テーマ : 防災対策

悲痛な救援依頼、諦めず活動 能登地震初日から現地入りの県警機動隊員、教訓語る

 能登半島地震の発生初日から石川県珠洲市内で捜索活動に当たった静岡県警広域緊急援助隊警備部隊員2人が8日、静岡市駿河区の県警機動隊グラウンドで報道陣の取材に応じた。倒壊した家屋から心肺停止状態の行方不明者を発見した当時の様子を振り返り、被災地の活動から見えた教訓として陸路確保や家庭備蓄の重要性を訴えた。

能登半島地震の被災地での捜索活動を振り返る佐藤邦洋警部補(左)と鈴木綾巡査部長=8日午後、静岡市駿河区
能登半島地震の被災地での捜索活動を振り返る佐藤邦洋警部補(左)と鈴木綾巡査部長=8日午後、静岡市駿河区
無人の孤立集落を巡回し、警戒活動を行う緊急災害警備隊=1月31日、石川県輪島市(静岡県警提供)
無人の孤立集落を巡回し、警戒活動を行う緊急災害警備隊=1月31日、石川県輪島市(静岡県警提供)
無人の孤立集落を巡回し、警戒活動を行う緊急災害警備隊=1月29日午前、石川県輪島市(静岡県警提供)
無人の孤立集落を巡回し、警戒活動を行う緊急災害警備隊=1月29日午前、石川県輪島市(静岡県警提供)
能登半島地震の被災地での捜索活動を振り返る佐藤邦洋警部補(左)と鈴木綾巡査部長=8日午後、静岡市駿河区
無人の孤立集落を巡回し、警戒活動を行う緊急災害警備隊=1月31日、石川県輪島市(静岡県警提供)
無人の孤立集落を巡回し、警戒活動を行う緊急災害警備隊=1月29日午前、石川県輪島市(静岡県警提供)

 取材に応じたのは機動隊の佐藤邦洋警部補(44)と鈴木綾巡査部長(28)。ともに地震が発生した1月1~5日に珠洲市に入った。
 救助活動では「警察の救助隊です」と声をかけながら市内を巡回した。3日午後には、住民から「倒壊家屋の中に家族がいる。出してあげてください」と涙ながらに呼び止められた。全壊した建物に「もう少しですよ」と声をかけながら、重機やチェーンソーで慎重にがれきを除く作業を進めた。夜にさしかかり雨も降り始めていたが、「災害発生直後はできる限り活動を続けることが人命救助につながる」と諦めなかった。中から高齢男性2人を発見した。
 佐藤警部補は静岡県で南海トラフ地震などの災害が発生した場合には、「能登半島と同様に一部道路が寸断され、孤立する地域が考えられる。陸路ルートを確立することが大事。情報を集約する人員を早期に現場に入れることも部隊を生かす上で重要」と指摘した。
 鈴木巡査部長は緊急災害警備隊として1月24日から輪島市の海岸線の孤立集落にも入り、2月2日までパトロール活動を行った。住民からは水と燃料が足りないとの声を聞いたという。本県民に向けては「伊豆半島も孤立が予想される。生活必需品の備蓄をしっかりしておくべき」と訴えた。
 県警は8日現在、計231人を派遣している。

いい茶0

防災対策の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞