下田支局 伊藤龍太
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東伊豆町特産キンメダイ「ピンチ!」 直近6年で漁獲4割減 黒潮大蛇行影響か
東伊豆町特産のキンメダイの漁獲量が、直近6年間でおよそ4割減ったことが6日、町への取材で分かった。同日開会した町議会12月定例会の一般質問で、岩井茂樹町長が「将来に大変な不安を覚えている。町にとって死活問題だ」と述べ、長引く黒潮大蛇行との関連性に言及した。町内では「稲取キンメ」としてブランド化し、伊豆半島を代表する名物の一つとなっている。 町によると、2022年の町内の水揚げ量は40・3トン。17年は70・2トンだったが、19年に39・8トンまで減少。その後持ち直したが、22年に再度減少に転じた。12年には122・1トンを誇っていて、この10年で3分の1程度に減った計算になる。 県水産・
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河津町 防災公園、規模縮小見込み 測量設計を再実施へ
河津町が峰地区に整備予定だった防災公園について、測量設計費を一般会計に再度計上することが5日分かった。ドクターヘリのヘリポート設置を取りやめるなど、当初予定より規模を縮小するとみられる。町によると測量設計費は2021年度から22年度にかけて4900万円を町予算に計上、執行済みだったが、整備の一部に国の協力を得られないことが判明したという。同日、町は町議会12月定例会に測量設計費1千万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を提出した。 町建設課と防災課によると、整備予定地は周囲を山に囲まれているため、伊豆縦貫自動車道の工事の発生土で埋め立てて平地にする計画。発生土の利用に伴い国から協力を受けるが
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目指せ“日本一遅い”新そば 南伊豆で取り組み本格化 11月下旬収穫、1月提供へ
伊豆半島最南端の南伊豆町で、ソバ作りに取り組む人たちがいる。標ぼうするのは、「収穫が日本一遅い秋の新そば」。数年の構想を経てようやく今年から着手した。関係者は「町内の伊勢エビに対抗し、気軽に食べられる名物にしたい」と見据える。 10月中旬の同町下小野。高さ50センチほどに育ち、花を咲かせ始めた約200平方メートルのソバ畑が秋風にそよいでいた。「夏に試しに育てた時よりずっといい。丈も高いし、茎も太い」。地元の農業生産法人代表の石川憲一さん(71)が充実感をにじませた。 ソバ栽培に取り組むのは石川さんと、同町下賀茂の「蕎麦切り明日葉」店主の団之原栄介さん(53)ら。2、3年前から構想してい
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2位の清水町 手応え十分 中学生・古川、高校生より速く【市町対抗駅伝】
町の部2位の清水町は4区古川(町清水南中)が出色の走りを見せた。連覇を逃したものの、古川は高校生も出場する同区間で市の部も含めて全体トップの11分44秒。「自分のすべてを出し切った」と充実感をにじませた。 5区間で区間トップに立つなど、終始レースを引っ張った清水町。古川にとって、「とにかく抜かれないこと」が最優先だった。中学2年だった前回大会で8区区間賞と地力はあったが、高校生も居並ぶ中で「本当に『まさか』という気持ち。今でも信じられない」と夢心地で振り返った。 個人では苦しいシーズンだった。3種目で全国中学校体育大会を目指したものの出場がかなわず。特に1500メートルは設定タイムにわず
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下田小学校、創立150年祝う 「開国のまち」特徴の校歌斉唱
下田小の創立150周年記念式典が11月28日、下田市民文化会館で開かれた。児童と保護者らが出席し、学びやの節目を祝った。 式典では6年の外岡花音さんが「学校を楽しみ、学べたのは先生や地域の皆さん、家族の支えのおかげです」と代表あいさつした。児童たちは校歌を斉唱した。「米使ペリーの来航に 鎖国の扉開かれて」と「開国のまち」らしい歌詞が印象的なメロディーに声を合わせた。 松木正一郎市長は「いつの日か卒業生であることを誇れるようになってください」と語りかけた。合唱作曲家の弓削田健介さんが記念講演した。 同校によると、現在の児童数は207人。
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ようこそクルミ! 雌のキリン一般公開 伊豆アニマルキングダム
東伊豆町の伊豆アニマルキングダムで30日、雌のキリン「クルミ」の一般公開が始まった。雄のイブオ(13)の〝お嫁さん候補〟。早速餌を元気良くほおばる姿を見せた。 クルミは茨城・日立市かみね動物園で2020年9月に生まれ、今月2日にアニマルキングダムに搬入された。高さ約3・7メートル。 飼育員の緑川大河さん(26)によると、「驚くほど人なつっこい」という。キリンは本来神経質だが、人への警戒心が薄く飼育員を見つけると駆け寄ってくるそう。緑川さんは「幼い現在の姿をぜひ見に来てほしい」と呼びかけている。 同園ではクルミとイブオのほか、イブオの母ナオコ(21)と雌イロハ(7)を飼育している。雌は
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「伊豆の踊子」ゆかりの旅館・福田家(河津) 川端康成 女将が逸話紹介 「伊豆を愛する優しい方」
川端康成の「伊豆の踊子」ゆかりの旅館・福田家(河津町)でこのほど、生前の川端とも交流のあった4代目女将(おかみ)の稲穂昭子さん(78)らのトークショー(県温泉協会、美しい伊豆創造センター共催)が開かれた。 「踊子」では、川端康成が自身を投影した主人公「私」が過ごした福田家。稲穂さんは「(川端は)怖いというイメージを持たれがちだが、無口でとっつきにくいだけで、本当は優しい方。伊豆を愛していた」との逸話を紹介。川端が温泉への愛着を度々示していたとし、「だからこそ『踊子』も生まれたのかもしれない」と推察。「小さな温泉街に多大な財産を残してくれた。この歴史を後世にしっかりとつないでいかなければいけな
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「満月の道」望み、幻想的調べ 東伊豆・北川地区「謝月祭」 テラスお披露目も
東伊豆町の北川温泉旅館組合などは27日、同町北川地区のねこさい広場でイベント「謝月祭」を開いた。同日の満月に合わせ、音楽演奏のほか、同町名物の月の絶景を観賞するための「ムーンロードテラス」がお披露目された。 東伊豆では町内から望む月光の海面反射が「月の道」のように見えるとして「ムーンロード」と銘打って売り出している。木製のテラスは高さ約3メートル、長さ約20メートルで段差が5段のぬくもりあふれるデザイン。テラスに座りながら月見を楽しめるようにと、地元要望を受けて町が整備した。 謝月祭では音楽演奏などが繰り広げられ、アンデス伝統の管楽器サンポーニャ・ケーナ奏者の瀬木貴将さん(57)のライブ
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川端康成「伊豆を愛していた」 「踊子」ゆかりの旅館女将らトーク 河津町
川端康成の「伊豆の踊子」ゆかりの旅館・福田家(河津町)で25日、生前の川端とも交流のあった4代目女将(おかみ)の稲穂昭子さん(78)らのトークショー(県温泉協会、美しい伊豆創造センター共催)が開かれた。 「踊子」では、川端康成が自身を投影した主人公「私」が過ごした福田家。稲穂さんは「(川端は)怖いというイメージを持たれがちだが、無口でとっつきにくいだけで、本当は優しい方。伊豆を愛していた」との逸話を紹介。川端が温泉への愛着を度々示していたとし、「だからこそ『踊子』も生まれたのかもしれない」と推察。「小さな温泉街に多大な財産を残してくれた。この歴史を後世にしっかりとつないでいかなければいけな
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無声映画「伊豆の踊子」の世界に浸る 河津町で上映 情緒豊かに弁士演技
川端康成の『伊豆の踊子』が原作の無声映画の上映会(河津町主催)が23日、同町の河津バガテル公園で開かれた。来場者は弁士の情緒豊かな演技に聞き入り、名作の世界に浸った。 約50年のキャリアを有する活動弁士の沢登翠さんと、無声映画専門楽団メンバーのギター湯浅ジョウイチさん、フルート鈴木真紀子さんを招いた。『伊豆の踊子』の映画は複数存在し、上映されたのは1933年の作品。沢登さんは声色を使い分け、田中絹代さんや大日方伝さんが出演する「踊子」の世界を表現。演奏者の2人も場面に合わせて抑揚のある演奏を繰り広げ、作品に花を添えた。原作とは異なるストーリー展開に来場者は見入った。 沢登さんは「原作では
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「夏に咲くマーガレット」誕生 ハーブと交配「成功は世界初」 伊豆農業研究センター
東伊豆町の静岡県農林技術研究所伊豆農業研究センターは22日、マーガレットとハーブの一種ローマカミツレの交配により新品種「ニューサマーステラ」を開発したと発表した。同センターは両品種による交配成功は世界初としていて、「夏に咲くマーガレット」としてPRしたい意向。 センターによると、伊豆半島は元々マーガレットの特産地。鉢物として全国でも上位の出荷量を誇る。冬の温暖な気候を生かしているが、元来夏の暑さに弱いという。主に10月から翌年5月にかけ咲くが、夏季に開花する品種はこれまで国内になかった。 ローマカミツレは暑さに耐性があるため、5年ほどかけて開発を進めていた。通常は種子が得られない異種間の
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南伊豆町と民間の焼却実験 一般廃棄物35%減量確認
南伊豆町と東京都の環境エンジニア業「ジェット」は22日、一般廃棄物を低量化して焼却する実証実験について、減量効果を確認したと明らかにした。岡部克仁町長は「成果が得られたので、何らかの形で将来的に導入したい」と話した。 実験は2022年10月から1年間にわたり町内で実施していた。同社が開発した「急速発酵乾燥資源化装置」(ERSシステム)を使った。同社は町の既存の処理方法に比べ、平均で35・2%の減量効果があったほか、同システムの発酵乾燥処理で悪臭が抑制されたと説明。温室効果ガスの排出量も減ったとしている。使用済み紙おむつで実験した結果、水分が多いこともあって平均65・4%の減量化につながったと
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平らな鍵盤ピアノ完成 下田のジャズピアニスト菅野さん 改良重ね納得の音色に
下田市のジャズピアニスト菅野邦彦さん(87)が、鍵盤に段差がない独自のピアノを完成させた。2016年に一度“完成”したが、数年にわたって改良を重ね、「ようやく納得のできる音色を手に入れた」と話す。 黒鍵と白鍵のいずれも平らに並んだピアノを追求してきたのは、「黒鍵の出っ張りをなくし、自由自在な演奏を実現するため」。50年来の付き合いという旧知のピアノ職人の手を借り、改良を施した。 通常のピアノより鍵盤の感触が重い点が課題だったが、ハンマーの支点の位置を変更することで、改善した。音色についてもさまざまな部品を試行錯誤し、これまでを上回る仕上がりになったという。 7月
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踊子の“茶屋” 河津に開設 26日まで衣装貸し出し 「作品ゆかりの地 知って」
川端康成の代表作「伊豆の踊子」の舞台となった河津町に、作中をイメージした“茶屋”が期間限定でお目見えした。踊子一行をなぞるように早速ウオーキング客らの憩いの場となっている。26日までの開設(雨天中止)。 茶屋は同町梨本の「踊子歩道」沿い。耕作放棄地だった農機具小屋を活用した。踊子や主人公の「私」を模した衣装を貸し出し、フォトスポットとしての来訪を促す狙い。スタッフがいればコーヒーを振る舞う。 荒れた入り口周辺を草刈りして整え、ベンチを設置。河津川のせせらぎに耳を傾けながら、山が連なる風景を楽しめる。関連グッズも販売中。 作中では登場人物たちが茶屋に立ち寄る場面
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三島由紀夫と下田の関係は 芥川賞・平野啓一郎さん講演
三島由紀夫の逗留(とうりゅう)地として知られた下田市の市民文化会館で21日、「文学シンポジウム」(市教委など主催)が開かれた。三島由紀夫に詳しい芥川賞作家の平野啓一郎さんが講演した。 平野さんは「三島由紀夫論」の著作もあり、講演では三島と当地の関係性をひもといた。歴史的背景も踏まえて三島の思想や遍歴を紹介し、下田を訪れ始めた時期について「(著作の)売り上げも落ち、自信喪失していた」と解説。その不振期から政治思想に傾倒する晩年が下田と関係性が深かったと説いた。 市教委によると、三島は1964年に市内のホテルに滞在以来、逝去する70年まで毎年8月に下田で過ごしたという。ただ「数年にわたり1カ
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記者コラム「清流」 大自然に囲まれて
好きなミュージシャンの「インスピレーションを得るために山の中のスタジオで曲作りした」なんて話を聞くと、本当にそんな効果が? といつも思っていたが、ようやく謎が解けた。 南伊豆町でシンガー・ソングライター白井貴子さんによる林業体験会が開かれた。会場は何と白井さんが所有する山林。定期的に訪れてキャンプをしているそうで、この場所で生まれた曲もあるそう。「大自然の中にいるとね、普段とは違う感情になって曲が生まれるのよ~」と気さくに教えてくれた。確かに素人考えでもそんな気になってくるから不思議。 南伊豆で生まれた曲を当地で演奏するライブがあったら、なんてすてきでしょう。ビッグネームに恐れ多いが、そ
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戦後78年 戦争体験伝承 残された時間多くない【東部 記者コラム 湧水】
「被爆者の方たちはどんどん亡くなっています。今を生きる世代が、どのように継承していくべきか。残された時間は多くありません」-。今夏、戦争関連の取材で滞在した広島市で、原爆投下前の白黒写真のカラー化を通じて記憶の継承活動に取り組む東京大4年の庭田杏珠さん(21)が言葉を紡いだ。 被爆者の平均年齢は85歳を超えた。当地「ヒロシマ」ですら戦争、被爆体験の伝承が課題になっている。ならば、本県においても戦争体験の伝承が曲がり角に差しかかっているのは言うまでもない。 広島市では、自身の体験を語る「被爆体験証言者」に加え、証言者から研修を受けて講話する「被爆体験伝承者」養成制度を設けている。こうした取
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静岡人インタビュー「この人」 熱川温泉の活性化に努める 斉藤欣邦さん(東伊豆町)
今春に町職員から温泉管理会社「八大偕楽園」の4代目社長に就任。熱川温泉旅館組合と連携しながら、イベントや商品開発で魅力発信に努める。静岡市清水区出身。24歳。 -普段の仕事内容は。 「熱川温泉には自噴する大量の温泉を受け止め、源泉を掃除するための『温泉櫓(やぐら)』がいくつか立ち並んでいる。噴き出る湯煙が名物となっていて、この一つの管理が主な仕事」 ―その源泉の掃除の様子を公開するイベントを9月に開催した。狙いは。 「源泉温度がおよそ100度と全国トップクラスに高く、機械が耐えられないため多くの作業を人力で行う必要がある。期間を通じて約50人に参加してもらい、『温泉を身近に感じた』と
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東伊豆・熱川温泉♨の結晶が人気 保湿成分豊富、入浴時のお供に
東伊豆町の熱川温泉に点在する「温泉櫓(やぐら)」の一つの管理を手がける「八大偕楽園」(同町)が今秋から販売開始した温泉の結晶「天然湯の花」が人気を集めている。同温泉には保湿成分の「メタケイ酸」が豊富に含まれているとされ、採取した結晶を粉砕し香料は使用していない。入浴時に使用し、「体の芯から温まる」などと好評を得ているという。 結晶は源泉の管の内部や周辺にこびりつく。熱川温泉旅館組合によると、同温泉の源泉は全国トップクラスの高温で、溶け込む成分が豊富。温泉が地上に噴出した際に成分が凝固し、白色の結晶が発生する。 この結晶に着目したのが八大偕楽園社長の斉藤欣邦さん(24)。メタケイ酸は肌の新
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下田城の歴史を解説 「古里理解のきっかけに」 市民有志が冊子 学校などに110冊寄贈
戦国時代に北条氏の水軍拠点だった下田城跡(下田市)の伝承に取り組む市民団体「下田城の保存を推進する会」が、城の歴史を解説する冊子を製作した。市内の小中学校や図書館、市教委に110冊を寄贈。メンバーは「子どもたちが古里に理解を深めるきっかけにしたい」としている。 冊子はA4判30ページで、タイトルは「北条水軍の拠点・下田城」。同冊子によると、下田城は現在の下田港の西側に立地し、3方を海に囲まれた標高約70メートルの半島状の丘陵に築かれていた。現在の下田公園や下田海中水族館の周辺で、東西約700メートル、南北約500メートルの規模。現在は空堀や土塁が残されている。 同会が歴史的意義を強調するのが
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ご飯にのせただけ、名物わさび丼 シンプルさで観光客から熱い支持、その背景は【わたしの街から/河津町梨本地区】
道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃(『伊豆の踊子』冒頭)…姿を現したのはワサビ田!? 川端康成の代表作の舞台として知られる河津町。伊豆市との市町境に近い梨本地区はワサビ生産が盛んで、ご飯にワサビをのせただけのシンプルなご当地メニュー「わさび丼」が観光客の熱い支持を受けている。その背景に迫った。 ドラマで注目〝異色のグルメ〟 「どうぞ。ワサビは自分ですってください」。観光名所の「河津七滝」にほど近い「わさび園かどや」。目の前に供されたのは、かつお節がたっぷりのったご飯と…なんとワサビが1本。店員の山口昭子さん(65)が「円を描くように。力を込
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ウクライナ侵攻余波 今秋も行事中止、下田市民苦悩 江戸時代から続くロシアとの縁、消えないで…
いつの日か、再び交流を-。江戸時代からロシアと縁が深い下田市。ウクライナ侵攻の余波で昨年から関連行事の中止が続く中、今秋も4日の慰霊行事が中止となった。長年交流を続けてきた市民の胸には、戦火を収めようとしない為政者に怒りを込める一方、「交流の歴史まで、なかったことになるのか」と複雑な思いが交錯する。 「この場所で慰霊祭を開いていたのが遠い昔のようです」。4日の玉泉寺(下田市)。日本・ロシア協会下田支部代表の杉坂太郎さん(78)が、ロシア人水兵らの墓地を前にし、ぽつりとつぶやいた。 下田には幕末、ロシア使節プチャーチンが軍艦ディアナ号を率いて来航した。1854年11月4日、停泊中のディア
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市町対抗駅伝まで1カ月 賀茂6チームが南伊豆で合同練習
12月2日に静岡市で開かれる静岡県市町対抗駅伝(静岡陸上競技協会、静岡新聞社・静岡放送主催)に向け、賀茂地域の6市町が5日、南伊豆町の青野川ふるさと公園周辺で合同練習に取り組んだ。 下田市と南伊豆、河津、松崎、西伊豆、東伊豆町の代表候補約70人が集った。6市町は2022年大会で、人口1万5千人未満の市町1位に授与される「ふるさと賞」を南伊豆が、「敢闘賞」を松崎と河津が受けた。賀茂地域全体で底上げを図り、大会1カ月前に選手の士気を上げる狙いで6市町の合同練習を初めて企画した。 選手たちは区間別に1・8~6キロの距離を走り、タイムを計測。本番に向けて調整した。東伊豆稲取小6年の千島陽菜斗君は
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秋の味覚「モクズガニ」 河津で漁ピーク、塩ゆでや汁物人気
河津町の秋の味覚「モクズガニ」の漁が盛期を迎えている。地元では「ズガニ」とも称される。秋は産卵に備えて川を下るために脂が乗っていて、根強い人気がある。 2日午前、堤国仁さん(68)が河津川に仕掛けた漁具のかごを引き上げると、約20匹がうごめいていた。大きいカニで甲羅の大きさが10センチ超。両足を広げると30センチほどになる。この漁具は「もじり」と呼ばれ、魚の切り身などを入れる。モクズガニは夜行性で、夕方に設置して翌朝以降に引き上げる。 猟期は2024年2月まで。河津川漁協によると、盛期は12月中旬まで続く。今期は夏の暑さで水量が不足し、10月1日の漁の解禁当初は不漁だったが、現在は例年並
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河津でトライアスロン 300人が出場
第8回河津フラワートライアスロン大会(実行委主催)が29日、河津町で開かれた。約300人がゴールを目指し、鍛錬の成果を競い合った。 水泳1・5キロと自転車40キロ、ランニング10キロのコース。個人の部に約250人、2人か3人一組で出場する「リレーの部」に20チームがエントリーした。河津浜海岸を出発した出場者は第1種目の水泳でリードを広げようと勢いよく入水。指定のコースを3周して陸上に上がり、町内を巡るコースを疾走した。 河津桜観光交流館では「河津フードマルシェ」が開かれ、特産のワサビを使ったおにぎり「河津泣きめし」などが注目を集めた。
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「ロックの女王」白井貴子さんが林業教室 東京の児童が参加 南伊豆町
「ロックの女王」と称されるシンガー・ソングライター白井貴子さん(64)による林業体験講座が26日、南伊豆町で開かれた。同町と交流のある東京都杉並区の児童たちが参加し、白井さんと自然に親しむとともに林業の魅力に触れた。 白井さんは25年ほど前から同町湊に約1万平方メートルの山林を所有。定期的に訪れ、創作の場にもなっているという。近年は同区や町内の児童向けに林業体験の機会を設けている。この日は区立杉並第三小の6年生約30人が課外活動の一環で来訪した。 全国で樹木診断や山林管理を手がけ、町内に支店がある「ハードウッド」社長の森広志さん(44)らが講師を務めた。会場の山林は海岸近くにあり、白井さ
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ロリータ衣装 第一人者、青木さん「カワイイ」語る 河津のバラ園
河津町のバラ園「河津バガテル公園」で21日、「ロリータファッション」のイベント「カワヅカワイイパーティー」(町主催)が開かれた。来園者と「ロリータファッションの第一人者」とされる青木美沙子さん(40)が交流した。 青木さんはこのほど同園の「イベントアドバイザー」に就任した。トークショーで「ロリータは日本発祥のファッション。イベントを通じ、ロリータファッションを知ってもらうきっかけにしたい」と話した。イベント参加者のファッションショーなども行った。 町によると、近年の来園者の減少傾向を受け、青木さんの若者への訴求力を期待して開催したという。 園内では11月26日まで青木さんプロデュースの
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「前に進めてくれると信じている」 井端「侍」新監督にエール 栗山氏が松崎で講演
今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表を世界一に導いた栗山英樹前監督(62)が20日、松崎町で講演し、自身の後任に決まった井端弘和新監督(48)について「いい形で(チームを)前に進めてくれると信じている」と述べた。報道陣の取材に答えた。 井端新監督は4日に就任した。世界一の後任として重責を担うが、栗山前監督は「日本代表というのは野球にとってすごく大事(な存在)」とし、期待した。 松崎町環境改善センターで開かれた講演会には大勢の町民が詰めかけた。深沢準弥町長から熱烈な要請を受けたといい「とてもすてきな町で、もう少し年を取ったら住んでみたい」と聴衆を沸かせた。話の途中で
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秋風にそよぐススキ 東伊豆細野高原で見頃
東伊豆町稲取の細野高原でススキが見頃を迎えた。同所はススキの名所として知られ、大勢の観光客が思い思いに散策を楽しんでいる。 細野高原は広さ約125万平方メートル。広大な草原できらめく穂が秋風に揺られている。高原内の三筋山(標高821メートル)の山頂付近をはじめ、高原内の各ポイントからは黄金色の草原と相模湾や伊豆七島が一望できる絶景が広がる。町観光協会事務局次長の前田陽司さん(49)は「絶景のコントラストに加え、開放感も満載」と魅力を語る。 高原では10月27日まで「秋のすすき観賞会」と題した行事を開催中。スタンプラリーやガイドによる案内、遊具の貸し出しなどを実施している。協会によると、昨
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魚のハロウィーン人気 下田海中水族館 〝カボチャ〟ダイバーが餌付け
下田市の下田海中水族館で、ハロウィーン仕様の餌付けショーが人気を集めている。施設内の水族船「アクアドームペリー号」の大水槽で、カボチャを模した衣装のダイバーに魚たちが群がっている。 31日まで、ショーの時間にダイバーが餌やりを披露している。餌のオキアミを取り出すと、〝カボチャ〟はあっという間に魚たちから取り囲まれて姿が隠れるほどに。アジを与えられたエイが丸のみする様子には、来場者は驚きの声を上げた。 10年以上続いている恒例行事という。飼育員の浅川諭美さん(46)は「イベントを魚に興味を持ってもらうきっかけにしたい」と話した。 ショーは午前10時35分から約15分間。最終日の31日は
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自動運転バスで生活拠点結ぶ 過疎地の買い物、移動支援 松崎で実証実験 町や県 有用性探る
松崎町で17日、静岡県や町などによる自動運転実証実験が始まった。過疎地域での移動支援や公共交通機関の運転手不足への対処が狙いで、同町では過去にも実験を実施してきたが、大通り中心だったこれまでと経路を変更。住宅街と生活拠点施設を結び、買い物支援における有用性などを探る。 全国に誇る桜葉生産地らしく、「さくらっぱ号」と名付けたバス型車両(8人乗り)を運行する。同日から19日にかけては、スーパーや町役場が近い伏倉地区と道部地区を循環。24日から26日の3日間はバスターミナルもある中心部の商店街と伏倉地区を周遊する。各日6~7カ所の停留場所を設ける。 時速19キロ以下で走行する車両は沼津市から遠
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4年ぶり 河津で「どぶろく開き」 「うまい酒ができた。皆も飲めや」
酒好きの主祭神「杉桙別命(すぎほこわけのみこと)」を祭り、どぶろく造りを許可されている河津町の川津来宮神社で14日、例大祭が開かれた。地元に伝わる神話「鳥精進酒精進」にちなんだ主要儀式「どぶろく開き」を執り行い、豊作や無病息災へ願いを込めた。 境内に設置された舞台で、古代の衣装を身にまとった氏子の若衆がどぶろくを氏神にささげる儀式を披露した。たるに入れた新酒の出来栄えを問われた氏神役が「うまい酒ができた。皆も飲めや」と呼びかけ、自家醸造酒を来場者に振る舞った。 4年ぶりの開催。長谷川延之氏子総代(66)は「祭典は重要な地域交流の場。人口減少があったとしても、古来の伝統を守っていかなければ
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赤ちゃん、手形「ぺったん」 西伊豆、誕生記念品製作に
西伊豆町で2023年に生まれた新生児に贈るガラス製の記念品に付ける手形取りのイベント(町主催)が13日、町福祉センターで開かれた。母親と子供7組が参加し、初めての体験に戸惑うわが子をなだめながら手形を取った。 ガラス原料のケイ石の産地で、同町と合併した旧賀茂村時代から20年以上続いている恒例行事。親たちは町内のガラス工芸家の生島賢さん(53)と五木田淳子さん(53)から説明を受けた後、赤ちゃんたちを抱きかかえながら粘土や紙に手を押し付けて型を取った。 中には初めての感触に元気よく泣き声を上げたり、驚いたりする赤ちゃんもいて、足形で代用するケースもあった。長女(第2子)の糸ちゃんと参加した
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こども園候補地視察 再編計画白紙の西伊豆住民
西伊豆町教委は12日、町民を対象に、将来的な認定こども園の候補地の視察会を町内で開いた。同町では長年議論されてきた認定こども園と小中一貫校の教育施設再編計画が、一部住民の反対を受けて1月に白紙化。視察会は候補地の利点や欠点を明確にする狙いがある。 参加者10人が視察したのは、賀茂小・西伊豆中や田子小、町民運動場など。参加者は町教委の職員から町有地か否かである点や、海からの距離に関して説明を受けた。「広さより子供の命を第一に考えるべき」などの声が参加者から上がった。 現在の認定こども園は仁科、田子両地区にそれぞれ1園ずつある。町教委によると、10月中にも候補地を数カ所に絞り込む。朝倉通彰事務局
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「塩分、砂糖の取り過ぎは大変」 下田の大賀茂小児童 生活習慣病予防へ食生活学ぶ
下田市の大賀茂小の6年生5人が10日、県賀茂健康福祉センターの出前授業を同校で受けた。生活習慣病予防に向け、バランスの良い食生活を学んだ。 適切な食習慣を子供のころから身に付けてもらう狙いで健康増進班長の永田順子さん(55)が講師を務めた。永田さんは炭水化物の主食と肉や魚の主菜、野菜の副菜の三つをバランスよく食べるよう指導した。児童は自身の朝食を振り返り、栄養の偏りを“分析”。足りなかった部分を補おうと意見を出し合った。 児童は清涼飲料水や乳酸菌飲料など、含まれているカロリー分のシュガースティックが入った空のペットボトルを永田さんから手渡され、「こんなに入ってるの
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帯広名物「豚丼」いかが 姉妹都市連携の松崎 10月20日まで割安提供
10月10日は豚豚(トントン)の日ー。松崎町の道の駅花の三聖苑伊豆松崎で10日、姉妹都市の北海道帯広市名物の豚丼を安価で提供するキャンペーンが始まった。十勝平野開拓の祖とされる依田勉三(1853~1925年)が松崎出身の縁。20日まで(木曜定休)。 通常1520円の帯広豚丼とコーヒーのセットを期間中は1010(トントン)円で提供する。ご飯の上に千切りのキャベツを敷き、甘辛いタレで焼き上げた豚肉を載せた。白髪ネギとともにワサビ(別皿)も添え、爽快な辛みが豚肉の甘みと絶妙に調和する。 道の駅を運営する町振興公社などによると、依田が豚4頭を連れて入植したのが帯広における養豚の起源という。スタミ
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「石部の棚田」 実りの秋 静岡県内外オーナーら稲刈り作業 松崎町
駿河湾を望む絶景を見下ろす松崎町石部地区の棚田で7日、毎秋恒例の収穫祭(石部棚田振興協議会主催)が始まった。同地区の棚田はオーナー制度で運営されていて、静岡県内外から約330人が集まり、黄金色に染まった棚田で収穫作業に励んだ。8日も約230人が参加する予定。 2日間の参加者のうちオーナーとトラスト会員は約420人。4万2千平方メートルの棚田で鎌を手に手際よく収穫作業を進めた。田んぼのあぜ道には続々とうるち米の稲穂が積み上がり、参加者は天日干しにも取り組んだ。収穫米は11月にもオーナーらに届けられる。 町などによると、過去に稲作のために人力で石垣が建造された石部地区では、1950~60年代
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下田市長と語る会 世帯数減少自治会運営の窮状 市民が訴え 10月24日まで
松木正一郎市長ら下田市幹部と市民がまちづくりへ意見を交わす市政車座座談会が6日夜、市民文化会館で始まった。直接的な意見交換の場を設け、当局が市政運営の参考とする狙い。24日まで各地区で実施する。 同会館での初回には市民約20人が集まった。市民からは世帯減に加え自治会からの脱退が増え、運営に支障を来しかねないとの意見や、自治会の清掃活動が高齢化の中で多大な負担になっているとの訴えが上がった。 座談会冒頭の「市政報告」について、「時間が長すぎて、意見交換の時間が少なくなっている。市の説明は資料で事足りる」と次回以降の改善を促す声もあった。 各地区での座談会とは別に、14日午後1時半からは全
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デジタル技術で産業創出 モデルケース目指す 伊豆半島東海岸の4自治体
伊東と東伊豆、河津、下田の4市町による「伊豆東海岸広域地域循環共生圏協議会」が2日発足した。ドローンを軸としたデジタル技術の活用により産業と生活環境、防災の3分野で連携を深める。内外に先進技術の実証地としてアピールするとともに、産業システム構築のモデルケースとしたい考え。東伊豆町役場で設立総会が開かれた。 産業分野では民間にドローンの実証実験の場を提供し、企業誘致につなげていく方針。物資や医薬品搬送などによる人手不足解消や、遠隔による体制確保も念頭に置く。公共交通機関や道路の点検、自然環境の保全も想定する。情報収集体制の広域化で地域の防災力強化を目指す。 協議会事務局の東伊豆町によると、
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天下の奇祭「どんつく祭」5年ぶり 練り歩き、威勢よく 東伊豆
天下の奇祭として知られる「第54回どんつく祭」(稲取温泉旅館協同組合主催)が30日夜、東伊豆町の稲取温泉場で開かれた。5年ぶりの開催で、観光関係者らが男性を象徴する巨大なご神体をみこしに乗せて練り歩いた。 夫婦円満や子孫繁栄などを願うどんつく神社の例祭で、温泉街の一角約150メートルを歩行者天国とした。長さ2・2メートルのご神体が乗せられたみこしを地元の男性らが担ぎ、会場には「そりゃそりゃ」とかけ声が響いた。 組合によると祭りは温泉街の活性化を念頭に始まった。ただ、近年は観光関係者の高齢化に加えて期間中の宿泊者が減少。宿泊施設の減少も相まって費用負担が増大し、精緻なご神体への指摘も寄せら
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暴れる虎 迫力の大捕物 南伊豆・小稲の虎舞
国の記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財で、静岡県無形民俗文化財の「小稲の虎舞」が28日夜、南伊豆町の小稲地区で執り行われた。地元の小稲来宮会の会員たちが海岸近くに設けられた舞台で大虎の生け捕りの場面を演じた。 旧暦の8月14日、中秋の名月の前夜に小稲来宮神社の祭典として披露される伝統行事。近松門左衛門の「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」の一部を再現した内容と伝わる。主人公の「和藤内」が竹やぶで大虎と遭遇し、格闘の末に連れ帰る内容。大虎役の男衆2人は着ぐるみに入り、暴れ回る様子を表現した。赤い衣装をまとった和藤内が太鼓と笛の音色に合わせて大捕物を繰り広げ、地域住民や観光客らが大きな
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南伊豆町内 唯一のゴルフ場 伊豆下田CC 営業終了へ 町「事業継承を要望」
南伊豆町のゴルフ場「伊豆下田カントリークラブ」が2024年12月で営業を終了することが26日分かった。同日開会した町議会9月定例会で、稲葉勝男氏の一般質問で明らかになった。岡部克仁町長は「貴重な財源のゴルフ場利用税交付金の消滅や固定資産税への影響が懸念される。最優先事項として、施設の継承先を見つけていただきたい旨を要請した」と述べた。 岡部町長はクラブの運営会社の関係者から、業績回復の見込みが立たないため営業を終了するとの報告を既に受けたと答弁した。来場者は1992年をピークに減少の一途をたどり、95年以降は毎年営業赤字を計上。近年ではイノシシによるコースの損傷も多発し、復旧費用も重荷となっ
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旧河津西小再利用 民間事業者公募へ 町長が意向
河津町の岸重宏町長は25日、町内の3校統合に伴い2022年度限りで閉校した旧西小について、将来的な再利用に向けて事業者の公募を実施する意向を示した。公募時期は未定としているが、23年中に国や県の補助金採択に向けて準備を始める。定例会見で明らかにした。 岸町長は8月に県主催の自治体と民間のマッチングイベントに参加した際、民間事業者7社から活用策の提案を受けたと説明。町企画調整課によると、宿泊施設や酒類の製造工場、ドローンの資格取得関連施設などの提案があったという。 同町は川端康成の「伊豆の踊子」の中心として描かれ、舞台の一つになった旅館「福田家」は旧西小近くに立地。福田家は川端自筆の手紙な
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天然記念物のカメ「2世」 河津イズーが繁殖に成功
河津町の動物園「iZoo(イズー)」は23日、国指定天然記念物のリュウキュウヤマガメの「2世」繁殖に成功したと発表した。かつて同園でふ化した同種のカメによる産卵が実を結び、人間の手によるリュウキュウヤマガメの2世誕生は国内初としている。 同園では2016年10月、国内の動物園では沖縄こどもの国、横浜市立野毛山動物園に次ぐ3例目として、野生由来のリュウキュウヤマガメの雄と雌による繁殖に成功。このときに生まれた雌が産んだ卵が、20日にふ化したという。 生まれた1匹は甲長3センチ、体重4グラムで性別は不明。同園によると、リュウキュウヤマガメは沖縄県のみに分布する陸生種で、白輪剛史園長(54)は
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“街なか図書館” 大学生が企画、地元の中高生ら本紹介 下田
下田市中心部の大横町通りに23日、“図書館”がお目見えした。「未来の下田図書館プロジェクト」と題した市主催の社会実験の一環で、読書コーナーや読み聞かせブースなどが登場した。24日午後4時まで続く。 下田のまちづくりに携わっている日本大と駒沢女子大、筑波大の学生が中心になって企画。約200メートルを歩行者天国として開催した。読み聞かせのブースでは、下田高の生徒らが園児と児童向けに絵本を紹介。「みんなの本棚ゾーン」と銘打った一角では、市内の中高生らが路上でお気に入りの一冊を並べ、来場者に見どころを解説した。 酒屋やギャラリーも参加し店内に酒や食関連の本を並べ、来店者は
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急激な少子化 統合議論長引く東伊豆 小中高の校舎一体化案浮上
急激な少子化の影響で小中学校の統合議論が長引く東伊豆町で、校舎を一体化させた上で小中学校と県立稲取高(同町)が連携して一貫性のある教育を目指す案が浮上している。運営主体が県と町で異なるものの、実現すれば独自の教育プログラム展開や校舎の更新費用削減につながる可能性がある。学識者も「過疎地のモデルケースになり得る」とみていて、町は今後県教委に対し実現を強く訴えかける方針。 町には稲取地区と熱川地区に小中1校ずつの計4校があり、もともと町は小中一貫校2校の整備を見込んだ。しかし、近年の出生数急減を受け、2022年末には第三者委が一貫校1校への4校統合案を町教委に答申し、再編計画は途上にある。町
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賀茂210店舗で食べて飲んで 30日から「がんバル」
賀茂地区1市5町の店舗で飲食を楽しめるイベント「がんバル」(実行委主催)が30日から始まる。11回目の今回は約210店舗が参加。実行委は「観光客も市民町民も、新たなお気に入りの店舗を開拓するきっかけにしてもらいたい」と呼びかけている。 5枚つづり1部4000円のチケットを購入して参加する。通常メニューを割安で楽しめたり、イベント専用メニューを味わえたりできる。店舗によっては店内飲食に加え、菓子や弁当の購入も可能。宿泊施設での温泉入浴や水族館の入場にも使える。 下田商工会議所担当者の冨山諒介さん(34)は「ご飯を食べた後で温泉に入り、ケーキを買って帰るなど“ツアー”
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源泉の“華”掃除見に来て 東伊豆・熱川温泉で初公開 「湯守り」文化を発信
東伊豆町の熱川温泉旅館組合は16日から、温泉源泉の掃除の様子を一般向けに初公開する。今夏の同温泉のジオサイト登録を記念した取り組みで、温泉管理をしてきた「湯守り」をはじめとした温泉文化を観光客らに周知する狙い。30日までの土日に見学イベントを開催する。 「熱川には多くの露天風呂が点在しています。源泉の温度が高温で冷ます必要があるのですが、昔は水源が少なく外気で代用していたんですよ」。12日の同町奈良本。自噴する大量の温泉を受け止め、源泉を掃除するための「温泉櫓(やぐら)」を前に「ふたりの湯宿 湯花満開」専務の石島正和さん(37)がイベント当日の流れを確認していた。近隣温泉地の源泉温度は50
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松崎で遺体収容所の運営訓練 有事備え自治体職員ら参加
松崎町と下田署は9日、遺体収容所の運営訓練を町勤労者体育センターで開いた。現時点では有事の遺体収容所に定められていない施設だが、危機意識を高めようと初めて開催。約70人が大規模災害に備えて対応を確認した。 静岡県や近隣自治体の職員、歯科医師会も参加した。参加者は署員の指導を受けながら、テーブルを活用して検視や遺体処置などを行う区画と遺体の安置場所に体育館内を二分。人形を使って収容所内での作業手順を確認したほか、歯型の符合で身元を特定する「歯牙鑑定」や納棺の流れを学んだ。迅速な対応に向けて、葬儀会社との事前協定の重要性にも理解を深めた。 深沢準弥町長は「眼を背けたくなるような事態になるかも
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河津の入湯税引き上げ「関係者理解必要」 町長答弁
河津町の岸重宏町長は6日、入湯税の引き上げについて「関係者の理解が必要だ」と述べた。町議会9月定例会で大川良樹氏の一般質問に答えた。近隣の東伊豆町は入湯税の引き上げなどを議論する検討会を8月に立ち上げている。 町によると、町の入湯税は宿泊料金に応じて1人100~150円。2022年度の徴収額は2200万円だった。19年度は2千万円。20、21年度の1500万~1600万円から回復傾向にある。 岸町長は「税収が増えれば観光財源の確保につながる」とする一方、引き上げが実質的な宿泊料の値上げにつながるとの懸念を示した。その上で東伊豆の議論の行方を見守るとし、「ある程度制度として(関係者に)理解
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南伊豆食材でインド医学学ぶ 家庭料理店で講座 3000年の知恵、日常に
南伊豆町下小野のインド家庭料理店「南豆亭」で4日、インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」の基礎を学ぶ講座が開かれた。町内外の9人が受講し、体質改善などにつながるとされる医学体系に理解を深めた。 都内で料理教室を主宰する伊豆の国市出身の富塚紀子さん(67)が講師を務めた。アーユルヴェーダは約3千年前にインドで発祥したとされ、スパイスなどを使った日常の食事療法や外科学、育児学など多岐にわたる。体質改善による老化防止が念頭の一つにあるという。 富塚さんは夏季の発熱や不眠に対しキュウリやオクラなどの野菜をバランスよく食事に取り入れるよう説いた。その上で体温を下げるために有効なスパイスとしてフェン
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新庁舎 事業費10%増 下田市役所 32億~35億円見込む
下田市は1日、市役所新庁舎の整備事業について、事業費が当初見込みから概算で10%程度増の32億~35億円程度になると明らかにした。建築資材や建設主体の人件費の高騰が要因。市議会全員協議会で明らかにした。 市は元々、設計費や工事費、調査費などを含む事業費を28億~32億円程度と見込んでいた。ただ、新型コロナウイルス禍など国際情勢が変化。鈴木浩之企画課長は「設計方針に基づき、全体の事業費や施設規模のバランスを考慮して設計を進めていきたい」と説明した。 新庁舎は旧稲生沢中を活用する「旧校舎活用棟」と「新築棟」「体育館棟」を段階的に整備する。この日示した事業費は3棟を合わせた金額となる。 旧校舎活用
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日本とトルコ 食文化と観光の関係は? 南伊豆町、静岡文化芸術大がシンポ
南伊豆町と静岡文化芸術大は30日夜、日本とトルコの食文化や観光について考えるシンポジウムを下田市の県下田総合庁舎で開いた。地産食材や食文化を観光につなげる「ガストロノミーツーリズム」について理解を深める狙い。約100人がパネル討論を聴講した。 パネル討論には同町や同大協定校のイズミル経済大の関係者が登壇した。イズミルはトルコ第3の貿易都市。欧州からの観光客が多く、ガストロノミーツーリズムを推進しているという。リモート参加した同大のジャン・オズジャン准教授は、地元住民の生活文化を考慮した上で推進の体制を構築する必要性を説いた。ガストロノミーツーリズムと地域文化は密接につながっているとし、観光
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「下田ジェラート」好評 通年営業に 国史跡「了仙寺」に店舗
下田市の国指定史跡・了仙寺に今春オープンしたジェラート店が、休みなしの通年営業となった。当初は期間限定の営業だったが、地元食材などを使ったジェラートが観光客や地元住民に好評で、出店した板橋隼平さん(29)は「『下田ジェラート』として地域の名物にしていきたい」と意気込む。 ジェラートは4種類で、オーツミルクと下田の塩で仕上げた「塩バニラ」が一押し。現在は紅ほっぺやマンゴー、キウイのジェラートを提供していて、季節に応じて多様な種類を準備するという。これまでには、アメリカジャスミンの名所の同寺にちなみ、ジャスミン風味も販売した。 コーヒーや抹茶ドリンクも用意。夏に合わせた梅ジュースも人気を集め
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ペリーが見た日本、小冊子で発刊 下田の上原美術館が著書再編
下田市の上原美術館は、書籍「ペリー提督 日本遠征記」に掲載された挿絵版画の一部をまとめた小冊子「ペリーが見た幕末日本と下田」を発刊した。日本上陸直後の様子や、幕末の下田の街並みが描かれた版画に解説を添えた。 同館によると、書籍はペリーが著者として1856年に出版された。ペリーが日本への航海記録を米議会に報告するため、帰国後に作家フランシス・L・ホークスに編さんを依頼。版画は記録係でペリー艦隊に乗船していたドイツ人画家のスケッチや、アメリカ人写真家が撮影した写真を原画としている。書籍収録分の全99点のうち同館は19点を所蔵している。 1853年の神奈川県横須賀市・久里浜への上陸場面には富士
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違法営業に対応 海水浴場条例改正も 下田市長検討
下田市の松木正一郎市長は24日、「市海水浴場に関する条例」について、改正も視野に入れて見直しの検討を始める考えを示した。市内の白浜大浜海水浴場では市の許可を得ずに営業する違法業者が長年の課題となっているが、現在の条例では罰則の適用が困難で強制力が弱いとの声がある。定例会見で明らかにした。 市によると、同条例は1992年に制定。同海水浴場では、無許可のパラソルのレンタルや飲食物の宅配サービスが横行していて、風紀の乱れを指摘する声も根強い。昨夏には正規の許可を得てパラソルを貸し出していた市夏期海岸対策協議会原田支部の市民を脅したとして、暴力団総長らが威力業務妨害の疑いで逮捕される事件が起きた。
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議長に長田氏、副議長に比野下氏 南伊豆町議会
南伊豆町議会は24日の臨時会で正副議長選を行い、議長に長田美喜彦氏(75)、副議長に比野下文男氏(76)を選出した。 長田美喜彦氏(おさだ・みきひこ)造園業、下田高南伊豆分校同窓会副会長。5期。青市 比野下文男氏(ひのした・ふみお)町社協副会長、[元]手石区長。3期。手石
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総合教育会議 「サーフタウンの下田」推進へ 基本構想 年度内にも策定
2023年度第1回の下田市総合教育会議が24日、市立中央公民館で開かれた。市当局は東京五輪の米国サーフィン代表チームのホストタウンだった経緯を踏まえ、「市サーフタウン基本構想(仮称)」を23年度中にも策定する意向を示した。サーフィンを含むマリンスポーツをまちづくりに生かす姿勢を鮮明にする狙い。 東京オリンピックパラリンピックホストタウン市推進協議会内において策定し協議会予算100万円で計画策定へ調査研究を実施するとともに、イベント開催などを通じて機運の醸成を図るという。 24年度以降にスポーツ振興に向けた官民団体を新たに組織する方針も明らかにした。市や民間団体の連携で課題解決や事業推進を
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補正予算など可決 南伊豆町議会
南伊豆町議会は24日、臨時会を開き、2023年度の町一般会計補正予算案など4議案を原案通り可決、同意し閉会した。 補正予算は400万円を追加した。落居漁港の消波ブロック移設工事費400万円が中心。下流地区の海岸保全に関する工事の請負契約の締結案も可決した。5400万円で静岡市の業者と契約する。 委員会構成も決めた。それぞれの正副委員長は次の通り(正、副の順)。 第1常任委 黒田利貴男、大年美文▽第2常任委 渡辺哲、安藤広和▽予算決算常任委 宮田和彦、岩田稔▽議会運営委 宮田和彦、黒田利貴男
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東伊豆町入湯税 引き上げ検討へ 初回会合 否定的意見出ず
東伊豆町は22日、「観光財源に関する検討会」の初回会合を町役場で開いた。観光が基幹産業の同町において貴重な財源である入湯税の引き上げなどを議論する。町は出席者の議論を非公開にしたが、複数の出席者によると、引き上げに否定的な意見は出ず、肯定的な声が多かったという。 町は2023年度中に引き上げの有無を含めた検討会の方向性を固めたい意向。現在の入湯税は1人1日150円で町内一律で、150円は国の標準額の一方、全国12の自治体が入湯税を引き上げている。22年度の同町の徴収額は9100万円で、町税の4・9%だった。 町によると、近隣では宿泊と日帰りに分けて徴収額を設定している自治体や、宿泊料金に応じ
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白井さん(下田)ボディービル日本一 手作り練習環境 独学で鍛錬
下田市の消防士白井寛人さん(30)が、ボディービルの全国大会で日本一に輝いた。仕事の傍ら、手作りの練習環境で競技に打ち込む。昨秋には世界大会で苦汁をなめていて、「今度こそ世界一を」と気持ちを新たにしている。 優勝したのは6日に大分県で開かれた第15回日本クラシックボディビル選手権大会(日本ボディビル・フィットネス連盟主催)。身長別7クラスのうち、183センチの白井さんは最も大きい180センチ超級に挑んだ。クラシックボディビルはボディービル種目の中でも、筋肉量に偏重することなく、均整の取れた肉体美を競うという。他7選手と争い、バランスとともに筋肉の大きさが特に評価を得た。 白井さんは下田消
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廃棄紙をトイレ紙に ごみ削減へ リサイクル推進 東伊豆町
東伊豆町は今夏から、役場内でのごみの分別とリサイクルの推進に乗り出した。これまで焼却処分されていた紙を再利用する。観光が主幹産業の同町は県内でもごみの排出量が多いといい、率先して町がリサイクルを推進することで取り組みを全町的に広げる狙い。 庁内には課ごとに雑紙と機密文書の回収箱を設けた。役場で2022年度に発生したコピー用紙はおよそ180万枚。新聞などはリサイクルしていたが、コピー用紙は全て燃やしていたという。 町は富士市のリサイクル業者と連係。紙をトイレットペーパーにリサイクルし、役場で活用する。開始1カ月で約500キロの紙を回収した。既に役場のほか、図書館や保健福祉センターなどでもリサイ
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記者コラム「清流」 何のため、誰のため?
「話せなかった分はこの後の懇親会で共有を」。賀茂地区6市町の首長が参加し、下田市で開かれた県主催の防災会議。報告者の話が想定以上に長引き、後半に予定していた首長間の意見交換は中止となった。その中で主催者から出たのが冒頭の言葉だった。 近年、予想を超える気象災害が頻発している。防災をテーマに年1回、首長が顔をそろえて意見交換する場はまさに貴重な機会だ。被害が広範囲に及ぶ事例も多く、自治体間の連携強化は喫緊の課題と言える。 会議の重要性を考えれば、時間の延長は選択肢に入れるべきだったはず。懇親会での“意見交換”は議事録に残るはずもなく、市町間でも共有できない。それとも
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「ヒロシマ」で伝える市民たち 被爆国から願う平和【戦後78年 しずおか】
8月15日、唯一の戦争被爆国である日本は78回目の「終戦の日」を迎えた。国外に目を向ければロシアによるウクライナ侵攻は長期化し、為政者は核兵器の使用をちらつかせる。混沌(こんとん)とする世界情勢の中で、被爆地広島から平和を願う人々の胸にいま、去来するものとは-。現地から市民の声を伝える。 平和記念公園の案内役 祖父母が静岡にゆかり 粟村智幸さん 混沌の世界 今こそ語り続ける 平和記念公園の慰霊碑の前を案内する粟村智幸さん。ピースボランティアになると伝えた日に自身の体験を語った母美智子さんは今春、90歳で亡くなった=7月29日、広島市中区 「核は一瞬で多くの人々の生を無にする。巻き添
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迫力のアーチ「太鼓橋」に歓声 下田で太鼓祭り開幕
下田市の夏の風物詩で「下田太鼓祭り」として知られる八幡神社例大祭が14日開幕した。同神社を起点にみこしや供奉道具、太鼓台が中心市街地を練り歩く。初日は最大の見せ場とされる「太鼓橋」が繰り広げられた。15日まで。 新型コロナウイルス禍を経て4年ぶりの2日間開催。太鼓橋は、サカキや矛、四神をまつった木枠の供奉道具11基を長さ約10メートルにロープで結び、男衆たちが担ぎ上げる。「ほりゃほりゃ」などと威勢の良いかけ声で両端から中央部を一気に押し上げ、バランスを保ちながら高さ3メートル以上の曲線状のアーチを描くと、沿道に詰めかけた群衆から歓声が上がった。笛や三味線、太鼓の音色が響き渡り、市街地は久々
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文字通りの地獄 父が見た広島 次代に継ぐ 伊豆の荻沢さん、19年ぶり式典【戦後78年 しずおか】
広島は6日、「原爆の日」を迎えた。静岡県遺族代表として広島市の平和記念式典に参列した伊豆市の荻沢はるみさん(63)は、父の稔さん(享年74)が旅立った翌年2004年以来の出席を果たした。原爆の悲惨さを語り続けた父の思いを継ぎ、核なき世界へ祈りを込めた。 1945年8月6日、旧制中学1年だった16歳の稔さんは広島市南部の造船所にいた。爆心地から約4・5キロ、午前8時15分。勤労動員で海上で作業中、鉄板の下にいたところに「ドーン」という大きな衝撃とともに閃光(せんこう)が飛び込んできた。キノコ雲が立ち上り、見渡す限り何もなくなっていた。恐怖でガタガタと震える稔さんの体。光が遮られ「まるで夜のよ
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「母の思い実感」清水さん(静岡)ら参列 広島原爆78年 平和記念式典
広島市で6日に営まれた平和記念式典には静岡県内の関係者も参列した。静岡市清水区の清水美由紀さん(70)の母、藤吉小百合さん(享年93)は12年前の本県遺族代表。「児童代表の言葉に胸を打たれた。母も同じ気持ちだったのだとようやく実感できた」とし、「母が願ったように、孫世代に平和の意義を語り継いでいく」と気持ちを新たにした。 県原水爆被害者の会副会長の松本潤郎さん(68)=静岡市駿河区=は、特に高齢者の出席を多く感じたという。「2世の自分が伝承役を果たさなくてはならないと強く胸に刻んだ」と言葉に力を込めた。 (下田支局・伊藤龍太)
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広島の思い この目で 耳で 本県の児童生徒 式典を前に学び【戦後78年 しずおか】
6日、広島市で開かれる平和記念式典に参列する本県の児童生徒が5日、同市に入った。市によると、今夏参列するのは三島と藤枝、掛川、袋井、森、磐田の6市町。「原爆の日」を前に被爆地の歴史を学んだ。 森町の小中学生4人は平和記念公園に足を運んだ。案内役の地元ボランティア金本隆子さん(73)から「若い世代が戦争の悲惨さを伝えていってほしい」と託された森中3年の山本惇太さんは、「自分だけが平和の尊さを知っていても、周りに教えなくては意味がない」と胸に刻んだ。 展望台を備えた「おりづるタワー」からの街並みを目に焼き付けたのは三島北中3年の長舟由紀さん。「焼け野原の状態を学んだので、復興へ大変な努力があ
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「あの日」の伝承 被爆2世の使命 松本さん(静岡)30年ぶり式典 きょう広島「原爆の日」【戦後78年 しずおか】
「あの日」から時は流れ、記憶を伝えてきた静岡県の被爆者たちの記憶は失われつつある。「伝承は被爆2世の使命です」-。県原水爆被害者の会副会長の松本潤郎さん(68)=静岡市駿河区=は38歳まで広島で暮らした。「原爆の日」の6日、広島市で開かれる平和記念式典におよそ30年ぶりに参列する。 式典前日の5日午後、松本さんは原爆ドームの前にたたずんでいた。「この場所は広島県民にとって特別な場所。悲惨な姿が残されたからこそ、平和の尊さを実感できるんです」。6日は静岡に居を移して以来、初めての式典参列となる。 松本さんは1994年の8月を今も忘れられない。仕事の都合で静岡市に転勤して初めての夏。家に帰っ
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核の恐怖 古里に訴え 広島在住、静岡県出身者の「県人会」発足40年【戦後78年 しずおか】
広島在住の静岡県出身者らで組織する「広島静岡県人会」が今年、発足40年を迎えた。会長は元ヤマハ社員の柴田禎司さん(79)=広島県廿日市市=。「原爆の日」を前に「8月6日は平和の尊さや核兵器の恐ろしさを考える1日にしてほしい」と古里へ訴える。 同会は1983年発足。元プロ野球広島で同年主力に定着した長嶋清幸さん(61)=自動車工高(現静岡北高)卒=を支援する本県関係者の後援会設立を機に、誕生した。 広島市で開かれる全国都道府県対抗男子駅伝の本県代表の応援に力を入れていて、選手団の慰労会開催のほか、レース会場周辺で本県の特産品販売も実施してきた。森町・天宮神社の国指定重要無形民俗文化財「十二
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平和の尊さ 広島で考えたい 6日の式典参列 掛川、藤枝、森の児童生徒【戦後78年 しずおか】
新型コロナウイルスの5類移行後初めての夏を迎え、静岡県内各市町による広島市の平和記念式典への児童生徒の派遣が、コロナ禍前の水準に戻りつつある。4年ぶりに6日の式典に小中学生を派遣するのは掛川、藤枝、森の3市町。行政、教育関係者は「現地でしか分からないことを感じてきてほしい」と期待する。 7月20日、掛川市の城東中の校内で、同市訪問団メンバーの3年堀川那々帆さんと寺田希瑠[のえる]さんが、全校生徒約200人で作った千羽鶴を確認していた。同市は城東と原野谷、西の3中学から各2人を派遣する。 幼少期から祖母の戦時中の経験を伝え聞いてきた堀川さんにとって、訪問団への立候補は自然な流れだった。「
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記者コラム「清流」 一瞬の閃光(ひかり)に
「少しでも時間がずれていれば、私は今ここに存在していなかったでしょう」-。6日の広島の「原爆の日」を前に、本県在住の被爆者や被爆2世に話を聞いている。取材相手からは必ずと言っていいほどこの言葉が口をつく。 家を出る時間がたまたま普段と違ったり、いつもと違う場所にいたり。そんな偶然の積み重ねが生死を分けたと聞かされると、いたたまれなくなる。 いつの世でも無差別に人の命を奪う兵器があっていいものなのか。国外に目を向ければ、ウクライナがロシアの核の脅威にさらされている。被爆2世の一人はこう話す。「過去の歴史を振り返れば、決してウクライナの目の前にある危機は人ごとではない」 終戦から78年の夏
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被爆の惨状「あなたが伝えて」 2世の清水さん(静岡・清水区)亡き母の足跡たどる 広島平和式典へ【戦後78年しずおか】
今年1月に亡くなった母の分まで戦争の悲惨さを語り継ぎたい-。広島市の平和記念式典に初めて参加する静岡市清水区の清水美由紀さん(70)は、特別な思いで8月6日を迎える。清水さんの母は2011年の同式典に静岡県遺族代表として出席した藤吉小百合さん(享年93)。生前、母から被爆の体験を聴いた清水さんは、導かれるように今夏“ヒロシマ”を訪れ、母の人生の足跡をたどる。 戦時中、小百合さんは静岡市内の自宅が空襲で焼け、親類の住む広島県北部に転居。広島市中心部の女学校に転校し初登校の日が8月6日だった。学校に向かうバスを待つ間に南の空にキノコ雲を見た。救護活動で爆心地そばに入り被
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あの朝、一瞬でがれきの下敷き...広島で被爆、伊東の樺山公一さん ウクライナ「対岸」ではない【戦後78年しずおか】
「ロシアのウクライナ侵攻は『対岸の火事』ではない。戦争はこの国でもかつてあったんです」 伊東市の樺山公一さん(84)は1945年8月6日、広島市内で被爆した。これまで積極的に自身の経験を語ってこなかったものの、今改めて、被爆地から遠く離れた静岡でも平和の尊さを感じてもらいたいと強く願う。 「ドーン」という音が聞こえたと思ったら、当時6歳の少年の体はあっという間にがれきに押しつぶされていた-。8月6日朝の原爆投下の瞬間は、鮮明に心に刻まれている。 樺山さんは45年4月に現在の日本スポーツ協会職員だった父義雄さんの転勤で神奈川から広島へ移った。投下のその瞬間、樺山さんは隣近所に母の作った天
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バナナ・パパイアビール今夏も人気 東伊豆・バナナワニ園
熱川バナナワニ園(東伊豆町)オリジナルのクラフトビールが今夏も人気を集めている。同園らしく、園内で栽培しているバナナとパパイアを使った1本。昨夏は1000リットルずつが完売し、昨夏の倍のおよそ2000リットルずつを生産してリピーターに応える。 「伊豆パパイヤIPA」は完熟パパイアを使用。昨年までのビールからホップの種類を変更し、爽やかな果実味が華やかに広がる。「伊豆バナナワニWeizen」は濃厚な甘みが特徴の台湾バナナ「仙人蕉」の風味を存分に感じる味わいに仕上げた。昨年に比べ苦みが少なくクリーミーという。 伊豆の国市の反射炉ビヤとの共同企画。昨夏は販売開始1カ月程度で完売したが、今夏は売
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車いすで海水浴楽しんで ユニバーサルビーチ 下田で体験会
下田市はこのほど、車いすに乗ったまま海水浴できる「ユニバーサルビーチ」の体験会を同市の外浦海水浴場で開いた。市によると、同様の取り組みは全国で広がりつつあるが、県内ではまだ珍しいとされ、今後は常設化を検討する。 下田を代表する観光資源の海の魅力や多文化共生の推進が狙い。先進的に活動する兵庫県のNPO法人須磨ユニバーサルビーチプロジェクトの協力で実施した。 体験会には障害者とその家族ら6組が参加した。海水浴場には車いす利用者向けに砂浜から水際までのマットを設置。救命胴衣を着用して水陸両用の車いすに乗り込み、海を満喫した。 市は車いす利用者専用の更衣室やシャワーの整備も視野に入れている。市
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弓ケ浜海水浴場が海開き 南伊豆 8月20日まで
南伊豆町の弓ケ浜海水浴場が22日、海開きした。安全祈願祭が執り行われ、関係者たちが遊泳客の無事故へ願いを込めた。 式典は地元自治会の湊区の主催。町や観光協会、警察の関係者ら約30人が参列し、神事に臨んだ。区長の山田晴之さん(70)は「新型コロナウイルス禍での停滞を経て、にぎわいを取り戻しつつある。安全な海水浴場を目指す」と意気込んだ。 同海水浴場は昨夏、前年比およそ3倍の約4万5000人が来場した。岡部克仁町長は「風光明媚(めいび)な世界に誇れる浜へ多くの人々を迎え入れたい」と期待を寄せた。同海水浴場の開設は8月20日まで。町内では子浦海水浴場も23日に海開きする(8月16日までの開設)
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森薗選手(静岡ジェード)が卓球熱血指導 下田で講習会
卓球Tリーグ男子静岡ジェードの森薗政崇選手兼任監督による講習会(賀茂卓球連盟主催)が16日、下田中で開かれた。約50人が参加し、トッププロから技術を学んだ。 競技の普及と競技熱の高揚が狙い。賀茂地区を中心に、小学生から大学生までが受講した。森薗兼任監督は基礎練習を反復する重要性を強調。「プロになった今でもそれは変わらない。上達に近道はない」とし、日々の練習を愚直に積み重ねるよう説いた。 その上で、参加者はフォアハンドやバックハンドの技術や足の運び方などの指導を受けた。森薗兼任監督は「ボールの下に潜り込むイメージで打つと力が伝わりやすい」などと実演を交えて解説した。 稲取高(東伊豆町)卓
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今井浜海水浴場が海開き 河津町、8月20日まで開設
河津町観光協会は15日、海開きに合わせた安全祈願祭を町内の今井浜海水浴場で行った。関係者ら約20人が参列し、夏のにぎわいと遊泳客の無事を願った。 今井浜海水浴場の開設期間は8月20日まで。神事に続き、観光協会の山田和子会長は「楽しい思い出づくりのため、ライフセーバーの力を借りながら安全な環境にしたい」とあいさつした。期間中はごみの持ち帰りを推奨すると説明した。 開設期間中は午後3時から「ビーチクリーン作戦」を展開し、一般も参加できる。7月の土日祝日と8月は毎日、小学生までを対象に午前11時と午後1時から宝探しイベントを実施。8月17日午後8時半からは花火大会を予定している。 昨夏は前年
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プニプニクラゲに癒やされて 下田海中水族館でイベント
下田市の下田海中水族館で14日、クラゲに触れられるイベント「クラゲタッチング」が開かれた。海の生物に広く親しんでもらう狙い。 用意したのは、数百匹飼育している「ミズクラゲ」のうち1匹。体長10センチと手のひらサイズで、透明な色合いが印象的だ。見た目から「ヨツメクラゲ」とも称され、「最もポピュラーなクラゲ」という。触手には毒針があるため、来場者はプニプニとした傘の部分に触れて、ゼリーのような感覚を楽しんだ。 「タッチング」は生物の種類を変えてこれまでにも実施していて、飼育員の佐山拓実さん(23)は「クラゲに癒やされてもらいたい。またこういったイベントを用意する」と話した。 7月14日はゼ
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下田姉妹都市、米ニューポート市訪問へ出発式 松木市長と中学生ら
下田市の姉妹都市・米ニューポート市への訪問団の出発式が11日、下田市役所で開かれた。4年ぶりの対面交流の実現となる。ニューポート市はペリー提督の出生地。 松木正一郎市長を団長に総勢13人。下田中生徒と下田ニューポートクラブの沢村紀一郎会長らも名を連ねる。同日から18日までの行程で、姉妹都市65周年記念式典など交流行事に参加して親睦を深める。近隣のニューヨークも訪問し、下田に置かれた国内初の米国総領事館の初代総領事タウンゼント・ハリスの墓も訪ねる予定。 訪問する中学生は津田萌々香さんと里見桃子さん、飯田千礼さん、竹中暖人さんの3年生4人。中学生を代表して生徒会長の津田さんが「一日一日を大切
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海水浴シーズン前に 下田で海難救助訓練 海保と消防、警察
下田海上保安部と下田署、下田消防本部は3日、合同の海難救助訓練を下田市の下田港で実施した。海水浴シーズンの本格化を前に各機関の連携強化と役割の明確化を図る狙い。 手こぎボートが転覆し釣り人3人が漂流したとの想定で、約60人が訓練に参加。通報を受けて情報を共有、各機関が出動した。空気圧で沖合に救命機材を発射。船で漂流者を救助し、水際に到着したボートから消防車両のクレーンで担架をつり上げる訓練に取り組んだ。ドローンも運用し、救助場所を特定した。 下田海保管理課の岡田知之総務係長(39)は「万が一事故に遭ったときのため、海に行く前は家族や知人に必ず知らせてほしい」と観光客らに注意を促した。その
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癒やしの風鈴♪60個 「河津七滝」に清涼感漂う音色
河津町の観光名所として知られる「河津七滝」に30日、関係者が風鈴を設置した。周辺を風鈴が彩るイベント「風涼渓(ふうりょうけい)」(7月1日~8月31日)の一環。自然の散策路に響く涼しげな音色が、夏の暑さを和らげる。 河津七滝観光協会主催で9回目の行事。30日は朝から協会員約10人が、「初景滝」と「カニ滝」の周辺に約60個を設置した。高さ約3メートルの木枠につるされた吹きガラスの風鈴は、七滝茶屋ガラス工房の福司康介さん(45)の手作り。黄色や紫色の清涼感あふれるデザインに仕上がった。風鈴の澄んだ音色が近くの滝の音と共鳴し、癒やしの空間が広がっている。 同協会の鈴木彰治会長(58)は「滝と風
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キンメ精子 冷蔵保存成功 静岡県水産・海洋技術研究所と筑波大
静岡県水産・海洋技術研究所伊豆分場(下田市)と筑波大下田臨海実験センターは、キンメダイの精子の冷蔵保存液開発に成功した。伊豆を代表する産品は近年不漁が続いていて、資源確保の一助につながる可能性がある。「日本水産学会誌」の電子版にこのほど発表した。 人工授精の後に、育てた稚魚を海に放つための種苗生産の技術確立が狙い。同分場によると、キンメダイの人工授精は従来、漁船に研究者が同行し船上で実施していた。ただ、成熟状態が同程度の雄雌の同時確保が困難で、成功事例は少なかったという。 キンメダイは雄と雌で成熟期が1~2カ月ほどずれているため、運動能力や受精能力を維持した上で精子を冷蔵保存する必要性
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“満開”アジサイ 空き店舗にドライフラワー 下田「紫陽花部屋」 8月まで開設
アジサイの名所として知られる下田市内に、「紫陽花部屋」と銘打った一角が期間限定でお目見えした。空き店舗を活用した室内に飾られているのは、見頃を終えた数々のアジサイのドライフラワー。8月までカフェやギャラリーとして開設する。 「せっかく『日本一』と称しているのに、花が咲いている時期しか楽しめないのは残念でしょう」。仕掛け人の地域おこし協力隊の青木真さん(37)が指摘する。飾られたドライフラワーと生花の一輪挿しはおよそ400輪。下田公園は国内有数の群生地として知られる。見頃を終えて剪定(せんてい)されるアジサイを青木さんが引き取り、一つずつ手作業でドライフラワーに仕上げた。 2020年に着
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東伊豆、交通網で交流促進 町と事業者連携 秋に実証実験
東伊豆町は26日、バス事業者などと連携し、公共交通網の脆弱(ぜいじゃく)性解決へ2023年秋から実証実験を行うと明らかにした。町民の要望に応じ、車両が各地の停留所を通過、運行する仕組み。同様の取り組みは実施例があるが、ワーケーション施設などに停留所を設けて住民間の交流を促すのは先進的な事例になる可能性があるという。岩井茂樹町長が定例会見で説明した。 モビリティーサービスを活用した地域創世事業を展開する「うさぎ企画」(長泉町)への委託事業。11月上旬から12月下旬にかけ、伊豆急行伊豆稲取駅周辺で実施する。予約は町のラインアカウントを活用。東海バス(伊東市)の運行でワンボックスカー(約10人乗
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旧稲取幼稚園 再利用へ 東伊豆町長 検討明らかに
東伊豆町の岩井茂樹町長は26日、今春限りで閉園した稲取幼稚園跡について再利用を具体的に検討していると明らかにした。ワーケーション機能や子供の遊び場などを有する施設として想定され、住民との協議を経て7月中にも一定の方向性を固める可能性がある。定例会見で示した。 再利用を要望する町民意見が多数寄せられているとし、6月までに町民や町職員から活用策を募り小学生を含む約80人から寄せられたという。岩井町長は「(用途は)まだ決定ではない」と前置きした上で、ワーケーション関連や遊び場のほか、子育て世代向けのカフェや子供と高齢者の触れ合いスペースなどの提案があったと説明した。 特定の用途ではなく複数機能が流
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ニュースポーツで健康増進 河津で「ふれあいフェスタ」
静岡県と県レクリエーション協会は25日、「ニュースポーツふれあいフェスタ」を河津町のB&G海洋センターで開いた。老若男女が楽しめるとされる「ニュースポーツ」で参加者が汗を流した。 午前午後の2部制度で、計10種目。午前の部では、軽量で柔らかいボールを使った4人制の「ソフトバレー」などを実施した。「スカットボール」は得点台に開いた12カ所の穴をめがけ、ゴルフのパターのようにスティックでボールを打って得点を狙った。 県民の健康増進のため、毎年季節ごとに各地で開催している。協会の杉浦満好理事長は「さまざまな種類の競技があるのだと知ってもらうきっかけにしたい」と意図を語った。
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保育園留学で移住生活体験 東伊豆で開始 子育て世帯へ自然環境アピール
東伊豆町が2023年度から始めた「保育園留学」制度で、希望家族の受け入れを開始した。こども園に子供を通わせながら家族で移住生活を体験する仕組み。近年、町は移住定住の促進に注力していて、海にも山にもほど近い豊かな自然環境をアピールし特に都市部の子育て世帯の流入促進が狙いにある。 第1号として迎えたのは東京都の家族。子供を東伊豆認定こども園が受け入れている間、IT関係企業に務める会社員の父親(44)はオンラインでワーケーションしている。父親は「便利で快適な状況だけでなく、自然をはじめさまざまな環境が世界に存在することを子供に知ってもらいたかった」と説明。都内から電車1本で訪れることができる点な
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アジ大好き!アザラシに餌やり人気 下田海中水族館
下田市の下田海中水族館で、アザラシへのアジの餌やり体験イベントが人気を集めている。アジサイの名所の当地にちなみ、「鯵祭(“あじ”さい)」と銘打った。 同館ではゴマフアザラシ5匹を飼育している。アザラシショーの直後に、いずれも雌のサクラコとコハルが水槽横に設けられた筒状の穴からひょっこりと顔をのぞかせて、アジを“パクリ”。あっという間に飲み込む姿に子供たちは目を丸くしていた。 飼育課の松井寿子さん(30)は「かわいい顔をしているが、鋭い歯が生えている。ぜひ間近で見てください」と来館を呼びかけている。 ショーは午前11時45分から。アジの餌や
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ウミガメと触れ合い命の尊さ学ぶ 下田海中水族館が朝日小で講座
下田市の朝日小の3年生14人は22日、下田海中水族館(同市)によるウミガメ講座を同校で受講した。生態に理解を深めるとともに実際にカメと触れ合い、命の尊さを実感した。 職員の浅川弘さん(52)と岡野司さん(30)が講師を務めた。ふ化した子ガメは月の光に導かれて海上へ進む一方、街中など人工の強い光が照らされていると誤った方向に進んでしまう事例が下田でも起きていると紹介した。視力は高くないとし、カメの口元に手を近づけると食物と勘違いしてかまれることがあるとして注意を促した。 水族館から持ち込まれたアカウミガメが登場すると、子供たちは興味津々。タブレット端末で撮影したり、甲羅をなでたりして思い思
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下田市長、割引制度の導入要望 伊豆中央道・修善寺道路の通行料金
下田市の松木正一郎市長は22日、静岡県が示す今秋の伊豆中央道と修善寺道路における通行料金の徴収期限の延長方針について、これまで同様に賛成の立場を示した上で「地域にとってメリットのある料金割引制度の導入を要望したい」と述べた。市議会6月定例会一般質問での江田邦明氏(市政会)への答弁。 松木市長は料金徴収を県の主張と同様に「利用者の高速性確保には必要」と指摘。期限延長により「道路整備の財源が全体として広がった分、伊豆半島における優先順位の高い道路整備の促進をお願いしたい」とし、首長間で連携しながら半島の道路網構築を訴えると強調した。 徴収期限延長を巡っては伊豆半島の大方の首長は賛意を明らかに
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海水浴場不法営業を抑止 下田市 警察など連携 対策強化
下田市の飯田雅之副市長は21日、今夏の海水浴場での無許可営業や反社会的組織への対策として、観光客向けの啓発書類を公共交通機関に掲示し、警察との連携でパトロール体制を強化すると明らかにした。市議会6月定例会一般質問での沢登英信氏(共産)への答弁。 市内の白浜大浜海水浴場では昨夏、暴力団絡みの事件が発生。市の許可を得ていない飲食販売や用具のレンタルの営業も積年の課題となっている。飯田副市長は無許可営業の利用を控えるよう呼びかける内容のちらしをバスやタクシー、宿泊施設に掲示し注意を促すと説明した。 海水浴場の駐車場入り口にはパトカーの待機場所を設ける方針で、対策強化の一環とする。市内の海水浴場に関
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記者コラム「清流」 市民の“代表”
次から次へと質問のために挙手する議員たち。アレッ、ここ議場だっけ? 下田市で県が開いた伊豆中央道と修善寺道路の料金徴収期限延長の説明会で繰り広げられた光景には、首をかしげざるを得なかった。 議員対象の説明会は既に終わっていて、今回は市民向け。先の説明会に続き、長い時間をかけて県の姿勢を問う議員の姿もあった。市町議員の参加を否定するつもりは毛頭ない。しかしいくら議員だからといっても、市民の貴重な質問機会をないがしろにしているかのような姿に見えた。 県に疑問があれば、改めて説明会の開催を要望したり議員活動の一環として問い合わせたりすることもできるだろう。市民が直接行政と対話できる機会は多くな
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地図どうやって作る? 下田・稲生沢小で測量教室 歩数で距離計測
下田市の稲生沢小の4年生約30人は20日、県測量設計業協会と国土地理院による「地図教室」を受講した。地図の読み方や測量技術を学んだ。 海洋調査や測量を手がける下田市のウインディーネットワークの社員らが講師を務めた。伊能忠敬の功績を学んだ児童は、同様に歩いて測量する手法を実践。10メートルを歩いた際の歩数を数えた上で、起点からある地点までかかった歩数を利用して距離を計測した。複数回歩いて平均値を計算し、計測に活用。実際に測量機器を用い、“答え合わせ”した。 吉田歩愛さんは「たくさんの機械や方法を使って地図を作っているのだとよく分かりました」と声を弾ませた。 国土地
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ライフセービング競技に500人 下田・白浜大浜海岸で全国大会
日本ライフセービング協会は17、18の両日、第36回全日本ライフセービング種目別選手権大会を下田市の白浜大浜海岸で開いた。 男女計14種目に全国から約500人が出場した。競技者がうつぶせで後ろ向きの体勢から開始する「ビーチフラッグス」は、スタートの20メートル先にホースを設置。勢い良く飛び出した参加者は、出場人数より少なく設けられたホースを奪い合った。海岸のコースを往復する「2キロビーチラン」なども実施した。
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ドローンスクール、南伊豆に開校 現地で式典「本物の操縦者育てたい」
ドローンスクール運営を手がけるフリークスガレージ(埼玉県)は14日、南伊豆町の南崎認定こども園跡に南伊豆校を開校した。同所で式典が開かれた。 同社スタッフで校長に就任する山田一仁さん(60)が父親の故郷への貢献を模索し、開校が実現した。海と山にほど近く、さまざまな自然環境に応じた訓練が可能。「フリークスガレージ南伊豆校」の名称で、埼玉の本校で学んだ生徒たちが実践的な飛行方法の習得に数日間滞在する見込みという。同社の中村一徳代表(58)は「遠隔操作の重要性、需要が増している。世界に比肩する『本物』の操縦者養成につなげたい」と強調した。 町内海水浴場の安全確認のためドローンを試験運用する計画
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最高峰の音楽教室 新日本フィルが出前授業 南伊豆・南上小
南伊豆町の南上小の児童約40人は12日、新日本フィルハーモニー交響楽団による出前授業を同校で受けた。日本最高峰の音色に触れるとともに演奏を体験し、音楽の魅力に触れた。 バイオリン2人とビオラ、チェロの弦楽四重奏の4人が来訪。ベートーベンの「メヌエット」などを披露した。児童は楽曲の構造や背景、技術の解説を受けた上で豊潤なアンサンブルに聞き入った。 実際に演奏も体験。弦の扱いに悪戦苦闘しながら音色が響くと、児童たちは一様に満足げな表情を浮かべた。 演奏を体験した3年の山田一華さんは「弾くのは難しくて、演奏者の人たちは本当にすごい。いろんな音が聞こえてくる」と声を弾ませた。 文化庁の共生プ
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東伊豆の農道が開通 特産かんきつ類の振興と防災に期待
東伊豆町の農道「横ケ坂油久保線」(仮称)の開通式が11日、同町稲取で行われた。関係者約20人が出席し、開通を祝った。周辺は特産のニューサマーオレンジなど柑橘(かんきつ)類の畑が多く、農業振興が主な狙い。 道路区間は稲取地区の約2・4キロ。JAふじ伊豆柑橘貯蔵庫と、河津町の市場方面を結ぶ。県が事業主体で総事業費は13億6700万円。工事は2011年度着手、22年度完成と10年超に及んだ。 東伊豆町によると、通常、所要時間5、6分の旧道に比べ、2分程度の短縮につながるという。災害時に国道が分断された際の迂回(うかい)路としても期待がかかる。岩井茂樹町長は「地権者の理解に心から感謝したい。開通
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南伊豆にドローン学校開校へ 自然環境生かして実践重点
南伊豆町に14日、同町の豊かな自然環境を生かしたドローンスクールが開校する。関係者によると、ドローンを巡っては昨今、国家資格を取得しても実践経験の不足から業務への対応力不足が懸念されているといい、課題解消の一手となる可能性がある。 埼玉県でスクールを運営するフリークスガレージ(同県)が町内の南崎認定こども園跡を拠点に開校する。スタッフの山田一仁さん(60)が父親の古里への貢献を模索する中で、同園跡を分校の開校地として白羽の矢を立てた。海と山の両方にほど近く、水中用ドローンも含めて練習環境が多様性に富んでいるのも要因の一つという。 5月24日の同園跡。同社のスタッフたちが体育館内でドローン
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死亡事故ゼロ1000日達成、河津町を表彰 静岡県交通安全対策協
河津町は8日、交通死亡事故ゼロが連続千日に達したとして静岡県交通安全対策協議会から表彰を受けた。町役場で表彰式が開かれた。 達成は5月30日付。同町では2020年9月1日、フェンスに衝突した軽乗用車の運転手が亡くなって以来、7日現在で死亡事故が起きていない。県によると、人口2万人未満の自治体は表彰基準が連続千日。河津は1991年の表彰開始以来2回目の達成という。 入戸野明県くらし交通安全課長から表彰状を受けた岸重宏町長は「今回を節目にさらに交通安全対策にまい進する」と強調。同席した田代圭吾下田署長は「住民の安全意識が積み重なった結果だ」とたたえた。
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静岡人インタビュー「この人」 「まちじゅう図書館」の仕掛け人 平川博巳さん(下田市)
カフェやワーケーション施設など下田市の町中の施設に、図書館の書籍を置いたり貸し出したりする取り組みが今春から始まった。市教委生涯学習課長として、事業の拡大に汗を流す。中学高校の体育の教員免許も所持していて、教育行政に精通。1991年入庁。55歳。 -事業の仕組みは。 「50冊を上限に蔵書を並べてもらう。蔵書のほか、廃棄対象になったり寄付を受けたりした本も並べ、施設ごとにも用意してもらっている。一部は貸し出し可能で、『館長』を任命して貸し出し業務を任せている」 -県内でも先進的な取り組みとみられる。開始の経緯は。 「図書館の老朽化が進む一方、新市庁舎の建設など大型の公共事業を多数抱えて
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下田中生 郷土料理に挑戦 サンマ寿司、池之段煮味噌
下田中の2年生約140人は8日、下田市内の郷土料理「サンマ寿司」と「池之段煮味噌(いけんだにみそ)」の調理実習に同校で取り組んだ。総合学習の一環で地域の食に理解を深める狙い。 生徒はクラス別にそれぞれの調理に挑んだ。サンマ寿司は白浜地区に伝わる押しずし。源流は室町時代までさかのぼるともされ、現代でも祝いの席で重宝されている。生徒は藤井千鶴さん(74)ら地域住民の手を借りながら、酢飯を仕上げる工程やサンマを載せる作業を進めた。 須崎地区の漁師鍋・池之段煮味噌は特産のキンメダイの切り身や野菜が入る。田中勝美さん(73)らを講師に迎え、調理を体験した。滝井一樺さんは「須崎に住んでいるのに知らなかっ
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河津―下田 10分短縮 七滝―逆川 IC開通効果
国土交通省沼津河川国道事務所は7日までに、伊豆縦貫自動車道のうち3月に開通した河津七滝-河津逆川インターチェンジ(IC)間の交通状況をまとめた。今春のゴールデンウイーク期間中の調査で、開通により河津町から下田市への所要時間が10分程度短縮した。 同区間は河津町内の3キロで片側1車線。河津から下田の中心部に至るには国道414号か135号を利用する経路があるが、調査によると開通で414号ルートは約9分、135号ルートは約12分の短縮につながった。 両IC間の同期間の交通量は、1日あたり約5200台。同事務所は国道414号などの利用車両のおよそ4割が両ICの利用に転換したとみている。 国道414号
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伊勢エビ19年から半減 一大産地の南伊豆 町長「大変深刻」
南伊豆町の岡部克仁町長は6日、全国有数の伊勢エビ産地として知られる町内の漁獲量が近年急減していると明らかにした。「大変深刻な問題だ」と述べた。同日開会した町議会6月定例会で、横嶋隆二氏の一般質問に答えた。 町によると、2022年の伊豆漁協南伊豆支所における取り扱い水揚げ量は15・8トン。19年は30・9トンで、3年を経ておよそ半減した計算になる。09年には44・9トンを誇っていた。岡部町長は要因として、黒潮大蛇行に伴う水温変化などにより藻場が減少しているためと推察。「このような状況が長期化すると幼生のすみかがなくなる」とし、漁獲高がさらに減少するのでは-と危惧した。 町内では宿泊施設など
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下田の海洋調査会社、青森の「三戸城跡」国指定に貢献
青森県三戸町にある史跡「三戸城跡」の国指定に貢献したとして、海洋調査や測量を手がける下田市のウインディーネットワーク(杉本憲一社長)が町教委から感謝状を受けた。同社の調査により江戸時代の絵図との比較が実現し、昨春の国の指定に結び付いた。このほど町教委から感謝状を受けた杉本社長は「地域の歴史と文化に光を当てるきっかけづくりができた」と手応えを口にした。 町教委によると、三戸城跡は、町中心部に位置することが分かっていたが、桜の名所として観光地化され、公園整備により地形も変化していた。正確な測量図面も無く、主要な構造物の位置は長年特定できていなかった。 同社はかつて、青森・秋田県境の十和田湖
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ハザードマップで土砂災害対応確認 下田・加増野地区 避難ルート記入
下田市の2023年度の土砂災害訓練が4日、同市の加増野地区で開かれた。地域住民約20人が災害時の避難経路などを図上で確認し、有事に備えた。 全国統一実施日に合わせた開催。市内では土砂災害の懸念がある地域を対象に毎年順番で訓練を実施している。加増野地区の住民はハザードマップに自宅や避難場所を記入。その上で周辺の警戒区域を考慮しながら避難ルートを書き込み、濁流が発生しそうな小川や崩落の恐れがある橋に印を付けて危機意識を高めた。 同地区自主防災会長の渡辺慎吾さん(69)は「周辺は山間地が多い。県内他地区の災害を自分事と捉えて命を守る体制を構築したい」と強調した。 県砂防課や下田土木事務所の職
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「写真術の開祖」下岡蓮杖 生誕200年 出身地下田で慰霊祭
下田出身で日本における「写真術の開祖」とも称される下岡蓮杖(1823~1914年)の顕彰慰霊祭(下岡蓮杖を顕彰する会主催)が2日、下田市の旧沢村邸で執り行われた。顕彰会の土屋市次郎会長は「今年で生誕200年。さまざまな逸話と文化を後世につなぎたい」と気持ちを新たにした。 顕彰会の関係者や日本写真文化協会の荻島孝之監事(80)ら約20人が参列した。長楽寺の天野隆俊住職が読経し、参列者は郷土の偉人に思いをはせた。慰霊祭は顕彰碑と胸像の建つ下田公園で毎年開いているが、今夏は降雨で会場を移した。 顕彰会によると、下岡は幼名・桜田久之助。1861年に写真師ウィルソンからカメラを譲り受け、62年に国
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あじさい祭開幕 下田公園 今年は1週間程度開花早く
国内有数のアジサイ群生地として知られる下田公園(下田市)で1日、「第52回あじさい祭」(実行委主催)が開幕した。100種以上が植えられていて、初日から観光客が散策を楽しんだ。 市観光協会によると、今年は例年より1週間程度開花が早い。ピークは10日から下旬頃と想定している。300万輪のうち既に一部が見頃を迎え、全体で三分咲き程度。公園上部の群生地も既に色づき、青や白、ピンクの楚々(そそ)とした花々が園内を彩っている。長泉町の会社員北川裕子さん(51)は「一山全てがアジサイ一色で見事としか言いようがない。毎年楽しみにしています」と声を弾ませた。 あじさい祭は30日まで。期間中、市内では「アカ
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伊豆中央、修善寺道の料金徴収延長 静岡県が説明会 下田、函南の住民「納得できない」
静岡県は5月30、31の両日、伊豆中央道と修善寺道路の料金徴収期限延長に関する一般向け説明会を下田市と函南町でそれぞれ開いた。県は両道路を無料化すると交通量が大幅に増えて渋滞が悪化するとしたが、参加者からは「納得できない」と説明不足を指摘する声が複数上がった。 一部の参加者は道路の高速性や定時性確保と無料化の関連性を疑問視。交通量調査などによる実態把握を求めた。10月から40年程度延長される方針の徴収期限について社会情勢の変化に対応した柔軟な対応を求めたり、利便性向上のためにETC導入を要請したりする参加者もいた。 県は道路建設から40年近く経過した構造物の老朽化対策の必要性を強調。伊豆
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河津・沢田地区 「ふじのくに美しく品格のある邑」に登録
静岡県と35市町が選ぶ「ふじのくに美しく品格のある邑」に選出された河津町の沢田地区への登録証授与式が31日、同町の涅槃(ねはん)堂で開かれた。 沢田地区では土屋典之区長(64)らが、「日本三大寝釈迦(しゃか)霊場」ともされる涅槃堂の維持や竹林の整備など環境保全に取り組んでいる。農産物直売所の運営による地域コミュニティーの確立や経済力確保も評価対象となった。 木村吉弘副町長が証書とパネルを土屋区長らに伝達した。土屋区長は「地域にはさまざまな文化が根付き、観光客に浸透しつつある。一層訪れてもらえるよう励みたい」と気持ちを新たにした。 涅槃堂は江戸時代初期の創立と伝えられる。堂内には檜の一本
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下田黒船祭20万2900人来訪、コロナ前9割強の水準に
下田市は24日の定例記者会見で、19日から21日にかけて開催された市内の一大行事「第84回黒船祭」について、推計で20万2900人の来訪があったと明らかにした。今春は4年ぶりの3日間開催で、新型コロナウイルス禍前の9割強の水準にまで回復した。 佐々木豊仁観光交流課長が報告した。今春以前に最後の3日間開催となった2019年の第80回は21万7400人が来場。短縮開催だった22年は2日間で16万9800人が訪れていた。 松木正一郎市長は参加した米海軍の関係者らから「平和の尊さを実感できた」と称賛の声が多数寄せられたと強調。その上で「警察や海保、市民ら多くの支えがあって成功に導けた」と謝辞を述
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カピバラ赤ちゃん誕生♡愛嬌抜群 伊豆アニマルキングダム
東伊豆町の伊豆アニマルキングダムで4月から5月にかけ、カピバラの赤ちゃん7匹が誕生した。早速一般公開され、愛くるしい姿が来園者を楽しませている。 4月に2匹、5月に5匹が生まれた。性別はまだ不明。それぞれ体長およそ25~30センチで、体重は1.5~2キロ程度という。 5月に生まれた5匹は来園者になでられると「キュルキュル」と鳴き声を上げ、ご満悦の様子。赤ん坊同士で連なって歩くこともあり、愛嬌(あいきょう)を振りまいている。一方、4月に生まれた2匹は親の性格もあってか人になれておらず、逃げ回るなどしているという。 飼育員の木下未来さん(23)は「親をそのまま小さくしたかのような姿。甘えん
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世界切符懸け白熱 SUPとパドルボード 下田で全国大会
スタンドアップパドルボード(SUP)とパドルボードの全国大会(日本サーフィン連盟主催)が20、21の両日、下田市と東伊豆町周辺で開かれた。 世界大会の代表選考を兼ねた大会で、男女2競技16種目に約30人が出場した。初日は東伊豆町の稲取港と下田市の外浦海岸間で長距離の「ディスタンス」を実施。21日は下田市の白浜大浜でスプリント種目やジュニア種目などの各種目を行った。砂浜を出発した参加者は沖に設けられたポイントを経由し、ゴールへ向けてボードを進めた。 同市の地域おこし協力隊の山口智史さん(39)が前年に続いて大会を誘致した。静岡スバル自動車(静岡市清水区)が冠スポンサーを務めた。
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ユーモア交え条約調印再現 下田・黒船祭閉幕 日米音楽隊の演奏も
下田市で開かれている「第84回黒船祭」は最終日の21日、恒例の日米下田条約調印再現劇の上演などを実施した。4年ぶりの3日開催となった一大行事が終幕した。 日米和親条約の細則を取り決めた下田条約。市民文化会館での再現劇には東京が拠点の役者らが出演し、日米双方から見た開国をテーマにペリーらを演じた。調印の再現にとどまらず、下田の街に繰り出した米国人に日本人が戸惑ったり黒船到来に驚愕(きょうがく)したりする様子を寸劇調に仕立て、聴衆の笑いを誘った。 海上自衛隊横須賀音楽隊や米海軍第7艦隊音楽隊ら約220人が参加した市内中心部での「にぎわいパレード」や、両音楽隊出演の「にぎわいコンサート」も開か
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高校生が桜葉団子開発 松崎特産アピール 下田・黒船祭に出店販売
松崎高(松崎町)と下田高(下田市)の生徒が20日、独自に開発した和菓子を同市で開かれている第84回黒船祭に出店販売した。松崎特産の桜葉を使用した団子で、観光客らに生産量日本一をアピールした。 起業体験の一環で、両校の生徒5人が昨冬から準備を進めていた。町内の菓子店「梅月園」の協力を得て、架空の和菓子屋「桜餡(さくらも)堂」を“設立”。商品製作からコスト計算、広報手法を学び、実践した。 団子は2種類。あんこに桜葉を練り込んだ一本は、桜の風味がふんわりと広がる。町内産桑の葉のパウダーを練り込んだ白あんの団子も考案した。いずれも200円。計300本を販売し、20日は完売
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先人の偉業たたえ 日米親善公式パレード 下田・黒船祭2日目
下田市の一大行事「第84回黒船祭」は2日目の20日、メインイベントの公式パレードを実施した。先人の偉業をたたえる日米親善行事に米国関係者らも参加し、市内が華やかな雰囲気に包まれた。 パレードの行程は下田公園から市中心部を巡る約2・5キロ。約370人が参加し、全長は450メートルほどに及んだ。米国側は大使館や海軍関係者らが名を連ね、沿道から見守る観光客に車内から手を振った。米海軍第7艦隊や海上自衛隊の音楽隊も演奏で花を添えた。 下田公園の開国記念広場では記念式典が執り行われた。市によると、約600人が参列。川勝平太知事や松木正一郎市長の式辞に続き、在名古屋米国領事館のマシュー・センザー首席
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下田・黒船祭が開幕 ペリー艦隊乗組員碑に献花 21日まで催し
下田市の一大行事「第84回黒船祭」が19日開幕した。開国の礎を築いた先人をたたえる日米親善行事。21日まで多彩な催しを繰り広げる。 初日はペリー上陸記念公園での式典に約50人が参列。ペリー艦隊の来航記念碑に関係者が献花した。姉妹都市の米・ニューポート市の関係者からはビデオメッセージが届いた。松木正一郎市長は「開国の地下田で、今後も日米友好の灯が燃え続けるよう祈念したい」と呼びかけた。 ペリー艦隊乗組員が眠る玉泉寺では、米海軍関係者が出席して墓前祭が執り行われた。関係者の歓迎交流会や米海軍第7艦隊音楽隊の演奏会も開かれた。 黒船祭は4年ぶりの3日開催。市は20万人程度の来場を見込んでいる
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下田・黒船祭 4年ぶり3日間 19日から、日米交流盛大に
下田市は15日、市内の一大イベント「第84回黒船祭」(19~21日)の概要を発表した。新型コロナウイルス禍を経て、4年ぶりの3日間開催となる。市役所で会見した松木正一郎市長は感染症法上の「5類」引き下げについて、「新しい社会の在り方を発信する機会にする」と述べた。 開国の礎を築いた先人をたたえる日米親善行事。米国大使館や領事館、米海軍からも関係者を招く。20日の公式パレードには、米海兵隊員ら約370人が参加する見込み。 イベントは市や商工観光団体などで組織する執行会の主催。2020年と21年は中止、22年は2日間の短縮開催だった。今春は米水兵と市内児童との交流会などが復活する。市は19年
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イワシの大群 “トルネード” 下田海中水族館
下田市の下田海中水族館で、大きな塊となって移動するマイワシの習性を利用した「イワシトルネード」が人気を集めている。大群に観光客も驚きの声を上げ、撮影を楽しんでいる。 同館によると、マイワシは捕食してくる魚が同居する際に、外敵から身を守るために大勢で泳ぐ習性がある。4月下旬に体長10センチ程度の約3千匹を搬入した。 一方で施設内の水族船「アクアドームペリー号」の大水槽は、マイワシ以外にも大型の魚などが生活している。今後少しずつ水槽内のマイワシは減少が想定されるため、“竜巻”が続くのは6月ごろまでになる可能性がある。 イワシトルネードは全国の水族館で近年人気だが、県
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特産のカーネーション、河津で引き抜き体験 農家の負担軽減も
河津町特産のカーネーションの引き抜き体験が15日、町内で始まった。本県の一大産地に観光客が訪れ、ピンク色や白色の花々を手際よく折り取った。 河津温泉旅館組合主催の恒例行事。初日は吉田園芸のビニールハウスに県東部や首都圏の25人が足を運び、作業に取り組んだ。手伝いの代わりに、参加者は切り花を好きなだけ持ち帰られる。伊東市の主婦小林成子さん(75)は去年に続く参加。「今年も家に飾るのが楽しみです」と声を弾ませた。 カーネーション農家は母の日に向けた作業を終えると、翌年に備え新たな苗を植える準備を始める。花を付けていても畑を耕すために5月中に全て引き抜く必要があり、体験イベントは農家の負担軽減
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アクアスロンに130人 下田・まどが浜海遊公園
水泳とランニングを組み合わせた大会「第1回黒船アクアスロン・マラソン」(実行委主催)が14日、下田市のまどが浜海遊公園で開かれた。 両種目に続けて取り組む「アクアスロン」とマラソンを実施。2人一組の「リレー」や、児童と保護者の「ファミリー」など計6種目に小学生から一般までの約130人が出場した。アクアスロンでは種目に応じて下田港内の100~500メートルを泳ぎ、陸に上がると急いで着替えて1~5キロのランニングに挑んだ。 市内の一大行事「黒船祭」(19~21日)の協賛行事。下田らしい海辺の行事を開催しようと企画した。
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モルックに悪戦苦投 フィンランド発祥スポーツ 南伊豆でイベント 参加小学生「当てるの難しい」
フィンランド発祥のスポーツ「モルック」の体験イベントが13日、南伊豆町の南中小で開かれた。町内の小学4~6年生約40人が参加し、木製の棒を的に向かって放り投げた。 町教委によると、同国の伝統的な投てき競技「キイッカ」を元に1990年代に誕生した。3~4メートル離れた的を、長さ20センチほどの棒で狙う。的も同程度の大きさの棒12本。1から12の数字がそれぞれ書かれていて、倒した本数や数字に応じて得点が入る。下手投げで投てきを繰り返し、合計点が設定された点数ちょうどになった方の勝利となる。 児童たちは3人一組で30点ちょうどを狙うも、慣れない道具の扱いに悪戦苦闘。的に命中すると、チームの垣根を越
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下田・稲梓小児童が田植え 稲刈りや脱穀も予定
下田市の稲梓小の3、4年生16人は12日、学校近くの水田で田植えを体験した。足を取られて泥だらけになりながら、悪戦苦闘して作業を進めた。 2年目の取り組み。地域有志10人の指導を受けながら、長靴を履いて田んぼに入った。等間隔で苗を植えながらも、ぬかるみに足がはまってあっという間に体は泥だらけに。「足が抜けない!」と困惑しつつ、100平方メートルほどに田植えした。 4年の土屋宝稀さんは「上手に植えようとしても動くのが大変。疲れちゃいました」とはにかんだ。 児童は今後稲刈りや脱穀の体験を経て、最後は給食で米を味わう予定。有志の一人、鈴野政春さん(74)は「昔ながらのやり方で一連の流れを体験
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稚アユを放流 下田・稲生沢小2年生「元気でね」
下田市の稲生沢小の2年生20人は11日、稚アユの放流を同市の稲生沢川で体験した。30キロ約1500匹を放ち、「元気でね」と健やかな成長を祈って見送った。 稲生沢川漁協の主催。児童の自然体験の推進や環境保全への意識啓発が狙いで、アユ釣りの解禁日(6月1日)前の恒例行事。児童はバケツに入った体長12センチ程度の海産稚魚を、伊豆急行蓮台寺駅周辺に放流した。 石原夏帆さんは「アユが思っていたより元気でびっくりした」と目を丸くした。小川憲治組合長(71)=同市=は「アユは美しい川でないと生きられない。水質保全の重要性を子供たちに考えてもらうきっかけにしたい」と話した。
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伊豆半島沖地震 発生から49年 南伊豆・中木地区で慰霊祭
1974年の伊豆半島沖地震から49年の9日、被害が最大規模だった南伊豆町の中木地区で慰霊祭が執り行われた。住民や遺族ら約50人が参列。目前に迫った50年の節目へ伝承の必要性を再確認した。 同地震では27人が中木地区で犠牲となった。追悼のサイレンが鳴り響く発生時刻の午前8時33分、慰霊碑の建つ中木記念公園では岡部克仁町長ら参列者が黙とうをささげて犠牲者を追悼するとともに、碑に献花した。 慰霊祭は毎春地元の中木区が主催している。当時高校生だった高野譲区長は「町で例を見ない大惨事だった」と振り返った。その上で昨年の松崎町雲見地区の台風被害に触れ、「いつ想定を超える災害が起きてもおかしくないとい
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「長太の肉チャーハン」復刻 東伊豆のB級グルメ冷凍食品に 下田の企業、今夏販売へ
東伊豆町のB級グルメ「肉チャーハン」。その名物の人気店として知られた中華料理屋「長太」(同町稲取)の逸品を、下田市の食品製造業「クックランド」が“復刻”した。冷凍食品として再現し、今夏にも賀茂地区のスーパーなどに並ぶ見通し。 肉チャーハンは具材が卵のみのチャーハンに、豚バラ肉やキャベツなどのとろみがかった野菜炒めがのっているのが特徴。町観光協会によると、稲取地区を中心に町内では現在5店舗ほどで提供されていて、店ごとに野菜炒めの具材などが異なる。 1989年創業の長太は、店主の鈴木長志さん(69)の体調不良により惜しまれながら2021年夏に閉店。常連だった同社の遠
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JR東日本 菅沼晋さん 伊豆南部の観光を開拓【キーパーソン】
下田市の「ケンサキイカ」や南伊豆町の「クネンボ」など、伊豆半島南部の産品に着目した地域おこしの仕掛け人。JR社員としての取り組みの意図や活性化策を聞いた。 -下田で「アカイカ」と呼ばれるケンサキイカを飲食店が一斉に提供する企画を昨春市観光協会に提案した。経緯や手応えは。 「都内では高値で取引されていると記憶にあり、下田でも提供されていると聞いたのがきっかけ。イカの特産地は函館や北陸、九州と首都圏からは遠い。首都圏からのアクセスの良さは下田の大きな利点で、列車の移動需要も見込める。一定の経済効果や観光客増につながった。今季も実施を見込んでいる」 -今春は日本のかんきつ類の祖先ともされる「
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賀茂の小中高生1027人「将来住みたい」28% 「いいえ」の理由「不便だから」 静岡県調査
不便なので将来的には住みたくない-。7日までの県の調査で、賀茂地域6市町の児童生徒のそんな本音が浮かび上がった。同様の傾向は近年加速していて、少子高齢化が進む地域の実情が如実に表れた格好だ。 2022年度に小中高校の最高学年の1027人から回答を得た。「15年後に賀茂に住んでいたいか」との問いに「はい」と答えた児童生徒は28%にとどまった。「いいえ」とした理由のトップは「不便な田舎だから」(36%)。「はい」の理由は「安心感・地域愛」の39%が最多だった。 3年に1度の定期調査。15年後に住みたいとする「はい」の割合が24%にとどまった高校3年生は、16年度の小学6年生の時には、同様の設
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カーネーション出荷ピーク 静岡県内一大産地の河津・東伊豆 母の日前に
14日の母の日を前に、静岡県内一大産地の河津町と東伊豆町でカーネーションの出荷がピークを迎えている。14日までの2週間で約20万本を出荷する見込みで、農協職員や生産者が大型連休のさなかも作業に追われている。 定番の赤色やピンク色にオレンジ色、黄色-。4日朝のJAふじ伊豆河津桜支店(河津町)には、色とりどりの約70品種4万本が持ち込まれた。中には河津町内で近年発見され、小ぶりで星型のように花弁が開く「スタージャジーテッシノ」といった珍しい品種も。25本ずつ束にして箱詰めにし、多くは関東の各市場に出荷される。 同JAによると、静岡県の年間のカーネーション生産は2町でおよそ9割を占める。定番の
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“ペリー提督”餌付けショー 下田海中水族館 21日まで
幕末に開国の地となった下田市の下田海中水族館で29日、ダイバーがペリー提督に扮(ふん)する餌付けショーが始まった。21日まで。 普段開催しているショーの特別企画。施設内の入り江に浮かんだ水族船「アクアドームペリー号」で、司令官の帽子など時代衣装に身を包んだダイバーがパフォーマンスを行った。水深約6メートル、総水量600立方メートルの水槽内でオキアミなどの餌を放つと、ダイバーの周囲はあっという間に魚でいっぱいに。“ペリー”が与えたアジを丸のみするエイの姿に子供たちは驚きの声を上げた。 市内の一大行事「黒船祭」に合わせて10年以上行っている。午前10時35分から始まり
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ジェラート店 6月末まで期間限定 下田・了仙寺 地元の若者、空いた一角改装
下田市の国指定史跡・了仙寺に29日、期間限定のジェラート店がオープンした。長年にわたり空きスペースとなっていた一角を改装し、同市の板橋隼平さん(28)が出店。地元食材を使ったジェラートを求め、初日から大勢の観光客らが訪れた。 板橋さんは市内でコーヒーや自然食品の販売を手がける「ニード・ユー」の社長。これまで伊豆急行蓮台寺駅(同市)の空きスペースにもコーヒースタンドを出店している。今回は了仙寺から要請があったといい、飲食店の撤退後、20年ほど空いていた一角で提供を始めた。 販売するジェラートは4種類。同寺はアメリカジャスミンの名所として知られていて、ジャスミン風味のジェラートを用意した。下
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「春バラシーズン」到来 河津バガテル公園
河津町のバラ園・河津バガテル公園の「春バラシーズン」が28日始まった。見頃はまだ先だが、早咲き品種が園内約3万平方メートルの一部を彩っている。 深い紅色の大輪の花が見事な「ローズゴジャール」や、ほのかなピンク色が愛らしい「コンフィデンス」などが開花した。手入れの行き届いたフランス式庭園は左右対称の幾何学模様が印象的で、1100品種6000株が植栽されている。園で育ったバラの苗の販売も実施している。 園によると、今季の生育状況は温暖な気候の影響で1週間程度早く、5月の大型連休明けごろに多くが見頃を迎えると予想されている。春バラシーズンは6月30日まで。営業時間は午前9時~午後6時。 同園
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8日以降 新型コロナ「5類」移行対応 下田市長「高齢者配慮を」 新たな体調管理カードも
下田市の松木正一郎市長は28日、感染法上の位置付けが5月から「5類」に引き下げられる新型コロナウイルスへの対応について、個人の選択を尊重するとの政府方針に加えて「高齢者ら重症化リスクの高い市民に配慮した日常生活への緩やかな移行」を呼びかけるとの方針を示した。定例会見で明らかにした。 松木市長は「高齢化が進む下田において、いきなり全てを解放するというのは落差が大きい」と説明。市役所での窓口対応における感染防止策は従来通り消毒液や検温器、アクリルパネルの設置を続ける。体温などを記す「下田モデルカード」を参考に、新たな体調管理カードの作成を検討しているという。 8日の5類移行後には市内の一大行事「
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下田高で自転車交通教室 スタントマン 事故を実演
下田市の下田高の1年生は24日、自転車の交通安全教室を同校で受講した。スタントマンの実演を通じ、交通ルールに理解を深めた。 同校では1年生約150人のうち3分の1ほどが自転車通学という。都内企業のスタントマンが講師を務め、自転車同士の接触やオートバイやトラックとの衝突を再現した。講師はスマートフォンを操作しながらの「ながら運転」やヘッドホンの着用が命に影響を及ぼす重大な結果をもたらすと強調。自転車も車両の一種であり、事故時に立ち去るとひき逃げになり得ると説明した。 教室は県トラック協会の主催。下田署や県交通安全協会下田地区支部は、改正道交法で努力義務化された自転車のヘルメット着用を呼びか
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鮮烈の赤 ドリアンテス開花 東伊豆・熱川バナナワニ園
東伊豆町の熱川バナナワニ園で、鮮やかな赤色のつぼみや花弁が印象的な「ドリアンテス」が来園者を楽しませている。4月いっぱいまで見頃が続く見通し。 オーストラリア原産の多肉植物。放射状に葉が広がる根元から太い茎が高さ2メートルほどまで伸び、先端の50センチほどに房状の花が広がる。 園内には10株を植栽している。1990年に苗を植えて以来、本格的な開花は2020年に続く3回目。今季は1株のみが咲いている。同園によると、ドリアンテスは大小の種類があり、同園と同じ大型の種は全国的にも開花例が希少という。 学芸員の清水秀男さん(72)は「他では見ることができない鮮やかな色合いを楽しんでほしい」と呼
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吉田町“トリプル”無投票 静岡県議に続き町長・町議選も
18日告示の吉田町長選、町議選(定数13)は同日、いずれも立候補者の無投票当選が決まった。県選管によると、首長と議員選挙がいずれも無投票になったのは2004年の旧天竜市以来。識者や元町議からは首長の多選(7選)を念頭に、議会のチェック機能がこれまで以上に重要となる中で町議選も無投票の事態を憂える声が上がる。東伊豆町議選も連続で無投票となり、町民の政治への関心低下が懸念される。 チェック機能の担保憂慮、東伊豆町長選も2回連続 同日午後5時過ぎ、7選を決めた現職田村典彦氏(79)が選挙事務所前に姿を見せると、支援者たちが拍手で出迎えた。無投票は2回連続。田村氏は「対抗馬が出なかったということは
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東伊豆・アニマルキングダム ウシ科 ヒツジの仲間 ムフロンの赤ちゃん 5頭 元気いっぱい
東伊豆町の伊豆アニマルキングダムに4月、ヒツジの仲間「ムフロン」の赤ちゃんが一挙に5頭生まれた。18日現在でさらに1頭が近日に出産を控えていて、誕生後に準備が整い次第、一般公開する予定。 生まれたのは双子を含む雄2頭と雌3頭。元気いっぱいに細い脚で走り回ったり、母親の後ろをぴったりと付いて回ったりする姿が何とも愛らしい。体高30~40センチ、体長50センチ程度だが、1年ほどで親と遜色のない大きさまで成長するという。 施設によると、ムフロンはウシ科で欧州などに生息。綿羊の祖先とされているという。施設のムフロンは約60頭で、毎年平均的に5~8頭ほどが生まれている。飼育員の緑川大河さん(25)は「
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産卵に国内初成功 絶滅危惧種の「マヨルカサンバガエル」 河津のカワズー
河津町のカエル展示施設「KawaZoo(カワズー)」は16日、絶滅危惧種のカエル「マヨルカサンバガエル」の産卵に国内で初めて成功したと発表した。 カワズーによると15日に産卵を確認した。雌が産卵した後、ふ化してオタマジャクシになるまで雄が後ろ足に卵を付けて生活するという。現在は雄1匹の足に10個以上の卵が付いている状況が観察できる。 マヨルカ“サンバ”ガエルは「産婆」を意味する和名で、1979年にスペインのマヨルカ島で発見されたという。白輪剛史館長(54)は「まだ未知の部分が多いカエルだ。ふ化を実現させて種の保存につなげたい」としている。
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ひがしいず幼稚園 開園 稲取、熱川が統合 元地域協力隊 作詞作曲 園歌披露も
東伊豆町立ひがしいず幼稚園の開園式が13日、同園で開かれた。園児や地域住民らが参加し、新生活に期待を膨らませるとともに子供たちの健やかな成長に願いを込めた。 同園は稲取、熱川の両園が統合して誕生。園舎は旧熱川幼稚園を活用する。新入園4人を迎え、全園児は30人。式典では園歌が披露された。「きらきらとかがやく うみのかぜうけて」と同園の風景が目に浮かぶ内容で、元同町地域おこし協力隊の高瀬真由さん(29)=函南町=が作詞作曲した。 年長の山田涼菜ちゃんは「みんなでご飯を食べたり遊んだりしたい」と喜んだ。 岩井茂樹町長は給食実施や預かり時間の延長に注力したとし、「統合前のそれぞれの歴史を受け継ぎ、新
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下田の小中8校 給食施設不具合で災害非常食を提供
下田市教委は12日、市立学校給食センターの設備に不具合が発生したため、同日の給食を災害用に備蓄していた非常食のレトルトカレーに切り替えたと発表した。19日からの再開を目指す。 市教委によると、10日に施設内のボイラーが故障しているのをセンター職員が発見。湯が出なくなったため、食洗機から手洗いに切り替えた。当初は手洗いを続ける予定だったが、対応しきれなくなったという。 同センターは市内の小中8校約1300人分の給食を提供。13日は献立の一部と食器を紙皿に変えて対応する。14、17、18の各日は児童生徒に弁当の持参を求める。
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統合の河津小で開校式 「新たな友達 楽しみ」 児童アイデアの校歌披露
河津町立河津小の開校式が11日、同校で開かれた。3校が1校に統合され、町教委によると、賀茂地区6市町で最大規模の小学校となる。児童は新たな出会いと学びへ期待に胸を膨らませた。 東と西、南の3校が統合し、旧南小を校舎として活用する。全校児童は252人で新入学は28人。式典では新校歌が披露された。歌詞は町民公募に加え、作詞作曲の新沢としひこさんが子供たちから聞き取ったアイデアを元に手がけた内容。「桜の花が空に咲く」など河津桜で知られる同町らしい風景が目に浮かぶ。 6年の土屋カンナさんは「最上級なのでまとめ役を頑張りたい。たくさんの新しい友達と出会えるのも楽しみです」と声を弾ませた。岸重宏町長
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下田市丸ごと「図書館」 カフェやワーケーション施設 一角に蔵書、読書推進
下田市で町中の施設に図書館の書籍を置いたり貸し出したりする取り組みが4月から始まった。「まちじゅう図書館」と題し、読書習慣の推進などが狙い。県内でも先進的な取り組みとみられる。 同市一丁目のカフェ「らくら」。店内の一角の本棚には、下田の開国の歴史や郷土史に関する書籍など約120冊が並んだ。市教委から「館長」に任命された店主の森享子さん(60)は「市民だけでなく、訪れた観光客が下田の歴史を知るきっかけづくりになったら」と声を弾ませる。 市教委が“図書館”に認定したもう1施設は、同市武ガ浜のワーケーション施設「リビングエニウェア・コモンズ伊豆下田」。働き方やITに関
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静岡人インタビュー「この人」 賀茂地域の課題解決に取り組む弁護士 三森祐二郎さん(河津町)
弁護士の過疎地域の解消を狙いに、日本弁護士連合会などが支援し運営する下田ひまわり基金法律事務所の7代目所長。当地ならではの問題解決に汗をかく。横浜市出身。52歳。 -賀茂地区の印象は。 「昨秋に赴任したが、住民の高齢化に伴う財産管理が大きな問題になっている。認知症で管理できなくなったり、家族が近くにいなかったりするケースが多い。バブル期に購入されたリゾートマンションの管理費滞納も課題の一つだ」 -なぜ弁護士を志したのか。 「元々は東京地裁や最高裁で事務官や書記官を務めていた。裁判前の権利手続きの担当や、国会議員との調整役を任されていたが、弁護士が依頼者に信頼され仕事をする姿を間近で目
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下田の絵本作家・鈴木まもるさん 「この本読んで!読者賞」受賞 大戦史題材
下田市の絵本作家鈴木まもるさん(70)の「戦争をやめた人たち 1914年のクリスマス休戦」が、出版文化産業振興財団の「この本読んで!読者賞」に輝いた。第1次世界大戦中の史実が題材で、鈴木さんは「今ある日本の平和な日常の大切さを感じてもらえたのではないか」とウクライナ侵攻に思いをはせる。 同財団が発行する絵本紹介の季刊誌で、2022年に取り上げた新刊400冊の中から読者投票で選ばれた。敵国の兵士同士がスポーツや歌を通じて心を通わせる内容で、あとがきを手がけている最中にロシアのウクライナ侵攻が勃発、内容を一部変更した。 「絵本では一時的にでも休戦となった。人の心は変わっていないはずなのに、今
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フォトスポットや飲食メニュー多彩 米ミュージカル映画とコラボ 熱川バナナワニ園
東伊豆町の熱川バナナワニ園は、魅惑的な歌声を持つワニが主人公の米国のミュージカル映画「シング・フォー・ミー、ライル」(公開中)とのコラボ企画を開催している。フォトスポットや飲食メニューなど多彩な企画を用意した。5月7日まで。 映画は孤独なワニと少年同士が心を通わせ合うストーリー。期間中は同園のキャラクター「熱川ばにお」が映画にちなんだ衣装で登場する日もある。主人公のワニがバナナを手にする独自デザインのパネルを設けるほか、カフェではピザやケーキ、クリームソーダなど映画に着想を得たメニューを提供する。 期間中、最寄りの伊豆急行伊豆熱川駅はホームの駅名看板を主人公や「ばにお」を描いたデザイン
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伊豆漁協 12月期決算 4年ぶり黒字 下田
伊豆漁協(下田市)は31日、2022年度の通常総代会を市民文化会館で開き、同年の12月期決算を報告した。実質当期剰余金は2400万円で、4年ぶりに黒字に転じた。 漁協は赤字経営脱却の要因として、直売施設や食堂、ダイビング・マリーナ施設の収益向上などが実を結んだとしている。一部施設の閉鎖、縮小も進めた結果という。 事業総利益は4億4800万円だった。水揚げ量は主力のキンメダイが931トンで、水揚げ高は14億1600万円(前年比1億2700万円増)。84トン減少したものの、単価が上昇した。伊勢エビは同2トン減で、イカも不漁が続いているとした。 サザエやアワビの水揚げ量も減少していて、黒潮大
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記者コラム「清流」 「君を待っている」
「音楽は国境を超える」とはよく言ったものだ。歌詞が分からずとも琴線に触れるメロディーはたくさんあるし、心を震わせる音色は万国共通だろう。 下田国際友好コンサートが4年ぶりに開かれた。南米やアジアの民族音楽も演奏されて自然と体が揺れた。ただ、以前は毎年のように出演していたロシア関係者の姿はない。江戸時代から縁のある下田ではウクライナ侵攻の余波で日露交流が途絶えている。 それでも今まで交流してきた市民は糸を絶やさぬよう模索している。ある外国人出演者は「民間レベルでの交流は大きな力になります」と言った。言葉に日露交流が念頭にあったわけではないだろうが、交流を続けた市民を思わずにはいられなかった。音
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生徒減の賀茂地区4高校 「サテライト制」提示 静岡県教委
静岡県教委は29日、県立高再編案を盛り込んだ第3次長期計画(2018~28年度)の再検討に向けて賀茂地区に設置した地域協議会の第3回会合を下田市の県下田総合庁舎で開いた。分校を含む賀茂1市5町の4校で、複数校舎を活用し1校として機能させる「サテライト制」導入案を県教委が示した。 県教委は人口減を念頭に、現在の4校の学級数が今後も段階的に減少し続けるとの想定を紹介した。その上で小規模校における「学びの質」維持の一案へ、同制度を挙げた。 同制度は大学のキャンパスのように行事や部活の際に生徒が校舎を移動する。県教委はメリットとして本校と連携した遠隔授業により、一定かつ幅広い授業の設定が可能だと
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暴力団排除を明文化 下田海水浴場関係機関 専門部会設置へ
下田市内の海水浴場関係団体で組織する市夏期海岸対策協議会は28日、臨時総会を市内で開き、反社会的組織への対策を念頭にした専門部会の設置を正式に決めた。協議会の会則にも暴力団排除を明文化し、厳しい姿勢を鮮明にする。 協議会の目的に「暴力団等反社会的勢力の排除」を新たに盛り込んだ。事業内容も改正し、暴力追放の啓発や情報収集の推進などを追加。海岸美化や環境保全も明記した。 協議会事務局の市によると、専門部会のメンバーは6月ごろまでに固める。海水浴場の周辺自治会や市、県警、県の参加が見込まれているという。 会合に参加した県警組織犯罪対策課の今川桂一課長は「暴排が明確化された意義は大変深い」と評
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日本一の段数 118段ひな飾りお目見え 下田・天神神社 4月9日まで
国指定重要文化財の大日如来坐像をまつる下田市の天神神社に27日、日本一の段数をうたう118段のひな飾りがお目見えした。2022年に続いて東伊豆町の素盞鳴(すさのお)神社とあえて同数に“調整”。4月9日まで展示している。 鳥居から境内に続く階段に約400体が並ぶ。初日は地域住民と近くの下田高生が協力してひな人形を展示し、観光客らを出迎えた。2年の山田郁真さんは「地域の皆さんの役に立てて、観光客にも喜んでもらえて本当にうれしい」と声を弾ませた。文化部や運動部が交代で展示と撤去を手伝う。 神社が建立する蓮台寺地区では、「しだれ桃の里まつり」が9日まで開催中。地域全体で約
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「唐人お吉」しのび献花 下田、芸者の舞や高校生演奏も
開国史の悲劇のヒロインとして知られる「唐人お吉(斉藤きち)」の133回忌法要(下田市観光協会主催)が命日の27日、同市のお吉ケ淵で営まれた。約100人が参列し、数奇な一生に思いをはせた。 お吉が身投げした稲生沢川付近のお吉ケ淵では、読経に続いて地元の芸者や住民らが献花した。お吉と恋人の鶴松に見立てたコイ2匹を放流。菩提(ぼだい)寺の宝福寺でも法要を執り行った。市民文化会館では「お吉祭り芸能大会」が開かれ、芸者による舞や下田高箏曲部の演奏が繰り広げられた。 協会によると、下田の芸者だったお吉は幕末、美貌が奉行所の目に留まり、17歳で米国総領事のハリスに仕えたと伝わる。一方で奉公後は「唐人」
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「柑橘類の祖先」カクテルに 「クネンボ」南伊豆で栽培復活
日本における柑橘(かんきつ)類の祖先の一つともされる「九年母(クネンボ)」。半世紀以上にわたり栽培が絶たれていたとみられる南伊豆町で、地域有志が生産を復活させた。下田市内の宿泊施設2カ所でクネンボを使ったカクテルの提供が始まり、関係者は「観光の起爆剤にしたい」と意気込む。 濃厚な香り 下田の宿泊施設が提供 「甘すぎず、酸っぱすぎず。非常にバランスがとれた味わいです」。16日の下田東急ホテル。「クネンボ パラダイス」と名付けたカクテルを開発したレストランマネジャーの田中秀和さん(50)が太鼓判を押した。 クネンボジュースにジンやアプリコットブランデーを加える。通常の「パラダイス」と呼ばれ
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河津にアルマジロトカゲ ウクライナから“夫婦”避難 イズー園長「微力ながら力に」
河津町の動物園「iZoo(イズー)」は23日、ウクライナの動物園からアルマジロトカゲを受け入れたと発表した。既に展示している。ロシアの侵攻により現地では飼育がままならない状況にあるとされる。侵攻開始後に国内の施設がウクライナから動物を受け入れる例は珍しいという。 キーウの発電所が攻撃を受けたため電源が断たれ、動物園では停電が頻発した。飼育体制の維持にも影響が出ている。白輪剛史園長(54)が旧知の仲という現地の民間動物園の園長から昨年相談を受け、受け入れ準備を進めていた。戦時下のウクライナ政府から輸出許可証が発行され、来日が実現した。 受け入れたのは、アルマジロトカゲのペア。全長20セン
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さよなら稲取幼稚園 70年余の歴史に幕 4月、熱川と統合
4月から熱川幼稚園と統合する東伊豆町の稲取幼稚園の閉園式が22日、同園で執り行われた。園児と保護者、教員ら約50人が参加し、70年以上にわたる歴史に幕を下ろした。 同園の起源は1947年の日曜学校。57年に町立幼稚園となり、現在の園舎は80年に新築された。当時は300人超の園児がいたというが、少子化で現在は14人にまで減少した。 式典では「みかんの山にひがのぼり」「あおい海からふいてくるかぜが-」と地域の情景を感じさせる園歌を園児が斉唱。同園で長年受け継がれてきたという「金目の大将」を踊り、学びやに別れを告げた。 鈴木重代園長は「思い出は子供たちや地域の皆さんの中に残り続けます」と感慨
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歴史かみしめ新たな船出 河津西、東、南小で閉校式 統合後も「思い出忘れない」
4月から1校に統合される河津町内の小学校3校で20日、閉校式が開かれた。児童や教員、保護者らが各校の歴史を振り返り、新たな船出へ気持ちを新たにした。 閉校するのは西と東、南の3校。全校児童71人の西小では、鈴木健五校長が「創立149年の歴史を閉じるが、新たな学校で力を発揮してほしい」と語りかけた。児童を代表してあいさつした5年の高木勇太郎君は「地域の人のおかげで数え切れない思い出ができた。思い出を忘れず新しい学校で頑張る」と前を向いた。出席者は最後となる校歌を斉唱し、学びやを後にした。 統合後の名称は「河津小」。南小の校舎を活用する。町教委によると、全児童は約250人の見込みで、賀茂地区
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フルーツ大福 おいしいワニ 東伊豆・熱川バナナワニ園で人気
東伊豆町の熱川バナナワニ園で、ワニを模した愛らしいフルーツ大福が人気を集めている。町内の老舗和菓子店とのコラボ企画。数量限定で、売り切れの日も出ている。 イチゴとバナナの2種類。プラスチック製の目玉を付け、大福に切り込みを入れて果物をくわえているかのような風貌。大福は同町の花月製菓の草大福で、もち米の風味が豊かであんこもたっぷり。イチゴは町内産紅ほっぺを使用し、ワニに似た形状となるよう縦長の大福を特注した。2月下旬の販売開始早々、SNSでも好評を得ているという。 分園のフルーツパーラーでは、いずれか1個を掛川茶付きで提供(820円)。来園前の事前予約も入っているといい、神山浩子副園長(4
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下田の路線バス 12日は運賃無料 市、利用実態把握へ
下田市は12日、バス会社と連携し「路線バス運賃無料デー」を設ける。高齢化が進む市内において、公共交通利用者の動向を把握する狙い。 市内を運行するバスの料金が終日無料。回数も無制限とする。市町境付近に「境界バス停」を設定し、“境界”を越える移動には料金がかかるが、下田側の料金は無料となる。一部の交通系ICカードも利用可。 東海バスとの連携事業で、無料分は市が補塡(ほてん)。市は高齢化が進めば自家用車を運転できなくなる市民が増加、バスが重要な移動手段になり得るとして早期に改善点を確認する方針。路線ごとの利用者数や料金の妥当性などを調査し、役立てる。 市内には水族館な
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須崎の古文書 展示、解説 研究者「疫病予防 史料重要」 下田
下田市の須崎地区に伝わる古文書を調べた研究者有志による展示解説会が3日、同市の須崎漁民会館で開かれた。地域の争い事や特産のテングサ漁に関する史料を研究者が地域住民ら約50人に説明した。 役の負担が重いとして韮山代官所に免除を訴えた願書の下書(1761年)や、1837年の村絵図などを紹介。下田港開港に伴い、外国人と接触する際の注意事項が記された1857年の「御請証文(下田開港後異国人遊歩につき)」やコレラをはじめとした疫病予防に関する史料などの重要性も説いた。 加工販売の収支見積もりを奉行所に提出した文書(1857年)などテングサ漁に関する史料の重要性も呼びかけた。 古文書は須崎財産区協
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ニューサマーゼリー&シャーベット 花月製菓(東伊豆町) 和菓子職人の技を海外へ【静岡ものづくり最前線】
爽快な香りとさっぱりした味わいが人気のニューサマーオレンジ。東伊豆町の特産として知られるかんきつをゼリーに仕上げた。町を代表する銘菓の製造技術を国外にも伝承している。 あんこ商品が主力だったため夏季の売り上げに苦戦。特産品による菓子開発を目指し、製造している。飲料の製造時に余剰したオレンジの皮を買い取って使用。女性の購買意欲を高めようと、魚由来のコラーゲンも配合した。 冷凍しシャーベット状にしての賞味も勧めている。韓国済州島で洗剤の製造販売を手がける企業の関係者が町内へ来訪時、その味わいに感動し、製造技術の伝承を請うてきたという。内山欣洋社長(60)も現地に出向いて指導していた矢先、新型
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須崎(下田)古文書をデジタル化 研究者有志が2年かけ2000点 当時の漁、新史料も
下田市の須崎地区に400年以上前から伝わる古文書2千点を各地の研究者有志6人が約2年かけて撮影、デジタル化した。デジタル化の過程で新たな史料の存在も判明。漁業権争いなどの歴史解明につながるとし、関係者は「当時の漁や漁民社会の構造をうかがい知れる」と強調する。 「地域の実情がよく分かる。特産のテングサ漁に関して全国的価値のある史料です」。地元への撮影データ寄贈のため2日に須崎漁民会館を訪れた三重大教授の塚本明さん(62)=日本史=が古文書の重要性を訴えた。 1590年から1985年にかけての古文書は、須崎財産区協議会が虫干しで管理してきたが経年劣化は避けられなかった。長年海女を研究する東洋
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子育て支援で移住促進 東伊豆町23年度予算案 一般会計55億円
東伊豆町は27日、2023年度の当初予算案を発表した。一般会計は過去10年で最大の55億7700万円(22年度比2・0%増)。昨春就任した岩井茂樹町長の元では初の当初予算編成で、移住定住促進を念頭に子育て支援に手厚い内容。岩井町長は「新たな町のスタートとして、何が必要かを明確にしたつもりだ」と説明した。 都市部の子育て世代の移住促進を念頭に、保育留学事業を開始。運営委託費550万円を計上した。幼稚園と保育園の給食無償化(360万円)のほか、紙おむつ支給(100万円)なども実施する。 移住促進関連では、創業支援補助金500万円や空き家調査費370万円も盛った。 町内では公共交通網の維持整
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読書習慣定着へ小冊子 下田市教委 市民のお薦め紹介
下田市教委は児童生徒らの読書習慣の定着に向けた小冊子を制作した。市内の大人たちが薦める書籍の紹介を通じ、子供たちの関心を高める狙い。 小冊子はA4判10ページ。市内在住の絵本作家鈴木まもるさん(70)がイラストを手がけ、監修も担当した。市内の公務員や水族館のトレーナー、住職ら12人が一問一答形式で「子供に読んでもらいたい本」「自身が子供のころ好きだった本」「大人になって好きな本」などを回答している。 市子ども読書活動推進計画第3次計画の一環。市内の幼稚園や保育園、小中学校に配布したほか、市立図書館でも入手できる。 鈴木さんは「大人たちの興味ある本に触れることで、読書がなぜ大切かを子供た
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賀茂地区の学校統合再編 議論混迷の町も 進む少子化 道筋早急に【解説・主張しずおか】
伊豆南部の賀茂地区で小中学校の統合再編が活発化している。一方でさまざまな事情で議論が棚上げされている町もあり、先行きが見通せない。統合とは別筋の中高一貫校設立を求める動きや県立高の再編議論が複雑に絡んでくる可能性もあり、関係機関には早急に道筋を示すよう求めたい。少子化が加速する中で迅速な対応が迫られている。 「当初は不安だったが、大変大きな効果があったと受け止めている」。下田市教委学校教育課の糸賀浩課長(55)は統合効果を強調する。市内では昨春に市内4中学を1校に統合した。統合前のある中学では、教員1人が3学年全ての特定教科を受け持っていた事例もあったという。統合で一定の規模を確保したこと
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ふるさと給食「おいしい」 熱川ポークや稲取けんちん汁、黄飯… 東伊豆の地産食材 児童ら満喫
東伊豆町の小中学校に24日、地産食材をふんだんに取り入れた「ふるさと給食」が登場した。地域色豊かなメニューに児童生徒は大喜び。満足げに舌鼓を打った。 しっとりした味わいで、炒め物向きの熱川高原ポークを使ったショウガ炒めがメイン。町内産のダイコンなど具だくさんの「稲取風けんちん汁」にはかつおだしにすりごまをたっぷり加えた。地域で祝い事の際に食すという「黄飯」は、クチナシの実で色付け。甘みが豊かな町内産紅ほっぺも添えた。 この日は4校で約600人分を提供。稲取小では特別メニューを食した児童たちが一様に満足げな表情を浮かべた。4年の久我谷采夢さんは「東伊豆町に豚肉があるなんて知らなかった。おい
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下田市23年度当初予算案 国際化、市庁舎移転に注力 過去2番目規模
下田市は22日、2023年度の当初予算案を発表した。一般会計は過去2番目の規模となる22年度比7・3%増の118億5千万円。紆余(うよ)曲折してきた市庁舎移転事業の本格化に加え、国際色に富んだ地域人材育成の「グローカルシティープロジェクト」に注力するとし、松木正一郎市長は「新型コロナウイルス禍の出口が見えてきたのは下田への追い風。観光振興と併せて市の国際化を進める」と強調した。 同プロジェクトには1千万円を投入。姉妹都市の米・ニューポート市への中学生派遣(240万円)を4年ぶりに復活させる。22年に実施したサーフィン競技の米国メダリストとの交流事業を端緒に、ハワイにも23年末をめどに中学生
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菜の花との共演 咲き誇る河津桜 南伊豆で2月末ごろまで見頃
南伊豆町の青野川沿いで、早咲きとして知られる河津桜が見頃を迎えた。大勢の観光客が足を運び、思い思いに風景を楽しんでいる。 町観光協会によると、川沿い約2キロの両側には800本ほどの桜並木が続き、ほぼ全域で見頃を迎えた。見頃は28日ごろまで続くという。河川敷の一部には菜の花も咲き誇り、桃色と黄色の共演が川沿いを彩っている。 町内では3月10日まで「第25回みなみの桜と菜の花まつり」を開催中。会期中は午後6時から9時まで夜桜のライトアップを実施する。「お花見人力車」(有料)も2月28日まで運行している。
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圧巻118段のひな壇飾りお目見え 東伊豆、3月12日まで
第26回雛(ひな)のつるし飾りまつりが開催されている東伊豆町の素盞鳴(すさのお)神社に18日、「日本一の段数」をうたう恒例の118段のひな壇飾りがお目見えした。観光客らが訪れ、思い思いに撮影を楽しんだ。3月12日まで展示している。 本殿前の石段に約600体のひな人形が並んだ。人形の両脇は日本三大と称される約700個の愛らしいつるし飾りで彩られた。 函南町から訪れた会社員原直美さん(55)は「ずっと来たいと思っていて初めて来ることができた。まさに圧巻です」と声を弾ませた。 同神社は1617年の創建とされ、疫病退散に御利益があると伝わる。ひな壇の展示は午前10時から午後3時まで。雨天中止。
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タイコブラの繁殖成功 河津のイズー
河津町の動物園「iZoo(イズー)」は18日、コブラ科のヘビ「タイコブラ」の繁殖に成功したと発表した。2012年の開園以来、繁殖を目指して飼育を続けていた。 同園によると、17日に6匹のふ化を確認した。性別は不明で全長30センチ、体重17グラム程度。 タイコブラは猛毒の持ち主で、東南アジアに分布している。近年は生息地の開発や食用目的の乱獲で個体数が激減しているという。国内でも展示事例は多くなく、同園では初めて繁殖に成功したという。 白輪剛史園長(54)は「有毒種は危険だからと駆除されてしまっている」と引き続き繁殖に取り組む考えを示した。
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継続事業中心に編成 南伊豆町予算案 一般会計51億円
南伊豆町は17日、2023年度の当初予算案を発表した。一般会計は22年度比1・6%減の51億1700万円。継続事業が中心の予算編成で岡部克仁町長は「大変厳しい財政状況のなか、今までの流れに沿って分配した」とした。 新型コロナウイルス禍で打撃を受ける基幹産業の観光業へ、例年と同程度の誘客促進委託料2100万円を計上。主要行事の「伊勢海老まつり」「みなみの桜と菜の花まつり」期間中に宿泊・体験クーポンを発行する。 町では農業者らがイノシシなどへの対応に苦慮し、21年度には1200万円分の鳥獣被害が発生。対策費1900万円のうち、緩衝帯の整備や不要果樹の伐採へ、地域団体などに対する補助金550万
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桃色「桜ギョーザ」 本場の味、中国出身・李さん夫妻販売 桜まつり開催中の河津町
河津桜まつりが開催中の河津町に、桃色の見た目が愛らしい「桜ギョーザ」がお目見えしている。中国出身の李雅娟さん(52)と夫の山根修さん(44)による「本場の味」。持ち帰り限定で販売している。 町が伊豆急行河津駅前の空きスペースで一時的な出店を支援する「チャレンジショップ」事業の一環で開業した。ゆでギョーザで、食紅で着色した。エビや豚肉、ハクサイ、キクラゲ、ニラが入った具だくさん。皮も手作りで、モチモチした食感で食べ応えも十分だ。トウモロコシ入りのギョーザも用意し、甘みのバランスが適度で食べやすい(いずれも5個入り500円)。 夫妻は4年前に県外から移住。以前に町内の出店で販売したところ予想
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記者コラム「清流」 「現実は見た目とは違う」
異様な光景だった。住民投票条例制定案が否決された下田市議会。制定反対の市議が討論に立つ度、制定へ署名を集めた市民グループら傍聴者から怒号が上がった。これほど議長の「静粛に願います」が繰り返される議会は初めて見た。 制定案は市内への広域ごみ処理施設の建設可否を問う内容だった。集まった有効署名は法定数の6倍超の2300人分。結果が実らなかったグループの無念さは想像に難くない。ただ、署名者は飛び交う罵声も望んだだろうか。 一方、議会はこれまで繰り返してきた施設の可否に関する議論ばかりで、条例そのものの議論はごくわずか。住民投票を論じる機会は必然的に少なく、貴重な機会であったはずだが。署名も議論
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閉校校舎の活用 「民間意見参考に」 河津町政懇談会
河津町の岸重宏町長ら町幹部と町民の町政懇談会が10日、町保健福祉センターで開かれた。岸町長は4月に控える小学校3校の1校への統合を踏まえ、閉校する校舎について「民間の意見を取り入れながら今後の活用策を考えたい」と明かした。東、西、南の3校を統合し、校舎は現在の南小を活用する。空き校舎について岸町長は「まずは防災拠点として活用する」との考えを示した。 町は集まった町民約20人に対し、指定管理者が決まった町営バラ園「河津バガテル公園」の運営体制などを説明した。町民からは「同報無線が聞きづらい」と改善を訴える声などが上がった。
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ワサビ×プリン 不思議な味「ツーン」直後に甘み 河津の丸山園、11日から販売
ワサビの製造販売の老舗、丸山園(河津町)が「わさび漬クリームプリン」を考案した。斬新な「スイーツーン」のうたい文句で、開催中の河津桜まつり会場で11日から販売する。 若者のワサビ離れの打開策に甘味を考案したという。自社開発の素朴なプリンに、わさび漬けを混ぜた生クリームをトッピング。「ツーン」の直後に甘みを感じる不思議な味わいを楽しめる。 「このままではワサビを知らない人がいずれ増えるかもしれない」と危機感を示すのは、同社営業担当の土屋瑛嵩さん(27)。プリンには「ヅケプリ」と愛称を付け、SNSによる情報拡散を期待する。 来宮橋付近に出店を設け、1個400円で販売する。まつり期間中の販売
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稲取高生が考案 給食「おいしい」 最優秀賞メニュー、地域食材を使用 東伊豆
静岡県賀茂農林事務所の「高校生による給食コンテスト」で最優秀賞に輝いた稲取高(東伊豆町)生徒による献立が7日、町内の小中学校と幼稚園6施設の給食に登場した。地域食材を使ったメニューに約650人が舌鼓を打った。 西伊豆町伝統の保存食潮かつおをだしに使ったけんちん汁や、魚のキノコあんかけなどを考案したのは木下花音さんと加瀬麻央さん(いずれも3年)。稲取小を2人が訪れ、感想を問うと児童たちは一様に「おいしい!」と満足げな表情を浮かべた。 同校卒業生の加瀬さんは「母校の子供たちに食べてもらえるなんて」と声を弾ませ、木下さんも「小学生の笑顔が見られてうれしい」と喜んだ。 コンテストには4校から1
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東伊豆・細野高原の山焼き 非公開から一転 12日に見学会開催
ススキの名所として知られる東伊豆町稲取地区の細野高原で12日、山焼きの見学会が開かれる。これまでは見学を募集していなかったが、安全性を確保した上で、山焼き後に参加者の連帯感を高める散策イベントなども開催し、地域と継続的に関わる「関係人口」の増加につなげる。 山焼きは消防団や地域有志ら約100人により、段階的にススキの見頃が終わった11月と翌年2月に実施している。安全を考慮してこれまでは公開していなかったが、距離を十分に確保するなど万全にして見学会を開催する。 各地の自治体で組織する「全国草原の里市町村連絡協議会」の「未来に残したい草原の里100選」に2022年、高原を管理する稲取地区特別
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記者コラム「清流」 誘うセールスマン
またか-。「お薦めの商品があるのですが!」。締め切り間際に限って高額セールスの勧誘電話が支局にかかってくる。 特定の商品の勧誘電話は赴任した先々で何度も遭遇する。丁重に断っても諦めてくれない。困った、と思いつつちょっと待てよ。記者の仕事も取材先に何度も足を運ぶ。迷惑だろうと内心思いつつ、仕事だと自らを納得させた経験は数知れない。 何度もこちらの熱意を伝えることで応えてくれる人も少なくない。ひょんなことから取材相手への感謝の思いが再燃した。いつか自分も、高額商品を買ってしまう日が来るのだろうか。 ちなみに下田支局には記者1人しかいない。何度かけても結果は同じなので、そろそろ勘弁してくださ
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かんきつカクテル提供 東伊豆町内宿泊施設で11日から 町と学生、ビール会社考案
東伊豆町の宿泊施設で2月から、特産のかんきつ類「はるひ」を使ったカクテルが提供される。町と首都圏学生、大手ビール会社との産学官の共同事業で2年ほどをかけて完成させた。当面町内での提供にとどめ、関係者は限定品としてPRする考え。 JAふじ伊豆によると、はるひは同町と河津町のみで産地化され、高糖度と適度な酸味が特徴。事業には町と包括連携協定を結ぶ跡見学園女子大(東京都)の観光コミュニティ学部生約30人が参加した。リーダーの3年有井花織さんは「既に知られているものではなく、新たな地域産品のPRにつなげたかった」と意図を説明する。 町主催の交流会を縁にサッポロビールや町内の商工観光団体も考案に参
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広域ごみ処理で住民投票条例案 下田市議会上程
下田市議会臨時会は30日開会した。賀茂4市町の広域ごみ処理事業の焼却施設について、建設可否を問う住民投票条例の制定案を上程した。委員会審査を経て2月1日の臨時会最終日に議決する。 計画に市民合意がないとして、下田の市民グループが条例制定へ集めた署名簿を提出していた。松木正一郎市長は「広域化は人口減が進む南伊豆地域で最も合理的。市民への説明をはじめ適切な手順を経ていて、条例制定の必要はない」とする意見書を条例案に付した。 下田市議会は2022年12月定例会で、広域事業の組合設置案を既に可決している。他の南伊豆と松崎、西伊豆の3町も同議案を可決済み。 教育委員に西川紀栄氏(52)=同市敷根
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恐竜の巣作り、鳥への進化後押し “新説”自著で発表 下田の絵本作家・鈴木まもるさん
巣作りが恐竜の鳥への進化を促した? 下田市の絵本作家で鳥の巣研究家の鈴木まもるさん(70)が自著で、恐竜の進化と鳥の巣の関連についての研究成果を発表した。小型恐竜が飛行能力を得た過程ははっきりしていないが、鳥の巣との関連に着目したのは世界的にも珍しいとみられる。 鈴木さんが研究をまとめたのは絵本「鳥は恐竜だった」(アリス館)。約40年間にわたり鳥の巣を研究し、ライフワークとしている鈴木さん。巣の形態の変遷を調べる中で、鳥の出現が恐竜の時代までさかのぼるとの歴史に触れ、「巣を作り卵を産むのは鳥も恐竜も同じ。関連があるのでは」と推察した。小型の恐竜は卵や生まれて間もない子供を守るためにさまざま
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下田グランドホテル跡地 下田市が取得契約 市長「予定通り公園」
下田市が取得方針を示していた下田グランドホテル跡地について、松木正一郎市長は27日、破産管財人との不動産売買契約を25日に締結したと明らかにした。民間の購入希望者が現れるなど二転三転していた。「予定通り、防災機能を備えた多目的公園の整備を目指す」とした。定例会見で説明した。 跡地を巡っては市が2021年に取得方針を表明した後、市議会が取得案を一度否決。さらに22年になって関連議案が可決された後に、今度は民間に渡る可能性が急浮上するなど紆余(うよ)曲折を経てきた。 契約額は100万円という。22年度の市公共用地取得特別会計に同額の購入費用を既に計上していて、結果的に年度当初の予定通りになっ
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河津桜見頃 2月下旬か 静岡県、賀茂地区の開花予測発表
静岡県農林技術研究所伊豆農業研究センター(東伊豆町)は26日、賀茂地区の河津桜の開花予測を発表した。河津町は2月14日、南伊豆町は同15日の二分咲きを見込み、見頃の七分咲きは同月下旬とみられる。 河津町の河津川沿いでは七分咲きが同21日、南伊豆町の青野川沿いでは22日と予測した。2022年は年始以降の冷え込みで開花が21年に比べ9日ほど遅れたが、今季は21年比で3日程度の遅れという。 2月1日からは「河津桜まつり」(河津町)と「みなみの桜と菜の花まつり」(南伊豆町)が開幕し、河川沿いでいずれも800本ほどの桜並木が観光客を楽しませる。
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カジキ下田名物に 料理アイデア求む 飲食店対象、まちおこし
海産物を使ったご当地料理の開発に取り組む下田市シー級グルメ実行委は25日、市内で会合を開き、カジキを使ったまちおこしを図っていくと決めた。今後飲食店から料理を募る。関係者は「キンメダイに次ぐ名物を」と意気込む。 実行委によると、下田港で水揚げされるカジキは「突き棒漁」によって漁獲されている。市内では毎夏に「国際カジキ釣り大会」も開かれていて、市民にも広く知られたカジキに白羽の矢を立てた。 昨春から議論を進めていた。実行委は2月から市内の飲食店を対象にカジキ料理の募集を開始する。多様な料理の応募を期待していて、「カジキのまち」を広くPRしたい考え。3月に一時締め切るが、その後も随時募る方針
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ぶっかけコンビーフ/黒船ソフト/フィッシュ&チップス 「下田ブランド」に3品追加
地域産品を認証する下田商議所の「下田ブランド」に、新たに3品が加わった。いずれも飲食類で、関係者は観光客らへのPR効果に期待を寄せる。 下田の焼き肉店「ウカイ」の「ぶっかけコンビーフ」は、ニンニクとごま油の風味を効かせた瓶詰め商品。月平均千個ほどの販売実績がある。伊豆急コミュニティー(伊東市)が伊豆急下田駅限定で販売する「黒船ソフト」は、真っ黒でインパクト大。チョコレート味で、竹炭で着色した。市内でキッチントレーラーを運営するネクサスの地魚を揚げた「フィッシュ&チップス」も認定した。 審査はコンセプトや独自性、市場性、信頼性などを観点に山田真由美審査委員長らが選出した。山田委員長はそれぞ
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遊泳客救助にドローン活用 ライフセーバー負担軽減へ 下田市と静岡県が実証実験
下田市と静岡県は21日、海水浴場の安全管理体制の充実へ、ドローンを活用した実証実験を同市の白浜海岸で実施した。ライフセーバーの負担軽減の一助などとしたい意向。 実証実験には職員とライフセーバーら約50人が参加した。ドローンに搭載した小型スピーカーによる注意喚起の呼びかけの有効性を確認。実際の要救助者への対応も実践し、沖合約100メートルで岸に戻れなくなった遊泳客に対し、高さ約10メートルのドローンから救命具を落下させ、ライフセーバー到着までの補助手段とした。 遭難者は海水浴シーズン以外も発生している。市によると、危険の周知や事故の際の救助体制構築に加え、ライフセーバーの確保も課題。ドロー
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雛のつるし飾りまつり 東伊豆で開幕、2万2千個彩る
女の子の健やかな成長を願う「第26回雛(ひな)のつるし飾りまつり」が20日、東伊豆町の稲取地区で開幕する。日本三大つるし飾りの一つとされ、地区内の四つの会場を計約2万2千個の飾りが彩る。3月31日まで。 メイン会場の文化公園雛の館には、地元住民らが手作りした約1万7千個を展示。ひな人形の両脇にことしの干支(えと)のウサギなどをかたどった愛らしい人形がつり下がる。中には特産品のキンメダイの人形もある。 雛のつるし飾りの起源ははっきりしないが、江戸時代後期には地域に根付いていたとみられる。高価なひな人形の代わりに、着物の端切れで作った人形でひな祭りを祝うようになったと伝わる。同館には大正時代
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下田・黒船祭 5月、4年ぶり3日間通常開催へ
下田市の一大行事「黒船祭」の執行会は19日、市役所で会合を開いた。事務局の市は今春の第84回のイベントについて、3日間の通常開催を復活させる意向を示した。81、82回は新型コロナウイルス禍で中止、昨春の83回は2日間の日程で縮小開催していて、コロナ禍以前の形式での開催へ今後議論を深める。 執行会は市や商工観光団体、警察などで組織。市は83回で断念した米海軍の水兵と市民の交流事業や関係者対象のレセプションなどを再開したい考えを伝えた。会合は冒頭を除き非公開で、市によると、構成団体の幹部からは通常開催について歓迎の声が上がり、異論は出なかったという。 執行会は通常開催に向け、新型コロナの感染
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元日の旅館火災 消火に貢献 河津町が天城生コンを表彰
河津町のコンクリート製造業「天城生コン」は19日、1日に旅館「リバティーリゾートAMAGISO」(同町)から出火した火災で、消火に貢献したとして町から表彰を受けた。 同社は消防と伊豆の業界団体が結んでいる災害時の連携協定に基づき、連絡を受けた社員8人が消火活動に協力。同社のコンクリートの輸送車両で給水支援に取り組み、活動は翌日まで続いたという。火災は本館などを焼いたが、旅館の宿泊者や従業員ら約100人にけがはなかった。 感謝状を岸重宏町長から受けた斉藤昭一社長(60)は「とにかくけが人がいなかったのは不幸中の幸いだった」と胸をなで下ろした。 岸町長は「いち早く駆けつけ、積極的な応援に心
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東伊豆の小中一貫校設立構想 答申受けさらに議論
東伊豆町総合教育会議は19日、町役場で会合を開き、町教委が町学校教育環境整備委から2022年12月に受けた「現在の小中4校を一貫校1校とするのが望ましい」とする答申を議論した。岩井茂樹町長は「答申は尊重しつつ、さらに議論を深める」との考えを示した。小中一貫校設立の流れは維持し、引き続き23年度も議論する方針。候補地の選定が焦点になるとみられる。 答申では出生数の急減を考慮し、早急な統合の必要性を訴えている。「一貫校の適地は現在の熱川小か熱川中」と指摘していて、早期設立が困難な際は中学の先行統合も視野に入れるよう添えていた。 岩井町長は「人口減の中、学校の統合をまちづくりと併せて考える」と
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賀茂の魅力、学生が発信 オンラインツアー 地域局が動画公開
静岡県賀茂地域局(下田市)は、県内大学生が賀茂の魅力発信へ企画した動画を公開している。賀茂への旅行を提案する内容で、動画投稿サイトユーチューブで視聴できる。 動画では「感じる」「知る」「味わう」をテーマに、静岡大と県立大、静岡文化芸術大の学生たちが動画内で各地を訪ねる「オンラインツアー」を企画した。それぞれのテーマごとにパラグライダーによる自然体験や景勝地、開国の歴史の解説、各地の地場産品や銘菓などを紹介している。 ツアーの動画は1時間半ほど。さらにテーマごとに6分程度に編集した動画なども制作した。 同地域局地域課主事の野村あみさん(23)は「観光地としてのPRだけでなく、地元の皆さん
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記者コラム「清流」 謝罪は誰がために
介護職員の1人は患者が騒いでいたため、粘着テープを口に貼り付けたという。「暴行罪にはあたらないと思ったので報告しなかった」「仕方のないところもあった」-。南伊豆町の精神科病院「ふれあい南伊豆ホスピタル」の関係者が謝罪会見で説明した。 会見では説明が二転三転し、病院側の開き直りすら感じられた。こうした会見には今までにも居合わせてきたが、これほど当事者意識が欠落した光景は初めてだった。 医療現場に特有の苦労が多いのは想像に難くない。仕事内容にも頭が下がるが、管理体制とは分けて考える必要がある。多くの職員は責務を果たしていることだろう。それだけに、複数の不適切行為を正当化するかのような説明は後
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詐欺被害撲滅へ 市民に注意喚起 下田署など
下田署などは16日、特殊詐欺被害の撲滅に向けた広報活動を下田市のマックスバリュ伊豆下田店で実施した。多様化する手口に注意を呼びかけた。 署員や地域安全推進員、防犯協会のメンバーら6人が、買い物客約100人に啓発品を手渡した。公的機関による保険料の過払い分の返還を装った「還付金詐欺」などへの警戒を促した。 同署生活安全課の小倉大樹警部補(31)は「メールによる動画サイト利用料などへの架空請求が増えている。身に覚えのないメールには安易に返信しないでほしい」と訴えた。
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五角→合格 ヒトデに祈願 下田海中水族館で企画展示
下田海中水族館(下田市)は受験シーズンに合わせ、合格祈願の駄じゃれにちなんだ生物の企画展示を29日まで同館で実施している。 「合格(ごうかく)」と「五角(ごかく)」の形をかけたのは、イトマキヒトデとアカヒトデ。「福(フク)来たる」の語呂合わせでフグの一種ハリセンボンも展示して笑いを誘っている。 飼育員の千葉理瑠さん(26)は「願掛けとともに、ハリセンボンのコミカルな動きにも注目してほしい」と見どころを語った。
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幻のヘビ「ヘアリーブッシュバイパー」展示 河津のiZoo
河津町の動物園「iZoo(イズー)」で、「幻のヘビ」とも称されるヘアリーブッシュバイパーの展示が始まった。同園によると、展示は国内初という。 アフリカのウガンダとコンゴ共和国付近のごく狭い範囲にしか生息しないという毒ヘビ。ウガンダの施設で繁殖させた4匹を導入した。全長60センチ程度で、黄色がかった茶色が特徴。全身がとげ状のうろこで覆われている。ナメクジなど食物が限られているため飼育が困難で、世界的にも希少という。 白輪剛史園長は「今まではインターネットや図書の中だけでしか見られなかった。愛好家にとっては憧れの存在だ。ぜひ実物を見てほしい」と来園を呼びかけている。
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最大8000円宿泊割引、2月から 南伊豆観光キャンペーン アワビの踊り焼きも
南伊豆町観光協会は最大で8千円分の宿泊割引とクーポンが付いた観光キャンペーンを2月から実施する。1月15日から予約を受け付ける。 協会指定の施設に1泊すれば最大5千円を補助し、夕食にアワビの踊り焼きを付ける。さらに町内の飲食店や自然体験で利用できる3千円分のクーポン券も発行する。町内では同時期に「みなみの桜と菜の花まつり」を開催していて誘客促進が狙い。 予約は15日から2月28日まで受け付け、先着500人。特設サイトから申し込む。対象期間は同1日から3月11日チェックアウト分まで。問い合わせは町観光協会<電0558(62)0141>へ。
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南伊豆町議会 賀茂広域ごみ処理計画 組合設置案を可決
南伊豆町議会は11日臨時会を開き、賀茂4市町による広域ごみ処理事業の組合設置案を原案通り可決した。12月定例会で「時期尚早」などと1度否決していた。下田と松崎、西伊豆の各市町議会は既に設置案を可決済み。組合を構成予定の全市町が議会の承認を得た格好となった。 12月定例会では敷地を下田市や組合が取得後に処理施設を整備すべきとの声が上がったが、町は用地が確定後に現在の所有者たちの意向を確認すると説明した。その上で売却意思があれば、市か組合が購入するかを改めて協議する方針。12月定例会後に自治体間で共有したという。 岡部克仁町長は「詳細を詰めなければならない点はまだまだある」とする一方、「まず
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高齢者買い物 支え合う 独居者送迎、下田で実証実験 交通手段や生きがい創出
下田市と市社会福祉協議会は高齢者の買い物時の移動手段確保に向けた実証実験を実施している。高齢ボランティアらの運転する車が独居者らをスーパーに輸送する内容で、関係者は高齢化が顕著な市内で交通手段確立とともに生きがい創出にもつなげたい考え。 10日のマックスバリュ下田銀座店。市社協の車両に白浜地区の70~80代の5人がそれぞれの自宅から乗り込み、来店した。購入した荷物の積み込みや運転は研修を受けたボランティアが担当する。利用者の進士教子さん(76)は「買い物したくともバスの本数も少ない。定期的に実施してもらえると大変助かる」と歓迎。実証実験は昨夏にも実施し、公共交通機関の代替手段になると好評を
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賀茂ごみ処理計画の有効署名 50分の1以上確認 下田市選管
下田市選管は9日の選挙管理委員会で、賀茂4市町の広域ごみ処理計画の焼却施設建設に関する住民投票条例制定に向け市民グループが集めた署名簿について、有権者の50分の1(2022年12月現在357人)以上の有効性を確認したと発表した。 市選管によると、提出された署名簿2479人分のうち、2300人分を有効とした(無効率7・2%)。今後は縦覧期間と手続きを経て、2月までに市議会で条例制定案が審議される見込み。 賀茂4市町は下田と南伊豆、松崎、西伊豆。市民グループは廃棄ガスが市民の健康に影響を与えるなどと主張。「計画に市民合意がない」と反対姿勢を示した。一方、下田市は施設の安全性について「これまで
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1月14日立ち入り制限 下田・白浜海岸
下田市は14日、ドローンによる要救助者の安全確認や救命用具の投下実証実験を同市の白浜海岸で行う。海岸の一部で立ち入りを制限する。 実証実験は市や県が主催し、終日実施する。市は市民や観光客に注意を呼びかけている。 問い合わせは市企画課<電0558(22)2212>へ。
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300万本のスイセン見頃 下田・爪木崎
下田市の景勝地として知られる須崎半島でスイセンが見頃を迎えている。海岸沿いで花々が潮風にそよぐ。 約300万本が咲き誇っているのは、爪木崎水仙園。園内の群生地では、斜面にかれんな白色と黄色の花々が広がり、雪が降ったような光景が広がる。市観光協会によると、15日前後に満開を迎え、20日前後まで楽しめそう。 水仙園では31日まで「第57回水仙まつり」(実行委主催)が開かれている。8、15、22の各日は、魚介と野菜を煮た郷土料理の漁師鍋「池之段煮味噌(いけんだにみそ)」が振る舞われる(各日先着200人)。
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海上の安全 豊漁を祈願 下田で伊豆漁協
伊豆漁協は6日、新年の海上安全祈願祭を下田市魚市場で開いた。漁協や船主組合、下田海上保安部などの約60人が出席し、2023年の豊漁と安全の確保へ願いを込めた。 神事では海にお神酒をまいて安全を祈願した。加藤紀久夫組合長は「無事故の1年であるよう心から願っている」と述べ、海難事故の防止へ救命胴衣の常時着用や定時連絡、気象状況確認の徹底を呼びかけた。
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ウミガメに七草 来館者が餌やり 下田海中水族館
下田海中水族館(下田市)は7日、七草がゆの風習にちなんだウミガメの餌やり体験イベントを同館で開いた。来館者がウミガメたちの無病息災に願いを込めた。 通常の体験ではキャベツを用意しているが、この日は「スズシロ(ダイコン)」の葉を準備した。来館者がエントランスの水槽にトングで葉を近づけると、ウミガメ4匹はスルスルと接近。水面からひょっこり顔を出して葉を頬張った。普段はアジやイカを食しているというが、ムシャムシャとあっという間に食べきった。 愛知県豊田市から訪れた宮本悠人君(5)は、元気良く食べるウミガメの姿にびっくり。「長生きしてほしいな」と餌を与えた。
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スマホ誤作動で勝手に119番 静岡県内消防、注意呼びかけ「確認の連絡応じて」
エッ、私が119番を!?-。市民らが気付かないうちに119番通報をしてしまい、消防が万が一の確認のため駆け付ける事態が県内で発生している。最新のスマートフォン機能も一因にあるとみられ、消防関係者は「間違えた際は必ずその後の連絡に応じてほしい」と呼びかける。 2022年11月上旬の下田消防署(下田市)。西伊豆町から119番が入った。ところが、電話口からは応答が無い。通報者に不測の事態が生じた可能性を念頭にGPS機能で逆探知し、駆け付けたのは消防車と救急車3台に隊員8人。すると出動後に通報者が消防からの連絡に応じ、男性が「119番したことに気付かなかった」と説明した。 下田消防本部によると、
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市内活性化へ気持ち一つに 下田市で新年賀詞交歓会
下田市の新年賀詞交歓会が4日夜、市内で開かれた。政財界の関係者ら約60人が2023年の市内産業の発展を願った。 市と下田商工会議所、市観光協会、JAふじ伊豆、伊豆漁協の主催。新型コロナウイルス禍直前の20年以来の開催となった。松木正一郎市長は「依然として国際的な情勢不安は続くが、こうした会が開催できたのは大変意義深い。未来への希望につながる1年にしよう」とあいさつした。 下田商議所の田中豊会頭と森竹治郎県議は伊豆縦貫自動車道の整備促進へ団結を呼びかけた。参加者は市議会の滝内久生議長の音頭で乾杯し、下田の活性化へ気持ちを一つにした。
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爬虫類と暮らす家 河津の動物園「iZoo」にモデルルーム
自宅のリビングに“動物園”を-。河津町の動物園「iZoo(イズー)」に2022年冬、斬新なモデルルームがお目見えした。屋内の一角に動物用の巨大な一室を設ける間取りで、全国的にも希少な試みとみられる。 多くの爬虫(はちゅう)類を展示する同園らしく、コンセプトは「爬虫類と暮らす家」。同園の白輪剛史園長と、静岡市駿河区の住宅メーカー「福工房」の福田豊社長が意気投合し、同社の技術を詰め込んだ。 園内のモデルルームは12畳の空間に、2畳半程度の飼育室を設置。縦、横いずれも2メートル程度の強化ガラス越しに、ソファでくつろぎながら動物を観察できる。実際に新築やリフォームする際は
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移住者の支援策利用2.4% 東伊豆町議会が調査 活用促進へ周知必要
東伊豆町議会の総務経済常任委員会は3日までに、移住者を対象に実施したアンケート結果をまとめた。町の移住者支援制度の利用率が2・4%と、施策が思うように利用されていない現状が明らかになった。 アンケートはオンラインで41人が回答。ただ、支援制度を利用したのは住宅リフォームに関する補助金活用の1人にとどまった。制度を知らなかったとの声が複数あり、住民登録の前後で対面での説明の必要性を訴える意見も上がった。 移住元は神奈川県が4割以上と最多。首都圏で8割強を占めた。全体の約8割が就業中で、そのうちの2割強はテレワークを活用している。 町の印象を尋ねたところ、交通手段と移動手段について「やや
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下田市限定キティちゃん ふるさと納税返礼品に 3万円寄付で1体
下田市はふるさと納税制度による寄付金への返礼品として、サンリオの人気キャラクター・ハローキティのオリジナルのぬいぐるみを製作した。返礼品でしか入手できない下田限定のデザインで、マニア心をくすぐりそうだ。 ぬいぐるみは高さ約20センチ、幅約10センチ。日本有数の群生地として知られる下田公園のアジサイをモチーフにしたリボンを付け、下田の透明感あふれる海の水色をイメージしたドレスを身にまとう。 市企画課によると、サンリオに下田出身者が在籍していて、同社から返礼品活用への打診があったという。3万円の寄付に対し1体を贈る。2022年12月までに20件以上の応募があった。 同課主事の三好真広さん(
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コロナ、インフル同時流行警戒 動画で啓発「65歳以上は早期受診を」 静岡県賀茂健康福祉センター
静岡県賀茂健康福祉センターは新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備えて啓発動画を制作し、県民に注意を呼びかけている。担当者は「県内でも高齢者の割合が多い賀茂地域の1市5町では、特に重症化を警戒する必要がある」と訴える。 動画は約10分。地域の医師や看護師らが出演し、65歳以上の高齢者ら重症化リスクの高い県民には発熱時の外来早期受診を求めている。重症化リスクの低い県民に対しては、新型コロナの検査キットの活用を推奨。感染の有無に応じて陽性なら県の自己検査・療養受付センターへの登録、陰性ならインフルエンザへの感染を念頭に、事前に相談した上で医療機関を受診するよう紹介している。 同セン
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顔似てる?「海のウサギ」 下田海中水族館で特別展示
下田海中水族館(下田市)は、2023年の干支(えと)にちなんだ魚の特別展示を同館で実施している。その名も「ラビットフィッシュ」。同園によると、ウサギと顔が似ているとして名付けられたという。 「海のウサギ」とも称されるラビットフィッシュは、和名「アイゴ」。日本列島周辺など、海藻の豊富な岩礁やサンゴ礁に生息する。海藻のほか甲殻類なども好んで食し、成長すると体長30センチほどまで大きくなる。背びれや腹びれにはとげがあり、有毒という。 23年1月6日までの展示。年末年始も営業する。
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電車から冬の夜空眺めて 東伊豆で1月7日にイベント
電車内から真冬の東伊豆町の夜空を楽しむイベント「月夜を駆けるムーンロードトレイン 満天の東伊豆号」(伊豆急行、町観光協会主催)が2023年1月7日に開かれる。乗車無料。 午後6時半ごろから同50分ごろにかけ、伊豆急行線の伊豆稲取と片瀬白田、伊豆熱川、伊豆北川、伊豆大川の5駅から乗車する。乗車中は月見のための停車時間も10分程度設ける。同9時過ぎから同じ5駅で順次下車できる。 協会は町内から望む月光の海面反射が「月の道」のように見えるとして、「ムーンロード」と銘打って売り出している。車内も当日は暗くし、月見ムードを演出。協会職員の青嶋優太郎さん(29)は「この企画でしか見られない風景を楽し
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ワニの背中をお掃除「1年の汚れきれいに」 熱川バナナワニ園
東伊豆町の熱川バナナワニ園は27日、同園で飼育するワニの大掃除を実施した。同園の年末の風物詩。飼育員たちが1年の汚れを洗い落とした。 同園ではワニ16種100頭ほどを飼育していて、分園の通称「ワニ池」(約500平方メートル)ではこのうち4種12頭が生活。池の水を抜いた上で、飼育員たちはブラシを手に「クチビロカイマン」6頭に近づいた。体長1・5~2メートルの中型だが活発で、時折大きな口を開けて「ガブリ」とかむしぐさも。背中をこすられると、落ち着いた様子で身を委ねた。 飼育員の菅原浩樹さん(29)は「1年の汚れをきれいに落とし、ワニたちに気持ちよく新年を迎えてもらいたい」と作業を進めた。
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年末恒例、ウミガメを掃除「1年でも長く元気で」 下田海中水族館
下田海中水族館(下田市)は27日、エントランスのウミガメ水槽の大掃除を行い、カメの汚れを洗い流した。体重100キロ超の巨体を飼育員が磨く様子を観光客が興味深そうに見守った。 水槽では体重約100キロのアカウミガメと約130キロのアオウミガメ(いずれも雄)を1頭ずつ飼育している。水を抜き取った上で、まずは水槽を掃除。飼育員の佐山拓実さん(23)らがタワシで長さ1メートルほどのカメの甲羅を磨き上げ、コケの付着を丹念に落としていった。年末の恒例行事。佐山さんは「カメたちに1年でも長く元気でいてもらいたい一心」と願いを込めた。
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郵便局強盗備え 下田で局員ら対処訓練
下田署はこのほど、強盗の対処訓練を下田蓮台寺郵便局(下田市)で開いた。郵便局員と署員約10人が、有事に備えて危機意識を高めた。 強盗役の生活安全課署員は「騒ぐな」などと局員を脅し、手提げ袋に現金を入れさせて逃走。この間、局員は緊急通報システムを使って警察とやりとりし、強盗が逃走後早期に確保されるよう男の特徴を伝えた。 同課の田中俊行課長は「賀茂地域は人けの少ない場所にある小規模な郵便局が多く、強盗に狙われる危険性を抱えている。日頃からの備えが肝心だ」と強調した。
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冬至 ゆず湯満喫 河津・踊り子温泉会館、25日まで実施
二十四節気の一つ、冬至の22日、河津町の町営踊り子温泉会館にゆず湯がお目見えした。来館者がユズの香りを楽しみながら無病息災へ願いを込めた。 男女露天風呂に、町内で採れたユズ計40キロが浮かんだ。ゆず湯は美肌や風邪の予防に効果があるともされ、来館者は温泉につかりながらつかの間のひとときを楽しんだ。 東伊豆町の会社員西塚努さん(56)は「香りと併せて季節感を楽しめる」と声を弾ませた。 ゆず湯のサービスは25日まで実施する。営業は午前10時から午後9時(最終受け付け8時半)まで。
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市役所 耐震補強へ 下田、移転前の全壊防ぐ 閉庁日中心に工事
下田市は24日から、市役所庁舎の耐震補強工事に乗り出す。本館と西館、別館の一部で耐震壁の増設や天井と柱の補強を実施する。関連事業費は1400万円で、閉庁日中心の工事。一部の通用口や通路が通行不可となるが、市民への影響は最小限にとどめる。 市によると、庁舎は震度6程度の地震で大部分が倒壊するとされている。各館はそれぞれ築44~65年。22日の定例記者会見で松木正一郎市長は「完全な形ではないが一定のレベルまで安全性を高め、全壊ではなく一部の損壊にとどめる」と説明した。 2026年度に予定する新庁舎移転までの「倒壊を防ぐ措置」に位置づけている。新庁舎整備は新築棟とともに旧稲生沢中校舎も再利用す
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バレーボール静岡県選抜 鈴木さん(下田中)26日から全国大会
全国都道府県対抗中学バレーボール大会の女子静岡県選抜に選ばれた鈴木真優さん(下田中3)が20日、下田市教委に山田貞己教育長を訪ね、活躍を誓った。 鈴木さんは174センチの長身を生かしたスパイクが身上。県選抜でも同様の役割が期待されている。「攻撃でチームの力となれるよう、家族への感謝を忘れずにプレーする」と言葉に力を込めた。 市教委によると、下田からバレー女子の県選抜入りは初とみられる。山田教育長は「何十年に1人の逸材かもしれない。思い切りよく、今回の経験を今後の競技人生に生かしてほしい」と激励した。 大会は26日に大阪府で開幕する。
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スイセン 潮風にそよぐ 下田・爪木崎で「まつり」開幕
約300万本が期間中咲き誇る「第57回水仙まつり」(実行委主催)が20日、下田市の爪木崎水仙園で開幕した。海岸沿いでスイセンが潮風にそよぐ。2023年1月上旬にも見頃を迎える見通し。 会場がある須崎半島は景勝地として知られ、突端には爪木埼灯台が立つ。園内の群生地には野水仙が広がり、岬の斜面ではかれんな白色と黄色の花々が県内外の観光客を楽しませている。市観光協会によると、開幕段階で三分咲き。例年並みという。 イベントは2023年1月31日まで。1月8、15、22日の3日間は、魚介と野菜を煮た郷土料理の漁師鍋「池之段煮味噌(いけんだにみそ)」が先着200人に振る舞われる。インスタグラムのフォ
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賀茂ごみ処理計画住民投票 下田の市民団体、2千人超署名提出
賀茂4市町の広域ごみ処理計画について、焼却施設建設に関する住民投票条例制定へ署名を集めていた下田の市民グループは20日、集めた署名簿を市選管に提出した。グループは2479人分を集めたとしていて、規定以上が集まったとみられ、市議会で制定案が審議される可能性が高まった。 賀茂4市町は下田と南伊豆、松崎、西伊豆。住民グループが市役所を訪れ、寺川悦男委員長に名簿を提出した。市民グループは廃棄ガスが市民の健康に影響を与えるなどとし、「計画に市民合意が無い」と反対姿勢を示している。 選管は2023年1月9日まで署名の選挙人名簿への登録状況などを審査。有権者の50分の1(1日現在357人)以上の有効性
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医療関係者ら連携強化へ 下田、賀茂地域の課題確認
医療や福祉関係者らが連携強化を目指す2022年度の賀茂圏域地域包括ケア推進ネットワーク会議が20日夜、県下田総合庁舎(下田市)で開かれた。賀茂地域が抱える課題を確認し、委員が意見を交わした。 県の担当者は在宅医療の課題として、終末期まで在宅で過ごせる実情や薬剤師の訪問業務の浸透が不十分と説明。講演会開催や薬局マップを活用して解決を図っているとした。認知症対策へ、市町の枠組みを越えた見守り体制強化の必要性を訴えた。 3月に改訂した県在宅療養支援ガイドラインの活用も呼びかけ、入院から退院後に至るまで病院と介護施設などの受け入れ先が情報共有と相互理解を図るよう求めた。 委員からは医療従事者の
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インスタ映えモニュメントやシャッターに絵… 下田高生が観光活性化策、県総合庁舎で意見交換会
静岡県立大による高校生向けの観光講座を受講した下田高の生徒は20日、市内の商工観光関係者らに観光産業の活性化策を提言した。県下田総合庁舎(下田市)で意見交換会が開かれた。 2~3年生4人が参加。観光客による周知を期待して伊豆急下田駅前に「インスタ映え」するモニュメントの設置を提言する声や、商店街のシャッターに絵を描いて「寂しさ」の解消につなげるとの意見が上がった。 3年の浅賀主税さんは同駅周辺の街灯が暗いと指摘。「観光客に与える印象が大きい」と改善を訴えた。 沢地大吉市観光協会長は「指摘の通り、下田のまちが以前より小さく、“暗く”なったのは事実だ」とし、移住者ら
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交通安全功労者と優良運転者を表彰 下田
静岡県交通安全協会下田地区支部はこのほど、2022年度の交通安全功労者と優良運転者の表彰式を下田市民文化会館で開いた。 下田署長と同支部支部長連名表彰銅賞の交通安全功労は下田市の青木勇さんに、同支部支部長表彰青銅賞の交通安全功労は同市の土屋範夫さんに贈った。一瀬英樹支部長は「地域の安全のため、引き続き周囲の手本であってほしい」とたたえた。優良運転者表彰は賀茂6市町の約80人が受けた。
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アロエの花見頃 潮風に揺れる「とんがり帽」 下田・板戸海岸
下田市白浜の板戸海岸でアロエの花が見頃を迎えている。ひときわ目を引くとんがり帽子型の朱色の花が潮風に揺れる。 海岸沿いの遊歩道約500メートル付近に2万本が咲き誇る。明治時代後期に漁師が南方から下田に持ち帰ったと伝わる。伊豆白浜観光協会によると、今冬は例年並みの開花状況で、遅咲きの花は1月上旬頃まで咲いているという。 同協会の石渡華南枝さん(58)は「国内でもなかなか見られない光景。海の青色と花の朱色の調和をぜひ楽しんでほしい」と来場を呼びかけている。 同協会は来月9日まで「アロエの花まつり」を開催。12月18日は謝恩デーとして、祝い餅やアロエ料理が振る舞われる。
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防犯功労者 管内1市5町17人を表彰 下田署
下田署はこのほど、防犯功労者への表彰伝達と署長感謝状の贈呈式を同署で開いた。管内1市5町の17人を表彰した。 防犯協会の関係者や検視に協力した医師らに田代圭吾署長が賞状を手渡した。田代署長は「長年にわたる地域への貢献に深く感謝したい」とたたえた。 受賞者は次の通り。 【県防犯協会連合会防犯功労者表彰】長田雅彦(河津町) 【署長感謝状】木田敏則(下田市)河井栄(同)高木洋行(西伊豆町)塩沢一志(同)浅井真(松崎町)大村敏之(西伊豆町)大石栄子(松崎町)大石延正(西伊豆町)藤井健仁(同)石井洋之(東伊豆町)高木徳一郎(西伊豆町)日吉美千子(下田市)河井文健(同)飯島孝明(南伊豆町)宮川栄
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東伊豆町「小中一貫校1校に」 町教委に答申 熱川小か熱川中が適地
東伊豆町の小中学校の再編を検討してきた町学校教育環境整備委員会は15日、現在の小中4校について「小中一貫校1校が望ましい」とする答申を町教委に提出した。町は元々一貫校2校とする構想だったが、予想を上回る急速な少子化で再検討を余儀なくされていた。 答申は出生数の急減を念頭に「早急な統合が望まれる」と強調。その上で、通学距離などを考慮し現在の熱川小か熱川中が適地とした。早期の設立が困難ならば、中学校の先行統合も視野に入れるよう添えた。 同町では2019年度に43人だった出生数が21年度には20人に急減した。22年4月に整備委を設け、保護者代表や学校関係者ら19人が10回の会合で答申をまとめた
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下田の山車“150年もの”? 底面に「慶応元年」 分解で発見
祭りの山車を解体したら、150年前の作品だった-。下田市の新田地区に伝わる山車を地域住民らが分解したところ、「慶応元年」(1865年)の文字が見つかった。江戸時代末期に作られた可能性が高まり、関係者は「下田の祭り文化を後世に伝える手段となる」と歓迎している。 この山車は下田八幡神社の例大祭で使われ、地域では「太鼓台」と呼ばれている。1975年ごろまで使われていたが、85年以降は下田開国博物館で展示していた。 博物館のリニューアルに伴う展示場所の移動のため、高さと幅がいずれも約2・5メートル、奥行き約2メートルの山車を11月中旬に分解した。すると、本体の底面に刻まれた慶応元年の文字が発見さ
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「小さくても活気ある町に」 東伊豆で町長と語る会
東伊豆町の岩井茂樹町長と町民が意見交換する「町長と語ろうまちづくりの会」が13日夜、町役場で始まった。就任1年目の岩井町長が自身の考えを示すとともに、活性化へ町民意見を募る。 岩井町長は町人口が二十数年後に現在の約半分の5千人超に減少するとの推計に触れ、「一歩ずつまちづくりを進めるしか道はない」と強調。人口減を緩やかにするため、地域と継続的に関わる「関係人口」を増加させる必要性を説いた。 災害対策や公共交通整備など、人口減を受け入れた上で町民が幸福を得られる環境整備にも注力するとし、「小さくても活気ある住みやすい町を目指す」と言葉に力を込めた。今後の日程は次の通り。時間はいずれも午後7時
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細野高原散策や新月の星空観測 東伊豆でツアー 12月、1月の計5日間
東伊豆町の細野高原で12月下旬から2023年1月にかけ、新月の星空の観測ツアーが開かれる。特に12月23日はこぐま座流星群の盛期とされ、関係者は流星群を見られる可能性があると参加を呼びかけている。参加無料。 12月23日と24日、25日、1月21日、22日の計5日間開催する。午後8時半から9時過ぎにかけて高原で星空観測や散策を楽しむ。町観光協会の青嶋優太郎さん(29)は「細野高原は周囲が海や山に囲まれているため、街の明かりが届きにくく絶好のスポット」と強調する。 東海バストラベル(伊東市)の主催。町内宿泊者優先で定員20人。当日は町内6カ所から専用バスが運行する。 問い合わせは同社<電
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JA下田支店 旧店舗の隣接地にオープン 鉄骨造り3階建て
JAふじ伊豆は12日、伊豆太陽地区下田支店のオープニングセレモニーを同支店で開いた。関係者約30人が新店舗の完成を祝った。新店舗は同市東本郷の旧店舗の隣接地にオープン。老朽化のため工事を進めていた。鉄骨造り3階建てで、延べ床面積は約2千平方メートル。1階に支店が入り、2023年1月からは伊豆太陽地区本部が2階に入居する予定という。 式典でJAふじ伊豆の鈴木道也会長は「組合や利用者だけでなく地域のためになる施設となってほしい」と述べた。
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記者コラム「清流」 ネットで買えない
「コレってアマゾンでも買えますか?」。市内在住のイラストレーターが講師を務めた下田市の小学校での授業。画材道具に関心を示した児童が何げなく質問した。 子供にもネット通販が購入時の最初の選択肢なのか-。確かにネットで何でも買える時代。賀茂地域への移住者も「ネット通販があるから買い物の苦労は少ないですよ」と口にしていた。今や子供も自在にスマホを操るし。 「旧町」と呼ばれる下田の商店街を歩く。人通りは多くないが、美味な菓子店はあるし、玩具店もある。「シャッター」は少なくないが魅力的に映る店も。直接のやりとりや、商品を実際に見て分かることもあるはずだ。子供の視線を誘導させるのも大人の役目だろう。
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「無冠の仏像」22点 無指定文化財紹介 下田・上原美術館
国宝や重要文化財として指定を受けていない名品に着目した展示会「無冠の仏像 伊豆・静岡東部の無指定文化財」が2023年1月9日まで、下田市宇土金の上原美術館で開かれている。所有する施設外では初めて公開された作品を含めた計22点が並ぶ。 三島市の長福寺に伝わる平安時代の十一面観音像と如来像は寺外初公開となる。頭部の形などに特異な点があり、由来も不明の神秘的な作品。裾野市の茶畑浅間神社の「四面神像」は四つの頭部がある国内唯一の女神像ともされ、平安時代の富士山信仰の影響が推察される。 来館者からひときわ注目を集めているのが国清寺(伊豆の国市)の彫像断片約130点だ。南北朝から室町時代の木造で、足
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高校生給食レシピコンテスト 木下さん加瀬さんV 東伊豆稲取高
東伊豆町の稲取高3年の木下花音さんと加瀬麻央さんのペアが、県賀茂農林事務所の「高校生による給食コンテスト」で最優秀賞に輝いた。12日に同校で表彰式が開かれ、2人は「栄養価が高く、おいしい伊豆の食材を小学生に食べてもらいたい」と声を弾ませた。2人のレシピは管内の小中学校給食で提供予定。 2人は「体に優しい」をテーマに、西伊豆町伝統の保存食潮かつおをだしに使ったけんちん汁や、タラのキノコあんかけなどを考案。クチナシで色を付ける東伊豆の伝統食「黄飯」も添えた。 コンテストは子供たちの地場産品への関心を高めようと2015年度から開催。今回は4校から19点の応募があり、地元の料理人や栄養士らが審査
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海岸沿い中心にウオーキング 1月7、8日に下田で
2023年1月7日と8日に下田市内で開かれるウオーキングイベント第25回下田水仙ツーデーマーチの実行委は14日まで、参加者を募集している。 海岸沿いを中心に、7日は10キロと20キロ、8日は6キロと10キロ、20キロのコースで実施する。スタートは両日ともに午前9時半。参加料は事前申し込みで一般1500円(当日2千円)で、賀茂1市5町在住者は500円。中学生以下は無料。 問い合わせは市観光交流課<電0558(22)3913>へ。
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お魚さんに冬の贈り物 下田海中水族館、サンタが餌付けショー
下田海中水族館(下田市)で、サンタクロースの衣装をまとったダイバーによる餌付けショーが始まった。25日まで。 施設内の入り江に浮かんだ水族船の「アクアドームペリー号」の大水槽には、真っ白な付けひげと赤と白の服装でサンタクロースを模したダイバーが登場。エイやネコザメ、カメにアジやプランクトンなどの餌を与えている。ダイバーの周囲にはあっという間に魚が集まり、来館者は驚きの声を上げていた。 長年実施している年末の恒例行事。飼育課の山根正太郎さん(25)は「季節ならではの雰囲気をぜひ味わってほしい」と来館を呼びかけている。 ショーは午前10時35分開始。24日と25日は午後2時35分にも観覧で
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バガテル公園 指定管理者案を可決 河津町議会
河津町議会12月定例会は7日、追加提出を含む13議案を原案通り可決、同意し閉会した。追加提出は、町営バラ園「河津バガテル公園」の指定管理者の指定案。指定管理者の選出に議会からお墨付きを得て、長年の町の懸案解消へ前進した格好。 指定管理者は全国でホテル運営などを手がける東京都の共立メンテナンスで、期間は2023年4月から3年。同園の指定管理者を巡っては2019年に初公募以降、選定作業がまとまらず、22年の3回目の公募でようやく同社に内定していた。 4700万円を追加する2022年度の一般会計補正予算案も可決。補正予算には、農家への燃料費や肥料代の補助金1200万円などを盛り込んだ。鈴木基教
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東伊豆町議会 13議案可決、承認 12月定例会閉会
東伊豆町議会12月定例会は7日、2022年度の一般会計補正予算案など13議案を原案通り可決、承認し閉会した。 補正予算は1億1400万円を追加した。ふるさと納税制度による歳入が当初見込みより2億円増額したため、経費や基金への積立供出などの歳出も併せて同額を増額する。物価高騰に伴う事業者への支援金1100万円も計上。新規事業の参入者に対する補助金は400万円を投じて拡充する。 一般質問には3氏が登壇し、観光振興や労働力不足の解消などについて町と意見を交わした。
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税に関する高校生の作文 下田高1年の鈴木さんが署長賞
下田高1年の鈴木七海さんがこのほど、国税庁が募集した「税に関する高校生の作文」で下田税務署長による表彰を受けた。 鈴木さんは「病院に通えることって当たり前?」と題し、祖母の通院に付き添った際、治療費の支払い時に感じた税金の役割などをしたためた。同校で望月孝伸署長による表彰状を手渡され、「自分が大人になったとき、税の役割をよく考えて納税したい」と話した。 賀茂地区1市5町の同税務署管内では、3校から139点の応募があった。
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ふるさと納税好調 南伊豆町 アワビ、伊勢エビなど海産物人気
南伊豆町は29日、ふるさと納税制度による2022年度の寄付金が、10月末現在で総額5900万円(前年同期比1%増)、件数が4474件(同13%増)と明らかにした。 岡部克仁町長が町議会12月定例会の行政報告で示した。件数増について、首都圏のケーブルテレビのCM放映などを要因に挙げ「PRが浸透してきた」と強調した。ふるさと納税の返礼品は冷凍イチゴやアワビ、伊勢エビが人気という。
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バガテル公園の指定管理者 園内で農産品、事業構想 河津
河津町営バラ園「河津バガテル公園」の指定管理者に内定した共立メンテナンス(東京都)が、施設内で農産品を栽培、収穫物による事業展開を構想していることが29日分かった。町議会議員説明会で町が明らかにした。 指定管理期間は2023年4月から26年3月まで。同社が自主事業として施設内で有機水耕栽培を実施。ネットショップでの販売などを実施するという。 町は23年度の負担経費として、指定管理料3千万円や土地の賃借料1千万円など合わせて4400万円を見込んでいるとも説明。これまでは年間5千万円程度を支出して経営を維持していた。 入園料は今まで通りバラの季節に合わせた変動制で、一部の種別で100~20
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南中跡地活用、民間事業者公募へ 河津町、12月にも要項公表
河津町は29日、同町笹原の南中跡地について、民間事業者による活用を探る方針を示した。同校は1980年に閉校。跡地は校舎解体後40年近くにわたり更地となっていて、事態が動く可能性がある。町議会議員説明会で明らかにした。 跡地は町中心部の約3千平方メートル。イベント駐車場や朝市の会場に活用していた。公募型プロポーザル方式で民間から提案を募った上で、土地を売却か有償貸付する方針。2021年1月に町公共施設整備検討委員会から「民間の力を活用することが望ましい」との答申を受けていた。22年12月にも要項を公表し、23年3月以降の契約締結を目指す。 跡地はかつて文化子育て複合施設の整備が持ち上がった
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共立湊病院の解体、利用 首長間の意見統一「まだ」 南伊豆町議会
南伊豆町の岡部克仁町長は29日、公立病院「下田メディカルセンター」(下田市)前身の共立湊病院(同町)跡地について、同センターの一部事務組合を組織する賀茂6市町の首長らによる運営会議内で、建物の解体と跡地利用を巡って「意見の統一が図られていない状況だ」と説明した。同日開会した町議会12月定例会で、加畑毅氏の一般質問に答えた。 「跡地利用を決めてから解体したいという思いを持つ管理者と、既に合意されている解体の完了までに跡地利用を決定すれば良いという複数の首長の意見がある」と明かした。一部事務組合の管理者は松木正一郎下田市長。岡部町長は、早期に組合の責任で解体するよう求めるとの立場を明らかにし、
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南伊豆の旧共立湊病院跡地活用 期限までに実現性ある案得られず
賀茂6市町で組織する公立病院「下田メディカルセンター」(下田市)の一部事務組合が、同センター前身の共立湊病院(南伊豆町)の跡地活用策の提案を呼びかけたものの、期限までに実現性のある意見を得られなかったことが28日までの関係者への取材で分かった。 活用策は、事業者から直接意見を聴取する「サウンディング型」で募集。関係者によると、県外2事業者から関心が寄せられたが、4億円程度とみられる解体費の負担割合などを巡り、組合は採算性を得られる内容ではないと判断したもよう。 跡地利用を巡っては同町議会が7日の臨時会で公有地としての保全を求める議員発議の意見書を可決した。組合関係者は「公有地として活用す
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いじめ「重大事態」なし 下田市対策会議、発生状況を確認
2022年度の下田市いじめ問題対策連絡協議会と市いじめ問題対策専門委員会の合同会議が28日、同市の道の駅開国下田みなとで開かれた。事務局の市教委はいじめの「重大事態」は発生していないとの状況を説明した。 市教委は同年度は10月末までに、小学校で82件(前年度比14件減)、中学校で17件(同28件減)のいじめを把握していると報告した。小学校は解消済みが39件(同21件減)、中学校は0件(同12件減)。件数は減少傾向にあるものの解消案件も減っている点については、安易に解消とせず丁寧な見守りを続けている結果と強調した。 一方、スマートフォンを使った「ネットいじめ」や、感情を制御できずに衝動的に
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ホウレンソウ 給食で味わって 下田高南伊豆分校の生徒が栽培
下田高南伊豆分校(南伊豆町)の生徒が授業の一環で栽培したホウレンソウが25日、同町の小中学校の給食にお目見えした。町関係者も試食し、今後も定期的に給食に活用する意向を示した。 南中小と南伊豆中の児童生徒約250人が、高校生が水耕栽培で育てたホウレンソウ入りのナムルを味わった。同小栄養士の地引捷人さん(27)によると、柔らかい食感が特徴で「生でも食べられる」と高評価した。 岡部克仁町長と佐野薫教育長も同小を訪ねて給食を味わった。同分校3年の原隆輔さんは「丹精を込めて育てた。多くの人に食べてもらえてうれしい」と声を弾ませた。
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賀茂、7割が地区内進学希望 高校再編協議会 3月にも「方向性」
静岡県教委は24日、静岡県立高再編案を盛り込んだ第3次長期計画(2018~28年度)の再検討に向けて賀茂地区に設置した地域協議会の第2回会合を下田市の県下田総合庁舎で開いた。首長や教育関係者ら委員に中学生と保護者の約7割が賀茂地区内への進学を希望しているとの調査結果を示した。池上重弘教育長は「来年3月には第3回の会合で方向性のようなものを議論できると思う」と述べた。 調査は9月から10月にかけ中学2、3年生194人、保護者169人から回答を得た。生徒の高校の選択基準は「通学のしやすさ」が最多で3割超。学校規模については、過度な少人数では競争機会が失われることなどから一定規模が求められている
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フンボルトペンギン、仲良く魚キャッチ 「良い夫婦の日」にイベント 下田海中水族館
数字の並びにちなんだ「良い夫婦の日」の11月22日、下田海中水族館(下田市)は夫婦の絆が強固なフンボルトペンギンのイベントを開いた。ペンギンたちが息の合った動きを来館したカップルらに見せつけた。 フンボルトペンギンは一度ペアになれば、基本的に片方が亡くなるまで同じ相手と添い遂げるとされる。同館によると、子育てを協力するだけでなく、そろって鳴いたり羽繕いをし合ったりする。 同館では24羽のフンボルトペンギンのうち9組が夫婦という。イベントでは雄キョーチャンと雌ハチオの夫妻が、飼育員貴堂彩花さん(26)が投げた餌のキャッチに挑戦。キョーチャンがイカナゴを器用にくちばしで受け止めると、来館者か
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公共交通の持続考える 識者招き講演や討論 東伊豆
東伊豆町の公共交通について考える講演会が20日、町役場で開かれた。公共交通の持続性確保が喫緊の課題で、町は識者の講演やパネル討論をまちづくりにつなげる考え。 町内では鉄道とバス、タクシーが運行。町は今秋実施の調査で自家用車が町民の主な移動手段となっていると分析する一方、免許返納後など将来的な移動手段確保を不安視する声が多いと報告した。 自身が関わる富山県朝日町の取り組みを紹介したのは、大手広告代理店「博報堂」の畠山洋平さん。住民が車で目的地に向かう最中に高齢者らが乗降する手法で、子どもの校外活動の足にもなっていると説明した。 呉高専(広島県)教授の神田佑亮さんは、住民の外出機会増加が地
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河津下田道路 1期区間起工 伊豆縦貫道南端、工事の安全を祈願
将来的に沼津市と下田市を結ぶ伊豆縦貫自動車道の南端部分「河津下田道路」の1期区間(延長5・7キロ、下田市箕作-同市六丁目)の起工式が19日、同市箕作で行われた。関係者約50人が、工事の安全に願いを込めた。開通時期は未定。 伊豆南部では高度な治療が受けられる伊豆の国市の順天堂大静岡病院に患者を搬送する場合1時間以上を要していて、縦貫道が全線開通すれば下田市からの搬送時間は半分程度に短縮される見込み。周辺の国道3路線では2019~21年度にかけ年間11~30回の通行止めが発生していて、災害時の緊急輸送路としての期待がかかる。下田港から首都圏への輸送時間減による海産物への需要増なども見込まれる。
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南伊豆町花の会 静岡県知事表彰を町長に報告
長年にわたり環境保全に尽力しているとして2022年度の県知事表彰を受けた南伊豆町花の会がこのほど、町役場に岡部克仁町長を訪ね、受賞を報告した。 同会の設立は1978年。現在は70代以上を中心に会員36人が町内9地区に分かれ、道路沿いや公園などの花壇整備に励んでいる。 岡部町長を訪問した内藤勲会長(80)は「会員は高齢化しているが、引き続き町のために励みたい」と気持ちを新たにした。岡部町長は「皆さんの力を借りて一層花を生かしたまちづくりを進めたい。受賞は努力のたまものだ」と称賛した。
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ラーメン180杯 障害者支援施設利用者らに 下田飲食店組合
下田料理飲食店組合は17日、下田市の障害者支援施設伊豆つくし学園を訪ね、利用者らにラーメン約180杯を振る舞った。外食の機会が少ない中で、飲食店の味を楽しんでもらう狙い。 同学園のほか、ワークあおぞら、すぎのこ作業所(いずれも下田市)、東伊豆ワークセンター(東伊豆町)の4施設の利用者と職員に、組合の有志12人が塩ラーメンを提供した。利用者らは伊豆の塩を使ったまろやかなスープとボリューム満点の麺を満足げに味わった。 組合長の土屋修さん(52)は「少しでも楽しい時間を過ごしてほしい」と願いを込めた。同学園施設長の内田哲正さん(72)は「コロナ禍で外出機会も減っている。毎年振る舞っていただき、
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ボディービル白井さん 世界大会への出場報告 下田市役所訪問
ボディービルの世界大会に出場した下田消防署河津分署の消防士白井寛人さん(29)=下田市=が16日、市役所に松木正一郎市長を訪ねた。上位進出はかなわなかったが、気持ちを新たにして雪辱を誓った。 白井さんは9月の日本クラシックフィジーク選手権大会を制し、11月2日から7日にスペインで開かれた世界選手権に挑んだ。2種目に出場し、それぞれ22人中10位、15人中11位だった。 現地に到着後、食中毒に見舞われたという。それでも、初の世界大会はトップレベルと競う貴重な機会になったと強調。「別種目への出場も視野に、次は優勝を目指したい」と前を向いた。 松木市長は「逆境に立ち向かい、よく頑張った。ぜひ
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下田市結団式 主将が決意「躍進へチーム一丸」【市町対抗駅伝】
下田市チームは17日夜、選手団の結団式を同市の中央公民館で開いた。 下田市チームは前年市の部23位からの躍進を狙う。鈴木勝弓主将(44)=下田OA=は決意表明で、「夏からの練習成果を発揮できるように頑張る」と言葉に力を込めた。 代表旗を授与した松木正一郎市長は「一つでも上の順位を目指し、下田の代表として本領を発揮してほしい」と激励した。
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「広報ひがしいず」600号 魅力ある紙面へ 思い新た
東伊豆町の広報紙「広報ひがしいず」が11月、1961年の創刊から通算600号に達した。担当の町企画調整課の山崎麻紀子さん(47)は「これからも町民のためになる情報を届けたい」と気持ちを新たにしている。 600号の表紙は、500号以降の表紙をずらりと並べたデザイン。伝統の「雛(ひな)のつるし飾り」を捉えた写真などが彩っている。 紙面では、過去の記念号も紹介。100号時(82年)の町消防署設置の歴史などを振り返っている。次号の101号から月1回の発行となった。今冬の「地域防災の日」(12月4日)に合わせ、非常時の持ち出し品リストも掲載している。 編集を一手に引き受けている山崎さん。以前から
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世界的名画「まなざし」に着目 下田・上原美術館で企画展
モデルの人物の視線や画家自身の視点に着眼した上原美術館(下田市宇土金)の企画展「まなざしをみる」が2023年1月9日まで開かれている。ピカソらの世界的名画など27点が並ぶ。 「貧しき食事」(1904年)は、ピカソが初めて制作したという銅版画。食卓を前に男性は横を向く一方、女性は凛(りん)としたまなざしを投げかける。正面から描いているにもかかわらず、立体感があるのはセザンヌの「ウルビノ壺のある静物」(1872~73年)。セザンヌは同時期に実験的な作品を多く残した。 当時89歳のシャガールが20代の自身を表現した「ラ・リューシュの思い出」や、影の中から女性が見つめてくるドランの「婦人像」など
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記者コラム「清流」 「世界は誰の為に」
日本・ロシア協会下田支部の杉坂太郎代表がつぶやいた。「戦争が終わる兆しすらない。国際情勢を考えれば、日ロ関連の行事の中止はやむを得ない」。その無念さはいかほどだろうか。 江戸時代からロシアと縁のある下田では、今秋も市などによる実行委がロシア水兵らの慰霊祭を予定したものの、中止となった。支部も独自開催を探ったが、断念した。 「開催できるかもと思っていたのにごめんね」-。謝る杉坂さんに胸が締め付けられた。かの国の為政者は、友好の糸を紡いできた市民の思いまで踏みにじった。 「来年こそ」などと言える状況ではない。戦火がやむのを願うしかできない現状がもどかしい。それでも、糸が途切れぬよう奮闘して
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11月11日「チンアナゴの日」に展示解説 下田海中水族館で催し
1が並ぶ11月11日は「チンアナゴの日」-。下田海中水族館(下田市)は11日、砂の底から棒のように体を出す姿が人気のチンアナゴの展示イベントを同館で開いた。職員が来館者に生態を解説した。 チンアナゴは体長30~40センチ程度。職員は「チン」の由来が希少を示す「珍」ではなく、イヌのチン(狆)に顔が似ていることだと説明した。群れで生活し、水流で運ばれるプランクトンを食べるため、皆同じ方向を向くことも紹介した。泳ぐ姿を披露するのは、引っ越しの際などにとどまるという。 来館者はひょっこりと顔を出す水槽の中のチンアナゴを興味深そうに観察した。 同館によると、チンアナゴの日は東京都のすみだ水族館の
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電動キックボードのレンタルスタート 下田市観光協会、年末まで
下田市観光協会が電動キックボードのレンタルを始めた。市の委託を受けた実証実験で、観光客らの中心市街地の周遊促進を図る狙い。有料で年末まで実施している。 同市外ケ岡の道の駅開国下田みなとに4台を準備した。充電式で最長40キロを走行可能という。協会は道の駅を発着点にしたモデルコース(3キロ)を用意。海岸近くを走行し、下田海中水族館や国指定史跡の了仙寺などを巡る。観光協会はバス停から離れた施設への来訪にも役立ててもらいたい考え。 協会担当者の鈴木紋子さん(41)は「これまでにレンタルした人からは好評を得ている。実証実験を通じ観光客の動向を確認したい」としている。 電動キックボードは「原動機付
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代表メンバーを選出 南伊豆町、主将は竹本さん【市町対抗駅伝】
静岡市で12月3日に開かれる県市町対抗駅伝(静岡陸上競技協会、静岡新聞社・静岡放送主催)の南伊豆町チームは11日までに、代表メンバーを選出した。 南伊豆町は前回大会で2時間34分0秒。町の部12チーム中8位だった。主将は40歳以上区間の竹本康幸さんが務める。 選手団は次の通り。 監督 笠井慎▽コーチ 山田政弘▽選手 桜田彪雅(南伊豆東小6)鈴木陽音(南中小6)山根心太(南上小6)横田明澄(同)外岡陽楠(南中小5)桜田はづき(南伊豆東小4)稲葉絆太(南伊豆中3)外岡勇望(同)渡辺勘太(同)遠藤雫(同)渡辺結(同)井上彩姫(南伊豆東中2)山田莉々(同)秋山葉音(下田高3)山根楽久(同1)秋
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道の駅函南に“学校” ソフトクリームスタンド一新 廃校備品を活用
道の駅伊豆ゲートウェイ函南(函南町)内の人気施設、特産の丹那牛乳を使ったソフトクリームスタンドが11月下旬から、学校を模した空間に生まれ変わる。活用されるのは、廃校となった下田市の旧稲梓中の備品。10日には関係者が校舎を訪れて譲渡品を確認した。 丹那牛乳は工場周辺に酪農生産者が集中しているため、絞りたてに近い風味を保持できるとして、県東部の学校給食でも親しまれている。観光関係者らで組織する町農泊推進協議会はソフトクリームスタンドの一角を、学校を模したデザインにし、観光客らに広く特産品のイメージを周知しようと企画した。 譲渡されるのは、校長室の表札など10点。本棚を商品棚に、黒板は掲示板に
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飲料水2400本 ダイドーが寄贈 南伊豆のマラソン大会
ダイドードリンコ(大阪市)は8日、12日に開かれる南伊豆町みちくさウルトラマラソンの実行委に飲料水2400本を贈った。 500ミリリットルのペットボトルで、競技中の走者に渡す。中部第二支店(吉田町)の名倉正和支店長(57)が町役場に岡部克仁町長を訪ね、「雄大な景色を走るランナーの力になりたい」とパネルを手渡した。岡部町長は「一大イベントへの支援に心から感謝したい」と述べた。 マラソン大会には約600人がエントリー。同社はこれまでにもマラソン大会のほか、同町へ災害備蓄用の飲料水などを寄贈している。
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賀茂ごみ処理計画 特別委設置を請願 下田の市民グループ
下田の市民グループが8日、賀茂4市町が進める広域ごみ処理計画について、市議会に特別委員会の設置を求める請願を提出した。 4市町は下田と南伊豆、松崎、西伊豆で、市清掃センター敷地内の焼却施設を建て替える構想。請願では計画が周辺住民らの健康に影響を与えるとし、説明が不十分などと訴えた。 市民9人が市役所を訪れ、提出した。請願を受け取った進士浜美副議長は「9日に議会運営委員会を開き、取り扱いを検討する」と述べた。 グループは、10日には焼却施設建設に関する住民投票条例制定を市に請求する。
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子育て支援センター「かわづっこひろば」開所 看板を披露
河津町地域子育て支援センター「かわづっこひろば」が6日、オープンした。地元の親子連れらが早速足を運び、思い思いの時間を楽しんだ。 式典では絵本作家の本信公久さん(78)=東京都=が手がけた、施設名をあしらった看板がお披露目された。町内でワークショップや個展を本信さんが開いた縁で実現。式典後には本信さんを招いた絵本の読み聞かせイベントも開かれた。岸重宏町長は「土日もオープンしているので、多くの町民に使ってもらいたい」と期待を寄せた。 施設には3人程度の支援員が常駐し、遊具と絵本をそろえた保育室などを備える。保護者からの子育て相談や、有料の一時預かりも受け付ける。午前9時半から午後4時半の開
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「津波防災の日」前に負傷者救助訓練 下田署
下田署は1日夜、5日の「津波防災の日」を前に負傷者の救助訓練を同署で実施した。 大地震で建物が倒壊したとの想定で、庁舎を集合住宅に見立てて訓練した。署員20人が暗がりの中、「声が出せなければ音を出してください」などと署内を捜索。がれきの下敷きになった負傷者役を発見すると、出血や体調を気遣った上で担架に乗せて運んだ。 木や車両のドアを切断する資機材の使用方法も確認した。田代圭吾署長は「南海トラフ巨大地震が今まさに起きるかもしれないという想定で、市民にも災害に備えてもらいたい」と呼びかけた。
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河津町民文化祭 園児、児童らの作品600点 6日まで
第41回河津町民文化祭(町文化協会主催)が3日、同町の河津バガテル公園で始まった。6日まで。 会員や園児、児童生徒ら約300人が600点ほどを出品した。フランスの町並みを描いた風景画や、花々を表現した静物画などが並ぶ。押し花の代わりにワカメなどを使った「海藻おしば」や文芸作品、書作品なども展示している。 アクセサリーやティッシュカバーなど、会員らが指導する手作り作品の体験教室も実施している(午前10時から午後3時まで)。
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松崎・雲見温泉街 台風被害の民宿、2カ月半ぶりようやく再開
8月の台風8号で大規模被害を受けた松崎町の雲見地区。特に民宿はかき入れ時に休業を余儀なくされ、大打撃を受けた。被害から2カ月半となる2日、床上浸水などの大きな被害を受けた民宿のうちの1軒「川端荘」がようやく再開した。主人の高橋英男さん(62)は「温泉街の夜が再び活気づくよう、地域に“明かり”をともしたい」と前を向いた。 川端荘を同日午後、宿泊者が久しぶりに訪れた。休業中には常連から連日のように連絡があった。「再開に向けて本当に励みになった」と語るのは、おかみの高橋みき子さん(61)。被害が大きかった太田川沿いの宿の中で先陣を切って再開を果たした。台風の襲来時、玄関の
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東伊豆の夜楽しんで 「ムーンロード」列車9日運行 伊豆急行
東伊豆町観光協会と伊豆急行は9日夜、貸し切りの伊豆急行線の車内から月見を楽しむイベント「月夜を駆けるムーンロードトレイン」を開催する。定員200人で、乗車無料(予約制)。 「月見列車」は午後7時半ごろ伊豆稲取駅を出発。片瀬白田と伊豆熱川、伊豆北川、伊豆大川の各駅からも乗車できる。およそ2時間半かけて運行し、車内ではクラフトビールや軽食を無料で提供。抽選会やアコーディオンの演奏も実施する。降車も5駅で行う。 協会では、町内から望む月光の海面反射が「月の道」のように見えるとして、「ムーンロード」とPRしている。職員の青嶋優太郎さん(29)は今春の町内観光協会の統合を機に、ムーンロードを町内の
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河津子育て支援センター 6日開館 竣工式「誇れる施設に」
河津町は1日、町地域子育て支援センター「かわづっこひろば」の竣工(しゅんこう)式を同所で開いた。町待望の施設の完成を関係者約30人が喜んだ。6日にオープンする。 施設は役場に隣接し、鉄骨造り平屋建ての延べ床面積約650平方メートル。3人程度の支援員が常駐し、遊具と絵本をそろえた保育室や、多目的室などを備える。 保護者からの子育て相談の受け付けや、一時預かり(有料)などを展開。町の講座受講者が児童らを預かる「ファミリーサポートセンター事業」も実施する。 新型コロナウイルス感染症拡大による海外からの資材納入の遅延などにより、開設時期を2回延期していた。岸重宏町長は「時間はかかったが、他市町
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ウミガメ 体重130キロ! 下田海中水族館で測定イベント
下田海中水族館(下田市)は1日、同日の「計量記念日」にちなんだ動物の体重測定イベントを同館で開いた。ウミガメを専用の体重計に乗せ、来館者は予想を上回る重量に驚きの声を上げた。 エントランスの「ウミガメ池」の水を計測のため全て抜き、専用の体重計を用意した。飼育員たちはなかなか動かないカメを、5人がかりで体重計の上にようやく上げた。雄のアオウミガメは130キロ。少なくとも55年前の同館開業時から飼育されているといい、健在ぶりをアピールした。 計測は「年に1回あるかないか」(同館)の機会。飼育員の中西健さん(26)は「体重はほぼ横ばい。しっかり食事をして元気な証拠」と太鼓判を押した。池で飼育
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静岡人インタビュー「この人」 「伊豆の踊子」の伝承に努める 小野英樹さん(河津町)
今春、没後50年を迎えた川端康成の「伊豆の踊子」の舞台にもなった河津町の職員。映画版「踊子」のフィルムを修復させ、ゆかりの地を広く知ってもらおうと奮闘中。裾野市出身。55歳。 -フィルム修復の経緯は。 「『踊子』の映画は全6作あり、そのうち4作分の16ミリフィルムを、主人公一行が滞在した湯ケ野地区の観光協議会と町が1989年に購入した。協議会が管理し『伊豆の踊子文学祭』でも上映していたが、解散したため映写機とともに町が引き継ぎ、修復会社に頼んできれいな映像で見られるようにした」 -修復の意義は。 「持っているだけでは宝の持ち腐れ。今後は上映会開催などを通じ、川端康成の功績を語り継ぐ一
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東伊豆 細野高原「草原の里100選」に 稲取の管理団体に認定書
各地の自治体で組織する「全国草原の里市町村連絡協議会」が選ぶ「未来に残したい草原の里100選」に、東伊豆町の細野高原を管理する稲取地区特別財産運営委員会が選ばれた。町役場でこのほど、団体に認定書が授与された。 細野高原は125万平方メートルの広大な草原にススキがそよぎ、県内外から観光客が訪れている。運営委は約20年間にわたり山焼きなどを実施。加盟自治体の持ち回りで協議会会長を務めている岩井茂樹町長が、運営委員長の山田賢一さん(73)に認定書を手渡した。 山田さんは「選定を機に一層地域のために励みたい」と気持ちを新たにし、岩井町長は「絶景があるのみならず、山焼きをはじめとした丁寧な管理が
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暴力団排除へ一層団結 東伊豆で住民大会 下田の事件受け強調
下田署管内暴力追放推進協議会は30日、2022年度の「暴力追放、銃器・薬物根絶住民大会」を東伊豆町の熱川小で開いた。下田市の海水浴場ではパラソルを貸し出していた市民を脅したとして暴力団幹部が9月に逮捕されていて、関係者約70人が暴力団排除へ一層の団結を確認した。 推進協会長の岩井茂樹東伊豆町長は「社会悪の排除へ総力を結集しなければならない」と強調。同市の白浜大浜海水浴場では、正規の許可を得てパラソルの貸し出しをしていた市夏期海岸対策協議会原田支部を脅し、業務を妨害したとして同署が9月、指定暴力団稲川会大場一家の総長らを逮捕した。 同署によると、総長らは今夏から民間警備員が雇われて海水浴場
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金メダリスト、下田の海に サーフィン米国代表のムーア選手、地元中学生と交流
東京五輪サーフィン競技女子金メダリストのカリッサ・ムーア選手(米国)が29日、自身が代表を務める財団の活動の一環で、今春創部の下田中(下田市)サーフィン部と同市の白浜大浜で交流した。 ムーア選手は27日に来日。28日から3泊4日の日程で市内に滞在し、市民と交流するほか、日米和親条約の細則を決めた下田条約締結地の了仙寺を訪問するなど、下田の歴史に理解を深める予定。白浜大浜では部員14人とともに海に入り、華麗なボードさばきで周囲を魅了した。 下田市は2021年東京五輪に際し、米国のホストタウンに登録された。今回の来訪受け入れは五輪のレガシー創出や、市民の国際化推進が狙い。ムーア選手は、31日
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白井さん(下田) ボディービル世界大会へ 「わくわくする」
下田市白浜の白井寛人さん(29)が、11月にスペインで開かれるボディービルの世界大会に出場する。28日に市役所に松木正一郎市長を訪ね、「世界の実力者たちとの戦いにわくわくしている」と意気込みを示した。 白井さんは下田消防署河津分署の消防士で、9月の日本クラシックフィジーク選手権の175センチ超級で優勝。世界切符を手中にした。クラシックフィジーク種目は通常のボディービル競技とパンツの長さやポーズが一部違うといい、筋肉の大きさなどの審査を受けるという。 大学在学中から独学でトレーニングを始め、卒業後は下田で自宅の小屋を改装して鍛錬。さらには父の誠さん(61)とトレーニングジムを手作りするなど
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ふるさと賞奪還目指す 河津町、結団式で意気込み【市町対抗駅伝】
12月3日に静岡市で開かれる県市町対抗駅伝(静岡陸上競技協会、静岡新聞社・静岡放送主催)の河津町チームは29日夜、結団式を河津中で開いた。 河津町チームは前回大会で2時間35分27秒で町の部10位だった。第1回大会からエントリーを続ける片山径介主将(37)=南小教諭=は「少しでも経験を還元したい」と強調。人口1万5千人未満の市町の1位に与えられるふるさと賞の奪還を目標に掲げた。 岸重宏町長は「一人一人が目標を達成すれば必ず良い結果に結びつく」と激励した。 選手団は次の通り。 団長 榎本良治▽監督 大坪宏▽コーチ 村串弘親▽選手 吉森温究(西小6)堀江陽太(同)西村渚(南小6)酒井聖夜
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下田海中水族館 “映画の世界”に 「天間荘の三姉妹」ロケと同じセット
下田海中水族館(下田市)のエントランスが28日、映画で使用された当時の風景に再現された。映画のロケ地となった際と同様のセットを施し、ファンに来訪を呼びかけている。11月6日まで。 当地で撮影されたのは、10月28日公開の「天間荘の三姉妹」。「三ツ瀬水族館」の名で作中に登場している。制作会社から撮影時の看板などを譲り受け、エントランスに映画の風景を再現。作中のイルカショーの案内板も展示し、記念撮影を促す。 映画には同館のバンドウイルカのランも「重要な役どころ」(同館)で出演していて、イルカショーの際に主演ののんさんによる案内放送を流す。作品は水族館のほか市内や東伊豆町が撮影地となり、館内で
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下田市長と語る会 175人が参加
下田市の松木正一郎市長は28日の定例会見で、10月に実施した「市長と語る会」に、175人が参加したと明かした。 語る会は7回実施。特に伊豆縦貫自動車道の延伸について「市民の相当な期待があるようだ」と説明した。移住定住対策にも関心が高いとし、「コロナ禍で完全な移住だけでなく、二次的な居住地を下田市に求める都会の人が増えている」との見解を示した。
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南伊豆町ごみ収集車デザイン 鈴木さん(南伊豆東小)最優秀
南伊豆町内の小学生から作品を募ったごみ収集車のデザインコンテストの表彰式がこのほど、町役場で開かれた。最優秀賞は南伊豆東小2年の鈴木ののはさんが選ばれた。 伊豆南部地域で廃棄物処理などを展開する栄協(下田市)が開催した。鈴木さんはごみを拾う少女や海の生物を色彩豊かに表現。鈴木さんら受賞者6人の作品は、町内を走る収集車3台にラッピングされる。鈴木さんは「自分の描いた絵が町中を走るなんてうれしい」と喜んだ。 コンテストは2021年に続き2回目。町内児童42人が応募した。そのほかの受賞者は次の通り。 優秀賞 外岡なつ(南中6)冨田奈菜(同1)山田蓮大(南上1)▽特別賞 鈴木瑛麻(同2)▽社長
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補正予算案を可決 河津町議会臨時会
河津町議会は25日、臨時会を開いた。1億2100万円を追加する2022年度の一般会計補正予算案を原案通り可決した。補正予算には町有地の購入費3700万円を盛り込んだ。11月にオープンする町地域子育て支援センターの隣接地で、施設の駐車場として活用する。電気代やガス代などの高騰を受け、住民税非課税世帯などへの支援金の給付事業費5800万円を盛り込み、ガソリン購入の補助事業関連費1600万円も計上した。
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下田グランドホテル跡地 市が再度取得へ 民間契約不成立で
下田市は25日、市の土地建物取得の方針表明後に民間の購入希望者が現れた下田グランドホテル跡地について、この希望者の契約交渉が不調に終わったため、市が改めて取得を目指すとの方針を示した。松木正一郎市長は市議会全員協議会で「民間の動向を注視していたが、買わない意思がはっきりした。当初想定していた手続きを進める」と説明した。市は防災公園としての整備を見据えていて、計画が元のさやに収まった格好。 跡地を巡っては市が取得方針を示したが、取得案を2021年12月に市議会が一度否決。取得費用100万円を計上した22年度市公共用地取得特別会計が同年3月、改めて可決されるなど異例の経過をたどっている。 市
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「一貫教育が地域愛育む」秋田県立大・板垣教授 下田高同窓会総会で講演
賀茂地区に中高一貫校の設立を求めている下田高同窓会は23日、2022年度の総会を下田市の同校で開いた。同校卒業生で、少子高齢化が進む地域の教育問題に詳しい秋田県立大の板垣直行教授が基調講演した。 賀茂では近年高校入学者の定員割れが続く。板垣教授は秋田県の中学校卒業者がこの20年ほどで半数近く減っていると解説。高校入試の倍率やボーダーラインが低下し、競争意識の低下が懸念されていると説明した。 少子高齢化が著しい秋田県における地方創生の取り組みを紹介し、地域の存続へ「地域愛を育むためには、中高のみならず小学校や大学とも連携した一貫教育が必要だ」との見解を示した。 構想案では現在の下田高の学
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下田-神津島間 あぜりあ代役にくろしお丸 神新汽船フェリー
下田港と神津島など伊豆諸島を結ぶ神新汽船(東京都)の「フェリーあぜりあ」の点検整備を受け、代役の「くろしお丸」が運航している。11月1日まで(10月26日は運休)。 あぜりあの点検中は2021年まで「ゆり丸」が代役を担っていた。老朽化で代わりに造船されたくろしお丸は伊豆諸島開発(東京都)の所属で、ゆり丸に比べて高速かつ、定員もほぼ倍増した。客席にモバイル電源を備えるなど、快適化も図ったという。
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教職退職者ら50人 絵画や書、写真展示 下田で文化作品展
賀茂地区の教職退職者らによる第12回文化作品展(県教職員互助組合賀茂支部主催)が21日、下田市の道の駅開国下田みなとで始まった。23日まで。 現職の組合員を含む1市5町の約50人が、絵画や書作品、写真など約100点を出品した。京都の桂離宮の庭園を丹念に表現した水彩画や、燃える夕焼けに染まる西伊豆町の港を捉えた写真などが並ぶ。 同支部事務局長の竹内定さん(60)は「コロナ禍で3年ぶりの開催。それぞれ作品制作が生きがいなので、例年になく力が入っている」と来場を呼びかけている。
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アサギマダラの飛来本格化 下田、花の蜜求め舞い降りる
下田市の相玉地区で、毎秋恒例のチョウ「アサギマダラ」の飛来が本格化している。関係者によると、10月末ごろピークを迎え、11月5日ごろまで飛来する見込みという。 相玉地区では、アサギマダラが好むとされるフジバカマを、地域有志「下田アサギマダラの会」が下田セントラルホテルの敷地内に植栽。今秋は11日から数匹ずつ飛来し、20日に50匹ほどが花の蜜を求めて舞い降りてきた。ピーク時には、1日100匹ほどの飛来が期待される。 21日も花々にアサギマダラが止まり、観光客らが熱心に見入った。同会の土屋茂会長(73)は「花の開花が遅かった分、飛来も遅れているようだ。月末に向け飛来が増えていってほしい」と期
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下田の観光従事者 「開国の地」歴史学ぶ 玉泉寺や了仙寺巡る
下田市と市観光協会は21日、市内の観光従事者向けの周遊ツアーを市内で開催した。「開国の地」として知られる市内の史跡などを巡り、史実を理解した上で旅行者に魅力を伝えてもらう狙い。 ホテル従業員ら11人が参加した。1856年に米国のタウンゼント・ハリスが着任、日本初の領事館が開設された玉泉寺では、村上文樹住職(72)が国指定史跡の同寺における幕末からの歴史を解説。黒船乗組員や、ロシア使節プチャーチン提督が率いて来航した「ディアナ号」乗組員の墓所を案内し、碑がそれぞれの母国に向けられていると紹介した。 村上住職はハリス滞在時の逸話に触れ、「下田の歴史の真実をしっかりと知ってもらい、多くの観光客
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輝くススキと海一望 東伊豆町稲取の細野高原 11月4日まで催し
東伊豆町稲取の細野高原でススキが見頃を迎えている。125万平方メートルの広大な草原にきらめく穂が秋風に揺れる中、観光客が散策を楽しんでいる。 同高原では町観光協会が11月4日まで「秋のすすきイベント」を開催していて、ガイドによる案内やスタンプラリーなどを実施している。高原内の三筋山(標高821メートル)山頂からは相模湾や伊豆七島を一望できる。協会事務局次長の前田陽司さん(48)は「ススキと海を一度に見られる場所は全国的にも珍しい。空と海の青とススキの黄金色のコントラストをぜひ楽しんで」と呼び掛けている。 中学生以上は500円の入山料が必要。
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河津バガテル公園の指定管理候補 都内企業を選定 先行きにめど
河津町は19日、町営バラ園「河津バガテル公園」の指定管理者が、全国でホテル運営などを手がける共立メンテナンス(東京)に内定したと明らかにした。異例とも言える3度に及ぶ指定管理の公募を繰り返した町の象徴的施設は、約3年を経てようやく、先行きのめどがたった。岸重宏町長が町議会議員説明会に報告した。 同社は2回目の公募でも唯一応募していたが、審査の評価が基準点に達しなかった。3回目には2社から応募があり、町は「財政基盤や、同様の指定管理を数多くやっているのが一番の選定理由」と説明。道の駅や公園など約20施設の指定管理の経験があるという。 今後は同社を指定管理の候補者として協議を進め、12月に町
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秋の下田巡り デジタルスタンプ集めよう 11月30日まで
下田市観光協会は11月30日までデジタルスタンプラリーを開催している。夏場が観光客の来訪ピークの下田市で、端境期に市内の周遊を促す狙い。 協会のLINE(ライン)アカウントを登録した上で、上原美術館や下田海中水族館などの対象施設を巡り、各施設でQRコードを読み取る。“スタンプ”を得るには入館など施設を利用する必要がある。8カ所の対象施設のうち3カ所以上のスタンプを集めると、8千円相当のキンメダイ商品の詰め合わせが当たる抽選(50人)に申し込める。 スタンプラリーは過去にも開催していたが、ラインアカウントの開設を機にデジタル化した。協会事務局長の藤原徹佳さん(55)
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地域おこし協力隊に野添さん 下田で移住コーディネーター
下田市はこのほど、新任の地域おこし協力隊の委嘱式を市役所で開いた。新たに任命されたのは野添裕紀さん(37)=さいたま市出身=。「移住コーディネーター」として活動する。 文具やバッグをはじめとした企業の「ノベルティーグッズ」の企画営業をこれまで手がけていたという。下田では移住希望者と実際に移住した市民の交流促進や、移住後の支援などに意欲を見せる。 野添さんは「首都圏では、移住に興味がありながら一歩を踏み出せない人が多い。後押しするとともに、下田の豊かな自然を広く発信したい」と意気込んだ。松木正一郎市長は「行政と市民をつなぐ役割として積極的に物事に挑戦してほしい」と激励した。市によると、市が
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河津町商工会が60周年 気持ち新た「会員の英知集結」
河津町商工会はこのほど、創立60周年の記念式典を町商工会館で開いた。関係者約80人が気持ちを新たにした。 同商工会は1962年5月に本県最後の商工会として設立された。式典で長谷川延之会長は「河津桜まつり」などの意義を強調した上で、「新型コロナウイルス禍の難局を乗り切るため会員の英知を集結する」と言葉に力を込めた。 60年間の歩みを写真で振り返り、まちづくりに関するセミナーも実施。式典には姉妹商工会の愛知県新城市商工会の関係者も出席した。 優良従業員の表彰も実施した。勤続30年以上の特別永年表彰を受けた会員は次の通り。 今村春一(黒田板金工業)岩谷博史(同)太田きみ代(佐藤医院)加藤祐
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秋の味覚「モクズガニ」漁期 河津町内の旅館、塩ゆでや鍋で提供
河津町の秋の味覚「モクズガニ」が漁期を迎えている。産卵に備えて川を下る秋のカニは脂が乗っているとされ、提供店舗は少ないものの町内の宿泊施設で味わえる。 1日から漁が解禁となり、伊豆では「ズガニ」とも称される。魚の切り身を「もじり」と呼ばれる漁具のかごに入れ、夜行性のため夕方に河津川に設置し翌朝引き上げる。13日も甲羅の大きさが10センチ程度の約20匹が水揚げされた。 漁期は来年2月までで、ピークは年内。河津川漁協によると、台風の影響で川の水位が上がったためもじりの設置が一部でできないが、今後スタートできる見込み。 旅館「川ばた」では、塩ゆでや鍋などで提供。殻ごとつぶした上でこした汁物の
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下田高同窓会「中高一貫校設立を」 要望内容、ポスターを掲出
賀茂地区に中高一貫校の設立を求めている下田高同窓会はこのほど、要望内容の周知活動を始めた。手始めに23日に同校で開く総会で卒業生に広くPRし、要望の輪を広げたい考え。 同窓会は伊豆急行の各駅などにポスターを掲出している。総会では同校卒業生で少子高齢化地域の教育問題に詳しい秋田県立大の板垣直行教授を講師に招き、基調講演やパネル討論を通じて中高一貫校の設立を考える。 構想案では現在の下田高の学科体制はそのままに、中学校併設の必要性を訴える。他地域からの生徒受け入れも視野に地域のリーダー育成なども掲げている。長田育郎会長(70)は「少子化で子供の流出も激しい。魅力的な教育環境の整備が急務だ」と
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伊勢エビ おなかいっぱい 南伊豆町で「早むき大食い選手権」
全国有数の伊勢エビの産地として知られる南伊豆町の石廊崎オーシャンパークで9日、特産の逸品を味わえるイベント「伊勢海老づくしの特別な日」(町観光協会主催)が開かれた。「早むき大食い選手権」が催され、ゆでたエビを観光客が黙々と食べ進めた。 選手権には10チームが参加した。基本的に2人一組で、15分間で1人1キロを早く食べきれるか勝負した。伊勢エビの殻の中に身を残さないかも審査のポイントとされ、参加者ははさみを使いながら身を取り出し、子供は大人の手も借りながら口いっぱいに頬張った。 1位の東京都日野市の北原嶺さん(32)、美幸さん(43)夫妻は2020年に続く優勝。嶺さんは「南伊豆の伊勢エビが
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新庁舎設計業務に12社応募 下田市長「語る会」で報告
下田市の松木正一郎市長は6日夜、市役所の庁舎移転事業について、新庁舎の設計業務のプロポーザル型公募へ締め切りまでに12社の応募があったと明かした。同日市民文化会館で開かれた「市長と語る会」で説明した。 市によると、審査を経て12月中にも設計事業者を選定する。松木市長は「高い関心が持たれている。コンパクト化とコスト減を図る」と強調した。 「語る会」では、松木市長や市幹部が新型コロウイルス禍における経済対策などを説明。文化会館には約20人が集まり、当局に対し伊豆縦貫自動車道の整備やスポーツ振興などについて質問した。 語る会は24日まで各所で実施する。今後の日程は次の通り。会場の各地区住民が
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代表選出へタイムトライアル 下田市チーム【市町対抗駅伝】
12月3日に静岡市で開かれる県市町対抗駅伝(静岡陸上競技協会、静岡新聞社・静岡放送主催)の下田市チームは5日夜、代表選考の最終トライアルを同市の敷根公園で実施した。 トライアルは9月に続き2回目。2回のタイムを参考に代表を選出する。この日は約30人が参加。小学生から40歳以上まで、それぞれ1800~4200メートルのタイムを外周600メートルのコースで計測し、メンバー入りへ最後の力を振り絞った。 渡辺洋之監督(80)は「けが人がいないのは好材料。特に中学生女子に頑張ってもらいたい」と期待を寄せた。 下田市チームは22回大会で、市の部25チーム中23位の2時間26分52秒だった。
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下田高同窓会「中高一貫校を下田に」 静岡県教委に要望へ 賀茂の再編議論に影響も
伊豆の賀茂地区で、下田高同窓会が他地域からの生徒受け入れも視野に入れた中高一貫校設立を求める活動を始めた。静岡県教委は高校再編案を盛り込んだ「県立高第3次長期計画」を再検討する地域協議会を同地区に設置しており、議論に影響を与える可能性がある。 同窓会は8月、中高一貫校設立を検討する委員会を設置した。年度内にも具体構想をまとめた要望書を県教委に提出する意向という。 県の統計によると、賀茂地区の全日制高校の定員充足率は2017年度に9割を下回り、22年度は80・8%(速報値)。長田育郎同窓会長は「少子化による生徒の減少に加え、地域の将来を担う人材が外に出て行っている。子供にとって魅力的な教育
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記者コラム「清流」 静岡県民=シャイ?
「静岡県の人たちは笑わせるのが大変って言われてるけど、喜んでもらえて良かった~」。先日静岡市であった公演で、本県出身のコメディアンが胸をなで下ろしていた。 静岡は東西で県民性が異なるとは言われるが「物静か」とも。全国を知る本県出身者の感想だから“着火”が難しいのはおおむね確かな感想だろう。盛り上がらないこともないのだろうが、そういった性格の県民を一挙手一投足で楽しませるプロは心底すごい、と感嘆してしまう。 実は一見物静かだが、情熱を内に秘めた県民が多いのも記者の仕事を通じて知っている。移住促進に取り組む若者や歴史の伝承に情熱を傾ける自治体職員ら、賀茂地域には特にそ
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下田の日ロ関連行事中止 「友好の歴史」どこへ-【記者コラム湧水】
「プーチンは徹底的にやるだろう。戦争は多くの人をあやめる。それはウクライナ人だけでない。ロシア兵も同じだ」-。2月24日の静岡大浜松キャンパス。祖国への侵攻が始まったその瞬間にもかかわらず、同大大学院光医工学研究科学術研究員(当時)のヴォロディメル・グナチュークさんは声を震わせながらも、取材にはっきりとそう口にした。 江戸時代からロシアと交流がある下田市で、ロシア使節のプチャーチン提督が率いて下田に来航した「ディアナ号」乗組員らの慰霊祭がウクライナ侵攻の余波で中止となった。元々は今秋の開催予定で他にも関連行事が中止、変更になっている。 下田で日ロ友好の歴史と現在の情勢への見解を聞いた際、
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海からの被災者支援 東伊豆町と国土交通省が合同訓練 稲取漁港で土砂災害想定
東伊豆町と国土交通省清水港湾事務所は4日、合同防災訓練を同町の稲取漁港周辺で実施した。大規模土砂災害が発生し地域一帯が周辺から分断されたとの想定で、海上からの支援を確認した。 各機関の職員ら約70人が参加した。漁港では船舶からの物資の荷下ろしや、近隣漁港への2次輸送を念頭にした遊漁船への積み込み作業を訓練。観光が主幹産業の町内では、災害時に帰宅困難者が千人近く発生するとの想定もあり、観光客の船舶による輸送も実践した。 荷下ろしが困難な状況を想定し、海上からのドローン輸送も行った。飲料水を搭載し、約1・5キロ離れた稲取高に運搬。生徒も到着物資の輸送に取り組んだ。同省は同様の訓練の実施は中
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地域全体で対策 鳥獣被害を防げ 下田市が住民向け講習会
下田市は3日、鳥獣被害対策講習会を同市の朝日公民館周辺で開いた。高齢者や女性にもできる簡易的な対策を学び、被害の未然防止につなげる狙い。 地元住民約20人が参加し、鹿児島県鳥獣被害対策アドバイザーなどを歴任した獣害研究家の井上雅央さん(73)=島根県=が講師を務めた。井上さんは「安心して食料を得られる場所に動物は集まる」と指摘。一部の住民で追い払おうとしても効果は薄く、地域全体で対象を威嚇する必要性を強調した。 商品価値の無くなった果物でも動物にとっては餌に変わりないと解説。葉や根っこなども動物の手の届く場所に捨てると、「結果的には“えづけ”と同じだ」と説き、電気
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廃棄物 乾燥、減量し燃料節約 焼却炉負担減へ実験 南伊豆町
南伊豆町は東京都の企業と連携し、一般廃棄物を低量化する処理をしてから焼却する実証実験を10月から開始する。廃棄物の量を焼却前にあらかじめ減らすことで、焼却炉の燃料低減や長寿命化につなげる狙い。将来的には廃棄物の処理で生じた熱を電力に変換して利用することも視野に入れる。 9月中旬、町清掃センターには新たに高さ約5メートル、幅約3メートル、奥行き約20メートルの巨大な装置が設けられた。東京都の環境エンジニア業「ジェット」が独自に開発した「急速発酵乾燥資源化装置」(ERSシステム)。実証実験では、処理された廃棄物を隣接する施設で焼却する。通常の焼却時は化石燃料を投入して水分を飛ばすが、既に同シス
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東伊豆、伊東に寄付 明治安田生命平塚支社、50万円
明治安田生命平塚支社(神奈川県平塚市)は30日、健康づくりに関する協定を結んでいる東伊豆町と伊東市に約50万円ずつを贈った。 同支社は介護事業や子育て支援に役立ててもらおうと、2020年から毎年県東部の8市町に寄付を続けている。同支社の樋口修市場統括部長と古谷隆憲伊東営業部長らが町役場と市役所を訪ね、首長に目録を手渡した。 東伊豆町の岩井茂樹町長は「社を挙げて支援いただいている。引き続き連携を深めたい」と謝意を示した。
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絶滅危惧種「ガラパゴスリクイグアナ」の人工ふ化に成功 河津の動物園「iZoo」国内初
河津町の動物園「iZoo(イズー)」は30日、絶滅危惧種ガラパゴスリクイグアナの人工ふ化に国内で初めて成功したと発表した。赤ちゃんイグアナは近日中に公開する。 エクアドルのガラパゴス諸島の固有種で、全長20センチ、体重35グラム程度。29日から30日にかけて12頭が殻から頭を出した。卵はほかに4個あるため、さらに増える可能性があるという。 当初は黒色と白色のまだら模様だが、成長するにつれて黄色に変化する。荒野でサボテンなどを食して生活していて、大きくなると全長1.2メートルほどにまで成長する。 同園は2017年にガラパゴスリクイグアナを2頭導入。翌年に6頭を追加し、繁殖を目指していた。
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指定管理に応募者 河津バガテル公園、10月中にも選考作業
河津町の町営バラ園「河津バガテル公園」の指定管理者公募へ、30日までに事業者からの応募があった。同日が申請書類の受付締め切りだった。10月中にも選考作業を行う。町の象徴的施設の指定管理者公募は3回目で、結実するか注目が集まる。 指定管理を巡っては、今年に入って2019年度に続き2回目の公募を実施。県外1社から応募があったが、審査での評価が基準点に達しなかった。「ここで何とか決める」(岸重宏町長)との決意で7月に3回目の公募を公告していた。 同園は01年度に第三セクターの運営でオープンしたが、経営難で解散し15年度から町営に。近年は新型コロナウイルス禍のあおりも受け、初年度に24万人だった
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コーヒースタンド 下田蓮台寺の無人駅に開店 軽食やジェラートも
下田市の伊豆急行蓮台寺駅に28日、コーヒースタンドがお目見えした。同市吉佐美でコーヒーや食品販売を手掛ける板橋隼平さん(28)が、無人駅の活性化を図ろうとオープン。駅利用者が休息を楽しんだ。 板橋さんは吉佐美の店舗「ニード・ユー」の社長で、今年1、2月に同駅に期間限定でコーヒースタンドを展開。手応えを得て、今回の常設店舗の開業を実現した。 かつて駅務室だったスペース約8平方メートルを改装した。メニューはおよそ30種類。コーヒーのほか、手作りのジンジャーエールなども用意し、ホットドックをはじめとした軽食やジェラートも提供する。調味料などの自然食品も販売している。 来店した会社員小池貴之さ
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日露行事中止の下田市長 「侵攻反対」意思明確に
下田市の松木正一郎市長は28日の市議会9月定例会で、幕末にロシア使節プチャーチン提督が率いて下田に来航した軍艦「ディアナ号」乗組員らの慰霊祭の中止について、「中止をもって侵攻に反対する意思を明確にする」との姿勢を鮮明にした。 慰霊祭は元々は今秋の開催予定で、市が開催主体。ウクライナ侵攻を考慮し中止とした。松木市長は「小さなまちでもできることを積み重ね、早期の終戦につながるよう尽くす」と言葉に力を込めた。鈴木浩之企画課長も下田市が日ロ交流の「始まりの地」だと強調し、「状況が好転すれば、再度日ロ交流を進めなければならない立場だと自覚している」との考えを示した。沢登英信氏の「緊急質問」に答えた。
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「海底ワイン」持ち込み希望者募集 下田の河津建設
下田市の建設業「河津建設」は、下田港内に沈める「海底熟成ワイン」の持ち込み希望者を10月3日まで募集している。費用は無料。 同社が毎年実施している人気企画で7回目。最大20本を大瓶用のビールケースに入れて同市中の同社まで同月17日と18日のいずれかに持参する。同社の船舶を使って10月末から来春まで沈める。 申し込みや問い合わせは同社<電0558(22)1111>へ。
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東伊豆町議会が閉会 2022年度補正予算案など可決
東伊豆町議会9月定例会は28日、最終本会議を開いた。委員会付託していた2021年度の決算8議案を認定、追加上程の22年度一般会計補正予算案を可決し閉会した。 追加上程の補正予算は900万円の増額で、新型コロナウイルスのオミクロン株対応のワクチン接種事業費が中心。家庭用発電機の購入補助金も盛り込んだ。当初予算に200万円を計上していたが、応募多数のため100万円を追加した。
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200店舗参加 賀茂6市町「がんバル」 10月1日から10日
複数店舗で飲食を楽しめるイベント「がんバル」(実行委主催)が10月1日から賀茂6市町で始まる。今回から東伊豆と西伊豆、松崎の3町も参加し、エリアを賀茂全域に拡大。10日まで飲食店を中心に約200店舗がイベント専用の品々を提供する。 10回目のイベントで、新型コロナウイルス禍の影響で3年ぶりの開催。5枚つづり1部4千円のチケットを購入して参加する。通常メニューを割安に提供するほか、イベント専用のメニューを用意している店舗もある。観光施設や宿泊施設も連ねていて、チケットを入場券代わりに利用できたり、温泉に入浴できたりする。 実行委事務局で下田商工会議所の冨山諒介さん(33)は「観光客の周遊促
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江戸城の築城時再現 東伊豆でまつり、重さ12トン「石曳き」
故事にちなんで巨大な石を引っ張る「石曳(び)き道灌まつり花火大会」(東伊豆町観光協会主催)が25日夜、同町の熱川海岸で開かれた。協会によると、観光客ら244人が参加。全身の力を振り絞り、協力して重さ12トンの伊豆石を50メートル運搬した。 江戸城築城の際に伊豆で切り出した大石を運んだとされる石引の再現。イベントは開催していたが、新型コロナウイルス禍でメインイベントの石引は3年ぶりの実施となった。武将侍役の「引け!」の掛け声に合わせ、参加者は石に結び付けたロープでけん引。前回の2019年を1分半ほど下回る24分8秒でゴールした。 イベントの名称は、熱川温泉を発見したと伝わる室町時代の武将太
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伊勢エビ漁本格化 南伊豆、10月から「まつり」
全国有数の伊勢エビの産地として知られる南伊豆町で26日、漁が本格化した。夜明け前から石廊崎漁港に水揚げされ、漁師らが手際よく作業した。 県内では16日に漁が解禁され、町内の一部でも既に出漁しているが、同漁港では荒天のため見合わせていた。ようやく出漁のめどが立った25日昼すぎ、石廊崎海老網組合の2隻が沖合約200メートルの海底に刺し網を仕掛け、26日未明に引き上げた。漁港では関係者が「カキ」と呼ばれるL字形の金具を器用に扱い、海老を網から取り外してかごに入れた。 水揚げされたエビは大きいもので体長40センチ、重さ400グラムほど。組合世話人の鈴木宏文さん(65)は「大漁というにはまだ時間が
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南伊豆の旧共立湊病院 跡地活用、民間募集へ
賀茂6市町で組織する公立病院「下田メディカルセンター」(下田市)の一部事務組合は25日までに、センターの前身、共立湊病院(南伊豆町)の跡地活用策を民間から募る方針を固めた。 関係者によると、事業者から直接意見を聴取する「サウンディング型」で活用策を募集する。有用な意見があれば実施を検討する。周辺には弓ケ浜海水浴場などがあり海岸に近いため、公園や自然体験など周辺の環境に合わせた活用を期待する声がある。 建物は病院機能を下田に移転した2012年以降、使われていない。土地も組合の所有で、広さ約4万平方メートル。このうち半分の2万平方メートルほどの利活用を想定しているとみられる。 既に、同組合
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河津町議選 事前審査に11陣営 9月27日告示
河津町選挙管理委員会は22日、任期満了に伴う町議選(27日告示、10月2日投開票)の立候補届け出書類事前審査を町役場で行った。定数10に11陣営が出席し、選挙戦となる公算が大きくなった。 8月の説明会時点では出馬へ態度を明確にしていたのは9人だったが、22日までにさらに新人2人が立候補を表明した。事前審査の出席陣営の内訳は現職8、新人3。今回選挙から定数が1減となる。
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大規模氾濫対策 取り組みを確認 下田で賀茂協議会
静岡県や賀茂地域の1市5町、静岡地方気象台、国土交通省中部地方整備局で組織する賀茂地域大規模氾濫減災協議会は22日、2022年度の協議会を下田市の県下田総合庁舎を拠点にオンラインで開いた。 県の担当者は管内の各河川で「流域治水プロジェクト」と題し、治水対策を推進していると報告した。下田市の稲生沢川流域では、河川改修や砂防施設の整備などの対策を引き続き進める。協議会は16年度に発足し、5カ年計画で目標を定めた。今後もこれまでの内容を踏襲するという。 松崎町の深沢準弥町長は8月の雲見地区の台風被害に触れ、「皆さんからたくさんの力添えをいただいた」と謝意を示した。その上で、住民に対して適切な避
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下田の日露行事 中止正式決定 友好の地、関係者複雑な胸中
幕末にロシアの使節プチャーチン提督が率いて下田に来航し、被災した軍艦「ディアナ号」の乗組員らの慰霊祭について、下田市を中心とする実行委は20日、今秋に予定していた式の中止を正式に決めた。ロシアによるウクライナ侵攻の影響を考慮した。一方、会合では代替として市民主体の小規模な慰霊祭を開けないかとの声も関係者から上がった。 市役所で開いた会合で、実行委事務局長の鈴木浩之市企画課長は「侵攻が続く現状では公が関係しての開催は避けざるを得ない」と説明。ただ、「友好の始まりの地としての責任を果たす必要性も感じている」と複雑な胸中を明かした。 日本・ロシア協会下田支部の関係者は市の決定を受け入れた上で、
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100歳以上をお祝い 野田さんらに河津町長表敬
河津町は20日、2022年度中に100歳以上となる長寿の町民を対象に表敬訪問を実施した。最高齢の野田とりさん(108)ら10人を岸重宏町長が訪ね、祝福した。野田さんは歴代の町民でも最年長という。 野田さんが入所する介護老人保健施設河津おもと苑などを訪問し、記念品を手渡した。野田さんは現在も趣味の編み物に励んでいて、食事も3食口にしているという。「これからも末永くお元気で。来年また会いましょう」との岸町長の語りかけに、穏やかな笑みを浮かべた。 町福祉介護課によると、町内の100歳以上(同年度末)は男性が1人、女性が9人いる。
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熱川温泉「石曳き」25日復活 12トン、200人超でけん引 東伊豆、花火打ち上げも
東伊豆町の熱川海岸で25日夜、「石曳(び)き道灌まつり花火大会」(町観光協会主催)が開かれる。故事にちなんで巨大な石を引っ張るメインイベントが3年ぶりに復活する。 イベントの名称は、熱川温泉を発見したと伝わる室町時代の武将太田道灌にちなむ。江戸城築城の際に伊豆で切り出した大石が運ばれたと伝わっていて、重さ12トンの伊豆石を50メートル動かす。参加者は先着230人で、当日午後7時半から受け付ける。参加者にはタオルと当日使える出店の買い物券を贈呈。石曳きは8時ごろスタート。 協会事務局次長の前田陽司さん(48)は「毎年楽しみにしている町外の観光客も多かった。活気あふれる石曳きにぜひ参加してほ
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海の生き物「似たもの同士」セットで紹介 下田海中水族館
下田市の下田海中水族館で、姿形が似た生物を紹介する「似たもの展」が開かれている。30日まで「似たもの同士」をセットに並べていて、来館者を楽しませている。 体の表面に小さな粒状の突起があり、細かい毛が生えているのはゾウリエビとセミエビ。甲羅の縁の形状などに違いがある。下田近海でも釣れるカサゴとムラソイは、背びれのとげの数が異なる。マンジュウガニ3種も展示。それぞれ甲羅の感触に特徴があるという。 マイワシとカタクチイワシなど、展示スペース付近の大水槽の「似たもの」もパネル形式で紹介している。 同館では「環境衛生週間」(24日~10月1日)に合わせ、掃除をテーマにした特別展示も25日まで実施
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松崎・雲見支援へ義援金 南伊豆中生徒会「隣町の力に」
南伊豆中生徒会は17日、台風8号の被害を受けた松崎町の雲見地区への義援金を岡部克仁南伊豆町長に手渡した。町は近く松崎町に届ける。 同校玄関前での朝のあいさつ運動で生徒会のメンバー5人が呼び掛け、3日間でおよそ3万円が集まった。PTAからの2万円も併せて贈る。 同日は運動会が同校で開かれ、閉会式で外岡勇望会長(3年)が岡部町長に義援金を託した。外岡会長は「隣町の災害の力になりたかった」と明かした。岡部町長は「皆さんの優しさと心遣いに大変感激している」との深沢準弥松崎町長からのメッセージを代読した。
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学生が海洋調査体験 水中ドローン操縦 下田周辺 16日までセミナー
海洋開発人材の育成を手掛ける日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアム(東京都)の学生対象のセミナーが14日、南伊豆町で始まった。海洋調査会社のウインディーネットワーク(下田市)などの協力で、16日まで同市周辺で調査を体験する。 全国の理工学系の大学3年から大学院1年までの約20人が参加した。初日は同社の海洋調査技術研究所(同町)で、「水中ドローン」と呼ばれている機材の説明を受けた。機材は潜水士の代わりとなる役割が期待されていて、カメラなどを搭載。学生は実際に水槽で操縦し、海洋調査に理解を深めた。 15日以降は電磁波を使った海流の計測や、ブイを用いた水深調査などに挑む。漁船に乗り込み
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フラメンコギタリスト松村さん 南伊豆「公認アンバサダー」委嘱
南伊豆町観光協会は13日、町の情報を発信する「公認アンバサダー」に、フラメンコギタリスト松村哲志さん(51)=神奈川県=を委嘱した。松村さんは南伊豆を含む伊豆地域に関する動画を以前から発信していて、町や協会は魅力を広く周知してもらう狙い。 松村さんは自身のバンドで巡った土地の飲食やレジャー情報などを、ユーチューブで「メロンシート」の名義で配信している。南伊豆には30年ほど前から足しげく通っているといい、自身が関わるユーチューブチャンネルの登録者数は21万人超(7日現在)。動画配信のほか、町はイベントへの参加も要請する。 町役場で式典が開かれ、松村さんは協会の木下直美会長から委嘱状を受けた
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河津活性化アイデア発表「全国有名シェフ招いて」 ワーケーション来町の首都圏在住者
観光地で働きながら余暇を楽しむ「ワーケーション」で河津町を訪れた首都圏在住者から町の活性化策を募るイベントが9、10の両日、町内で開かれた。全国に誇る河津桜やバラの名所として知られる同町。参加者からはそれぞれの閑散期における魅力の向上などを訴える声が上がった。 参加者は9日に同町まちづくりアンバサダー和田佳菜子さん(34)の案内で町内の観光地を散策。特色を学んだ上でそれぞれ活性化策を岸重宏町長らに発表した。 町の魅力として挙がったのは、「海と山が近い距離で観光できる」「『伊豆の踊子』との関わりをはじめ観光資源が豊富」-など。「全国の有名シェフが期間限定で地元食材のイベントを開催」との活性
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河津町 静岡県弁護士会と災害協定締結
河津町は7日、県弁護士会と災害協定を結んだ。町役場で締結式が開かれた。災害の発生時に同会が町に弁護士を派遣、生活再建に向けて被災者を支援する。 派遣された同会の弁護士は、窓口を開設して法律相談などを実施。災害発生時以外も、災害時の対応策をまとめたパンフレットなどで町民に情報を周知する。 協定式では同会の伊豆田悦義会長と岸重宏町長が協定書に調印を交わした。岸町長は「熱海の土石流災害においても、弁護士会は被災者に寄り添った対応をしていると聞いている。災害時は町も多くの課題を抱えるだけに、大変心強い」と期待感を示した。 町防災課によると、同会が県内自治体と同様の協定を結ぶのは30例目という。
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下田、駿東伊豆消防 合流再協議へ意欲 組合管理者・下田市長
下田市の松木正一郎市長は8日、同市加盟の下田地区消防組合と駿東伊豆消防組合の合流について、合流協議の再開に意欲を示した。市議会9月定例会で、江田邦明氏の一般質問に答えた。 合流協議を巡っては、下田地区消防組合議会が駿東伊豆側との合流協議再開を求める決議案を8月に可決した。決議は組合管理者の松木市長宛て。松木市長は「(決議を)真摯(しんし)に受け止め、協議再開に努める」と述べた。 下田地区消防組合には下田と河津、南伊豆、松崎、西伊豆の5市町が参画している。
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南伊豆町長「下田消防側の基盤強化が重要」 駿東伊豆消防と合流巡り
南伊豆町の岡部克仁町長は6日、同町加盟の下田地区消防組合と駿東伊豆消防組合の合流について、「協議体制の整備や消防力の向上が求められている。組織としての基盤強化が最重要課題だ」と述べた。同日開会した町議会9月定例会で、加畑毅氏の一般質問に答えた。合流協議を巡っては、下田地区消防組合議会が駿東伊豆側との合流協議再開を求める決議案を8月に可決した。 岡部町長は「財政負担をはじめとした統合のメリットとデメリットを見極める必要がある」とし、協議が再開された上で課題を検証すべきとの見方を示した。下田側5市町(下田、河津、南伊豆、松崎、西伊豆)で広域化に反対する立場の首長はいないとの認識を説明する一方、
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学校の備品譲ります 今春閉校、下田稲生沢中学校 市民へ思い出に
今春閉校した下田稲生沢中で23、24の両日、廃校に伴う備品の譲渡会が開かれる。市民や卒業生が対象。 譲渡品はいすや机、ロッカーに加え、家庭科で使っていた食器類や、ドライバーとのこぎりといった技術工具など。閉校に伴い統合先の下田中や市内の小学校、幼保育園などにも譲ったが、「数え切れないほどの備品」(担当者)が残っているという。残った備品は廃棄することから、再利用を推進し、廃棄コストの削減を図る。 校舎は市役所新庁舎として活用される予定で、2023年度から改修工事が始まる。市企画課主事の小沢太紀さん(38)は「購入年度が刻まれている品もある。卒業生の思い出にしてもらい、ここに学びやがあったと
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静岡県産花卉、ブランド強化 東伊豆・県農林技術研究所伊豆農業研究センター主任研究員 勝岡弘幸氏【本音インタビュー】
キク科のマーガレットとローダンセマムを交配した新品種の開発に成功した。この2種の交配は世界で初めてで、耐寒性や栽培コスト面の利点を持ち合わせる。「静岡にしかない花」を目指し、静岡県花卉[かき]ブランドの強化に情熱を燃やす。 -新品種「ビジューマム」の開発経緯は。 「名称はフランス語で宝石を意味する『ビジュー』とキク科の愛称『マム』を合わせた造語。前任者から引き継ぎ、ピンク色の『ローズクオーツ』と赤色の『ガーネット』の2種を開発した。マーガレットは夏は冷涼で冬は温暖なカナリア諸島原産のため、日本での栽培は困難とされる。ローダンセマムの耐寒性を与えたかった。マーガレットとローダンセマムは血
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河津の海水浴場 来場増 2022年夏、前年比3倍
河津町は31日の定例記者会見で、今夏の今井浜海水浴場の来場者が前年比およそ3倍の2万4478人だったと明らかにした。新型コロナウイルス禍前の2019年との比較では87%まで回復した。 今夏は7月16日から8月21日まで37日間の開設。21年は7983人(開設期間32日間)、19年は2万8020人(同51日間)だった。今夏最も来場が多かったのは8月14日の2110人だった。 町は行動制限がなかったことを今夏の増加の要因と分析している。岸重弘町長は「密を避けてか、レンタカーなど車での来場が多かった印象だ」と振り返った。
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補正予算案を可決 河津町議会、物価高に対応
河津町議会9月定例会は30日、追加提出の1議案を含む18議案を上程した。このうち1億5700万円を追加する2022年度の一般会計補正予算案など10議案を可決、同意し、決算認定の8議案を委員会付託した。 補正予算は物価高や燃料高騰による町民の経済負担の軽減策が中心。町民らの料金2カ月分を全額免除する水道料助成に3400万円を投じた。幼保育園や小中学校の給食費6カ月分も、1千万円で全額負担。長野地区に23年度に整備予定の防災拠点施設建設事業費2700万円も盛り込んだ。 町は21年度決算の健全化判断比率を報告。実質公債費比率は6・0%(前年度比0・1ポイント増)、将来負担比率は22・6%(同1
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河津バガテル公園 町長「閉園考えていない」 指定管理者選定に全力
河津町の岸重宏町長は29日に開会した町議会9月定例会で、赤字が続く町営バラ園「河津バガテル公園」について、「閉園については現在考えていない」と明言した。一般質問で渡辺弘氏への答弁。同園を巡っては指定管理者の公募不調が続いていて、現在3回目を実施している。 岸町長は「指定管理者の選定と魅力ある公園づくりに全力を注ぐ」と強調。19日に実施した3回目公募の説明会には3社が参加したと説明し、選定が実現した際は年内に町議会に議案を提出する意向を示した。 2回目の公募時にはホテル運営などを手掛ける共立メンテナンス(東京都)が応募したが、審査の評価が基準に達しなかった。木村吉弘副町長は「申請書が部分的
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松崎雲見地区、2週間ぶり断水解消 台風8号被害
台風8号の影響で断水被害が続いていた松崎町雲見地区に29日、およそ2週間ぶりに水道が復旧した。被災した全域で断水が解消した格好。風光明媚(めいび)な海辺の町を襲った豪雨災害は一区切りを迎えた。 この日断水が解消したのは雲見地区のうち、氾濫した太田川上流の入谷地域の約40世帯。土砂崩れによる水道管の破損などにより、既に断水が解消した約30世帯に後れを取っていた。消火栓で応急的に送水していたが、飲料水が使用できない状況だった。 町は仮設の給水装置や水道管を設置し、飲料水の復旧にこぎ着けた。同地域の主婦鈴木泰子さん(80)は給水車のほか、自宅の備蓄飲料も活用していたといい、「たくさんの支援に感
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南伊豆の中学2校 統合準備委始動 学校名や校歌など検討
南伊豆町の町立中学校2校の第1回統合準備委員会が26日、町役場で開かれた。2026~28年度をめどに統合方針が固まっている。 委員会では、学校名や校歌、校章に加え、通学方法なども検討する。今後は委員会内での議論のほか、学校関係者や外部の識者も交えた部会を設置する見込み。個別に防災計画や部活動などについて意見を交わす。同日は委員5人を委嘱した。会長には南伊豆東小の高橋政弘前校長を選出。市教委がこれまでの経過を説明した。準備委員会の町教委への答申時期は未定という。 町内の中学生は5月時点で152人。31年度に初めて100人を割り込むと想定されている。町教委は21年に諮問機関から速やかに1校へ
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下田市新庁舎 床面積縮小へ 人口減、物価高対応 業務効率図る
下田市は26日、市役所の庁舎移転事業で、新庁舎の延べ床面積を500平方メートルほど縮小する方針を示した。機能の集約による業務の効率化を図るとする一方、今後の人口減少や現在の原油高や物価高による資材の高騰も考慮した格好。市議会全員協議会で説明した。 庁舎移転は旧稲生沢中を活用した改修棟の整備とともに、付近へ新築棟を建設する計画。縮小するのは新築棟で、これまでは2500~3千平方メートル程度としていたが、2千~2500平方メートル程度とする。新築棟の設計契約の限度額は9千万円、工事費は15億円を見込んでいる。 現庁舎の一部を2024年度から先行移転する改修棟についても、これまでは2階としてい
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下田あじさい祭 前年比3万人増、コロナ前には戻らず
下田市は26日、下田公園で6月に開かれた第51回あじさい祭の来場者総数が推計で9万1500人だったと明らかにした。前年比で3万2900人の増加だが、新型コロナウイルス禍以前の2019年比では6万2700人の減少。 駐車場利用者の地域別の割合は市内を除く県内が47・7%。県外は神奈川県が19・4%と最大で、次点が東京都の10・1%だった。 市議会全員協議会で報告した。佐々木雅昭観光交流課長は「街中への人流の創出など、波及的な経済活性化の検討を進める」と述べた。
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ワサビ田復旧へ支援 JAふじ伊豆、スコップ手に作業 下田、河津、松崎の台風被害
伊豆特産のワサビが8月の台風8号で被害を受け、下田市などでJAふじ伊豆の職員が農地の復旧を手伝っている。手作業が必要な場所での人力不足の解消が狙い。 同JAによると、豪雨により少なくとも下田市の2カ所と河津町の18カ所、松崎町の6カ所のワサビ田が土砂の流入被害を受けた。ワサビ田は山間地のため重機の活用が困難。スコップなどを使って手作業で土砂をかき出す必要がある。25日も下田市の山間地でJA職員と県賀茂農林事務所の職員計10人が復旧作業に取り組んだ。25日の作業で一区切りがついたという。 同JA伊豆太陽営農経済センターの小沢純司地区営農販売課長(53)は「日常の農作業もあるため、少人数の農
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沿岸部の防災対策は 東伊豆を土木学会視察
土木学会の「沿岸まちづくりにおける経済学的手法研究小委員会」の委員約20人が24日、東伊豆町を訪れた。町は学識者らから評価を受け、沿岸部の防災対策やまちづくりに生かす考え。 委員は主に沿岸部を視察。町職員や地域住民らから津波や高潮対策、地域の現状について説明を受けた。稲取漁港周辺では、伊豆漁協稲取支所の鈴木精運営委員長が「低気圧が発達すると、台風並みの被害を受けることがある」と周辺の状況を解説した。委員は25日まで滞在する。 同町では県内他市町と同様、地域の特性や実情を踏まえた「静岡方式」による津波対策が進む一方、温泉街をはじめ沿岸に観光地が集中しているため、景観上の観点から防潮堤整備が
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新たな観光資源探る 下田市観光協会 沢地大吉会長【キーパーソン】
観光業が基幹産業の下田市。伊豆半島の周辺市町と同様、新型コロナウイルス禍のあおりを受ける中、現状の分析と今後の展望を聞いた。 -コロナ禍以後を振り返って。 「もろ手を挙げて『下田に来てください』と言えず、心苦しい限りだ。行政の支援で何とか踏みとどまっているというのが現状。ただ今夏について言えば、宿泊施設に関してはキャンセルはあるものの、その分も埋まったとのことだ。観光ムードの回復の兆しだと好意的に受け止めたい。県外来訪者からも、観光を心待ちにしていたという声を多く聞く」 -下田の観光の魅力とは。 「海の美しさが国内トップクラスであることは間違いない。海辺を含め、自然の美しさをいま一度
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杉並区の児童 干物作り体験 南伊豆来訪、3年ぶり
南伊豆町と長年交流のある東京都杉並区の児童の自然体験が22日、宿泊体験施設「南伊豆臨海学園」(同町)で始まった。24日まで子浦地区周辺で海に親しむ。 同日都内を出発した小学4~6年生19人は、施設や町の職員に教わりながらアジの干物作りを体験。慣れない手つきで包丁を使い、腹開きにして内臓を取り出すとともに、塩水に浸して乾燥させた。行事の終了とともに完成品を持ち帰る。 小学5年の伊藤里紗さんは「生の魚を触ったことはほとんどなかったけれど、干物の作り方がよく分かった」と振り返った。 参加者は子浦海岸でのシーカヤックや釣りも体験する。来訪は3年ぶりだったが、新型コロナウイルス禍で南伊豆町の児童
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船や水面テーマ 世界的画家の名画含む21点 下田・上原美術館
船や水面(みなも)に関する作品を集めた企画展「船と絵画」が9月25日まで、下田市の上原美術館で開かれている。ゴーギャンやモネ、ルノワールら世界的画家の名画を含む収蔵品21点が並ぶ。 モネは20代後半から水面をテーマに多くの作品を生み出し、「ジヴェルニー付近のセーヌ川」(1894年)もその1枚。ルノワールの「アルジャントゥイユの橋」(73年)は、印象派の作風を確立しつつある時期の作品という。 「森の中、サン=クルー」(73年)は、ゴーギャンがタヒチへの移住以前、最初期に描いた風景画とされる。 同館がスケッチを所有している須田国太郎の「下田港」(1957年)は、20年来探し続けて今年ようや
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漁村の地域づくり、女性の役割は キンメの東伊豆、実情学ぶ
女性の漁業への参画を促すプログラム「漁する女子ジャパン」が20日、東伊豆町の稲取漁港周辺で開かれた。参加者が特産のキンメダイの実情などに理解を深めた。 静岡市を中心に小学生から80代までの女性15人が参加。伊豆漁協稲取支所の鈴木精運営委員長からキンメダイを含む同町の水産業の現状について解説を受けた。漁師の妻からは「漁村の地域づくりと女性の役割」をテーマに、干物をはじめとした加工品製造などの仕事内容を学んだ。 「伊豆稲取キンメマラソン」実行委員長の西塚良恵さん(45)も講師を務め、地域資源を活用した町おこしの意義を説いた。参加者の公務員増井滋子さん(62)=駿河区=は「ゆったりと時間が流れ
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中学生 住民から地域の実情学ぶ 下田で「ドリーム授業」
中学生が学識経験者や近隣で活躍する住民から地域の実情などを学ぶ講座「未来を切り拓(ひら)くドリーム授業」(県教委主催)の「賀茂版」が18日、下田市の県下田総合庁舎で始まった。地域への愛着の醸成や人材育成が狙いで、19日まで。 1市5町の中学1、2年生約30人が受講。初日は遊休地を活用したキャンプ場運営などに取り組む「ヴィレッジインク」(下田市)の営業企画チームマネジャー梅田直樹さん(50)らの話に耳を傾けた。梅田さんは、観光地で余暇と仕事を楽しむ「ワーケーション」が近隣で活発化していると説明。「制約に縛られない時代が来ている。科学が発達し、『賀茂だからできない』ことはどんどん減っていく」と
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静岡文化芸術大の学芸員志望が実習 下田・上原美術館
下田市の上原美術館で、学芸員資格の取得を目指す静岡文化芸術大(浜松市中区)の学生らの現地実習が行われている。実際に業務を体験するなど、19日まで仕事への理解を深める。 同館によると、学芸員の国家資格取得には5日以上の実務実習が必要。同館は昨年から同大生を受け入れていて、同大の6人と文星芸術大(栃木県)の1人が参加し、展示品の取り扱い方法などを学んでいる。 17日の実習では、絵画の貸し出し時に傷み具合などを記録する書類の作成を体験した。所蔵品のモネの「藁ぶき屋根の家」を実際に使用し、主任学芸員の土森智典さん(45)から指導を受けた。 静岡文化芸術大文化政策学部4年の溝口のどかさん(21)
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下田市 事業者に物価対応で給付金
下田市は17日、原油価格や物価高騰に伴い、市内の事業者が対象の給付金を支給すると発表した。22日から申請を受け付ける。 新型コロナウイルス禍や、ロシアのウクライナ侵攻の長期化により影響を受けている市民の負担軽減が狙い。電気やガス、ガソリン代などへの支援を念頭にしている。 法人は1事業者5万円、個人事業主は1事業者3万円を給付。7月29日時点の事業実態など、市が定める要件を満たす必要がある。 受付期間は9月30日まで。先着順ではない。問い合わせは市産業振興課<電0558(22)3914>へ。
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軍艦「ディアナ号」乗組員の慰霊祭 苦渋の中止決定、ウクライナ侵攻で 下田とロシアの交流行事
江戸時代からロシアとつながりのある下田市で、ロシア使節のプチャーチン提督が率いて来航した軍艦「ディアナ号」乗組員らの慰霊祭の中止が決まったことが16日までに、関係者への取材で分かった。市が主体となって今秋に開催を予定していた。約半年間にわたりロシアによるウクライナ侵攻が続く中、内外から交流促進への理解が得られにくいという実情も垣間見える。 「ロシアの武力行使は到底許されず、この状況では公が関係する行事は行えない」。松木正一郎市長は取材に胸中を明かす。 慰霊祭はロシア関係者らの来訪に合わせて実施、2018年からは定期開催を決めた。新型コロナウイルス禍で中断したが21年は開催。22年も秋に
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東大生が教える南伊豆の塾開講 参加無料、19日まで
東京大の学生が地域の小中学生らに勉強を教える「下賀茂寮塾」が15日、南伊豆町の同大下賀茂寮で開講した。参加無料で19日まで。 運動部の学生組織「東京大運動会」が主催。同会によると、農学部の研究施設の下賀茂寮は元々運動部の合宿所でもあり、「塾」は地域に貢献しようと2019年に始めた。今夏が2回目。 初日は町内の児童生徒9人が、夏休みの宿題を手に訪れた。懇切丁寧な指導を受けながら英語や理科、国語などの問題集を解き進めた。南上小6年の佐藤春朗太君は「(学生から教わる機会は)なかなかないのでうれしい」と声を弾ませた。 同大4年の藤本一輝さん(22)は「コツをつかんで、勉強を頑張ろうという励みに
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飼育の魚、施設を夜間公開 下田の静岡県水産・海洋技術研
下田市の県水産・海洋技術研究所伊豆分場は12日夜、研究所の夜間公開を実施した。県民の水産漁業への関心を高める狙いで、親子連れら約50人が飼育している生物の観察や、魚に関するゲームを楽しんだ。 夏休みの恒例行事。飼育実験室では、担当者がブダイやメジナなど研究のために飼育している魚を紹介した。大型の褐藻類で構成される「海中林」が枯れて衰退する「磯焼け」が分場周辺の海域で発生し、海藻や貝類が減少し漁業被害をもたらしているとも説明した。 皿いっぱいのちりめんじゃこの中からさまざまな種類の魚介類を探すゲームも行った。伊豆産のテングサが原料のところてんの試食が人気を集め、来場者は作り方も学んだ。
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町外からの来訪 電車賃一部補助 東伊豆町、関係人口増へ
東伊豆町が、地域と継続的に関わる「関係人口」の増加を念頭にした補助金の交付を始めた。町外在住者が一定回数以上、町を訪れる際、イベントの手伝いをすることなどを条件に、電車賃の一部を補助する。町によると、自治体の活性化への貢献を前提とした来訪者への交通費補助は珍しい。町内ではシェアオフィスのテレワーク利用が増加傾向にある一方、首都圏からの電車代が高額で足かせになっているとの声が若年層を中心に上がっているという。来年3月までの間に4回以上、来町する人が補助対象。来訪1回につき上限3500円を最大6回補助する。この間、イベントの手伝いや農作業、美化活動など町が割り当てた仕事に2回以上取り組む必要があ
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全部撮影OKの企画展 照明工夫「気軽に寄って」 下田・上原美術館、9月25日まで
下田市の上原美術館で、来館者が「全面撮影可能」な企画展が開かれている。肖像権や他の鑑賞者の邪魔になるなどの課題を抱えるが、日本博物館協会によると、作品を限定して撮影可とする館は増加傾向にあるといい、上原美術館の担当者は「企画展丸ごとが撮影可能なケースは珍しい。気軽に立ち寄ってもらう一助にしたい」と意気込む。 8月2日、がっしりとした一木造りの体軀(たいく)が何とも勇ましい二体一対の「二天像」を前に、学芸員の桜井和香子さん(44)が撮影スポットを確認していた。「普段の照明は作品そのものをどう見せるか考えているが、今回は撮影のため二体の間に立った来館者にも光が当たるよう調整した」。既にSNSに
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青ミカンの活用法探ろう 19日から東伊豆、摘果「助太刀」募集
東伊豆町観光協会は、特産のミカンの農作業を手伝う「助太刀ツアー」と題したイベントの参加者を募集している。熟す前の「青ミカン」と呼ばれる状態を摘果し、本来捨てているふぞろいの果実の活用方法を探る狙い。町内の収穫体験農園ふたつぼりで19~22日に実施する。 青ミカンはその名の通り皮が青く、酸味があるのが特徴。スダチやカボスのように、料理に搾りかける使い方もある。参加者は極端に大きかったり傷がついたりしている実を取り除く。作業後は摘果した品を持ち帰られる。協会の青嶋優太郎さん(29)は「摘果は残った実を大きくするための作業だが、摘果された品は廃棄されてしまう。他市町ではドレッシングなどで使われて
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古写経や仏像26点展示 下田・上原美術館企画展
古写経や仏像など日本古来の収蔵品26点が並ぶ企画展「きんぎんすみいろ」が9月25日まで、下田市の上原美術館で開かれている。 企画展のサブタイトルにもなっている「高野大師行状絵巻断簡」は、空海の生涯を描いた絵巻物の一部で新収蔵。空海が唐で収集した文物が、太宰府で遣唐使船から積み降ろされる場面を描いている。鎌倉時代から南北朝時代の作品と推定される。 同じく新収蔵の「金銀野毛散観普賢菩薩行法経断簡」(平安時代後期)も目玉の一つ。法華経を書写した内容で、大小に切った金箔(きんぱく)や銀箔(ぎんぱく)を和紙の上下に散らし、光の加減で美麗に浮かび上がる。 担当者の学芸員桜井和香子さん(44)は「文
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下田・柿崎海水浴場 25年ぶり復活 14日まで試験運営
下田市柿崎の柿崎海水浴場が地域住民有志の手で25年ぶりに復活し、海水浴客たちを楽しませている。14日までに期間を絞った試験的な運営だが、来年以降も開設を目指すという。 1997年夏まで開いていたが、利用客の減少などにより閉鎖していた。雑草や雑木が手つかずの状態になっていたのを、今春から本格的に整備し、復活にこぎ着けた。 ビーチは長さ約180メートル。下田港内に立地し、波が穏やかという。「海上トランポリン」なども設け、手こぎボートを有料で貸し出している。 近くに住む主婦糸賀亜由美さん(36)は「子供を安全に遊ばせられるのでありがたい。来年以降もぜひ開いてほしい」と喜んだ。 午前9時から
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伊豆観光、イーバイクやカーシェアで 新たな「足」次々
伊豆半島の賀茂地域で、公共交通機関での来訪が困難な観光地への来客を促そうと、自転車やレンタカーの貸し出し環境の整備が活発化している。観光協会の担当者たちは「夏の観光シーズンに利用してもらい、2次交通の脆弱(ぜいじゃく)性をカバーしたい」と口をそろえる。 伊豆急行河津駅から徒歩5分ほどの河津桜観光交流館(河津町)。7月に電動アシスト自転車「イーバイク」5台がお目見えした。同館を拠点にメーカーと連携し、時間に応じて千~5千円(9月まで半額、別途保険料200円が必要)で貸し出す。 「町内を代表する『河津七滝』行きのバスは1時間に1本。徒歩は困難だが、イーバイクを使えば30分ほどで到着する」と町
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防犯体制強化へ 警備2社と協定 下田署
下田署はこのほど、賀茂地域の警備会社2社と防犯体制の強化に向けた協定を結んだ。民間企業の手を借り、不審者らに一層目を光らせる狙い。同署で締結式を行った。 2社は南伊豆町の山崎建設と下田市の伊豆警備保障。交通誘導や雑踏警備を通じ、事件や事故の発生時にとどまらず、不審者情報などの迅速な通報につなげる。 同署は子供や女性への声掛けやつきまといなど不審者に関する案件が凶悪事件に発展する危険性をはらんでいるとして、協定を防犯につなげる意向。 山崎建設の山崎亨社長と伊豆警備保障の中才雄次社長は「協定を機に一層防犯意識を高め、責任感を持って地域に貢献したい」と言葉に力を込めた。 田代圭吾署長は「6
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青少年育成に尽力 下田署がボランティア表彰
下田署はこのほど、同署少年警察ボランティア連絡会の総会を同署で開いた。長年にわたり活動している会員に賞状を贈った。 街頭補導をはじめとした活動に尽力しているボランティアの栄誉をたたえ、田代圭吾署長が賞状を伝達、贈呈した。田代署長は「大人たちの目があって健全な青少年の育成が成り立っている」と謝意を示した。 被表彰者は次の通り。 県警生活安全部長感謝状 立野健蔵(下田市)石原邦彦(東伊豆町)梅木英幸(松崎町)▽県少年警察ボランティア連絡協議会長表彰 外岡多貴子(下田市)小川昭午(同)西川八重子(同)▽下田署長感謝状 遠藤哲(同)
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静岡人インタビュー「この人」 山口智史さん 下田ライフセービングクラブ理事長
日本ライフセービング協会の認定海水浴場に下田市の6カ所が認定された。牧之原市の2カ所と合わせ本県は全国最多の8カ所。自身も認定に尽力し、海の安全や環境保全にも引き続き励んでいる。元東京消防庁の消防士で、現在は下田市の地域おこし協力隊員としても活動。東京都世田谷区出身。39歳。 -認定の受け止めを。 「日本国内の認定基準は国際規格よりも厳しく、市も協力してくれたが、まさか6カ所も認定されるとは思わなかった。今までのさまざまな機関の活動が第三者から評価され、ビーチの付加価値が大きく高まった」 -下田の海の魅力とは。 「首都圏からこれだけ近く、水質が良いところは少ない。また、海水浴シーズン
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停電対策の伐採木 チップ化、雑草抑制 静岡県東部で活用動き
災害時の停電に備え、電線に接触する恐れのある樹木を切り落とした際などに発生する伐採木。静岡県西部を中心に甚大な被害のあった2018年秋の台風24号を機に電力会社などによる伐採が進む中、有効活用を探る動きが伊豆で起きている。県東部では少なくとも年間4千トンの伐採木が発生していて、活用が他地域の参考となる可能性もある。 約1万平方メートルのエリアに千株ほどのブルーベリーが植えられた河津町の観光農園「河津ブルーベリーの里」。この場所に6月、町と東京電力パワーグリッドが連携し、およそ1トンのウッドチップを運び込んだ。チップの原料は伊東市で伐採された樹木。ブルーベリーの周囲にチップを敷き詰め、雑草の
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教員志望生徒ら小中学生を指導 下田で「寺子屋」
大学生と賀茂地域の高校生が小中学生の家庭学習を支援する「しずおか寺子屋」(県教委主催)が3日、下田市で始まった。4日まで小中学生が勉強を教わるとともに、高校生は大学の授業を体験する。 小中学生約60人が参加し、教員志望の高校生と静岡大の大学生約40人が講師を務める。賀茂教育会館では参加者が漢字のドリルなど夏休みの宿題を持ち寄り、懇切丁寧な指導を受けながら熱心に課題に取り組んだ。 4日は高校生が静岡大の教授による講義を受講し、大学生とのグループワークで地域活性化策を考える。下田高3年の白井裕大さんは「子供たちに勉強を分かりやすく教えようとするのは、自分のためにもなる。大学生にしっかり話を聞
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色彩表現 親子で学ぶ 下田・上原美術館で講座
下田市の上原美術館は2日、色彩表現の多様性を学ぶ親子向けのワークショップを同館で開いた。市内の小中学生の親子9人が、絵の具を使って美術の表現方法や楽しみ方を学んだ。 現代美術作家の小野憲一さん(53)=横浜市=が講師を務めた。参加者は透明感があって発色が強いという透明水彩と呼ばれる絵の具を使用。赤色と青色、黄色を組み合わせ、さまざまな色づくりを体験した。画用紙上で実践し、グラデーションなどの表現に挑んだ。 白浜小3年の佐々木結咲さんは「今まで習ったことのない描き方を教えてもらえたので、自分も使ってみたい」と喜んだ。小野さんは「表現の多様さを学んでもらい、描くことだけでなく鑑賞にも興味を持
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弓ケ浜花火大会 8日午後8時から 南伊豆
南伊豆町の夏の風物詩、第45回弓ケ浜花火大会(実行委主催)が8日午後8時から、弓ケ浜海岸で開かれる。 昨年は1万7千人が来場。砂浜が観覧席になっていて、約600発の多くを海上から打ち上げるため、噴水のようで臨場感が抜群と好評を得ている。付近の駐車場を利用する際は協力金500円を呼び掛けている。 打ち上げは15~20分間程度。小雨時は決行する。問い合わせは町観光協会<電0558(62)0141>へ。
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英語を楽しもう! 南伊豆・小中学校のALT 町民対象に特別講座
南伊豆町の小中学校の外国語指導助手(ALT)5人による英語講座が夏休み期間中、町役場で開かれている。3日は児童らがゲーム形式で英語に親しんだ。 小学校低学年と高学年、成人向けの3クラスで実施し、10日までそれぞれ全10回の講座を約50人が受講している。町民に、英語に親しんでALTと交流を深めてもらう狙い。3日の小学校低学年のクラスでは、海に関する生物や自然のイラストを見て英語で回答するゲームを実施し、参加者が英語への理解を深めた。 南伊豆東中ALTのヤマネ・ダラスさん(25)=米国出身=が中心となって企画した。ダラスさんは「英語を使って多くの人と交流する楽しさを町民の皆さんに知ってもらい
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下田公園を散策 歴史、自然学ぼう 11日に講座
下田市と市教委は11日、下田公園の歴史や自然を学ぶ講座を同所で開く。市内在住の小学生以上が対象で、参加無料。 市は景観の優れた同公園を「まち遺産」として、市民に郷土学習の場として活用してもらいたい意向。講座では職員が講師を務め、散策しながら眺望箇所や生態系、歴史などを解説する。 午前8時から10時まで。5日までに申し込む。未就学児は保護者同伴で参加可能。定員20人。雨天の際は13日に延期する。 申し込みと問い合わせは市建設課<電0558(22)2219>へ。
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旧下田グランドホテル 民間が契約へ手続き 市報告
下田市は29日、市が土地建物を取得、防災公園への整備方針を示した後に別の購入希望者が現れた旧下田グランドホテルについて、この購入希望者が契約へ各種手続きを進めていると市議会全員協議会で報告した。 平井孝一建設課長は、26日に破産管財人に状況を確認したと説明。新たな事業計画は把握していないとも述べた。購入希望者の詳細も依然不明という。 同ホテルを巡っては取得案が一度否決され、その後改めて関連議案が可決されるなど異例の経過をたどっている。 市議会臨時会は同日、委員会付託していた補正予算案を原案通り可決、閉会した。補正予算は1億8200万円の追加。
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賀茂4市町のごみ処理事業 今夏から環境調査 下田で住民説明会
下田と南伊豆、松崎、西伊豆の賀茂4市町が計画する南伊豆地域広域ごみ処理事業の住民説明会が28日夜、下田市民文化会館で開かれた。生活環境への影響調査を今夏から実施すると事務局が明らかにした。 構想では市清掃センター敷地内の焼却施設を建て替え、付近に4市町広域による新焼却施設を整備。2022年度中に基本計画を策定、27年度中の焼却施設稼働を目指す。 説明会には約30人が参加した。担当者は8月から行う現施設の環境調査の概要を解説。1年かけて大気質や騒音、においなどを調べ、将来の予測も加味して周囲への影響を分析するという。 前日の27日には、予定地への整備に反対する市民らと下田市による意見交換
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下田の小中生ら給食費を免除へ 補正予算案に計上
下田市は28日までに、8月から2023年3月までの児童生徒らの給食費を免除する方針を固めた。同日開会の市議会臨時会に上程した一般会計補正予算案に、関連費4600万円を盛り込んだ。小中学生に加え、幼稚園や保育所、こども園の園児分も負担する。市教委によると、元々の給食費はそれぞれ1人当たり1カ月2800~5千円。ウクライナ危機や円安を背景にした物価高や原油価格高騰に対応する格好。1億8200万円を追加する補正予算案には、同様に電気代やガス代などへの支援を念頭に、事業者向けの給付金事業費7200万円も盛り込んだ。 臨時会は日程を29日までの2日間と決め、補正予算案は委員会付託。3200万円のパソ
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下田市長「互いに発展」 国際カジキ釣り大会「日本初」巡る議論
「日本初の国際大会」の冠を巡り下田市と茨城県のカジキ釣り大会が議論になった問題に関し、同市の松木正一郎市長は27日の定例会見で「あちらはあちらで互いに発展していけたら良い」と述べた。同市の大会関係者や行政は以後、争わない姿勢を示した。 国内最大規模の下田の第44回国際カジキ釣り大会は24日に閉幕した。これまで「日本初」の議論に市が関わることは無かったが、松木市長は「下田では何十年もの歴史をかけて大会が作り上げられてきた。カジキの“聖地”として大変誇らしい」と強調。大会関係者は既に今後は争わない考えを示していた。茨城の「大洗インターナショナルフィッシングフェスティバル
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伊豆急行「買い物列車」第3弾 27日運行、要望受けカフェ新設
電車をショッピングと交流の場に-。伊東市と下田市を結ぶ伊豆急行線で27日、沿線の高齢者らをターゲットに農産物やスイーツ、日用品などを販売する「買い物列車」が運行する。電車で売り物を運び、停車中の車両内で買い物を楽しめるほか、「カフェ車両」も設けて、地域の交流機会創出を図る。 企画したのは東京都市大の学生6人グループ。昨年、地域課題を研究していた際に地域経済や地方鉄道の活性化へ買い物列車を伊豆急行に提案し、買い物列車は3回目の取り組み。今回は車両の一部をカフェとして、学生らがコーヒーなどの飲料も初めて提供する。「過去2回は買い物を終えて駅のホームで談笑する高齢者が多かった」と都市生活学部の3
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弓ケ浜と子浦で海開き 南伊豆、関係者が安全祈願
南伊豆町の弓ケ浜海水浴場と子浦海水浴場が23日、海開きした。弓ケ浜には関係者約20人が集まり、海水浴シーズンの安全を祈願した。 地元自治会の湊区が主催し、行政や観光関係者らが参列。神事に臨み、期間中の無事故へ願いを込めた。山田晴之湊区長(69)は「美しい浜の安全を皆さんと守りたい」と言葉に力を込めた。 弓ケ浜は8月21日、子浦は同月16日までの開設。町観光協会は職員内で新型コロナウイルスの感染が広がっているとして、道の駅下賀茂温泉湯の花内の観光案内所を7月23日から27日まで臨時休業とした。午前9時から午後5時まで電話対応は受け付ける。問い合わせは同協会<電0558(62)0141>へ。
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7月25日から全10回 東伊豆「稲取花火演舞」開催
東伊豆町の稲取温泉旅館協同組合は7月25日から、花火イベント「伊豆稲取花火演舞」を町内で開催する。8月31日まで全10回、温泉街の夜空を花火が彩る。 毎夏の恒例行事。稲取銀水荘前とサンライズテラス、稲取漁港の3カ所のうち、各日1カ所から約500発を打ち上げる。 それぞれ午後8時半から10分間の予定。小雨決行、荒天中止。問い合わせは同組合<電0557(95)2901>へ。 日程は次の通り。 稲取銀水荘前 7月25日、8月27日▽サンライズテラス 7月26日、28日、8月28日、30日▽稲取漁港 7月27日、29日、8月29日、31日
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国際カジキ釣り大会 下田で開幕 茨城と「日本初」議論、争わず
第44回国際カジキ釣り大会(NPO法人ジャパンゲームフィッシュ協会主催)が22日、下田市の下田港沖で始まった。開幕前に茨城県の大会と「日本初の国際大会」の冠を巡って議論が起きたが、下田側は同日までに「向こうは向こう。日本で最も名誉あるカジキ釣り大会として地域活性化に貢献したい」と争わない姿勢を示した。大会は24日まで。 42、43回が中止となり3年ぶりの開催。県内外の94チーム約550人が出場する。22日は早朝から参加者が沖に繰り出し、クルーザーから大物を狙った。競技を終えると陸で釣果を確認し、大物に歓声が上がった。 下田の大会は過去に外国人が出場していたが、主催者によると、外国人による
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ダイロクキッチン6周年 空き物件改修、多彩に活用 東伊豆
東伊豆町稲取のシェアキッチン「ダイロクキッチン」の開設6周年記念イベントがこのほど、町役場で開かれた。 同キッチンはNPO法人ローカルデザインネットワークの運営。町消防団の旧「第六」分団器具置き場だった空き物件を、同NPO理事長の荒武優希さん(31)らが改修した。近くの稲取高生によるカフェイベントのほか、地域住民の読書会など多彩に活用されている。 約40人が参加したイベントではこれまでの活動を振り返るとともに、グループ討論で今後の活用策を議論した。荒武さんは「多くの地域の方たちに利用してもらえるよう、さまざまな世代への浸透を図っていきたい」と見据えた。
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映画「踊子」河津で 川端康成ゆかりの地 フィルム修復、上映へ
川端康成の代表作「伊豆の踊子」ゆかりの地として知られる河津町が、昭和のスターらが出演した同タイトルの複数の映画フィルムで川端の業績を語り継ぐ取り組みを始めた。腐食のため修復に出していた4本のフィルムがこのほど、作業が完了して町に戻った。関連行事や上映会などを通じ、町は今春没後50年を迎えたノーベル賞作家と町の関係をアピールしていく。 「映像の一部に欠損が見られるが、問題なく視聴できるようだ」。今月5日、町立文化の家図書館。町教委社会教育係長の小野英樹さん(55)が壁に投影された、登場人物を演じる若き日の吉永小百合さん、高橋英樹さんの姿を確認して胸をなで下ろした。 「伊豆の踊子」と題された
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レッサーパンダ、間近で 熱川バナナワニ園が施設改修 東伊豆
東伊豆町の熱川バナナワニ園がこのほどレッサーパンダの畜舎を改修した。動物の生活環境に配慮し、来園者も間近でレッサーパンダを観察できる。 同園が飼育するレッサーパンダは10頭。元々は竹林を好んで生息するといい、畜舎内の壁面に竹を貼り付け、床にはウッドチップを敷き詰めた。改修は支援グッズの販売や募金などにより実現。内装は同園のスタッフたちが手掛けた。 飼育員の熊倉裕さん(23)は「自然に近い環境となったからか、リラックスしている姿が増えた。ぜひさまざまな姿を見てほしい」と呼び掛けている。 同園は沼津と三島、函南、熱海、伊豆の国、伊豆、伊東、東伊豆、河津、西伊豆、下田、松崎、南伊豆の各市町の
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男子/船渡・中島組、女子/渡辺・大原組がV 南豆ソフトテニス大会
南豆ソフトテニス協会はこのほど、第22回静岡新聞社・静岡放送杯南豆ソフトテニス大会を下田市の敷根公園で開いた。 賀茂地区と伊東市から約60人が出場。男女別のダブルスを実施した。一般男子は船渡祥太・中島祐貴ペア(sea-z)が、一般女子は渡辺麗子、大原悠加ペア(松崎クラブ)が制した。3ペア1チームで6人の年齢が計300歳以上の壮年団体の部は伊東市が優勝した。 そのほかの主な結果は次の通り。 【一般男子】②辻翔太・北條智也(sea-z)③肥田愛斗・肥田和真(みなみーず)、杉山健人・土屋和久(下田高OB) 【同女子】②日吉凜乃・寺嶋煌莉(下田中)③飯田海依・正木愛理(河津中)
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コツメカワウソ園舎新設 餌やり人気 下田海中水族館
下田海中水族館(下田市)の人気者、コツメカワウソの新たな園舎がお目見えした。11日に内覧会が開かれ、早速元気いっぱいの様子で来園者を楽しませた。 同園ではマメタとワサビの兄弟(いずれも7歳)が一緒の園舎で暮らしていた。餌やり体験などが人気で、園舎には行列ができるほど。混雑の緩和などを狙いにワサビ専用の園舎を新設した。 小型の水槽や、ぶらさがり用のロープが設けられ、ちょこちょこと動き回るワサビは愛嬌(あいきょう)たっぷり。有料で園舎の中に入って間近で撮影できたり、餌を与えたりできる。 飼育課の中西健さん(26)は「コツメカワウソは動いていないとストレスがたまるほど活発。さまざまな姿をぜひ
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記者コラム「清流」 アジとひらめき
サクッ、フワッ-。歯切れのいい揚げたてを頬張ると、幸せな気分になる。ああ、美味なり。酒のアテにもなるし、食事のおかずでも主役級。昔からアジフライに目がなく、飲食店でメニューにあると頼まずにいられない。 「その手があったか!」と思わずうなってしまった。下田市の老舗干物店「小木曽商店」が開発したのは、なんと干物のフライ。アジフライを口にしてみると、肉厚な干物らしさが印象的で満足感十分。食べ慣れたフライとひと味違って、食が進む進む。 小木曽正治社長によると、若者の干物離れ解消に開発したそう。こんなにおいしい干物を食べてもらえないのか-と言いたくなるが、新聞も若者離れが叫ばれて久しい。若者の興味を引
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伊豆在住作家らのクラフト作品販売 17日、河津
河津町峰の「河津バガテル公園」内の交流拠点施設「ワーキングスペースバガテル」で17日、伊豆在住のクラフト作家らの作品を集めた「すてきな手しごと市」が開かれる。 13組が出店し、陶器やガラス工芸、ドライフラワーなどの作品を販売。寄せ植えやアクセサリー製作の体験をはじめとしたワークショップも開催する。主催する地域おこし協力隊の榎原なつ美さん(33)は「貴重な1点ものをぜひ手に取ってほしい」と来場を呼び掛けている。 午前10時から午後3時まで。問い合わせは榎原さん<電080(2627)1830>へ。
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下田市チームが始動 候補選手ら決起大会【市町対抗駅伝】
12月3日に静岡市で開かれる静岡県市町対抗駅伝(静岡陸上競技協会、静岡新聞社・静岡放送主催)の下田市チームは12日夜、候補選手対象の説明会と決起大会を市民文化会館で開いた。早速13日から全体練習で始動する。 下田市チームは22回大会で2時間26分52秒と、市の部25チーム中23位だった。指揮を執って4年目の渡辺洋之監督は「2時間25分台が目標。近年競っている伊豆のチームに負けないようにしたい」と言葉に力を込めた。選手たちは佐々木文夫教育長から「苦しい時も励まし合い、競い合って力を付けてほしい」と激励を受け、気を引き締めた。 今後週2回の練習で10月をめどに代表選手を絞り込む。現時点で12
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アカウミガメの卵、113個確認 下田・多々戸浜で4年ぶり
下田市の多々戸浜で11日、絶滅危惧種のアカウミガメの卵113個が見つかった。下田海中水族館(同市)によると、市内での産卵の確認は今季2回目で、同所では4年ぶりとみられる。 同日朝4~5時ごろ、サーフィンに来ていた自営業野沢和弘さん(53)=茨城県=が砂浜を散策中、8の字状の足跡を発見。同水族館に連絡した。波打ち際約50メートル、深さ約50センチの穴からピンポン球大の卵が見つかった。卵は元の穴に戻し、周囲に保護用ロープを巡らせた。 野沢さんは「皆が元気に海に帰ってほしい」と願いを込めた。 近くの亜相浜では6月21日に上陸跡が見つかったが、産卵は確認できなかった。同館によると、時期と場所
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ひもの屋さんのフライ 小木曽商店(下田) 上質な味わい、食感追求【静岡ものづくり最前線】
日本トップクラスの水揚げ量を誇るキンメダイをはじめ、豊富な海産物で知られる下田市で、冷凍の干物のフライを新たな名物にしようと挑戦している。 冷凍フライはアジ、キンメダイ、イカの3種類。干す時間が長くなるほど身が締まるといい、ふっくらした食感を残すため乾燥時間は短くする。脂の乗った肉厚な味わいをサクッとしたフライの軽やかな食感とともに楽しんでもらう狙いだ。フライで味わう際に塩気が強すぎないよう、通常の干物に比べ食塩につけ込む時間も短くしている。 女性の社会進出や働き方の多様化など生活様式の変化から、魚の調理や骨の処理が面倒という消費者が若者を中心に増えているという。フライ用の干物は骨抜きに
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物価高対策に1億円規模の臨時交付金 東伊豆町方針
東伊豆町は7日までに、ウクライナ危機や円安を背景にした物価高や原油高騰を受け、国の補助金に町会計も加えて1億円規模の臨時交付金を支出する方針を固めた。公共料金や事業者の支援などに充てる。 交付金の総額は9900万円。2400万円を投じ、2カ月分(時期未定)の水道料金を町全体で免除する。小学生が月約3900円、中学生は約4700円の給食費は、3カ月分(同)を町が負担する(総額600万円)。給食の食材費の増額分には300万円を投入して対応する。 公共交通の関連会社には燃料費や電気代分として1600万円を助成する。宿泊業や飲食業などの事業者への支援金3400万円とともに、農業や漁業従事者には1
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スタンド灰皿寄贈 分煙と周遊促す JTが下田市に
日本たばこ産業(JT)静岡支社と下田たばこ販売協同組合は7日、下田市にスタンド灰皿11基を贈った。海水浴場に設置して分煙を促進するとともに、灰皿には観光情報を盛り込んだQRコードを貼付して、来訪客の周遊を促す。 スタンド灰皿は高さ約80センチ。ご当地キャラクター「ぺるりん」や特産のキンメダイが描かれたかわいらしいデザインのステッカーを市が貼付した。ステッカー記載のQRコードは観光協会のホームページにアクセスする。 下田市に10年以上にわたり灰皿を寄贈してきた同支社が、ご当地キャラなどのステッカーを貼り付けて自治体と連携するのは初の試みという。同支社の井上大爾支社長と組合の石田雅彦理事長が
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30年で人口半減と予測 賀茂1市5町 転入30代の挑戦【決める、未来 若者@まちづくり㊦】
伊豆南部の賀茂地域1市5町の総人口は、2015年からの30年間で半減以下の3万1千人に減少する-。国立社会保障・人口問題研究所からこんなショッキングな推計データが示され、賀茂地域は将来の「消滅危機」が取り沙汰されている。自治体が移住促進に躍起になる中、実際に移住やUターンで居を移した若い世代は何を思うのか。 「若者が求めているのは金銭的な豊かさだけではなく、心の充足なんです」。東伊豆町に移住し、空き物件の改修・再生に取り組む合同会社代表の荒武優希さん(31)=横浜市出身=は断言する。 「自然の豊かさだけでなく、若い住民の暮らしや気持ちが充実していることもより周知すべきでは」。幅広い世代
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賀茂地域協「統合、町の存続関わる」 県立高再編巡り初会合
静岡県教委は6日、県立高の再編案を盛り込んだ第3次長期計画(2018~28年度)を再検討するため、賀茂地区で新たに設置した地域協議会の初会合を下田市の県下田総合庁舎で開いた。賀茂地区6市町の教育関係者ら約40人が「今後の県立高の在り方」を念頭に議論した。 6市町の高校は下田と稲取、松崎、下田南伊豆分校の4校。県教委の担当者は出生数などを紹介し、生徒数が今後、さらに減少するとの見通しを示した。各校とも地区内からの進学者が大多数との現状も説明した。 稲取、松崎高周辺の出席者からは、高校が町内からなくなると子育てへの影響から「町の存続に関わる」といった声や、町外への通学が大きな経済的負担になる
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賀茂地域の観光振興議論 下田で広域会議 6市町の首長ら参加
地域一体の振興策を探る第31回賀茂地域広域連携会議が6日、下田市の県下田総合庁舎で開かれた。6市町の首長と職員、県の担当者らが観光振興などを議論した。 河津町の岸重宏町長は、一般的な観光旅行とともにスポーツ合宿や教育旅行の誘致に取り組んでいると報告した。賀茂地域内を含めた近隣市町からの誘客が増加傾向にあると指摘したのは、南伊豆町の岡部克仁町長。参与の森竹治郎県議は県に対し、他地域の先進事例を積極的に各市町に周知し半島全体の周遊促進につなげるよう求めた。 県の担当者は災害備蓄食料の共同調達を実施する方針を示した。市町レベルで調達することで廉価で仕入れ、調達事務の効率化につながると有用性を強
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河津バガテル公園 指定管理者3回目公募へ
河津町の岸重宏町長は5日、町営バラ園「河津バガテル公園」について、指定管理者の3回目公募を実施すると町議会議員説明会で明らかした。6月の2回目公募が2019年度に続き不調に終わっていた。岸町長は赤字が続く町の象徴的施設の指定管理移行に向け、「ここで何とか決めたい。ぜひとも理解を」と不退転の決意を示した。 町は初回公募の反省から2回目で指定管理の期間と管理料を見直したが、2回目公募には共立メンテナンス(東京都)1社が応じたのみで、同社は審査での評価が基準点に達しなかった。岸町長は「指定管理料は崩さない。これ以上の負担を町民に強いることはできない」と吐露。3回目公募では施設の改修を認め、公園施
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今春発足の下田中野球部 部員2人、女子プロ選手から学ぶ
今春の下田市内の4中学校統合に伴い発足した下田中野球部は3日、埼玉西武ライオンズ・レディースから同市の敷根グラウンドで指導を受けた。 山崎まり選手と清水優花選手が講師を務めた。2人はキャッチボールの基本から指導し、守備練習では自ら流れるようなフィールディングを披露して手本を示した。 同校の野球部員は2年の富小路壱樹さんと1年の藤井悠太郎さんの2人。新入生が入る2023年度の大会出場を目指して練習に励んでいるという。 西武2選手の指導は、外岡鈑金塗装(同市)の外岡福美社長の尽力で実現した。今後はプロ野球西武のOBから指導を受ける計画もあるといい、富小路さんは「積極的に質問して、プレーに生
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記者コラム「清流」 “バラ色の日々”を探して
「あっちいなあ…」。梅雨明け直後の河津バガテル公園。恐ろしいほど強烈に照りつける太陽に、思わず弱音が口をつく。一方、視線を移すと、バラの管理にいそしむ高齢男性たちとおぼしき姿が。 河津町営バラ園の指定管理公募が3年前に続き、またも不調に終わった。近年は来園者が減り、町は厳しいかじ取りを迫られる。 庭園観賞が趣味で、取材がてら園内を散策するのが楽しい。花々の手入れが行き届いていて、丁寧な仕事が伝わってくる。夏の管理現場を目撃し、多くの尽力で維持されているのだと痛感した。 今後の方針はまだ決まっていないが、何とかならないものか、と切に思う。何かきっかけがあれば、再浮上できるポ
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下田市 中心部活性化へ指針 エリア分け基本計画
下田市は4日までに、「みなとまちゾーン活性化基本計画」をまとめた。市中心部を道の駅周辺の「マリンパークエリア」と旧町周辺の「歴史・みなとまちエリア」に分割し、まちづくりの指針とする。 「世界屈指の魅力ある海と歴史を感じるみなとまち」を将来像に掲げた。マリンパークエリアは、老朽化したミュージアムを含めた道の駅再編整備の必要性に言及。まどが浜海遊公園についても飲食提供やイベント開催の実証実験の実施など、利用増加と滞留性向上を図るとした。 歴史・みなとまちエリアは、観光客の誘導を促す仕組みの構築を課題に挙げた。経済停滞による空き家や空き店舗の増加を踏まえ、リノベーションによる新スポット創出を事
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白馬村児童と磯遊びで交流 河津東小5、6年生
河津東小の5、6年生18人は1日、長野県白馬村の白馬南小の6年生15人と河津町内で交流した。姉妹都市の河津町と白馬村の児童たちが水辺で3年ぶりに親睦を深め、ともに自然に親しんだ。 両校の交流は1987年度に始まった。夏は河津で磯遊び、冬は白馬でスキー交流を展開していたが、コロナ禍で中断していた。児童は見高ベロバ海岸で水遊びや生物観察を満喫。特産のサザエにも舌鼓を打った。 白馬南小6年の堀翠月さんは「海に入る機会が少ないので、本当に楽しい」と満足げだった。河津東小6年の山本結良さんも「河津の美しい海の魅力が伝わったと思う。冬にもっと仲良くなりたい」と声を弾ませた。 町内の小学校の統合によ
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河津バガテル公園 指定管理者公募、またまとまらず 「町の象徴」赤字続く
河津町の町営バラ園「河津バガテル公園」の町による指定管理者公募が、30日までにまとまらなかった。公募不調は2019年度に続き2回目で、再建策はまたも緒に就かなかった。今後は再度の公募実施や個別交渉への移行などが考えられるが、赤字が続く施設だけに町は厳しいかじ取りを迫られそうだ。 町は4月に2度目の公募に着手し、事業説明会には県内外6事業者が参加した。最終的に寮やホテル運営などを手掛ける共立メンテナンス(東京都)が応募したが、審査での評価が基準点に達しなかった。 公募不調となった前回の反省から、町は指定管理期間と管理料を見直したが、最終的に実を結ばなかった。岸重宏町長は27日の定例会見で「
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涼誘う風鈴の音 河津七滝、7月1日から「風涼渓」
河津町の観光名所「河津七滝」で7月1日から、周辺を風鈴で彩るイベント「風涼渓(ふうりょうけい)」(河津七滝観光協会主催)が開かれる。8月31日まで風鈴約80個が遊歩道沿いを彩る。鈴木彰治会長(57)は「自然の中で風鈴の音色が感じられる環境は希少だ」と来場を呼び掛けている。 今年で8回目。28日朝から協会員が風鈴を「初景滝」と「カニ滝」近くに設置した。高さ3メートルほどの木枠を設け、吹きガラスの風鈴をつるした。 風鈴は七滝茶屋ガラス工房の福司康介さん(44)の手作りで、清涼感あふれるデザイン。山あいのひんやりした空気と風鈴の音色が共鳴し、梅雨明けに照りつける太陽からのつかの間の避暑地となり
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新日本フィル交流演奏会 賀茂地域の児童生徒対象、南伊豆から
新日本フィルハーモニー交響楽団による賀茂地域の児童生徒対象の交流演奏会が27日、南伊豆町で始まった。初日は同町の約120人が日本トップクラスの演奏に耳を傾けるとともに、楽器に触れ音楽に親しんだ。 文化庁共生プロジェクトの一環で、障害や年齢にかかわらず芸術に親しんでもらう狙い。同日は南中小と南伊豆中で実施した。南伊豆中ではバイオリンの田村直貴さん(44)らが弦楽四重奏を披露。生徒は繊細な演奏に酔いしれた。 モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」などの演奏の合間に、田村さんが楽曲の知識や演奏技法を解説。生徒はバイオリンの弾き方を伝授された。1年の鈴木歩高さんは「あんな細い弦からき
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「ベビーファースト運動」参画 子育て支援鮮明に 東伊豆町
東伊豆町は27日、子供を産み、育てやすい社会の実現を目指す「ベビーファースト運動」に参画したと発表した。下田青年会議所の呼び掛けに応じ、子育て世代を支える姿勢を鮮明にする狙い。県内自治体では県に続き2例目で、市町単位では初という。 同運動は日本青年会議所が全国で企業や自治体に賛同を呼び掛けていて、参画に伴って具体的な行動などを求めている。東伊豆町は既に新生児への祝い金支給や不妊治療費、子育て用具の購入費の助成、イベント時の授乳・おむつ替え用テントの貸し出しなどを実施していて、さらに取り組みを推し進める。 同日の町役場での定例記者会見で岩井茂樹町長は「自治体の“消滅危機&rdq
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間近で観察 小型のフクロウ人気 伊豆アニマルキングダム
東伊豆町の伊豆アニマルキングダムで、来園者が至近距離で観察することができる小型のフクロウ「アフリカワシミミズク」が人気を集めている。 赤道南のアフリカに生息し、体長は40センチ程度。総じて穏やかな性格で、同園に8羽いる中でも特に温厚な1羽をこのほど入り口近くに移動した。1日数回、飼育員による飛行訓練を実施している。 台座の上にちょこんと止まり、微動だにしない姿は人形のよう。東京都から訪れた青木隆宗さん(32)は「遠くから見たら像かと思った。こんなに近くで見られるなんて」と喜んだ。
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児童ら特産キンメ学ぶ 静岡銀行、東伊豆でイベント
静岡銀行は25日、児童が地域産業に触れるイベント「しずおかキッズアカデミー」を東伊豆町稲取で開催した。26日まで県東部の小学4~6年生12人が特産品や基幹産業を学ぶ。 初日は町役場で伊豆漁協稲取支所運営委員長の鈴木精さん(70)=同町=からキンメダイの水揚げ事情を学習した。鈴木さんはキンメダイが稲取の温泉街で重宝された結果、評判が全国に広まっていったと解説。児童たちは受講後、町内の3旅館で夕食の配膳を体験した。 26日は日本三大つるし飾りの一つともされる雛(ひな)のつるし飾りの制作に取り組む。 静岡銀行は郷土愛の醸成などを狙いに同様のイベントを各地で開催していて、今回は稲取温泉旅館協同
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ライフセーバー8種目競う 下田で選手権
第35回全日本ライフセービング種目別選手権が25日、下田市の白浜大浜海岸で開幕した。全国のライフセーバー約400人が26日まで、男女8種目で日頃鍛えた成果を競う。 初日はカヤック状の乗り物で約300メートル沖合のブイを回って浜に戻る「サーフスキーレース」などを実施。5メートル超のサーフスキーを操って熾烈(しれつ)なレースを展開した。砂浜の直線90メートルを駆け抜ける「ビーチスプリント」では、ランナーが足を取られながらも力強いフォームで疾走した。 26日はうつぶせの状態でスタートし20メートル先のバトンを奪い合う「ビーチフラッグス」などで熱戦を繰り広げる。
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高校生に観光講座 静岡県立大、伊豆急下田駅振興策考える
静岡県立大による高校生向けの観光講座が25日、下田高(下田市)で開講した。同校の生徒6人が秋までに学識者や学生とともに伊豆急下田駅前のにぎわい創出策などを考える。 同大院ツーリズム研究センターの八木健祥センター長(63)が講師を務める。八木センター長は下田市の2015年個人消費額500億円超の3割が観光客によると解説。その上で特急「踊り子」の東京-伊豆急下田間の所要時間約170分と片道料金約6千円(通常期)を他の観光地と比較し、「料金や時間のハンディを上回る魅力作りが急務だ」と説いた。 生徒は同大4年の大石麟太郎さん(24)と杉浦麻衣さん(21)にも教わりながら、若年層に来てもらえる施策
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「新南伊豆のすがた」発行 賀茂地域の統計まとめる
静岡県賀茂地域局は統計冊子「新南伊豆のすがた」の2021年版を発行し、27日から希望者に無料で配布する。賀茂地域1市5町の人口動態やコロナ禍における観光業の状況などをまとめている。 21年の管内の高齢化率は45・3%と、県全体の29・9%を大きく上回った。同年の出生児は183人。宿泊客は約141万人で前年比87・1%。コロナ禍前の19年は約242万人だった。主要道路の通行台数や鉄道駅の乗降人数、医師数なども掲載している。 冊子はA4判106ページ。1964年から毎年発行している。賀茂地域局地域課の福地伸泰主事は「多種多様な統計を掲載しているので、地域の現状を知るのに役立ててほしい」と話し
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7月16日海開き 下田市、警備を民間委託
下田市は23日、市内の海水浴場を今季は7月16日に開設すると発表した。これまで市主体で実施していた警備は今夏から市職員に加え、民間の警備会社に委託、無許可営業の撲滅を図る。 9海水浴場を16日に開設し、試験的に柿崎海水浴場を25年ぶりに8月6日から開く。一部の海水浴場で密集回避に4メートル四方の枠を浜に設ける手法は、今夏は行わない。 市内では長年、白浜大浜を中心に、市条例で禁止されている無許可の飲食類の提供やパラソルの貸し出しなどが続いている。民間の警備は混雑時に5人規模、平時で3人規模を配置。違法営業のほか、入れ墨露出や大声など周囲の迷惑となる行動にも目を光らせる。警備会社は市夏期海岸
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ウミガメ産卵十数年ぶり 河津・今井浜、146個を確認
河津町今井浜で23日、絶滅危惧種のアカウミガメの卵146個が見つかった。下田海中水族館(下田市)によると、河津町での産卵の確認は十数年ぶり。 同日朝に住民が足跡を発見、同館に連絡した。関係者が付近を探したところ、波打ち際約30メートル、深さ約50センチの穴からピンポン球大の卵が見つかった。卵は元の穴に戻し、保護用のロープを周囲に設置した。 下田市の亜相浜では21日に上陸跡とみられる痕跡が見つかったが、ウミガメの卵は確認できなかった。同館職員の浅川弘さん(51)=県希少野生動植物保護監視員=は「引き返したウミガメが下田の沖で待機し、河津まで来るのは考えにくい」と指摘。「産卵が多い年と少ない
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ウミガメの命大切に 下田・朝日小で講座、生態や保護活動学ぶ
下田市の朝日小の3年生15人は21日、下田海中水族館(同市)飼育員の岡野司さん(29)によるウミガメ講座を同校で受講した。生態や保護活動に理解を深め、命の尊さを学んだ。 同校近くの吉佐美大浜海岸では4日、絶滅危惧種のアカウミガメの卵134個が市内で2年ぶりに発見された。岡野さんは「ウミガメの前肢は泳ぐときにスピードを出すために長く、後ろ肢は方向転換のために平べったい」と解説。体に侵入した大量の塩分を放出するために涙を流すとの習性も紹介した。 児童は岡野さんが連れてきた同園のウミガメに触り、「思っていたより硬い」などと感想を口にした。錦織海斗君は「海岸にゴミがあると卵から産まれたカメが海に
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子育て協力「お父さんペンギン」に感謝 下田海中水族館でショー
下田市の下田海中水族館は19日、父の日に合わせ、「お父さんペンギンありがとう」と題したショーを開いた。3月にひなが生まれ、協力して子育てするフンボルトペンギンの生態を飼育員が紹介した。 飼育員の柏倉瑞恵さん(29)が通常のショーに先駆け、雄ブーネーの日常を解説。雌ヨンチャンと共にひなの誕生前は交代で卵を温め、生まれてからは食べた魚を胃の中で消化してからはき出して与えていると説明した。 小田原市から家族で訪れた公務員松江大輔さん(40)は「ペンギンを見習い、今まで以上に子育てにまい進したい」と触発された様子だった。 ペンギンたちは柏倉さんの指示を受け、一列に並んでぺたぺたと行進して愛嬌(
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川端作品をより身近に 没後50年、河津の図書館に特集コーナー
河津町笹原の町立文化の家図書館は、川端康成(1899~1972年)の没後50年の特集コーナーを設けている。河津は代表作「伊豆の踊子」の舞台の一つ。担当者は50年の節目に、伊豆に縁深い川端作品に触れるきっかけにしたいと来館を呼び掛けている。 館内の一角にブースを設け、「踊子」や人物伝など関連書籍のほか、川端の略歴をまとめたパネルも設置した。名作のせりふを抜粋したパネルも展示し、町民らに多角的にノーベル賞作家に触れてもらう狙い。 同館は「踊子」の読書感想文コンクールが2017年から始まったのに伴い、約60冊が並ぶ「伊豆の踊子コーナー」を設置している。没後50年企画は29日までだが、関連書籍は
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旅館にふるさと納税自販機 東伊豆町 返礼品はキンメダイや宿泊券
観光客の皆さん、温泉に漬かった後はふるさと納税を活用して再訪を-。東伊豆町は10日、「ふるさと納税自販機」をお披露目した。宿泊施設に設けられた自販機でクレジットカード決済すれば、ふるさと納税制度の寄付金として扱われ、すぐに特産品や宿泊券などと交換できる仕組み。町はタブレット端末も活用して他施設でも同様の取り組みを実施する意向で、複数箇所で多面的に“現地寄付”を推進するのは全国でも初という。 「キンメダイの塩焼き」「露天風呂付き客室ペア宿泊券」-。同町稲取の稲取銀水荘に設けられた自販機には、温泉地を代表する返礼品の数々がタッチパネルに表示されている。同日関係者が集まり
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国際カジキ釣り大会 “日本初”はどっち? 下田と茨城で論争
どちらが「日本初の国際大会」か-。今年第44回を迎える下田市の「国際カジキ釣り大会」と、8月に初めて茨城県で開催予定の「大洗インターナショナルフィッシングフェスティバル」の間で、“日本初”の冠を巡って議論になっている。下田側は「地元と長年育んできた国際大会」と主張するが、茨城側は「国から初めて外国人出場の承認を受けるこちらが最初の国際大会」と譲らない。 下田の大会は1980年代中盤から末にかけオーストラリアや東南アジアなどから出場があり、アジア大会を兼ねたこともあった。大会は国や静岡県の後援を受けていた。ただ主催者によると、外国人が日本の領海内でのトローリング(引き
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「グローカル人材」育成へ 下田市、推進委発足
郷土愛を持ちながら国際的に活躍できる人材育成を目指す下田市の「グローカルシティープロジェクト」の推進委がこのほど、発足した。道の駅開国下田みなとで初回会合を開き、基本計画案を確認した。多彩な教育や国際交流プログラムを展開する。 グローカルは「グローバル」と「ローカル」の造語。多様な文化を理解し合い、柔軟に自らの意思を発信できる人材の育成を官民で図る。プロジェクトは2026年度までを期間とし、教育振興とグローカル推進が柱。 教育振興分野では小中高の連携や、外国語学習の充実などによる国際教育を推し進める。グローカル推進分野は、国際交流とともに地域学習やまちづくりの実践も掲げる。 22年度は
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下田「あじさい祭」 300万輪続々開花へ 30日まで
日本有数のアジサイ群生地として知られる下田市の下田公園で1日、「第51回あじさい祭」(市観光協会主催)が開幕した。6月中旬には300万輪の多くが見頃を迎える予定。30日まで。 市街地や下田港を一望できる園内には、100種類以上のアジサイが植えられ、一部は紫色や青色などの五分咲き程度の花を付けている。公園上部の群生地も今後開花が進んでいくという。 初日から多くの観光客らが訪れ、初夏を告げるアジサイをカメラに収めていた。会社員細田紗希さん(24)=東京都=は「同じ株でも一つ一つの花の姿が異なるのが魅力的」と声を弾ませた。 オープニングセレモニーでは、協会の沢地大吉会長が「園内には多彩なビュ
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静岡人インタビュー「この人」 高上賢治さん(下田市)法テラス下田の新任弁護士
理系の大学院を卒業後に民間企業に就職し、その後一念発起して2017年に司法試験に合格。香川県丸亀市の法律事務所と法テラス佐賀を経て4月に着任した。下田では可児望所長との2人体制で、公的法律相談窓口として賀茂地域の住民を支援する。岡山県総社市生まれ。45歳。 -伊豆を訪れたのは初めてとか。 「旅行が趣味だが、伊豆は訪れたことがなかった。着任早々、下田市の尾ケ崎ウイングから望んだ一面の真っ青な海と水平線に息をのんだ」 -弁護士を志したきっかけは。 「大学院では理系分野を学んだが、卒業後は研究分野ではなく人と関われる仕事がしたいと医療法人に就職した。高齢者施設で勤務時、高齢者の詐欺被害や遺
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「ムーンロード」一杯いかが? 東伊豆でクラフトビール販売
東伊豆町観光協会は31日、6月から町内の酒販店で販売する協会独自のパッケージのビールをお披露目した。 観光協会が企画し、伊東市の宇佐美麦酒製造が商品化した。東伊豆の海洋深層水で仕込んだ「ゴールデンエール」を使用。刺し身や煮付けなど多彩な魚料理にマッチするという。 パッケージに描かれた「ムーンロード」は、町内から臨む月の光が海面に反射することで「月の道」のように見えることに由来している。町内では満月に願いがかなうという「月の道」の光景が人気で、「ムーンロードクラフトビール」として売り出したい意向だ。 協会常任理事の近藤純司さん(64)は「カジュアルなデザインなので、ぜひ『月の道』の景色と
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世界初 マーガレット×ローダンセマム 新品種開発に成功
静岡県農林技術研究所伊豆農業研究センター(東伊豆町)は30日、同じキク科のマーガレットとローダンセマムを交配した新品種の開発に成功したと発表した。同センターによると、この2種の交配は世界初。「ビジューマム」と命名され、県産の花卉(かき)ブランドの強化の一助として期待される。 フランス語で宝石の意の「ビジュー」と、キク科の愛称「マム」を合わせた造語から名付けられた。新品種は「ローズクオーツ」と「ガーネット」の2種類で、ともに1~6月に開花する。ローズクオーツはピンク色で半八重咲き、ガーネットは赤色で一重咲きの花をつけ、コンパクトで鉢植えや花壇での栽培に適しているという。 ローダンセマムの耐
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旧下田グランドホテル 方針一転、民間に渡る可能性急浮上
下田市は30日、土地建物を取得、防災公園に整備するとしていた旧下田グランドホテルについて、別の購入希望者が現れたと市議会全員協議会で報告した。これまでの方針が一転、民間に渡る可能性が急浮上した。同ホテルを巡っては2021年12月議会で取得案が否決、22年3月議会で改めて同年度の市公共用地取得特別会計が可決されるなど異例の経過をたどっている。 平井孝一建設課長はホテルの破産管財人から4月27日に、土地家屋の購入希望者が現れたとの連絡があったと説明。市は同特別会計に購入費用として公有財産費100万円を計上しているが、100万円を超える購入希望額が提示されていると明かした。具体的な金額は不明とい
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下田市の庁舎移転計画 第三者からお墨付き 審議会答申
下田市役所の庁舎移転事業で、市新庁舎建設基本計画改訂案の審議会が27日、改訂案を松木正一郎市長に答申した。指摘は表現の修正など軽微な内容にとどまり、旧稲生沢中を移転地とする計画が第三者からお墨付きを得た格好。松木市長は長年の懸案事項の前進へ「新たなステージに入った」と述べた。 答申では付帯意見として、防災対策の明確化などを盛り込んだ。改訂案記載の「現庁舎跡地活用」については、「整備施設のコンセプトなどは他の計画で別途十分に検討すべき」として修正や一部削除を求めた。 市役所に松木市長を訪ね、答申書を手渡した稲葉一三雄会長は「既に予算化されているものもある。この案が最終的な着地点になるよう切
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「休戦」テーマに新作寄贈 南伊豆の小中校に 絵本作家鈴木さん
下田市の絵本作家鈴木まもるさん(69)が26日、自身の新作「戦争をやめた人たち 1914年のクリスマス休戦」15冊を同市と南伊豆町の小中学校や図書館に贈った。図らずも制作途中にロシアのウクライナ侵攻が始まり、鈴木さんは平和の意義を子供たちに伝える必要性を強調する。 作品は第1次世界大戦中の史実が題材。敵国の兵士同士がスポーツや歌を通じて心を通わせていく。「戦火の中でもなお存在する人の心の優しさを伝えたかった」と鈴木さん。色鉛筆によるぬくもりあふれるタッチで、2月上旬から制作を開始。あとがきを手掛けている最中に侵攻が始まったという。 戦況は日に日に凄惨(せいさん)さを増している。それでも「
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黒船祭 目抜き通りをパレード 下田、3年ぶり開催
下田市最大のイベント「第83回黒船祭」が21日、開幕した。幕末の開国の地となった下田の中心部などを舞台に、22日までパレードなど国際色豊かな行事が繰り広げられる。3年ぶりの開催。 下田公園の開国記念広場で執り行われた記念式典には川勝平太知事をはじめ内外の関係者ら約300人が参列。在名古屋米国領事館のマシュー・センザー首席領事は1854年の日米和親条約締結に触れ、日本語で「下田港が開かれ、今日における日米のパートナーシップの礎となった」と先人の遺業をたたえた。 市内関係者は式典に先立ち、ペリー上陸記念公園でペリー提督の胸像に献花。松木正一郎市長は「多くの方の尽力で開催が実現した。両国の交流
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アフリカスイギュウ赤ちゃん人気 東伊豆・アニマルキングダム
東伊豆町の伊豆アニマルキングダムで、今月誕生したアフリカスイギュウの赤ん坊が人気を集めている。アフリカスイギュウを飼育しているのは同施設を含めて全国4カ所で、希少という。 4日に父ラモスと母ミオ(いずれも4歳)の間に生まれた雄は、来園者と動物園をつなぐとの願いを込めて「ツナグ」と名付けられた。体長1メートル弱、体重約40キロですくすく成長中。母親の後ろをちょこちょこ付いてまわるなど、仲むつまじい様子を見せている。 現在はかわいらしい姿を見せているが、施設によると、平原で暮らす野生のアフリカスイギュウは体長5メートル、体重900キロほどの大きさまで育つこともある。大きな角が特徴で、アフリカ
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黄色のバラ「伊豆の踊子」見頃 河津バガテル公園
「春バラまつり」を開催中の町営バラ園「河津バガテル公園」(河津町峰)で、公園花の「伊豆の踊子」が見頃を迎えている。川端康成の名著がモチーフで、6月中旬ごろまで楽しめるという。 鮮やかな黄色が印象的なバラ「伊豆の踊子」は、パリのバガテル公園の姉妹園として同園が2001年にオープンした際、新品種としてパリ市から贈られたという。小説内の「踊子」が黄八丈をまとっている姿をイメージしている。 担当の笹本耕平さん(36)=町企画調整課主事=は「他のバラに比べて遅咲きだが、黄色のブーケのような形状を楽しんでほしい」と見どころを紹介した。春バラまつりは6月30日まで。 河津町は小説『伊豆の踊子』の舞台
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iZoo敷地内に爬虫類専門の動物病院 河津、6月オープン
河津町に6月、爬虫(はちゅう)類専門の動物病院が誕生する。その名も「iZoo(イズー)の病院」。人気動物園の敷地内にオープンする。爬虫類を飼育する愛好家の増加に対し、専門の医療機関が少ないという課題の解消を目指す。関係者によると、爬虫類専門の動物病院は県内初といい、全国的にも珍しいとされる。 4月下旬、開設予定地で獣医師後藤正さん(51)が専用のエックス線検査機や電気メス、薬品の準備を進めていた。爬虫類の診療はイヌやネコなどの一般的なペットと異なる知識が必要とされ「爬虫類を連れて行っても診てもらえない場合が増えている。受け入れ先の確保は喫緊の課題」と強調した。 爬虫類専用の動物病院を設
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改訂案に理解求める 下田市新庁舎建設へ説明会
下田市は12日夜、新市庁舎建設の市民説明会を市民文化会館で開いた。旧稲生沢中校舎を移転用地に盛り込んだ建設基本計画の改訂案を示してから、初の市民向け説明会。移転の基本理念やスケジュールを説明した。 市企画課の担当者は「コロナ禍を経てコスト管理が一層重要になった」と、改訂前の計画から事業費を概算で4億9千万~8億9千万円減額した点を強調した。その上で、防災上の観点からも早期の移転が差し迫られていると述べた。 市は建設に伴い、デジタル化の推進を掲げる。市民からは急速な高齢化社会とデジタル化の整合性を問う意見が上がり、担当者は「10年後、20年後にはスマホやパソコン使用者の年齢も上がっている。
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黒船祭 「通常の8~9割」の開催 下田で21、22日
下田市や観光協会などで組織する第83回黒船祭(21~22日)の執行会は12日、3年ぶりの開催となる行事の概要を発表した。コロナ禍の影響で通常3日間の日程を2日間に縮小するが、市役所で会見した松木正一郎市長は「セレモニーやパレードなどの公式行事は実施する。開催規模は(平時の)8~9割ほどになる」と強調した。 黒船祭は開国の礎を築いた先人の業績をたたえる日米親善イベント。コロナ禍以前は3日間で20万人以上が来場していた。今年は米国大使館や米海軍、海上自衛隊などの関係者を招く。21日の公式パレードは300人規模で実施する予定という。 松木市長は観光業への好影響に期待を寄せる一方、「(ロシアのウ
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記者コラム「清流」 いでよ、下田新名物!
イカ特有のねっとり感というより、さっぱりした口当たりが印象的。すしにショウガを合わせると、口の中に清涼感が広がる。固すぎず適度な歯ごたえで、甘みも抜群。ああ、おいしい。思わずもう1貫食べたくなる。 下田市でアカイカと呼ばれるケンサキイカによる地域おこしが始まった。各店舗でケンサキイカ料理が提供されている。取材を兼ねて“味見”したら、美味に仰天。下田港の水揚げは少なく、地元でも知る人ぞ知る存在という。 いわずもがな、下田と言えばキンメダイ。これまでの赴任地でも「第二の名物作り」が各自治体で起きていたが、「第一」の存在があまりにも大きいせいか、なかなか定着していない。
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犠牲忘れず防災意識高揚 伊豆半島沖地震48年 南伊豆で慰霊祭
30人の死者が出た伊豆半島沖地震から48年の9日、被害の最も大きかった南伊豆町の中木地区で慰霊祭が執り行われた。遺族や地元住民ら約50人が参列し、冥福を祈るとともに後世に被害を語り継ぐ必要性を確認した。 式典は慰霊碑の建立する中木記念公園で地元の中木区が毎年開催している。参列者は午前8時33分の地震発生時刻に鳴り響いた追悼のサイレンに合わせ、黙とうをささげた。岡部克仁町長と萩原宗一中木区長(64)らが献花し、萩原区長はあいさつで「犠牲を忘れることなく、防災意識の高揚につなげていかなければならない」と言葉に力を込めた。 参列者で、両親と祖母を同地震で亡くしたという高校非常勤講師の山本哲夫さ
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河津特産カーネーション 引き抜き体験手際よく 「援農ボランティアツアー」スタート
河津町特産のカーネーションの引き抜き体験(河津温泉旅館組合主催)が7日、同町で始まった。「援農ボランティアツアー」と題し、農家の引き抜きを手伝う代わりに切り花を好きなだけ持ち帰られる人気企画。 初日は同町の安田農園のビニールハウスに県内外の約30人が集まった。黄色やピンク色など多彩な花々を手際よく折り取り、根を引き抜いた。 町内のカーネーション農家は母の日に向けた作業を終えると、新たな苗を植える準備に取りかかる。花がついているものも含め5月中に全てを引き抜く必要があり、短期間に人手が必要となる。安田農園の安田国夫さん(73)は「多忙な時期に重労働の手を貸してもらえて非常にありがたい」と感
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園児にカーネーション「お母さんに感謝の気持ち♡伝えてね」 河津花卉組合が恒例のプレゼント
河津花卉(かき)組合は6日、河津町立さくら幼稚園に特産のカーネーションを贈った。母の日(8日)を前に10年ほど続けている恒例行事。 鈴木顕一組合長とカーネーション部会の後藤利也部会長、JA職員らが同園を訪問。後藤部会長が「お母さんに感謝の気持ちを伝えてね」と全園児50人に一人ずつ、ピンク色と赤色の2品種1本ずつを一束にして手渡した。年長の田中絆心ちゃんは「きれいな花を見て、お母さんもきっとうれしい気持ちになってくれると思う」と声を弾ませた。 JAふじ伊豆によると、本県のカーネーション生産は河津と東伊豆の両町で9割を占める。後藤部会長は「産地だと知ってもらうとともに、子供のころから花に親し
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初夏の下田 旬のアカイカいかが? 5月13日からキャンペーン
「キンメの次はアカイカで」-。全国一のキンメダイの水揚げ量で知られる下田市で、通称アカイカと呼ばれる「ケンサキイカ」で地域おこしを図る動きが始まった。13日からのキャンペーンでは市内の飲食店など約30店舗が一斉にアカイカ料理を提供。市観光協会が県内外へのPRを本格化させる。 「さっぱりしていて強い甘みも特徴」。市内のすし店「美松寿司」の大将、植松幹男さん(62)が手際よくアカイカの握りを供してくれた。ショウガを添えるとさっぱり感が際立ち、塩で食すと甘みが引き立つ。キャンペーンに参加する各店は生食に加え、天板焼きや天ぷら、中国料理など多彩な味わい方を提案する。 同市にとって海水浴シーズンの
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イルカ“祝福”のジャンプ クイズ大会正解者に 下田海中水族館
下田市の下田海中水族館は5日、館内の歴史に関するクイズ大会を同館で開いた。来場者の約50人が参加し、優勝者の頭上をイルカがジャンプして勝利を祝福した。 今年3月20日の開業55周年にちなんだ周年企画の一環。予選は○×の勝ち残り方式で実施。歴史に関する問題のほか、ネコザメの愛称の由来など幅広い話題で参加者を楽しませた。 10人ほどが残った決勝はイルカショーのステージ脇での一発勝負。「水族館のシンボルのイルカが開業日にはいなかった」との問いに解答者は二手に分かれ、正解の○側はイルカが頭上の高さ3メートルほどを飛び越えた一方、不正解側には尾びれで容赦の無い大量の水しぶきを浴びせた。
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専門店と開発 バナナワニ園のプリン大人気 東伊豆・奈良本
東伊豆町奈良本の熱川バナナワニ園が伊豆市の専門店と開発した「熱川バナナプリン」が4月下旬の発売以来、人気を集めている。連日100個が完売し、担当者はうれしい悲鳴を上げる。 プリン専門店「修善寺プリン工房」(伊豆市)と共同で開発した。海外産のバナナを使った12種類の試作品を同園の職員らが吟味。完熟バナナを使い、人工甘味料不使用で芳醇(ほうじゅん)な香りと風味を実現した一品を選んだ。カラメルソースも専用に開発し、食感と味のアクセントにバナナチップも添えた。保存料や添加物も不使用という。 1個480円で園内の売店のほか、通販でも販売。園内のフルーツパーラーでもドリンク付き800円で味わえる。
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河津「春バラまつり」開幕 赤やオレンジ、6千株が順次開花
河津町峰の町営バラ園「河津バガテル公園」で28日、「春バラまつり」が開幕した。多彩なイベントとともに、約1100品種6千株が植えられた約3万平方メートルのフランス式庭園が順次彩られる。6月30日まで。 開幕日は早咲き品種中心に開花を迎えた。赤色と黄色のグラデーションが目を引く「チャールストン」や、オレンジ色が鮮明な「リオサンバ」などが来園者を楽しませている。3月から4月にかけての高温で生育が進み、例年より若干早めの5月上旬頃に多くが見頃になるという。 町企画調整課の笹本耕平主事(36)は「これからは枝が伸びたつるバラのトンネルもお薦め。短期間で園内は表情を変えるので、ぜひ複数回訪れてほし
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下田「海の家」GWも 吉佐美大浜、地元の若者が開業
下田市の吉佐美大浜海岸で海水浴シーズンに合わせて営業される海の家が、4~5月の大型連休期間中に限定オープンする。新たな試みに挑むのは、海岸近くでコーヒーや食品の販売を手掛ける板橋隼平さん(27)ら地元の若者たち。海の家を運営する地域住民の高齢化や海水浴客の減少が課題となる中「伊豆地域のモデルケースになってほしい」と地域からは期待の声が上がる。 開店を間近に控えた27日、海岸にほど近い海の家では板橋さんと土屋のあさん(23)が営業準備に追われていた。板橋さんの店で人気のコーヒーやジェラート、土屋さんが働くカフェレストラン「オンザビーチ」のプレートランチなどを提供する予定という。 海水浴シー
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下田市 12日に庁舎移転説明会 28日から市民意見も募る
下田市役所の庁舎移転事業について松木正一郎市長は27日、5月に新庁舎建設の市民説明会を開くと定例会見で明らかにした。28日からパブリックコメントを募る方針も示した。 市は26日、旧稲生沢中校舎の活用などを新たに盛り込んだ基本計画改訂案を審議会に諮問した。審議会は2017年にも開かれて答申したが、工事の入札不調などで改訂前の基本計画が実を結ばなかった。松木市長は「移転経緯を丁寧に説明するとともに、将来を見据えて長期的な視点で市民に移転を考えてもらうきっかけにしたい」と話した。 説明会は5月12日午後7時から市民文化会館で開催。基本理念や施設計画などを説明する。申し込みは不要。パブリックコメ
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改訂案審議会が初会合 庁舎移転基本計画 下田市「重要な一歩」
下田市役所の庁舎移転事業における「市新庁舎建設基本計画」改訂案の審議会の初回会合が26日、移転予定地の旧稲生沢中(3月に閉校)で開かれた。市が同校の旧校舎を含む現在の移転用地と日程を示し、関連費を盛り込んだ2022年度当初予算を市議会が可決してから初となる第三者の意見聴取機会。市は審議会の議論を、長年二転三転してきた懸案事項を前進させるための「重要な一歩」と位置付ける。 改訂案では旧校舎を23年度に改修。一部の部署を現庁舎から先行して移転させ、24年度の早期から順次供用開始する。続いて旧校舎の隣に1棟を新築し、26年度早期の供用開始を目指す。旧校舎に先行移転した部署は、新築庁舎に移る可能性
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ウクライナ支援ショップ開店 下田、売り上げ既に100万円超
下田市の有志団体「高校魅力化推進会議」が、戦況が悪化の一途をたどっているウクライナの支援を目的にしたチャリティーショップを市内にオープンしている。既に売り上げが100万円を超えたといい、関係者は市民らの善意に謝意を示す。 団体事務局長の渡辺久志さん(65)が企画。同市二丁目の旧櫛田レコード店跡にショップを構えた。生活雑貨や玩具、農産品、洋服など、県内外から寄付を受けた品物を安価で販売している。収益は全額ユニセフを通じてウクライナ支援に充てられるという。 同市の絵本作家鈴木まもるさん(69)の作品もサイン入りで販売していて、人気を集めている。 渡辺さんは「数え切れないほどの品物が集まり、
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“海底ワイン”引き上げ 下田の河津建設、水深20メートルで熟成
総合建設業の河津建設(下田市)は20日、およそ半年間下田港内で熟成させた“海底ワイン”を引き上げた。6回目の事業で、「熟成が進み、まろやかな味わいになる」と好評を博している。今後熟成を委託した飲食店や酒販店などで販売、提供される。5月の黒船祭でも飲み比べのブースを設ける予定。 事業は酒類に付加価値を付けて地域経済の活性化に寄与しようと開始し、今回は宿泊施設や飲食店など24の個人と事業者から委託を受けた。2021年10月から約750本を鉄製のかごに入れ、直射日光の届かない水深20メートルで熟成させた。 同社によると、水温が安定している海底は熟成速度が速いとの説もあり
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程よい辛み、クレソンでバーガー作り 「下田が産地」知って
下田市の農業平山武三さん(49)のクレソンを収穫から調理まで体験するイベントがこのほど、市内で開かれた。県内外の消費者が参加し、クレソンをはじめとした地物野菜をふんだんに使ったハンバーガーを調理した。 参加者は平山さんの畑でみずみずしいクレソンを収穫。下田市のシェフ松崎翔さん(29)に教わりながら、商業施設「ナンズヴィレッジ」で調理に挑んだ。バーガーにはハンバーグとクレソンに加え、南伊豆町産のトマトとレタスを使用。バーガーが完成すると、大ぶりで程よい辛みのクレソンとビーフのうま味が絶妙にマッチした一品を口いっぱいに頬張った。 平山さんは「下田が産地であることを知ってもらい、ゆくゆくはクレ
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イルカに検温 健康チェック 下田海中水族館
下田海中水族館は19日、日本動物園水族館協会の「飼育の日」に合わせ、イルカの生態系を学ぶイベントを同園で開いた。飼育員が体温測定を実演し、来園者は間近でイルカの健康管理に理解を深めた。 飼育員の冨塚美帆さん(23)が講師を務めた。長さ20センチほどのケーブル状の器具を使用し、バンドウイルカのジョイ(雄)の直腸温を測定。ジョイは冨塚さんの合図で尾びれを上げ、静かに測定に従った。体温は36度6分。イルカの平熱は36~37度程度といい、無事「平熱」だった。 冨塚さんは、イルカの口の中がピンク色ではなく白っぽい色だった際は貧血が疑われることや、専用の薬の種類が少ないため人間の薬で代用する場合があ
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文学遺産、住民の温かさ 後世に 番外編/取材後記【伊豆に息づく 川端康成没後50年】
川端康成没後50年の節目に、ゆかりのある伊豆の人々らを追った本連載の取材は、30代の記者にとって新たな発見の連続だった。川端と『伊豆の踊子』は今も地元に生き続けている。記者が取材を通じて抱いた伊豆への思いをつづった。 河津町の伊豆の踊子文学碑の建立に尽力した稲葉修三郎さん(95)の口からは、直接相対した文豪のエピソードが次々と飛びだした。これほどの逸話が広く知られていないのはもったいない-。心底そう感じた。 伊豆には多くの川端ゆかりの地が存在するが、こうした川端と直接関わった人々の言葉もまた、無形の遺産であり、後世に伝えていく必要がある。 一方、新型コロナウイルス禍の影響もあるだろう
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伊豆ゆかり川端康成、没後50年 東伊豆町立図書館、企画展開始
伊豆地域にゆかりの深いノーベル賞作家の川端康成(1899~1972年)の書籍が並ぶ企画展が東伊豆町立図書館で開かれている。16日は川端の没後50年。担当者は「『伊豆』の名を世界に広めてくれた功績に感謝したい」と強調する。 ノーベル賞作家の節目に読書熱を高めようと、館内の一角に専用ブースを設けて所蔵する約40冊を並べた。代表作の一つ「伊豆の踊子」をはじめとした著書や、川端の研究書など多彩な作品を用意した。 内山淳子館長(59)は「『伊豆の踊子』は短編なので、多くの町民に気軽に読んでもらいたい」と呼び掛けている。5月末ごろまで展示予定という。 「伊豆の踊子」は川端自身の実体験から着想を得た
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記者コラム「清流」 ありがとうNさん
静岡の本社に電話したいのに、携帯の電波を示すマークが「×」のまま変わらない。「おーい、スマホが通じないぞ!」-。紺碧(こんぺき)に輝く海原を前に、取材中の同僚と途方にくれた。 南伊豆町の海岸でロッククライミング中とみられる3人が転落し、死亡した事故。現場では携帯がほぼ不通で、専門家はアクシデント発生時の事態の深刻化に警鐘を鳴らす。今となっては詳細な状況を知る由もないが、行楽が本格化する5月の大型連休前に教訓としなければならない。 前述の問題は、民家に飛び込んで固定電話を借りて事なきを得た。「困っている人の力になれたのならうれしいです」とご婦人。残念な事故だったが、ご婦人の言葉
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下田中開校式合わせ 自転車交通指導 下田署
下田署は13日、市内4中学校が統合して誕生した下田中の開校式に合わせ、自転車通学者の交通指導を行った。 不慣れな通学路での事故の未然防止を図る狙い。市教委の依頼で実施し、教員や市職員らも参加した。同署中央交番付近の交差点では、左側通行の必要性などを周知。並列走行の危険性も呼び掛けた。 同署交通課の武田功課長は「統合で通学ルートが変わる生徒もいる。不慣れな道こそ、交通ルールの順守が重要だ」と言葉に力を込めた。
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4中学校統合 下田中で開校式、入学式 新たな歴史へ一歩
下田市内の4中学校が統合して誕生した下田中で13日、開校式と入学式が開かれた。生徒と教職員が新たな学校の歴史へ一歩を踏み出した。 下田中は旧下田と稲生沢、下田東、稲梓の4校が統合した。生徒の総勢は約400人。開校式で市教委の佐々木文夫教育長は「各校の伝統と文化を継承し、新たな歴史を築き上げよう」と生徒に呼び掛けた。統合前の4校の代表者がそれぞれ「誓いの言葉」を述べ、「今まで以上に切磋琢磨(せっさたくま)したい」などと決意を新たにした。 新校歌を作詞作曲した音楽ユニットの「アクアマリン」のキーボードとギターのミマスさん(神奈川県)も来訪。「青く美しき われら下田の海」で始まる校歌をピアノで
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下田中で落成式 体育館新築、メディア棟増築 13日に入学式
下田市内の4中学校が統合して誕生した下田中で12日、落成式が行われた。13日の始業式と入学式を前に、関係者約40人が新たな学びやの完成を祝った。 下田中の校舎は、旧下田中を改修。体育館を新築し、図書館などが入るメディア棟を増築した。バス通学者の増加を見据え、敷地内にロータリーも設けた。市教委によると、整備費は21億1300万円。 式典では松木正一郎市長が施工業者に感謝状を贈った。松木市長は「数多くの優秀な人材が輩出されることを心から願っている」と期待を寄せた。 下田中は旧下田と稲生沢、下田東、稲梓の4校が統合した。15学級で生徒は総勢417人の見込み。
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新たな「校歌額」寄贈 4校統合の下田中 地元企業、定着へ願い込める
下田市内の4校が統合して本年度誕生した下田中で、新校歌の歌詞が刻まれた「校歌額」の寄贈式が行われた。関係者が今後歌い継がれる新校歌の定着へ願いを込めた。 校歌額は横約3メートル、縦約1・8メートル。市内で食品製造を手掛ける「クックランド」が寄贈した。新校歌は音楽ユニット「アクアマリン」のキーボードとギターのミマスさん(神奈川県)が作詞作曲した。「青く美しき われら下田の海」で始まる。市内の小中学校をミマスさんが訪ねて構想したという。 クックランドの遠藤一郎会長(57)=下田東中卒=は「校歌の下、4校の生徒が一つになってほしい」と期待を寄せ、市教委の佐々木文夫教育長は「これから新たな歴史を
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気持ち新たに 東伊豆・動物園予備校 3期生入学式
東伊豆町の「動物園予備校アニマルキーパーズカレッジ」は4日、第3期生の入学式を同校で開いた。23人が夢の実現へ気持ちを新たにした。 同校は2年制の認可外教育施設で、河津町の「iZoo(イズー)」の運営会社が2020年に開校。校内で約100種類の動物を育てていて、今春には1期生6人が卒業した。式典では米田健人さん(18)=横浜市出身=が新入生を代表し、「繁殖例の少ない動物の繁殖に貢献できるようになりたい。先輩の背中を追い、誇りを持って励みたい」と言葉に力を込めた。 白輪剛史校長は「1期生は動物園などで活躍し始めた。動物たちからじかに学び、専門的な知識を身につけてほしい」と激励した。
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日本一タイ 118段ひな飾り「上まで見えない」 下田・天神神社
国指定重要文化財「大日如来座像」をまつる下田市蓮台寺の天神神社に2日、「日本一」の118段のひな飾りがお目見えした。118段は、野外で日本一となる東伊豆町の素盞鳴(すさのお)神社のひな飾りと同数。伊豆を地域一丸で盛り上げようと、あえて“同着”にした。 展示は市観光協会アドバイザーの菊地勉さん(71)が発案した。菊地さんはかつて仏現寺(伊東市)の118段のひな飾りを中心となって企画。昨年同協会アドバイザーに就任し、蓮台寺地区の活性化を考えていたところ、天神神社の石段に着目。仏現寺に並べていたひな飾りの展示を下田で実現させた。 鳥居から境内に続く階段には、ひな人形約4
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往年の名車 伊豆半島巡る 県内外20台「ツアー・イズ・ラリー」
クラシックカーで伊豆半島をラリーするイベント「ツアー・イズ・ラリー」(実行委主催)が2日始まった。初日は伊豆市をたち、下田市を目指して競技が行われた。全長約260キロで、3日まで。 イベントは、指示されたコースを指定された速度やタイムで走り、正確性を競う。市街地や観光スポットは安全を考慮して記録は計測しない。県内外から約20台が参加し、自動車レースのダカール・ラリーを1997年に日本人で初めて総合優勝した篠塚建次郎さんも出場した。 初日は選択制のルートで、伊豆市の湯ケ島や伊東市の小室山などを経由し、旧下田ドック跡地に向けて南下。2日目は修善寺虹の郷(伊豆市)を目指す。
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イルカが入社を‘‘祝福” 意気込み初々しく 下田海中水族館
下田海中水族館(下田市)は1日、入社式を同所で開いた。新入社員らはイルカから“激励”を受け、一人前のトレーナーとしての飛躍を誓った。 2021年度の入社式がコロナ禍で中止となり、21、22年度の新入社員計5人が入社式に臨んだ。飼育課配属の5人が鈴木博総支配人から任命書を受けた。 既にショーで活躍中の糸賀帆海さん(21)=同市出身=が、カマイルカのエース(雄)とハート(雌)が背後の水槽で見守るなか、代表あいさつ。糸賀さんがジャンプのサインを送ると、2頭は3メートル近く勢いよく跳び上がり、入社を“祝福”した。 斎藤聖華さん(20)=愛知県出身
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記者コラム「清流」 “ラグビー県”に県民の声を
「新リーグ開幕をきっかけに、何が何でもラグビー熱を全県に広げたい」-。浜松市の講演会で元日本代表の五郎丸歩さんが声を張った。 静岡ブルーレヴズのフロント幹部として、PR策を語った五郎丸さん。2019年W杯で日本代表が世紀の番狂わせを演じたエコパの地元・袋井市で、当時の市ラグビー開催推進室長だった石黒克明さんが「ラグビー文化を根付かせるにはW杯後が本当の勝負」と語っていたのを思い出した。 ボランティアなど、W杯には県民が多様な形で関わった。経験したからこそ伝えたいアイデアがあるはずだ。大会を盛り上げようとする多くの県民を当時取材した。ぜひもう一度声を上げてほしい。五郎丸さんの思いの実現へきっと
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浜松少女いじめ訴え 市教委ずさんな対応露呈 抜本的対策、早期提示を【解説・主張しずおか】
浜松市の少女(18)が市立小中学校在校時にいじめを苦に転校した問題の再調査を担った第三者機関が公表した報告書は、市教委が2018年に行った調査のずさんさを浮き彫りにした。市教委は23日の記者会見で少女や保護者に謝罪したものの、調査時の認識不足を露呈。再発防止に向けた具体策の提示にも至らなかった。 「ガイドラインを軽視していたわけではない」。記者会見で、市教委の幹部らは何度も繰り返した。 ガイドラインとは、文部科学省がいじめ防止対策推進法に基づいて17年に制定し、いじめ被害への対応策をまとめた「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」を指す。鈴木康友市長が設置した第三者機関の再調査委
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自分の命は自分で守ろう 災害の危険性、親子で学ぶ 浜松
浜松市防災学習センター(中区)は26日、親子連れらがワークショップ形式で防災に理解を深めるイベント「春フェスタ」(静岡新聞社・静岡放送後援)を同所で開いた。 「体験ひろば」と題した一角では、災害発生時の保育園内のイラストから、戸棚から離れるなどの正しい行動を見つけるゲームなどを実施。他にも段ボール製のベッドの制作体験や、避難所で健康的に暮らすための体操教室なども人気を集めた。 体験ひろばの講師を務めた聖隷クリストファー大4年の杉山和也さん(22)は「東日本大震災が生まれる前のことだったり、記憶になかったりする子供も増えている。災害の危険性や、自分の身は自分で守るという意識を伝えてきたい」
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記者コラム「清流」 「春なのに」
「コロナ禍とともに始まり、コロナ禍の中で終わった皆さんの学校生活でした」-。浜松市内で開かれた医療系の2年制専修学校の卒業式で、校長があいさつした。 学友同士の交流もままならなかっただろう。自身の学生生活を振り返ると、思い出は専ら勉学以外だった。学生の心中は察するに余りある。 コロナ禍で着任した浜松では、取材相手の“素顔”をほとんど見ていない。多くの人と出会えた財産に変わりはないが、人と会うのが仕事なだけに、やっぱりさみしい。 卒業生代表は「求められる役割が刻々と変わる中、精いっぱい頑張る」と力強かった。学生時代の友人は一生の友。交流は続くだろう。きっといつか&
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熱気球「気持ちいい」 “上からの景色”満喫 浜松市西区・神ケ谷町子ども会
浜松市西区の神ケ谷町子ども会は21日、熱気球の体験イベントを神久呂中(同区)グラウンドで開いた。神久呂小児童ら約90人が交代で乗り込み、地上約10メートルの高さから見渡す眺望に歓声を上げた。 熱気球はゆっくりと上昇。5人前後に分かれて気球のバスケットに搭乗した児童は、地上の同級生や保護者らに手を振り、周辺の景観を満喫した。3年の嶋村優我君は「普段は見られない上からの景色を眺められた。風も気持ちよかった」と声を弾ませた。 イベントは、コロナ禍で出歩く機会が減った子供たちに、非日常の楽しさを味わってもらおうと企画した。熱気球の体験会を各地で開催しているクレオ21(静岡市葵区)の協力で行った。
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外国人と交流促進へ 浜松市民向けリーフレット第2号発行
浜松市多文化共生センター(中区)はこのほど、市民向けに外国人との交流に役立ててもらおうと、リーフレット「おとなりさんは外国人!」の第2号を発行した。在住外国人に関する情報や外国文化を紹介している。 南区の飯田町上組自治会と外国人市民による交流会の様子を中心にまとめ、自治会役員の「災害時の避難所生活のために普段から交流していく必要がある」との声を掲載した。 リーフレットによると、市内には2022年1月現在で、87の国と地域の2万4996人が在住。日系ブラジル人らがものづくりを支えた歴史など、浜松に大勢の外国人が在住する背景を紹介。外国人との交流手段として、敬語や熟語を使わず簡潔な日本語を用
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奄美大島の文化考える 学生が企画、自然の動画やトーク 浜松
島唄をはじめとした奄美大島(鹿児島県)の文化について考察するイベント「奄美のシマ唄・島唄 つなぐ」が5日、浜松市中区の静岡文化芸術大の講堂で開かれた。 同島に拠点を置くピアニスト村松健さんらが出演した。雄大な自然の動画をスクリーンに投影しての演奏や、村松さんら奄美大島の関係者らのトークを通じ、参加者は2021年に世界自然遺産登録された同島の生態系や、特有の音階を持つ奄美の島唄に理解を深めた。イベントは伝統文化の継承や環境保全について考えるきっかけにしたいと、同大文化政策学部長で民族音楽学が専門の梅田英春教授(59)に学ぶ学生たちが企画した。
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浜松の古墳学ぼう 市博物館が企画展 出土品150点並ぶ
浜松市内の古墳の出土品約150点を披露する企画展「古墳へでかけよう! 浜松の横穴式石室」が5日、中区の市博物館で始まった。5月8日まで(月曜と3月22日は休館、同21、28両日と5月2日は開館)。 同館によると、市内ではこれまで約1700基の古墳が発見され、うち9割以上が古墳時代(6~7世紀)後期の横穴式石室を有すると推察されている。企画展では、金や銅で装飾された蜆塚古墳群(中区)の馬具などを展示した。蛭子森古墳(東区)から出土したつぼのふたは、通常はボタン型のつまみ部分が鳥を模した形になっていて、当時、鳥が神聖な生き物として考えられていた可能性を示している。 3月6日と4月2日の午前1
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子ども食堂支援へ募金型自販機 浜松市中区にダイドードリンコ
浜松市中区瓜内町にこのほど、「子ども食堂支援募金自販機」が登場した。飲料を購入すると、売り上げの一部が子ども食堂の運営費などに役立てられる仕組み。ダイドードリンコが同様の自販機を各地に設ける取り組みの一環で、県内では御殿場市などに設置。浜松市内では初という。 自販機は、トートバッグ専門ブランド「ルートート」の運営会社「スーパープランニング」の事務所前に置いた。この自販機では手数料を含む売り上げの6%が、中区で子ども食堂を運営する任意団体「はままつファイト!!レガーロ」に贈られる。 2日に関係者が現地に集まり、設置状況を確認した。ダイドードリンコ中部営業部の貝元太部長(49)は「県外では、
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服装、頭髪…選択の自由要望 浜松高台中生徒会、校則の改定案提出
浜松市立高台中(中区)の生徒会は1日、校則の改定案を犬塚智春校長に提出した。服装を中心に、生徒へある程度の自由を求める内容。今後正式に採用される見込み。 校則の改定案では、防寒や熱中症対策での帽子着用や、登下校時の時間確認のために腕時計の持ち込みを可能とした。白色以外の靴や靴下の着用許可も、要望。頭髪については、刈り上げをはじめ「学校生活にふさわしい髪形」を自ら選択できるよう求めた。 竹下健太生徒会長(2年)自身が改定の必要性を感じていたこともあり、昨年末に全校生徒約520人にアンケートを実施。要望を募った上で、生徒会執行部が改定案にまとめた。試行期間を設けた上で改定案の改善策を再度聴取
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卒業料理に“感謝”味付け 浜松・中区の専門学校が作品展
浜松市中区の浜松調理菓子専門学校は20日、卒業作品展を校内で開いた。学生がフルコースのフランス料理やスイーツなどをそろえ、学習の成果を披露した。 調理師科と製菓衛生師科の2年生を中心に約30人が出品。季節感あふれる和食の会席料理や茶葉を使った和洋折衷のコース料理、中華の飲茶(ヤムチャ)などを発表した。 「美女と野獣」といった個別テーマを設けたケーキなどが会場を彩った。和菓子の練り切りやピザの調理体験など、来場した子供向けに準備した「食の学校」も人気を集めた。 卒業生がコース料理を家族に振る舞う「感謝のレストラン」では、メインにカモ肉のパイ包みと豚の角煮を用意。支えてくれた家族と、料理食
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静岡大浜松キャンパスのサークルが科学講座 児童に「マジックボックス」工作指導
静岡大浜松キャンパス(浜松市中区)の理科工作サークル「キッズサイエンスカフェ」の学生による科学講座が19日、西区の神久呂協働センターで開かれた。大学と市による連携事業で、工学部の学生5人が市内の小学生9人にものづくりと科学の魅力を伝えた。 プラスチックの円筒や発光ダイオード(LED)、一部の光を通して残りを反射するハーフミラーが材料の「マジックボックス」の作り方を指導した。トレーシングペーパーを内部に貼り付けた円筒に暗がりで点灯すると、蛍光ペンで描いたイラストが浮かび上がる仕組み。工作の完成後には幻想的な光が暗室内に浮かび、児童は驚きの声を上げた。 神久呂小1年の岡本翔太君は「分からない
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だるまに「合格」祈願 僧侶が筆入れ 浜松・蔵興寺で大祭
虚空蔵寺(こくぞうじ)の愛称で知られる浜松市南区の蔵興寺で12日に大祭が始まり、受験生らの願いを僧侶がだるまにしたためた。13日まで。 本尊の虚空蔵菩薩(ぼさつ)が知恵と福徳の仏とされる。参拝者は「高校合格」などの祈願内容を選び、購入した大小のだるまに僧侶が筆を入れた。家族連れらはだるまを手に読経に耳を傾け、これまでの努力が実るよう願いを込めた。 例年は県外からも参拝者が訪れるが、感染症対策で規模を縮小した。松山泰道住職は「厳しい時代だが、皆さんの願いを精いっぱい本尊に伝えたい」と語った。
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記者コラム「清流」 あの日の君がそこにいた
2019年夏の全国中学校体育大会、女子1500メートル決勝。猛烈なラストスパートで優勝したランナーがいた。浜松市立北浜中の杉森心音選手。快走直後にもかかわらず、何事もなかったかのように朗らかに振り返る姿に「本当に中学生?」と度肝を抜かれた。 年末の全国高校駅伝。優勝した仙台育英高で2年生ながら2区を任された杉森選手。区間賞でたすきをつないだ直後、テレビアナウンサーが伝えた「笑顔で振り返ってくれました」との言葉にあの夏を思い出した。 当時の取材ノートには「これから新たな目標を見つけたい」との言葉が。体力、技術に加え、前を向き続けるあくなき向上心。トップランナーへのさらなる飛躍を期待せずにい
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オートファジーの制御異常と肥満 気管支ぜんそく悪化の一因 浜松医大チーム発表
肥満の人の気管支ぜんそく治療に光明か-。浜松医科大(浜松市東区)の鈴木勇三助教(44)と須田隆文教授(61)ら同大の呼吸器内科医を中心とした研究チームが、細胞が自らのタンパク質を分解し、再利用する仕組み「オートファジー」の制御異常が肥満と重なることが、気管支ぜんそく悪化の一因になると世界で初めて突き止めた。31日、米科学誌「オートファジー」に発表した。新たな治療法開発の一助となる可能性がある。 鈴木助教によると、気管支ぜんそくは、肥満の患者に高頻度にかかるとされ、重症のぜんそくも多くが肥満を合併していた。オートファジーが肥満と気管支ぜんそくのそれぞれに影響を与えることが分かっていた一方、肥
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留学生の就職促進 プログラム委託終了へ 静岡県内、求められる継続支援策【解説・主張しずおか】
企業と連携したインターンシップなどを軸とした年間プログラムを通じ、静岡県内の大学の留学生の就職支援を手掛けてきた産学官連携組織による事業「ふじのくに留学生就職促進プログラム」が3月末で、国の委託期間を終える。学生や関係者からは戸惑いや不安の声が上がっている。各大学や関係機関には、支援の継続を含め、実情に合わせた対応を求めたい。 プログラムは5年の委託期間で、就職説明会を開催する企業や自治体の調整役を担ってきた。留学生を受け入れる大学側には「これまでのように円滑な就活ができるだろうか」との懸念がある。事業開始以前は調整役が不在のため、試験期間中だったり、開催日程が企業・団体間で重複したりして
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雄踏歌舞伎、歴史次代へ 保存会会長、講座で解説
江戸時代からの地芝居の継承に取り組む雄踏歌舞伎保存会「万人講」(浜松市西区)の坂田忠臣会長(79)による講座(雄踏協働センター主催)が26日、雄踏文化センター(同区)で開かれた。坂田会長が雄踏歌舞伎「万人講」の歴史や史料を解説した。 雄踏歌舞伎「万人講」は戦後に一度途絶えたが、1989年の文化センター開設をきっかけに復活の機運が高まり、地域有志が公演を再開した。坂田会長は復活後に続けている年1度の定期公演について、「伝統芸能を後世につなげるため、毎回必ず子供に出演してもらっている」と強調した。 地元の神社に保存されていた「奉納額」も紹介した。大正時代の品とみられ、役者の名前や芝居の演題な
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「ペットと防災」考える 避難所での共存学ぶ 浜松市防災学習センター
浜松市防災学習センター(中区)は22日、ペットの防災対策を考える講座(静岡新聞社・静岡放送後援)を同センターで開いた。災害発生時のペットの支援法や、避難所での共存を市民ら約30人が学んだ。 被災地での動物の救護活動に携わるNPO法人アナイス(東京都)理事長で、都獣医師会事務局長の平井潤子さん(61)が講師を務めた。 平井さんは避難場所について、ペット同伴の可否を事前に調べておく必要性や、ペットが宿泊可能なペンションや動物病院などを避難所の代替案として用意しておくことを求めた。その上で「避難所で犬がほえるなど、ペットと常に一緒にいることは飼い主自身の負担にもなり得る」と強調した。 東日本
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“浜商旅行社”一押しは? 3年生が地元周遊プラン披露
浜松商高(浜松市中区)の3年生は21日、市内振興に向けて考案した観光プランの発表会に取り組んだ。観光をテーマにした「課題研究」の授業で1年間学んだ生徒たちが、市内の周遊案を披露した。 「課題研究」は77人が20グループに分かれて履修。この日は代表4グループが発表した。浜松八幡宮などを巡るカップル向けツアーを考えた生徒は、コロナ禍で3密になりにくい穴場スポットを周遊に盛り込んだ。 発表会には市観光・シティプロモーション課の小粥圭一グループ長らが訪れて講評し、「卒業後は、浜松の外に出たからこそ分かる魅力を発信してもらいたい」と助言を受けた。 舘山寺地区の周遊を提案した工藤遼太さんは「都会に
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共同製作の小物販売 発達支援学級と通常学級の生徒 浜松
浜松市の八幡中(中区)は20日、発達支援学級の生徒と通常学級の1年生が共同で製作した品々の販売実習「小鳩ショップ」を開催した。保護者を招待し、生徒らは商品を解説して売り込んだ。 クラスの垣根を越えて交流を深める狙いで長年続ける恒例行事。両学級の生徒約200人が木工や縫製など4班に分かれ、9月から作業に取り組んだ。体育館にそれぞれブースを設け、小物棚やトートバッグ、コースターなどを100円で保護者らに販売した。 発達支援学級3年の生徒は「お客さんに喜んでもらえると、作ってよかったと思う」と喜び、通常学級1年の生徒も「発達支援学級の友人たちは作業が上手で、すごく参考になった」と振り返った。
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気温マイナス3度、若手神職らみそぎ 浜松・天竜川
暦の上で1年で最も寒いとされる「大寒」の20日朝、静岡県西部の若手神職が恒例の「大寒みそぎ」に浜松市東区の天竜川で臨んだ。夜明けとともに川に入って神事を執り行い、県民の無病息災を願った。 県西部地区神道青年会の約30人が参加した。この日の朝の天竜川は、気温氷点下3度、水温0・8度。下帯をまとった男性神職とみそぎ装束の女性神職は寒風が吹き付ける中、船をこぐしぐさの「鳥船行事」で体を温めた後、次々と川に入って胸元まで漬かり、朝焼けを背に祝詞を約5分間唱えた。 同青年会の加茂守啓会長(38)=同市西区・息神社=は「『みそぎ』でわれわれの1年が始まる。コロナ禍の収束を一同強く願っている」と言葉に
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EXILE考案 浜松ダンス体験 与進中生が受講
浜松市東区の与進中の1年生は18日、ダンス・ボーカルグループ「EXILE(エグザイル)」のメンバーが浜松まつりをイメージして考案した「浜松オリジナルダンス」のレッスンを受講した。 祭りの練りの動きを取り入れているダンスは、エグザイルのUSA(ウサ)さんが監修。レッスンはダンスインストラクターのU-GE(ユゲ)さんがオンラインで講師を務めた。生徒は両腕を突き上げながらステップを踏む動きなどを繰り返し、心地よい汗を流した。 約100人が受講し、残りの約120人は20日にレッスンを受ける。柳沢真緒さんは「自分のまちのダンスを有名な方が考えてくれたなんてうれしい」と声を弾ませた。 ウサさんが最
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数々のテレビ番組制作 浜松出身の安間さん、半生を書籍化
浜松市出身で、テレビ局でドキュメンタリー番組の制作に携わってきた東京工科大名誉教授の安間総介さん(84)=東京都=がこのほど、プロデューサーとしての半生をまとめた著書「私はNHKで最も幸運なプロデューサーだった」(幻冬舎)を出版した。母校の天竜中と浜松北高に寄贈する予定。 安間さんは1960年代、在日米軍の気象観測機に同乗して「台風の目」に突入し、台風の中の映像を放送するなど、約30年間にわたって先駆的な番組を手掛けた。 72年にインドで起きた日本航空機墜落事故では、記者で、後に作家・評論家となる柳田邦男さんと共に真実に迫った。核戦争が起きた世界をシミュレーションした番組なども制作。退職
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リオ五輪体操「金」 白井さん実演に感激 浜松で高校生向け講習会
2016年リオデジャネイロ五輪の体操男子団体総合金メダリストで、昨夏引退した白井健三さん(25)=日体大助教=が16日、浜松城北工高(浜松市中区)で高校生らを指導した。日本体操界をけん引した白井さんの実演を交えた指導に、生徒らは感激の面持ちを見せた。 静岡県高体連の体操専門部指導者講習会の一環で、県内の高校やクラブチームの指導者と選手約50人が受講。白井さんはウオーミングアップや筋力トレーニングの方法を伝授した。 跳躍の練習では、両手を頭上から下へ振り下ろして跳躍する動きを心掛けるよう求めた。「着地は足ではなく股関節でするもの」との考えも披露。股関節を意識することで、不安定な着地でも踏み
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地ビールや音楽で活性化 浜松・中区で創造都市推進会議学習会
浜松市の官民でつくる同市創造都市推進会議は15日、創造的なまちづくり策を考える学習会「ハママツクリエイティブミーティング」を中区のクリエート浜松で開いた。 デザイン・クリエイティブセンター神戸(神戸市)の永田宏和センター長が講演した。子どもが店舗を考案するワークショップや高齢者対象の料理教室といった同センターの取り組みを紹介した上で、「まちづくりには市民が参画できる『余地』を意図的に残し、地域住民に主体性を持ってもらうことが重要」と説いた。 事例発表では浜松市内の複数の民間団体が、地元産品によるクラフトビール開発や音楽イベント開催などの活動を報告した。 今回のイベントは国連教育科学文化
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高校生が小屋作りに挑戦 浜松大平台高 地元工務店が指導
浜松大平台高(浜松市西区)の生徒が、地元工務店の指導で住宅を模した建築物(小屋)作りに挑んでいる。11日には材木の加工などに取り組んだ。 製図などにとどまらず、実際に建築技術を学び、進路の選択肢を広げる狙い。芸術・デザイン系列の2年生6人が参加し、村木建築工房(東区)の村木幹直社長(54)らが指導役を務めている。 土台作りや梁(はり)の組み立ては終えていて、この日は村木社長の手ほどきを受けて壁となる材木をのこぎりで切断した。 1月中に外装を仕上げ、高さ3メートル、面積15平方メートルほどの平屋建てを完成させる予定。生徒の森拓斗さんは「一つの物を完成させるにはチームワークが重要だとよく分
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障害者の門出を祝福 浜松で新成人祝うイベント NPO企画
浜松市中区の認定NPO法人「魅惑的倶楽部」は10日、地域で開かれる成人式に参加できない障害者を祝福するイベント「魅惑的生人四季」(静岡新聞社・静岡放送後援)を同区のホテルで開いた。 保護者やボランティアら約30人が新成人2人の門出を祝福した。協賛企業からの記念品贈呈や、浜松商高卒業生の吹奏楽団によるリモートの演奏などを実施。同NPOの理事で女子プロレスラーの神取忍選手が「人生の新たな始まり。明るい未来をつかんでほしい」と画面越しに激励した。 同NPOは20年前から同イベントを開催している。鈴木恵子理事長(62)は「さまざまな事情を抱える中、障害者や家族の良い思い出にしたい」と話した。
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こま、けん玉、かるた… 浜松科学館が企画「昔あそび広場」
昔ながらの多彩な正月遊びが楽しめる企画「昔あそび広場」が3日、浜松市中区の浜松科学館で始まった。10日まで。 こま回しやけん玉、かるたなど7種類の遊びを体験できる一角を設けた。それぞれの解説パネルを用意し、けん玉のルーツはフランスの貴族らが親しんだ玩具「ビルボケ」とされるといった豆知識などを紹介。佐藤幼稚園年長の石田真葵ちゃん(6)は「初めて見る遊びもあって楽しい」と声を弾ませた。 子どもたちに伝統的な遊びを知ってもらおうと、2019年から続けている。担当の加藤香名子さん(32)は「孫と夢中になって楽しむ方も多い。けん玉の求心力と遠心力など、科学が応用されている遊びもあるので、楽しみなが
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遺跡研究で大臣賞 浜松の中学生3人 全国サイエンスコンクール
浜松市の中学生3人が「縄文時代の石斧(せきふ)工場」とも言われる、北区都田町の川山遺跡の現地調査や出土石器から当時の様子を推察した研究がこのほど、第65回全国学芸サイエンスコンクール(旺文社主催)で文部科学大臣賞を受けた。3人は小学生の頃から現地に通っていて、積み上げた研究成果が「中学生サイエンスの部」の出品作約1万5300件中トップ評価の快挙となった。 3人は加藤温人さん(可美3)、佐藤拓心さん(入野2)、広瀬峻一朗さん(佐鳴台1)。中区の自然科学体験教室「ドルカス・アドベンチャークラブ」の仲間で、小学生の時から教室の活動で川山遺跡に足しげく通っていた。 同遺跡は縄文後期から晩期の石器
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浜松中央署 警察協力者を表彰 佐野新聞サービスセンターなど
浜松中央署は28日、防犯の広報や留置人の健康管理をはじめとした警察業務への功労者と功労団体を表彰した。長年にわたりミニコミ紙の発行で犯罪抑止や事故防止に貢献している佐野新聞サービスセンター(浜松市中区早出町)など、同区の3個人5団体に感謝状を贈った。 同サービスセンターでは、2004年からB4判両面の「さのしんタイムス」を発行。同署と連携し、犯罪の発生状況や詐欺の手口の紹介、交通安全ルールの啓発などを掲載している。編集長を務める岩田桃子さん(同区)が編集と印刷を一手に引き受け、現在は月に1回、新聞に折り込んで配達。教育情報や書籍なども紹介している。 河合竜司署長は「皆さんの協力でわれわれ
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フランスの食文化普及に貢献 「騎士」の勲章 ホテル「ザ浜名湖」元総料理長の長門さん 受章「地元食材のおかげ」
浜松市西区のホテル「ザ浜名湖」(旧浜名湖ロイヤルホテル)の総料理長や総支配人を歴任した長門慶次さん(68)=同区=がこのほど、フランスの食文化普及に貢献したとして同国の勲章「農事功労章シュバリエ」を受けた。東京・港区の同国大使公邸で開かれた叙勲式に出席した長門さんは「浜松ほど、山、海、湖の幸に恵まれた地は他にない。美味を一層発信したい」と意気込みを語った。 長門さんは兵庫県出身で、現在は同ホテルを運営する大和リゾート(東京都)の名誉総料理長。国内のホテルやフランスなどでの修業を経て1988年、浜名湖ロイヤルホテル開業に伴って洋食料理長に就いた。 2004年の浜名湖花博では、同国印象派の巨
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都大路へ届け 生徒ら熱い応援 全国駅伝女子初出場・浜松市立高
浜松市中区の市立高は26日、京都市で開かれた全国高校駅伝女子で、唯一の初出場校として都大路に臨んだ同校チームを応援するため、同級生や教員ら約50人が校内に集まってテレビ画面越しに声援を送った。=関連記事9面へ コロナ禍で、現地での応援が実現できなかった。生徒らは中継所のたすきリレーの様子などが映し出されると、大きな拍手を送った。吹奏楽部2年の楠美菜部長は「できれば、自分たちの演奏で直接応援したかった。仲の良い友人たちが頑張る姿に勇気をもらえた」と声を弾ませた。
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犯罪被害者支援金 浜松市、一括申請可能に 条例案提出へ
浜松市は2022年度から、犯罪被害者への支援金を支給する方向で調整を進めている。県内には既に支給している市町はあるが、遺族らが複数の支援金制度に申請する必要があるのに対し、同市では大部分を一括申請できるのが特徴。市は関係条例の制定案を同年の市議会2月定例会に提出予定で、可決されれば、4月から施行する考え。申請は被害者らの精神的負担の一因にもなっているため、市は手厚い支援で負担軽減を図る。 支援の対象となるのは、国内外で犯罪被害に遭い、生命や身体を害する行為や性犯罪の被害を受けた市民。浜松市は条例制定後、遺族や被害者自身に10万~60万円を支給する。 先行している県内他市町の支援制度は「見
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中田島砂丘の危険箇所を点検 浜松の市民団体
浜松市の遠州灘海岸の環境保全に取り組む市民団体「浜松の海を守る会」は24日、静岡県や市の担当者とともに中田島砂丘(南区)の危険箇所を点検した。初日の出時の混雑を前に、市民らの安全確保につなげる考え。 砂丘の各所には砂の流出を防ぐ「堆砂垣(たいさがき)」を行政や民間が設置している。強風による飛砂で、砂が流出するのを防ぐ狙いがあるが、一方で多くが竹製のため、観光客らがつまずくなどして一部に損壊が生じている。 点検には約10人が参加し、暗がりでも目立つよう県が堆砂垣に貼り付けた蛍光シールや損壊状況を確認した。 同会の清水浩利代表(52)は「来訪者に一層注意を促すとともに、さらなる対策を考える
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「ラグビー熱全県に」 五郎丸さん(静岡BRCRO)決意語る 21世紀倶楽部セミナー
静岡新聞社・静岡放送21世紀倶楽部は23日、12月例会セミナーを浜松市中区のプレスタワーで開き、ラグビー日本代表として活躍した五郎丸歩さん(35)が講師を務めた。五郎丸さんは来年1月に開幕する新リーグ、リーグワン1部「静岡ブルーレヴズ(BR)」のクラブ・リレーションズ・オフィサー(CRO)として「静岡県にラグビー文化を根付かせたい」と強い決意を語った。 五郎丸さんは昨季限りで第一線を退き、現在はブルーレヴズでスポンサーとの折衝や競技の裾野拡大に努めている。「引退して肩の荷が下りた」と話す一方、「チームへの期待感をひしひしと感じている。西部地区中心と思われているラグビー熱を全県に広げる」と新
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天体観測楽しんで♪ 浜松科学館で24日から企画展
浜松市中区北寺島町の浜松科学館で「プラネタリウムをより一層楽しむための企画展」が24日、始まる。小型のドーム形のプラネタリウム体験や、プラネタリウムに関する品々が並び、天体観測に最適とされる冬の夜空や観測環境を多角的に学ぶことができる。 県内最大のドームを備えた同館のプラネタリウムは、機器の入れ替えに伴い来年2月28日まで休止している。企画展の会場には高さ約2・5メートルのドームを特設し、家庭用プラネタリウムを設置。当日の夜空を“先取り”できる。開館から2006年まで約20年にわたり活躍した初代プラネタリウムの機材を展示し投影機などを並べた。 舘山寺サンビーチ(西
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静岡人インタビュー「この人」 鈴木隆弘さん 給食向けの「減塩パン」を開発中
静岡県学校給食パン米飯協同組合の副理事長として、「減塩パン」を試作し、11月に浜松市西区の小中一貫校・庄内学園で試食会を開いた。中区や北区、西区、湖西市の給食パンを製造販売している「むつみ製パン」(西区)社長。46歳。 -試作のきっかけは。 「健康志向の観点から、全国的に教育現場における給食パンの減塩化が進んでいる。プロジェクトを立ち上げ、給食での提供の実現へ向けて県教委などにも協力してもらっている」 -試食会で提供したパンの詳細は。 「普段の給食で出ているパンは食塩1・8%だが、1・5%に減らしたロールパンを試作した。食塩を減らすと生地が粗くなったり、殺菌作用が減って傷みやすくなっ
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ビデオ会議を体験研修 7自治会連役員が受講 浜松市南区
浜松市はこのほど、ビデオ会議システム「ズーム」の体験研修を可美協働センター(南区)で開いた。コロナ禍における非対面式の会議方法の普及を図る狙いで、可美地区自治会連合会役員がスマートフォンを使ったオンライン会議への参加方法を学んだ。 IT人材の育成支援などを手掛ける浜名湖国際頭脳センター(中区)の米良直樹さん(50)が講師を務め、7自治会の役員12人が受講した。参加者は自身のスマホやタブレット端末を使用し、全員が一つの会議に参加して通話や写真の共有を実践した。 市市民協働・地域政策課の梶浦遼主任(34)は「感染症対策としての有効性を広めるため、引き続き周知に努める」としている。
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静岡ブルーレヴズ 山谷社長・五郎丸CRO 浜松聖星高で講演
浜松聖星高(浜松市中区)は14日、来年1月に開幕するラグビーの新リーグ、リーグワン1部の静岡ブルーレヴズ(BR)の山谷拓志社長と五郎丸歩クラブ・リレーションズ・オフィサー(CRO)を招いた講演会を同校で開いた。 山谷社長は「プロスポーツ選手に学ぶモチベーションの高め方」と題して講演。アメリカンフットボール代表としても活躍した自身の経歴から、「精神力が強い人は自分で自分を説得することがうまい」と紹介した。その上で、思考をはじめ自分でコントロールできることと、社会情勢などコントロールできないことを分けて考え、時に割り切りながら予測困難な状況にも適合するよう全校生徒約600人に説いた。 五郎丸
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作曲家の音色♪ ビールにのせて 浜松出身の音楽家塚本さん考案
ベートーベンをイメージしたビールで誕生月を祝おう-。浜松市中区出身のトロンボーン奏者塚本修也さん(52)=川崎市=がこのほど、「ドイツ三大作曲家」をテーマにしたビール3種の企画販売を始めた。16日はベートーベン(1770~1827年)の251回目の誕生日。「楽聖」の生誕日をきっかけに、世界を巡った自身の経験から「ビールの本場の味を広めたい」と願いを込める。 ビールの製造は同国西部、ザールブリュッケンの醸造所に要請。重みと飲み応えのある昔ながらの味わいに仕上げた。塚本さんは「3種とも500年ほど前からの伝統的な製造法。作曲家たちもきっと同じような味わいのビールを飲んだはず」と思いをはせる。
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元「山の神」の神野 浜松の陸上界けん引を【風紋】
まだ薄暗い早朝の浜名湖畔。かつて「山の神」と称され名をはせたランナーの姿があった。2時間ほどの練習を終えると、「都心と違い信号も少なくスピードを出せる。市民にも声をかけてもらえ、やりがいを感じています」。表情に充実感がにじんだ。 ランナーは神野大地さん(28)。2015年の箱根駅伝往路5区で圧倒的な走りを見せ、青山学院大に初優勝をもたらした。山登り区間での快走から、今井正人さん(元順大)、柏原竜二さん(元東洋大)に続き、「3代目山の神」の異名をとり、現在はプロランナーとしてマラソンで五輪を目指している。 神野さんが浜松市に拠点を移したのはこの4月。以前から指導を受けていたロンドン五輪代表
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記者コラム「清流」 「夢のつづき」
高校教師だった主人公が35歳で大リーガーになる「オールド・ルーキー」という映画がある。荒唐無稽と言うなかれ。モデルは実在の投手だ。 国内外で活躍するテノール歌手水船桂太郎さんは、浜松市立富塚中の音楽教師だった32歳のときに歌手になる夢が再燃。一念発起するも修業先のイタリアでは鳴かず飛ばず。ところが帰国直前の演奏会で、浜松の生徒にも教えた曲を歌った際に自然と気持ちがこもり、“開眼”したという。 映画では大舞台の試合前、子供に再会する主人公が涙を誘う。富塚中生に当時を語る水船さんの姿に映画を思い出して涙腺が緩んだのは、図らずも同じ32歳になったからか。映画のような世界