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過失運転傷害で磐田の男性無罪 相手車両「異常な速度」 地裁浜松支部判決

 2020年に磐田市の交差点で乗用車を運転中に右折する際、優先道路を走行していた乗用車と衝突して運転者の男性=当時(66)=に重傷を負わせたとして自動車運転処罰法違反(過失傷害)の罪に問われた同市の男性会社員(65)の判決公判で、静岡地裁浜松支部は16日、無罪(求刑罰金10万円)を言い渡した。大村泰平裁判長は、相手車両が制限を大きく上回る「異常な速度」で接近してきた状況を指摘し、「安全確認義務を怠ったとはいえない」と断じた。
 事故は20年1月5日早朝に発生した。男性会社員は一時停止標識に従って停車後に発進し、優先道路に右折で合流しようとした際、左側から走行してきた相手車両と衝突した。同車両はガードパイプに衝突し、運転者の男性は右足切断を伴う大けがを負った。
 事故をめぐっては弁護側が提出した防犯カメラ映像で、相手車両が時速50キロの制限速度を大幅に上回る時速100キロ超で走行していたことが判明。検察側は補充捜査を経て2度の訴因変更を行った。
 大村裁判長は、男性会社員が右折前の安全確認で想定できる速度として「制限を20キロ超過する程度。50キロ以上超過する車両の存在は想定しがたい」とし、「車両の接近を容易に認識できた」とする検察側の主張を退けた。
 判決後、男性会社員は「とても遠くにいたはずの車両とぶつかったので、相当の速度が出ていたはず。主張が認められてホッとした」と話した。
 静岡地検浜松支部は「判決内容を精査、検討し、適切に対処したい」とコメントした。

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