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公立小で配布のチラシ「宗教行為奨励」 裾野の弁護士提訴、キャラクター「すそのん」使用取り消しを

 裾野市の公立9小学校で配布されているチラシが宗教行為を奨励している上、市のマスコットキャラクター「すそのん」の絵が添えられているとして、同市在住の鈴木秀忠弁護士(40)が21日までに、市長に対し、チラシに載っているマスコットキャラクターの使用承認を取り消すことを求める住民訴訟を静岡地裁に提起した。2日付。
 チラシの表面は「明るい家庭づくり三つの実践」との題目で「朝のあいさつをする」「呼ばれたら『ハイ』と返事をする」「はきものをそろえる、席を立つときはイスを戻す」の各行動を推進する内容で、市のマスコットキャラクターの絵が添えられている。裏面には発行主体とされる関連団体の名前とともに、市教委の後援も記されている。
 鈴木氏はチラシが2020年から配布されているとして、三つの行動は特定の宗教団体が奨励する信仰生活だと主張。市が「すそのん」の使用を承認することは、憲法が禁じる宗教的活動に当たる―と指摘している。保護者としてチラシを受け取ったことなどで精神的苦痛を被ったとして市に500万円の賠償を求める訴訟も同日までに静岡地裁沼津支部に起こした。
 市教委の担当者は取材に対し、チラシが昨年4月にも新1年生に配布されたことを認めた一方、提訴については「訴状が届いていないのでコメントは控えたい」とした。

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