テーマ : 台風15号(2022.9.23-24)

水源確保の最適案選定 清水地区検討部会 6案組み合わせ 静岡市

 2022年9月の台風15号で大規模な断水が発生した静岡市清水区南部の新たな水源を検討する「清水地区水源検討部会」はこのほど、第4回会合を葵区の市上下水道庁舎で開いた。実現性やコストなどを考慮して前回までに絞り込んだ取水手段9案のうち、民間井戸の活用やポンプ車の使用など6案を組み合わせた方策を最適案に選定した。

部会で検討された水源確保案の一覧
部会で検討された水源確保案の一覧

 6案は、他の系統からの水融通(北部、南部、和田島の3案)▽井戸の新設▽民間井戸の活用▽ポンプ車等の使用―。
 渇水や風水害、河川水汚染が生じた場合の有効性や事業期間、コスト、開発水量などを勘案して決定した。6案を組み合わせた際の総事業費は約20億8千万円を見込む。
 残りの3案のうち、「取水口の複数化」「休止施設の使用」は多くの水量の開発が見込めるが、渇水や河川水汚染の発生時に有効性が保たれないことなどから除外した。富士川の表流水を融通する案「新規河川の暫定取水」については融通の可否が状況により異なるため、評価対象としなかった。
 今回選定した最適案などを記した報告書と意見書は、24年1月に開催予定の市上下水道事業経営協議会に提出する。同協議会では今後、新たな水源確保に向けた事業費捻出などの検討を行う。
 清水区南部は台風15号による興津川の承元寺取水口の被災で断水が発生したエリア。何らかの要因で同取水口が取水不可となった場合、1日に最大約4万2千立方メートルの水が不足するため、市は不足分を確保できる水源を新たに整備する方針を示している。
 (政治部・池谷遥子)

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