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トランプ氏 出馬容認か 資格剥奪に懐疑的意見 米最高裁

 【ワシントン共同】米連邦最高裁は8日、大統領選の共和党候補指名争いで、議会襲撃事件に関与したとしてトランプ前大統領の西部コロラド州予備選への出馬資格を否定した同州最高裁判断の是非を審理した。判事からは、州の判断で大統領選出馬の資格を剝奪することに懐疑的な意見が相次いだ。出馬を容認する可能性が高まり、トランプ氏に追い風となった。

8日、米連邦最高裁前で横断幕を示す人たち(AP=共同)
8日、米連邦最高裁前で横断幕を示す人たち(AP=共同)

 トランプ氏本人は出廷せず、南部フロリダ州で記者会見し、判事らが自身に好意的だったと評価し「連邦最高裁を信じている」と述べた。連邦最高裁は、トランプ氏が大統領在任中、保守派判事3人を送り込んでおり、判事9人のうち6人が保守派の構成。同氏に有利な判断を示す可能性が指摘されている。
 コロラド州最高裁は昨年12月、トランプ氏が2021年1月の議会襲撃事件に関与したと判断し、反乱に加わった者の官職就任を禁じる憲法条項に抵触したと認定した。
 連邦最高裁の審理で保守派のロバーツ長官は一部の州の判断だけで大統領選の出馬資格が左右されれば「恐ろしい結果を招く」と指摘。リベラル派のケーガン判事も疑念を示した。トランプ氏が議会襲撃に関与したかどうかは主要な論点にならなかった。
 コロラドでの共和党予備選は今年3月5日に実施される。同種の訴訟は東部メーンなど複数の州でも係争中。連邦最高裁の判断が影響を与えるのは確実だ。

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