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旧天竜林高事件 2次再審請求、10月6日に 元校長弁護団が方針

 浜松市天竜区の旧天竜林高を舞台にした大学推薦入試を巡る調査書改ざん・贈収賄事件で、加重収賄罪などで有罪が確定した元校長(75)の弁護団は15日、第2次再審請求を10月6日に静岡地裁浜松支部に申し立てる方針を固めた。元天竜市長(91)=贈賄罪で罰金刑確定、再審請求中=が元校長に現金を渡したとされる日の、元市長のアリバイに関する新たな事実などを新証拠の柱にする。関係者への取材で分かった。
 事件を巡っては、元市長が2回目に現金を渡したとされる2007年12月10日の行動履歴が焦点になっている。確定判決などでは、元市長は同日、スルガ銀行天竜支店で保険契約手続きなどをした後、午前11時ごろに同校を訪れて現金を渡したとされる。
 検察が開示した元市長に対する警察の取り調べメモには「スルガ銀行天竜支店 12時26分事務処理(中谷退店)」との記載があり、弁護側はこの記載は元市長が同支店で保険契約金500万円を振り込んだ際の伝票を基にした可能性が高いとみている。弁護側は「12時26分まで銀行に滞在していたのであれば、検察の立証が破綻する」として、「記載の意味を解明する必要がある。必要不可欠な証拠を開示するべき」と主張する方針を打ち出した。弁護団は、成績改ざんを巡る教職員の供述内容の信用性について、専門家による心理学鑑定の準備も進めていて、補充意見書で提出する。
 元校長は14年に1回目の再審請求を申し立て、23年3月に最高裁で棄却された。元校長は取材に対し「裁判所による誤った判断が示されてから、第2次請求の準備が整うまでの約半年間は耐えがたい期間だった。裁判所には真実を追求し、正義を尊ぶ姿勢を示してほしい」と語った。

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