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妻を感電死 被告の男、殺意否認 静岡地裁沼津支部初公判

 2021年、沼津市の自宅で同居する妻を感電死させたとして殺人の罪に問われた同市寿町、トラック運転手の男(66)の裁判員裁判初公判が3日、静岡地裁沼津支部(野沢晃一裁判長)で開かれ、被告は殺意を否認した。
 検察側は冒頭陳述で、被告が妻の生活態度に不満を抱き家具を破損したのを機に、妻から離婚と自宅からの退去を迫られたと説明。電気コードとアルミ板を手袋につなげた道具を作って殺害時に使ったとして「第2種電気工事士の知識を悪用した。強い殺意に基づいた計画性の高い行動」と指摘した。事前に「感電死」をウェブ検索していたことにも触れた。
 弁護側は被告が自身を、手から光線が出る映画のキャラクター「アイアンマン」に見立て「想像上で妻を傷つけることで高揚感を味わっていた。就寝中だったはずの妻が起き大声を出したので、静かにさせるためとっさに触った」と説明した。被告は「殺意はなかった」とした上で、被告人質問で事件前後について「パニックになって気がついたら(妻が)倒れていた」と述べた。
 起訴状などによると、被告は同年12月11日早朝、通電したアルミ板付き手袋で妻=当時(63)=の口を押さえるなどして感電死させたとされる。

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