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「死刑廃止すべき」 袴田ひで子さんら 静岡・清水区で研修会

 現在の静岡市清水区で1966年に一家4人を殺害したとして死刑が確定し、今年10月に静岡地裁でやり直しの裁判(再審)が始まった袴田巌さん(87)の姉ひで子さん(90)が4日、同区で開かれた研修会で講演した。事件の発生直後から再審初公判までを振り返り「巌は絶対に無実だと思っている。(国内外の)皆さんから支援をいただいて巌は幸せ者だ」と述べた。

研修会で講演する袴田巌さんの姉ひで子さん=4日午後、静岡市清水区
研修会で講演する袴田巌さんの姉ひで子さん=4日午後、静岡市清水区

 研修会は「袴田事件を通して死刑廃止を考える」と題して、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル日本(東京)が企画した。袴田さんの弁護団事務局長を務める小川秀世弁護士も登壇し、死刑事件でさえ、ずさんな捜査や誤判があり得ることを強調。「人は不完全な存在であり、絶対的な刑を科すことは許されないのではないか。死刑制度を廃止すれば、誤った死刑判決を完全になくすことができる」と指摘した。
 袴田さんは1980年に死刑が確定した。ひで子さんは「『電波を出すやつがいる』とか言うようになった」と袴田さんの変化を説明。確定死刑囚として社会と断絶された環境に置かれれば「まともでいろと言う方がおかしい」と語った。
 研修会は5日まで。

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