テーマ : 裁判しずおか

裁判員経験者と法曹三者が交流 用語や手続き「難しい」 静岡地裁

 静岡地裁は28日、裁判員経験者と法曹三者(裁判官、検察官、弁護士)の意見交換会を静岡市葵区の同地裁で開いた。経験者の男女4人が裁判員裁判を「ノウハウがはっきりしていた」「安心感があった」などとおおむね好意的に振り返った一方、専門用語や手続きの難解さに戸惑ったことも明かした。

裁判員経験者と法曹三者が参加した意見交換会=28日午後、静岡市葵区の静岡地裁
裁判員経験者と法曹三者が参加した意見交換会=28日午後、静岡市葵区の静岡地裁

 4人はいずれも殺人未遂事件の審理を担当した。60代女性は、検察官や弁護士が証明しようとする事実について述べる「冒頭陳述」について「私としては突然始まった印象。言葉が理解できず、何を言っているのかも分からなかった」と話した。被告が有罪か無罪かや、有罪の場合の量刑などを裁判官と話し合う「評議」について男性(60)は「他の裁判員の考えを知ることができた」、藤波美保さん(47)は「被告の刑を決める大事な時間だった」と振り返った。
 成人年齢の引き下げで昨年から18、19歳も裁判員に選ばれるようになったことを踏まえ、中野雄一さん(38)は「やる前は不安があったけど、やってみると質問もしやすくて安心できた。若い人も経験してほしい」と話した。
 参加した検察官と弁護士は、冒頭陳述の立ち振る舞いなどについて4人に意見を求めた。進行役を務めた静岡地裁の永渕健一所長は「若い世代への広報に注力するとともに、よりよい制度にしていく努力が必要」と語った。

裁判しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞