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災害報道の課題 各社報告 「生活再建に資する情報も重要」 地方紙フォーラム

 「自然災害と報道」をテーマに7日開幕した「第20回地方紙フォーラムin静岡」。12社の記者が被災状況の報じ方や災害の歴史や経験を伝え続ける難しさを報告した。静岡新聞社社会部の武田愛一郎記者は、昨秋の台風15号後に掲載した特集面「被災者支援Q&A」の事例紹介を通じ、被災者の生活再建に資する報道の重要性を指摘した。

「台風15号と被災者支援報道」と題し実例報告をする静岡新聞社の武田愛一郎記者=7日午後、静岡市駿河区の静岡 新聞放送会館
「台風15号と被災者支援報道」と題し実例報告をする静岡新聞社の武田愛一郎記者=7日午後、静岡市駿河区の静岡 新聞放送会館

 発災直後から給水場所や災害ごみの収集場所などの情報を整理した「生活情報掲示板」を紙面とウェブサイトを通じて発信した。一方で「罹災(りさい)証明の判定に疑問がある」「高齢だが住宅ローンを組むのは難しいか」など、生活再建に関わる相談が県災害対策士業連絡会などに多く寄せられたことから、被災者支援Q&Aの特集面を企画した。
 武田記者は「多様な被災者支援制度の情報を行政でも網羅的に周知できていない」と企画の意義を説明。その上で、「耐震化や家具の固定など命を守るための報道が必要なのは言うまでもないが、生活再建についても平常時から制度を紹介し、住民の知識を高めていく必要がある」と語った。
 京都新聞社はことし1月の大雪災害で、自社の公式LINE(ライン)を通じて寄せられた被災者の生々しい情報を報道に生かした事例を紹介した。災害が進行中で警察や消防などからの被害情報の入手が難しい状況下でのSNSの有効性を報告した。河北新報社は発生から45年を迎えた宮城県沖地震の報道を通じて災害の歴史を繰り返し報じる必要性を強調した。

 

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