テーマ : 裁判しずおか

模擬裁判員裁判を体験 静岡地裁 司法へ理解深める

 静岡地方裁判所はこのほど、裁判員制度をテーマにした一般向けの体験イベントを静岡市葵区の地裁本庁で開いた。16人が参加し、模擬裁判の体験などを通じて裁判員裁判の流れや法曹の仕事について理解を深めた。

模擬裁判に臨む参加者=静岡市葵区
模擬裁判に臨む参加者=静岡市葵区

 模擬裁判はコンビニで現金を奪い、店員にけがを負わせて逃走した強盗致傷事件を想定。自宅近くのごみ捨て場から犯行に使われたとみられるフード付きジャンパーや包丁が見つかり、逮捕された男子大学生の被告役を職員が演じた。参加者はグループに分かれて裁判官や裁判員、検察官、弁護士、証人を務めた。
 被告が起訴内容を否認する中、被告人質問で、弁護士役はアリバイの証明や第三者が被告宅の包丁を持ち出した可能性を繰り出し、検察官役はアリバイ崩しを狙う鋭い指摘を展開した。裁判官や裁判員役は審議を踏まえて評議を行い、無罪の判決を言い渡した。
 現役の法曹三者がアドバイザーとして加わり、参加者からの質問も受け付けた。裁判員役となった大学生の村松沙紀さん(21)は「裁判員の求められる責任の重さを感じた」と語り、検察官役を務めた大学生芳沢優衣さん(21)は「正義に基づいて働いていることを実感できた」と語った。
 (社会部・吉田史弥)

裁判しずおかの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞