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能登の教訓「伊豆に生かす」 下田で防災シンポ 半島のリスク考察

 下田市は16日、伊豆半島の防災対策と振興を考えるシンポジウムを市民文化会館で開いた。能登半島地震を受け、「半島の魅力とリスクを考える」を主題に、市都市計画審議会の伊藤光造会長の現地報告とパネル討論を実施した。

伊豆半島の防災について意見を述べるパネリストら=下田市民文化会館
伊豆半島の防災について意見を述べるパネリストら=下田市民文化会館


 石川県内で避難所の炊き出し支援や住宅相談の需要把握などに取り組んできた伊藤会長は、現地の被災状況を紹介。半島地域で発生した災害の初動体制構築の困難さを痛感したとし、「伊豆の急峻(きゅうしゅん)な地形を考慮すると、よりひどい状況を想定しておくべき」と警鐘を鳴らした。その上で能登半島地震の復興過程を注視し、伊豆における防災対策に生かすよう呼びかけた。
 パネル討論には行政学が専門の辻琢也一橋大教授らが登壇した。辻教授は「もはや国内にリスクのない地域はない」と指摘し、危険性を織り込んだ上で人口減少を踏まえたまちづくりを進めるよう提言した。陸路の遮断を考慮し港の防災への活用も訴えた。
 災害からの文化財保護に取り組む後藤知美国立文化財機構研究員は地域特性を継承するため、伝統を保護する重要性が増していると強調。「自然や歴史をはじめとした伊豆の魅力を後世にどう伝えていくかが課題になっている」との見解を示した。
 (下田支局・伊藤龍太)

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