テーマ : 台風15号(2022.9.23-24)

管理業者にも責任 排水処理施設 死亡事故 静岡市 議会で見解

 静岡市の管理不備が原因で、排水処理施設で作業中の地元男性=当時(71)=が死亡した事故について、市は11日に開かれた市議会観光文化経済委員会で、施設の管理業務を委託した業者にも責任の一端があるとの見方を示し、「保険会社が受託業者に(保険金を)求償する際には協力する」と述べた。鈴木直人氏(自民党市議団)への答弁。
 男性は2022年9月24日夜、台風15号の影響で葵区平野の汚水処理施設が停電したため、市の依頼に応じて非常用のエンジンポンプで排水を行っていた。ポンプのマフラーが腐食し穴が開いていたため、施設内に排ガスが漏れ、男性は一酸化炭素中毒を起こし転倒。地下水槽から床にあふれた水で溺死したとされる。
 石田靖幸農地整備課長はマフラーの腐食について「市の管理瑕疵(かし)であり、市に賠償責任がある」とした上で、市が施設の管理を委託した業者の業務内容には「非常用エンジンポンプのマフラーの劣化確認も含まれている」との考えを示した。市が遺族側に支払う損害賠償金約3300万円は、保険会社が市に支払う保険金が原資になる予定のため、保険会社が業者に求償する場合は情報提供などで協力するとした。
 市によると、業者は事故発生12日前の9月12日にポンプの作動状況を点検したが、腐食に気づかなかった。市の聞き取りに、業者側は「腐食箇所は目視で確認しずらい場所にあった」などと話しているという。

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