億円の事業費を投じて、崩壊した路肩、のり面の本格復旧に着手する。被災した河川は約70カ所に及び、護岸工事や土砂撤去の事業費として17億円を見込む。農道、農地、林道の復旧事業費のほか、がけ崩れ防止の緊急対策費も
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補正予算案など可決 磐田市議会定例会、開会
磐田市議会11月定例会は25日開会し、会期を12月23日までの29日間と決めた後、計25億8100万円を追加する2022年度一般会計補正予算案2件など27議案を上程した。このうち先議とした一般会計補正予算案1件のほか、9月定例会から継続審査していた21年度の決算案など15議案を原案通り可決、認定した。 可決した一般会計補正予算案は、台風15号に伴う災害に対応するための経費など18億7700万円を盛り込んだ。
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12月定例会、2日から23日まで 森町議会議運
森町議会は25日、議会運営委員会を開き、12月定例会の会期を12月2日から23日までの22日間と決めた。職員の定年引き上げに伴う条例の一部改正案や、台風15号による災害復旧費など9400万円を追加する本年度一般会計補正予算案など12議案を審議する。一般質問は21日に行う予定。
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補正予算など22件を上程 静岡市議会開会
静岡市議会11月定例会は24日開会し、会期を12月16日までの23日間と決めた後、11月補正予算案や第4次総合計画の基本構想・基本計画案など22件を上程した。このうち、人権擁護委員の推薦など6件に賛成、同意した。 11月補正予算案は2022年度一般会計に33億5900万円を追加し、台風15号の被災者支援費や物価高騰対策費に充てる。民間資金活用による社会資本整備(PFI)を導入し再整備する大浜公園(同市駿河区)について、総事業費を12億円増額する債務負担行為を設定する。増額後の規模は35億7千万円。 総括質問は12月2、5、6日に行い、常任委員会は同8、9日に開く。
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西大谷川への鶏ふん流入 掛川市が地下水調査
掛川市大須賀地域を流れる西大谷川に採卵養鶏業者(閉鎖中)から排出された鶏ふんが流れ込み、河川の汚濁や異臭が続いている問題で、市は24日、水質分析調査を始めた。日常的に地下水を利用する住民の不安の高まりを受けた対応。 家庭の蛇口から出る飲料水に加えて、原水となる地下水を簡易水道組合のポンプ場から採水し、検査機関で分析する。市は安全性の確認のため、今後も定期的に検査を実施するとしている。 採卵養鶏施設周辺では、鶏ふんや土砂の流出を抑える土留め工事も実施中。台風15号の影響で近くの市道に流出し、監視体制の妨げになっているとして、市が対策に踏み切った。
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⚽台風で深めたクラブ愛 育成と運営、地域根差して【飛躍 藤枝J2昇格㊦】
静岡県内に甚大な被害をもたらした9月下旬の台風15号で、藤枝の本拠地・藤枝総合運動公園サッカー場も大きな痛手を受けた。「インフラ系がすべて駄目。普通に考えたら試合開催は不可能だった」。徳田航介社長(37)は被災を目の当たりにした時の心境を述懐する。 チームは昇格争いの真っただ中で、ライバル松本との大一番が控えていた。窮地を救ったのは地元の支援だった。破損した電源の代わりに建設会社などから借り受けた多数の小型発電機を並べ、ガソリンをつぎ足しながら試合を運営。感謝の思いを胸にチームはホームで連勝し、昇格に大きく前進した。 藤枝のホームタウンは藤枝市をはじめとする志太榛原地域の4市2町。清水と
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台風被害復旧へ作業 静岡市葵区で中日本高速社員ら
中日本高速道路のグループ会社社員30人がこのほど、静岡市葵区水見色で、植樹と台風15号の大雨で被害を受けた農業施設の復旧作業を行った。農山村と企業が協働で地域活性化を目指す県の「一社一村しずおか運動」の一環。 参加者は、地区の高台の中腹にミツバツツジやサザンカなどの苗木20本を植樹した。農業施設の復旧作業では地元住民と協力し、用水路を埋めた泥や石をスコップで掘り出す作業に汗を流した。同市駿河区の皆川礼志さん(18)は「大雨被害のひどさを実感した。地域の人たちの役に立てるのがうれしい」と話した。
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台風被災地支援へ 25日からバザール 伊東商議所
伊東市の伊東商工会議所の会員事業所有志が25日から、連帯バザール「伊東買い援隊」の取り組みを行う。台風15号被災地の義援活動として、自社商品の販売収益の一部を静岡市への寄付金に充てる。 12月11日までの期間中、飲食店やスーパーマーケット、新聞販売店など市内16の事業所で行う。一部店舗では募金箱も設置する。 12月7日には伊東市役所1階ロビーで特別販売会を実施する。午前10時から午後2時まで。買い援隊の取り組みは20回目。東日本大震災以降、各地で発生した災害の被災地に対して行っている。
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台風15号「生活なんでも相談」 多かった相談内容は? 静岡県弁護士会まとめQ&A
9月の台風15号を受け静岡県弁護士会が開設した電話相談や、同会、公認会計士協会、静岡県建築士会などの専門家でつくる県災害対策士業連絡会が静岡市の各区役所に開設した「生活なんでも相談」には、開設以来700件を超す相談が寄せられている。特に多かった相談について静岡県弁護士会がまとめたQ&Aを紹介する。 ※画像をクリックするとQ&AのPDFファイルをダウンロードできます。 【静岡県弁護士会作成保存版】
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13市町に1億4623万円 台風15号義援金配分
静岡県は22日、台風15号災害に伴う義援金の第1回配分額を公表した。被災した13市町に対して11月中に1億4623万7千円を送金し、市町を通じて被災者に配分される。 市町別の配分額は静岡市が1億3114万円で最も多く、次いで袋井市が270万7千円、浜松市268万円、磐田市252万8千円、藤枝市194万3千円と続いた。 配分単価は死者が1人当たり8万9千円、軽傷者が2千円。住宅被害は全壊が8万9千円、大規模半壊6万6千円、半壊4万4千円、床上浸水8千円などとした。 県や県社会福祉協議会でつくる配分委員会が18日に会合を開き、7日までに受け入れた義援金の配分額を決めた。 県と県共同募金会
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12月補正142億円追加 静岡県、災害復旧や物価対策
静岡県は22日、2022年度一般会計に142億9300万円を追加する12月補正予算案を発表した。9月に県中西部を襲った台風15号豪雨の災害復旧費などに60億2300万円、物価高騰対策費に61億700万円を計上し、12月1日開会の県議会12月定例会に提出する。 台風15号の被害への対応では、平成以降、最大規模の被害額となった河川や道路などの公共土木施設の災害復旧などに38億600万円を追加。住宅被害を受けた世帯などの生活支援や応急救助に当たる12市町の経費負担で計15億8100万円、静岡市と分担するわさび田23カ所の復旧助成費などに計1億7600万円を盛り込んだ。 台風15号対応には、22
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台風15号で宅地内土砂撤去 静岡市、申し込み30日まで
静岡市は22日、台風15号による豪雨災害の影響で宅地内に流れ込んだ土砂の撤去事業に関する申し込みについて、11月30日に受け付けを終了すると発表した。事業の進捗(しんちょく)率が9割を超え、被害状況がおおむね把握できたため。 市の建設、都市、環境などの関係各局でつくる宅地内土砂対策チームが10月上旬から、撤去の申し込みを受け付けていた。市によると、申し込み件数は11月21日現在で201件に上り、撤去作業中と撤去済みが各92件、現地調査中が17件となった。 市は宅地内土砂の自力撤去が困難な市民に対し、改めて申し込むよう呼びかけている。申し込み、問い合わせは同チーム<電054(221)162
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12月定例会に42議案 静岡県議会議運
静岡県議会は22日、議会運営委員会を開き、12月定例会の会期を12月1日から21日までの21日間とすることを決めた。 県は、同定例会に2022年度一般会計12月補正予算案や職員給与改定に伴う条例改正案など42議案と専決処分の報告3件を提出すると報告した。 補正予算案は台風15号の災害復旧費や物価高騰対策のため142億円余りを追加する。職員給与改定の条例案は、県人事委員会勧告に伴う初任給の引き上げなどの改定を行う。 同定例会は6~9日と12日に代表・一般質問を行い、常任委員会は14、15日に開く。
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ローソン 1415万円寄付 台風15号災害義援金
ローソンは22日、台風15号災害義援金として1415万8411円を静岡県に贈った。神沢伸保中部エリアサポート部長が県庁を訪れ、森貴志副知事に目録を手渡した。
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台風被災の清水支援「自分にできる形で」 静岡県東部の子育て女性ら 弁当や菓子無料配布
9月の台風15号で浸水被害を受けた静岡市清水区の住民を支援しようと、静岡県東部の女性ボランティアが、現地で弁当やお菓子の無料配布を続けている。協力者には子育て世代も多く、「自分にできる形で役立ちたい」と力を持ち寄る。 富士市で夫と中華料理店を営む内野浩恵さん(46)は、発災3日後の9月27日から、仲間とともに店の厨房(ちゅうぼう)で作った弁当を被害の大きかった鳥坂、押切の両地区で配布している。 配布数は一度に調理可能な40個程度。当初は連日、家の片付けをしている住民に声を掛けて手渡した。現在は週2回程度、親しくなった人を訪ね、新たな届け先も開拓する。活動は17回を数えた。 店の大釜で飯
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静岡県 台風復旧支援を国会議員に要望 国の予算編成向け
静岡県は21日、国の2023年度予算編成に向けた要望・提案を県内選出の国会議員に提出した。台風15号による災害からの復旧・復興、東アジア文化都市事業への支援の新規2項目を含む86項目と、新型コロナウイルス感染症関連の47項目。与党、野党・無所属に分けて予定していた意見交換会は衆院本会議の日程が重なったため中止となり、川勝平太知事と職員が各議員の事務所を回った。 台風15号は被災地域の速やかな復旧と生活再建を着実に進めるため、国によるさらなる技術支援や予算確保、新たな支援制度の創設を要望。本県が23年の国内開催都市となる東アジア文化都市は「インバウンド需要を早期に獲得する絶好の機会」と位置付
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袋井市議会 24議案上程 会期は29日間
袋井市議会11月定例会が21日、開会した。会期を12月19日までの29日間と決めた後、6億9300万円を追加する本年度一般会計補正予算案や市職員の定年延長に関する条例の一部改正案など24議案を上程した。 補正予算案には、台風15号の災害復旧費3億5600万円や、市独自の物価高騰対策事業費1億6600万円などを盛り込んだ。補正後の総額は395億6900万円。代表質問は11月29日、一般質問は同30日に行う予定。
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磐田市、台風被災者を訪問調査 豊岡地区230世帯 実態把握、適切支援へ
磐田市は21日、台風15号による豪雨災害で被害が大きかった同市豊岡地区の被災者を中心に、訪問調査を始めた。市職員らが12月中旬まで、床上浸水の全世帯と床下浸水のうち、75歳以上の高齢者宅計約230世帯を訪ねる。心身の状態や生活環境を聞き取り、被災者の実態に応じた支援に結びつける。 市は市社会福祉協議会と連携し、災害生活支援情報などを共有する組織「いわた安心つなげる隊」を10月末に発足。これまで、同地区の高齢者宅9世帯を訪問していて、調査範囲を拡大する。 同日、市と市社会福祉協議会の職員が2人1組で被災者宅を訪問し、家屋の状況や住宅再建への見通しなどを聞いて回った。自宅が床上約15センチ浸
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三遠南信道進展 防災強化を要望 浜松市長、内閣府に
浜松市の鈴木康友市長は21日、内閣府に星野剛士副大臣を訪ね、三遠南信自動車道の整備促進と防災・減災対策の推進を要望した。 国土強靱化(きょうじんか)5カ年加速化対策の予算を例年以上の規模で確保し、自動車道の工事が進展するよう求めた。9月の台風15号による豪雨災害で打撃を受けたインフラの整備や、未対策になっている市内105カ所の道路斜面の早期対策なども訴えた。 要望は冒頭を除き非公開。星野氏は「2022年度第2次補正予算案を早く成立させ、要望に応えていきたい」と応じたという。鈴木市長は終了後の取材に「災害が年々激甚化し、行政の対応は非常に重要な課題。災害に強いまちづくりが今後ますます必要に
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島田 大雨のたびに前兆 「危険の芽」小さいうちに【絶えぬ残土崩落 熱海の教訓から㊦】
記録的豪雨により、静岡県内の中山間地で土砂崩れが相次いだ9月の台風15号。大井川中流の島田市福用でも、川沿いを通る国道473号と大井川鉄道の線路が土砂に埋まった。ただ、通常の土砂崩れとは状況が異なる。土砂の発生源をたどると、面積約17ヘクタール(東京ドーム3・6個分)の巨大な採石場跡地が広がっている。崩れ落ちたのは、採石用に切り崩した山腹にうずたかく積まれ、長年放置されていた残土の山だった。 「2年くらい前から大雨のたびに泥水や石が流れ出してきた。放っておくと危ないと思っていた」。近くに住む男性(74)は通行止めが続く国道に目を向けて当時を振り返った。今回の大崩落に至るまでに“
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大雨断水被害、巡視船で支援 備えと迅速初動が奏功 清水海上保安部長/戸田陽一氏【本音インタビュー】
台風15号による大雨の影響で最大約6万3千戸で断水被害が発生した静岡市清水区。清水海上保安部は発災当日の9月24日午後に巡視船のタンクを開放し、市民に給水活動を開始した。迅速な災害対応には、事前の備えと初動が重要だと指摘する。 ―支援の経緯は。 「庁舎や職員宿舎は断水しておらず当初は気付かなかったが、清水区の実家から通う職員から報告があり、給水支援の準備を指示した。電話で静岡市の了承を得て午後5時55分から翌日午前0時15分まで巡視船おきつによる給水活動を実施。御前崎海上保安署と連携して、水の補給中は同署の巡視船ふじが代替できるようにして、第3管区海上保安本部にも災害対応型巡視船いずを手
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公共土木施設の被害 350億円超 静岡県内、平成以降で最大規模 9月の台風15号
9月に県中西部を襲った台風15号で被災した県内の公共土木施設の概算被害額が350億円を上回り、平成以降最大規模になることが18日、関係者への取材で分かった。県は災害復旧費などを盛り込んだ2022年度一般会計12月補正予算案を12月1日開会予定の県議会12月定例会に提出する。 関係者によると、年間で四つの台風で被害が出た1982年(昭和57年)の被害額398億円に次ぐ規模となる。今回は単発の台風被害で350億円程度を見込む。金額は一部に申告額も含むため、今後の国の査定で減額となる可能性もあるという。 今回の台風15号は中東遠から中部に被害範囲が集中した。山間部で大量の雨が降ったことで河川や
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問われる所有者責任 法的手段、住民対応の鍵に【絶えぬ残土崩落 熱海の教訓から㊤】
台風15号の記録的豪雨で住宅地の斜面が崩れ、その下にあった住宅3棟が損壊、3人がけがを負った浜松市天竜区緑恵台。家屋と住民を襲った土砂の正体は、閑静な住宅地の一画に長年積み上げられた無届けの盛り土だった。取材で浮かび上がったのは、土地所有者が崩落の危険性に無自覚なまま残土を搬入させてきた経緯。周辺住民による再三の訴えや行政の警告も、歯止めにならなかった。 「残土を捨てる場合は地主までご連絡ください」―。2015年3月、住宅地に囲まれた空き地の入り口には奇妙な看板が掲げられていた。所有者は近くに住む高齢の女性。残土を投棄するダンプカーが周辺住民に頻繁に目撃されていた。近隣住民(81)は「中型
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台風15号 災害復旧、河川改修支援を要望 川根本町と牧之原市
台風15号災害を受けた川根本町と牧之原市は18日、静岡県に災害復旧や河川改修支援など要望した。薗田靖邦町長と杉本基久雄市長が県庁を訪れ、川勝平太知事にそれぞれ要望書を提出した。 川根本町は一部で集落の孤立や断水被害が発生した。大井川鉄道の家山―千頭間の運行再開の見通しが立っていない。要望書には、大鉄の早期復旧や運行再開支援のほか、風評被害で苦しむ観光事業への支援、国庫補助対象にならない事業への財政支援を求めた。 牧之原市内では2級河川の上流部から中流部で越水が発生し、浸水被害が起きた。萩間川、勝間田川、坂口谷川の整備計画の見直しなどハード面の整備に加え、水位観測設備の増設や予測の実施、河
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台風15号義援金 1億5256万円 静岡県報告、11月7日時点
静岡県は18日、台風15号災害に伴い県内外から寄せられた義援金の受け入れ額が7日時点で1億5256万8640円に上ったと明らかにした。市町を通じて全額を被災者に届ける。 同日県庁で開いた配分委員会で報告した。義援金は県、県共同募金会、日本赤十字社県支部が9月27日から受け付けを始めた。受け入れ件数は7日時点で2053件。 この日の委員会では被災者への配分方法などを協議した。県福祉長寿政策課によると、配分は複数回の予定で、近く第1回の配分基準や金額を公表する。県健康福祉部の八木敏裕部長は「被災者に対し早急に義援金を届けたい」と述べた。 義援金は12月28日まで、指定口座への振り込みと共同
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天竜区盛り土 県条例忠告も適用至らず 浜松市の対応、検証焦点に
台風15号の豪雨で崩落した浜松市天竜区緑恵台の盛り土を巡り、市は土地所有者らに対して県土採取等規制条例に抵触する可能性を再三伝えたものの、指導以外の具体的な対応に及ばなかったことが、17日までに分かった。今後の第三者委員による検証でも、同条例に基づく実効性ある対応ができなかったのかが焦点になるとみられる。 静岡新聞社が情報公開請求で入手した市の資料などによると、2014~21年に4件、住民から盛り土についての相談が市に寄せられていた。このうち14年と21年は、市が所有者側に、同条例の規制対象や届け出の必要性を説明していた。 14年に現場を確認した市職員が敷地内に「残土捨場」の看板を確認し
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台風15号早期復旧 国へ島田市長要望 国1バイパス4車線化も
島田市の染谷絹代市長は16日、国土交通省に豊田俊郎副大臣を訪ね、台風15号で被害を受けた施設の早期復旧を要望した。国道1号島田金谷・藤枝バイパス(BP)4車線化の整備促進も求めた。 台風15号では市内でも道路陥没や橋りょうの損傷、住家の浸水、山間部の断水などが発生した。染谷市長は面会後の取材に「この50年間にはなかった被災状況」と説明し、「単に元に戻すのではなく、二度とこのような災害が起こらないようにする改良復旧と、そのための予算確保をお願いした」と述べた。 BP関連は大代インターチェンジ(IC)の速やかな工事、東光寺ICのフルインター化実現なども訴えた。 豊田氏は災害復旧について「十
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災害ごみ仮置き場終了へ 静岡・清水区 27日午後4時まで
静岡市は16日、台風15号で発生した災害ごみの仮置き場としている清水区のJR清水駅東口ENEOS(エネオス)清水油槽所遊休地と大内新田市有地について、27日午後4時でごみの受け入れを終了すると発表した。同日以降に出た災害ごみは、市職員による戸別収集か清掃工場への持ち込みで処分する。 戸別収集は電話かウェブで申し込みする。沼上清掃工場と西ケ谷清掃工場(いずれも葵区)への持ち込みは身分証や罹災(りさい)証明書の提示が必要。平日の午前8時半~正午と午後1~同4時、土曜の午前8時半~正午に受け付ける。 エネオス遊休地と大内新田の仮置き場は受け入れ最終日の27日までの間、土日祝日も含め毎日午前9時
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国の災害緊急砂防事業に採択 油山川の土石流など
静岡県は15日、台風15号に伴い静岡市葵区油山の油山川と藤枝市原の旭ケ丘西沢で発生した土石流について、国の災害関連緊急砂防事業に採択されたと発表した。14日付。事業費はいずれも未定。国が3分の2を補助し、県が残りを負担する。 県砂防課によると、油山川は砂防えん堤2基、旭ケ丘西沢は砂防えん堤1基をそれぞれ新設する。測量設計や用地補償を行い、速やかに工事に着手するとしている。2023年度末までの完成を目指す。
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「オクシズ」復興へ 常葉大生が静岡市に義援金
常葉大経営学部の学生が15日、台風15号による豪雨災害で被害を受けた静岡市葵区の中山間地「オクシズ」の復興支援として、5日の同大学園祭で行った募金活動の浄財5472円を市に寄付した。学生が市役所静岡庁舎を訪れ、前田誠彦葵区長に現金を手渡した。 学生は市のオクシズ人口減少対策事業「Move To オクシズ」の参加メンバー。中山間地への移住者向けのパンフレットを作成するため、10月に葵区の清沢、大川地区を訪れた際、土砂崩れなどで被災した状況を目の当たりにした。「オクシズ復興のために何ができるか」と考え、募金を行った。 学園祭では募金に加え、葵区のきよさわ里の駅で扱う商品「清沢式ぶっかけレモン
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地下水噴出、下部から崩落 浜松・天竜区の土砂災害、浜松市が分析結果示す
9月の台風15号に伴う豪雨で住宅3棟が損壊、住民3人が負傷した浜松市天竜区緑恵台の土砂崩落について、市は15日の第三者技術的検証会に示した原因調査報告書案で、無届けの盛り土が造成されていた斜面の中央付近に地下水が噴き出し、斜面下部が崩れたのを機に全体が崩落したと推定されるとの分析結果を説明した。 市によると、連続した豪雨で斜面の地下水位が上昇し、斜面中央付近で噴出した。水を多く含んだ斜面下部の土が重みで小規模崩壊を起こし、バランスを失った斜面上方の土が大きく崩壊して家屋を破壊したとの経過が有力だと結論づけた。崩落前、斜面沿いに8100立方メートルの土が盛られていたが、内部に空隙(くうげき)
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静岡市、4次総基本構想・計画案 子育てなど重点5政策
静岡市はこのほど、まちづくりの羅針盤となる最上位計画、第4次総合計画(2023~30年度)の基本構想・基本計画案を公表した。「世界に輝く静岡」の実現を目指し、子育てやスポーツ、森林文化などを推進する5大重点政策を打ち出した。 基本構想では、世界に輝く静岡を市民と都市の双方が輝くまちと定義づけた。豊かな自然環境、歴史文化、産業に恵まれた同市で、市民の一人一人が自分らしい人生を送り、地域資源を磨いて世界から注目されるまちづくりを進めるとした。 まちづくりの方向性を示す基本計画の重点政策として「子どもの育ちと長寿を支える」「アートとスポーツがあふれる」「城下町の歴史文化を守り抜く」「港町の海洋
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台風15号で静岡市に派遣 熱海市職員が活動報告
台風15号に伴う大雨で甚大な被害が出た静岡市に応援職員として派遣された熱海市税務課の松山弘夢副主任が15日、市役所で斉藤栄市長に活動報告した。 松山副主任は10月31日から11月4日まで静岡市の葵区役所で被災届出証明書の受け付けや交付などを行った。 松山副主任は「多岐にわたる支援策を全て把握し、正しく案内する責任の大きさを改めて感じた」と述べた。斉藤市長は「今回の経験を庁内で共有してほしい」と呼びかけた。
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台風被災者支援 静岡市に54万円 清水桜が丘高生が寄付
静岡市清水区の清水桜が丘高の生徒が14日、台風15号の被災者支援のため集めた募金54万677円を市に寄付した。市役所静岡庁舎で田辺信宏市長に目録を手渡し、市内で行った募金活動を報告した。 「SDGsを通じた地域貢献」などを目的に、生徒が自発的に活動する同校の「リボーン・バトン・プロジェクト」の一環。生徒は10月16日にJR静岡駅北口地下道、11月3日にJR東静岡駅南口グランシップ芝生広場で募金活動を行った。 生徒会長の林晏里さん(16)は「地域のために何かしたい私たちの気持ちと、募金してくれた人の被災者を助けたい気持ちが結びついた結果」と話し、さらなる地域貢献に意欲を示した。 他の生徒
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台風被害義援金 磐田市に200万円 静岡県内ライオンズクラブ
静岡県内73ライオンズクラブ(LC)でつくるLC国際協会334-C地区はこのほど、9月の台風15号で甚大な被害に見舞われた磐田市に、義援金として200万円を贈った。 同地区の太田厚利ガバナーが、市内で開かれた磐田LCの例会で草地博昭市長に目録を手渡した。太田ガバナーは「被災者が1日でも早く日常生活を取り戻せるよう役立ててほしい」と述べた。 義援金は、災害時に備えて会費の一部を積み立てている同地区の予算を活用した。台風15号の復興支援では同市のほか、静岡市や森町にも贈る。
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安間川の抜本的改修を 東区自治連、川勝知事に要望 浜松
浜松市の東区自治会連合会(米山英二会長)は14日、水害が懸念される安間川の抜本的改修を求める要望書を川勝平太知事宛てに提出した。 要望書は、9月の台風15号などの影響で、区内の多くの住宅が床上・床下浸水した上、車が浸水して破損する被害が出た―などと指摘。安間川は川床が浅く、川幅が狭いため、過去にも都市型洪水に見舞われ、「住民の安全と安心が脅かされている」として管理する県に対し、早急の改修工事を求めている。 米山会長らが中区の県浜松土木事務所を訪れて地域の実情を伝え、広瀬聡所長に要望書を手渡した。 東区自治連は和田、蒲、笠井、長上、中ノ町、積志の6地区自治連で構成。4日には、安間川流域エ
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新年度予算 浜松市長に要望書 市議会会派・創造浜松
浜松市議会会派の創造浜松(関イチロー会長)は15日、2023年度予算案に関する政策提言と要望書を市に提出した。所属5氏が市役所で鈴木康友市長に届けた。 特に重視すべき特別重点提言として豪雨災害の対策強化を挙げた。9月の台風15号では道路冠水で故障した多数の車が避難の妨げになったこと、緊急避難場所の指定施設が浸水したことをはじめ多くの課題が明らかになったとして、ICTを活用した避難誘導の強化や車両移動の仕組みづくり、避難場所の見直しなどを提示した。 重点提言は、オンライン上の若者向け行政窓口の開設や第2子以降の保育料完全無料、0歳児見守り訪問「おむつ定期便」の導入など、少子化対策を中心に6
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土砂崩落「盛り土の転圧、排水が不十分」 浜松市天竜区緑恵台、第三者委員会で市が報告
台風15号による9月下旬の豪雨で住宅3棟が損壊し、住民3人が負傷した浜松市天竜区緑恵台の土砂崩落について、市は15日、市役所で開いた第三者技術的検証会の初会合で、原因調査報告書案を提示した。土砂の斜面上部に無届けの盛り土が造成され、十分な転圧や排水が行われず、豪雨による雨水の浸透で崩落したとのメカニズムを調査データとともに示した。 技術分野の第三者委員を務める岐阜大工学部の沢田和秀教授らは、報告書案の内容を「妥当」と評価した。今後は行政分野の第三者委員らを交えた会合で案を基に、盛り土が造成された経緯や市の対応に問題がなかったかを検証する。 市のボーリング調査によると、斜面上部に8100立
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記者コラム「清流」 魔物からの問い掛け
崩落した盛り土の起点部を初めて見た瞬間、思わず絶句した。「伊豆山と同じだ」。次にこぼれ出た言葉に、隣にいた他社のカメラマンが「本当にそっくりだ」と応じた。 台風15号の大雨で盛り土が崩れた天竜区緑恵台の現場は、熱海市伊豆山の崩落盛り土の姿に酷似していた。取材を進めると、それは形だけではないことが分かってきた。 土地所有者と業者による無節操な土砂の受け入れと投棄、行政の不作為-。伊豆山の教訓が生かされず、災害を生んでしまった。本紙の検証報道による警鐘も結果的に届かなかった。地元紙記者として悔しさを感じている。 魔物のような姿をした盛り土の残骸は今も、「おまえがすべき仕事はなんだ」と問いかけてく
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避難所 パーティションで安心 あいネットグループ、静岡北特支学校に寄贈
冠婚葬祭業のあいネットグループ(杉山茂之社長)は14日、静岡市葵区の静岡北特別支援学校(原田満紀校長)に対し、災害時に避難所でプライベート空間を確保するためのパーティションを寄贈した。同校で贈呈式を行い、生徒が組み立てや仕切りの中に入る体験をした。 寄贈したのは、家具製造のFPKナカタケ(焼津市)製のパーティション6セット。段ボールと木の再生材によるパーツを組み立てると縦、横が2・3メートル、高さが1・5メートルになる。生徒3人が同社社員の指導を受け、協力しながら完成させた。仕切りの中に入った高等部2年の桜井要人さんは「高さが十分にあり安心できる」と話した。 9月の台風15号の被害を受
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浸水対策 浜松市に前倒しを要望 南区本郷町東自治会
台風15号で家屋の浸水被害が広がった浜松市南区の本郷町東自治会は14日、市に対して東芳川エリア総合雨水対策計画の前倒しを求める要望書を提出した。青島康博会長ら役員3人が市役所で長田繁喜副市長に手渡した。 同自治会の地域内はこれまでも、芳川と東芳川、飯田6号排水路が合流する南陽中周辺を中心に浸水被害が頻発してきた。市は対策計画に盛り込んだ公園や校庭の雨水貯留、排水路や側溝の改良などを進めているが、年々深刻化する豪雨に十分対応し切れていない。 長田副市長は来年度に芳川小の校庭貯留を導入すること、飯田6号排水路と芳川の合流位置を変える検討をしていることなどを説明し、「最適な方法を検討して被害軽
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災害時のSNS情報 伊東高で接し方学習 デマ見極める力高めて【解説・主張しずおか】
9月に静岡県内に大きな被害をもたらした台風15号。SNS(交流サイト)では、各地の浸水や河川増水などを知らせる大量の情報が出回った。そんな中、人工知能(AI)で作成された虚偽の画像が拡散し話題になった。情報をいち早く伝達できるSNSは災害時、命を守る行動に役立つ可能性がある一方、誰でも簡単に発信できるため、受け手には各情報の信頼性を見極める力が求められる。 伊東市の伊東高では11月上旬、生徒が災害時の情報への接し方を学習し、デマやフェイクニュースを見抜く力を養うための「情報防災訓練」の授業が行われた。静岡大教育学部の塩田研究室(塩田真吾准教授)と一般財団法人LINEみらい財団(東京都)が共
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車の貸し出し支援 1月末までに延長 台風15号被災者対象
日本カーシェアリング協会(宮城県石巻市)は、台風15号の被災者を対象に静岡市で行っている車の無償貸し出し支援について、期間を来年1月末まで約1カ月半延長する。現在は約100人が待機している状態で、同協会は支援車両の寄付を呼びかけている。 被災者に最大2週間無償で車両を貸す支援に、10月11日からの1カ月間で280件の申し込みがあり、94件の貸し出しを行った。赤ちゃんを育てている同市清水区の杉浦公一さん(30)、さゆりさん(29)夫婦は、11月12日に車を借りた。「車とバイクを失い、徒歩での買い物では量を運べない。車を借りられて助かる」と支援に感謝する。 支援車両の不足について吉沢武彦代表
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断水の原因、児童に説明 静岡市上下水道局 清水小河内小で授業
台風15号の影響で完全復旧まで計13日間を要した静岡市清水区の断水被害で、市上下水道局の職員が長期化した原因などについて児童らに説明する授業が10日、清水小河内小であった。職員は5~6年生13人を前に「台風15号と水道」とのタイトルで話した。 宮村富士子主査は「自分たちは水を届けるのが仕事なので、水が出ないことに心苦しい思いだった」などと述べた。そのうえで、区内の広範囲が断水となった原因について「簡単に言うと、興津川の濁流で水道施設が壊れてしまった」と説明した。 七夕豪雨以来の降雨に見舞われ、同校の周辺地域に水を送る水管橋が落橋したため、被災が長期化したことなども伝えた。自宅に飲用水を備
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台風義援金500万円 静岡県にトヨタ、ダイハツ
静岡県オールトヨタグループと県ダイハツグループはこのほど、台風15号の被災者生活支援として500万3927円を県に寄付した。 浄財は各社の車両販売の売り上げから拠出した。トヨタユナイテッド静岡の鈴木康一取締役専務執行役員らが県庁を訪れ、「県民のお役になればうれしい」と森貴志県副知事に目録を手渡した。
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列車走らない今こそ 大井川鉄道が撮影や運転体験会 12日から
台風15号による被害で本線全線が運休中の大井川鉄道(本社・島田市)が12日から12月上旬にかけ、電車や電気機関車(EL)の撮影会や乗車体験会を企画した。19日は車両整備工場見学や鉄道部品など“お宝”販売のイベントを開く。同社の担当者は「電車が走らない今こそできることで、新金谷駅を盛り上げたい」と話している。 撮影会は20日に電車、27日に電気機関車が同駅構内に勢ぞろいし、普段は見られない横並び1列の光景などを撮影できる。それぞれ午前、午後の部があり、予約を受け付け中。大鉄ホームページ内の予約フォームから申し込む。 運転体験は新金谷駅構内の側線を使用し、運転士のアド
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静岡市、11月補正33億5900万円 台風、物価高対応重点
静岡市は10日、2022年度一般会計に33億5900万円を追加する11月補正予算案を発表した。台風15号の災害対応と物価高騰対策に重点を置いた。特別会計と企業会計を合わせた補正総額は43億7300万円。24日開会の市議会11月定例会に提出する。 台風15号関連の予算規模は12億7900万円で、被災した市民と事業者の支援に7億2300万円、公共施設の復旧に5億5500万円を配分する。災害救助法に基づく応急仮設住宅制度の対象外になっている世帯に対し、民間賃貸住宅の家賃などを最大6カ月間補助する。補助月額は1人世帯で5万円、3、4人世帯で7万円、5人以上の世帯で10万円など。 新型コロナウイル
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モンゴルから台風義援金 静岡県に10万ドル、友好の縁で
静岡県と幅広い分野で交流を進めるモンゴル政府が、9月の台風15号で被災した本県への義援金として10万米ドルを送ったことが、9日までの関係者への取材で分かった。同国政府から県に対し、義援金や寄付金が寄せられたのは初めてという。 関係者によると、9月下旬に来日したモンゴル政府首脳が、多くの人が被災したことや広域にわたる浸水被害の状況を知り、援助を決めたという。その後、モンゴル側から正式に県に支援の提案があった。 10万米ドルは現在の為替レートで1450万円~1500万円ほど。日本の平均月収はモンゴルの約4倍のため、日本での約6千万円に相当する金額だという。県の関係者は「10年以上の交流が一つ
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台風15号災害土砂 掛川の防潮堤整備に 静岡市から受け入れ
掛川市は、台風15号で発生した災害土砂を静岡市から受け入れて掛川市沿岸域の防潮堤整備に充てる。9日の市議会議会運営委員会で示した2022年度一般会計補正予算案に、防潮堤整備推進費5200万円を計上した。盛り土材として活用し、整備事業の促進を図る。 9月の台風15号による記録的豪雨の影響で、静岡市では大量に発生した災害土砂の処分が課題になっている。掛川市によると、静岡市からの受け入れ要請を受けた対応。22~23年度に実施予定の工事に延長200メートル区間を追加発注して災害土砂を使用する。新たな工区で受け入れ可能な土砂量は最大5万8千立方メートルという。 掛川市がまとめた一般会計補正予算案は
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中間決算(9月)=静甲、台風で特別損失計上
①売上高(前年同期比)②経常利益(同)③純利益(同)④通期売上高見通し⑤同経常利益見通し⑥同純利益見通し ◆連結 ①166億2300万円(10・3%増)②2億3300万円(22・4%減)③1億円の赤字④330億円⑤3億5千万円⑥2億5千万円 ※台風15号の影響で新車や中古車が浸水するなどしたため特別損失を計上した。昨年末発売の新型車の販売増が増収に貢献した。
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3次元点群データ 台風15号で活用例 崩落量解析にデジタルの力 迅速把握、安全性メリット
地形や構造物を立体的に測量する3次元点群データ。熱海市伊豆山の土石流で県が盛り土の存在をいち早く突き止めたことで注目されたが、9月の台風15号では民間業者が県内各地の崩落現場で活用した。人力での測量に比べ迅速性や安全性に優れるといい、デジタル時代の災害対応の手段として主流になりつつある。一方、活用できる人材育成などが課題になっている。 「崩落量を1日でも早く出して、復旧に役立てたかった」。島田市の大鐘測量設計の塚本好明社長は思いを語る。同市福用で採石場跡地から大量の土砂が流出し、国道下の斜面も崩落して大井川鉄道の線路を埋めた。県から委託を受け、ドローンを使って崩落した地形の点群データを取得
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台風15号被災者を戸別訪問 静岡市、実態把握し適切支援 1万1400世帯対象
静岡市は台風15号による豪雨災害の被災者を対象に戸別訪問調査を行っている。市職員が12月上旬までの間、床上浸水の被害が目立った地区を中心に計1万1400世帯を訪ねる予定。心身の状態や生活環境、今後の見通しなどを聴き取り、被災者の実情に応じた支援に結びつける。 市職員が2人1組で被災者宅を訪問し、世帯主らに「被災者アセスメント調査票」に回答してもらう。世帯人数や要配慮者の属性といった基本情報をはじめ、住宅ローンの有無や罹災(りさい)証明の状況を尋ねる。発災後の心身の変化、福祉サービスの利用状況も聴き取る。 台風15号の発災から1カ月以上が経過する中、いまだに厳しい生活環境に置かれ、必要な支
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台風15号被害 山間地を整備 焼津消防署東分署
焼津消防署東分署は8日、台風15号の影響で被害を受けた焼津市内山間地の道路の整備を実施した。消防活動が円滑にできるように、道路通行の障害になっている樹木を伐採したり、山間地に設置している防火水槽や立て看板の設置状況を点検したりして回った。 参加した東分署の署員は、山の手会館(同市関方)から高草山へ続く農道で、大きく傾いた樹木をチェーンソーで切り落としたり、道路上に横たわっている木材を回収したりした。農道を管理する市農政課の職員も同行し、被害状況を確認して回った。
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災害復旧費追加 予算専決処分を承認 掛川市議会
掛川市議会は8日、臨時会を開き、9月の台風15号に伴う災害復旧費として9億3千万円を追加した一般会計補正予算の専決処分を原案通り承認した。 市内各地で発生した農林道被害の復旧事業費、断水が問題化した大和田と泉の2地区の簡易水道事業支援費などが含まれる。
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台風15号で予備費了承 被災者支援、4600万円流用 浜松
浜松市は7日の総務委員会で、台風15号の被災者を支援するための予備費流用の了承を得た。財政課によると、流用額4658万円は二つの事業に充てる。住宅の応急修理事業は、住宅が半壊するなどし自らの資力では修理できない市民らが対象。同事業には4件の申し込みがあった。 障害物の除去事業は、半壊や床上浸水によって住宅または周辺に土石、竹木が流れ込み、一時的に住めなくなって自助や共助で除去できないという市民が対象だが、申し込みはなかったという。
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文化財復旧5千万円 静岡市11月補正予算案、災害対応12億円超
静岡市は台風15号の豪雨災害で甚大な被害を受けた清見寺庭園(清水区)など国指定の名勝庭園や史跡の早期復旧に向け、2022年度11月補正予算案に復旧費計約5千万円を計上する方針を固めた。被災した住宅や施設の修理費などを含め、同予算案に盛り込む災害復旧事業費は12億円を超える見込み。7日までの関係者への取材で分かった。 対象の文化財は清見寺庭園のほか、臨済寺庭園(葵区)、久能山東照宮(駿河区)、小島陣屋跡、三池平古墳(清水区)の5カ所。いずれも国か県の名勝や史跡に指定されている。 久能山東照宮は敷地内の複数ののり面が崩壊し、清見寺は庭園に土砂が流入した。臨済寺は周辺の斜面が崩れ、配水設備に土
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社説(11月8日)天竜区の崩落調査 徹底検証と過程公開を
9月下旬の台風15号に伴う浜松市天竜区緑恵台の無届けの盛り土崩落で、市は原因究明のために11月15日から、有識者を交えた検証作業に着手する。崩落で住宅3棟が損壊し、住民3人が負傷した。市のこれまでの対応が鈍かったとの見方もある。早急に検証し、責任の所在を特定する必要がある。 現地の盛り土約8千立方メートルがどのように形成されたかの究明が重要だ。同時に、市の対応も、結果的に安全対策を施せなかった状況が問題視されている。検証結果だけでなく、議論の過程から公開し、今後の市内全域の防災や安全対策につなげなければならない。 緑恵台については市民や自治会から2014年以降に4回にわたり、土砂搬入や産
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記者コラム「清流」 台風15号の被災を取材して
朝起きて蛇口をひねれば飲める水が出ることに気持ちが躍る。温水洗浄便座がぜいたくに感じ、トイレが不自由なく流せることに感謝する。台風15号襲来以来の生活の激変で、まだ何となく日常がぎこちないままだ。 静岡市清水区で13日間続いた断水、七夕豪雨以来の浸水被害、山間地の民家になだれ込んだ土砂…。被災した人々の意識は一変した。市の地方自治体としての信頼そのものが揺らいでいる。 被災を経験した記者として、今後も多面的な問題提起を通じ地元に寄り添っていきたいと思う。道路脇には黄土色の細かい粒子の砂がいまも残り、市街地に流れ込んだ巴川の濁流が爪痕を残している。砂はなくなっても、息の長い報
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記者コラム「清流」 SNSにも新聞の目
起床時の日課でツイッターを見ていると、人工知能(AI)で作成した画像があたかも本県の豪雨被害の写真として拡散されていた。災害のデマは以前にもあったが、人工的な画像は悪質だと感じた。 浜松市周辺でも被害をもたらした台風15号接近の直後。誤解を招く情報を発信されたことに憤りを感じ、誤りを指摘しなければと思い立った。 ツイッターを通じた投稿者への取材依頼のほか、投稿への各種反応、過去の災害状況を調べた。マスコミが扱うのに懐疑的な投稿が見られた一方、実情を知らせてほしいとの意見もあった。記事を掲載し、新聞の目がSNSにも向けられていることを示せた。 記者になって来月で1年。静岡県内の正確な情報
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補正予算案など4案件可決、承認 川根本町議会
川根本町議会は7日、臨時会を開いた。9500万円を追加する本年度の一般会計補正予算案や、9月の台風15号災害に伴う事業費2億円を追加した同予算の専決処分など4案件を原案通り可決、承認した。 予算案には住民税非課税世帯などへの特別給付金事業費5100万円や、プレミアム付商品券事業費3700万円などを計上した。専決処分は被災した道路の復旧に要した重機の借り上げ料や、災害廃棄物処理費用など。
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12月補正予算編成 災害復旧支援で要望書 公明党静岡県議団
公明党県議団は7日、県の12月補正予算編成に向け、経済対策や台風15号による災害復旧支援などを求める要望書を森貴志副知事に提出した。 経済対策では燃油や物価高騰の影響を受ける農林水産業、財政基盤の弱いNPO法人などへの支援を要望。災害復旧対策として浸水被害などを受けた中小・小規模事業者の事業再開を後押しすることや、土砂流入など甚大な被害を受けたワサビ農家への支援も盛り込んだ。新型コロナウイルスの感染流行「第8波」とインフルエンザの同時発生に対応できる体制構築も求めた。 蓮池章平団長は「台風15号からの復旧復興はうまくいっていない部分もある。きめ細かな対応をお願いしたい」と述べた。
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Bリーグ三遠選手 募金協力呼びかけ 台風15号被害支援
バスケットボール男子Bリーグの三遠ネオフェニックスはこのほど、台風15号による豪雨災害支援の募金活動を、浜松市東区の浜松アリーナなどで開かれたホーム戦で実施した。35万5868円が寄せられた。 募金活動は同アリーナで10月1、2の両日に行った川崎ブレイブサンダース戦と、8、9の両日に豊橋市総合体育館で行ったレバンガ北海道戦で、選手らが来場したファンに協力を呼びかけた。募金にチームからの10万円を加え、静岡新聞社・静岡放送などの義援金窓口に寄託した。
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記者コラム「清流」 磐田市民になって2カ月
9月に磐田へ赴任した。週末、車で市街地を走ると、屋台を引き回す法被姿の住民に遭遇することが多くて驚いた。玄関先にはエリアごとに違ったちょうちんが飾られ、伝統ある祭りを大切にする住民の結束力を感じた。 市内がお祭り盛期だった9月下旬。台風15号が本県に甚大な被害をもたらした。直後から現場に入り、被災地の生活に関する記事を出稿した。一方で、住民からは「清水の断水の話題ばかり。全然取り上げてくれない」など、率直な言葉が聞かれた。被害の大きさだけに、伝えても伝えきれない難しさを痛感した。 磐田市民になり、これまで以上に磐田のコトに目を向け、住民の生の声を聞く機会も増えた。人と人との距離が遠ざかり
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挙党態勢へ異例の先手 自民静岡支部、現職支援決定 静岡市長選
来春の静岡市長選に向けて4日、自民党静岡市静岡支部が現職田辺信宏氏(61)の支援を決めた一方、自民党県議の山田誠氏(60)は市役所静岡庁舎で出馬会見を開いた。静岡支部は立候補者を一本化し挙党態勢で選挙戦に臨みたい意向だが、この間の山田氏との調整は不調。県理事の難波喬司氏(66)も出馬の意向を固める中、自民関係者の間には田辺氏の支援に温度差もあり、一枚岩になれるか状況は混沌(こんとん)としている。 田辺氏支援を全会一致で決めた静岡支部の緊急拡大役員会が開かれたのは、山田氏の出馬表明会見の約5時間前。田辺氏支援の旗印を鮮明にし、自民票が割れるのを防ぐ狙いがあるとみられる。田辺氏は4日、静岡支部
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秋らしい盆栽 関心集める 静岡市葵区で6日まで
静岡県中部地区の盆栽愛好家でつくる「たちばな会」の秋の盆栽展が4日、静岡市葵区牛妻の市賤機都市山村交流センター「安倍ごころ」で始まった。6日まで。 16人の会員が100鉢ほどを出品。秋らしく実をたわわに付けたロウヤガキやピラカンサ、樹形を美しく整えたクロマツなどがバランス良く飾り棚に置かれ、来場者の関心を集めた。 会員の小長谷啓さん(75)は「台風15号の大雨被害で、盆栽が泥をかぶるなどのトラブルもあったが、無事出品できて良かった」と話した。即売会も行われ、目当ての盆栽や鉢を探す大勢の人たちでにぎわった。
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用水路に転落の人救助 台風15号 磐田署、3人に感謝状
台風15号に伴う豪雨で増水した磐田市見付の用水路に転落した人を協力して救助したとして、磐田署はこのほど、地元住民3人に署長感謝状を贈った。 感謝状を受けたのは、いずれも同市見付で、飲食店経営の鈴木勝さん(50)、新通町自主防災会長の西郷伊早雄さん(64)、同副会長の原忍さん(70)。23日午後11時ごろ、ミニバイクを運転していた70代の男性が用水路に転落するのを鈴木さんが目撃。男性が沈まないようとっさに腕をつかんだ。応援を求める鈴木さんの声を聞いた西郷さんと原さんも現場に駆け付け、3人で男性を用水路から引き上げた。男性にけがはなかったという。 同署で開かれた贈呈式で、鈴木さんは「男性はパ
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W杯代表選出祝い 伊藤洋輝選手の横断幕 磐田市役所に設置
サッカーワールドカップ(W杯)カタール大会の日本代表に元ジュビロ磐田所属の伊藤洋輝選手(23)=浜松市出身、シュツットガルト=が選ばれたことを受け、磐田市は4日、活躍を祈願して横断幕を市役所本庁舎に設置した。 横断幕は縦0・84メートル、横3・5メートル。「祝 日本代表選出おめでとう!」などの文字が躍る。青色を基調とした背景は日本代表のユニホームをイメージし、市スポーツ振興課職員が制作した。 同課の担当者は「台風15号の際、伊藤選手から寄付をいただき、磐田市が元気づけられた。次は磐田から、伊藤選手にパワーを届けたい」と話した。 1次リーグ2戦目のコスタリカ戦が行われる日本時間27日午後
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被災農業者、中小企業に「事業継続支援金」 台風15号 磐田市が支給へ
磐田市の草地博昭市長は4日の定例記者会見で、9月の台風15号で被災した農業者や中小事業者を対象に、市独自の「事業継続支援金」を支給する方針を発表した。被災による廃業や休業を食い止め、地域経済の復興につなげる。 農業者向けの支援金は、農地や農作物が被災するなどして、9~12月の収入が前年同期から減少した個人・法人を対象にする。上限は10万円。申請には、被災状況が確認できる写真などが必要になる。事業費は2千万円。市によると、土砂の流入など台風15号による農地被害は233カ所で計22・7ヘクタールに及んだという。 事業用の建物や設備が被災した中小企業や団体、個人事業主などには、1事業者当たり2
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安間川流域の浸水対策 市に要望 浜松市東区自治会連
浜松市の東区自治会連合会(自治連、米山英二会長)は4日、同区の安間川流域エリアの冠水、浸水対策を求める要望書を鈴木康友市長宛てに提出した。 要望書は9月の台風15号などの影響で、区内の多くの住宅で床上、床下浸水、車両の損壊といった被害が出たと指摘。特に安間川は過去にも都市型洪水に見舞われているとして、同区流域の排水能力を高めるよう、抜本的な改修を求める内容。 米山会長らが市役所に長田繁喜副市長を訪ねて要望書を手渡し、「雨が降るたびに(一帯が)湖になってしまう」「住民が安心して眠れるようにしてほしい」などと訴えた。長田副市長は管理者の県と緊密に連携し対策を進める考えを示した。市管理の同川支
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#防災力を高めよう 断水、停電の備えは? 実践者に聞く
9月下旬、静岡県内を襲った台風15号。今なお影響が続く土砂災害や浸水被害に加え、静岡市清水区で発生した大規模な断水や、葵区、駿河区を中心に半日に及んだ停電により、市民生活は混乱した。断水や停電にどう備えたらいいか。長泉町を拠点に実践的な防災活動に取り組む母親グループ「マモルマムズ」の中心メンバーの助言や、記者の体験から考える。 トイレ代用 身近な物で 自宅が断水した時、最も気になるのはトイレの始末。今回のように下水が正常なら、排せつ後にバケツなどで便器に直接水を流し込んでいい。マモルマムズのアドバイザーを務めるふじのくに防災士の高良綾乃さん(48)=三島市=は「ある程度の
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静岡県議会自民 知事に災害復旧など要請
静岡県議会最大会派の自民改革会議は4日、台風15号豪雨の災害復旧対策と物価高騰対策を求める要請書を川勝平太知事に提出した。 要請内容は、自民党県連が同日実施した中小企業対策連絡協議会で商工団体などからの意見を集約した。 被災者の生活再建支援のほか、被災した農地や治山施設の早期復旧、国土強靱化(きょうじんか)施策の前倒しを求めた。物価高騰対策の要望は今年3度目で、今回は燃油価格高騰の影響が冬季に拡大する農水業や、医療機関などへの支援策を訴えた。 県庁で要請書を渡した良知淳行代表は「知事の発信が、不安を抱える中小零細企業の支えになる」と述べた。川勝知事は「12月補正予算案に対策を盛り込みた
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「内牧大茶会」豪雨復興願う 静岡市葵区 地域盛り上げへ熱意
静岡市葵区の内牧町内会は3日、市特産の本山茶を味わう「内牧大茶会」を同区の結成寺で開いた。台風15号の豪雨被害で開催が危ぶまれたが、「地域を盛り上げたい」との住民の熱意で実現。市内外から千人以上が訪れ、茶の香りや味わいを堪能した。 大茶会は地域産業の茶を振る舞う恒例行事で、新型コロナウイルス禍の影響で開催は3年ぶり。地域の愛好会がしつらえた茶席に来場者が列を作り、煎茶や抹茶を楽しんだ。境内では伝統的な手もみ茶の実演が披露され、地元農産物やスイーツなどの販売コーナーもにぎわった。 地域を流れる内牧川は9月の豪雨で決壊し、多くの世帯で家屋が浸水被害にあったり、茶畑が崩落したりした。参加が難し
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記者コラム「清流」 「共助」見直すきっかけに
台風15号の大雨により静岡市清水区で発生した大規模断水では、同区内の自宅でも1週間ほど影響があった。駿河区の温浴施設に行くと、清水区民と思われる人たちが多くいた。非常時だからか、知らない人同士でも会話をしている様子が印象的だった。 「給水所に生活用水を取りに行けなくて困っていたけど、近所の農家さんがトラックで運んできて、浴槽いっぱいにためてくれたの」。話しかけてくれた高齢女性はそう語り、「あなたたちも大変だけど、頑張ってね」と自分と娘を励ましてくれた。 人と人とのつながりが薄れていると言われて久しいが、やはり非常時に「共助」は欠かせない。言葉のやりとりだけでも心が和むこともある。 平時
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災害対応強化など予算編成に向け要望 静岡市議会の2会派
静岡市議会会派の公明党市議会(山本彰彦代表)と志政会(後藤哲朗代表)は2日、2023年度当初予算編成に向けた要望や政策提言を田辺信宏市長に行った。台風15号の豪雨災害を踏まえ、両会派とも災害対応の強化を強く求めた。 公明党は災害発生時における自治会や町内会への職員の配置、省庁に支援要請する際のルールを決めるなどの体制見直しを求めた。清水区での大規模な断水を受け、新たな水源の確保による災害リスクの分散化も要望。子育て支援施策として、0~2歳児の保育料負担軽減やヤングケアラーの実態把握と具体的な支援などを挙げた。 志政会は健康・福祉、子ども・教育、観光・交流など12項目に分けて政策提言した。
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台風15号復興支援 静岡県、静岡市に寄付 日本維新の会
日本維新の会は2日、台風15号の災害復興を支援するため、県と静岡市に各1千万円を寄付した。 市役所静岡庁舎では、浦野靖人選対本部長代理が田辺信宏市長に目録を手渡し「寄付金は身を切る改革により捻出したもの。災害復興のお役に立てれば」と話した。県庁では森貴志副知事に目録を届けた。
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台風15号 静岡市派遣2職員が活動報告 熱海市
台風15号に伴う大雨で甚大な被害が出た静岡市清水区に、被害家屋認定調査の応援に派遣された熱海市職員2人が2日、斉藤栄市長に活動内容などを報告した。 派遣されたのは、税務課の小松一行副主任と森田翔大主事。2人は10月24~30日に同区で調査に当たった。 小松副主任は「地震や津波が発生した場合、熱海市では甚大な被害が出ると思う。その時に今回学んだことが生かせれば」と語った。森田主事は「職員として緊急時に期待されていること、信頼されていることを強く感じた」と振り返った。 2人にねぎらいの言葉をかけた斉藤市長は「災害時のノウハウや学んだ知見を庁内で共有してほしい」と呼びかけた。
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応急復旧家屋、換気徹底を 台風被害の磐田・豊岡地区 注意点共有
磐田市自治会連合会豊岡支部は30日、市社会福祉協議会と協力し、台風15号による住宅再建に関する説明会を市豊岡中央交流センターで開いた。宮城県を拠点とする災害支援団体「オープンジャパン」の肥田浩副代表が講師を務め、応急復旧後の家屋の注意点を被災世帯に共有した。 参加したのは河川決壊による浸水被害が相次いだ豊岡地区の住民や建築業者ら計約50人。肥田さんは、浸水や土砂が流入した家屋は、床下や断熱材に水が残っている場合があるとし、カビが繁殖しやすく健康被害の原因になると指摘した。 対策として、家屋の換気を徹底するよう強調したほか、床板が反ったり、畳みのへりが変色したりしていないかなど、注意深く見
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川勝知事の携帯番号「教えてもらった」「通じなかった」 静岡市長が発言
静岡市の田辺信宏市長は28日の定例記者会見で、台風15号での川勝平太知事との災害対応を巡って、互いに知らないことが判明した携帯電話番号について「教えてもらった」と明らかにした。 田辺市長は「お礼を申し上げるため電話を1回かけたが、通じなかった」とも述べた。 田辺市長は今月11日の定例記者会見で川勝知事との直通の連絡体制を問われ、「知事の携帯番号を知らない」と発言した。市秘書課によると、会見翌日の12日に静岡県秘書課から携帯番号の案内があったという。
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静岡市、断水対策に本腰 災害備え有識者会議 年度内にも設置
静岡市の田辺信宏市長は28日の定例記者会見で、台風15号の豪雨災害で同市内で大規模な断水が発生したことを受け、年度内にも有識者による会議を設置し、災害時に水道水を安定的に供給できるような具体策を検討していくと発表した。 清水区で断水した約6万3千戸のうち9割が興津川取水口の被災が原因とされ、取水口1カ所で同区のほぼ全域の水が賄われていることを問題視する声があった。市担当者によると、新たに設置する会議では、複数の取水口設置や、新たな水源の確保などが議論される見通し。 会議とは別に、取水口被害の再発防止に向けて、同取水口が被災したメカニズムを調査・検証し、流木や土砂が取水口に詰まらないように
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水産業の省エネ支援 浜松市が強化、11月補正計上方針
浜松市は中小事業者の省エネ化を後押しする「グリーントランスフォーメーション(GX)支援事業」を拡大する方針を固めた。11月補正予算案に8億円余りを計上し、水産業者の省エネ技術導入などを助成対象に加える見通し。28日までに関係者への取材で分かった。 原油高の影響を受ける事業者の経費削減と温室効果ガス排出量削減を同時に進める事業で、これまで照明のLED化や古い空調機の交換などを助成してきた。新たに水産業者の省エネ機器購入の費用や、再エネ電力の調達費用などを支援メニューに追加するほか、ニーズの大きい農業者向け支援を増額する方向で検討している。 11月補正予算案はこのほか、台風15号関連の災害復
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岡山・玉野市から台風見舞金70万円 磐田市に届く
磐田市は27日、友好都市の岡山県玉野市と同市議会から、台風15号の被害からの復旧・復興支援として、計70万円の見舞金を受けた。同市の柴田義朗市長と高原良一議長が磐田市役所を訪ね、草地博昭市長と寺田幹根市議会議長に届けた。 玉野市は50万円、同市議会は議員18人全員から集めた20万円を寄せた。柴田市長は2018年の西日本豪雨を踏まえ、「災害時にはさまざまな負担があると思う。少しでも復旧・復興に役立ててもらいたい」と述べた。 草地市長は被害状況や災害対応の動きを説明しながら、「直接届けていただき、顔の見える関係が深められた。互いに助け合える体制も確認できて心強い」と感謝した。 両市は201
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浜松市、宿泊代還元へ 11月補正予算案 一般会計80億円規模
浜松市は28日、11月補正予算案の大枠を固めた。新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ観光業を活性化させるため、1億円規模の宿泊代還元キャンペーンを展開する。台風15号の災害復旧費は約30億円を見込み、一般会計は総額80億円規模の追加となる見通し。関係者への取材で分かった。 還元キャンペーンはこれまで飲食業や小売業向けに実施してきた支援事業の宿泊業版。市内の宿泊施設を利用した客に、抽選で代金を助成する方針で、渡航制限の緩和で回復しつつある外国人観光客の取り込みにもつなげる考え。 災害復旧費は国の補助を一部活用し、損傷した道路の修復、河川のしゅんせつなどを進める。天竜区緑恵台で発生した土砂
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激甚災害指定を閣議決定 静岡など被害の台風14、15号
政府は28日、静岡県や九州を中心に甚大な被害が出た9月の台風14、15号の激甚災害指定を閣議決定した。公共施設や農地などの復旧事業に対する国の補助率を1割程度引き上げ、早期復旧を支援する。9月17~24日の災害を対象とし、本県では対象自治体は限定しない。 台風15号については、県と静岡市が政府に早期指定を要望していた。補助率引き上げは河川、道路、下水道といった公共土木施設や、私立学校、公立社会教育施設、農地や林道などの復旧に適用する。消毒や害虫駆除の感染症予防事業は、市町村の財政負担をなくす。 激甚災害はインフラや農業関係施設の被害が一定水準以上の場合に指定される。 台風15号は、9月
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記者コラム「清流」 モノは言いよう
昨年の熱海土石流に続き、今年9月の台風15号でも捨てられた土砂(残土)の山が各地で崩落した。崩落したのは「盛り土」とよく言われるが、盛り土は宅地造成などを前提に斜面を平らにする開発を指す。実態は造成目的ではなく、処分された「捨て土」だった。急斜面への「捨て土」は土砂災害を招きかねず規制が厳しい。行政は「盛り土」という言葉で問題の本質をゆがめていないだろうか。 台風では静岡市清水区で断水も問題になった。解消時期は当初、市の担当者が「10月初旬」と説明する一方で、田辺信宏市長は「(取水口に)重機が入れば4日程度で何とかできる。最大1週間で何とかしたい」と曖昧だった。 「モノは言いよう」だが、
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台風15号被災農家の支援 勝俣副大臣に要請 JA静岡中央会
JA静岡中央会の松本早巳専務理事は26日、農林水産省に勝俣孝明副大臣(衆院静岡6区)を訪ね、台風15号の農業被害に対する国の災害対策関連事業の早期適用や、被災農業者の経営再建への支援を求めた。 土砂流入や冠水の影響で故障した機械・設備の修理、崩壊したワサビ田などの修繕に使う農道や私道の復旧を要請。国産農畜産物の安定供給の確保に向けた生産基盤の強化や、多発する大規模災害に備えた体制づくりも訴えた。 勝俣氏は「県や市町と連携してきめ細かく対応したい」と応じた。 今月中旬の農水省への緊急支援要請後に判明した農業関連被害の詳細を踏まえ、改めて要請事項をまとめた。 (東京支社・青木功太)
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浸水後の転居など事例紹介 居住支援4団体が活動報告 静岡
NPO法人WAC清水さわやかサービスは25日、高齢者や低所得者など要配慮者の住宅確保問題について考える「居住支援セミナー」(静岡新聞社・静岡放送後援)を静岡市駿河区のグランシップで開いた。居住支援に取り組む県内の4団体が活動状況を報告した。 同市清水区を拠点にするWAC清水さわやかサービスは、台風15号による浸水被害の影響で転居を余儀なくされた被災者への居住地探しなど、直近の活動を発表した。相談者の中には依存症やうつ病といった精神疾患を抱えている人が多いことを指摘。病院が付近にある居住地を提案するなど不安に寄り添うことの重要性を伝えた。 同法人で居住支援の責任者を務める鈴木久義さん(49
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台風15号で崩落 興津川・清水橋に応急組立橋 11月設置着手
国土交通省静岡国道事務所は27日、台風15号で崩落した静岡市清水区清地の興津川に架かる清水橋(長さ55・6メートル)の応急復旧について、一時的な措置として国が所有する「応急組立橋」を同市に貸与すると発表した。市が11月から設置工事に着手する。 応急組立橋は鉄鋼製。河川内に作業場(ヤード)を造り、両岸に橋脚を1本ずつ設置して、組立橋を架ける。完成時期は未定。貸与期間は新たな橋を架設し、本復旧が完了するまで。 台風15号による豪雨では興津川が増水し、清水橋は橋脚ごと流された。11世帯31人が一時孤立した。 市は国交省緊急災害対策派遣隊「TEC-FORCE」の支援を得て応急復旧の方法を検討し
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台風被災者支援 鈴与1500万円寄付 静岡県と静岡市に
鈴与グループは25日、台風15号による豪雨災害の被災者支援として、静岡市と県に計1500万円を寄付した。このうち市は1千万円の寄付を受け、災害救助法に基づく応急仮設住宅制度の対象外になっている被災者の追加支援に活用する。 同制度は民間賃貸住宅を借り上げて仮設住宅とみなし、被災者に提供する仕組み。法令上、半壊以上が制度対象になる。床上浸水の被害に遭い、居住が困難な場合であっても、住宅の損傷具合によっては制度の対象外になるため、救済を求める声が上がっていた。 市役所静岡庁舎で行われた寄付金の贈呈式では、鈴与の高橋明彦副社長が田辺信宏市長に目録を手渡し「被災者の生活立て直しのために役立ててほし
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子育ての安全、決議採択 関東地方知事会議 国に11件の要望も
10都県の知事らが参加する関東地方知事会議が26日、静岡市清水区で開かれた。国への要望や提案を協議し、11件の要望提出を決めた。牧之原市の認定こども園で通園バスに園児が取り残されて死亡した事件を受け、子どもの安全管理徹底に連携して取り組むとの決議も採択した。 決議は、事件の再発防止に向け「国や市町村と連携・協力し、教育・保育施設における安全管理徹底に向けて断固とした決意で全力で取り組み、安全安心な子育て環境を確保する」との内容。提案した川勝平太知事は「波紋は全国に広がり、多くの方に心配を掛けている。関東知事会から安心安全への強いメッセージを発信したい」と理由を述べた。 国への要望は、地方
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災害土砂仮置き場拡張 静岡市清水区の2地区 計9万平方メートル
静岡県は26日、台風15号による記録的豪雨で発生した災害土砂について、静岡市清水区の清水港貝島、新興津両地区で計約9万平方メートルの仮置き場を提供すると発表した。大量の土砂の処分が課題となる中、災害復旧を後押しする。 内訳は中部電力社有地を借り受けた貝島地区が約8万平方メートル、新興津地区は約1万平方メートル。新興津は9月25日から土砂の受け入れを開始していて、当初の約3千平方メートルから拡張した。 仮置きした土砂は木くずなどを取り除く分別作業を実施。地元と調整した上で、土壌分析調査で安全性が確認されれば貝島地区で実施している埋め立て事業への活用を検討する。
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第三者委による検証 11月開始 浜松市天竜区の土砂崩れ
浜松市の鈴木康友市長は26日の定例記者会見で、天竜区緑恵台で発生した土砂崩落の第三者委員会による検証を11月中旬から始めると明らかにした。崩落の原因を探る技術的分野と、市の対応に落ち度がなかったかを探る行政対応分野の二つの委員会を設け、責任の所在について調べる。 技術的分野は技術学識者2人、行政対応分野は弁護士や学識者ら5人で構成する。市の庁内検討会が技術学識者のチェックを受けながら崩落原因の調査報告書をまとめ、報告を基に市の対応が妥当だったかを第三者の視点で精査する。 前提として、崩落した無届けの盛り土を誰がどのように形成したかを解明する必要がある。ただ、土地所有者は健康上の問題から会
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台風15号 罹災証明の申請手続きを無料支援 静岡県行政書士会
静岡県行政書士会は台風15号の被災者を対象に、罹災(りさい)証明書の交付申請を無料で支援している。 災害救助法が適用された地域が対象。行政書士が移動交通手段の無い高齢者をはじめ、療養している被災者などの罹災証明書の交付申請手続きを支援し、生活再建への相談に応じる。 静岡市の被災者支援窓口とも連携し、市内の被災者を対象に浸水した車両などの廃車手続きサポートも行う。税制免除や相談窓口を案内する。問い合わせは同会<電054(254)3003>へ。
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農業基盤強化へ予算確保を要望 農水副大臣に静岡県土改連
静岡県土地改良事業団体連合会の伊東真英会長らが26日、農林水産省で勝俣孝明副大臣(衆院静岡6区)と面会し、県内の農業生産現場の基盤強化や農村地域の国土強靱(きょうじん)化に向けた予算の確保を要望した。 基幹農業水利施設の着実な更新整備と長寿命化対策、運営体制が脆弱(ぜいじゃく)な土地改良区への支援の充実なども求めた。 伊東会長は、台風15号被害からの施設復旧にも触れ「形だけ同じにするのではなく、しっかりと使い続けられるようにしなければならない」と訴えた。 勝俣氏は、施策を通じて「若い農業者が、やる気を持って従事できるようにしていきたい」と応じた。自民党の塩谷立氏(衆院比例東海)が同席し
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被災在宅高齢者支援へ情報共有 静岡市と介護団体
台風15号による大雨で浸水、土砂災害が発生した静岡市清水区のはーとぴあ清水で26日、被災した要介護・要支援の在宅高齢者の情報を共有し対応を検討しようと市と介護関連団体や災害ボランティアなどが集まった「在宅高齢者支援共有会議」が初開催された。 清水介護保険事業所連絡会や市ケアマネット協会、市福祉総務課、同介護保険課などが参加した。被災者が避難所に集まらず自宅で過ごしている今回の災害では、在宅高齢者の現状が見えづらく、リスクの高い状態で放置され二次被害が発生する恐れがあるとして企画した。 会議では在宅高齢者が住宅の浸水箇所を片付けきれずに床板が腐敗するなどの被害や、2階に居住空間を移し急な階
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事業存廃に関わる問題 台風15号被害 全線復旧めど立たず 鈴木肇・大井川鉄道社長【聞きたい】
9月の台風15号により大きな被害を受け、現在も本線の運休が続く。12月の金谷-家山間の運転再開と「きかんしゃトーマス号」運転に向け復旧工事を急ぐが、全線開通のめどは立っていない。新型コロナウイルスの影響による観光事業の落ち込みに続く災害で、長期的な影響が懸念される。 ―被害状況と復旧のめどは。 「本線で20カ所、井川線で26カ所と過去にない大きな被害を受けた。井川線は22日に全線開通したが、本線は採石場跡地からの大量の土砂で埋まった神尾-福用間をはじめ、影響が大きい。収入が絶たれる中、まずは全線にこだわらず鉄道を動かすことが最優先だ。家山駅までのトーマス号運転は以前も経験していて、十分収
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学生服のやまだ 被災生徒に制服寄贈 静岡市教委が感謝状
静岡市教委はこのほど、台風15号で被災し制服を汚損した生徒に代わりの学生服を寄贈したとして“学生服のやまだ”として知られる制服販売「やまだ」(山田進社長)に感謝状を贈った。 同社はこれまでも火事などで制服を失った生徒への無償提供の取り組みを続けており、今回は市教委が調査し被害が判明した同市清水区の中高生3人に制服を提供した。各校でサイズを測り、同社の備蓄から適合する物を集めたことで迅速な支援を実現した。 市役所清水庁舎で開かれた贈呈式で赤堀文宣教育長が「これからを不安に思う生徒を助けてもらった。子どもらに代わってお礼したい」と話し、山田社長は「万が一また被害があれ
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大井川鉄道 公的支援を要請 台風で運休、沿線自治体に
台風15号の被害により9月から本線が運休中の大井川鉄道(島田市)の鈴木肇社長は25日までに静岡新聞社のインタビューに応じ、金谷-千頭間の全線復旧のめどが立たず、沿線自治体などに公的支援を求めていることを明らかにした。観光事業の大幅な収入減を受けて「災害復旧だけでなく、鉄道そのものの存続に向けた支援の枠組みが必要」との認識を示した。 鈴木社長は新型コロナウイルスの影響で旅客数が激減した2020年以降の経営悪化に触れ「体力が落ちている中での被害で、本来独自に対応してきた災害復旧が難しくなってきている」と述べた。12月に予定する金谷-家山間の部分開通による観光客の受け入れ再開を最優先で進めるとし
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磐田市がタクシー助成券を交付 台風15号被災者の移動支援
磐田市は25日、9月の台風15号で自家用車が被災した市民を対象に、タクシー助成券の交付を始めた。通勤や買い物、通院などの移動手段確保を支援し、被災者の生活再建につなげる。 台風15号では、多くの車が浸水や土砂崩れに巻き込まれ、廃車や修理が必要になった。買い替えようとしても納車まで時間がかかったり、修理に出しても代車が不足していたりする状況のため、市は市内の各タクシー会社の協力を得て独自の支援策を打ち出した。 助成券は1世帯当たり1万円分(200円券50枚つづり)を交付する。市のデマンド型乗合タクシーでも利用できる。事前に自家用車(乗用車、オートバイ、原付など)の被災証明書の申請が必要。利
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静岡、浜松両市に仙台市が各300万円 台風15号見舞金
仙台市東京事務所の大上喜裕所長が25日、都内の浜松市東京事務所を訪れ、斉田一朗所長と静岡市東京事務所の小島憲之所長に台風15号被害への見舞金の目録を届けた。寄贈額は各300万円。 仙台市は東日本大震災の際、浜松、静岡両市から見舞金や職員派遣を受けた。大上所長は「当時は非常にありがたかった。復旧に役立ててほしい」と伝えた。斉田、小島両所長は「被災者を勇気づけるために使いたい」と感謝した。 見舞金は被害状況に応じて、被災者に配分されるという。
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台風15号 浸水被害小学校に体育マット寄贈 磐田法人会青年部会
磐田法人会青年部会(畑中貴博部会長)は25日、台風15号で浸水被害を受けた磐田市立豊岡北小に、走り高跳びなどで使う大型マットを寄贈した。畑中部会長ら5人が同校を訪れ、矢島一彦校長に目録を手渡した。 同校は、台風15号で校舎や体育館が床上浸水し、マットなどの備品が水没して使えなくなった。同部会は税に関する出前教室を年1回開くなど、交流があった同校の窮状を知り、寄贈を決めた。会員がウオーキングに取り組み、歩数の合計に応じた金額を地域貢献に活用する「健康経営プロジェクト」などの予算を購入費に充てた。 畑中部会長は「児童が一日でも早く元通りの学校生活に戻れるようにサポートしたい」と話した。矢島校
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農地被害復旧など市長に要望書提出 袋井市農業委
袋井市農業委員会はこのほど、台風15号による農地の災害復旧や今後の農地基盤整備に関する要望書を、大場規之市長に提出した。予算措置や補助制度の新設といった対応を求めた。 市内各地で農作物や施設などが被害を受けたとして、被災農家が営農再開できるよう支援の実施を要望した。農地の集積・集約化に向けた農業基盤整備などに対する支援要請も盛り込んだ。 市農政課によると、台風15号の接近に伴う土砂災害で被災した農園、農道などは40件超。水害の被害を受けた農家は25件を数える。北部地域を中心に被害が広がったという。 市役所を訪れた永田勝美会長は「意欲ある農業者のため、復旧に力を入れてほしい」とあいさつ。
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台風被災者の“足”不足深刻 レンタカー予約200件超 使わない車の寄付募る
台風15号で車を失った被災者らを支援するため、日本カーシェアリング協会(宮城県石巻市)が11日から、静岡市葵区を拠点に車を無償で貸し出したところ、10日間で予約は200件を超えた。車不足が深刻化していて、同協会は使わなくなった車の寄付を呼びかけている。 災害ごみの搬出などに使われる軽トラックの短期貸し出しの需要は落ち着き、現状では乗用車の長期貸し出しの予約が9割ほどを占める。今回の件数は九州5県で災害関連死を含め79人が死亡した2020年7月の豪雨に匹敵する規模という。他所で使い終えた車を急いで静岡市に集めているが、県内で扱える分は70台ほどで、提供が追い付いていない。 新型コロナウイル
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記者コラム「清流」 奪われた地域のシンボル
袋井市の中心部を流れる原野谷川に小さな歩道橋が架かっていた。名前は岡野橋。水位が上がると本体が漬かることからもぐり橋の愛称で知られ、生活道路としてだけでなく地域のシンボルとして長年親しまれてきた。 同市が舞台の映画「明日にかける橋 1989年の想い出」では、走って渡ると願い事がかなう明日橋(あしたばし)の名で登場。主人公が渡って過去にタイムスリップする場面が描かれた。 その岡野橋が台風15号で流失した。翌日の現場には大勢の人が訪れ、ショックの大きさが伝わってきた。台風はシンボルを奪っただけでなく、市民生活にも大きな爪痕を残した。亡くなった方もいる。もしも、明日橋があれば-。そう思わずには
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台風15号被災市民にオンラインカウンセリング 磐田市が「cotree(コトリー)」と連携協定
磐田市は24日、ITを活用したメンタルヘルスケア事業を手がける東京都の「cotree(コトリー)」と連携協定を結んだ。同社は25日、台風15号で被災した市民を対象にオンラインカウンセリングを始める。標準的な1回の相談料が無料になるよう、5500円分のクーポンを先着100人に提供する。 18歳以上の市民を対象に、今後の生活への不安や悩みなどの相談を受け付ける。専用サイトで会員登録とクーポンの受け取り、事前予約を行い、ビデオ会議アプリ「Zoom」でカウンセリングを受けてもらう。相談料はカウンセラーごとに異なり、クーポンとの差額は自己負担となる。 市役所で開かれた締結式で、西岡恵子社長と草地
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台風15号の災害復旧事業費 9億3000万円専決処分 掛川市
掛川市は24日までに、台風15号に関連する災害復旧事業費として9億3千万円を追加する補正予算を専決処分した。同日の市議会全員協議会で報告した。 専決処分は17日付。土砂崩れで損壊した家屋の解体や、ならここの里キャンプ場(同市居尻)の土砂撤去、市指定文化財「松ケ岡(旧山崎家住宅)」の土蔵壁の修繕などに充てる。
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熱海市の職員2人、生活再建相談に対応 台風被災地静岡支援報告
台風15号に伴う大雨で甚大な被害が出た静岡市に派遣され、被災者支援に取り組んだ熱海市職員2人が24日、斉藤栄市長に活動内容を報告した。 派遣されたのは、長寿介護課の谷口圭一郎主査と逸見洋一郎主幹。谷口主査は13~17日、逸見主幹は18~21日に被災者の生活再建に関する相談対応などに当たった。 昨年7月の伊豆山の土石流災害で静岡市から受けた支援の恩返しをしたいとの思いで派遣に立候補したという2人。谷口主査は「熱海で培ったネットワークが役に立った」、逸見主幹は「日頃から職員同士で情報を共有することの大切さを再認識した」と振り返った。 2人にねぎらいの言葉をかけた斉藤市長は「災害時のノウハウ
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災害ごみ123トン処理施設搬入 中遠広域事務組合
磐田、袋井、森の3市町でつくる中遠広域事務組合は24日の組合議会全員協議会で、粗大ごみ処理施設(磐田市新貝)に18日までに台風15号の災害ごみ約123トンが搬入されたと明らかにした。 施設では11月30日まで、各市町が発行する罹災(りさい)証明書がなくても、住居地域を確認した上で不燃ごみやがれきを無料で受け入れている。通常の開場は平日のみだが、10月1、2、10日の3日間は臨時で災害ごみの受け入れを行った。 一般廃棄物最終処分場(森町一宮)に搬入している埋め立てごみ処理の民間委託化については、2024年12月までに委託先選定の基本方針を決める意向を示した。
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静岡市、要支援者の被災把握進まず 災害関連死に懸念「寄り添った支援を」 台風15号1カ月
台風15号による被災から23日で1カ月が経過したが、3800件超が床上浸水した静岡市では高齢者、障害者世帯といった要支援者や生活困窮世帯について、行政による被災状況の実態と支援ニーズの把握が進んでいない。関係者は健康悪化による災害関連死の危険性を懸念する声もあり、被災者個々の悩みや生活課題に寄り添った支援が求められる。 「この先、何とか生活していければいいけれど」。1人暮らしの60代の女性=同市清水区=は23日、畳を剝がして床板がむき出しなった部屋を見て不安を口にした。自宅1階は床上80センチの高さまで浸水。給湯器は壊れ、他の部屋も片付いていない。ボランティア団体の支援で約1週間前に段ボ
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コトリ-・西岡恵子社長(磐田南高出身) 25日から無料オンラインカウンセリング 台風被災の磐田市民に
ITを活用したメンタルヘルスケア事業を手がける東京都のスタートアップ企業「cotree(コトリー)」が25日、9月の台風15号で被災した磐田市民の心のケアにつなげようと、無料のオンラインカウンセリングを始める。磐田南高卒業生の西岡恵子社長(31)=浜松市東区出身=が「磐田は第二の故郷。恩返しをしたい」と企画した。 磐田市では、建物の浸水被害が773件に上り、土砂崩れも相次いだ。自宅の片付けがいまだに終わらない被災者もいるなど、復旧は道半ば。「自分たちにできることで、被災者の皆さんが日常を取り戻すバックアップがしたい」。西岡社長は9月末、面会した草地博昭市長から「市民の精神的ケアに取り組みた
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小学生が台風被災地を清掃 静岡・清水区西里 課外活動の縁で
静岡市清水区で放課後デイサービスを手がけるトロフィーアップ不二見は22日、台風15号による大雨の影響で被害を受けた同区西里で小学生による清掃活動を実施した。 西里を含む両河内地区で、放課後デイサービスを利用する児童が月1回の課外活動を続けてきた縁で企画した。区内の児童約20人と職員がスコップなどを手に集まり、水を掛けて車道を覆う土を路肩へとかき出して除去した。児童らは車道を往来する乗用車に注意しながら清掃活動に汗を流した。
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災害ごみ片付け長期化の見込み 静岡市、仮置き場解消「年度内にできれば」 台風15号1カ月
台風15号から23日で1カ月を迎えたが、住宅など約3800棟に床上浸水の被害があった静岡市では、2万トンと推計される災害ごみの処理が長期化しそうだ。住宅地の公園など約60カ所に設けられた臨時集積所は13日までに全て解消されたものの、運び手がいない高齢者宅などにはまだごみの片付けが終わっていない家庭もある。清水区の2カ所に設けられた大規模仮置き場には今も連日、ごみが運び込まれていて、市は「年度内に解消できれば」と苦慮している。 市は14~18日、名古屋、横浜、富士、沼津など県内外12市区からの応援を得て、被災者宅から災害ごみを戸別回収する「ローラー作戦」を実施。発災直後に公園や歩道上に積み上
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⚽静岡ダービーで台風復興を応援 アイスタに静岡新聞SBSブース
静岡新聞社・静岡放送は22日、サッカーJリーグ1部(J1)清水エスパルス-ジュビロ磐田の「静岡ダービー」が開催されたIAIスタジアム日本平(静岡市清水区)に特設ブースを設け、9月の台風15号で被害を受けた方々への応援メッセージを募った。 来場者は「乗りこえよう!静岡」「一歩ずつ前へ」など思い思いの言葉で復興を後押しした。清水の選手からも「前を向いて共に戦いましょう」(松岡大起選手)などのコメントが寄せられた。 清水町から両親と訪れた清水サポーターの鈴木湧君(町清水小5年)、快君(同1年)兄弟は「台風にも試合にも勝つ」「みんなでがんばろう」と力強く書き、ダービーの勝利とJ1残留も願った。
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自助・共助を見直す契機に 孤立解消、道復旧へ住民団結/耐震性貯水槽、活用して給水 台風15号
静岡県内の広範囲に被害をもたらした台風15号から23日で1カ月。各地で復旧が進むが、山間地では道路の通行止めが続き、災害ごみの処理も途上だ。被害状況の把握など行政の初動対応の課題が浮かび上がった一方、孤立した山間地や大規模断水が起きた静岡市清水区では、住民が自力で復旧や断水対応に当たった地域もあった。災害への備えなどの自助・共助の重要性を再認識する機会となった。 「住民の力でここまでできると思っていなかった。感動した」。島田市川根町笹間地区の元川寛治自治会長(70)は19日、集落につながる日向上橋のたもとを見つめ、発災後を振り返った。 豪雨で橋の付近の道路が陥没し、約150世帯約300人
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社説(10月23日)台風15号1カ月 防災先進県 名ばかりか
静岡県内に記録的豪雨を降らせた台風15号による災害から23日で1カ月となる。多くの場所で復旧が進んだが、まだ時間がかかりそうな場所もある。関係機関には、誰もが被災前の日常を取り戻すことができるよう、全力を挙げて取り組んでもらいたい。 県や静岡市の一連の災害対応を振り返ると、不安を感じざるを得ない。清水区では最大6万3千世帯で最長13日間にわたる断水が発生し、市内で近年にない災害となった。ところが、自衛隊の派遣要請が遅れたと指摘されたほか、県と静岡市の連携のまずさも露呈するなど、さまざまな課題が噴き出した。 静岡県はこれまで「防災先進県」と自負してきた。実態はとても胸を張れる状態ではない。
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「住民の会」発足目指し議論 台風15号被害の磐田・豊岡地区
台風15号による敷地川の決壊で被害を受けた磐田市豊岡地区の6自治会の住民らが22日、「敷地川の水害から命と生活を守る会(仮称)」の発足を目指し、活動内容の確認を同市敷地の豊岡東交流センターで行った。 本間正幸さん(68)を中心に住民の代表6人が参加し、会の趣旨や方針などを議論した。各地域住民の同意が得られたら、11月上旬にも発足する。 敷地川の堤防は約80メートルにわたって決壊し、周辺の民家や田畑が浸水被害に見舞われた。同会は県や市などの関係者を交えた会合を開き、河川の改修などの要望を行うことを予定する。
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市民への情報発信課題 給水支援で現場混乱 地域と市、連携不足【検証 清水区断水㊦】
完全復旧まで13日間を要した静岡市清水区の大規模断水。区内8割が単一水源に頼るリスクを直撃した格好で、「別水源も模索すべきでは」との声も聞かれる。断水中の給水支援は、大混乱を招いた。 断水発生当日の9月24日午後8時ごろ、臨時給水所が設置された三保生涯学習交流館には約300人が詰めかけ渋滞が発生した。車数十台が周辺道路を埋め、地域住民から「車にふさがれて家から出られない」と苦情が上がり、移動を求める清水署員に対して「駐車違反で切符を切った」とのデマが会員制交流サイト(SNS)で拡散した。 谷津浄水場から遠い三保地区は最初期に断水が発生。同館は市が午後1時にホームページ上で発表した臨時給水
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静岡県内の浸水害9435件に 一部道路通行止め続く 台風15号から1カ月、被害状況まとめ
静岡県内で広範囲の被害をもたらした台風15号から1カ月となるのを前に、県は21日、同日時点の被害状況を発表した。浸水害は静岡市や浜松市などから新たな報告があり、県内全体で9435件に上っている。浸水の程度によっては、応急仮設住宅に入居できない被災者もいる。一部の道路では通行止めが現在も続き、生活再建の道のりはいまだ険しい。 県のまとめで、浸水害は15市町で確認されている。最も多く発生している静岡市は21日現在、床上浸水が3812件、床下浸水が1394件。市によると、被害認定調査では、浸水面積や浸水の深さに応じ、床上浸水の半数以上が半壊の認定も受けた。浜松市は床上が472件、床下が1470件
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12月補正予算 台風対応盛る 静岡県、編成要領を通知
静岡県は21日、2022年度12月補正予算の編成要領を各部局に通知した。補正予算案は11月中に取りまとめ、県議会12月定例会に提出する。 県内に大きな被害をもたらした台風15号災害に対応するための経費のほか、物価高騰対策などを12月補正予算に盛り込むことにし、各部局に予算調整案の提出を求めた。 台風15号災害については、国の激甚災害に指定される見通しで、対象となる経費で国の補助率が引き上げられる。物価高騰対策については、政府が9月に閣議決定した県の地方交付税の交付限度額86億円の一部が活用される見通しだ。
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豪雨関連追加予算 専決処分など承認 森町議会臨時会
森町議会は21日、臨時会を開き、1億5800万円を追加する本年度一般会計補正予算案や、先月の台風15号の接近に伴う豪雨災害に関する事業費2億6700万円を追加した同予算の専決処分など8議案を原案通り可決、承認した。 予算案には、災害復旧費として町道や林道の路肩崩壊、土砂流出に対応する崩土除去等作業手数料など1億2100万円を計上した。被災した飲料水供給施設の復旧支援に向けた飲料水供給施設整備費補助金1千万円や、町商工会が実施するプレミアム商品券発行事業への補助金2600万円も盛り込んだ。補正後の総額は102億6400万円。
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安倍川水位20センチ低下 国交省有識者委、河道掘削の成果報告
国土交通省静岡河川事務所は21日、有識者らが河川改修事業の進捗(しんちょく)状況をチェックする安倍川水系流域委員会の本年度初会合を静岡市葵区の同事務所で開いた。2021年度に安倍川下流の河道を掘削した結果、水位が約20センチ低下したことなどが報告された。 河道掘削は洪水のリスク低下が目的。安倍川河口付近から、約4キロ上流の安倍川橋付近までの4カ所で実施した。9月下旬の台風15号の際に同橋付近で水位を観測し、掘削しなかった場合と比較すると約20センチの水位低下が推定されたという。 葵区慈悲尾、桜町では護岸ブロックなどが川の流れで徐々に浸食されないよう、前面に直径60~70センチの石を積み上
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台風被害復旧へ3職員 焼津市が静岡市へ派遣
焼津市は24日から台風15号に伴う大雨の被害を受けた静岡市の復旧支援のため、職員3人を派遣する。被災した家屋の被害認定調査や被災届出証明書の受け付け事務を担う。 派遣するのは総務課法規文書担当の主任主査、課税課家屋担当の主事、子育て支援課子育て政策担当の主任主事。県などから派遣要請を受けた。期間は30日まで。 21日には市役所で派遣職員の激励会が行われた。下山晃司副市長は静岡市の被災状況を伝え、「被災者の助けになってほしい」と話した。
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県道磐田天竜線 4週間ぶり開通 台風15号で土砂崩れ被害
台風15号による豪雨で大規模な土砂崩れが発生し、通行止めが続いていた磐田市神増、平松の県道磐田天竜線が21日、4週間ぶりに開通した。周辺では、土砂で損壊した建物が残されるなど、復旧作業がいまだに続く。「ようやく復旧が一歩進んだ」。住民らは通行止めの解除に安堵(あんど)しつつ、行政に今後の土砂災害対策を求めた。 県道沿いでは9月23日深夜から24日未明にかけて、複数箇所で土砂崩れが発生し、神増地区では350メートル、平松地区では500メートルにわたって通行止めになった。県は土砂の撤去を進めるとともに、道路脇に二次災害を防ぐ応急措置として大型土のうを設置する工事を進めてきた。 同県道は1日約
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浸水後は乾燥、消毒の徹底を 台風被害受け浜松市東区で防災講座
浜松市社会福祉協議会浜松地区センター東区事務所は20日夜、台風15号に伴う大雨で床上・床下浸水の被害を受けた後の対応を紹介する防災講座を東区の下石田町公会堂で開いた。被害の多かった安間川流域の自治会関係者や住民ら約30人が住宅の浸水場所の乾燥や消毒など、傷みを最小限に抑える方法を学んだ。 同市の災害支援団体「はままつナネット」の建築士鈴木三雄さんが講師を務めた。過去に支援した被災地の浸水家屋の写真を紹介しながら、床下や壁材の確認や取り換えを呼びかけた。乾燥は「最低1カ月以上はかけて十分にしてほしい」と強調した。浸水しやすい地域の住民には点検口の設置検討も勧めた。 県弁護士会災害対策委員会
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梅ケ島の魅力、チラシで 地元中学生 新静岡駅で配布
静岡市葵区の梅ケ島小中の中学生7人が20日、梅ケ島地区の誘客活動を静岡鉄道新静岡駅で行った。同地区で30日に開かれるイベント「温泉郷まつり」の情報や、学校の課外活動の成果をまとめたチラシを配布した。 地域の魅力や伝統文化を学ぶ総合的学習の一環。生徒は梅ケ島地区の観光資源について理解を深めたほか、校内で模擬会社を設立し、役職を分担しながら地元特産のワサビやウメの生産加工にも取り組んできた。 温泉郷まつりでは、加工したわさび漬けなどを販売する予定。生徒は「梅ケ島に来てください」と呼びかけながら駅利用者らに約千枚のチラシを配った。 2年の秋山瑳希さん(14)は「台風15号の被害で地域の雰囲気
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大井川鉄道・井川線22日再開 本線は運休続く
大井川鉄道(本社・島田市)は20日、台風15号の被害により一部運休していた井川線を22日から全線で運転再開すると発表した。 井川線は土砂崩れなどの影響で9月24日から全線運休し、10月8日からは千頭-接岨峡温泉間で折り返し運転を行っていた。 本線の金谷-千頭間は島田市福用の採石場跡地から大量の土砂が流れ込むなどし、全線で運休が続く。12月上旬の金谷-家山間の運転再開を目指して復旧作業が進められている。
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求められる取水源議論 布沢川ダム建設中止 結論出ぬまま利水放置【検証 清水区断水㊥】
静岡市清水区吉原の山中に、渡りきった先が行き止まりの工事用橋梁(きょうりょう)がある。今は富士山の眺望スポットとして交流サイト(SNS)で人気を集めるこの橋。かつて同区の生活貯水池として整備が進められた「布沢川ダム」の建設予定地に延びるはずだった。2011年に進捗(しんちょく)率37%だったダムは、当時の民主党政権が掲げた「コンクリートから人へ」の流れの中で、県内で唯一中止となった。 「水道事業者である市において、本検討結果も踏まえつつ、さらに検討して決定する」―。建設中止を決定後の12年12月に県が公表した「検証に係る検討報告書」。最終161ページの「中止に伴う事後措置」にはそう記載があ
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静岡市の応急仮設住宅、床上浸水でも支援外 半壊未満は支援受けられず
台風15号で3700件超が床上浸水した静岡市が、被災者の住宅支援として運用を始めた「応急仮設住宅」。被災者は仮設住宅と見なされたアパートなどに一定期間住むことができる。ただ、床上浸水となっても、損害の程度によっては支援を受けられないケースが生じ、災害救助法に基づく支援制度の隙間が表面化している。県内では独自制度で救済する自治体もあり、被災者支援の現場からは、より柔軟な対応を求める声が上がる。 「民間住宅が借りられるのはありがたいが、自分は対象になるのか」。静岡市清水区鳥坂の50代会社員深田晴久さんは複雑な表情を浮かべる。アパート1階の自宅が床上浸水し、ベランダの手すりに立ったまま一夜を明
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県罹災証明 72%交付済み 台風15号
台風15号による建物の損壊を証明し、被災者が公的支援を受けるのに必要な罹災(りさい)証明書について、静岡県内での発行数は18日時点で4811件となった。申請数6626件の72%に相当する。20日までの県への取材で分かった。危機政策課の担当者は「発行は順調に進んでいる」との認識を示した。 国の指針では発災1カ月をめどに現地調査を終えることが示されている。台風15号被害に関し、県内では18日時点で80%以上が調査を終えているという。 罹災証明書は県内14自治体が発行し、このうち、申請数が1~3件の吉田町、川根本町、菊川市の3市町は同日までに100%発行済み。焼津(申請数300件)、藤枝(同2
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台風15号復旧 国民民主、首相に要望 中小事業者、大鉄など支援
国民民主党は20日、県内に甚大な被害をもたらした台風15号に関し、早期復旧など9項目を政府に要望した。 被災した中小零細事業者の支援として、小規模事業者持続化補助金の台風枠を追加公募するよう訴えた。バスで代行輸送をしている大井川鉄道に対し、全面復旧や雇用安定の支援をするよう要請。不適切な盛り土による災害を防ぐための取り組み強化も盛り込んだ。 玉木雄一郎代表と榛葉賀津也幹事長(参院静岡選挙区)、田中健氏(衆院比例東海)が国会内で岸田文雄首相と面会し、文書を手渡した。首相は「しっかりやらなければならない」と応じたという。 政府が月内に策定する総合経済対策についても意見交換し、玉木氏は同党が
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建設発生土 「欲しい現場」に融通、処分量抑制へ 静岡県がマッチングシステム
静岡県は工事現場などで生じた建設発生土の利活用を図る独自のマッチングシステムを開発し、運用を始めた。「土砂が出る現場」から「土砂が欲しい現場」へ融通する仕組みをつくり、処分量の抑制につなげる。台風15号で大量に発生した土砂の処分や違法な盛り土造成を防ぐ効果も期待されるという。 公共工事、民間工事を問わず、発生する土砂や必要とする土砂の情報を登録、検索できる。スマートフォンやタブレット端末、パソコンから専用サイトにアクセスすると、土砂の搬出を希望する現場と受け入れを希望する現場が地図上に表示される。利用料は無料。 従来、公共工事で生じた建設発生土に関する情報交換は国のシステムなどを活用し
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J1磐田選手会と伊藤選手が寄付 台風被災 市に支援金
サッカーJリーグ1部(J1)ジュビロ磐田選手会と元磐田で日本代表の伊藤洋輝選手(ドイツ・シュツットガルト、磐田ユース出)は20日、台風15号で被災した磐田市に支援金を寄付した。同日、藤田俊哉スポーツダイレクター(SD)と森岡陸選手が市役所を訪れ、草地博昭市長に目録を手渡した。 森岡選手は「少しでも力になれればうれしい」とあいさつ。藤田SDは伊藤選手の思いを伝え「本人がいないのは残念だが、災害が起きてすぐに連絡をくれた。ドイツにいても磐田を思う気持ちがあった」と述べた。 浸水被害を受けた学校の教育備品購入として100万円を寄付した伊藤選手は「僕もまだ夢の途中、苦しいことはたくさんあると思い
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単一水源のリスク直撃 旧市の体制改善されず【検証 清水区断水㊤】
台風15号が猛威を振るった9月23日夜、静岡市清水区の興津川は普段と全く違う様相を見せていた。黄土色の濁流が区内8割の家々の飲用水を担う承元寺取水口を襲った。 「取水できていない」。委託業者が計測機器の異常値に気付いたのは翌24日午前2時半。取水口の詰まりが確認できたのは同5時40分だった。同日午後には復旧の見通しが全くないまま、深刻な断水に見舞われた。 取水口は1日7万立方メートルを取水。安倍川水系からの「北部ルート」と「南部ルート」、さらには区内三つの井戸を加えても3万立方メートル前後で、上積みが求められていた。 市上下水道局内で「富士川水系の工業用水を利用できないか」と声が上がっ
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記者コラム「清流」 防災訓練「参加」に主眼を
静岡県内に大きな被害をもたらした台風15号―。9月には、「防災の日」に合わせ3年ぶりに総合防災訓練が各地で行われたが、沼津市の自治会の担当者によると、この2年の新型コロナウイルス感染拡大の影響で住民の参加意識が著しく落ち込んでいるという。 同市金岡地区の訓練を取材した。駿東伊豆消防本部沼津北署員が倒壊家屋から逃げ遅れた人を救出する訓練や、水難事故を想定してドローンを使った浮輪投下訓練など、イベント色が強いものだった。取材そっちのけで見入ってしまう内容だった。 無味乾燥な避難訓練では意味がない。「with(ウィズ)コロナ」になり、改めて防災意識の醸成が急務だろう。まずは「参加」に主眼を置き
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トーマス号 運行区間を一部変更 台風15号被害の大井川鉄道
大井川鉄道(本社・島田市)は19日、年末年始に本線を運行する蒸気機関車(SL)の「きかんしゃトーマス号」について、台風15号の被害により運行区間を新金谷―家山間に変更すると発表した。同区間を1日に2往復する。 線路に土砂流入が相次ぎ、19日現在も本線(金谷―千頭)は全線で運休しているが、12月上旬をめどに金谷―家山の一部区間で復旧の見通しが立ったという。トーマス号は当初、新金谷―千頭間を運行する予定だった。 運行は12月16~19日、12月23日~2023年1月3日、1月6~9日の計20日間で変更はない。井川線の「きかんしゃトビー号」は同日程で予定通り千頭―奥泉間を1日に3往復する。問い
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台風15号土砂 清水港埋め立てに活用へ 静岡市方針
静岡市は19日、台風15号による記録的豪雨の影響で発生した災害土砂を、県が清水港貝島地区で実施している埋め立て事業に活用する方向で調整に入ったと発表した。隣接する中部電力の社有地に災害土砂の1次仮置き場を設ける。 市技術政策課によると、台風15号の災害土砂は市内の道路と河川に堆積した分だけで計40万立方メートルを超えると推計される。最終処分先の確保が難航する中、県の広域支援を得る体制を整える。 県は清水港の航路の妨げになる海底の土砂を貝島地区に運び、埋め立てている。市の災害土砂については、木くずなどを取り除き、土壌調査で安全性が確認されれば、埋め立て処分に「前向きに応じる」(港湾整備課)
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ホタル舞う川もう一度 島田・川根町抜里で復旧作業 台風15号被害
島田市川根町抜里(ぬくり)でホタルの生息地として地元住民が守ってきた上手川や川沿いの農業用水路が、9月の台風15号による土砂の流出で壊滅的な被害を受けた。「子どもたちに再びホタルを見せてあげたい」。同市のNPO法人「クロスメディアしまだ」の呼びかけで集まったボランティアや地元住民らが、かつての美しい水辺空間を取り戻すための復旧作業に励んでいる。 ホタル生息地は地元の環境保全団体「抜里エコポリス」が約15年前から整備してきた。幼虫を放流し、水路の一部に餌のカワニナを育てるプールを設け、ことし6月にも鑑賞会を開いた。ただ、今回の台風で農業用水路の多くが土砂で埋まったほか、上手川も一部水路が流木
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台風被災の県道磐田天竜線 21日、通行止めを解除 4週間ぶり
磐田市は18日、台風15号の影響で土砂崩れが発生し、通行止めとなっている磐田市平松、神増の県道磐田天竜線について、21日午後3時に通行止めを全面解除すると発表した。開通は4週間ぶり。 現場は複数箇所で土砂崩れが発生し、大量の土砂や流木が道をふさいだ。18日現在、路面が見えるまでに土砂が取り除かれたが、平松地区では約500メートル、神増地区では約350メートルにわたって通行止めが続いている。 県袋井土木事務所によると、山肌がむき出しになっている箇所がある神増地区では同日、大型土のうを道路脇に設置し、二次被害を防ぐ対策を講じた。平松地区では側溝にたまった土砂の撤去などを行い、開通に向けて準備
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台風15号被害 早期復旧を 太田川流域4市町 川勝知事に要望
袋井、磐田、掛川、森の4市町でつくる「太田川原野谷川治水水防組合」は18日、台風15号に伴う被害の早期復旧や治水対策促進を求める緊急要望書を静岡県に提出した。 2級河川の太田川水系では、流域の3河川で護岸崩壊や橋が崩落し、床上床下浸水は計728世帯(5日現在)に上った。 要望書では、県管理河川の点検や災害復旧事業の早期着手、河床の浚渫(しゅんせつ)、市町への技術的な支援を求めた。監視カメラや水位計測器の増設による情報発信の仕組み作りも訴えた。磐田市は県道や2河川の復旧促進を要求した。 4市町長が県庁を訪れ、川勝平太知事に要望書を手渡した。大場規之袋井市長は「中東遠の地域で大きな被害が出
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被災者の住宅確保 静岡市長に要望 公明党市議会
静岡市議会会派の公明党市議会は18日、台風15号の被災者支援に関する申し入れ書を、市役所静岡庁舎で田辺信宏市長に提出した。被災者の住宅確保や災害弱者への配慮など6項目を求めた。 県による民間借り上げ住宅の入居要件に、長期にわたり自宅に居住できないと市町村長が認める人を追加すべきと県に働きかけるよう求めた。借り上げ型応急住宅の入居対象にならない半壊未満の世帯に対し、家賃補助制度の確立も要望した。 山本彰彦代表らは田辺市長に申し入れ書を手渡し「生活支援は道半ば。支援が行き届かない市民がいないように対応を」などと述べた。高齢者や障害者、自治会に未加入の被災者を支援する体制構築の必要性も訴えた。
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台風14、15号を激甚指定 政府、復旧補助引き上げ
谷公一防災担当相は18日の閣議後会見で、本県に甚大な被害をもたらした台風14、15号による豪雨災害に関して、激甚災害に指定する見込みになったと明らかにした。公共施設や農地などの復旧事業に対する国庫補助率を1割程度引き上げ、早期復旧を支援する。対象自治体は限定しない。 台風15号について県と静岡市が政府に早期指定を要望していた。内閣府によると、被害状況を調査した結果、指定基準に該当したという。近く、閣議で正式決定する。 補助率の引き上げは河川、道路、下水道といった公共土木施設や私立学校、公立社会教育施設、農地や林道などの復旧に適用する。消毒や害虫駆除の感染症予防事業は、市町村の財政負担をな
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スポーツ施設復旧に力 募金活動スタート ベルテックス静岡
バスケットボール男子Bリーグ3部(B3)のベルテックス静岡は、9月の台風15号で被害を受けた公共スポーツ施設の復旧支援を目的とした「ベルテックス静岡スポーツ募金」活動をスタートした。17日は静岡市葵区のJR静岡駅北口地下広場で選手有志が通行人に協力を呼びかけた。 台風15号では、同市の安倍川河川敷スポーツ広場が冠水によりグラウンドの複数箇所が削られたり、西ケ谷総合運動場の野球場とテニスコートが大量の雨水流入により人工芝が隆起したりして使用できなくなっている。 クラブは1日の開幕戦に合わせてサッカーJ1清水エスパルスと協働で同市への災害義援金の募金活動を行ったが、今回は「スポーツで日本一ワ
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台風15号の被害 浜松1945棟で確認
浜松市は17日、9月の台風15号の影響による土砂崩れや浸水で、住宅など計1945棟の被害を同日までに確認したと発表した。 市危機管理課によると、被害の内訳は土砂による全壊2棟、一部損壊が1棟。浸水は床上が472棟、床下が1470棟となっている。市は、各区役所の社会福祉課で罹災(りさい)証明書の申請を受け付けている。
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松井須磨子顕彰 都内講演で募る 台風15号義援金
大正時代に活躍した新劇女優松井須磨子の顕彰講演が15日、東京・神楽坂であり、台風15号で被災した静岡市への義援金を募る活動も行われた。講演を主催した同市駿河区の堀川健仁さん(34)が、協力を呼びかけた。 堀川さんは、須磨子が6歳で入った養家の子孫に当たる。「須磨子の功績を幅広い世代に知ってほしい」と講演を初めて企画し、準備をしていたさなかに台風15号が発生。「少しでもふるさとの力になれれば」と考えた。 会場入り口に置かれた箱に、来場者が善意を寄せた。堀川さんは「東京の人たちにも、これからの静岡の復興に関心を持ってもらうことが大事だと思う」と話した。義援金は市役所に届けるという。 講演で
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住宅修理支援費、申請開始 台風15号 静岡市
静岡市は17日、災害救助法に基づき、台風15号の被害を受けた住宅の応急修理支援費に関する申し込みの受け付けを開始したと発表した。 市が交付する罹災(りさい)証明書が必要で、1世帯当たりの支援額は半壊以上が上限65万5千円、準半壊が同31万8千円。自らの資金力で応急修理ができない世帯を対象とする。2023年9月22日までの工事完了を条件にする。 所定の申込書に必要事項を記入し、罹災証明書とともに葵、清水の各区被災者支援窓口や駿河区地域総務課に持参する。郵送の場合は〒420―8602 静岡市葵区追手町5の1、建築指導課管理係に送る。問い合わせは同課<電054(221)1371>へ。
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台風15号、史跡に爪痕 小島陣屋跡/三池平古墳など甚大被害
9月の台風15号の影響で、静岡県内の国、県指定文化財の敷地内で斜面崩壊などが発生し、近隣住宅も含めて大きな被害が生じている。静岡市の16日までの調査では、清水区の国指定史跡「小島陣屋跡」で土砂や石垣が崩れ、隣接する民家3棟の外壁を突き破った。同区の県指定史跡「三池平古墳」は地滑りで延長約40メートルの亀裂が生じた。両史跡とも、近隣世帯が安全のために避難し、被害の拡大防止が求められている。 小島陣屋は1704年、駿河国小島藩藩主の松平信治が設置。城郭を思わせる石垣が良好に残り、大名陣屋の構造を知る上で貴重と評価され、2006年に国史跡として指定された。台風で被災したのは「馬場石垣」と呼ばれる
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時論(10月16日)豪雨被害、川自体にも目を
泥水といっていい濁流、根をむき出しにして倒れている多くの大木、上流部から転がってきたとみられる巨岩…。川のあまりの変わりように言葉を失った。生命感がない、痛々しい姿に胸をかきむしられるようだった。 台風15号に伴う豪雨から半月ほどたった今月上旬、静岡市内を流れる安倍、藁科、興津の3河川の状況を下流から上流部まで、車で移動しながら1日かけて見て回った。被害は想像以上だった。水量は平時に戻りつつあったが、清流の面影はない。特に、興津川と藁科川の状況が深刻だと感じた。 アユ釣りの名川として知られる興津川。漁協は今後の産卵期に影響が出るのは確実で、親アユを放流しても効果があるかは未
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台風15号で被災孤立地区 防災マニュアル作成へ 静岡市清水区両河内地区連合自治会長/中山治己氏【本音インタビュー】
台風15号により被災した静岡市清水区の両河内地区。断水の長期化は免れたものの、区中心部から離れた山間地ゆえに、発災直後は行政の手がすぐには差し伸べられず、自主運行バス「ココバス」などにより自分たちで被災状況などの把握に努めた。連合自治会では独自の防災マニュアルを作成する計画もある。 -発災直後の状況は。 「川や沢の増水が多くの民家を直撃した。数メートルまで興津川本流が迫ってきた家もある。清地地区では橋が流出し、11世帯31人が孤立した。10カ所以上が地滑りし民家などに堆積した。9月23日午後8時に対策本部を立ち上げ、徹夜で詰めながら各地から入る被災情報を清水区役所に伝え続けた連合自治会
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J3沼津サポ 台風被災地をサポート SNS呼びかけ、飲料水届ける
9月の台風15号で県中西部に浸水や断水、土砂崩れなど甚大な被害が出たことを受け、大きな被害がなかった県東部から、サッカーJリーグ3部(J3)アスルクラロ沼津のスタッフやサポーターら有志が飲料水を届けるなど支援した。アスルはクラブとしても防災をテーマに地域活動に取り組む。有志は「地元でも災害の不安がある。人ごとではない」と被災地支援の継続を確認した。 今回の支援のきっかけは沼津香陵ライオンズクラブ(LC)の呼びかけだった。同LC会員でホルモン焼き肉店「ホル衛モン」(沼津市)のオーナー勝又直人さん(41)が、断水に見舞われた静岡市清水区興津地区の友人から生活用水の依頼を受けた。「飲料水があれば
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被災子育て世帯へ物資 ノートやお菓子並ぶ 清水区・高部地区
台風15号による大雨で住宅の浸水被害が多発した静岡市清水区高部地区で15日、被災した子育て世帯を対象にした物資配布会が開かれた。高部地区の自治会地区代表らが主催し、物資や資金集めに地域デザインカレッジ修了生情報共有会議など各種団体が協力した。 会場には学習用のノートや文房具が並び、子どもらがお気に入りを見つけようと手にとって悩む姿が見られた。事前に被災者に行ったアンケートで要望のあった暖房器具や子ども用の図鑑を配り、今後必要な物資のリクエストを受け付けた。 「ちょっと早いハロウィーンパーティー」と題して会場にカボチャやコウモリの飾り付けを施し、お菓子を配布した。参加した望月亜津奈さん(3
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台風15号 山間地の被害把握 課題露呈 上空ヘリ偵察/情報連絡員派遣 専門家、静岡県対応「不十分」指摘
静岡県内の中部と西部を中心に土砂崩れや浸水害などが広範囲に及んだ台風15号。道路の寸断などによる孤立集落は一時3市町(静岡市、島田市、川根本町)で計34地区約600世帯に上った。ただ、県は山間地の被害状況の集約に3日以上を要した。「市町から回答がない状況が続いた」とするが、専門家からは、ヘリを使った上空偵察や情報連絡員の派遣など県による積極的な情報収集が不十分だったとの指摘が出ている。 県は9月23日夕から情報収集体制を取り、豪雨が災害レベルになっていた24日午前3時に災害対策本部を立ち上げた。県消防防災ヘリで山間地の状況を確認したのは同日午前11時過ぎ。大井川流域にヘリを飛ばしたが、電波
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台風農業被害支援 農水副大臣に要請 JA静岡中央会
JA静岡中央会の青山吉和会長らは14日、農林水産省に勝俣孝明副大臣(衆院静岡6区)を訪ね、台風15号による農業被害に関する緊急支援を要請した。 県内各地で冠水による機械設備の故障や、土砂崩れによる農地の崩壊があり、復旧作業が難航している現状を説明。営農継続に向けた支援の必要性を強調した。 勝俣氏は「被害額を早急に算定するよう自治体に求めた。今後も関係省庁と連携して対応したい」と応じた。青山会長は面会後の取材に「被害の実態を把握した上で、一日も早く営農を再開させたい」と述べた。 食料安全保障の対策強化も要請した。肥料など生産資材の価格高騰で食料の安定供給のリスクが顕在化しているとして、対
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台風被害の塩買坂トンネル 10月30日に周辺規制解除 菊川市
菊川市は14日、台風15号の影響で通行止めになっている市道の塩買坂トンネル(同市高橋)周辺区間について、30日に規制を解除すると発表した。 塩買坂トンネルは菊川、御前崎両市の市境にある。台風15号が襲来した9月23日夜に大規模な土砂崩れが発生した。市は市道の一部の幅が狭くなるとして注意を呼びかける。
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浜松いわた信金 豊岡支店10月17日再開 台風で浸水被害
浜松いわた信用金庫は14日、台風15号の浸水被害を受けて臨時休業していた豊岡支店(磐田市新開)の営業を17日から再開すると発表した。同支店は店内機器や設備が浸水被害を受け、9月26日から窓口業務を臨時休業していた。店舗内ATMは10月5日から稼働を再開している。
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国交省 敷地川(磐田)を調査 台風被害、復旧へ技術的支援
台風15号に伴う豪雨で堤防決壊や橋の崩壊があった磐田市の敷地川で14日、本格復旧に向けた国土交通省の災害緊急調査が行われた。県や市の復旧方針などへの技術的支援・助言につなげる。 敷地川では、県が管理する堤防が約80メートルにわたって決壊し、周辺の民家や田畑が浸水被害に見舞われた。既に決壊箇所を大型土のうでふさぐ応急復旧工事は完了した。約300メートル下流にある市管理の下田橋は、増水で橋桁がV字形に折れ、通行止めが続いている。 同省防災課の渡辺重紀災害査定官が現場を見て回り、県袋井土木事務所や市道路河川課の担当者から被害状況などの説明を受けた。渡辺災害査定官は「まず被災のメカニズムを解明し
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静岡県議会2会派 台風対応巡り所感 9月定例会閉会で会見
静岡県議会最大会派の自民改革会議と第2会派のふじのくに県民クラブは14日、9月定例会の閉会に合わせてそれぞれ記者会見し、県内に甚大な被害をもたらした台風15号を巡る県の対応などについて所感を述べた。 自民の良知淳行代表は県の自衛隊派遣要請に関し「スピード感を持って取り組むことが県民の命や財産を守ることにつながる」と指摘し、より迅速な対応が必要だったとの認識を示した。 中田次城政調会長は県盛り土規制条例の見直しに向けて関係団体への聞き取りを進めていると説明し、「年内をめどに論点を整理していく」と語った。年度内に条例改正が必要か運用の見直しで対応できるかを判断する。 ふじのくにの佐野愛子会
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台風15号義援金 裾野市が募金箱 市役所と3支所
裾野市は12月28日まで、市役所と深良、富岡、須山支所に台風15号の災害義援金に充てる募金箱を設置している。日本赤十字社を通して県内の被災者に贈る。
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藤枝、藤枝南RC 台風復旧へ寄付 市に支援金
藤枝ロータリークラブ(RC、鈴木邦昭会長)と藤枝南RC(樽井勉会長)の2団体が合同で14日、台風15号の復旧支援金として100万円を藤枝市に寄付した。 鈴木、樽井の両会長らが市役所を訪れ、北村正平市長に現金を手渡した。寄付金は両RCが50万円ずつ用意した。主に即効性のある支援に役立てていく方針という。
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台風被害の醸造所に支援の輪 16日に島田でビールイベント
台風15号の道路被害を受け休業している島田市伊久美のクラフトビール醸造・販売所「193バレーブリューイング」への支援の輪が広がっている。同市のKADODE OOIGAWA内店舗「緑茶バーガー&麦酒」は16日、同醸造所の4種類のビールをタップ(注ぎ口)で提供するイベントを開く。 伊久美地区では同醸造所に向かう県道で崩落や陥没が相次ぎ、通行止めになった。休業に伴い、秋の行楽シーズンに合わせて仕込んだクラフトビールの行き場がなくなり、瓶詰め商品の在庫も抱えたが、藤枝市の居酒屋や静岡市のビアバーが販売の場を提供するなど即座に支援に動き「本当に助けられた」(運営会社の小林浩樹代表)という。 県道は
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静岡市と県「経済、人的支援を」 参院災害対策特別委に要望 台風15号被害
出野勉副知事と静岡市の田辺信宏市長は13日、台風15号の市内被災地を視察した参議院災害対策特別委員会の議員と市役所静岡庁舎で意見交換し、早期の激甚災害指定や復旧、被災者の生活再建に向けた経済的・人的支援を求める要望書を提出した。 県は、災害の状況に応じたきめ細かい支援に対する国の制度の拡充や農林水産業、商工業、観光業に生じた経済的被害への支援などを求めた。市はわさび田の早期復旧に向けた財政支援や、災害で発生した土砂の処分先確保を要望した。 非公開の意見交換会の後、取材に応じた同委員会の三浦信祐委員長は「現場の声を政府にしっかり届けたい」と述べた。 同委員会は大規模断水の原因となった同市
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危険盛り土 静岡市の中山間地に2カ所 市は具体策講じず
静岡市葵区の中山間地の杉尾、日向両地区で土砂災害の危険性がある盛り土が造成されていることが13日、市への取材で分かった。市は県と情報を共有し、県の現地調査を待つ姿勢で、盛り土や造成業者への具体的な対応策は打ち出していない。県は県砂防指定地管理条例で定めた地域内への無許可造成と判断。年内に安定性などを確認する現地調査を終えたいとしている。 市治山林道課によると、杉尾地区の盛り土は2019年2月ごろに把握した。森林法に基づき1ヘクタール以下の森林伐採は市への届け出が必要で、届け出がない場合は業者を指導することになる。 盛り土を造成した地元の業者は現在も届け出をしていない。一方で市は盛り土の現
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藤枝市 大久保地区3施設、営業を再開 台風15号
藤枝市は13日、台風15号の影響で営業を停止していた大久保地区の3施設について、14日に再開すると発表した。 3施設はスポーツパル高根の郷、大久保キャンプ場、大久保グラススキー場。施設につながる県道が通行止めになっていたが、仮復旧工事が完了した。
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清水区の台風被災現場視察 参院災害対策特別委 興津川取水口など確認
参院災害対策特別委員会の委員8人が13日午前、台風15号の記録的な大雨の影響で甚大な被害を受けた静岡市清水区の被災現場を視察した。 約6万3千世帯の断水を引き起こした興津川の承元寺取水口施設では、約20分間にわたって被害状況を確認。河川増水によって開口部に大量の流木などが詰まり、源流を取水できなくなった原因について市の担当者から説明を受けた。すでに取水機能は復旧しているが、施設構造などを踏まえ、必要な断水防止策などを検討した。 水管橋の崩落現場や土砂災害に見舞われた山間部の集落なども見て回った。 委員らは同日午後、静岡市役所静岡庁舎で田辺信宏市長や出野勉県副知事と意見交換する。
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静岡市がみなし仮設住宅 台風15号被災支援方針、全壊など県家賃負担
静岡市は12日、台風15号で被災した市民の住宅支援として、被災者が借りた民間のアパートや一戸建て住宅を仮設住宅と見なし一定期間住めるようにする方針を固めた。親類宅に身を寄せるなど、仮住まいを余儀なくされ生活再建できない被災者が依然多く存在するとみられることから、柔軟な支援につなげる。運用開始時期について市は「早急に対応する」としている。 静岡県と市によると、災害救助法に基づく「応急仮設住宅」で、罹災(りさい)証明で全壊判定された人か、半壊判定でも水害により流入した土砂や流木で住宅として利用できない人が対象。入居期間は最長2年。家賃や管理費、共益費は県が負担する。入居できる仮設住宅の家賃上限
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安倍川河川敷スポーツ広場 全面復旧、来夏の見通し 台風15号で被災
静岡市の谷川良英スポーツ振興課長は12日の市議会観光文化経済委員会で、台風15号の影響により被災した安倍川河川敷スポーツ広場の全面復旧が2023年8月ごろとなる見通しを明らかにした。 同課によると、安倍川河川敷のスポーツ広場全33カ所のうち、流木や土砂が流れ込むなどして19カ所が被災した。このうち被害が小さかった葵区の千代、羽鳥、山崎の3カ所は既に市費で復旧作業を進めていて、今月中にも使用を再開する見込み。葵区の柳町、狩野橋、駿河区の東新田の3カ所については22年一般会計9月補正予算を充て、23年1月に利用再開を予定する。 残り13カ所は国費で復旧する方針で、同11月補正予算で関連費を計
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「エキパ」一部営業を再開 200台分が先行稼働 JR静岡駅
静岡市は12日、台風15号による大雨の影響で入出庫を停止していたJR静岡駅北口地下駐車場「エキパ」について、13日から営業を一部再開すると発表した。駐車台数全400台のうち、動作確認が完了した約200台分を先行して稼働する。 エキパは9月23日から24日にかけての大雨の影響でシステムの一部が故障し、24日朝から営業を中止していた。市交通政策課の担当者によると、10月12日までに実施した動作確認で、約200台分は利用が再開できると判断した。残りの約半数は修理が必要で、全面的な復旧の見込みは立っていないという。
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台風15号の死者3人に 川根本町が認定
静岡県は12日、台風15号による死者が3人になったと発表した。川根本町で行方不明となっていた男性=当時(70)=を同日、町が災害死亡認定をしたため。 男性は9月24日未明、台風の影響で陥没した道路の下に転落し、護岸壁の底部で土砂に埋まった状態で見つかった。10月4日に県警が搬出し、5日に身元が判明していた。町は死因の特定を待って災害死亡認定を行ったという。 静岡県のまとめで、浸水被害は静岡市を中心に増加し、12日時点で8337件に上っていることが分かった。県や市町の公営住宅に入居しているのは26世帯63人となった。
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静岡の住宅支援早急に 静岡県弁護士会要望 台風15号
静岡県弁護士会は12日、台風15号で広範囲の浸水や土石流被害が発生した静岡市で住居を確保できていない被災者が多くいるとして、県に対し同市と連携し早急に支援を行うよう要望した。 災害救助法に基づき県が民間住宅を借り上げて被災者に提供する「応急仮設住宅」を用意するよう求めた。さらに、磐田市はより緩和した要件で独自の住宅支援を行っているとして、静岡市でも同様の取り組みを行うよう要請した。 県庁で森貴志副知事に要望書を手渡した同会の伊豆田悦義会長は「被災者から悲痛な声が寄せられている。一歩踏み込んだ支援をお願いしたい」と訴えた。弁護士のほか司法書士、建築士などでつくる県災害対策士業連絡会は3日か
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⚽エスパルス選手 台風被災地児童と交流 清水小島小訪問
台風15号の被害を受けた地域を元気づけようと、サッカーJ1清水エスパルスの選手たちが12日、静岡市清水区の清水小島小を訪れて児童と交流した。 松岡大起(21)、高橋大悟(23)、立田悠悟(24)、原輝綺(24)、白崎凌兵(29)、井林章(30)の6選手が放課後に来校。参加を希望した児童約80人と鬼ごっこやサッカーをして触れ合った。エスパルスのグッズを身に着けた児童も多く、目を輝かせながら選手とのひとときを楽しんだ。 6年生の望月瑛人君は「好きな原選手に会えてうれしかった」と感激した様子。選手側の意向で実現した取り組みで、同区出身の立田選手は「元気づけたいと足を運んだが、自分たちがエネルギ
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床上、床下浸水97件 菊川の台風15号被害 土砂崩れは120カ所
菊川市の長谷川寛彦市長は12日の定例記者会見で、台風15号による市内の被害状況を明らかにした。11日現在、建物被害は準半壊1件、床上浸水4件、床下浸水93件、土砂崩れは小規模な崩落も含め120カ所で発生した。 大規模な土砂崩れは同市高橋の塩買坂トンネル付近で発生し、市道が現在も通行止めとなっている。復旧のめどは立っていない。河川は菊川水系が氾濫危険水位に到達したが越水はしなかった。長谷川市長は国交省によるこれまでの河道掘削の効果に言及し、さらに掘削が進むよう要望する方針を示した。 このほか11月13日に3年ぶりに菊川産業祭が菊川文化会館アエルで開かれることを発表した。産業祭に合わせてJR
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記者コラム「清流」 「恩送り」のつながり
「『恩返し』ではなく、『恩送り』の輪を広げたい」。台風15号で甚大な被害を受けた静岡市清水区に送る大量の支援物資を車に積み込みながら、熱海市伊豆山のボランティア団体のメンバーはそう実感を込めて語った。 恩返しは、助けてくれた人に直接返礼すること。恩送りは、人から受けた恩を別の誰かに受け継ぐこと。昨年7月の大規模土石流で、伊豆山には全国から多くの人的、物的支援が寄せられた。住民がその恩を忘れたことはない。同時に、心も体も疲れ切っている被災者の気持ちが痛いほど分かる。だからこそ、つながって力になりたい。住民が団体に託した支援物資にはそんな思いが込められていた。 災害が後を絶たないこの国では、
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静岡市 生活支援金の受付開始 住宅損壊の被災者向け 台風15号
静岡市は12日までに、台風15号によって住宅が損壊した被災者のための生活再建支援金の申請受け付けを開始した。市役所静岡庁舎(葵区)、駿河区役所、清水産業・情報プラザ(清水区)の窓口で手続きできる。 至急対象となるのは、住宅が全壊した世帯とやむを得ず住居を解体した世帯、住居の被害程度が大規模・中規模半壊に該当し補修しなければ居住が困難な世帯、災害による危険状態が続き長期避難を継続している世帯のいずれか。被害程度に応じて支給額が変わる基礎支援金と、再建方法別に分かれた加算支援金を合わせて最大300万円を支給する。 申請には罹災(りさい)証明書や住民票、預金通帳の写しなどが必要で、そのほか申請
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道路や河川の災害土砂量 41万立方メートル 静岡市、台風15号被害推計
静岡市は12日、台風15号による記録的豪雨の影響で市内の道路や河川に堆積した災害土砂の発生量が、41万立方メートルと推定されると明らかにした。一方、処分先の確保量は16万8千立方メートルにとどまるとして、県の協力を得て新たな処分先を確保する方針を示した。同日の市議会都市建設委員会で報告した。 市技術政策課の推計によると、災害土砂の発生量は11日現在、道路で6万立方メートル、河川で35万立方メートル。道路への土砂崩れや河川の氾濫が各地で相次ぎ、被害状況は今も調査中だという。農地や宅地、文化財の敷地内に流入した土砂は今回の推計量に含まれていない。 市は公共事業への利活用や、民間の最終処分場へ
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台風災害の復興へ 特別交付税十分に 自民県連、総務相に要望
自民党県連の城内実会長(衆院静岡7区)と良知淳行幹事長は12日、総務省で寺田稔総務相と面会し、台風15号による災害の復旧・復興に向け、特別交付税の十分な額の交付を早期に決定するよう求めた。城内氏によると、寺田氏は「被害額が積み上がった上で、対応を検討したい」と前向きな姿勢を示したという。 県や関係市町では、被災者支援や公共施設の復旧、災害廃棄物の処理など特別な財政需要が見込まれる。総務省は被災した7市町に対し、11月分の普通交付税計約55億円を繰り上げ交付したが、要望書では「被災者の安全が確保され、平穏な日常生活を取り戻すためには長い時間が必要」とし、継続的な支援を訴えた。 特別交付税は
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災害復旧予算を可決 静岡市議会閉会
静岡市議会9月定例会は12日、最終本会議を開き、台風15号の災害復旧費などを盛り込んだ2022年度一般会計補正予算案、21年度決算など59件を可決、認定して閉会した。ロシアのウクライナ侵攻を受け、核兵器のない世界の実現に向けた取り組みを推進する意見書は全会一致で採択した。
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県と静岡市 災害派遣の要請、経緯認識に食い違い 台風15号対応巡り、記者会見で質問が集中
静岡市内をはじめ静岡県内に甚大な被害をもたらした台風15号を巡り、11日にそれぞれ開かれた田辺信宏静岡市長と川勝平太知事の定例記者会見では、行政の対応に質問が集中した。要請の遅れが指摘されている自衛隊への災害派遣については、両首長はおのおの「災害派遣3原則」などを理由に、自前の役所の対応は妥当との認識を示した。ただ、要請に至る経緯や内容に県と市で認識の食い違いがあり、改めて情報共有や連携が不十分だったことを印象づけた。 台風15号は9月23日から24日にかけて静岡市など県内各地を襲い、県は同市と川根本町の要請を受けて同26日に陸上自衛隊に災害派遣を要請した。 田辺市長は会見で、同24日午
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連携不足またも露呈 田辺静岡市長「携帯番号、教えてもらえず」/川勝知事「虚言だ」 直通連絡巡り、言い分かみ合わず
川勝平太知事と田辺信宏静岡市長の11日の定例記者会見では、首長間の直通連絡を巡っても知事と市長の言い分がかみ合わず、連携不足を改めて露呈した。 陸上自衛隊に災害派遣要請した9月26日に至るまでの間、知事と市長とで直接会話があったかを尋ねた質問に、田辺信宏市長は「首長間は携帯電話でやりとりをするのが常識だが、知事の携帯番号を知らない。かつて教えてもらおうとしたが、教えてもらえなかった」と説明した。批判は避けたいと述べつつ、「(市からの連絡を)待っていたのなら、知事から電話をいただきたかった」と不満をにじませた。 一方の川勝知事は「防災用の携帯電話を持っているが、ほとんどの首長が(その)番号
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清水区の災害ごみ 被災者宅前での収集実施 静岡市、14~16日
静岡市は11日、台風15号の影響で発生した清水区の災害ごみについて、14~16日に被災者宅前での収集作業を実施すると発表した。「災害ごみ」と張り紙を付けた上で、15日までに自宅前にごみ出しをするよう呼び掛けている。 市は民間の業者に加えて、富士、富士宮、沼津など県内6市と名古屋、横浜など県外6市区の協力を得て、災害ごみの収集作業を行っている。公園などに置かれた災害ごみは13日に撤去を完了する予定。14日からは被災者宅に残っている災害ごみを「ローラー作戦」(静岡市収集業務課)で一掃する。 災害ごみを15日までに自宅前に出せなかった場合はJR清水駅東口のエネオス遊休地と清水区大内新田の市有地
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記者コラム「清流」 清水復旧への願い
9月24日未明に本県を襲った台風15号に伴う豪雨で、静岡市清水区では大規模な断水をはじめとする多くの被害が出た。サッカーJ1清水エスパルスの本拠地も影響を受け、1日に予定されていたジュビロ磐田との静岡ダービーは延期となった。 自宅が断水し、身に染みて感じたのは、水のない生活がどれほど不便かということ。しばらくは先が見通せず、水の確保の懸念も付きまとった。断水に加え、家屋や家財に被害のあった住民にはさらなる苦労や不安が伴ったことは容易に想像がつく。被災者の感情面も踏まえ、延期は妥当な判断だったと思う。 当初の試合日前後で、清水、磐田は被災地の支援活動を行った。復旧が進み、被災者の目が再びサッカ
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記者コラム「清流」 地面の陥没に注意を
台風15号に伴う豪雨当日、浜松市中区の会社駐車場で地面が直径4メートル、深さ3メートルにわたって陥没した。この場所で従業員が車を発進させた直後のことだった。経営者の男性は「もし巻き込まれていたら」と恐怖に声を震わせた。 原因は何十年も前に敷設された地下排水管の破損。劣化した管の穴から土が流出していた。同様の陥没は全国で相次いでいて、昨年は北海道で道路の穴に車が転落し3人が負傷する事故があった。 地下の管路がどこに敷設されているのか、記録がないことも多く、この会社でも排水管の存在は誰も知らなかったという。取材しながら、いつどこで陥没が起こるか分からない怖さを感じた。地面のひび割れなど前兆を
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台風15号被災者 レンタカー無料 日本シェア協会、静岡県内で支援開始
日本カーシェアリング協会(宮城県石巻市)は11日、台風15号の被災者に車を無料で貸し出す「災害サポートレンタカー」を県内で開始した。12月15日までの期間中は何度でも利用可能。同協会によると、10日までに約100件の貸し出し申請が入ったという。 静岡市葵区の常葉大静岡瀬名キャンパスを拠点に、予約者への車の引き渡しなどを行っている。車が浸水し、自転車通勤を余儀なくされているという同市清水区の会社員鈴木千枝子さん(33)は「とても助かる。通勤や子どもの送り迎え、買い物に利用しようと思う」と感謝した。 同協会は東日本大震災を契機に発足。寄付された中古車の貸し出しを行っている。10日までの100
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住宅再建支援へ静岡市に法適用 静岡県、職員派遣も 台風15号
静岡県は11日、台風15号で住宅被害が広範囲に及んだ静岡市に対し、被災者生活再建支援法の適用を決めたと発表した。住宅の被害程度に従って国から最大100万円の支援金が支給され、建て替えや補修などの再建方法によってさらに最大200万円が加算される。市が各区に設置した被災者支援窓口3カ所で申請を受け付けている。 県によると、同法の適用基準は被害を受けた世帯数などによって異なる。静岡市の場合は床上浸水が450世帯以上に上り、基準を満たしたという。対象とならない市町は、県の被災者自立生活再建制度の活用で、同等の支援が受けられるという。 県と各市町は、復旧支援のために土木や林業の専門職らを静岡市と川
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市営住宅入居基準 被災者向け緩和を 静岡市に自民市議団
静岡市議会最大会派の自民党市議団は11日、市役所静岡庁舎に田辺信宏市長を訪ね、台風15号の被災者支援に関する要望書を提出した。市営住宅の入居基準の緩和など7項目を求めた。 同会派は床上浸水や土砂崩れの影響で被災住宅が多発し、厳しい生活を余儀なくされている住民がいると指摘。収入要件やペット不可が定められている市営住宅の入居基準について、被災者の実情を踏まえて一時的に緩和するよう要望した。 鈴木和彦会長は市が11日発表した災害対応の9月補正予算案について「早期の編成となった。職員が努力してくれた」と評価した。田辺市長は「スピード感を持って、被災者の支援に当たっていく」と述べた。
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茶況(10月11日)県産秋冬番 取引が終盤 静岡市中
静岡市中の県産秋冬番茶は坂部や榛原などから荷が届いた。各産地で取引は終盤を迎えている。 前週末比横ばいか5円下げで、345~330円の成立が多い。市中問屋は「生産のピークがないまま、取引が終わりつつある」と話す。 ◇ 世界お茶まつり実行委員会は、20~23日にグランシップ(静岡市駿河区)で開く同まつり秋の祭典で「台風15号被災茶業者応援企画」を実施する。土砂崩れや浸水の被害を受けた茶業者の商品を受託販売する。 出品者は送料のみ負担する。問い合わせは事務局のそふと研究室<電054(272)0525>へ。
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藤枝・押越橋の橋桁落下 台風15号で橋脚喪失
藤枝市滝沢で、台風15号の影響により橋脚の一部が流されていた滝沢川に架かる押越(おしこし)橋の橋桁の一部が落下した。橋を管理する同市によると、落下は10日夜とみられる。 橋は1970年につくられ、長さ15・8メートル、幅2・7メートルほど。2本の橋脚で橋桁を支えていたが、台風の影響で1本が流された。橋桁の一部が沈み込んでいたため、市は車両の通行を禁止し、歩行者用の仮設橋を設置していた。 滝沢地区は中山間地にあり、橋は5軒ほどの集落の住民らが主に使用していた。市は架け替えも含め対応を検討しているという。
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被災者支援に31億円、インフラ復旧73億円 静岡市9月補正予算案発表 台風15号
静岡市は11日、台風15号による豪雨被害を受け、2022年度一般会計に105億2100万円を追加する9月補正予算案を発表した。被災者支援に31億7700万円、インフラ復旧に73億4300万円を増額する。特別会計、企業会計を合わせた補正総額は106億9400万円。開会中の市議会9月定例会に追加提出する。 被災者支援は、JR清水駅東口のエネオス遊休地など3カ所を災害ごみの仮置き場として運営する事業に9億3千万円を充てる。清水区で発生した大規模断水の被害に遭った水道契約者(8万件)を対象に、10月の基本料金と20立方メートルまでの従量料金を減免する。 災害救助法に基づき、床上浸水などの被災世帯
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災害ごみ 対応に苦慮 台風15号で被災の静岡市 仮置き場決定に時間、相次いだ便乗ごみ
台風15号の豪雨で床上浸水した静岡県内の住宅の約6割(1625棟)が集中した静岡市が、推計2万トン以上の災害ごみへの対応に苦慮している。公園などに災害ごみが積み上がった一方、市が災害廃棄物処理計画で定める5千平方メートル以上の仮置き場の場所が決まったのは災害発生約1週間後の9月30日だった。市は「水害でこれだけ広範囲に大量のごみが出る状況は予期していなかった」と理由を説明する。 「想定外の量」対応遅れ 今回の豪雨で、市内では住宅全半壊も死傷者もゼロ。清水区の低地では最大2メートル程度の浸水があったが、避難所への避難者は16世帯37人と少なかった。市によると、雨
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伝統のワサビ田 崩落や土砂 重機入れず復旧は至難 静岡市清水区
台風15号による大雨で、静岡市の山間地では収穫期直前だった特産品のワサビが大きな被害を受けた。清らかな水で育てるため山間につくられたワサビ田には重機が入れず、「完全な修復は至難」との声が上がる。 同市清水区河内で代々続く老舗茶屋「お茶のやまよ」(山崎貴正社長)では江戸期からワサビ栽培も続け、ワサビみそや花ワサビの三杯酢漬けが好評を博していた。そんなワサビを100年以上、育んできたワサビ田が、今回の大雨で崩落した。 車1台がやっとの険しい農道を20分ほど上った後、足場の不安定な急勾配を下った先にあるワサビ田は広さ2千平方メートル超。ワサビが育ち、山崎社長自ら収穫に取りかかる矢先に台風が到来
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台風被災地「敬遠される?」関係者不安も 全国旅行支援、水際緩和11日開始 誘客促進へ模索
政府は11日、国内観光振興事業「全国旅行支援」実施と訪日観光客の上限撤廃、訪日客の個人旅行解禁に踏み切る。新型コロナウイルス禍で苦境が続いていた国内観光業界に追い風となる一方、秋の観光シーズン目前で台風15号の被害を受けた本県の事業者は「静岡県は敬遠されないか」と不安を隠せない。関係者は被災からの復興を急ぎつつ、誘客促進策を模索する。 「予約客から、山間部の安全性に関する問い合わせが相次いでいる」。静岡市葵区梅ケ島の温泉旅館「湯の島館」の秋山庸司社長が明かす。台風15号では、車で1時間超の距離にある市中心街と梅ケ島を結ぶ道路が寸断され、複数の宿泊客が一時足止めされた。現在は道路も復旧し通常
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アピタ磐田店 一部除き再開、全面復旧は15日 台風15号被害
台風15号に伴う豪雨で浸水被害を受け、臨時休業していた磐田市今之浦の商業施設「アピタ磐田店」が10日から、一部を除き営業を再開する。17日ぶりの営業で、全面的な復旧は15日になる見通し。 運営会社のユニー広報によると、地下駐車場が最大約2メートルの高さまで浸水し、エレベーターなどの設備が故障した。店舗内は直接的な被害はなかったものの、9月24日から臨時休業していた。 10日からは生鮮食品などの販売や一部の専門店を除き、営業を再開する。地下駐車場とエレベーターは復旧作業が続いているため、使用できないという。平面、立体駐車場は使用可能。 村井洋店長は「休業中は皆さまにご不便をおかけした。お
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スルガ銀行磐田支店 10日営業再開 台風15号で被害
スルガ銀行は9日、台風15号の影響で臨時休業している磐田支店(磐田市)の営業を10日に再開すると発表した。同日は祝日のため、現金自動預払機(ATM)の稼働のみ開始する。
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台風被災者支援へ募金 静岡ライオンズクラブ呼び掛け JR静岡駅
静岡ライオンズクラブ(LC)は8日、台風15号の被災者を支援するための募金活動をJR静岡駅北側の地下通路で行った。 会員11人がプラカードなどを持ち、通行者に「募金にご協力を」と呼び掛けた。会員は浸水被害に遭った静岡市葵区の内牧地区や西ケ谷地区で泥の処理などに追われる住民の現状を目の当たりにし、募金活動を企画した。集めた浄財は同市に災害義援金として寄付する予定。 同LCは支援の一環で、市内3カ所のボランティアセンターで災害ボランティアに飲料水を連日提供している。
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台風被災者支援 磐田市が義援金受け付け
台風15号の影響で河川氾濫や土砂崩れが発生した磐田市は12月28日まで、被災した市民を支援する災害義援金について、指定口座への振り込みと持参で受け付けている。 振込み先は、浜松磐田信用金庫磐田本店営業部の普通預金、口座番号5184276。静岡銀行磐田支店の普通預金、口座番号1321365。口座名義はいずれも「磐田市災害義援金」。市役所本庁舎や各支所などの窓口でも受け付ける。 併せて、市が行う災害復旧事業などに活用する寄付金も募集している。振込先は、浜松磐田信用金庫磐田本店営業部の普通預金、口座番号5184268。静岡銀行磐田支店普通預金、口座番号1321332。口座名義はいずれも「磐田市
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水害版BCP セミナー開催 浜松商議所など
浜松商工会議所と遠州流域治水協議会は6日、水害版BCP(事業継続計画)の作成基礎セミナーを浜松市中区の同商議所で開き、オンライン併用で約60社の担当者が受講した。9月の台風15号により市内で発生した浸水被害も踏まえ、水害に強い企業づくりに向けてBCP作成の基礎や留意点を学んだ。 建設コンサルタント「日本工営」(東京)防災マネジメント部の下池健太さんらが講師を務めた。受講者はハザードマップで自社の浸水リスクを確認した後、優先すべき重要業務や業務継続に必要なインフラや設備などの資源を整理した。下池さんは「地震と異なり、水害の場合は時間的に猶予がある。防災に有効に活用してほしい」と強調。事前、直
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盛り土崩落の天竜区緑恵台 管理担う住民委組織されず 協定形骸化、歯止めならず
台風15号による盛り土崩落で住宅3棟が全半壊した浜松市天竜区緑恵台で、建築物などの管理基準を定めた「建築協定」の管理を担う土地所有者による委員会が分譲開始以来、一度も組織されていなかったことが、7日までの取材で分かった。協定では、委員会に違反者へ対する是正措置の請求権を認めているが、組織がないことにより歯止めの機能を果たしていなかった実態が明らかになった。 協定は造成が完了した1989年以降、分譲地の購入者と販売業者の間で交わされている。建築基準法などに基づき建築物の位置や用途、形態に関する基準を示し、違反者には委員会が施工停止を請求できると明記。従わない場合には裁判所への提訴を認めている
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台風15号の浸水推定図 国土地理院が作らず 静岡県内識者「重要な資料、作成の体制構築を」
国土地理院は、水害の発生直後に作成している「浸水推定図」について今回の台風15号では作らなかった。浸水推定図は浸水した範囲やその深さを図で表していて大規模な水害時に作るケースが多いが、識者は一定規模の水害では作成するのが望ましいと指摘する。 地理院によると、浸水想定図はSNSで発信された画像や空撮、標高データを用いて作る。地域全体の浸水状況が俯瞰(ふかん)的に分かるため、重点的に活動すべきエリアなど防災関係機関の初動対応に役立つ。2018年7月の西日本豪雨や東日本に甚大な被害をもたらした19年10月の台風19号などで活用された。 直近では8月3日の豪雨で浸水被害が発生した新潟県村上市で作
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タクシーで子どもたち送迎 静岡市が通学支援 台風で車道崩落地域
静岡市は7日、台風15号による大雨の影響でバス通学ができなくなった児童生徒向けにタクシーを使った通学支援を開始した。 同市清水区の清水庵原小・清水庵原中と葵区の清沢小・藁科中の計2地域で支援を実施した。両地域では車道の一部が崩落し、路線バスでは通れない迂回(うかい)路を使って保護者が送り迎えを続けていた。市は事業者からジャンボタクシーなどをチャーターし、学校や保護者と話し合いながら登下校時に地域のバス停を巡る運行ダイヤを組んだ。保護者からは「すごく助かる」「復旧まで送り迎えをしなきゃいけないと思っていた」などと声が上がったという。 清水庵原小・清水庵原中の通学路は復旧が進んだため同日のみ
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宅地内の土砂撤去 静岡市が対策チーム 被害相談から対応 台風15号
静岡市は7日、台風15号による豪雨被害を受けた第3回災害対策本部会議を市役所静岡庁舎で開き、市内の一般住宅の敷地内に流入した土砂の対策チームを設置したと発表した。宅地内土砂の被害相談から撤去までを官民連携で対応する。 対策チームは建設、都市、環境など関係各局の職員15~20人で編成。宅地内土砂の被害相談を電話やインターネットで受け付け、現場調査に入る。民間作業員や災害ボランティアを現場に手配し、宅地内土砂を市内の仮置き場に搬出する。 市内では土砂崩れや浸水の影響で家屋や庭に土砂が流入する被害が多発した。市によると、被害相談は少なくとも100件に上り、今後も増加するとみられる。従来の災害で
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⚽J3藤枝 10月22日と11月13日 試合開始前倒し
J3藤枝は7日、藤枝総合運動公園サッカー場で開催する22日の宮崎戦と11月13日の福島戦の試合開始時間を1時間前倒し午後1時に変更すると発表した。台風15号で電源設備が被災した影響でスタジアム照明が使えず、日照時間内に試合を行う必要があるため。
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島田掛川信用金庫・清水支店 11日再開
島田掛川信用金庫は7日、台風15号による浸水被害で臨時休業している清水支店(静岡市清水区)の営業を11日に再開すると発表した。家山支店(島田市)は7日から営業を再開した。
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消防団が災害ごみ処理 輪番制、3カ所で開始 静岡
静岡市消防団はこのほど、台風15号による記録的な豪雨の影響で発生した災害ごみの処理作業を市内の仮置き場など3カ所で開始した。被災者支援の一環として当面の間、活動を継続するという。 市環境局の依頼を受け、消防団員が5日から輪番制で活動することを決めた。仮置き場に持ち込まれた災害ごみを可燃、不燃に分別し、清掃工場に運ぶトラックに積載する作業に精を出している。 市消防団を所管する市消防局警防課の担当者は「日ごろから地域密着の活動を行っていて、今回の災害でも大きな力を発揮してくれている」と感謝した。
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台風被災の住宅 応急修理を案内 なゆた浜北内に臨時窓口
浜松市は8日から10日まで、台風15号の影響で被災した住宅の応急修理に関する臨時案内窓口を浜北区の市北部住宅管理事務所(なゆた浜北内)に開設する。 応急修理は災害救助法に基づく制度で、損傷した居室やトイレなど日常生活に必要な部分の修理費用を市が支払う。限度額は「大規模半壊・中規模半壊・半壊」が65万5千円、「準半壊」は31万8千円。利用には経済的な事情で修理ができない―など一定の条件がある。 受け付けは各日午前9時から午後4時まで。問い合わせは同事務所<電053(585)1163>へ。
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静岡県内、浸水害6535件 台風15号
静岡県は7日、台風15号関連で同日までに判明した被害状況の数値などを更新した。浸水害が6535件に上っている。集落の孤立は解消したものの、県や市町の公営住宅に一時入居しているのは25世帯60人となっている。 建物被害はほかに、全壊6件、半壊8件、一部損壊97件。静岡市清水区両河内地区の孤立集落は仮設道路の設置が完了し、8日から通行が可能になるため、解消した。同区の大規模断水と掛川市大和田の断水が復旧し、残る地域は島田市一色地区と藤枝市峠地区の計40戸となった。 川根本町の崩落現場で発見された遺体は行方不明となっていた同町の男性(70)と身元が確認されたが、同町は7日時点で災害死亡認定をし
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「避難指示」より早く発令 二次災害回避へ 静岡市、台風15号受け
静岡市は7日の災害対策本部会議で、台風15号による土砂災害の発生場所を中心に二次災害の恐れがあるとして、避難指示の発令基準を一時的に引き下げる運用を開始したと発表した。通常よりも早い段階で避難情報を発信し、市民の早期の避難行動に結びつける。 大雨注意報、大雨警報より段階が上の土砂災害警戒情報を基に、避難指示を出すのが一般的。今回の運用では大雨注意報の発表時、台風15号で土砂災害が発生した市内40地区に避難指示を出す。土砂災害警戒区域は大雨警報で避難指示とする。いずれも、該当地区の避難所を開設する。 市によると、市内の土砂災害は被害状況の把握が道半ばで、現地調査が終了するまでの間は避難指示
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豊岡支所「被災対応窓口」休日開庁 8、9、10日 磐田
磐田市は7日、台風15号の被災者への各種申請や相談などの対応を続けるため、通常は休業日の8、9、10日も、豊岡支所市民生活課のワンストップ窓口を開くと発表した。 対応業務は、罹災(りさい)証明書・被災証明書の申請受け付けや災害支援制度の相談、道路・河川の復旧活動の要請など。 市社会福祉協議会が市総合健康福祉会館iプラザと豊岡支所で運営する市災害ボランティアセンターも業務を行う。
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床上・床下浸水23件 掛川市、3世帯が市営住宅に 台風15号
掛川市の久保田崇市長は7日の定例記者会見で、台風15号の影響による浸水被害が床上13件、床下10件に上ったことを明らかにした。浸水や土砂流入の被害を受けて、3世帯が市営住宅に移ったという。今後の調査で被害件数の増加が見込まれるとしている。 人的被害は1件。同市遊家で発生した土砂崩れで住宅が倒壊し、住人の男性(45)が死亡した。市によると、市内の自然災害による死者は1990年台風20号以来、32年ぶり。久保田市長は「尊い人命が失われたことを重く受け止めている」と述べた。 道路被害は県道4カ所、市道131カ所、農道36カ所など。河川では67カ所で護岸崩壊などの被害が発生した。市は7日までに、
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台風災害支援物資 磐田市社協に寄贈 静岡SSUボニータ
台風15号の災害支援の一環で、サッカー女子なでしこ2部静岡SSUボニータは7日、飲料水などの物資を磐田市社会福祉協議会に贈った。 ペットボトル飲料水やメーク落とし、生理用品などの生活用品を用意。同チームの選手らが自費で購入したほか、自宅にある備品を持ち寄ったという。 市総合健康福祉会館iプラザで行われた贈呈式には、高島綾音選手と中林美南海選手が出席した。両選手は「困っている人の役に立てたら」と話した。 同協議会の長谷川トキ会長は「家屋の片付けは進んでいるが、生活必需品が不足している。女性が必要なものがたくさんあり、被災された方がきっと喜ぶと思う」と感謝した。
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JR静岡駅で募金呼びかけ 清水ライオンズクラブなど
静岡市清水区の清水ライオンズクラブ(LC)などは7日、台風15号の影響で被害を受けた同区の人々を支援するため、募金活動をJR静岡駅北口地下広場で行った。 同区の四つのLCから約20人が参加し、「台風15号災害募金」と書かれたプラカードを持って通行人に募金への協力を呼びかけた。集まった浄財は清水区などで災害復旧に取り組む団体に寄付する予定。 同LCの新山久さん(50)は「自分たちにできることはないかメンバーで話し合って決めた。少しでも早く普段の生活が戻ってくることを願う」と話した。
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静岡市の復旧支援 3職員派遣を発表 御殿場市
御殿場市は7日、台風15号に伴う大雨の被害を受けた静岡市の復旧支援のため、職員3人を派遣すると発表した。県などから要請を受けた。課税課の2人と教育総務課の1人。期間は11~16日で、被災した家屋の被害認定調査に従事する。
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飲み水やっと 断水解消一夜明け、住民笑顔 静岡・清水区宍原地区
台風15号の大雨により静岡市清水区で発生した大規模断水は6日深夜までに全域で解消し、最後となった和田島ブロック北地区の同区宍原では7日朝、水道の復活に喜ぶ住民の姿が見られた。 同地区で1人暮らしをする稲葉妙子さん(83)は、台所で蛇口からの水を確認した。9月24日から続いた断水期間中には、近隣住民や友人が届けた飲用水のペットボトルが自宅に並んだ。稲葉さんは「良い水が出るようになり、本当にありがたい。あんまり出したらまたなくなっちゃうんじゃないかと心配になっちゃうぐらい」とほほ笑んだ。 断水被害では一時、同区の約6万3千戸が影響を受けた。市によると断水解消を受け、同ブロックで開設していた給
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浜松市の台風被害 公共施設利用 一部で影響続く
9月の台風15号の大雨などにより、浜松市では複数の公共施設に浸水の被害が出た。市は復旧作業を急ぐが、6日時点でも一部施設の利用に影響が出ている。 天竜斎場(天竜区)は待合室やホールに多量の泥水が入った。同区区民生活課によると、再開時期は未定。火葬は浜北斎場(浜北区)など、他施設を利用する形になっている。曳馬小(中区)の放課後児童会の建物は床上浸水したため、同校の空き教室を間借りして運営を続けている。南区では大気測定用の機器1基が故障した。 このほか、四ツ池公園(中区)の浜松球場はベンチと役員室、陸上競技場は選手控室が浸水。開催予定だった一部大会の延期はあったが、現在は復旧しているという。
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静岡人インタビュー「この人」 静岡市清水区小島で台風被害を受けた住民の支援活動に従事 清水久美子さん
台風15号による大雨の影響で断水被害が続いた静岡市清水区小島で、地域住民に対する給水支援や物資配布にボランティアで参加した。同地区主任児童委員。47歳。石川県出身。 ―支援活動参加の経緯は。 「25日に小島生涯学習交流館で給水活動が始まったので見に行ったら、水道業者が1人で大勢の住民の列に対応していた。せっかく来てくれたのに大変だろうと思い、市や自治会から要請はなかったが自主的に手伝い始めた。同じ地域住民が対応した方が並んでいる人にとっても融通が利くし、少しでも円滑に支援が進めば良いと考えた」 ―活動の内容は。 「9月の終わりぐらいから支援物資がたくさん集まるようになり、仕分けや降ろ
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磐田市長 県道磐田天竜線通行止め 「1週間以内の開通目指す」
磐田市の草地博昭市長は6日の定例記者会見で、台風15号の影響で土砂崩れが発生し、通行止めになっている同市平松、神増の県道磐田天竜線について、「1週間以内の開通を目指したい」として、道路管理者の県や地域住民との調整を行う意向を示した。 同県道では、複数箇所で土砂崩れが発生し、大量の土砂や流木などが道をふさいだ。県袋井土木事務所が道路の復旧作業を急いでいるが、平松地区では約500メートル、神増地区では約350メートルにわたって通行止めが続いている。 道路上の土砂などの撤去は進み、工事用車両は行き来できるようになった。今後は二次災害を防ぐため、斜面側に大型土のうを積む作業も進められる。草地市長
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ふるさと納税活用 台風15号災害支援金募る 浜松市
台風15号の影響による被害を受け、浜松市は12月31日まで、ふるさと納税ポータルサイトを通じて災害支援寄付金を募っている。 寄付できるのは「ふるさとチョイス」「楽天ふるさと納税」「ふるなび」など6サイト。返礼品の設定はない。寄付の最低金額などはサイトにより異なる。集まった寄付金は市の復旧事業や防災対策に活用する。 問い合わせは市観光・シティプロモーション課<電053(457)2802>へ。
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天竜区の土砂崩落 起点に盛り土8000立方メートル 浜松市、搬入止められず
台風15号で住宅3棟が被災し、住民3人が負傷した浜松市天竜区緑恵台の土砂崩落で、市の吉沢雄介技術統括監らが6日、現時点の調査結果を市役所で発表した。崩落の起点に約8千立方メートルの無届けの盛り土があり、このうち約3千立方メートルが崩れて約5千立方メートルが斜面上に残っていると明らかにした。崩落前、業者に土を搬入させていた土地所有者やその親族に計4回の行政指導を行ったが、搬入を止められなかったと説明した。 ■行政指導4回も対策なし 市は土を搬入した複数の業者のうちの2社を特定し、事情を聴いた。それぞれ今年4月までに2トントラックで10~15杯の土砂を、土地所有者の了解を得て運んだと説明し
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磐田・寺谷浄水場 臭気物質を検出 西部市町で水道水異臭 台風15号
天竜川水系の市町で家庭の水道水に異臭が発生している問題で、静岡県企業局西部事務所水質管理センターは6日、磐田市の寺谷浄水場で取水している天竜川の水から、カビのようなにおいを発する臭気物質が通常よりも高濃度で検出されたと発表した。物質は植物プランクトンが生み出す。同センターは「飲んでも健康への影響はない」としている。 同センターによると、浄水場から水道水を供給している浜松、湖西、磐田、袋井、森の5市町全てで異臭が発生した。臭気物質は「2―メチルイソボルネオール」。天竜川の水温上昇に伴って植物プランクトンが増加し、同物質の濃度が高まったとみられる。 地元市からの異臭発生の連絡を受けて実施した
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家康ゆかりの庭園に土砂 清水区・清見寺 甚大な被害 台風15号豪雨
静岡市清水区興津清見寺町にある古刹(こさつ)、清見寺が台風15号により被災し、庭園や書院の床下に土砂が入り込んだままになっている。急峻(きゅうしゅん)な裏山を背負う同寺は近年たびたび土石流に見舞われている。 6日で被災から13日目。観光客も訪れる同寺では爪痕が残ったままになっている。徳川家康ゆかりの庭園や慶応年間に将軍の宿泊場所として建築された書院は歴史的に貴重で、市文化財課は国に相談し、元通りに直す方法や補助制度を検討中だ。寺の奥まった場所にあるため重機が使えず、泥のかき出しもままならない状態が続く。 小石が敷き詰められ、線を描いて波に見せていた国指定名勝の庭園は厚い泥が乾きひび割れて
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「水源地」で断水頻発 簡易水道復活、嘆願の動き 清水区宍原・小河内
6万3千戸が被災した静岡市清水区の大規模断水。富士川の支流などが流れる和田島ブロック北地区(宍原、小河内)600戸に6日夜にようやく飲用水が届き、断水は収束した。一方で、沢水が豊富な同地区では地域の水源で水をまかなう簡易水道復活を期待する声が出ている。嘆願書提出の機運もあり“水源地”で長引く断水に市の水道政策そのものに疑問の声が出ている。 「『ここの水はおいしい』と言って、観光バスがくみに来ていた」。国道52号沿いでガソリンスタンドを経営する大木久さん(75)は眼下の清流を指さした。周囲には紙すきが家業の屋号「大清水」も残る。 「30年ほど前、水に引かれ引っ越して
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静岡市 初動「後手後手」 過信、経験不足、縦割り…批判招く 台風15号豪雨
静岡県内に甚大な被害をもたらした台風15号への対応を巡り、静岡市の初動に遅れがあったと問題視されている。気象予報の過信や、停電と断水に同時に対処する経験の不足、縦割りの対応などが複合的に絡み合い、市民から「後手後手だ」との批判を招いた。発災後の市の動きを追った。 9月22日時点の静岡地方気象台の予報では、23日の1時間雨量は多い所で50ミリ、24日午後6時までの24時間雨量は多い所で100~150ミリ。気象台が自治体などに警戒を促す事前説明会もなかった。こうした状況から市は当初、「通常の雨」を想定し災害対応に当たった。「警戒心が弱かった」と市危機管理総室の担当者は反省の言葉を口にする。
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清水区の断水 全て解消 和田島ブロック北地区、6日に復旧
静岡市は6日、台風15号による大雨の影響で断水が続いていた清水区の和田島ブロック北地区(宍原、小河内)600戸で配水が開始され、飲用可能になったと発表した。一時約6万3千戸で発生した大規模な断水は同地区の復旧をもって全て解消した。完全復旧には13日間を要した。 清水区では9月24日、興津川取水口と同区北部の宮嶋橋水管橋の被災が確認され、由比、蒲原地区を除くほぼ全域で断水した。興津川取水口の復旧作業は28日未明に完了し、10月1日までに約5万8千戸の断水が解消。水管橋は9月28日~10月1日に仮設工事を実施し、4日から6日にかけて約4500戸の断水が解消した。 市は当初、5日までの全面復旧
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全ての公立校で授業再開 台風被害の静岡県内 天竜高、実習教科は実施困難
台風15号による浸水で休校が続いていた浜松市天竜区の天竜高が6日、授業を再開した。同日で、台風被害で休校していた小中学校を含む県内の全公立学校の授業が再開した。ただ、同高は実習施設の機械類などの多くが水没し、実習教科の実施は困難な状況。同高と県教委が復旧に向けた対応を進めている。 約2週間ぶりの授業となった3年生の教室で袴田貴満教諭は、自ら撮影した24日午前の被災状況の写真をスクリーンに映し出した。袴田教諭は泥出しや清掃など、生徒が復旧作業に熱心に取り組んだことに触れ「君たちが頑張ってくれたおかげでこうして授業を再開することができた」とねぎらった。 床や教材が泥に浸かった体育館の片付けを
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軽トラックと路線バス衝突
6日午前10時25分ごろ、磐田市下神増の信号機のある県道交差点で、高齢男性の軽トラックと遠州鉄道の路線バスが出合い頭に衝突した。 磐田署によると、高齢男性が意識不明の重体。バスに乗客はおらず、運転手にけがはなかった。同署などによると、軽トラックは西進、路線バスは北進して衝突した。同署は、高齢男性が、意識喪失状態に陥って交差点に進入した可能性もあるとみて、事故の原因を調べている。 遠州鉄道によると、台風15号による土砂崩れで県道磐田天竜線が交通規止めとなっている影響で、当該バスは事故発生時、迂回路を走行していた。
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台風15号 信号機の滅灯140カ所 静岡県警まとめ
台風15号の影響で静岡市内を中心に長時間続いた大規模停電による信号機の滅灯が約140カ所に及んだことが6日、分かった。県警の石川真交通規制課長が同日の県議会9月定例会文教警察委員会で明らかにした。 石川課長はそのうち約50カ所で緊急稼働させる措置を取ったと説明。信号機に設置され、現場で手動で起動させる「固定式」、署から現場に搬送して信号機に接続する「可搬式」の各発動発電機で電力を供給した。 一方、影響が大きい幹線道路などの信号機は、交差点に備えられ、自動的に電力を供給する「自動起動式発動発電機」で復旧していた。県警によると、滅灯に関する市民らからの苦情はなかった。
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大井川鉄道井川線 8日始発から一部区間で運転再開
大井川鉄道(本社・島田市)は6日、台風15号の被害で運休していた井川線について、千頭-接岨峡温泉間の一部区間で8日の始発から運転を再開すると発表した。同区間の復旧工事が完了し、運行の安全が確認できたため。接岨峡温泉―井川間は引き続き、復旧工事を進めている。 台風の影響で金谷―千頭の本線も20カ所で被災し、全線で運休が続いている。同社は12月上旬をめどに金谷―家山間の部分開通を目指すとしている。
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災害廃棄物仮置き場 岸田首相「事前の設定重要」 台風15号豪雨
岸田文雄首相は6日の衆院本会議代表質問で、静岡県内に甚大な被害をもたらした台風15号による豪雨災害を受け、早期復興に向けて「災害廃棄物の仮置き場の候補地を事前に設定しておくことが極めて重要」との考えを示した。国民民主党の玉木雄一郎代表の質問に答えた。 県内では大量の災害ごみの処理が問題となっている。首相は自治体に対して仮置き場の選定を含めた災害廃棄物処理計画の策定を促し、支援しているとし「計画策定と現場での円滑な運用について徹底していきたい」と強調した。 災害救助法が適用された本県に対し、中小企業関係団体による特別相談窓口の開設や、災害復旧貸付の実施措置を講じていると説明。小規模事業者持
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床上浸水被害の見舞金受け付け 藤枝市 台風15号豪雨
藤枝市は6日、台風15号で床上浸水の被害があった市民を対象にした災害見舞金の交付申請の受け付けを開始した。 1世帯当たり1万円。身分証や罹災(りさい)証明書などが必要。証明書がない場合は被害を確認できる写真などを用意する。福祉政策課の窓口か郵送、電子申請で受け付ける。 問い合わせは同課<電054(643)3148>へ。
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公共土木施設への被害249億円 台風15号豪雨
静岡県は6日の県議会建設委員会で、台風15号による県内公共土木施設の被害額(政令市を除く)が4日時点で249億7200万円に上ったと明らかにした。被害の全容が分かっていないため、さらに膨らむ可能性が高い。 被害は県中部や中東遠を中心に461カ所。内訳は河川343カ所、道路88カ所、橋りょう9カ所、砂防設備8カ所などとなった。 河川は磐田市の敷地川が決壊したほか、28河川30カ所で越水や溢水(いっすい)が発生した。土砂災害は107件確認され、内訳は土石流などが30件、崖崩れが77件だった。 太田博文交通基盤部長は「被害額は今後も増えることが想定される。早期復旧に向けて取り組むとともに、市
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大和田水道、飲用可能に 掛川・原泉地区の断水解消 台風15号
台風15号の影響で生活用水の利用に限定されていた掛川市の大和田簡易水道は6日、水質検査の結果、飲用可能となった。原泉地区の断水は全て解消された。断水以降、大和田公会堂と孕丹公会堂に設置していた給水タンクは7日午前に撤去する予定。
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上下水道基本料 2カ月分を免除 磐田市、台風被災者が対象
磐田市は、台風15号の被災者を対象に、2カ月分の上下水道の基本料金を免除する。浸水被害などによって住宅内や敷地内に入り込んだ土砂を洗い流すため、水道を使っている被災者の負担を軽減する。適用期間は、9~10月分か10~11月分か地域によって異なる。申請は不要。罹災(りさい)証明書か被災証明書を取得すれば、基本料金を差し引いた請求額になるよう市が処理する。 市上下水道総務課によると、市内の標準的な家庭の場合、2カ月分の基本料金は4090円。台風の影響で漏水が発生し、使用水量が増加した場合も、その分の料金を減免する。
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台風15号対応巡り市長へ要望 静岡市自治会連合会
静岡市自治会連合会は6日、台風15号による被害への対応に関する要望書を田辺信宏市長に提出した。 被災者に寄り添ったきめ細やかな支援▽道路、河川などの崩壊箇所の迅速な修復▽災害対応の詳細な検証▽災害時の国や県、民間団体などとの連携強化―の4項目を求めた。断水が長引いた清水区では被災直後に給水所の情報などが届かなかったとし、迅速な情報発信も併せて要望した。 市役所静岡庁舎で田辺信宏市長に要望書を手渡した中村直保会長は「今後も異常気象が予想されるため、いま一度災害対応、被災者支援の見直しが必要」と話した。 田辺市長は「縦割りにならないよう、オール市役所で対応する」と応じた。
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磐田市 被災児童・生徒に学用代替品を支給 台風15号
磐田市は6日、台風15号の影響で住宅が床上浸水するなどして使えなくなった学用品の代替品を支給すると発表した。市内在住の小中学生、高校生の学習や通学に支障がないよう支援する。 教科書や教材、文房具、通学用品(靴や長靴、傘など)を支給する。支給の限度額(教科書分は除く)は小学生が4700円、中学生が5千円、高校生が5500円。 申請には罹災(りさい)証明書の写しや被害を受けた学用品の画像などが必要。市教委学校教育課<電0538(37)2760>で受け付ける。
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静岡・清水区断水 取水源の確保研究 興津川依存、危機管理に課題
台風15号による記録的豪雨の影響で発生した静岡市清水区の大規模断水で、市の榊原光男上下水道局次長は6日、同区の取水源の大半が興津川取水口に依存している現状はリスク管理上の課題があるとして「(断水が)収束したら、いろいろな取水源を確保できるように研究する」と述べた。市議会企業消防委員会で委員の質問に答えた。 大規模断水は一時、蒲原・由比地区を除く清水区のほぼ全域に当たる約6万3千戸で発生し、このうち約5万8千戸は興津川取水口の被災が原因とされている。榊原次長は「台風被害で清水区民の主要な取水口が被災して断水した。取水口が1カ所というのがネック」と問題点を挙げた。 興津川取水口をふさいだ流木
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台風15号災害対応、課題検証を 市議から相次ぐ 静岡市議会総務委
台風15号による記録的豪雨の静岡市の災害対応を巡り、5日の市議会総務委員会で、市議から課題検証と対応策を求める意見や要望が相次いだ。 自民党市議団の寺沢潤氏は今回の災害対応に「多くの課題や準備不足が露呈した」と指摘。具体的には大規模断水が発生した清水区の給水所に関する情報発信が不十分だったとし、インターネットや交流サイト(SNS)に不慣れな世代への配慮を求めた。 創生静岡の風間重樹氏は防災対策に膨大な時間と予算を投じてきたにもかかわらず、「自衛隊の派遣要請、広報体制、災害対策本部の役割など、市の災害に対する脆弱(ぜいじゃく)性があらわになった」と追及した。 志政会の佐藤成子氏は「市民に
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災害情報、多言語で発信 7カ国語でSNSに 静岡市国際交流協会
静岡市国際交流協会はこのほど、大規模災害時に情報を外国語に翻訳する「多言語支援センター」の設営訓練を市役所静岡庁舎で行った。災害ボランティアとして通訳業務に携わる外国人防災リーダーら約30人が参加。市内の被害状況や生活支援情報を7カ国語に訳し、SNSで発信する流れを実践した。 南海トラフ巨大地震の発生で甚大な被害に見舞われてから3日が経過し、市内約260カ所に避難所が開設された-と想定。翻訳担当の広報班は台風15号で市が実際に発表した情報を用いながら、給水所の配置やライフラインの復旧状況などを英語、中国語、フィリピン語、ネパール語などに訳し、フェイスブックの専用ページに掲載した。文書の漢字
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記者コラム「清流」 体を張った作業員
台風15号の影響で静岡市清水区の興津川の取水口に大量の流木が詰まった当初、現場を訪れると作業員が汗だくになって流木を取り除いていた。濁流の水しぶきがほおにかかる。激しい流れが近くの人の声もかき消す。足場も悪い。そんな環境だった。 「1週間以内の復旧」を表明した田辺信宏市長の発言を報じた本紙を手に、恐る恐る作業員に見通しを聞くと「報道されているようには簡単にいかない」とぴしゃり。しかし早期復旧を望む市民の声はしっかり届いていただろう。数日で大半を除去し自衛隊にバトンタッチした。 市委託の仕事と言ってしまえばそれまでだが、自らも断水の影響を受けながら、水を待ち望む市民のために体を張っていた彼
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静岡市 災害復旧に100億円超 断水地域の水道料減免 台風15号豪雨
台風15号による記録的な豪雨の災害対応を巡り、静岡市が復旧事業に投じる予算の規模が100億円を超える見通しになったことが5日、関係者への取材で分かった。断水・浸水被害エリアの上下水道料金の減免や、災害ごみ仮置き場の運営など被災者支援を柱とする。開会中の市議会9月定例会に補正予算案を追加提出する。 追加の補正予算案では水道事業会計に3億2千万円を繰り出し、災害ごみ処理関連事業として23億5千万円を盛り込む方向で調整している。このほか被災した道路、橋、河川を復旧する工事費に加え、浸水被害で故障したJR静岡駅北口地下駐車場「エキパ」の修繕や、被災住宅の応急修理支援、生活必需品の支給・貸与などの費
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清水区山間部 進まぬ土砂撤去 家族分散避難「早く家に戻りたい」 台風15号豪雨
台風15号による大雨で静岡市の山間地では、住宅が土砂崩れに巻き込まれる被害が相次いだ。市によると、先月30日時点で4世帯計14人が自主避難を余儀なくされた。把握外の親類縁者を頼った避難者についてはさらに多いとみられる。避難者からは「とにかく早く家に戻りたい」と切望する声が上がる。 同市清水区河内の岩ケ谷真吾さん(38)と萌[めぐみ]さん(32)夫妻は子ども3人と萌さんの両親、祖母の8人家族。23日深夜、窓ガラスの割れる音で裏山の崩落に気付き、避難した。翌朝家に戻ると、山に面した部屋は土砂で埋まっていた。いつまた崩れるかも分からず、自治会館で避難生活を続けている。 生活が一変したことに加え
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#写真で魅せる私の天竜 台風に負けずSNSで盛り上げて 浜松山里いきいき応援隊・山崎さん発案
台風15号の被害を受けた浜松市天竜区を応援しようと、同区の自然あふれる絶景や日常の風景を写真で発信して盛り上げる取り組みが、交流サイト(SNS)で広がっている。発起人で浜松山里いきいき応援隊の山崎洸一さん(22)は「取り組みに共感する人が多くてうれしい。今後も天竜を盛り上げたい」と話す。 同区二俣町などで復旧作業のボランティアに入った山崎さん。土砂にまみれた道路や浸水した家屋を目の当たりにした半面、復旧後も活気が戻らない観光事業者や飲食店関係者の声を聞いた。 地域に暗い雰囲気が広がる中、明るい話題づくりが必要と考えた。山崎さんは9月30日、「#(ハッシュタグ)写真で魅せる私の天竜」と付け
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天竜川水系の水道水 浜松など複数市町で異臭届け 台風15号の影響
台風15号の影響で静岡県内が記録的な大雨に見舞われた9月下旬以降、浜松市など天竜川水系の複数の市町で家庭の水道水に異臭が生じ、市町に届けがあったことが5日までに、関係者への取材で分かった。同市によると、検査の結果、水質自体に問題はなく、人体への影響もない。 市浄水課は、取水している天竜川の水質が大雨で変化し、においを多く発生する有機物が混入したことが要因とみている。市民からは「かび臭い」「土のにおいがする」などの問い合わせが相次いで寄せられている。市は活性炭装置などを使用し、においを和らげる措置などを取っている。 同課の担当者は「これだけ異臭が長期化するのは今までにない。水自体に問題はな
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静岡市 新たな災害ごみ仮置き場開設 清水区大内新田に10日
静岡市は5日、台風15号に伴い市内で発生した大量の災害ごみを収容する仮置き場として、新たに清水区大内新田の市有地を選定したと発表した。市民を対象に10日午前9時から受け入れを始める。 同市有地の面積約3万平方メートルのうち、約1万5000平方メートルを使用する。収容量は約8千トン。自家用車でごみを持ち込み、プラスチックや家具、ガラスなど分別して処分する。 市によると、台風15号により発生した災害ごみは2万トンを超える見込み。3日に開設したJR清水駅東口のENEOS(エネオス)清水油槽所遊休地の収容量は8千トンで、5日時点で空き容量に余裕があるという。 地域の公園や空き地に収容された災害
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台風15号 自衛隊派遣要請遅れ 静岡県議会で指摘相次ぐ
静岡県議会9月定例会危機管理くらし環境委員会が5日開かれ、委員から台風15号の自衛隊派遣要請に関し、要請が遅かったとの指摘が相次いだ。県内は静岡市清水区で大規模断水が発生し、複数の市町で集落の孤立もあった。県は、発災当初は、緊急性と非代替性の観点からすぐに要請が必要な状況ではなかったとの認識を示した。 危機管理部の杉山隆通危機報道官は断水について「ただちに生命に危険が生じる状況ではなく、初日から日本水道協会の給水車が30~40台入っていた」と説明した。黒田健嗣危機管理監は水道施設の復旧見通しが「県にはなかなか情報が入らなかった」とし、「長期化するのであれば自衛隊を要請する緊急性はあっただろ
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和田島ブロック北地区の断水解消 6日にずれ込む 静岡市清水区
台風15号の大雨により発生している静岡市清水区の断水で、市は5日、和田島ブロックの北地区(宍原、小河内)600戸への生活用水の配水が6日になる見通しだと明らかにした。水の濁りの解消などに時間を要し、予定していた5日中の配水が後ろにずれ込んだ。北地区が復旧すれば市内すべての断水が解消する。 生活用水が流れるようになり次第、水質検査を行い、飲用可能を宣言する。 同ブロックでは興津川沿いの南地区が4日、西地区(茂畑、広瀬)が5日に飲用可能になった。
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台風被災世帯に見舞金支給 島田市
島田市は5日、台風15号で被災した世帯に災害見舞金を交付すると発表した。住居の損壊や床上・床下浸水が対象。 これまで市が把握しているのは住居の一部損壊が3件、床上浸水が55件、床下浸水が127件。罹災(りさい)証明書の交付申請を受けて市が被害状況を調査し、証明書発行に合わせて見舞金支給を案内する。見舞金は住居の一部損壊と床上浸水が2万円、床下浸水が1万円。 問い合わせは福祉課<電0547(36)7407>へ。
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19議案を可決、認定 焼津市議会が閉会
焼津市議会9月定例会は5日、最終本会議を開き、追加提出された一般会計補正予算案など19議案を原案通り可決、認定、報告して閉会した。追加提出の補正予算案では、台風15号の影響に伴う被害対応、物価高騰対応の経費を盛り込んだ。 成立した補正予算は8億4300万円を追加した。9月の台風15号関連では、被害を受けた農業施設の復旧費2100万円▽発生した災害廃棄物の処分費1600万円▽栄田川の護岸復旧費1600万円▽道路に堆積した土砂などの除去費1400万円―を計上した。 物価高騰対策では、農業者への肥料購入費に対する支援策1700万円、低所得世帯の生活支援として1世帯あたり5万円を支給する経費7億
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清水区秋の園芸市 11月5、6日に延期 台風15号影響
静岡市は5日、清水区の清水日本平運動公園多目的広場で22、23日に開催予定だった「秋の園芸市」を、11月5、6日に延期すると発表した。台風15号の影響で延期したサッカーJ1清水エスパルスとジュビロ磐田の「静岡ダービー」が10月22日に同公園で開催されるため。
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台風被災者支援 義援金受け付け 浜松市、12月28日まで
浜松市は12月28日まで、9月の台風15号で被災した市民を支援する災害義援金を金融機関への振り込みと持参で受け付けている。 振込先は、静岡銀行浜松営業部の普通口座。持参の場合、各区役所の社会福祉課窓口で手続きできる。 被災者への義援金の配分は、今後協議を行った上で決める。 問い合わせは市次世代育成課<電053(457)2795>へ。
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台風15号の大規模停電 中部電力社長、記者会見で陳謝
中部電力の林欣吾社長は5日、名古屋市内で開いた定例記者会見で、台風15号による大雨の影響で静岡市葵区の送電鉄塔2基が倒壊し、最大約11万9千戸の停電が発生したことについて「大変、ご迷惑を掛けた」と陳謝した。 復旧に向け「(鉄塔周辺の)広範囲で土砂崩れがあり、現在、プランを立てている」と説明した。倒れた鉄塔の撤去と原因究明に加え、設計や工法の検討を踏まえた上で工事を始める方針。山間部の土砂崩れなどの影響で復旧が進まず、現在も停電が続く静岡市清水区、川根本町、島田市の計18戸(5日現在)への対応は「国や自治体と協力し、早期復旧に努める」と述べた。 このほか、原子力発電について政府が次世代革新
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台風15号 農水被害61億円超 静岡県報告、農作物など未算入
静岡県は5日の県議会産業委員会で、台風15号での県内農林水産業の被害額が4日時点で61億4200万円に上ると報告した。ただ農作物と生産施設への影響は調査中で、まだ算入していない。被害総額は近年で被害が大きかった2019年の台風19号、18年の台風24号の規模を上回る可能性があるという。 内訳は農地が5億6千万円、農業用施設が25億5300万円、林業29億5700万円、水産業7200万円。いずれも調査継続中で今後増える可能性がある。県中部、中東遠地域で被害が大きいという。 農地は3市町で水田やワサビ田に土砂が堆積し、11市町でミカンなどの畑が崩落した。農業用施設は11市町で農道崩落や土砂流
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台風15号 軽トラック転落事故 遺体は運転手と判明 川根本町
台風15号の影響で川根本町下泉の道路が陥没し、軽トラックが転落した事故で、現場から収容した遺体の身元は、行方不明になっていた運転手の男性(70)と判明したことが5日、関係者への取材で分かった。 現場の道路は深さ10メートルほどの大きな空洞ができていて、遺体は2日に護岸壁の底部分で土砂に埋まった状態で見つかり、4日搬出された。 関係者によると、男性は下泉区の副区長で、9月24日の未明から区内の見回りに出ていた最中に転落したとみられている。
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静岡市と川根本町に土木職員派遣 県庁で壮行会 台風15号被害
静岡県は5日、台風15号で被害を受けた静岡市と川根本町に「ふじのくに災害復旧支援隊」の土木技術職員計4人を派遣した。約2カ月間にわたり河川や道路などの公共土木施設の災害復旧に当たる。 県庁で壮行会があり、太田博文交通基盤部長は「近年まれに見る大きな災害で、いまだに全容がつかめていない。市町の職員と連携や情報共有を図り、地域住民に寄り添って業務を遂行してほしい」と激励した。 静岡市に派遣される沼津土木事務所都市計画課の河原崎武主幹(53)は「(被災者が)一日も早く以前の生活を取り戻せるよう災害復旧に全力を尽くす」と決意を述べた。被災箇所の調査や災害復旧に必要な査定設計書の作成業務などを担う
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県立9校で台風被害 静岡県教委報告 浸水や設備損傷
静岡県教委は5日の県議会文教警察委員会で、台風15号の影響により、県立高と県立特別支援学校の計9校で床上浸水や土砂の流入、落雷による消防設備の損傷など、建物や設備への被害が確認されたと報告した。 特に被害が大きかった天竜高(浜松市天竜区)は最大1メートル程度の床上浸水で実習用機器が故障するなどの影響が出た。県教委は同校と、製茶工場の浸水や農業用散水ポンプの故障が確認された静岡農高(静岡市葵区)について、災害対応の協定を結ぶ業者に対応を要請した。 被害があったのはほかに、遠江総合(森町)、磐田農(磐田市)、富士(富士市)、清水西(静岡市清水区)、藤枝西(藤枝市)、川根(川根本町)の6高と静
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清水区民体育大会 台風被害で中止 静岡市
静岡市スポーツ振興課は5日、市清水総合運動場陸上競技場で9日に予定していた清水区民体育大会を中止する、と発表した。台風15号により多くの区民が被災したため。同課は「11月下旬に改めて開けるよう調整している」としている。同区民大会はこれまで台風や新型コロナウイルス感染拡大のため中止が続いていてことしは4年ぶりの開催を待ち望む声が多かった。同課によると前回2018年には3500人以上が参加した。
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静岡市清水区和田島ブロック断水 西地区200戸で解消
静岡市は5日、台風15号の大雨により発生した清水区の断水について、和田島ブロックの西地区(茂畑、広瀬)200戸で飲用可能になったと発表した。 一方、同ブロック最北部の北地区(宍原、小河内)600戸は同日午前11時現在、依然としてほぼ全域で断水が続いている。生活用水は同日中、飲用水は同日から6日までに配水される見通しという。
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静岡市清水区の断水 和田島ブロック西地区で解消
静岡市は5日、清水区の断水について、和田島ブロックの西地区(茂畑、広瀬)200戸で飲用可能になったと発表した。
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静岡市清水区和田島に飲用水 10日ぶり「やっと日常に」
「やっと日常に」―。興津川にかかる宮嶋橋水管橋が落橋し、24日から断水が続く静岡市清水区の和田島ブロックでは4日夕、8割で10日ぶりに自宅の蛇口から飲み水が出るようになった。区内で6万3千戸が被災した大規模断水で最後に残った同ブロックでは安堵(あんど)の声が広がる一方、北地区には生活用水すら出ない600戸が残されている。同地区の生活用水は5日に供給される見通し。 「水が通るのは恐らくうちが最後」。縦に細長く伸びる和田島ブロックのほぼ北端。山梨県境まであと数キロの国道52号沿いに妻と2人暮らしの元市職員の男性(70)は淡々と話す。洗濯機が使えず、山の水をためて外の流しで洗濯している。 周辺
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災害土砂を広域処分へ 静岡の30万立方メートル、静岡県が調整
静岡県は4日、台風15号の影響で静岡市内に大量に発生した土砂について、受け入れに余力のある県内の残土処分場との間で広域処分の調整に着手したと発表した。同市で発生した災害土砂量は30万立方メートル以上と見込み、平常時に受け入れている同市や近隣市町の処分場では対処できないと判断した。 県などによると、静岡市の災害土砂は山間部を中心に発生。搬出作業が滞り、多くの土砂は流出したままか、発生場所近くの空き地などに仮置きした状態が続いている。県は「このままでは迅速な災害復旧に支障を来す」と判断し、県内のほかの地域にある民間の残土処理場や、清水港の埋め立てなど県有施設工事への活用に向けて調整することを決
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2014年の産廃で行政指導 浜松市天竜区緑恵台の崩落現場
台風15号で住宅3棟が被災し、3人が負傷した浜松市天竜区緑恵台の土砂崩落で、市が2014年、今回の崩落現場の斜面に産業廃棄物を投棄していた業者を発見し、廃棄物処理法に基づいて行政指導していたことが4日までの市への取材で分かった。現場はこの時点で既に土砂が盛り土状になっていたとみられるが、市の指導は産廃が対象で、その後の土砂搬入の防止対策にはつながらなかった。 市産業廃棄物対策課によると、14年10月にサルの被害確認をしていた職員が現場付近の斜面で瓦やコンクリート片を見つけ、同課に連絡した。同課職員が現場で作業中の業者と土地所有者に遭遇し、業者が産廃の投棄を認めたため、撤去するように口頭で指
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台風被害の島田・川根 土砂撤去進まず遠い日常
台風15号の影響で浸水や土砂崩れが多発した島田市の中山間地では、被災から10日が経過した4日時点も土砂の撤去がままならない家屋がある。支援は十分に届かず、土石流が敷地内に流れ込んだ同市川根町の住宅では住民有志や県外からのボランティアが「早く日常を取り戻して」と懸命に活動する。 同市川根町家山では家山川に流れ込む沢や水路が土砂などでせき止められ、広範囲で浸水した。越地地区の岩鼻重光さん(56)方は母屋1階部分が土砂で覆われ、窓から泥水が流れ込んだという。家族は市役所川根支所などに避難し、重光さんは消防団員の長男と土のうで泥水の流入を抑える作業に追われた。 被災から5日ほどで自宅や横の道路に
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袋井の茶園崩落現場 勝俣農水副大臣が被害視察 台風15号
勝俣孝明農林水産副大臣(衆院静岡6区)は4日、台風15号の影響で崩落した袋井市大谷の茶園を視察した。県の幹部や茶園所有者から被害状況を聞き取った。 県中遠農林事務所によると、現場は傾斜地に茶園が広がっていて、豪雨の影響で約4200平方メートルが崩落した。勝俣氏は、農業被害が県内の広範囲に及んでいることを踏まえ「国としてしっかり支援していくために、まずは二次被害を防ぐ応急処置と、被害状況の把握を両輪で進めてほしい」と述べた。 所有者の1人、西村哲さん(57)は「自分で復旧できるレベルの被害ではない。将来にわたって持続可能な農業になるような復旧にしてほしい」と求めた。 勝俣氏は、大規模な土
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無償で車貸し出し 静岡拠点に日本カーシェア協会
日本カーシェアリング協会(宮城県石巻市)は4日から、台風15号の被災者に車を無償で貸す「災害サポートレンタカー」の受付を始めた。静岡市内を拠点とし、7日に貸し出し日を決める。 貸し出しは長期(14日以内、乗用車)と短期(2日以内、軽乗用車か軽トラック)がある。12月15日までの期間中何度でも利用可で、申請には①運転者全員分の免許証の提示(申請者以外はコピー可)②携帯電話の所持③被災を証明できるもの―が必要。証明がない場合は相談に応じる。 車の引き渡しや返却をする拠点は調整中で、決定次第、同協会がホームページで発表する。拠点探しには、同市の「地域デザインカレッジ修了生状況共有会議」が協力し
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川根本町トラック転落現場 身元不明遺体搬出
台風15号の影響で川根本町下泉の道路が陥没し、軽トラックが転落、運転手の男性(70)が行方不明になっている事故で、県警は4日、現場から身元不明の男性の遺体を搬出したと発表した。遺体は行方不明の男性の可能性が高いとみて、県警は身元の確認を急いでいる。 男性とみられる遺体は2日午後に見つかった。現場は深さ10メートルほどの大きな穴が空いていて、遺体は護岸壁の底部分で土砂に埋まった状態で発見されたという。4日も災害対策課や機動隊など23人態勢で慎重に搬出作業を続けた。遺体は身長約175センチ、上下青色のかっぱと黒色の長靴を着用していた。 崩落など陥没箇所付近での作業に危険が伴うことから、遺体の
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金谷―家山、12月上旬開通目指す 台風被災の大井川鉄道、井川線は8日にも一部再開
大井川鉄道(本社・島田市)は4日、台風15号の被害により全線運休している大井川本線について、12月上旬をめどに金谷-家山間での部分開通を目指すと発表した。井川線は復旧工事が進み、千頭-接岨峡温泉間で今月8日の運転再開を目指している。 本線は神尾-福用間に採石場跡地から大量の土砂が流れ込み、国道473号も崩落した。県が土砂の撤去作業とのり面の防護壁設置を急いでいる。同社によると本線全体で20カ所、井川線で26カ所が被災した。家山-千頭間は土砂や道床流出など被害が多く、復旧作業に着手できていない状況という。 12月16日に運転開始を予定する「きかんしゃトーマス号」は運転区間を新金谷-家山に変
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茶況(10月4日)川根本町・茶茗館 断水解消で再開 特別呈茶イベント開催
台風15号の影響で断水が発生し、臨時休業していた川根本町水川の道の駅「フォーレなかかわね茶茗館」がこのほど、営業を再開した。同地区の取水えん堤の仮復旧工事が完了して断水が解消した。 同館では、全国茶品評会で入賞した町内生産者の特別呈茶イベントを開催中。現在は普通煎茶4キロの部で最高賞の農林水産大臣賞を受賞した相藤園の相藤令治さんのお茶が味わえる。和菓子とのセットで税込み300円。同館によると、残りは約100席という。 相藤さんのお茶が終了次第、呈茶セットは普通煎茶10キロの部で3等に入賞した丹野園の丹野浩之さんのお茶に切り替わる。限定750席。問い合わせは同館<電0547(56)2100
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記者コラム「清流」 再びの豪雨に落胆
浜松市内の広範囲に浸水被害が生じた台風15号の豪雨から一夜明けた9月24日、同月2日に続いて被災した浜北区新原地区を訪れた。道路に土ぼこりがたまり、住民がぬれた家具の運び出しや浸水した自宅の清掃に追われていた。 1カ月足らずのうちに2回の床上浸水に見舞われた住民が話を聞かせてくれた。前回の豪雨の後に浸水した部屋の床を張り替えたばかりで「やっと生活を立て直したところだったのに」と肩を落とす。仕事用の機械も水没して使えなくなり、今後の生計に不安を募らせていた。水の引いた室内で、引き出しの書類や写真をごみ袋に入れながら「雨で思い出まで流されたね」とこぼした。 返す言葉が見つからなかった。元の暮
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天竜高再開へ職員派遣 静岡県教委方針、復旧急ぐ 台風被害視察
台風15号による浸水の影響で休校が続く天竜高(浜松市天竜区)で4日、県教委幹部による視察が行われた。授業は6日に再開の予定だが、実習施設の機械類の大半が水没したため、実習科目の授業は再開時期が見通せない状況。県教委は職員を派遣するなどして早期の復旧に努める考えを示した。 水口秀樹教育部長らが同校を訪れ、飯田寛志校長から被災状況の説明を受けた。同校によると、校舎裏の川が氾濫し、校舎1階や木材工作室などの実習施設が浸水被害を受けた。製材機などの機械類の多くが使用できないとみられ、農林・建築系の実習授業は開講が困難という。 水口教育部長は「特に実習棟の被害が大きい。事務職員を手配し、連絡を取り
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清水区断水 和田島ブロック、南地区3700戸で飲用可能に
静岡市は4日、台風15号の影響で断水が続いている清水区の和田島ブロック(4500戸)のうち、戸数の約8割を占める南地区3700戸で飲用可能になったと発表した。南地区での配水管の洗浄作業などに時間を要したため、5日に予定していた北地区(宍原、小河内)600戸の飲用開始は、6日にずれ込む可能性があるという。 4~5日に飲用開始予定としていた西地区(茂畑、広瀬)200戸では、5日に飲用可能となる見込み。 同ブロックでは高低差のある地形の影響で生活用水の供給に地域差が出ている。西地区では4日現在、茂畑地域で生活用水が供給されているが、広瀬地域は5日になる見通し。北地区では5日に生活用水の供給が始
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自動車税環境性能割 減免対象期間を延長 被災後6カ月以内
静岡県は4日、台風15号で被災した自動車の修理や買い替えに関し、代替車の取得に課される自動車税環境性能割の減免について発表した。減免対象期間を通常の被災後3カ月以内から、6カ月以内に延長する。 半導体不足に伴った対応。納期遅延などでやむを得ないと判断した場合は、被災後最大1年以内に取得した代替車にも適用する。 自動車税の減免制度は、使用不能で廃車となった場合は、災害があった翌月から廃車した月までの月割税額の全額を還付する。廃車して代替車を取得した場合に課される環境性能割は全額を免除する。 修繕した場合は翌年度の年税額の半額を減免する。 問い合わせや申請は県内8カ所の財務事務所で対応す
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災害時 静岡県連絡員派遣を 市長会要望、県と協議へ
静岡県市長会は4日、静岡市内で定例会を開いた。冒頭あいさつで台風15号災害に触れた会長の菊地豊伊豆市長は、大規模災害時に県から情報連絡員(リエゾン)が災害現場に派遣されるよう、市長会として県と協議する方針を示した。 以前にも加盟市からリエゾン派遣の要望があったことを明かした菊地会長は「県から現地に職員を出していただくことで情報把握が容易になる」と協議に意欲を見せた。 会合では、2023年度の県予算編成に向け、地方財政の強化や防災対策、地域振興、保健・医療福祉施策の推進など8分野49項目を盛り込んだ要望書を県に提出した。菊地会長は「(土石流災害のあった)熱海伊豆山、台風で被害のあった中西部
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静岡市清水区の断水 和田島ブロック南地区で解消
静岡市は4日、清水区で続いている断水について、和田島ブロック4500戸のうち、南地区3700戸で飲用が可能になったと発表した。北地区の一部では飲用可能が6日にずれ込む可能性があるという。
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濁り、断水続く 清水・和田島ブロック 住民願う「完全復旧」
台風15号の影響による大規模断水で、静岡市清水区北部の和田島ブロック(約4500戸)は3日、3700戸ある南地区で生活用水が配水されるようになったものの、いまだに濁りや断水が続くエリアがある。10日以上にわたって給水所に通い続ける住民は「完全復旧が待ち遠しい」と疲労の色をにじませた。 「昨晩、ちょろちょろと水が出始めた時はうれしかったが、昼からはまた断水」。生活用水も蛇口から出ない世帯がある北地区の増田信江さん(69)は、肩を落とし「風呂やトイレの水を得るため、毎日2~3回、給水所を往復している。早く日常が戻れば」と切望した。 同地区の望月俊子さん(73)は「風呂が大変。毎日家族で外の風
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「エキパ」営業中止 台風15号大雨で故障 復旧時期未定
静岡市が運営するJR静岡駅北口地下駐車場「エキパ」のシステムが台風15号の大雨の影響で故障し、復旧の見通しが立っていないことが3日、市への取材で分かった。 エキパは9月23日から24日にかけての大雨や停電の影響で、ベルトコンベヤーを動かす電気系統などが故障したため、24日朝から入出庫を停止した。駐車場内に残った車両を27日までに運び出し、同日から設備の通電確認を始め、故障箇所の特定を進めている。 市交通政策課によると、エキパは国道1号から直接進入でき、JR静岡駅や市中心街に直結する地下駐車場で、400台が駐車可能。2003年の開業以降、今回のような大規模な営業中止は初めてという。 同課
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台風15号・天竜の崩落地 残土投棄、土地所有者が依頼か 意図的盛り土の可能性
台風15号で住宅3棟が被災、3人が負傷した浜松市天竜区緑恵台の土砂崩落で、原因と疑われる盛り土があったとみられる土地の所有者が、自らの土地に建設残土などを投棄するよう複数の業者に持ちかけていたことが3日、関係者への取材で分かった。所有者が関与する形で建設残土などが意図的に投棄され、盛り土状になった可能性がある。市は土砂搬入の詳細な経緯や目的について調べている。 同市内の土木業者によると、数年前に土地所有者が市内の施工現場を訪れ、「この土をうちの土地にタダで捨てていいので、運んでくれないか」と持ちかけられたという。業者は所有者と共に土地を確認したが、盛り土に適さない急勾配であったことなどを理
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記者コラム「清流」 的確、迅速な対応を
9月23日から24日にかけて県内を襲った台風15号。静岡市では清水区を中心に断水が長引き、中山間地では道路の寸断で集落の孤立も相次いだ。 災害ごみの仮置き場や災害ボランティアセンターの開設などは他自治体に比べ同市は遅かった。26日の田辺信宏市長の定例記者会見では、仮設トイレの設置や物資の配布の質問に対し、「検討する」の返答ばかり。24、25日は何をやっていたのだろう。仮設トイレの設置が発表された27日には、断水した6万3000戸の半数近くにすでに生活用水が流れ始めていた。 被災現場では「情報が少ない」と憤る市民もいて、情報発信も手厚かったとは言えない。復旧後も長引くであろう被災者支援。市
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記者コラム「清流」 「備え」の見直し
浜松市中区の富塚協働センター主催の防災合宿を取材した。災害時、大人1人あたりに必要とされる水3リットルや、アルファ米などの非常食を持ち寄って公園で調理し、協働センターに宿泊するという避難訓練。家族連れがキャンプのように楽しみながら、備蓄や防災について学んだ。 参加者から「防災グッズを棚の奥にしまっていて、取り出しにくかった」と聞いた。協働センターの担当者に合宿の手応えを尋ねると「水は3リットルでは足りない」と振り返った。食事以外にも、手洗いなどの生活用水の確保が必要だという。 台風15号で避難や復旧の難しさが改めて浮かび上がった。ネットで調べるだけでは見えないことも多い。訓練を踏まえた備
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自衛隊活動が終了 台風15号
静岡県は3日、自衛隊による台風15号の被災者支援活動が同日終了したと発表した。9月26日から10月3日までの間、陸上自衛隊、航空自衛隊の隊員計334人が静岡市と川根本町で活動した。 県によると、静岡市清水区では給水支援や災害ごみの搬出作業を実施。大規模断水の主な原因となっていた興津川の承元寺取水口の土砂撤去も行った。川根本町では取水口の土砂撤去のほかに、受水槽の送水管の延長作業、孤立集落の住民の避難誘導をした。
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自衛隊派遣要請、適正だったか 県、要件従い対応/情報収集に課題 台風15号
静岡県は3日、台風15号での自衛隊の災害派遣要請について、派遣の原則や広域受援計画などに基づき、「手続き上の問題はなかった」との見解を示した。孤立集落の把握など県内全体の被害情報の収集と集約には課題があるとして、今後検証する。 自衛隊の災害派遣は「緊急性」「公共性」と自衛隊の活動以外に適切な手段がない「非代替性」の3原則を満たす場合、県から要請で行われる。県はこのうち、緊急性と非代替性について、発生直後には該当しないか、もしくは判断が難しい状況だったと説明した。 県が要請をしたのは被害判明から2日後の9月26日午前10時25分。県内では静岡市清水区の大規模断水だけでなく、複数の市町で孤立
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大鉄線路の土砂8000立方メートル 撤去作業急ぐ
台風15号の影響で島田市の採石場跡地から大量の土砂が流出し、崩壊した国道473号の通行止めと大井川鉄道の運休が続いている問題で、県島田土木事務所は3日、大鉄の線路上にたまった土砂が概算で8千立方メートルに上ると明らかにした。 ドローンによる測量で得た3次元点群データを解析した。土砂は大鉄本線の神尾-福用間の線路上に延長約80メートル、幅約40メートルにわたって積み上がった状態。県は土砂の撤去とのり面への仮設の防護柵設置を急ぐが、沿線には複数の被害が出ていることもあり、線路の復旧には数カ月かかるとみられる。鉄道再開のめどは立っていない。 同事務所によると、国道473号は長さ約50メートル、
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和田島ブロックの断水復旧 生活用水供給に地域差 静岡・清水区
静岡市は3日、清水区の中山間地の和田島ブロックで続いている断水の復旧の進捗(しんちょく)状況を発表した。同ブロックでは1日に通水作業を始めたが、高低差のある地形の影響で、生活用水の供給に地域差が生じている。 同ブロックのうち、南地区3700戸ではほぼ全域で生活用水が配水されたが、水道管のさびなどで濁水が発生している地域がある。西地区200戸と北地区600戸では配水池への貯水ペースにより、配水に地域差が出ている。飲用可能のめどは南地区が4日、西地区が4~5日、北地区が5日。市によると、断水解消に向けた作業は順調に進んでいるという。 県のまとめでは、島田、藤枝、掛川、森の4市町計149戸で続
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東北の実家被災 富士宮の高野さん「恩返し」 台風被害、清水復興の力に
富士宮市の主婦高野ゆかさん(34)ら有志が、台風15号の影響による浸水や断水の被害を受ける静岡市清水区で無償の炊き出しを行っている。3日には被害が大きかった同区渋川で豚汁やおにぎりを150食提供した。高野さんは東日本大震災で宮城県山元町の実家が被災。「清水の人に助けてもらった恩返しがしたい」との一心で支援に奔走している。 9月29日から、車いっぱいに日用品などの物資を積み同区の友人宅周辺で配り回った。手料理が喜ばれ炊き出しを決意し、渋川北自治会に豚汁の提供を申し出た。 活動をインスタグラムで告知すると、友人らから食材の提供や調理の手伝いなど支援が集まった。炊き出し会場には豚汁やおにぎり
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罹災証明発行へ 再建へ迅速対応目指す 磐田市が現地調査
磐田市は3日、台風15号で浸水などの被害を受けた住宅の罹災(りさい)証明書発行に向けた現地調査を始めた。被災者の生活再建につなげるため、迅速な発行を目指す。 罹災証明書は、被災者向けの各種支援制度の利用や保険金の請求などに必要。市税課によると、2日までに228件の発行申請があり、約8割が豊岡地区という。申請件数は今後も増加が見込まれる。 初日は、同課職員に他課からの応援も加え、20人体制で約50件の被害状況を調査した。2人一組で申請があった家屋を訪ね、浸水の深さや、内壁・床の損傷具合、建物の傾きなどを調べた。6日から発行を開始できる見通し。 同市下野部のパート従業員金子直美さん(62
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被災住宅の土砂除去費補助 磐田市
磐田市は3日、台風15号の被害に遭った住宅の土砂などの除去費用を一部補助すると発表した。 補助の要件は①床上浸水か半壊以上の被害を受け、土砂などが住宅内に残って住むことができない②自宅屋外に土砂などが流れ込み、重機による作業が必要―など。土砂などの撤去を業者に依頼した費用のうち、上限20万円(住宅内13万8300円、屋外6万1700円)を補助する。 申請には、罹災(りさい)証明書と費用の見積書が必要。市役所西庁舎の建築住宅課<電0538(37)2706>と、豊岡支所ワンストップ窓口<電0539(63)0027>で申請を受け付けている。
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台風15号「七夕豪雨以来の雨量」 森町が被災状況発表
森町は3日、台風15号の接近に伴う豪雨による町内の被災状況を発表した。9月23日正午から24日午前2時までの累積雨量は太田川ダムで384ミリ、最大時間雨量は三倉で80・5ミリと、七夕豪雨以来の規模の雨量を記録したと報告した。 9月30日現在の速報値は住宅の床上浸水9件、床下浸水27件、住宅への土砂流入17件、道路の被災182カ所など。負傷者など人的被害は確認されていない。町によると、河川護岸の浸食や土砂崩れなどによる被害が目立ち、影響は広範囲に及んだという。 太田康雄町長は「関係機関と連携して復旧へ向けて全力で取り組んでいる。災害に関する相談や困り事は遠慮せず役場に連絡してほしい」と話し
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静岡市と川根本町に土木職員派遣 静岡県、台風15号復旧支援
静岡県は3日、台風15号で被害を受けた静岡市と川根本町に土木技術職員計4人を派遣すると発表した。河川や道路など市町が管理する公共土木施設の災害復旧に当たる。派遣期間は5日から2カ月程度。 市町からの要請に基づき、「ふじのくに災害復旧支援隊」を派遣する。県土木防災課によると、派遣人数は静岡市2人、川根本町2人。被災箇所の調査や査定設計書の作成業務などを担う。支援隊の派遣は2019年の台風19号以来。
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静岡・清水区の一人親世帯に「置き配」 地元市民団体、生活物資届ける 台風15号被災支援
台風15号で被災した静岡市清水区の一人親世帯を支援しようと、地元の市民団体「地域デザインカレッジ修了生状況共有会議」と「シングルペアレント101」、「ポポロ」のメンバーは3日までに、仕事などで留守中の区内のシングルマザーを対象に自宅前に生活物資を届ける「置き配」を展開した。 メンバーは、一人親世帯に対して米などの食料を定期的に配る活動を続けている。車が水に漬かり移動手段が限られるなどし、一層支援が必要になっているシングル世帯も出ている。3団体は被災後の9月27日から飲料水や食料、生理用品などを自宅前に置き配することを考案した。 対象には3日も断水が続く清水区の和田島ブロックの住民も。「仕
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清水区 日常へ一歩 全市立小中学校が再開、断水生活の気付き報告
台風15号により発生した断水の影響を受け休校が続いていた静岡市清水区の市立小中全23校で3日、授業が再開した。久々の登校に沸く子どもたちの明るい声が校舎に響き渡った。小学校の再開に合わせ、併設の児童クラブ14施設も復旧する。 同区松井町の清水小(柴田由香里校長)では午前7時45分ごろ、児童たちが続々と校門を通って教員や同級生と元気にあいさつを交わした。中庭を友人と走り回ったり鉄棒を楽しんだりして過ごした後、クラスに集まり朝の会に臨んだ。「当たり前にあったものがなくなると本当に大変」「いろんな人が清水を助けに来てくれた。優しい人がいっぱいいる」など、断水下の生活で得た気づきについて話し合った
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道路崩落現場付近で遺体発見 台風15号、川根本町の車転落事故
台風15号の影響で川根本町下泉の道路が陥没し軽トラックが転落、運転手の男性(70)が行方不明になっている事故現場で遺体が発見されたことが、3日までの関係者への取材で分かった。崩落現場付近で見つかったとみられる。 崩落現場は深さ10メートルほどの大きな空洞となっていて、内部での作業に危険が伴うことから捜索は難航し、たまった水を取り除く作業などが行われていた。関係者によると、2日に遺体が見つかったものの、引き上げには至っていないという。 事故は9月24日未明に発生。運転手の男性は地元の副区長で、区長とともに周辺の見回りに出ていたという。
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災害ごみ、受け入れ開始 JR清水駅東口、遊休地に仮置き場
台風15号に伴い静岡市内で発生した災害ごみを収容するため、JR清水駅東口のENEOS(エネオス)清水油槽所遊休地に設置した仮置き場が3日午前9時、市民からのごみの受け入れを開始した。最初の30分間で約20台のトラックや乗用車が受け付けし、水に漬かった畳や家電などの大量のごみが持ち込まれた。 浸水による被害が顕著だった清水区の災害ごみは地域の公園や道路脇などに積み上がっており、住民からは災害廃棄物処理計画に基づく正式な仮置き場の設置が求められていた。区内の住宅地の一部では2日にも自衛隊が撤去支援を展開した。 仮置き場とする遊休地の面積は約1万4千平方メートル。市は今回の大雨にともない、2万
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川根路観光、紅葉前に痛手 大鉄運休/名所遊歩道崩落 台風15号被害
台風15号の爪痕が大井川流域の観光業に影を落としている。大井川鉄道神尾-福用間などの線路に土砂が流入した影響で、同鉄道は2日現在、全線が運休している。復旧の見通しは立たず、本線終点の千頭駅(川根本町)は週末も閑散とした状況が続く。同町の観光名所「夢のつり橋」に続く道も崩落し、寸又峡温泉の集客に影響が出始めた。観光事業者からは「紅葉シーズンを前に大きな痛手だ」と悲痛な声が上がる。 寸又峡温泉街から夢のつり橋につながる遊歩道。橋の目の前の箇所が崩落し、つり橋は遊歩道から眺めることしかできない。温泉街はつり橋目当てに訪れる客が多く、旅館を営む50代女性は「通行止めが影響して集客に陰りが見える」と
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アユ釣り名所に豪雨の爪痕 清水区・興津川水系、産卵に影響
台風15号が県内河川に甚大な被害をもたらし、アユ釣りの名所として知られる静岡市清水区の興津川水系でも土砂崩れや護岸の崩落が多発した。興津川本流の水は2日の時点でも茶色く濁ったままで、地元住民からは、11月に本格化するアユの産卵への影響やその長期化を懸念する声が上がっている。 興津川のアユを管理する同区但沼町の興津川漁協(牧野悠輔組合長)は、泥水が入り込んだ施設の復旧作業を進めていて、台風被害の本格的な調査はできていない。ただ、今後の産卵期に影響が出るのは確実で、親アユを放流しても効果があるか未知数だという。「餌となるコケは増水で流されたか泥に埋まってるか。これではアユは育たない」と牧野組合
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静岡県内の孤立集落、全て解消 清水区和田島の断水は継続 台風15号豪雨
静岡県は2日、台風15号の影響で孤立が続いていた静岡、島田両市の6世帯16人について、孤立は解消したと発表した。これにより、生活やライフラインに障害を伴う県内の孤立集落は全てなくなった。 孤立が解消されたのは静岡市葵区中藁科の2地区4世帯9人と、島田市川根地区(家山)の2世帯7人。ただ、両地区とも道路崩落などで車両が通行できない状態は続いている。県は「孤立はいったん解消したが、生活に必要な支援は引き続き続ける」としている。 市によると、同日から陸上自衛隊が、静岡市清水区で問題になっている災害廃棄物の撤去支援に入った。約200人が2カ所の集積場所から市指定の仮置き場に搬送した。 県による
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台風15号被災地 磐田市豊岡地区 ボランティアが地域の支えに
台風15号の影響で家屋浸水や土砂崩れが相次いだ磐田市豊岡地区で、災害ボランティアが活躍している。市災害ボランティアセンターを運営する市社会福祉協議会によると、2日は受け入れ開始以降で最多の147人が参加。市社協は「多くの支援に感謝している。広範囲に被害が及んでいるので、平日も1人でも多く協力をお願いしたい」と呼び掛けている。 大規模な土砂崩れが発生し、県道や家屋などが被害を受けた同市平松では、ボランティアが住民や消防団員らとともに、民家の敷地内に入り込んだ土砂の撤去や家財道具の片付けなどに汗を流した。母親や友人と一緒に参加した磐田西高3年の松本香乃さん(17)は「被害が大きいと知り、力にな
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薮田県議会議長 掛川で就任祝賀会
静岡県議会の薮田宏行議長(自民改革会議、御前崎市)の議長就任祝賀会が2日、掛川市内で開かれた。薮田氏は台風15号災害に触れつつ、「県内にはたくさんの課題が存在している。良き仲間と支援者の支えを受け、解決に向けて任期を全うする」と抱負を語った。 コロナ禍を踏まえ、講演会主体に簡略化して開催された。発起人代表の石川嘉延前知事は「議長として最も大変なのは議会として意思表示をする時だ。薮田議長であれば円満に解決に導き、難問を処理してくれるはず」と期待を込めた。 経済界を代表し鈴与の鈴木与平会長は「仕事で関わる御前崎港は昨年、開港50周年を迎えて発展を遂げた。今後も官民挙げて地域の発展に貢献したい
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「マンションの防災」学ぶ トイレ排水やごみ処理など 静岡市駿河区
静岡市駿河区のしずおか住環境防災サポートセンターは2日、同市葵区の東部生涯学習センターで、マンションの防災を考える講座を開いた。災害時はトイレの排水やごみ処理が特に課題になるとして、住民同士で事前に話し合っておく大切さを説明した。 浜田晴子代表理事は過去の災害で被災したマンションの事例を紹介しながら、「排水設備が破損すればあふれてしまう。非常時のトイレ使用のあり方など最低限のルールを事前に決めておくことが大事」と強調した。トイレが使えなくなった事態を想定した汚物処理の体験会もあり、参加者は非常時の手法を学んだ。 台風15号で断水を経験した同センター会員は「事前に体験したことがあった携帯ト
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台風15号被災地、2日間で60人 家具運び出し 御前崎のNPO
NPO法人御前崎災害支援ネットワーク(落合美恵子代表理事)は1、2の両日、9月の台風15号で被害を受けた御前崎市内の住宅で復旧のボランティア活動を行った。2日間で延べ約60人が参加し、家具の運び出しなどに汗を流した。 同市新野地区では床下浸水した住宅で泥の撤去などに取り組んだ。家主の男性(65)によると、9月23日夜の大雨で住宅近くの川があふれ、水が流れ込んだという。「大雨の翌日は近所の皆さんが交代で手伝いに来てくれた。今回はNPOの人手を得られてありがたい」と語った。
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台風15号被災地 支援ニーズ「足」で収集 浜松市社協など 職員ら戸別訪問
浜松市社会福祉協議会浜松地区センター東区事務所は2日、台風15号で道路冠水や床上・床下浸水した東区内で、支援ニーズを掘り起こす戸別訪問を行った。豪雨から1週間以上たったが、東区内には1人暮らしの高齢者など、床上浸水した自宅の片付けが終わっていない住民がいるとみられ、「誰ひとり取り残さない」と情報収集に取り組んだ。 市社協職員や災害ボランティアコーディネーターが安間川流域の下石田町と北島町の住宅街でチラシを手渡した。同事務所によると、自治会や民生委員から支援の必要な世帯の情報が寄せられているが、地域の目の行き届いていない被災者もいるとみて現場に出向いた。 活動に加わった同市の災害支援団体「
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飲食店有志ら集結「力に」 食材持ち寄り炊き出し 磐田・豊岡地区
河川の氾濫で浸水被害を受けた磐田市豊岡地区の住民を支援しようと、県内外で飲食店を経営する有志らが1日、食材を持ち寄って同市敷地の敷中公会堂で炊き出しを行った。 企画の中心は同市合代島で古民家カフェを営む鈴木百合子さん(38)。自身も店舗と自宅が床上浸水したものの「支援してくれる人が途切れなかった。助けてもらった分、少しでも恩を返したい」とSNSを通じて有志を募った。 浜松や焼津市、愛知県の飲食店関係者ら約15人が賛同し、磐田の特産物エビイモを入れたカレーや豚汁、冷茶を用意した。地元の自治会メンバーと協力し、1人暮らしや高齢者宅を中心に配ってまわった。 浜松市中区でカレー店を営む菅沼映里
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磐田市 復旧作業円滑化へ現地調整本部を設置 台風15号土砂崩れ、通行止めの県道磐田天竜線
台風15号による土砂崩れの影響で磐田市北部の県道磐田天竜線が通行止めとなっている被害で、市は1日、現地調整本部を同市神増に設けた。2日まで開設し、同市平松、神増両地区で復旧作業の円滑化を図る。 市消防職員が滞在して作業者や地元住民の活動状況を共有できるように情報を集約する。避難が必要な場合などの広報も担う。開設時間は午前8時半~午後5時15分。 現場は県道沿いの山の斜面が複数箇所で土砂崩れを起こし、大量の泥や流木が道路をふさいだ。重機で取り除く作業が続けられているが、1日現在通行止めとなっている。 視察した草地博昭市長は「今後の雨の心配など、住民が困った際には相談してほしい。一刻も早く
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罹災証明書は?支援金は? 3日から静岡市3区役所で相談会
弁護士や建築士、税理士などでつくる静岡県災害対策士業連絡会は3日から、台風15号の被災者が生活再建について無料で相談できる「生活なんでも相談会」を葵、駿河、清水の3区役所で開く。 「罹災(りさい)証明書の発行を申請したい」「利用できる支援金はあるか」「住まいの改修をどうしたらよいか」などの悩みに対して専門家が応じる。事前予約は不要。 葵区役所では平日午前10時から午後4時まで1階地域総務課市民相談室、駿河区役所でも平日午前10時から午後4時まで3階地域総務課市民相談室、清水区役所では平日と土日祝日の午前10時から午後4時、4階4C会議室で受け付ける。いずれも31日まで。 問い合わせなど
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重点捜索も不明者発見ならず 台風15号、川根本町の車両転落現場
台風15号の影響で川根本町下泉の道路が陥没し軽トラックが転落、運転手の男性(70)が行方不明になっている事故で、静岡県警は1日、県警機動隊や管区機動隊、島田署など80人態勢で現場周辺の重点捜索を行った。 大原光博本部長が「ご家族の不安な気持ちに寄り添い、捜索に全力であたってほしい」と訓示し、隊員らは崩落現場横を流れる下泉河内川の下流部を約1・3キロにわたって重点的に捜索した。県警ヘリやドローンも活用し、大井川本流を含めた広範囲での捜索活動を展開した。 この日は男性の発見に至らなかった。崩落現場はのり面が崩れる危険性があり内部の捜索はできず、水をポンプで取り除く作業などを続けている。 県
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集落孤立、一部で解消 各地で断水復旧進む 台風15号
静岡県は1日、台風15号の影響で発生した集落の孤立について一部で解消が進み、孤立が続いているのは静岡市と島田市の6世帯16人になったと発表した。静岡市清水区のほかに、藤枝市や浜松市で発生している断水も復旧の見通しが立った。 県によると、川根本町文沢地区の孤立は1日、自衛隊の誘導で5世帯13人が町営住宅に避難した。町によると、自衛隊は同日、同町での活動を終了した。清水区両河内地区の孤立も、既に住民が安全な場所に避難している。 藤枝市市之瀬中央地区などの59戸で続いている断水は、9月30日から生活用水の通水が始まり、飲用水としての使用も可能になる見通しが立った。浜松市天竜区下百古里地区の41
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孤立集落、一時避難 川根本町文沢の5世帯13人 二次災害懸念
台風15号の影響で孤立していた川根本町文沢地区の5世帯13人が1日、町営住宅などに一時的に避難した。大雨による二次災害の危険を踏まえ町が避難を要請した。ライフラインが寸断し、不便な生活を強いられていた住民からは安堵(あんど)の声が聞かれた。 町職員と陸上自衛隊が現地に向かい、生活用品が入った段ボールを運んだり、要介護者や高齢者を背負って車に乗せたりした。町営住宅に入った森下一淑さん(64)は「地区には高齢者が多く、救急時の対応が不安だったがこれで安心できる」と胸をなでおろした。 同地区は一部の民家に土石流が襲い、甚大な被害が出た。町は今後、土砂の撤去や水路整備などを進める。山田貴之総務課
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清水区の断水 9割以上で飲用復旧 和田島ブロックで断水続く
台風15号による記録的豪雨の影響で発生した静岡市清水区の大規模断水で、市は1日、断水した6万3千世帯のうち9割以上で飲用水の供給が復旧した、と発表した。断水が続く和田島ブロック4500世帯で生活用水の利用が見込めるのは3日午前以降となる見込み。区内全域で飲用水が復旧する時期について、市水道総務課は「4日以降になる」とみている。 清水区北部の和田島ブロックは、地区内の小島生涯学習交流館に給水車が常駐し、県内外から支援物資が届いている。同ブロックに浄水場から給水する宮嶋橋水管橋は1日朝に応急工事が完了。午後から配管内への充水作業を開始した。平岡文吾小島地区連合自治会長(65)は「あと少しの辛抱
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⚽エスパルス選手が土砂撤去 台風15号被災の清水区布沢
サッカーJ1清水エスパルスの選手が1日、台風15号被害が出ている静岡市清水区布沢を訪れ、土砂の除去作業を手伝った。 山間地の布沢地域は、沢をつたって集落に大量の土砂が流れ込み、現在も数世帯の家屋で土砂を取り除けていない状態。選手11人は2階建ての1階部分がほぼ埋まった家に足を運び、土や泥をスコップでかき出したり、家財を運び出したりした。災害ボランティアも活動していて、協力し合いながら約2時間取り組んだ。 参加した山原怜音選手(23)=JFAアカデミー福島出身=は「自分たちがホームタウンの静岡のために何かできることはないかという思いで来た」と汗を拭った。実家の土砂除去を手伝ってもらった井上
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J3藤枝「試合できるとは」 奇跡のホーム戦、明誠高生らアシスト 台風被災の藤枝総合運動公園サッカー場
台風15号の被災から1週間となった1日。電源や給排水設備などに甚大な被害を受けた藤枝市の藤枝総合運動公園サッカー場で、J3藤枝のホームゲームが開催にこぎ着けた。非常用電源で放送設備は使えたが、電光掲示板は点灯せず、仮設トイレを多数設置しての実施。開催の舞台裏には高校生ボランティアの協力があった。 「試合ができるとは思わなかった」と被災直後の状況を知る関係者は口をそろえた。メインスタンド下のロッカールームや会議室などが入る建物1階は、グラウンドの排水が追い付かず床上約3センチの浸水があった。 手伝いを申し出たのは藤枝明誠高サッカー部。25日に部員約180人が掃除用具持参で駆け付け、バケツリ
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浜松・天竜区の土砂崩落 排水ようやく完了
台風15号で住宅3棟が被災、3人が負傷した浜松市天竜区緑恵台の土砂崩落で、発生直後から現場に滞留していた水の除去作業が1日、完了した。市は「通常の土砂崩れでこれほど多量の水が滞留することはない」とし、転圧や排水処置がない盛り土が大量の水分を含んで崩落したとの見方を強めている。 市によると、崩落があった斜面の下部に直径10メートル近い水たまりができていた。二次災害の誘発要因になるとして市がポンプや排水溝を設けて排除を試みたが、土中の水分も多く、完了に1週間近くを要した。 市は斜面に残る土砂が動かないようシートや土のうで固定し、毎日測量を続けて、さらなる崩落防止と前兆把握に努めている。
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台風被災地へ募金呼びかけ B3静岡×J1清水
バスケットボール男子Bリーグ3部(B3)ベルテックス静岡とサッカーJリーグ1部(J1)清水エスパルスは1日、台風15号で被害を受けた静岡市への災害義援金の募金活動を市中央体育館で行った。 ベルテックス静岡の開幕試合に合わせ、両チームの選手が来場者に復旧への協力を呼びかけた。試合前にはベルテックス静岡の大石慎之介選手(34)=飛龍高出=と、清水エスパルスから西沢健太選手(26)=静岡市出身=ら5人が参加した。 西沢選手は「今できることを精いっぱいやりたい。お互いに助け合って地域とともにありたい」と話した。
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清水区清地の清水橋崩落 10世帯、今も避難生活 立民渡辺氏視察
台風15号による豪雨で、静岡市清水区清地では興津川に架かる橋が崩落し周辺の10世帯が一時孤立した。市によると、1日現在も避難生活を送っている。 市清水道路整備課によると、崩落したのは1931年に設置されたコンクリート製の「清水橋」(長さ55・6メートル)で、9月24日未明に橋脚ごと流失した。この橋を地域の外に出るための唯一の手段としていた右岸側の集落10世帯約30人が孤立し、25日にヘリで救出された。 市は29日に河川の中に仮設の工事用道路をつくる工事に着手。完成は今月8日の見通しで、住民はそれまで親戚宅などに身を寄せる。被災者の1人の会社員深沢恵さんは家族3人で近くの自治会館に9月25
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台風15号 静岡県内79河川268カ所被害 二次災害の恐れも
台風15号による河川の被害が79河川268カ所に上っていることが30日までの静岡県のまとめで分かった。大部分は川の護岸が損壊しているケースという。静岡市葵区の油山川では上流部の山が崩れ、土砂が川をふさぐ河道閉塞(へいそく)が発生。再び大雨が降れば二次災害が起きる可能性もあり、県が応急復旧を急いでいる。 県によると、24日午前3時45分ごろ、油山川で土石流が発生し、川沿いの旅館や民家に土砂が大量に流れ込んだ。土砂は道路や川もふさいだ。道は車1台が通過できるようになった一方、川の土砂撤去は難航している。県は川に埋まった土砂を掘削して水の通り道を作っているが、土砂撤去のめどは立っておらず、二次災
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水害発生地域のペット飼育 感染症リスク回避、安全な散歩ルート確保を【注意点まとめ】
災害時のペット飼育支援などに取り組むNPO法人「人と動物の共生センター」(岐阜市)が、台風15号で水害が発生した地域のペット飼育者へ注意を呼びかけている。ペットが汚れた水に触れることで動物由来感染症「レプトスピラ症」にかかるリスクが高まり、散歩ルートの選定や、飲み水にも注意が必要だという。 水害時には保菌しているネズミの尿を含む水たまりができたり、ネズミに遭遇する機会が増えたりする。同法人は本県の被災者向けにチラシを作成し、「汚泥や水たまりの上を歩かせない」「帰宅時に犬の足の汚れを入念に拭き取る」などの対策を示している。 断水地域では、川の水をペットに飲ませるのは危険。市販の飲料水を与え
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磐田市豊岡地区で復旧作業本格化 山間部情報薄く、河川の倒木撤去難航 住民「次の大雨」に不安募る
豪雨の影響で河川氾濫や土砂崩れが相次いだ磐田市豊岡地区は30日までに、復旧作業が本格化し、敷地川で川の流れをせき止めていた流木が撤去された。ただ、山間部では流木や倒木が残ったままの河川が依然多い。再び大雨が降れば、水位が上昇して一気にあふれ出す恐れもあり、近隣住民から不安の声が上がる。 流木が堆積し、越水した上野部川の支流雨垂川(うたりがわ)では、重機での撤去作業が進む。自宅前の堤防が決壊した無職川合茂夫さん(75)は「来週にも応急措置として決壊部分に土のうを積んでもらえる。ただ、雨は短時間で大量に降る。これまでと同じ措置では不安だ」と話す。 市内は台風15号の際、上野部川や敷地川などで
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熱海土石流の被災者「恩返し」 静岡市清水区に物資届ける 熱海市伊豆山のNPO法人「テンカラセン」
昨年7月に大規模土石流で被災した熱海市伊豆山のNPO法人「テンカラセン」が30日、台風15号により被害を受けた静岡市清水区に大量の飲料水などを届けた。「恩返しをしたい。ただそれだけ」-。支援の輪が被災地から被災地へつながった。 同NPOは伊豆山の被災者や高齢者などの支援を続けているボランティア団体。台風15号で県内に甚大な被害が出た直後から「今度は自分たちの番」と支援に乗り出した。現地で必要とされる物資をSNSで募り、4日間で県内外から約300ケースの飲料水や赤ちゃん用のおしりふきなどが集まった。 現地では地元住民の案内を受けた。同日午前、物資を詰め込んだトラックなどに乗り込み、甚大な被
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油山温泉2旅館 被害深刻「再開見通せず」 館内に大量土砂、建物の基礎損壊 静岡市葵区
台風15号の影響で、静岡市葵区の中山間地域「オクシズ」にある油山(ゆやま)温泉の旅館2軒の館内に大量の土砂などが流入し、早期再開の見通しが立たない状況となっている。「油山苑」は裏山から流れ込んだ土砂で厨房(ちゅうぼう)やロビーなどが壊滅状態に。「元湯館」は1階が土砂や岩石で埋め尽くされた。まだ行政の本格的な支援が入っておらず、発災1週間で経営者は疲労の色をにじませている。 両旅館は安倍川支流の油山川沿いにある。1966年創業の油山苑はかつて競泳日本代表チームが市内で合宿した際、入江陵介選手、萩野公介選手らも宿泊。市が模型メーカーが集積する「プラモデルのまち」をPRしているため模型愛好家の合
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避難の数分後、一家を襲った大量の土砂 元川根本町長・杉山嘉英さん「九死に一生」震える声
台風15号が本県に接近した24日未明、記録的豪雨により川根本町文沢地区で土石流が発生し、元川根本町長の杉山嘉英さん(68)宅を一瞬にしてのみ込んだ。発災から1週間経過した今なお、杉山さん一家は現場で泥まみれになりながら片付けに汗を流す。孤立集落となった同地区の杉山さんら5世帯13人は今後の大雨で二次災害も懸念されるため、1日から町営住宅などに一時避難する。 「九死に一生を得た」 杉山さんは声を震わせながら発災当時を振り返った。24日は杉山さんのほか、妻勤子さん(65)、母芳子さん(97)、長女夏実さん(31)が在宅。強まる雨脚を心配して寝付けずにいた勤子さんと夏実さんが午前1時過ぎに、裏
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台風被災のママ支援 御殿場の団体 ネットワーク活用、迅速展開
御殿場市の子育て支援グループ「御殿場ママ活情報局」は30日までに、台風15号による豪雨の被害を受けた静岡市に支援物資を送った。子育て支援グループのネットワークを生かし、必要とする子育て世帯などに直接物資を届けた。 支援を決めてから現地入りまで丸2日足らず。高村典子代表は「メンバーの防災意識が高く、すぐに物資が集まった。現地の子育て支援団体に連絡するだけで必要な物や届け先が明確になった」と迅速に活動できた要因を語る。 被災地支援の気持ちに加え、「支援をすれば何かあった時に助けてもらえる安心感が生まれる」と26日夜に活動を決めた。県内の子育て支援団体でつくる「しずおか子育て防災ネットワーク」
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断水被災者の支援 自民市議団、静岡市長に要望 台風15号
台風15号による記録的な豪雨被害を受け、自民党静岡市議団は30日、市役所静岡庁舎で、清水区で発生した大規模断水の被災者支援など4項目を求める要望書を田辺信宏市長に提出した。 鈴木和彦会長をはじめ執行部が田辺市長に要望書を手渡した。断水地区の水道料金を1カ月免除するよう訴えた。市内各地に集積されている災害ごみの迅速な処理や、被災した農業施設の救済措置、家庭の実情に応じた生活支援も要望した。 田辺市長は「市民の気持ち、被災情報を吸い上げ、迅速に対応していく」と話した。
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清水区・巴川流域の浸水 最大で2メートル超「七夕豪雨に次ぐ広範囲」 台風15号、静岡大調査
静岡大防災総合センター(センター長・北村晃寿教授)が30日までに、台風15号に伴う豪雨で浸水した巴川中下流域(静岡市)の84地点を調査し、同市清水区の鳥坂地区で最大2・08メートルの浸水深が確認された。北村教授によると、浸水域は2014年の台風18号を上回り、1974年の七夕豪雨に次いで広範囲にわたる規模。浸水被害の深刻さを浮き彫りにした。 浸水被害があった24日午前から27日にかけて、同市葵区の瀬名川から同市清水区の巴川河口までの流域で、建物の壁や電柱などに残る水位の跡を調べた。 中流域は比較的高い位置まで浸水し、河口から約7キロの鳥坂地区は浸水深2メートルを超えた箇所が複数あった。
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磐田の浸水被害773件 市、災害対応で予備費3億円追加意向
磐田市は30日の市議会災害等対策会議で、台風15号による建物の浸水被害を773件(床上299件、床下474件)確認したと報告した。草地博昭市長は、緊急的な災害対応のため、予備費に3億円を追加する2022年度一般会計補正予算案を、開会中の市議会9月定例会に追加提出する意向を示した。 浸水被害以外では、9河川20カ所で堤防の決壊や護岸の損傷などの被害があった。橋梁の被害は敷地川の下田橋と太田川の新屋橋の2カ所。 のり面や路肩の崩落など道路の被災は6路線12カ所で、いずれも豊岡地区だった。市道、県道計17カ所で土砂崩れが発生した。
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農業施設 広範囲に被害 御前崎突風、家屋23棟も 市が被害報告
御前崎市は30日に開かれた市議会全員協議会で、同市白羽地区で23日夜に発生した突風の被害状況を報告した。23棟の家屋で瓦が飛散したりガラスが割れたりしたほか、茶畑の防霜ファンやビニールハウスなど農業施設も広範囲にわたり被災したことを明らかにした。 市によると、防霜ファンは5基が風で傾いた。ビニールハウス4棟、温室メロンハウス3棟、パイプハウス4棟も損傷した。静岡地方気象台は25日に現地調査を行い、突風は「竜巻の可能性が高い」と判断した。 市内では突風のほか、台風15号の影響で土砂崩れ1件、床下浸水3件、市道の通行止め1件が発生。市が開設した広域避難所には3世帯3人が避難した。 同市議会
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記者コラム「清流」 被災地域の経済支援を
「お水も出せず、トイレも使えませんが、それでもいいですか?」。台風15号の影響で大規模断水が続く静岡市清水区。取材の途中で昼に立ち寄った飲食店の店先で、店員が汗を流しながら客を店内に誘導していた。 持ち帰り用の容器にご飯とおかずを盛り付け、水を極力使わずに工夫して料理を提供していた。「ご不便お掛けしてすみません」と店員。客への気遣いを含め、断水に負けずに営業する「プロの仕事」を感じた。 県内被災地域では市民生活に限らず、工場や小売り、物流、飲食など幅広い業種で事業に影響が出ている。コロナ禍、原料高、円安に今回の台風で特に中小の打撃は大きい。意欲ある企業や店舗を支え、地域経済が回復できるよ
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断水解消後も施設内通水できず 介護になお支障 静岡市清水区
台風15号で大規模な被害が発生した静岡市清水区の高齢者施設などでは、浸水で電気や水道設備が被害を受けたため断水解消後も施設内に水を送ることができず、不便な介護を余儀なくされている施設がある。断水が長期化する地域も残り、高齢者や在宅介護の支援者からは「今も支援の網の目からこぼれ落ち、水を確保できない高齢者や障害者がいる」と危ぶむ声が上がる。 30日午前、同区長崎新田の特別養護老人ホーム「有度の里」では、職員や地域のボランティアが浸水したベッドの清掃や片付け作業に追われていた。3階建ての施設は1階部分が約1メートル浸水し、変電室とボイラー室も被害を受けた。館内の電気は8割ほどでつかず、空調も入
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10年余り前から複数業者が土搬入か 台風15号、浜松市天竜区緑恵台の土砂崩落起点
台風15号の影響で住宅3棟が被災し3人が負傷した浜松市天竜区緑恵台の土砂崩落で、崩落の起点に10年余り前から複数の事業者が土を搬入し、盛り土状になった土の総量が数千立方メートルに上っていたとみられることが30日、関係者への取材で分かった。ある事業者が当初、起点となった土地の地権者に外部からの残土搬入の了解を求めていた、との情報もあり、市が経緯について調べている。 複数の関係者によると、この事業者が土の搬入を始めた後で、徐々に出入りする事業者が増えていったとみられる。県土採取等規制条例など、各種法令に基づく行政機関への届け出は、いずれの事業者からも提出された形跡がないという。 同条例は当時
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台風15号復旧へ企業版ふるさと納税 静岡市、寄付募る
静岡市は30日、企業版ふるさと納税を活用して、災害復旧のインフラ整備に用いる寄付金を募集していると発表した。静岡市外に本社のある企業が対象で、寄付額は1回当たり10万円以上。市の公式ウェブサイトから申込書を入手し、メールやファクス、郵送で市に提出する。問い合わせは市企画課<電054(221)1020>へ。
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台風15号で電気料金特別措置 中部電力、申し出で支払期限延長
中部電力パワーグリッドは30日、豪雨被害で災害救助法が適用された地域を対象に、電気料金の特別措置を行うと発表した。 対象は静岡市、浜松市、富士宮市、川根本町など17市町。契約者が申し出をすれば、8~11月は各月の電気料金支払期日をそれぞれ1カ月延長する。被災時から継続して電気を使用していない場合は、被災日の翌月から最大6カ月間、電気料金を免除する。被災状況を示す罹災(りさい)証明書などは不要。 問い合わせは同社ネットワークサービスセンター<電0570(03)5600>へ。
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庵原こども園、原こども園 静岡市が再開 休園は残り3施設
静岡市は30日、断水により休園している市立こども園5施設のうち庵原、原の両こども園が10月1日から再開すると発表した。 残る3園は、駒越こども園が3日の復旧を予定し、興津北、小島の両こども園は断水が解消され次第再開する。両園の断水解消までは横砂こども園と和田島こども園で希望する園児を受け入れる。
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被災の清水西高、清水南高 3日に学校再開へ 清水南中等部も
静岡県教委によると、断水や床上浸水の被害で休校していた県立高のうち、清水西(静岡市清水区)と清水南(同)、同校中等部は30日、学校を10月3日から再開する方針を決めた。 床上浸水の被害を受けた天竜(浜松市天竜区)は、1学年ごとに登校して校内の片付けや清掃を実施中。5日ごろの授業再開を目指している。
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臨時休館 10月2日まで延長 台風断水の日本平夢テラス
静岡県は30日、日本平夢テラス(静岡市清水区)の臨時休館を10月2日まで延長すると発表した。断水の影響が長引いているため。
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台風15号 被災者向けに車貸し出しへ カーシェアリング協会
日本カーシェアリング協会(宮城県石巻市)は30日、台風15号で自動車を失った人や、土砂搬出などで車を必要とする人に向け、車の無料貸し出しを行うことを決めた。貸し出すための軽自動車の寄付を呼びかけている。 寄付を求めるのは軽乗用車や軽トラックで①次の車検まで3カ月以上ある②走行に支障がない③用途や廃車のタイミングを協会に一任する―との条件がある。 他の被災地で使っている支援車を除くとすぐに準備出来るのは30台程度で「100台程度まで増やしたい」としている。提供者の自宅まで受け取りに行くことも可。貸し出し拠点は静岡市内を検討している。予約開始日は調整中という。 寄付の問い合わせは日本カーシ
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清水区3ブロックで生活用水利用可に 富士見ケ丘、馬走、団地(馬走団地と草薙団地の一部)
静岡市は30日、清水区で発生している断水で、富士見ケ丘、馬走、団地(馬走団地と草薙団地の一部)の3ブロックで充水作業を開始したと発表した。トイレなどの生活用水として利用できる。10月2日に飲用が可能になる見込み。 3ブロックと、10月2日に充水を開始する和田島ブロックで1日から、巡回給水を実施する。給水車がブロック内を巡回する。同市では30日時点で巴川、興津、三保、庵原系小規模配水池、庵原北部の5ブロック計約5万5千戸で断水が解消し、飲用が可能となっている。
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焼津の浸水被害359件 東益津地区に集中 台風15号
焼津市の中野弘道市長は30日の定例記者会見で、台風15号に伴う市内家屋の浸水件数について、359件にのぼると明らかにした。市北部の東益津地区で被害が集中しているとの見方を示した。 市によると、29日までに市役所に提出された罹災(りさい)証明書のうち、床上浸水が196件、床下浸水が163件だった。全体の7割が東益津地区からの届けだという。 市内観光地として知られる花沢地区では、山間部の林道やハイキングコースで倒木や土砂流出などの被害が出ている。地区住民の生活に影響は出ていないとしている。
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災害残土の広域処理 自民会派、静岡県に要請
静岡県議会最大会派の自民改革会議は30日、台風15号に伴い県内各地で発生した災害残土について、広域処理を進めるよう県に緊急要請した。 被災現場で生じた大量の土砂について「被災現場の周辺に仮置きされるなど処分方法が決まっておらず、復旧に向けた課題となっている」と指摘。市町だけでは処理が困難だとして、県が先頭に立って広域処理するよう要望した。
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交付金を前倒し 7市町に55億円 台風15号被害
静岡県は30日、台風15号で被災した県内7市町に11月交付分の普通交付税の一部を前倒しして交付することが決まったと発表した。 災害救助法が適用された交付団体20市町のうち、7市町が前倒し交付を希望し、総務省が決定した。 交付額は、静岡市18億3700万円、浜松市21億5900万円、磐田市5億3800万円、藤枝市2億9900万円、袋井市2億4300万円、牧之原市2億5600万円、森町1億6300万円。 普通交付税は4、6、9、11月の年4回配分される。今回の交付額は11月交付分の30%に当たり、残りは11月に交付される。
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J1磐田選手が復旧ボランティア 磐田・豊岡地区で泥かき出し
サッカーJリーグ1部(J1)ジュビロ磐田は30日、台風15号で浸水などの被害が出た磐田市北部の豊岡地区で災害復旧のためボランティア活動を行った。選手有志とスタッフ合わせて約50人が駆け付け、市立豊岡北小周辺の通学路に堆積した泥を清掃した。 浜松市出身の山田大記選手(33)=藤枝東高出=が中心となって呼びかけ、ベテランの遠藤保仁選手(42)ら主力も含めて練習を終えた選手約20人が参加した。スコップや一輪車を手にして道路に積もった泥をかき出した後、水で洗い流した。 浜松市出身の伊藤槙人選手(29)=浜名高出=は「少しでも困っている人の助けになれば」と参加。山田選手は「人の手を動かさないと生活
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子どもに元気を 掛川の駄菓子屋 1日午後、清水区へ
掛川市城下の駄菓子屋「横さんち」が1日、台風15号で被災した静岡市清水区で駄菓子を配る。子どもたちに笑顔になってもらえるよう500人分を用意した。 29日夕方、横さんちの従業員がハイエースに飲料水やジュース、駄菓子など約100箱を積んだ。車いすで生活する店主の横山博則さん(62)は「足に障害がある清水の知人は断水の影響でトイレに困っていた」と心配した上で、「まだまだ大変だと思うが負けないで早く復興してほしい。当日はたくさんの子どもたちに来てもらえたら」と話した。 駄菓子は1日午後2時から、横山さんら4人が庵原生涯学習交流館の駐車場で配る予定。駐車場が狭いため、徒歩や自転車での来場を呼びか
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断水休業のドリームプラザ再開 静岡・清水区、6日ぶり本格営業
台風による断水被害で休業していた静岡市清水区のエスパルスドリームプラザが30日、6日ぶりに本格営業を再開した。 断水が始まった24日午後は貯水槽を利用し、時間を繰り上げて営業を終了した。翌25~29日は完全休業した。断水期間中は幼稚園や小学校も休みのため、ミニ遊園地「清水マリーナサーカス」の営業を望む声も多かったという。 30日午後に三重県から来た大学2年生、石黒華弥乃さん(20)は「ニュースを見て自分に置き換えて考えた。まちが早く復興するといい」と話した。
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東伊豆町が給水車派遣 静岡市清水区の応急活動 台風15号
東伊豆町は10月1日、台風15号で被災した静岡市清水区の大規模断水被害に給水車を派遣する。町によると、9月30日現在で賀茂地域の自治体で現地支援を行うのは初めて。 2トン給水車1台と職員4人を派遣し、住民への応急給水活動を実施する。村木善幸総務課長は「清水までの距離に関係なく、今できるやり方で力になりたい」と言葉に力を込めた。
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裾野市が川根本町へ消毒液 台風15号
裾野市は30日、台風15号の被災地支援として、川根本町に住宅施設や手指用の消毒液を贈った。 支援資材は浸水した建物の消毒に利用する逆性せっけんと次亜塩素酸、漂白剤各2本と、手指消毒液168本。市の備蓄品で、市職員が車で同町役場に届けた。
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激甚災害の早期指定 立民県連、防災相に緊急要望 台風15号
静岡県内に甚大な被害をもたらした台風15号による豪雨災害を受け、立憲民主党県連は30日、国に早期の激甚災害の指定などを求める緊急要望を行った。党所属の県内国会議員が内閣府で谷公一防災担当相と面会した。 激甚災害指定のほか、県内の広範囲で被災者生活再建支援法の支援対象とすることや、応急仮設住宅の供与、救援や災害復旧に向けた財政措置を求めた。土砂による河川の治水機能低下を懸念し、迅速な点検と整備も訴えた。 面会は冒頭のみ公開。県連の渡辺周代表(衆院比例東海)によると、谷氏は「しっかり受け止めて協力したい」と応じたという。渡辺氏は「今後も党として災害対策について改めて協議し、何らかの形で要望し
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防災や環境などで協力 磐田市とサーラ、包括連携協定を締結
磐田市はこのほど、総合エネルギー事業のサーラエナジー(豊橋市)と、防災や環境、経済など幅広い分野で協力する包括連携協定を締結した。安全・安心な暮らしや脱炭素社会の実現、地域経済の活性化などに連携して取り組む。 市と同社は2014年にも、津波避難に関する協定を締結。大地震発生時には、同社の磐田ガバナステーション(同市東小島)を津波避難ビルとして活用することになっている。 同社は今回の協定に基づき、大規模停電時にサーラプラザ磐田(同市今之浦)で市民の携帯電話を充電できるようにしたり、市内企業が使用する燃料を石油系から二酸化炭素(CO2)排出量が少ない天然ガスに転換するよう促したりする。新エネ
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道路寸断で通えぬ児童向け 島田・伊久美小が遠隔授業
台風15号による静岡県道の通行止めで児童の通学に支障が出ている島田市の伊久美小は30日、市街地の島田第二中の教室を使ったオンライン授業を開始した。学区外から通う児童や、被災して一時的に学区外で生活する児童ら12人が参加した。 子どもたちはそれぞれ割り当てられたタブレット端末を使って自分のクラスとつなぎ、算数や国語などの授業を受けた。伊久美小はこれまで他校との交流などでオンライン会議ツールを活用してきたが、本格的な授業の実施は初めて。同校の支援員らがサポートしながら進めた。 児童の様子を見守った亀山泰弘校長は「本来の校舎に早く通えるよう、バスや徒歩で安全に登校できるルートを確保したい」と道
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災害廃棄物処理へごみ収集車を派遣 富士宮市と清掃会社
台風15号で大規模な浸水被害に見舞われた静岡市からの要請を受け、富士宮市は30日、一般廃棄物収集運搬業の委託先2社とともに10月1日から、ごみ収集車2台や社員、市職員を静岡市内に派遣していくと発表した。 派遣期間は10月1~15日。委託業者は富士宮清掃と芝川清掃。災害廃棄物の円滑な処理を支援する。9月30日に市役所で開いた出発式で、須藤秀忠市長はは「隣の富士宮市として困っている静岡市を助けるために早急な支援が必要と考え、この支援要請を受け入れることを即決した」と語り、清掃会社社員や市職員を激励した。
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災害復旧費など 補正予算案可決 島田市議会閉会
島田市議会は30日、最終本会議を開き、市が追加提出した台風15号の災害復旧費4億5900万円などを追加する本年度一般会計補正予算案、2021年度決算認定など22議案を可決、閉会した。 災害復旧費は被災した農道・林道や道路・河川の復旧工事費など。追加の補正予算案には物価高騰対策として低所得世帯1世帯当たり5万円を支給する国の緊急支援給付金、インフルエンザ予防接種の補助なども盛り込んだ。
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静岡市内の災害ごみ、2万トン超見込み JR清水駅東口「仮置き場」3日から受け入れ
静岡市は30日、災害対策本部会議を市役所静岡庁舎開き、台風15号に伴い市内で発生した災害ごみが2万トンを超える見込みだと明らかにした。10月3日にJR清水駅東口のENEOS(エネオス)清水油槽所遊休地に災害ごみの仮置き場を設置し、市民を対象に受け入れを始める。同11日に被災者支援窓口を開設し、災害見舞金や生活再建の相談に応じる。 災害対策本部会議は26日に次いで2回目。仮置き場とする遊休地の面積は約1万4000平方メートル。自家用車で災害ごみを持ち込み、家電や布団、プラスチック類など分別して処理する。29日時点で調査が行われた浸水被害世帯は床上1030世帯、床下617世帯。同日時点の災害ご
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台風15号豪雨の激甚災害指定 谷防災担当相「被害状況の把握進めている段階」
谷公一防災担当相は30日の閣議後会見で、台風15号による静岡県の豪雨災害の激甚災害指定に関し、「被害状況の把握を鋭意進めている」と説明した。川勝平太知事と田辺信宏静岡市長は27日、早期指定を求める要望書を政府に提出している。 激甚災害は公共土木施設や農業関係施設の被害が一定水準以上の場合に指定され、復旧事業の国庫補助率が引き上げられる。谷氏は「被害状況を把握しなければ、激甚の基準に達するかどうかの判断ができない。どれぐらいの被害かを正確につかむことが大前提になる」などと述べた。 谷氏はまた、27日の安倍晋三元首相の国葬の準備や実施が台風15号の対応に影響を与えた面はなかったのかを問われた
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地域のシンボル「もぐり橋」流失 袋井・原野谷川 住民落胆「可能な形で復活させてほしい」
静岡県内に甚大な被害をもたらした台風15号。袋井市では、原野谷川に架かる岡野橋が増水によって流失した。「もぐり橋」の愛称で人々から親しまれ、映画のロケ地にもなった。長年地域を見守ってきた橋を失い、住民の間には喪失感が広がっている。 「これまでも大雨で漬かることはあったが流されることはなかった。勢いに耐えられなかったのかな」。近くに住む山田元さん(70)は橋の残骸を見てつぶやいた。孫が訪ねてきた時には一緒に渡り、向こう岸の公園へ遊びに行ったという。変わり果てた姿に「この地域の人はもぐり橋と共に育った。寂しいし残念」と肩を落とす。 橋は幅2メートル、長さ67・6メートル。コンクリート製の歩道
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三保など2万5000戸で飲用可 静岡市清水区の断水被害
静岡市は30日、台風15号の影響により清水区で発生している断水で、三保、庵原北部、庵原系小規模配水池の3ブロック計約2万5000戸で飲用可能になったと発表した。水質検査を行い、同日午前9時に安全であることが確認された。 ブロックごとの戸数は、三保が2万100戸、庵原北部が3600戸、新東名清水ジャンクション(JCT)北部の庵原系小規模配水池が400戸。 同区での断水は巴川、興津の両ブロックで28日に解消している。富士見ケ丘、馬走、団地(馬走団地と草薙団地の一部)の3ブロックは30日に充水を開始し、10月2日から飲用可能になる予定。和田島ブロックでは落下した水管橋の仮設工事を実施中で、10
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静岡市の災害ごみ「仮置き場」 清水駅東口の遊休地を選定
静岡市は30日までに、台風15号に伴い同市清水区で発生した大量の災害ごみを収容する正式な仮置き場として、JR清水駅東口のENEOS(エネオス)清水油槽所遊休地を選定した。災害廃棄物処理計画に基づく対応で、10月3日から受け入れを始める予定。 被災から1週間。清水区では水に漬かり、使えなくなった家電や家具など災害ごみの回収、処理が遅れ、公園や道路脇などに山積みになっている。横砂地区の男性は「地域住民でボランティアを組織し、軽トラックでごみを回収した。1カ所に集めざるを得なかった」と話す。 清水油槽所遊休地は、今春環境省が「脱炭素先行地域」に指定した場所。同社の次世代エネルギー施設設置工事の
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川根本町の断水解消へ 自衛隊が復旧工事に着手 台風15号影響
台風15号の影響により川根本町水川地区で続く断水被害を解消するため、陸上自衛隊は30日、18人態勢で水川川取水えん堤の復旧工事に着手した。 同地区の断水は大雨による水量増加で取水用パイプが破損したのが原因とみられ、現在も85世帯で断水している。工事では水圧の強い別の箇所に土のうを積み上げて簡易的な取水口を作り、新しいパイプとつなげる。発災前の正常な取水量は1時間で約8トン。工事で半分の約4トンの取水を目指す。 隊員18人が午前9時半ごろから、スコップを使い、土のうを作る作業を開始した。現場を指揮した待鳥竜二曹長(50)は「生活用水で困っている人が大勢いる。本日中の復旧を目指す」と話した。
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給水所付近で駐禁切符「切った事実はない」 静岡県警、SNS投稿を否定 台風15号清水区断水
台風15号による断水に伴い設けられた静岡市清水区の給水所で、被災者らが道路上などに止めた車の違反取り締まりとして、県警が反則切符を切っていたとの情報がインターネット上に出回った。県警は「誤った認識による発信。切符を切った事実はない」として、誤情報への対応に追われた。 県警によると、同区の給水所周辺で24日、水を積みこむために駐車された車両などで自宅前をふさがれた住民らから苦情が寄せられた。現場に駆け付けた警察官はマイクを使い速やかな移動を呼びかけるなどしたが、反則切符を切った事実はないという。 SNS上では「『仕方なく給水所に水をもらいに行った車に、警察が駐禁切符を切っていた』との複数の
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巡視船「いず」給水ありがとう 横浜海保、任務終え清水出港
台風15号の影響で大規模な断水が発生した静岡市清水区で給水支援を行っていた横浜海上保安部の巡視船いずが30日午前、4日間の任務を終え清水港を出港した。 いずは「災害対応型」として建造され、最大500トンの水を積載可能な大型巡視船。26日午後4時から清水港日の出埠頭(ふとう)で給水を開始し、29日までの間に1752件、計143トンの生活用水を市民に配布した。 任務を終えた山崎正幸船長(59)は「市民の皆さんが整然と並んでくれたため、トラブルなく任務を遂行できた」と話した。 巴川河口左岸岸壁では、清水海上保安部の巡視船おきつが給水支援を継続する。
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清水区の断水 三保など3ブロックで飲用可能に
静岡市は30日、台風15号の影響により清水区で発生している断水について、三保、庵原北部、庵原系小規模配水池の3ブロック計2万5000戸で飲用可能になったと発表した。
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台風15号1週間 静岡市清水区の断水9千戸継続/天竜、島田 土砂崩落の復旧見通せず
静岡県内に甚大な被害をもたらした台風15号から30日で1週間。静岡市清水区の大規模断水は約半数で解消に向かい、がれき撤去支援の災害ボランティアが入り始めた。一方、浜松市天竜区で発生した盛り土崩落とみられる土砂災害は、本格的な復旧作業に着手できていない。島田市で採石場と国道が崩れた土砂が大量に流入して大井川鉄道の線路をふさいだ現場の復旧は長期化するとみられる。県内全体の被害全容はいまだ判明しておらず、生活再建の道は険しい。 盛り土とみられる土砂が崩壊し、3人が負傷した浜松市天竜区緑恵台の現場は29日も、茶色い土砂が露出したまま。市は応急処置としてブルーシートを崩落の起点付近にかぶせ、土のうに
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民家目の前 市道が崩壊 川岸削られ約10戸通行困難 静岡・清水区山切地区 「早期復旧を」不安募る
台風15号の豪雨に伴い、静岡市清水区山切地区では山切川の増水により左岸が削られて市道2カ所が崩壊し、約10戸の民家が車両を動かせないなど通行困難な状況を強いられている。玄関間際の道路が崩れた家もあり、住民は「今後の台風が怖い。早く復旧を」と不安を募らせる。【記事末尾下でドローン撮影の動画をご覧になれます】 山切地区はJR清水駅の北側約5キロの中山間地域で、路面が崩壊したのは路線バス「しずてつジャストライン庵原線」杉山バス停付近と、約200メートル南の杉山橋付近。約10戸の民家付近の道路は寸断に近い状態にあるが、近隣まで徒歩や自転車などが往来でき、市は孤立集落に含めていない。 崩落地点前に
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行政の対応遅々、二次被害の懸念拭えず 台風被災1週間、浜松・天竜区の土砂崩れ現場
台風15号の豪雨による土砂崩れで3棟が全半壊した浜松市天竜区緑恵台は、発生から1週間を経ても大量の土砂がむき出しのまま残された状態が続いている。被災地では二次被害の懸念が拭えず、行政に早急な対応を求める声が上がっている。 29日午後、同市の長田繁喜副市長が現地を訪れ、被災世帯の住民5人と面会。新たに派遣を決めた各世帯への復旧支援の専任職員を紹介しつつ「寄り添った対応をする」と理解を求めた。一方、被災者からは「これまでずっと被災した人や近所の人、親戚のみで対応している」「まずどうしてこうなったのか知りたい」などと批判の言葉が続いた。 初動対応の遅れが、住民たちの不信感につながった。鈴木康友
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島田・採石場跡地の土砂流出 大井川鉄道、運行再開に数カ月か
台風15号の影響で島田市の採石場跡地から大量の土砂が流出し、崩壊した国道473号とともに不通となった大井川鉄道本線の神尾-福用間では、重機による復旧作業が始まっている。県島田土木事務所によると、土砂崩れは延長約80メートル、幅約40メートルに及び、鉄道運行の再開には数カ月かかる見通し。国道の崩落を含めた被害全容はいまだ明らかになっておらず、工事は長期化する恐れもある。 同事務所によると、線路と国道の落差は約30メートル。のり面が大雨に耐えきれず崩れ、道路が決壊したとみられる。ドローンによる3次元レーザー測量を実施し、流出した土砂の量や道路崩壊のメカニズムなどを解析している。線路には採石場跡
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災害残土処分先は… 盛り土条例「足かせ」 受け入れに業者難色も
台風15号による記録的な豪雨の影響で土砂崩れが相次いだ静岡市内の山間部を中心に、大量に発生した残土の処分が課題になっている。7月に施行された県盛り土規制条例を重くみた処分業者が、災害残土の受け入れに難色を示すケースがあるためだ。県は災害残土を「汚染の恐れがない土」とみなして取り扱いを簡略化したが、復旧の迅速化につながるかは見通せない。 同市葵区牧ケ谷地区では川の氾濫などで少なくとも床上34戸、床下23戸の浸水被害が出た。特に被害が大きい山あいの集落で29日、川底に堆積した土砂の撤去作業が本格的に始まったが、処分先が決まらず畑に仮置きせざるを得ない状況となった。牧ケ谷自治会の牧野裕司会長は「
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森町の県道袋井春野線 片側交互通行で再開 住民安堵、通学可能に
台風15号の接近に伴う崩落で通行できなくなっていた森町問詰の県道袋井春野線で29日、片側交互通行による通行が再開された。交通面などで影響を受ける現場以北の住民からは「これで安心して通行できる」と安堵(あんど)の声が広がった。 現場は24日以降全面通行止めとなっていて、その間、北部に住む約千人の足に支障が出た。市街地への行き来には山道へ迂回(うかい)しなければならず、通勤時など混雑する時間帯には事故や渋滞が生じたという。 通行再開を受け、区間運休となっていた秋葉バスサービス(同町森)の「秋葉線」では、同日テスト運行を実施。30日から一部区間で運行を再開する。保護者の送迎、家庭学習で対応して
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磐田・平松、神増の県道磐田天竜線 土砂量多く復旧見通し立たず 周辺道路、迂回車で渋滞
台風15号の影響で土砂崩れが発生し、通行止めになっている磐田市平松、神増の県道磐田天竜線の復旧作業が難航している。県袋井土木事務所によると、流出した土砂の量が多く、開通の見通しは立っていない。周辺道路では、迂回(うかい)する車両で渋滞も発生。地域住民は不便を強いられている。 同事務所によると、台風に伴う豪雨により県道沿いの複数箇所で土砂崩れが発生し、流れ出た土砂や樹木などが道路をふさいだ。現在、平松では約500メートル、神増では約350メートルにわたって通行止めになっている。 同市の中心部と豊岡地区をつなぐ県道は、通勤や買い物などで1日約1万2千台が通る幹線道路。通行止めを受け、路線バス
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浸水家屋、清掃時の注意点は? 泥水には病原体、感染症の恐れも 肌の露出は控えて【NEXT特捜隊】
読者の疑問に応える静岡新聞社「NEXT特捜隊」に、台風15号の被害に伴い「片付け時の感染症が心配」という声が複数寄せられた。日本環境感染学会の資料「一般家屋における洪水・浸水など水害時の衛生対策と消毒方法」作成担当者で、東北医科薬科大医学部の吉田真紀子准教授(感染症対策)に、注意点を聞いた。 >もっと詳しく 気になる情報を深掘り〈知っとこ〉にGO!! 洪水・浸水 家の片付け時の注意点は? 泥水に病原体 水害時の泥水には人間や家畜の排せつ物、土中の細菌など、感染症を引き起こすさまざまな病原体が含まれている。東日本大震災の時の被災者は発災直後に外傷が多く、時間がたって傷口からばい菌が
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島田で道路崩落 児童登校できず 伊久美小、オンライン授業対応
台風15号の影響により、島田市伊久美の県道蔵田島田線の複数箇所で道路の崩落や陥没があり、地元の伊久美小の運営に支障が出ている。29日には休校から再開したものの、児童32人のうち3分の2は登校できず、オンライン授業で対応している。 伊久美小の北側にあたる二俣地区では道路が幅5メートル、長さ50メートルにわたって崩落。南側の長島地区でも道路の幅半分ほどが10メートルにわたって陥没し、通行止めが続く。土のうを積んで片側交互通行が可能になるよう工事を進めるが、児童が通学に使用するコミュニティーバスの通過は難しいとみられる。県島田土木事務所によると、完全復旧までは数カ月かかる見通し。 学区外から通
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台風15号停電 コロナワクチン1810回分廃棄 静岡県庁西館
静岡県は29日、台風15号に伴う停電の影響により、県庁西館で冷蔵保管していた新型コロナウイルスのノババックス製ワクチン1810回分について、管理温度の上限を超えたため廃棄したと発表した。 県によると、担当職員が在宅で温度を監視していたが、停電時は安全に出勤できない天候だったため対応できなかったという。廃棄したのは10月8日または同18日に使用期限となるワクチンで、期限までに使う見込みはなかった。 ワクチンは通常、県大規模接種会場のもくせい会館で保管しているが、廃棄したワクチンは同会館内にスペースがなかったため、県庁で管理していたという。もくせい会館のワクチンは非常用電源に切り替えられて影
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台風15号 静岡市が義援金受け付け開始 12月28日まで
静岡市は30日から、台風15号で被災した市民を支援するための義援金の受け付けを始める。金融機関への振り込みか、市役所や区役所の窓口で寄付できる。期間は12月28日まで。 振込先は清水銀行静岡支店普通口座2626524、名義は「令和4年9月台風15号静岡市災害義援金」。窓口で寄付する場合は平日の午前8時半から午後5時15分まで、市役所静岡庁舎の会計室(新館2階)と駿河、清水各区役所の戸籍住民課で受け付ける。 義援金の配分は市が今後設置する委員会で決め、被災した市民に直接振り込む。 問い合わせは市福祉総務課<電054(221)1335>へ。
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台風15号復旧支援でふるさと納税活用 掛川、島田、袋井、森、川根本の5市町が受け付けを開始
台風15号の影響による被害を受けて掛川、島田、袋井、森、川根本の5市町は29日までに、ふるさと納税制度を活用した復旧支援寄付金の受け付けを開始した。 ポータルサイト「ふるさとチョイス」などに特設ページを開設した。通常のふるさと納税と同様に住民税や所得税の控除が受けられるが、返礼品はない。
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台風15号被災 清水区内の小中6校再開 残り23校は3日から
静岡市は29日、断水などの影響で休校となっている清水区内の小中学校全29校のうち、6校については再開日を30日に前倒しすると発表した。残りの23校は予定通り、10月3日の復旧を目指す。 再開が早まったのは清水袖師、清水興津、清水小島の各中学校と、清水辻、清水袖師、清水興津の各小学校。3小学校に合わせて併設の児童クラブも再開する。いずれも初日は午前のみ授業を行う。 市は29日現在休園中のこども園全8施設についても、川原、清水、高部の3園を9月30日に再開すると明らかにした。残りの5園については水道が使用可能になり次第、再開するという。
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浜北区の土砂崩れ 5世帯に避難指示 浜松市
浜松市は29日、同市浜北区尾野地区の5世帯14人に対し、土砂災害に伴う「避難指示(警戒レベル4)」を発令した。 市危機管理課によると、台風15号の大雨で23日に同地区の高根神社付近の斜面で土砂崩れが発生した。市が現場周辺を調査したところ、斜面の途中に堆積した土砂が残り、今後の雨で崩れて住宅などに被害が及ぶ危険性があると分かった。
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清水区長へ要望書「復旧工事早期に」 両河内地区連合自治会
約830世帯2600人が住む静岡市清水区の山間地、両河内地区連合自治会の中山治己会長は29日、静岡市役所清水庁舎を訪れ、塩原博清水区長に復旧工事の早期実施などを求める要望書を手渡した。 同連合自治会によると、地域には土砂崩れや床上浸水、倒木などが約170件あり、重機による復旧作業などの支援が喫緊の課題となっている。地区内の布沢では民家に土砂や流木が流入する場所もあるなど、生活再建のめどがたっていない。 中山会長は自らのスマートフォンで被災状況の写真を市職員に1枚ずつ示して「地元だけでは十分な対応はできない。自助・共助の段階から、行政に助けてもらわなくてはならない段階に来ている」などと訴え
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断水続く清水区の介護施設 節水と衛生管理に細心、久々入浴も
台風15号の影響で断水が続く静岡市清水区の介護施設で、限られた水をどう使い、衛生管理と両立させるかが課題となっている。一部施設では入浴支援がスタート。元通りの生活も見据えつつ、高齢者のケアにあたる。 「皆、久々のお風呂にうれしそうでした」。同区北矢部の複合介護施設「えいむの丘」。温かな湯気に満ちた浴室で、入浴介助をした女性職員が目を細めた。2800世帯が断水する「富士見ケ丘ブロック」。看護小規模多機能型居宅介護、グループホーム、訪問看護ステーションを展開する同施設では、訪問入浴介護のアサヒサンクリーン(同市葵区)の支援で29日までに高齢者6人を風呂に入れ、髪や体を洗うことができた。 施設
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台風15号 災害復旧ローンの取り扱い開始 静清信金
静清信用金庫は29日、台風15号で被害を受けた個人の生活再建支援を目的に「災害復旧支援ローン」の取り扱いを始めた。 住宅の修繕や車の買い替えなどで必要な資金需要に対応する。融資の限度額は500万円。期間は3カ月以上10年以内。利率は固定金利で年1・0%。当初6カ月間は元金返済の据え置きもできる。取り扱いは2023年3月末まで。
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はごろもフーズ 清水区の2工場、2日以降再開へ
はごろもフーズは29日、台風15号の被害に伴う断水の影響で稼働を停止していた静岡市清水区の2工場について、10月2日以降に順次再開する方針を決めた。 富士山パスタプラントは2日夜から、新清水プラントは3日から稼働する。生産に必要な上水道の断水が解消し、水質検査で安全が確認された。
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川根温泉「ふれあいの泉」再開 2日まで日帰り入浴無料
島田市は29日、台風15号の影響で臨時休業していた同市川根町笹間渡の「川根温泉ふれあいの泉」が30日から営業を再開すると発表した。10月2日までの3日間、日帰り入浴を無料にする。 施設は直接被害を受けなかったものの、水源として使用していた沢の取水口が大雨で破損した。当面は川根地区の簡易水道を使用するため、午前9時から午後5時(最終受付午後4時)の時間短縮営業とする。 10月中は毎週木曜日も無料入浴日とする。同施設の宿泊用コテージや隣接する川根温泉ホテルは通常営業している。市の担当者は「被災で疲れた心と体をいやしてほしい」と話した。
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豊岡に一時的避難所 磐田市が開設、台風15号被災者ら対象
磐田市は29日、台風15号で自宅が被災した人や、今後の土砂崩れなどが不安で自宅にとどまれない人を受け入れる一時的な避難所を、同市壱貫地の豊岡中央交流センターに開設した。 同センター多目的ホールを睡眠や休憩のスペースとして提供し、毛布を用意する。食事は外で済ますか、持参してもらう。入浴はできない。 夜間や休館日も市職員3人体制で対応する。問い合わせは市危機管理課<電0538(37)2114>へ。
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磐田 市役所や豊岡支所 1、2日も開庁 台風15号被災対応
磐田市は29日、台風15号の被災者への対応を続けるため、通常は休業日の10月1、2日も市役所や豊岡支所などの関係窓口を開くと発表した。 対応業務は、豊岡支所市民生活課の被災者向けワンストップ窓口、市役所市税課の罹災(りさい)証明書・被災証明書の申請受け付け、中遠広域粗大ごみ処理施設の災害ごみ受け入れ。市社会福祉協議会が市総合健康福祉会館iプラザと豊岡支所で運営する市災害ボランティアセンターも業務を行う。
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下田の観音温泉 清水区に飲料水、1200リットル配布へ
下田市の旅館「観音温泉」は29日、台風15号で被災した静岡市清水区の断水被害の支援へ、飲料水2千リットル超を贈った。 同日、関係者が敷地内の温泉水を使用したミネラルウオーターをトラックに詰め込んだ。30日に同区のSBSマイホームセンター静岡東展示場で約1200リットルを配布し、残りは保育施設に備蓄される予定。 鈴木和江会長(75)は「清水からの宿泊者も多い。何もしないわけにはいかない」と話した。
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国民・玉木氏 大規模断水の清水区視察「行政対応検証が必要」
国民民主党の玉木雄一郎代表は29日、台風15号による記録的豪雨の影響で大規模断水が発生した静岡市清水区を視察した。市の災害対策本部発足が断水発生から2日後の26日だったことなどを挙げた上で「行政の対応が遅い」と非難し、今後、検証する必要があるとの認識を示した。同市葵区で報道陣の取材に答えた。 玉木代表は、市の災害ごみの回収が遅れ、被災住宅の外に積まれたままになっていることや、自衛隊の派遣要請が26日になったことも取り上げ、「市と県のコミュニケーションはどうなっているのか。住民のフラストレーションがたまっている」と指摘した。 県と市が求める早期の激甚災害指定については「国に働きかけたい」と
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台風応急対策 9億円を追加 藤枝市補正予算案
藤枝市は29日、台風15号の災害応急対策にかかる費用の9億2千万円を追加した本年度一般会計補正予算案を市議会9月定例会に提出した。原案通り可決された。 計上したのは、被災した道路や河川の復旧費6億円、市営住宅の修繕に5千万円、蓮華寺池公園や総合運動公園の土砂撤去に6500万円など。このほか教育施設や観光施設の復旧費用なども盛り込んだ。 9月定例会は補正予算案など計17件を可決し、休会した。
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台風被災地に飲料水を輸送 御殿場市、小山町
御殿場市と小山町は29日までに、台風15号の被害を受けた静岡市などにペットボトルの飲料水を送った。職員が現地まで運び、積み降ろし作業に当たった。 御殿場市は備蓄していた2リットルペットボトル720本を、静岡市清水区の静清浄化センターに届けた。 小山町は静岡市役所清水庁舎と川根本町役場にそれぞれ、2リットルペットボトル480本を届けた。指定給水拠点になっている同庁舎では、持ち込んだ町職員が市民に直接手渡した。
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30日から飲用可能 新東名高速道清水JCT北側地域 清水区断水
静岡市は29日、台風15号の影響により清水区で発生している断水で、10月1日から飲用可能としていた庵原系小規模配水池ブロック400戸について、前倒しして30日から飲用可能になると発表した。 同ブロックは新東名高速道清水ジャンクション(JCT)北側の地域。このほか、庵原北部と三保の両ブロックが予定通り30日から飲用可能になる予定。市は水質検査をした上で、改めて飲用可能を宣言する。 静岡鉄道御門台駅周辺の馬走、団地(草薙団地と馬走団地の一部)の2ブロックは30日に充水開始、10月2日に飲用可能となる予定。和田島ブロックは10月2日に充水開始、同4~5日に飲用可能となる見込み。 市は清水区で
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豪雨災害ボランティア 静岡市内で活動開始 家財道具搬出などに力
台風15号の豪雨で多数の住宅が床上、床下浸水などの被害を受けた静岡市内3区(清水、葵、駿河)で29日、災害ボランティアによる支援活動が始まった。この日は約40人が参加し、民家から土砂をかき出したり、水に漬かった畳や家財道具などを運び出したりした。 清水区では午前9時から、清水社会福祉会館「はーとぴあ清水」で前日までに事前登録したボランティアの受け付けを実施。同区江尻、袖師、飯田、高部の4地区で支援を望む高齢者世帯などに5人程度を1グループとして派遣した。 1階が床上浸水した同区押切の石垣和夫さん(89)宅では、ボランティア6人が泥水で汚れた扇風機や鍋、すだれ、アルバムなどをポリ袋にまとめ
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清水区断水 行政対応遅れ、検証求める声 「知事と市長不仲が招いた」指摘も 台風15号支援
静岡市清水区の断水被害への対応を巡り、行政対応の検証を求める声が相次いでいる。断水の発生から、浄水場取水口の被災に伴う代替水源の利用の決断や、自衛隊への災害派遣要請までに長時間の空白があったためだ。区内には「川勝平太知事と田辺信宏市長の不仲が、ちぐはぐな対応を招いたのでは」と指摘する声もある。 ■「台風の前に準備できた」 市上下水道局によると、局内で「取水口の被災で浄水場に送れなくなった興津川の水を富士川水系の工業用水で代替できないか」との声が最初に出たのは、断水発生の24日の夜。もともと浄水場の清掃に使う雑用水のため、県企業局と契約し供給を受けていた。 翌25日午前に市と県は県庁で
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農業、広範囲に台風爪痕 清水区の被害「七夕豪雨超えも」
台風15号の影響で豪雨被害を受けた静岡市清水区で、農地や農具が水に漬かったり、泥が流入したりするなど農業が大きな打撃を受けている。被害状況の確認ができていない地域も多く、全容把握には時間を要する見通しだ。JAしみずの職員からは被害の規模について「(1974年の)七夕豪雨を超えるのでは」との見方も出ている。 ビニールハウスが立ち並ぶ同区庵原町では農地横の沢に土砂が流入し、一面が冠水被害を受けた。植え付けを控えていたイチゴ農家小笠原弘道さん(69)のハウスにも泥水が流入し、水が引いた今でも土壌の上を厚さ10センチほどの泥が覆う。農地に足を踏み入れるとくるぶしあたりまで靴が埋まるほどだ。「全て取
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台風断水、官民で全力対応 無料シャワー開放 JR草薙、清水駅前
台風15号の影響で続く断水を受け、静岡県内外の民間企業などが28日、静岡市清水区のJR草薙駅と清水駅前に無料のシャワー入浴設備を2基ずつ整備した。断水が解消するまでの間、市民に開放する。 都内の「WOTA」が開発し、全国の自治体や避難所で導入が広がる人工知能(AI)による水循環システムを活用。東日本大震災後、同社とともに各地で支援活動を展開する岩手県のガス会社「北良」の給湯器で水を温め、脱衣所を備えた屋外テントセットの中でシャワーを浴びられる。 現場の運営は、一般社団法人「草薙カルテッド」とLPガス販売のエネジン(浜松市中区)が担う。WOTAの前田瑶介代表取締役は「体を洗った水はろ過で繰
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J1清水、磐田「困っている人を助けることに力を」 静岡ダービー延期 台風15号豪雨災害
10月1日にアイスタ日本平で予定されていたJ1リーグ第31節清水対磐田の「静岡ダービー」の延期が発表された28日、両チームは予定通り練習を行った。台風15号の影響による決定に選手らは理解を示し、次の試合へ気持ちを切り替えた。 清水は27日に選手、スタッフ総出で断水の影響を受けている住民に飲料水を配った。MF竹内は「住民の話を直接聞き、僕らも試合どころじゃないという気持ち。困っている人を助けることに力を注ぎたい」と語った。 前日から自宅が断水したというFW北川は「こういう状況で無理して開催する必要はない」と延期に納得し、「被災した方々に勇気や元気を届けるため、試合に向けて準備する」と前を向
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感染防止へ消毒液配布 静岡市、床上浸水の住宅に
台風15号による住宅の浸水被害を受け、静岡市は28日までに、床上浸水した住宅への消毒液の提供を始めた。市保健所によると、床上浸水をした家屋は、細菌やカビの繁殖による感染症を防ぐため、汚泥の清掃後に屋内部分の消毒が必要になる。自治会や町内会を通じて配布するが、自治会などで対応できない場合は個別の要望も受け付けている。 市が配布するのは次亜塩素酸ナトリウム。厚生労働省のガイドラインによると、浸水した家具や床は汚れを洗い流したり、ぞうきんで水拭きをしたりした後に乾燥させ、0・1%に希釈した消毒液を浸した布でよく拭く。食器や流し台、浴槽は0・02%に希釈した消毒液に5分間漬けるなどした後、水洗いや
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清水町からキッチンカー カレー提供 断水被害の静岡・清水総合運動場で
静岡県東部のキッチンカー事業者を中心につくる全国キッチンカー事業振興協会(清水町)が、台風15号の影響で断水被害を受ける静岡市清水区への支援を行っている。27日は同区の市清水総合運動場でキッチンカーによる炊き出しを行い、被災地に味付けされた温かい食事を届けた。29日も同運動場で行う。 同協会メンバーの貴家蘭さん(31)が同区に住む友人から被害の大きさを聞き、支援に動きだした。27日には、メンバー5人が現地を訪問し、トラック2台分の支援物資を届け、キッチンカー1台で調理した焼きそばを提供した。被災者に必要な物資の聞き取りも行った。鈴木貴会長は「炊き出しはキッチンカーの原点。一瞬だけでもほっと
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清水東高生 給水マップ公開 親友被災「一刻も早く」 台風15号豪雨災害
静岡市清水区で台風被害による断水が長期化していることを受けて、清水東高理数科3年の野田優生さん(18)=富士宮市大岩=が、官民が設置した給水所やシャワー・トイレなどの支援スポット80カ所以上をインターネット上の地図に落とし公開している。親友の被災で「自分にも何かできることがないか」と始めた。 部長を務めた自然科学部地学班の短文投稿サイト「ツイッター」上で地図を公開したのは25日午前。企業や団体などからも多くの掲載依頼が届いている。静岡市がホームページ上で発表した給水所案内は文字だけだった。野田さんは「もっと分かりやすいものができないか」と作成を始め、1時間で完成した。 間違いがあり被災者
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「孤立解消」情報巡り静岡市混乱 台風15号豪雨災害
静岡市は28日、台風15号による孤立集落数を「4地区、16世帯」に訂正した。市は27日夜、ホームページで全ての地域で孤立が解消したと公表していた。 市によると、27日夜の段階では市建設政策課が徒歩での通行が可能になった場合なども解消とみなし、孤立数を「0地区、0世帯」と発表したという。
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実質的孤立解消遠く 資機材など不足 台風15号豪雨災害
静岡県などは28日、台風15号による被害で一時3市町(静岡市、島田市、川根本町)で約600世帯あった孤立住宅について、復旧作業により計29世帯になったと発表した。ただ、依然として支援の手が行き届いていない集落もあり、実質的な解消にはまだ時間がかかりそうだ。=関連記事31面へ 県によると、28日現在で孤立しているのは静岡市葵区中藁科の3地区5世帯13人、同清水区両河内の11世帯31人、島田市の川根地区2世帯7人、川根本町の壱町河内地区の11世帯26人。 静岡市は一時、孤立集落が19地区578世帯に上ったが、27日夜までに大部分で土砂の撤去や迂回(うかい)路の確保ができたとした。孤立が続く地
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市道崩落 住民「今も孤立」 山間部の静岡・水見色 台風15号豪雨災害
静岡市葵区の山間部に位置する水見色地区では、台風15号による大雨の影響で同地区につながる市道が崩落し、一時孤立状態となった。27日までに市が迂回(うかい)路として林道を整備したが道幅が狭く、住民らは依然として不自由な生活を強いられている。 崩落したのは藁科川支流の水見色川沿いにあり、住民らが買い物や職場に通うため日常的に通行する道路。川の増水により、道の10メートル以上の区間の大部分が崩落し、通行止めになった。代わりに整備された林道は車がすれ違えないほど狭く、通行に危険が伴うため、住民らはほとんど利用できていないという。 一部では、電話回線の不通や携帯電話の通信障害も続いている。同地区の
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清水区断水 5日までに全面復旧へ 興津・巴川ブロック、飲用可能に
静岡市は28日、台風15号による記録的豪雨の影響で発生した清水区の大規模断水について、水道管に生活用水を送る充水作業を行っていた興津、巴川の各ブロック(計3万1千戸)で水質検査が完了し、飲用使用が可能になったと発表した。庵原北部や三保など残るブロックへの充水作業と水質検査を順次実施するとともに、和田島地区で被災した水管橋の復旧工事を進め、10月5日までに断水の全面解消を目指す。 興津、巴川の各ブロックでは、トイレや泥の洗浄、風呂水などに加えて飲み水の日常利用が再開できる。断水の主な原因だった興津川取水口の障害物を撤去し、県工業用水や井戸水を活用した結果、飲用可能日が当初計画より1日早まった
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怒りの声「市街地だけではない」 清水区山間地「支援届かず」「限界近い」 台風15号豪雨災害
台風15号による土砂災害に見舞われた静岡市清水区の山間地の一部集落は、被害発生から5日が経過した28日も生活再建の見通しが立っていない。市などから支援が届かず、住民からは「忘れ去られている」と焦りの声が上がる。 同区の市街地から車で約40分の布沢地区。約45世帯が暮らし、24日未明の台風の大雨で大量の土砂と濁流が集落を襲った。 「災害支援を待っているが、全然来ない」。最初に出会った安永菜里さん(47)は開口一番に窮状を打ち明けた。自宅の隣を流れる川が氾濫し、床下が浸水。家族の車も全て濁流に巻き込まれた。安永さんは持病を患っているが、病院や買い物にも行けない。備蓄していた食料も残りわずかで
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台風被害 清水特別支援学校と川根高が再開 清水東高も29日から
静岡県教委によると、台風15号の影響で浸水や断水の被害を受け休校していた県立6校のうち、清水特別支援学校(静岡市清水区)と川根高(川根本町)が28日に再開した。校舎の断水が解消されたという。清水東高(同区)も29日に再開する。 断水の影響が続く同区の清水西高、清水南高の2校は、今週中は休校する予定としているが、状況次第で変更する可能性がある。床上浸水の被害があった天竜高は29日も休校する。
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台風15号「フェイクニュースに注意を」 静岡県、会見で注意喚起
静岡県の杉山隆通危機報道官は28日の記者会見で、台風15号に伴う豪雨災害に関連して、インターネット上に実態と異なる偽の画像や、事実ではない情報が出回っているとして、県民に対し、フェイクニュースに注意するよう求めた。 杉山危機報道官は人工知能(AI)で偽造した写真が県内の水害として投稿された例を挙げ、「事実ではない情報、組織や人に対しての過度な誹謗(ひぼう)中傷のようなものがSNS上で見受けられる」と明かした。 その上で「災害時にはチェーンメールや誤った情報が事実のように伝わる。発信者は正しい情報を発信し、受ける側も冷静に受け止めてほしい」と述べ、出どころの不明な情報を安易に信じないよう求