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沼津市が山下市議を提訴 駐車場利益返還求め、静岡地裁支部に

 沼津市は28日、自宅敷地に隣接する市有地を有料駐車場として貸した利益として、利息も含めて204万円の返還を山下富美子市議(70)に求める訴訟を静岡地裁沼津支部に起こした。市が現職市議を訴える異例の展開は、司法の判断に委ねられる。
 訴状などによると、有料駐車場は山下氏の父親(故人)が1994年ごろから自身の土地と市有地を一体として運営を始め、2018年に山下氏が相続した。市は法律上の時効や、隣接する橋の工事で使用しなかった期間を除き、発覚した昨年9月までの計9年6カ月、2台分の駐車場代と利息を合算して請求した。
 頼重秀一市長は「昨年12月以降、解決策を伝えてきたが応じてもらえず、やむなく提訴した」とし、「話し合いのタイミングは過ぎた。裁判で明らかにすることが、市民への説明責任としても説得力がある」と強調した。
 提訴を受け、山下氏は「話し合いによる解決を望んできた。提訴に至り大変残念」とコメントした。
 問題は昨年8月、議会への匿名の通報を契機に発覚した。双方の弁護士が協議したが、土地を市が取得した経緯に認識の違いがあり、山下氏側は返還の必要がないと主張。市は10年間の利得として山下氏に約200万円の返還を求めたが、応じなかったため、市議会9月定例会に提訴議案を提出し、議決を受けた。

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