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沼津のごみ処理施設計画差し止め訴訟 市「請求却下を」 地裁初弁論

 沼津市のごみの新中間処理施設整備計画を巡る事業費は覚書に反する違法な公金支出だとして、市民59人が市を相手に2022年度の事業費1億300万円の支出差し止めを求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、静岡地裁(菊池絵理裁判長)であった。市側は、事業費は執行済みで訴訟要件を欠いているとして、請求の却下を求める答弁書を提出した。
 原告側は終了後の説明会で、市側の主張を受けて訴えを変更し、頼重秀一市長に損害賠償を請求するよう求めていく考えを示した。
 訴状などによると、沼津市は1976年から同市上香貫のごみ焼却施設を稼働している。施設建設に際して当時の市長は74年、隣接する清水町外原地域の区長らとの間で、現在地で増設や新設を一切しないとする覚書を結んだ。一方、市は現在地での新設を計画し、2020年に民間会社と業務委託契約を締結。市は22年度予算に事業費として1億300万円を計上した。
 市側は答弁書で、覚書について「今後締結される協定の交渉段階で作成された暫定的なもの。法的拘束力は有しない」と反論。原告3人は「覚書の約束を守って」などと意見陳述した。

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