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組合費4759万円を着服 マックスバリュ東海労組幹部解任 出張費を二重請求

 食品スーパー、マックスバリュ(MV)東海の労働組合は27日、元中央執行委員長代行が組合費4759万円を着服していたことが判明したと発表した。2023年2月までの約20年間、出張費を二重で請求するなどしていた。別の幹部の着服を調査する中で発覚し、5月に役職を解任する処分を下した。
 同労組によると、委員長代行は、上部団体であるイオングループの労働組合連合会(労連)の副会長を兼務していた。労連の業務で都内などに出張する際、交通費や宿泊費、日当などを二重で請求していた。委員長代行は調査に対して着服を認め、遊興費に充てていたと明らかにした。既に一部を返済したほか、今後、全額を返す意志を示しているという。
 出張に関する出費を立て替えた後、労連に経費を請求。その後、MV東海労組からも経費を受け取る代わりに同額を返還する必要があるが、労連から受け取ったことを隠す手口だった。出張1回あたり数万円ほどを着服する行為を繰り返していたとされる。
 MV東海労組の角谷公敏中央執行委員長は「長期にわたり発見できなかったことを重く受け止めている。再発防止に努めていく」とコメントした。
 MV東海労組は2月、常任顧問を務めていた女性が約4600万円を着服したとして、損害賠償を求める訴訟を静岡地裁浜松支部に起こした。労組に帰属する資金を口座から引き出し、消失させたとしている。
 同労組では21年から23年にかけて、今回の元委員長代行と、損害賠償訴訟の相手である元常任顧問の女性のほか、21年まで中央執行委員長を務めていた男性も含め、長年にわたり組織のトップ3だった幹部の全員が着服に関わったとして役職を退いている。

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