テーマ : 裁判しずおか

辺野古代執行 即日結審 高裁那覇 実質審理見送り

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡り、軟弱地盤改良工事の設計変更の承認を玉城デニー知事に命じるよう国が求めた代執行訴訟の第1回口頭弁論が30日、福岡高裁那覇支部で開かれ、即日結審した。三浦隆志裁判長は判決期日を追って指定する。出廷した玉城知事は「民意こそ公益だ」と強調し、訴えを退けるよう求めた。
 承認を巡っては、県が国を訴えた訴訟で、県の敗訴が9月に確定。その後も知事が承認しないことは違法だと主張した国側に対し、県側は辺野古移設の問題点を挙げ、対話による解決が必要だと反論していた。即日結審により、移設の是非に関する法廷での実質的な審理は見送られた。県側は厳しい状況が続いている。
 地方自治法に基づく代執行に向けた訴訟を国が起こすのは2例目で、代執行に至れば初の事例となる。承認しないことが、同法が代執行訴訟の要件とする「著しく公益を害する」状態かどうかが争点となっている。
 玉城知事は意見陳述で本土防衛のため犠牲を強いられた沖縄戦や、米軍に土地を強制接収され、日本復帰後も続く基地負担の実態を説明。直近3回の知事選や、投票者の約72%が辺野古埋め立て反対の意思を示した県民投票で民意が表れたとし、公益の判断は「国が押し付けるものでなく、明確な民意こそが公益とされなければならない」と強調した。
 国側は代理人が、知事が承認しないことについて「普天間飛行場の固定化の回避という公益上の重大な課題に関わる」と述べた。

裁判しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞