テーマ : 防災対策

木造住宅耐震化の静岡県後継事業 現行基準未満も助成検討

 静岡県は6日の県議会危機管理くらし環境委員会で、2025年度末で終了予定の住宅・建築物の耐震化プロジェクト「TOUKAI(東海・倒壊)―0」の後継事業に関して、建築基準法の現行耐震基準(2000年基準)を満たさない木造住宅の耐震助成を「減災効果が認められれば、前向きに取り組む必要がある課題」(鈴木貴博建築安全推進課長)であるとの認識を示し、今後、具体的に検討する考えを明らかにした。

 耐震基準は1981年5月以前の旧基準と、それ以降の新基準に大別されるが、95年の阪神大震災を受け、2000年6月に耐力壁の配置など具体的な規定が強化された。
 TOUKAI―0は1981年以前の旧耐震基準で建てられた木造住宅を対象に、耐震診断費用と耐震補強工事費用を2001年度から助成している。県はこれに加え、1981~2000年に建てられた00年基準を満たさない木造住宅も新たに助成対象にすることを検討すると説明した。
 県建築安全推進課によると、81~00年に建てられた木造住宅は県内に約33万戸あると推計されるが、このうち00年基準を満たさない住宅が何戸あるのかは分かっていないという。
 東京都は首都直下地震での建物倒壊などによる死者数を減らすため、81~00年に建てられた木造住宅のうち、00年基準を満たさない約20万戸(推計値)について23年度から新たに助成対象に加えた。東京都を引き合いに、委員から本県の対応を問われた鈴木課長は「これまで防災先進県として取り組んできた。危機管理部と連携して検討したい」と述べた。
 01年度に始めた本県の耐震補強助成制度の利用累計は2万5818戸(22年度末)。旧耐震基準で造られ、耐震補強が必要な住宅は県内に20年度末時点で約13万3千戸あると推計される。TOUKAI―0では、これらの耐震化を進めることで本県の住宅全体の耐震化率(81年以降の耐震基準ベース)を25年度末までに95%にすることを目標に掲げていて、鈴木課長は「まずは目標達成に全力を挙げる」とした。
 (政治部・尾原崇也)

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