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防災報道の課題、若手記者議論 教訓「読者 自分事に」 仙台、11社参加

 静岡新聞社や河北新報社など全国の地方紙、放送局でつくる「311メディアネット」の防災ワークショップ「むすび塾」は最終日の18日、加盟社の若手記者による意見交換会を仙台市青葉区の河北新報社で開いた。17、18両日に行った東日本大震災の被災地視察の成果を踏まえ、防災報道の課題について議論した。

震災の語り部の言葉を振り返り、防災報道の在り方などについて意見を交わす静岡新聞の崎山美穂記者(左端)ら=18日午後、仙台市青葉区の河北新報社
震災の語り部の言葉を振り返り、防災報道の在り方などについて意見を交わす静岡新聞の崎山美穂記者(左端)ら=18日午後、仙台市青葉区の河北新報社

 各記者は震災遺構と語り部から学んだことや、防災報道のアイデアなどを話し合い、「(地元の読者が災害の教訓を)自分事にできるように、似ている地域の災害のニュースを届ける」などと地方メディアの役割について意見を述べた。静岡新聞社磐田支局の崎山美穂記者(26)は「静岡県内で想定される南海トラフ地震に備え、過去の災害を教訓に、自分や家族を守るための行動について読者に考えてもらえるような報道を意識したい」と語った。
 助言者を務めた東北大災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授(41)は「自然と共に生きた先輩たちが命をつないだ結果、私たちはここにいる。日本、社会、地域と命について真剣に考えている皆さんに安心した」と講評した。
 校舎が東日本大震災の際に津波で被災した宮城県山元町の震災遺構・中浜小の視察もあった。海岸から400メートルに位置する同校では、児童ら90人が屋上に避難して無事だった。
 やまもと語りべの会のメンバーで、震災当時3年生だった千尋真璃亜さん(22)は「先生たちが震災2日前の地震を受け避難方法の見直しをした。その判断で命が助かった」と話した。
 同ネットは河北新報社が展開する「むすび塾」を共催した静岡新聞、北海道新聞、東京新聞、神奈川新聞、新潟日報、福井新聞、中日新聞、京都新聞、毎日放送、神戸新聞、中国新聞、高知新聞、宮崎日日新聞で構成。今回は東日本大震災後に入社した11社の11人が参加した。

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