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年明けから証人尋問 袴田さん再審 審理計画

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(87)の再審公判はどのように進められていくのか。静岡地裁で開かれた27日の3者協議で、その大枠が少しずつ見えてきた。

記者会見で再審初公判を控えた心境を語る袴田巌さんの姉ひで子さん(右)=27日午後、静岡市葵区
記者会見で再審初公判を控えた心境を語る袴田巌さんの姉ひで子さん(右)=27日午後、静岡市葵区

 10月27日の初公判では、罪状認否で袴田さんの姉ひで子さん(90)が保佐人として意見を述べる予定という。その後、静岡地検と弁護団の双方が冒頭陳述を行い、証拠調べに入る。年内で書証などの取り調べを終わらせ、年明けからは証人尋問が実施される見通しだ。
 初公判を含めた年内5期日のうち前半の3回で、犯人がみそ会社関係者と推認されるかどうか▽事件から約1年2カ月後に現場近くのみそタンクで見つかった「5点の衣類」が袴田さんの犯行着衣かどうか▽袴田さんを犯人とする他の事情があるかどうか―の三つの論点に沿って確定審段階の証拠を、後半の2回でDNA型鑑定など再審請求審段階の証拠を取り調べる。
 地検は、長期間みそ漬けされた血痕に「赤みが残る可能性がある」とする共同鑑定書をまとめた法医学者ら少なくとも5人の証人尋問を検討しているという。一方で、弁護団も「赤みは残らない」と結論づけた法医学者ら4人の尋問を考えている。ただ、来年3月に結審させるためには1、2月の計4期日で尋問を終了する必要があるという。
 間光洋弁護士は記者会見で、地検側の証人について「重複が多く、必要性にも疑問がある」と指摘した。
 (社会部・佐藤章弘)

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