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静岡県、揺れや火災対策強化へ関連予算 感震ブレーカー設置補助、「TOUKAI―0」増額 24年度当初予算案

 最大震度7を観測した能登半島地震を受け、静岡県は2024年度、地震の揺れと火災の対策強化に乗り出す。2月に発表予定の当初予算案に関連予算を盛り込む方針を固めた。停電復旧後の「通電火災」を防ぐため、住宅などへの「感震ブレーカー」の設置を促進する。約70項目を対象とする地震・津波対策等減災交付金(23億円)の新メニューに新たに追加する。木造住宅耐震化プロジェクト「TOUKAI(東海・倒壊)―0」の予算も増額する方針。24日までの関係者への取材で分かった。
 消防庁によると、能登半島地震では、石川県輪島市中心部の大規模火災を含めて3県で計17件の火災が発生した。いずれも出火原因は特定されておらず調査中。ただ、過去の大規模地震では、出火原因の6割程度が電気関連だった。阪神大震災では、原因が判明した火災139件のうち85件、東日本大震災では108件のうち58件に上る。
 地震発生時の電気ストーブの転倒や電気系統のショートだけではなく、停電復旧後に損傷した配線や家電製品に再通電することで出火する「通電火災」も起こりうる。感震ブレーカーは、揺れを感知して自動的にブレーカーを落とすため、通電火災の防止にも効果があるとされる。
 県内では、すでに静岡や藤枝など13市町が独自予算や県補助を活用して普及に取り組んでいる。県は、交付金の常設メニューに追加することで、全県で地震火災の対策を推進していく考え。市町に対して3分の1を補助する。
 「TOUKAI―0」は、無料耐震診断を24年度に、耐震補強工事費の助成を25年度に終了する予定。能登半島地震を受け、県内では無料耐震診断の申し込みが増加傾向にある。県は無料耐震診断3千件、耐震補強工事1100件を想定し、関連予算に5億6200万円を計上してプロジェクトの総仕上げを加速させる。
 このほか、国が南海トラフ地震の被害想定の見直しを進めていることを踏まえ、県第5次地震被害想定策定のための調査費として約1千万円を盛り込む方針。

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