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避難計画改定後 初の訓練 富士山噴火想定で下山指示

 静岡県や周辺市町、山小屋関係者は19日、富士山の噴火を想定した火山防災情報伝達訓練を富士宮市の富士宮口5、6合目付近などで行った。コロナ禍や天候の影響などで実動訓練は2年ぶり。今年3月の富士山火山避難基本計画改定後では初めて。新たな計画にのっとり、気象庁が噴火警戒レベル2に相当する「火山の状況に関する解説情報(臨時)」を発表したとして、模擬登山者らに下山指示を伝達した。

訓練参加者に下山を呼びかける山小屋の従業員(左)=19日午前10時15分ごろ、富士山富士宮口6合目
訓練参加者に下山を呼びかける山小屋の従業員(左)=19日午前10時15分ごろ、富士山富士宮口6合目

 新計画では一般住民の避難と重ならないよう、臨時の火山情報が発表された時点で周辺首長が下山指示を発令し、噴火警戒レベル3(入山規制)のうちに登山者の下山を完了させなければならない。
 訓練は周辺市町や山小屋関係者など30組織98人が参加。富士宮口6合目では、富士宮市から臨時の火山情報が出たとの連絡を受けた山小屋の従業員や県職員が拡声器を使って「速やかに下山を」などと呼びかけた。5合目では、登り始めようとする模擬登山者に富士宮署員が噴火の兆候が高まっていることを説明。「いつ噴火するか分からない状況なので、すぐに避難してください」と帰宅を促した。
 県危機管理部の黒田健嗣危機管理監は「(携帯電話や無線機など)想定していた手段で山小屋などに対して伝達できた」とした上で、「情報をより正確に迅速に登山者に伝えるにはアプリの活用などの工夫が今後も必要」と述べた。

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