テーマ : 裁判しずおか

元常任顧問に支払い命令 5000万円 MV東海 労組費着服訴訟 地裁浜松支部

 食品スーパー「マックスバリュ(MV)東海」(浜松市中央区)の労働組合で常任顧問などを務めていた女性が組合費4607万円を着服したとして、同労組が女性に損害賠償を求めた訴訟の判決で、静岡地裁浜松支部(烏田真人裁判官)は1日、労組側の主張を全面的に認め、女性に弁護士費用を含む5067万円の支払いを命じた。
 判決によると、女性は2018~19年ごろ、労組の一般会計に計上されない四つの簿外口座を使い分け、労組が株式を保有する企業からの配当金や労組の資金を引き出し、消失させた。組合の財政を掌握する立場としての注意義務を怠り、債務不履行の責任があると認定した。
 女性は簿外口座からの引き出しを認めた一方、労組の一般会計に戻したり、組合の活動費に充てたりしたとして、資金を消失させてはいないと反論した。烏田裁判官は、労組側が提出した会計処理の書類や通帳などの調査結果を基に、女性側の主張を裏付ける証拠はないとの判断を示した。
 判決を受け、同労組の角谷公敏中央執行委員長は取材に「主張が認められ安堵(あんど)している」と話した。同労組では21~23年、女性のほかに2人の幹部が労組費を着服した疑いがあるとして解任されている。角谷委員長は「会計を複数人でチェックするなど、再発防止策を徹底していく」と語った。

裁判しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞