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袴田さん弁護団「年内判決難しく」 3者協議10月まで日程追加

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審公判に向けた静岡地裁と静岡地検、弁護団による非公開の第3回3者協議が20日、地裁であり、10月末まで協議日程が追加された。終了後に記者会見した弁護団は「再審公判がいつになるのか」と懸念。目指してきた年内の判決は現時点では難しくなっているとの見方を示しつつ、早期の公判期日を指定するよう地裁に「積極的に求めていく」と強調した。

会見で3者協議を振り返る袴田巌さんの姉ひで子さん(左)と弁護団。この日の協議は、再審公判で使用を予定する法廷で行われたという=20日午後、静岡市葵区
会見で3者協議を振り返る袴田巌さんの姉ひで子さん(左)と弁護団。この日の協議は、再審公判で使用を予定する法廷で行われたという=20日午後、静岡市葵区

 地裁は弁護団と地検に対し、7月10日までに冒頭陳述案を出すよう要請している。弁護団によると、検察官は席上、主張・立証の方針を書面で提出するとともに取り調べを請求する証拠の範囲について「明らかにする」と答えたという。
 証拠調べの方法をはじめ審理計画の策定に時間がかかると見込み、7月19日の次回協議に加え、9月12日と同27日、10月27日にも協議日程を設定した。ただ、不要になれば取り消すこともあるという。検察官が立証方針を保留していることが再審公判を遅らせている大きな要因として、弁護団の小川秀世事務局長は会見で「いたずらに期日を延ばしている」と批判した。
 一方、弁護団は冒頭陳述で、袴田さんの犯行着衣とされた「5点の衣類」は捜査機関による捏造(ねつぞう)証拠であり、排除されるべきで袴田さんは無罪だと主張する。「捏造した経緯や背景をどこまで立証するかは検討中」とした。

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