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裁判長、袴田さんと面会 再審公判の出廷免除可否判断か【最後の砦 刑事司法と再審】

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さん(87)の再審公判を巡り、静岡地裁の国井恒志裁判長が9月に袴田さんと面会していたことが5日、関係者への取材で分かった。27日に初公判を控える中、袴田さんの出廷を免除するかどうかを判断するためとみられる。
 関係者によると、9月29日に静岡地裁浜松支部で面会した。検察官と袴田さんの姉ひで子さん(90)、弁護団が立ち会った。袴田さんは年齢を問われ「23歳」と答え、ひで子さんは普段の様子を説明したという。
 弁護団は袴田さんの出廷免除を求めている。拘禁反応により、訴訟能力が認められないとする精神科医の診断書を地裁に提出済み。診断書によると、袴田さんは心神喪失の状態にあり、出廷を強制した場合は「身体的精神的不調を来す恐れがある」と懸念している。
 一方、地裁は9月27日の検察官、弁護団との3者協議で、追加の資料を出すよう弁護団に要請。弁護団は近く提出予定で、地裁はこれらを踏まえて出廷免除の可否を決めるとみられる。
 検察側は再審公判で、有罪立証を維持する方針。弁護団によると、地裁は年度内で結審する意向を示す。
 (社会部・佐藤章弘)

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