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静岡地裁、袴田さんの出廷免除 27日に再審初公判 弁護団「年度内結審は厳しい」

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した元プロボクサー袴田巌さん(87)のやり直しの裁判(再審)を巡り、静岡地裁(国井恒志裁判長)は24日、袴田さんの出廷を免除する考えを示した。同日、法曹3者による非公式の協議が地裁であり、国井裁判長が「(袴田さんは)心神喪失の状態にあると考えているため、強制は求めない」と述べたという。協議終了後、弁護団が会見で明らかにした。

袴田巌さんの出廷免除が認められたことや結審が新年度にずれ込むことが不可避な情勢だと説明する弁護団の小川秀世事務局長(右から2人目)=24日午後、県庁
袴田巌さんの出廷免除が認められたことや結審が新年度にずれ込むことが不可避な情勢だと説明する弁護団の小川秀世事務局長(右から2人目)=24日午後、県庁

 一方、書証の取り調べに想定以上の時間を要することが決定的で、結審が新年度にずれ込むことが不可避な情勢という。年明けから予定していた証人尋問は早くても2月以降となり、論告や最終弁論は4月以降にずれ込む可能性が高い。会見で、弁護団の間光洋弁護士は「年度内の結審は厳しい。裁判所が検察の好きなように立証させることを許容している」と批判した。
 弁護団は袴田さんの出廷免除を求め、拘禁反応により「訴訟能力が認められない」とする精神科医の診断書などを提出していた。国井裁判長らは9月に地裁浜松支部で袴田さんと面会。その際のやりとりや弁護団の資料を踏まえ、出廷の免除を判断したとみられる。
 再審初公判は27日に開かれる。罪状認否では、袴田さんの姉ひで子さん(90)が補佐人として陳述する。
 (社会部・佐藤章弘)

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