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再審の請求人、拡大を 福岡事件支援者 浜松で講演

 福岡市で1947年に商人2人が射殺された福岡事件で、強盗殺人罪で死刑判決を受けた西武雄さん(1975年執行)らの再審運動を支援する熊本県玉名市の僧侶古川龍樹さん(63)が14日、浜松市中区で講演した。再審を申し立てることができる請求人の対象拡大など、制度改正の必要性を訴えた。

福岡事件の再審運動を紹介する古川龍樹さん=14日、浜松市内
福岡事件の再審運動を紹介する古川龍樹さん=14日、浜松市内

 講演会は、強盗殺人罪などで死刑が確定し、再審請求中の袴田巌さん(86)=同区=を支援する同市の団体「袴田巌さんを救う市民の会」が企画した。
 福岡事件で、主犯とされた西さんは無実を訴え続け、実行犯として死刑判決確定後に恩赦で無期懲役になった石井健治郎さん(2008年に死去)も「強盗目的はない」と主張した。2人の再審請求は6回にわたったが、2009年までにいずれも棄却された。
 古川さんの父親の泰龍さんは福岡拘置所の教誨(きょうかい)師として西さん、石井さんと面会を重ねるうちに判決の事実誤認を確信し、支援を始めた。父の死後、活動を引き継いだ古川さんは各地で講演し、風化防止に取り組んでいる。
 古川さんによると、当事者や親族の死去、存命の親族の協力が得られないといった事情から、現在の制度では新たな再審請求は困難な状況という。古川さんは「弁護士による請求を認めるといった改正が必要」と強調した。

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