テーマ : 防災対策

「浜岡審査 重要データ得た」 原子力規制委の石渡委員 中電の津波試料 視察

 原子力規制委員会の石渡明委員が25日、再稼働を目指す中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)を訪れ、過去に襲来した津波の高さを分析するために中電が実施したボーリング試料を視察した。「審査を進めるに当たって非常に重要なデータを得られた」と述べた。

中電社員の説明を受けながらボーリング試料を確認する石渡明委員(左から2人目)=25日午後、御前崎市佐倉
中電社員の説明を受けながらボーリング試料を確認する石渡明委員(左から2人目)=25日午後、御前崎市佐倉

 津波堆積物に関する評価は、新規制基準適合性審査で「基準津波(想定される津波の高さ)」の策定に必要な調査項目。中電は原発敷地内とその周辺の計39地点で地盤を掘削調査し、堆積物などから過去に高さ5~10メートルの津波が襲来したとの分析を示している。
 石渡委員は中電社員の説明を受けながら体育館に並んだ全地点の試料を見て回り、堆積物の厚さなどを確認した。視察後、原発敷地内で採取された試料について「どのような経緯で堆積したのか審査の中で判断していきたい」と語った。
 中電は南海トラフ巨大地震と海底地滑りが連続発生した場合の敷地前面の津波高を最大25・2メートルとする評価結果をまとめていて、次回の審査会合に提示する予定。
 石渡委員は26日も同原発の審査で最重要課題になっている「敷地内断層の活動性評価」に関係する市内の調査現場を見学する。

いい茶0

防災対策の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞