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静岡の無許可盛り土 処分会社の前社長に懲役1年6月求刑 地裁公判

 静岡市葵区の藁科川上流域に無許可で盛り土が造成された事件で、静岡県砂防指定地管理条例違反と森林法違反の罪に問われた同市の残土処分会社「富田建材」と同社社長(41)=同市=、父親の前社長(84)=同市=の論告求刑公判が2日、静岡地裁(国井恒志裁判官)で開かれた。検察側は会社に罰金250万円、社長に懲役8月、前社長に懲役1年6月をそれぞれ求めた。
 検察側は論告で、同区日向、杉尾両地区の砂防指定地など約7万平方メートルにわたり違法に開発行為をしたとして、「原状回復はもはや困難で被害結果は重大」と指摘。前社長については日向地区で開発行為が始まったとされる2005年当時から一貫して犯行を主導する立場にあり、行政指導を受けても無視して行為を継続したとして「犯意は強固で悪質」と主張した。社長については「犯行期間は前社長ほどではないにしても、利欲的な動機に酌むべき点はない」とした。
 弁護側は会社については寛大な処分を求め、両被告には執行猶予付き判決が相当と訴えた。前社長は「私のいい加減さで申し訳ない」、社長は「下流域に対して今後も安全対策を講じる」と述べた。
 検察は今年2月、2人が共謀して日向地区の砂防指定地で22年6月まで、杉尾地区では同5月頃まで、知事の許可を受けずに盛り土など土地の形状を変えたとして同条例違反の罪で起訴した。その後、日向地区では静岡市長の許可を受けずに1ヘクタールを超える規模で土地の掘削や盛り土などを行ったとして、訴因変更で森林法違反の罪を追加した。

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