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元運転手、起訴内容認める 小山バス横転初公判 静岡地裁沼津支部

 小山町須走の県道(通称ふじあざみライン)で2022年10月、観光バスが横転し29人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた元運転手の男(27)=埼玉県飯能市=の初公判が28日、静岡地裁沼津支部(野沢晃一裁判官)で開かれ、被告は起訴内容を認めた。
 自動車メーカー側はブレーキやギアなどの関連部品の検証・解析の結果、「性能、作動確認に問題はなかった」としている。県警は、被告がフットブレーキを多用したためブレーキが利かなくなる「フェード現象」の発生が事故原因と結論づけていた。
 冒頭陳述で検察側は、被告がフェード現象について「めったに起きることのない非常時の出来事と思い込み、身近に感じていなかった」と認識の甘さを指摘した。弁護側は「被告の運転免許は取り消され、自家用車を無償譲渡した」とした。証人尋問に出廷した被告の父親は「(被告は)免許を再び取るつもりはなく、今後取らせるつもりもない」と述べた。
 事故は昨年10月13日、富士山須走口5合目から県道を下る途中、バスがカーブを曲がりきれずに横転し、乗客の女性1人が死亡、28人が重軽傷を負った。起訴状などによると、被告はフェード現象を未然防止するための注意義務を怠って車両の制動を困難にし、時速約93キロの速度でバスを横転させ、乗客にけがを負わせたとされる。

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